623: 2017/11/25(土) 10:36:51.19 ID:+hgZXj2wo

624: 2017/11/25(土) 10:38:40.29 ID:+hgZXj2wo
未央「うんうん、私、お兄ちゃんってのにちょっと憧れてたんだよね」

卯月「あっ、私もそれはわかる気がします」

凛「そう? 私は別にそうでもないかな」

武内P「しかし、アイドルの貴女達を甘やかすと言っても……」

未央「お願い! ちょっとだけで良いからさ!」

武内P「……」

625: 2017/11/25(土) 10:40:44.14 ID:+hgZXj2wo
ちひろ「良いんじゃないですか? ちょっと位なら」

武内P「……千川さん?」

ちひろ「未央ちゃんも、プロデューサーさんなら変な事はしないって思ってるのよね」

未央「その通り! さっすがちひろさん、わかってるね~!」

ちひろ「うふふ、褒めても何も出ないですよー」

武内P「……」

626: 2017/11/25(土) 10:45:16.87 ID:+hgZXj2wo
ちひろ「信頼してるからこそ、甘やかして欲しいって発想が出て来るんですよ」

武内P「そういう……ものでしょうか」

卯月「はい♪ ちょっと恥ずかしいですけど……えへへ」

凛「でも、プロデューサーにそんな真似出来るのかな」

武内P「……少し、練習が必要かもしれません」

未央「練習? 甘やかすのに練習が必要って……どういうこと?」

武内P「全力で、との事なので加減が難しい、私はそう判断しています」

一同「……」

627: 2017/11/25(土) 10:49:23.10 ID:+hgZXj2wo
未央「ちょ、ちょっと待って? そこまで甘やかすつもりなの?」

武内P「はい。私に出来る限りの事はするつもりです」

卯月「そ、そこまで……ですか?」

武内P「当然、アイドルとプロデューサーという関係以上の事はしません」

凛「ふーん。だけど、練習が必要なレベルで甘やかすんだ」

武内P「そうですね……一応、そのつもりでいます」

一同「……」

628: 2017/11/25(土) 10:53:56.63 ID:+hgZXj2wo
未央「じゃ、じゃあさ! 試しに私で練習してみてよ!」

卯月「み、未央ちゃん!?」

凛「何言ってるの?」

未央「だってさ、なんだか面白そうじゃん?」

武内P「いえ、それは出来ません」

未央「えっ、何で?」

武内P「本田さんはアイドルなので……練習相手にするのは、少し」

一同「……」

629: 2017/11/25(土) 10:56:57.30 ID:+hgZXj2wo
卯月「でも、それじゃあ……」チラリ

ちひろ「?」

凛「うん、この場に居る練習相手は一人しかいないね」チラリ

ちひろ「えっ? えっ?」

未央「お願いちひろさん! 甘やかす練習相手、やってあげて!」

ちひろ「わ、私ですか!?」

武内P「そう、ですね。千川さんならば、練習相手として問題はないかと」

ちひろ「……!?」

630: 2017/11/25(土) 11:00:34.85 ID:+hgZXj2wo
未央「大丈夫だって! だって、あのプロデューサーだよ?」

ちひろ「ええと……でも……」

卯月「お願いしますちひろさんっ。プロデューサーさんと仲良くなるチャンスなんです」

ちひろ「だ、だけどね?」

凛「練習だから平気だって」

ちひろ「……」チラリ

武内P「……」

ちひろ「……はぁ、わかりました。仕事もあるので、少しだけですよ」

631: 2017/11/25(土) 11:05:27.73 ID:+hgZXj2wo
武内P「……では、少し準備をさせて頂きます」

未央「準備って……」

武内P「……」

卯月「……移動して、ソファーに腰掛けただけですね」

武内P「千川さん、もし不快に思われたら、すぐに仰ってください」

ちひろ「は、はい」

凛「何それ?」

武内P「……」

武内P「では、いきます」

633: 2017/11/25(土) 11:20:00.50 ID:+hgZXj2wo

「……おいで」


 プロデューサーさんが、いつもの無表情ではない、優しく、穏やかな笑みを向け、
私に向かって軽く手招きをしてきた。
 彼の空気や口調が突然変わった事に驚きを覚えたが、
それ以上にこちらを招き寄せる手の動きから目が離せず、自然と彼に歩み寄っていった。


「……」


 背の低い私は、背の高い彼が座っていても目線にあまり差はない。
 だから、彼の慈しむような、尊ぶような目が私を捉えて離さない。


 そうするのが自然だとばかりに、私は、彼の両脚の隙間にあるソファーの小さな一角に腰を下ろした。
 すると、思った通り、彼は私を後ろから優しく、壊れ物を扱うかのように優しく抱きしめた。


「いつも、君には助けられている。ありがとう」


 包み込む様な彼の言葉に、私は彼の役に立てていたんだという実感を得、
満たされた気持ちでいっぱいになった。
 体の前に回された彼の腕にそっと手を添え、目をつむり、私はこう返した。


「良いんですよ。好きで……やっている事ですから」



未央「ストップ! スト――~~ップ!!」

634: 2017/11/25(土) 11:24:17.50 ID:+hgZXj2wo
ちひろ「っ!? み、未央ちゃん!?」

未央「はい、未央ちゃんですよ! いやいやいやいや、ええっ!?」

武内P「……どう、でしたでしょうか?」

未央「どうもこうもないよ! 何それ! 何だそれ!?」

卯月「み、見てるこっちが恥ずかしくなっちゃいました……///」

凛「ふーん。ちひろさん、楽しそうだったね」

ちひろ「お……おほほほ」ソソクサー

武内P「……」

635: 2017/11/25(土) 11:29:32.66 ID:+hgZXj2wo
武内P「自分では、上手く出来ていたかわからないのですが……」

未央「はい、ちひろさん。ご感想は?」

ちひろ「ええと、そうですね……定期的にお願いしちゃおうかしら?」

卯月「ちひろさん……大胆です」

武内P「何か、改善する点等ありましたら、お願いします」

ちひろ「いえいえそんな! 大満足ですよ!」

凛「頭を撫でてもらったりとか、良いんじゃないかな」

武内P「……なるほど、検討してみます」

一同「……」

636: 2017/11/25(土) 11:35:10.79 ID:+hgZXj2wo
未央「……さて、と」

卯月「……」

凛「それじゃあ、次は私かな」

未央「しぶりん? まるで、順番が決まってたみたいに言うね?」

卯月「り、凛ちゃんずるいです! 私も、甘やかして欲しいですよー!」

ちひろ「はーいストップ」

未央・卯月・凛「?」

ちひろ「皆は、あれをやられて平気なの?」

未央・卯月・凛「……」

武内P「……?」

637: 2017/11/25(土) 11:41:00.06 ID:+hgZXj2wo
未央「それはまあ……」

卯月「言われてみれば……」

凛「確かに……」

ちひろ「もうちょっとソフトに出来るよう、練習が必要だと思うの」

未央「あっ、これずるいやつだ!」

卯月「ち、ちひろさーん!」

凛「ふーん、ちひろさんもそういう事言うんだ」

ちひろ「ねっ、プロデューサーさんももっと練習が必要だと思いますよね?」

武内P「千川さんがそう仰るなら、はい、恐らくその通りなのだと思います」

ちひろ「……!」グッ!

未央・卯月・凛「……」

638: 2017/11/25(土) 11:47:39.54 ID:+hgZXj2wo
武内P「……では、お手数ですがもう一度お願いします」

ちひろ「はい♪」

武内P「先程よりもソフトに、頭を撫でるのを付け加える、で宜しいでしょうか?」

ちひろ「はーい♪」

未央「ちひろさん、めっちゃ楽しそう」

卯月「うぅ~! 早く練習終わらないかなぁ」

凛「……」

武内P「……」

ちひろ「……」

武内P「では、いきます」

639: 2017/11/25(土) 11:52:53.32 ID:+hgZXj2wo
  ・  ・  ・

武内P「……どう、だったでしょうか?」

未央「うん、完璧かも!」

卯月「ちひろさん良いなぁ……私も、はやく甘やかして欲しいです」

凛「ふーん。まあ、悪くないかな」

ちひろ「……」

武内P「? 千川さん? 如何されましたか?」

ちひろ「あっ、いえ……その、実際に頭をナデナデされて甘やかされたんですよ?」

武内P「はい、そうですね」

ちひろ「だけどこう、何と言うか……ソフトと言うか、むしろ表現が無かったというか……」

武内P「すみません、仰っている意味が、よく……」

ちひろ「……いえ、何でもありません」

640: 2017/11/25(土) 12:01:45.78 ID:+hgZXj2wo
武内P「では、もう練習は終わりでも大丈夫でしょうか」

未央「えっと……最初と二回目の中間位で甘やかす、って出来る?」

武内P「中間、ですか」

卯月「はい……その、冷静と情熱の間でお願いしたいんです」

武内P「……」

凛「私は別に、最初の方でも良いけどね」

ちひろ「それは駄目です。プロデューサーとアイドルなんですから、節度は守らないと」

未央・卯月・凛「……」ジーッ

ちひろ「と、とにかく! 最初のは禁止です!」

641: 2017/11/25(土) 12:09:57.01 ID:+hgZXj2wo
  ・  ・  ・

武内P「……どう、だったでしょうか?」

未央「……うん」

卯月「……はい」

凛「……まあ」

ちひろ「皆、プロデューサーさんにナデナデしてもらって、甘やかされちゃいましたね♪」

未央「いや、そうなんだけどね!? そうなんだけど……」

卯月「三人一緒にというか、三人まとめてというか……」

凛「一気にはしょられた感じがするんだけど……」

武内P「すみません、仰っている意味が、よく……」

未央・卯月・凛「……」

642: 2017/11/25(土) 12:14:11.46 ID:+hgZXj2wo
未央「……やりなおし! やりなおしを要求するよ、私は!」

武内P「ほ、本田さん?」

卯月「はい! 私も、今のじゃ納得出来ないです!」

武内P「し、島村さんまで……!?」

凛「逃げないでよ! アンタ、プロデューサーでしょ!?」

武内P「し、渋谷さん……!?」

643: 2017/11/25(土) 12:22:26.44 ID:+hgZXj2wo
武内P「せ、千川さん……ど、どうしたら良いのでしょうか?」

ちひろ「もう、皆! あんまりプロデューサーさんを困らせちゃ駄目よ!」

未央「ちひろさん、プロデューサーに優しすぎ!」

卯月「今回は、プロデューサーさんが悪いと思うんです!」

凛「人を期待させておいてアレだよ、信じられない!」

ちひろ「大丈夫ですよ! 私は、プロデューサーさんの味方ですからね!」

武内P「せ、千川さん……!」

未央・卯月・凛「ちひろさん!」



未央・卯月・凛「プロデューサーを全力で甘やかさないで!」




おわり

645: 2017/11/25(土) 12:31:54.34 ID:8qZYt9m5o
おつ
甘やかしの大人アイドルパートと子供アイドルパートも見てみたいですね

646: 2017/11/25(土) 13:14:42.53 ID:WeeJs4oJO
毎度キチンと落ちをつけるな
見事だ

引用元: 武内P「大人の魅力、ですか」