1: 2016/12/30(金) 20:09:24.268 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「寝言言ってないで早く起きろよ……ほら、朝ご飯お前の好きなフルグラきなこ味だぞ」

はじめ「口開けとくから兄貴が食べさせてよぉ~……」ンガ

俺「……お前な」ヒクッ

はじめ「む~、だって眠いんだもぉん……!」ネムネム

俺「夜更かしばっかしてるからだろ?」

はじめ「しっ、してないよっ! 原因は会社っ! 闇の深い残業!! 大体夜中に騒いだら兄貴怒るじゃん!」



http://i.imgur.com/5QFj2gv.jpg

2: 2016/12/30(金) 20:11:08.393 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「そりゃ俺は寝たいんだから当然だよ……部屋だって1LDKなんだからそれもまた仕方ない」

はじめ「むむ、良いよ兄貴は……だって残業ゼロのホワイト企業勤めじゃんか」ムスッ

俺「おいおい、自分で選んだ会社なんだから文句は……」

はじめ「………」

俺「……まぁ、言うなとは言わないけど程々にしとけよな」?

はじめ「ん!」ニコッ
?

俺「それにはじめは自分のやりたい事を思いっきりやれて給料貰ってるんだ、良い事じゃないか」

はじめ「ふふん♪ でしょでしょ?」エヘン

俺「………」

はじめ「大体兄貴みたいに良い大学出て良い職場に就けてもさー、私からすりゃ『貴様それで良いのか? それが貴様の本当にやりたかった事なのかーっ!?』 って感じだよぬぇ~? えっへっへっへ♪ 人生楽しいの? ってカンジぃ~っ?」

俺「う る さ い よ」

4: 2016/12/30(金) 20:12:46.585 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「いやぁ~、試合に負けて勝負に勝ったってのは正にこの事だよねぇ? やっぱ人生は楽しまなきゃ意味が無いよね、兄貴っ♪」ニコニコ

俺「ったく……言うだけ満足したら早く食べろよ? 今日は雨降ってるからな」

はじめ「……はえ?」





     ドザアアアァァァァ……………!!





はじめ「………」

はじめ「ちょ、ちょっ……どしゃぶりなんですけど」

俺「どしゃぶりだな」

5: 2016/12/30(金) 20:15:21.782 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「そうじゃなくてダメじゃん! チャリ通不可能じゃん!! 遅刻完全確実じゃんかーっ!!?」ガビーン

俺「兄ちゃんはじめならそれでもチャリで行くと思ってたよ」モグモグ

はじめ「アホかーっバカ兄貴!! 私が今まで一度たりともそんな愚かしい真似した覚えあんの!?」

俺「俺だってそんな妹ヤダよ」

はじめ「だっ、だったら起こせよ! 起こせーっ!! これじゃ怒られちゃうじゃーん!! 先輩の威厳ナシじゃんかーっ!」ジタバタ

俺「ちゃんと起こしたよ、はじめが目を覚ましたのはそれから三度目だけどね」

はじめ「なッ、なあーーーっっ!!? それは起こしたとは言わないだろぉ!! 意地でも起こせ兄貴のバカーっ!!!」ジタバタジタバタ

俺「はぁ……解ったから早く着替えて朝飯食えよ、顔洗って歯磨きもな」

はじめ「い、今更急いでも間に合わないよぉ……!」メソメソ

俺「……俺が車で送ってやるから」

はじめ「……ふぇ?」クスン

7: 2016/12/30(金) 20:18:13.199 ID:0+GWJ0T/0.net





はじめ「………」

俺「雨だからちょっと混んでるな……でも充分間に合うだろ?」

はじめ「……っ」プイッ

俺「……はじめ、返事は?」

はじめ「………」

はじめ「……ど、どうして……?」モジモジ

俺「ん?」

8: 2016/12/30(金) 20:19:46.433 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「……だって兄貴の会社、全くの逆方向じゃんか……こ、これじゃ兄貴が……」

俺「………」

俺「……会社と妹、どっちが大事だ?」

はじめ「うぇ!!?」ドキッ

俺「俺は迷わずはじめを選ぶよ」

はじめ「ぁ、う……あ、あに…… //////」カアァ…

俺「フフ、それに兄ちゃんの会社は一片のシミも無い完全無欠のホワイトだからな……そして部下上司からの人望も厚い」

俺「誰かさんと違ってな?」ニヤリ

はじめ「ぬぬぬ……」

俺「ほら……もうすぐ着くぞ、傘の準備しとけ」

はじめ「……あ、あにき……?」

俺「ん?」

10: 2016/12/30(金) 20:20:34.853 ID:UxmOHjrda.net
これはいい俺くん

11: 2016/12/30(金) 20:22:11.460 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「さっきは、その……メチャクチャ言っちゃって……ゴメンね」ショボン

俺「別に良いよ……それに、あれくらい元気がないとはじめらしくないからね」

はじめ「えへへ……あ、ありが……と //////」エヘヘ

俺「でももう少しおしとやかにならないと彼氏なんかできないんじゃないか?」

はじめ「な……っ!?」

俺「お前もひふみさんみたいな女性を見習ってさぁ……───って痛い!? 痛でででででで!!?」

はじめ「わ、悪かったなぁバカ兄貴っ!!どうせ私には女の子らしい仕草なんてできないよっ!」ギリギリギリ…!

俺「わ、わわわ悪かったはじめさん痛い! 俺が悪かったからほっぺ抓るの止めてくれないマジ危ないからぁ!!」

はじめ「も……もう良いよっ! 此処で降りるから車止めて!」プンプン

12: 2016/12/30(金) 20:23:39.904 ID:0+GWJ0T/0.net
……………キキッッ!!





俺「機嫌直せよはじめ……」ヒリヒリ

はじめ「ふんだ、兄貴のバカ! もう知らないっ!」プイッ

俺「………」
(今夜ははじめの好きな肉料理で手を打つか……)

ゆん「あっれ~? はじめ、今日は車なんてズルいやーん」ニュッ

はじめ「ってうわ!!? ゆ、ゆん一体何処から湧いたんだよぉ!?」

ゆん「失礼やなぁヒトをシイタケやなめこみたいに……あっ、お兄さんもおはようございまーす♪」キャピ

俺「やぁ、ゆんちゃんおはよ」

13: 2016/12/30(金) 20:26:32.790 ID:0+GWJ0T/0.net
ゆん「うわぁ、お兄さんどうしたんです? ほっぺたメッチャ赤なってますやんか」ドヒャー

俺「あぁコレはまぁ……色々あってね」ハハハ

ゆん「えーっ、整ったキレイな顔やのに酷っどいなぁー? なぁはじめ、一体誰がやったんやろかー?」ジロジロ

はじめ「ぬぬ……!」

ひふみ「……あ……あ、の……あの……っ」モジモジ

ゆん「そうそうお兄さん、実はひふみ先輩も一緒なんですよー?」グイッ

ひふみ「//////」

15: 2016/12/30(金) 20:28:43.431 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「おはよう、ひふみさん」

ひふみ「ん、俺くん……お……はよ……」コホン

ひふみ「……きょ、今日も……良い天気……だね」エヘヘ

俺「メッチャ雨降ってますけど!?」

ひふみ「!?」ハッ

ひふみ「……う、くうぅ……っ ////////////」カアァ…!
(や、やっちゃったぁ……!)

俺「はは……ひ、ひふみさんは雨が好きなのかな……?」ハハ…

ゆん「あれあれ、何かええ雰囲気やなぁ……? な、はじめもそう思わん?」ヒソヒソ

はじめ「む、むむむむむうぅ……っ!!」プルプル…

ゆん「おっと?」ニヤリ

16: 2016/12/30(金) 20:29:56.432 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「あ……兄貴はさっさと回れ右して会社だろぉっ!! 私達はもう良いから早く行けよもぉーっ!!」プンスカ

俺「あ、あぁゴメン……そうだったね」イソイソ

ひふみ「あ……っ!」

ゆん「あちゃー、こら残念ですなぁひふみ先輩……?」ニヤニヤ

ひふみ「うぅ……」ショボン

俺「じゃあゆんちゃん、はじめを頼んだよ」

ゆん「はいはーい、任されましたー♪」ニコニコ

はじめ(な、何も任される事なんて無いだろ……!)

俺「そうだはじめ、帰りはどうする?」

はじめ「うえ!? か、帰りは……どうしよっかな……?」ポリポリ

17: 2016/12/30(金) 20:30:58.026 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「じゃあ終わったら迎えに行くよ」

はじめ「はあぁ!? い、良いよそんな……大体今日も何時に終わるか見当つかないのに……!」

俺「だからだよ、天気も悪いし危険だからね」

はじめ「ぅ……そ、そんなに言うなら……うぅ、解ったよ……恥ずかしいなぁ……」

ひふみ(俺くんって……やっぱり優しい……な……♪)クスッ

はじめ「じゃ、じゃあ……こっちから連絡するから……だから……」モジモジ

俺「ん?」

はじめ「きょ……今日も一日頑張って来いよなっ、あにき!」ゾイッ

19: 2016/12/30(金) 20:33:12.414 ID:0+GWJ0T/0.net





ゆん「良かったなぁ……な、はじめ?」テクテク

はじめ「え、何が?」

ゆん「だって仕事終わったら大好きなお兄さんとデートできるやなんて羨ましいやんか♪」ニコニコ

はじめ「ぶっ!!」

ひふみ(お、俺くんとデート……羨ましい……な)ドキドキ

ゆん「こら今日は意地でも残業でけへんよなぁ……? 」ニヤニヤ

はじめ「てめぇゆんいい加減にしろよ!?」

ゆん「なにぃよー、嬉しいクセにー!」

23: 2016/12/30(金) 20:37:37.039 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「わ、私達は兄妹だぞぉ!? そもそも一緒に帰るだけじゃん!! デートだとか大好きだとか……! そ、そんなの肉親でやっちゃダメなんだよぉ!!」ワタワタ

ゆん「ウチ何も悪い事やなんて言うてへんよ? ええやんかデートって例えて言うたくらい」

はじめ「だっ、だってデートってのは恋人同士がやるもんだろ!? どんなに好きになっても、兄妹じゃ……こ、恋人には……なれないんだから……」ショボン

ゆん「……ん? ウチははじめらが仲ええよなぁって言うてるだけやねんけど……勿論兄妹愛的な意味で」

はじめ「!?」

ゆん「あれれ、はじめってば一体何をイメージしとるんや? これ以上何を期待しとるんやろかぁ……ホンマ不潔やなぁ……♪」ニヤニヤ

はじめ「~~~~~~~~~~~っっ ////////////」カアァ…!

25: 2016/12/30(金) 20:39:40.528 ID:0+GWJ0T/0.net




ひふみ「あっ……青葉ちゃん……?」





     ブロロロロ……………!!





青葉「………」テクテク

はじめ「青葉ちゃ~ん><」トテテ

青葉「あっ……はじめさん、ひふみ先輩、ゆんさんも……お早うございます」ペコリ

ゆん「あれ~? 今のカッコいい車って……もしかして青葉ちゃんもカレシに送ってもろたんかいなー?」ニヤニヤ

青葉「?」

はじめ「なっ、だから青葉ちゃん『も』ってどういう意味だよぉ!?」ワタワタ

ゆん「えぇ~何のコトぉ? まさかはじめとお兄さんてそういう関係なん?」ヒエーッ

はじめ「ゆ、ゆーーーーーーん!!!!」ムキーッ

ひふみ「ね……ねぇ青葉ちゃん……今のって……ふぇ、フェラーリ……だよ……ね?」

27: 2016/12/30(金) 20:41:07.032 ID:0+GWJ0T/0.net
青葉「へっ、……? っていうんですか? すいません私……そういうのに疎くて」エヘヘ

ゆん「え~っ? フェラーリいうんはそらもうごっつい高級車なんやでー? ウチらみたいな凡人には一生手の届かんシロモンなんや」フフン

青葉「へぇー……やっぱりスゴいんですね、堀井社長って!」ニコッ

ひふみ「!?」

ゆん「えっ」

青葉「あっ、いえ……私は会社に来る途中で社長に拾って戴いたんですけど……『ぞい君、濡れるから乗りなよ』って……」

はじめ「あわわ……」オロオロ

青葉「?」

青葉「………」

青葉「!? //////」ハッ

青葉「ちっ、ちちち違います違いますぅ!! 今日は本当に偶々ですから! 偶然ですから!! いつもはこんな事して戴いてませんからぁ!!!」ワタワタ

はじめ(えーっ!! あ、青葉ちゃんと社長ってそういう……!? 私なんて社長と面接の時ぐらいしか喋った事無いよぉ!?)コソコソ

ゆん(いやこれは噂なんやけどー! ウチらの社長、青葉ちゃんのコトえらい気に入ってるらしいで……!?)コソコソ

ひふみ(私なんて……きっと名前すら覚えられてない……)

青葉「だっ、だから違うんですってばあぁ!!」クスン

30: 2016/12/30(金) 20:43:49.979 ID:0+GWJ0T/0.net
────午後





はじめ(とにかく定時までもう時間も無いし……仕事は早く終わらせないと兄貴に迷惑だよね)イソイソ

ゆん「あれれ~? はじめったら今日は朝からごっつい気合い入っとんなぁ………もしかして何かええ事あったん?」ニュッ

はじめ「………」
(し、白々しい……)

青葉「でもはじめさんホントに今日頑張ってますよね、お昼だってカ口リーメイトで済ませちゃいましたし」

はじめ「うぅ……」

青葉「……あっ、もしかしてはじめさん……!」

はじめ「ッ!?」ギクッ

青葉「やっぱりダイエットですか? ツラいですよね~」ウンウン

はじめ「ヽ(・ω・)/」ズコー

31: 2016/12/30(金) 20:45:16.623 ID:0+GWJ0T/0.net
青葉「でもはじめさん相変わらずスタイル抜群に良いですし、そんなに気にする必要ないのでは……?」ムムム

ゆん「あかんあかん、あかんでぇ青葉ちゃん……今のはじめを下手に刺激したら」コソコソ

青葉「?」

ゆん「はじめをイジってええんはウチだけなんやからな」エヘン

はじめ「おいコラゆん!!」

ゆん「えーっ、どないしたんよはじめぇ……早よ仕事終わらさんとウチなんかに構っとる場合やないやろ?」ニコニコ

はじめ「ぐぬぬぅ……!」
(た、確かにゆんを調子付かせると余計話が拡散しちゃうかも……!)

はじめ「も、もうっ……! 程々にしとけよなっ!」プイッ

ゆん「」パシャッ

はじめ「え?」?

ゆん「おこなはじめ送信、っと」メルメル…

はじめ「ちょ、ちょっ……何処に写メ送って……」

ゆん「んー、お兄さんよ?」

はじめ「マジで何やってんの!!?」ガビーン

32: 2016/12/30(金) 20:48:46.613 ID:0+GWJ0T/0.net
ゆん「お兄さんははじめがちゃ~んとお仕事やっとるんか気になんねんて」

はじめ「だっ、だから何でゆんがそんなのを報告するんだよっ!」ワタワタ

ゆん「そんなんお兄さんに頼まれとったからに決まっとるやろー? だってウチ、はじめのお兄さんとメル友やもん♪」エヘン

ひふみ「!?」ピクッ

はじめ「はあぁぁ!!?」

ひふみ(ゆ、ゆん……ちゃん……黙って抜け駆けなんて……ズルい……よ……!)ムスッ

33: 2016/12/30(金) 20:49:45.145 ID:0+GWJ0T/0.net
ひふみ(……良いな……わ、私も俺くんとメール……内緒の……したい……な)ソワソワ

ひふみ「………」スッ
(LINEの知り合いリストに俺くん……載ってる……けど……)

ひふみ(わ、私なんてまだ……友達申請する勇気……出ない……のに……)ドキドキ…

ひふみ「くぬぬぬぬぬぬぬっ……! ><」プルプル…

青葉「ひふみ先輩さっきから一人で何やってんです?」

35: 2016/12/30(金) 20:51:38.546 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「いっ、いつの間にそんなやり取りを……!?」ワタワタ

ゆん「最初ははじめの弱味握ったろー思てなんとなく始めたんやけどー、はじめのお兄さんってホンマに優しいし頼りになるんやもんね」

ゆん「ウチも小さい弟妹おるし、続けてる内に色々相談乗って貰ったりして……」

ゆん「こんなん惚れてまうやろー ><」ヒャー

ひふみ(そんな……だ、ダメ……だよ……!!)ワタワタ

青葉「ひふみ先輩何か言いたげですけど、どうしたんです?」

ひふみ「うぅ……あぅあぅ……!」クスン

36: 2016/12/30(金) 20:53:29.278 ID:0+GWJ0T/0.net
ゆん「えぇなぁはじめ、ウチもお兄さんみたいな素敵なお相手が欲しいなぁ……?」ニヤニヤ

はじめ「な、何言って……!」





ゆん「なーはじめ、お兄さんウチが貰ってもえぇ?」ニィ…





はじめ「!?」

ひふみ(ゆ、ゆん……ちゃん……!? さ、流石に調子乗り過ぎ……だよ……!)

ゆん「なーなー」

38: 2016/12/30(金) 20:54:55.156 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「そ、そんなの知らない! 好きなら告白でも何でも勝手にすりゃ良いじゃん……! 私には関係ないだろっ!!」プイッ

ゆん「んー、えぇの? お兄さんって押しに弱そうやのに……もしかしたら将来はじめだけのお兄さんやなくなってまうかもしれんのよ?」

ひふみ「そ、そう……だよ……?」ニュッ

はじめ「むぐぐ……」

ゆん「それにお兄さんも嘘吐くコは嫌いちゃうん? 好きなんやったらちゃんと『好き』って言わなアカンやんか」ニヤニヤ

ひふみ(そ……そうなん、だ……)メモメモ

はじめ「むぐぐぐぐ…… //////」

ゆん「せやないとウチが先に好きや言うてまうよー?」

ひふみ「そ……それは……ダメぇ……!」ワタワタ

青葉「そうですよはじめさん、妹を大事に想っててくれるなんてとっても素敵なお兄さんじゃないですか」

はじめ「……そ、そう……かなぁ……」

青葉「はじめさんのお兄さんですもん、きっと間違いないですよっ♪」ニコニコ

はじめ「……えへへ //////」

39: 2016/12/30(金) 20:57:59.603 ID:0+GWJ0T/0.net





はじめ「いやったあぁ~!! 定時帰宅だぞぉ~い♪」ルンピカー

ゆん「めっちゃ嬉しそうやん」

はじめ「っ!!」ハッ

はじめ「べっ、別に兄貴の為に頑張った訳じゃないんだからなっ!!」プイッ

ゆん「せやな ^^」

青葉「はじめさん、早速お兄さんに報告しないと」

はじめ「うんっ! 『兄貴終わったよぉ~ (≧Д≦)』……っと」メルメル

40: 2016/12/30(金) 20:59:03.645 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「ふへへ、今日は頑張ったんだから美味しいものご馳走してくれても良いよねっ♪」エヘン

ゆん「はじめったら相変わらず甘やかされとんな~、ブクブク太ればええのに」

ひふみ(い、良いな……俺くんと二人っきりで……お食事なんて……)モンモン

ひふみ(も、もう何度も宗次郎相手にイメトレしてきたシチュエーション……なのに……私の場合、いつになったら……活かせるの……かな)ショボン

はじめ「んお?」ピローン
(兄貴から返信だっ♪)

はじめ「……って」

ゆん「んー? どしたん?」

42: 2016/12/30(金) 21:03:13.411 ID:0+GWJ0T/0.net
────食堂





阿波根「おや、そろそろ休憩時間も終わり……ですか」

俺「いやぁ、うみこさんは相変わらずキッチリしてますな」ハハハ

阿波根「残念です……貴方と居るといつもより時が経つのが早く感じてしまいますね……」クスッ

俺「確かに仕事は大事ですけど、根の積めすぎは良くないですよ」

阿波根「で、でしたら……今度お暇があれば……ソノ……」モジモジ

俺「?」

阿波根「い、いえ……何でもありません、忘れてください……」コホン

45: 2016/12/30(金) 21:06:01.370 ID:0+GWJ0T/0.net
阿波根「では、私はこれで……」ガタッ

俺「あっ、待ってください……ちょうど渡したい物が」ゴソゴソ

阿波根「え……?」

俺「これ、余り物ですけど良かったら」スッ

阿波根「ほう……ミルクキャラメル、ですか」

俺「甘い物は苦手じゃないですよね?」

阿波根「えぇ、キャラメルは手軽にエネルギー摂取出来ますし、軍隊の非常食でも採用されてますからね………好きですよ?」フフッ

俺「残していても妹に盗み食いされちゃうだけですからね……」ハハ…

阿波根「ありがとうございます……ふふっ、相変わらず仲が宜しいんですね……♪」

47: 2016/12/30(金) 21:11:34.680 ID:0+GWJ0T/0.net



・ ?

阿波根(俺さんからプレゼントを戴いちゃいました……)トコトコ

阿波根「………」

阿波根「♪」ルンルン

はじめ「うみこさーん」

阿波根「ひぎっ!!?」ビクッ

はじめ「さっきの全部此処から見てましたけどー?」ジトー

阿波根「あっ、いや……それはその……!」アセアセ

阿波根「す、すいません篠田さん……私とした事が、お兄さんを待たせているのを貴方に伝え忘れていました……」コホン

はじめ「………」
(嘘だ、絶対わざとだゾ)

48: 2016/12/30(金) 21:14:25.504 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「ってそういう話じゃなくて……ダメじゃないですか! 兄貴は部外者なのに社内に招き入れたりしちゃ……!」

阿波根「し、仕方なかったんです! コンビニから帰る途中、彼が会社の前で待ち惚けなのを見つけて……」

阿波根「雨に濡れて冷たそうで……その、居ても経ってもいられなくて…… //////」モジモジ

はじめ「………」
(完全にメスの顔じゃん)

阿波根「その……これは距離を縮めるチャンスだとばかり思ってしまって……」ゴニョゴニョ

はじめ(ってやっぱり私情じゃん!!)

阿波根「そ、それに製作フロアまでは招き入れていませんので問題はないハズ……です」

49: 2016/12/30(金) 21:15:22.007 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「むうぅ……! と、とにかく次はダメですからねっ! 大体うみこさんらしくないじゃないですかっ! 仕事とプライベートは分けてくださいよっ!」プンプン

阿波根「ぷ、プライベートでのお誘いですか……私には少々ハードルが高いと言いますか……」ドヨーン
(先程もデートに誘い損ねてしまいましたし……)

はじめ「いや、私そういう事言ってないですヨ?」

阿波根「ならばこうしましょう、篠田さんがお兄さんをお誘いして……今度また三人でサバゲーの特訓をするというのは?」

はじめ(聞いちゃいねぇ……)

阿波根「お二人共呑み込みが早く筋が良いですからね……最近はオンラインFPSでも立ち回りが見るからに上達していますよ?」

はじめ「えっ、ホントですか? いやぁ照れますなぁ……♪」エヘヘ ?

阿波根「むむ……」
(篠田妹も可愛いですね……)

52: 2016/12/30(金) 21:19:56.471 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「!!」ハッ

はじめ「って違いますからっ!! もうっ! 話逸れてますから!!」

阿波根「そ、そうですね……では仕事が残ってますので失礼します……」ソソクサ

はじめ「………」

阿波根「あっ……さ、先程の話……ちゃんとお兄さんに伝えておいて下さいね……?」モジモジ

はじめ「……むうぅぅ……っ」
(そ、それにしてもまさかうみこさんまでが……)

54: 2016/12/30(金) 21:23:46.649 ID:0+GWJ0T/0.net
 




……………ガチャ





はじめ「……お待たせ」トコトコ

俺「おっ、はじめ終わったのか? お疲れ様」

はじめ「………」

俺「?」

はじめ「どんだけフラグ立ててんだよぉ!!」プンスカ

俺「何の話!?」

57: 2016/12/30(金) 21:28:52.962 ID:0+GWJ0T/0.net
────車内





はじめ「兄貴ってさぁ……随分ウチのスタッフと仲良いんだね」

俺「えっ?」

はじめ「………」ジトー

俺「そ、そんな事ないんじゃないかなぁ……?」ナハハ

はじめ「私の知らない内にゆんともメル友になってんじゃん」ムスッ

俺「い、いやだってそれは……向こうから友達申請が来てだな……」

はじめ「………」ムッスー

俺「すいませんでした」

59: 2016/12/30(金) 21:31:38.597 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「今日だって勝手に写真撮られたんですケドぉ?」

俺「あぁアレの事か……? はは、可愛かったじゃないか」

はじめ「ごっ、誤魔化さないでよっ!」アセアセ

俺「悪かったよはじめ、ゆんちゃんにも余りからかわないように俺から言っておくから」

はじめ「そ、それは別に良いよ……私が言いたいのは……」モジモジ

俺「ん?」

はじめ「ゆ、ゆんに……手とか出してないよね……?」

俺「いや何でだよ」

はじめ「他にもひふみ先輩とかうみこさんとかさぁ……!」

俺「出してないよ」

61: 2016/12/30(金) 21:34:59.462 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「だ、だってゆんってば兄貴の話しだすと何だか嬉しそうだし……!」

俺「ゆんちゃんははじめの友達だろ、俺が原因で二人が気まずくなるような真似はしないよ」

はじめ「そ、そっか」ホッ

俺「ん」

はじめ「……じゃ、ゆんに限らず他のスタッフに手ぇ出すのも絶対禁止だからね」

俺「えっ」

はじめ「は?」

俺「………」
(マジか……)

62: 2016/12/30(金) 21:38:11.455 ID:0+GWJ0T/0.net





はじめ「えへへぇ~、たらいまぁ~♪」

俺「お前なぁ……大して強くないのに飲み過ぎだぞ」

はじめ「らってあにきが大好きな焼き肉オゴッてくれたんらもん! 美味しいお肉にはビール、ビールにはあにき!! ><」

俺「お前精神状態おかしいよ……」

はじめ「はじめがおかしくなったのはあにきのせいらのっ!」

俺「な、何だと?」

はじめ「そーそ、あにきがはじめを甘やかすからー、はじめはいつまで経ってもお兄ちゃん離れができないのら!」エヘン

63: 2016/12/30(金) 21:39:31.361 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「……そっか、それじゃそろそろ兄ちゃん引っ越して出て行くかな」

はじめ「……うぇ?」

俺「この部屋もはじめのフィギュアやオモチャだらけで狭くなってきたし、もう少ししたら───……って」

はじめ「うええぇぇぇっ……!!!」グスッ

俺「わーっ!? じょ、冗談だよはじめ! だから良い歳して泣くんじゃ……!」ワタワタ

はじめ「……ホント? はじめ独りぼっちにしない?」クスン

俺「むしろ思い出せはじめ……大体この部屋は元々俺のなの、後からはじめが勝手に押し掛けて来たんだよ」

俺「……だから、はじめが自分で出て行くまではずっと此処に居るつもりだよ」

はじめ「えへへ、やったぁ♪」ムギュッ

俺「お、おいはじめ……!」

64: 2016/12/30(金) 21:40:48.991 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「あにきぃ……はじめ、あにきの優しいトコらい好きらよぉ……♪」エヘヘ

俺「そっか」

はじめ「いつもは素直になれないけろぉ……大好きなあにきがお世話してくれなきゃはじめはらめな女の子らのっ」

俺「干物妹だな」

はじめ「だから今みたいにぃ……これからはベッドではじめと一緒に寝ても良いんらよ?」ニコッ

俺「そ、それはちょっと……」

はじめ「えへへ、照れてるあにきかぁいいよぉ~♪」ムギュー

俺「あっ、おいバカ! だからそんなにくっ付くんじゃ……」

はじめ「……z」スヤスヤ

俺(寝とるやんけ……)ヒクッ

はじめ「ムニャムニャ……♪」

俺(身体は大人になっても、中身はまだまだ子供だな)ヨシヨシ

68: 2016/12/30(金) 21:44:34.818 ID:0+GWJ0T/0.net
─────朝





はじめ「うみゅ……?」パチ

はじめ(私いつの間に寝ちゃったんだろ……お店出てから記憶無いよ……)ウトウト

俺「……z」

はじめ(ほッ!? ほわあぁああぁぁぁぁ~~~っっ!!?)ドキーン

俺「……zz」スヤスヤ

はじめ(あああ兄貴のヤツ、いつもは床で寝てるクセに……ど、どうして今日はベッドなんだよぉ!?)ワタワタ

はじめ(し、しかも頭と腰に手ぇ回して抱き締められて……! だ、だからダメだってばこんなの……兄妹同士でダメだってばあぁっ……!! ////////////)ワタワタワタワタ

69: 2016/12/30(金) 21:45:54.506 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「……z」

はじめ「っ……だ……ダメ……だよぉ……っ」チラッ
(か、顔……近過ぎ問題……)

俺「ん……っ」

はじめ「……ア、アニ……キ…… ?」ドキドキ…

俺「へへ……葉月さぁん……」ムニャムニャ

はじめ「」カチン





はじめ「メガ粒子っっっっッレクイエム目潰しィィィィィィィィィ!!!!」ズブリ





俺「ンマァァあああああああああああああああああああ!!!!」ギャース

はじめ「南無阿弥陀仏!!」

71: 2016/12/30(金) 21:52:28.405 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「な、何すんだはじめええええええッッ!!!!」ズキズキ…

はじめ「それはこっちの台詞だよっ! 」プンスカ
(っていうか何でそこで葉月さんなんだよ!?)

俺「何怒ってんだお前……」

はじめ「だ、だってそれは……! 兄貴が……ダラシナイカラ……」ゴニョゴニョ

俺「?」

はじめ「………」

はじめ「!!」ピコーン

はじめ「あ、兄貴ってば自分が寝てるのを良い事に、無意識に私の身体を触りまくって来たんだからなぁ!!」ビシッ

俺「」

72: 2016/12/30(金) 21:54:08.116 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「胸とかお尻とか太モモとかをこう……すンごいやらしい手付きでさぁ……? ありゃもう痴漢だよ痴漢、嫁入り前の妹に取り返しの付かない悪戯したんだもん? こりゃーもうちゃんと責任取って貰わないとなっ♪」エヘン

俺「ほぉ……責任って何だ? ん?」ズイッ

はじめ「うえぇ!? そ、それはソノ……」アセアセ

俺「………」

はじめ「あっ、そういえば欲しいフィギュアがあるんだけどお小遣い足りないんだぁ……? 兄貴がそれ買ってくれたら許してあげても……」エヘヘ

俺「」ブチーン

俺「責任取れだなんて随分と女らしい台詞言うようになったじゃないかはじめ……えぇ? 苦しくも悪い方の意味だけどなぁ……? 兄ちゃんお前をそんな風に躾たつもりはないぞぉ?」ネチネチ

はじめ「なっ、なあぁーもぅうるさいうるさい兄貴のばか! ムッツリスケベ!! 何開き直ってんだよぉ!」プンプン

俺(よし、何とか誤魔化せたな)

73: 2016/12/30(金) 21:55:22.299 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「ったく……昨日のお前は兄ちゃん大好き大好きって甘えてきて氏ぬほど可愛かったんだがなぁ……」ヤレヤレ

はじめ「はあぁぁ!!? いっ、言ってない言ってなーい!! どどどどういう状況だよそれぇ!? ウソ吐かないでよバカ兄貴ーッ!!! ////////////」ワタワタ

俺「ウソじゃないってば……嬉しかったんだよ、はじめ」

はじめ「う、うぇ……?」

俺「言葉ってのは口に出さないと伝わらないからね……俺は本当にはじめの兄貴をやれてんのか、って最近心配になってたけど……」

俺「酔っているとはいえ、お前の口から直接聞けて……本当に嬉しかったんだ」

はじめ「ば、ばかぁ……! だから……言ってない……って…… 」

はじめ「……う、うぅ……っ」ショボン

俺「?」

はじめ「……ほ、ホントに……? 兄貴、妹の私なんかに『好き』って言われてホントに嬉しかったの……?」モジモジ

74: 2016/12/30(金) 21:56:53.201 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「妹に好かれて本心から嫌がる兄貴なんて居ないよ」

はじめ「むしろ私の方が兄貴の迷惑なんじゃないかって……ちょっと思ってたよ……兄貴って全然文句とか言わないんだもん」

俺「まさか……はじめが俺にとって迷惑だなんて思った事は一度も無いよ」

はじめ「だ、だって……!」
(帰って来るの遅いし毎日ご飯用意して貰ってるしフィギュアやグッズでスペース使いまくってるし部屋の掃除任せてるしベッド占領してるし家賃も十分の一しか払ってないし毎月お小遣いまで貰ってるし……)

俺「ちょっとぐらい我が儘で甘えてくれた方が丁度良いさ……はじめは俺の生きがいだからね」

はじめ「!?」

俺「なっ、はじめ」ナデナデ

はじめ「……そ、そっか //////」テレテレ

俺「そうだぞ」

はじめ「そ、それはつまり例のフィギュアを……!?」

俺「ダーメーだっ、それとこれとは話が別」

はじめ「な、何だよぉ……っ」ムスッ

76: 2016/12/30(金) 22:00:45.722 ID:0+GWJ0T/0.net
俺「はじめ、社会人ってのはなぁ……自分が欲しい物は全部自分で努力して手に入れるんだよ、解ったな?」ポンポン

はじめ「ふ~ん……それなら兄貴も絶対文句言わない?」

俺「勿論だとも、むしろ褒めてあげるさ」

はじめ「ふ~~~~ん……♪」ニヤニヤ

俺「いやちょっと待てはじめ、一体お前何企んで───」

はじめ「だったら早く起きてっ、今日はせっかく会社お休みなんだから何処か遊びに行こうよ」グイグイ

俺「な、何だよ急に……? 大体自分でも何処に行きたいか決まってないんじゃないか」

はじめ「兄貴と一緒ならドコでも良いよっ♪ ついでにモーションの取材も出来たら儲けもんかなぁ~って」エヘヘ

俺「はあぁぁ?」

はじめ「えっへっへ、小さい頃からず~~~っと欲しかったものがあるんだぁ♪ だから早く準備してよねぇ兄貴っ!」ネーネー

俺「あのなぁはじめ、俺にだって休日の予定ってのが……」

はじめ「何も無いだろー、だって兄貴友達少ないんだからゲーム以外する事無いじゃん」

俺「そうでした」

77: 2016/12/30(金) 22:04:19.590 ID:0+GWJ0T/0.net
はじめ「じゃ、私は先にシャワー浴びて来るから……兄貴は朝ご飯の用意しててねっ♪」トテテ

俺「まったく……フルグラしかないぞ?」

はじめ「全然良いよっ? 干物妹だから文句は言えないのだ!」

俺(自覚あったのか……)

はじめ「えへへ……ねぇ兄貴っ」クルッ

俺「……ん?」





はじめ「───大好き……だよっ♪」ニコッ









>ご愛読ありがとうございました! >>1先生の次回作にご期待ください!





はじめ「あっ、今一瞬ドキッとしたでしょ……?」ニヤリ

俺「し、してないよっ!」

78: 2016/12/30(金) 22:05:51.583 ID:/WHYau7Ca.net
乙だぞい

引用元: 俺「はじめ起きろ、遅刻するぞ」 はじめ「む~、兄貴代わりに行ってきて……」