108: 2018/03/17(土) 23:38:52.01 ID:UoaDAh9lo

109: 2018/03/17(土) 23:48:05.62 ID:UoaDAh9lo
神楽「私の笑顔が見たければ、100万円持ってくるネ」


武内P「……100万円、ですか」


神楽「100万円が無理なら、100万ドル持って来いアル」

神楽「夜景はいらねえ、取っときなボウヤ」


武内P「……」


神楽「ほら、金が払えないならとっととどっか行くアル」

神楽「そもそも、お前みたいな見た目の奴、どう見ても信用出来ないネ」

神楽「人は見た目じゃないって言うけど、見た目を大事しない奴も駄目アルよ」

神楽「だから銀ちゃんも新八もモテないアル」


武内P「あのっ! せめて、名刺だけでも!」


神楽「……まあ、それ位なら受け取ってやるアルか」

神楽「神楽ちゃんは心が広いから、堅気以外にも優しくするネ」

神楽「感謝しろよ、でっかいオッサン」


武内P「……はい、ありがとう、ございます」


神楽「……」

神楽「は~~っ! ビビった! めっちゃビビったアル!」

神楽「何、あの顔! 絶対凄腕の暗殺者とか何かネ!」

神楽「名刺とか言ってたけど、きっとコレで相手を切り刻むに違いないアル!」


『346プロダクション プロデューサー』


神楽「……おー、こわこわ!」

ポイッ!

110: 2018/03/18(日) 00:02:05.21 ID:laRR2P7Go


「いやー、とうとう始まっちゃいましたね、銀魂クロス!」


「それより誰アルか、上に貼ってある動画のメス共は」

「おい! メスとか言うな! それにいきなりメタすぎんだろうが!」

「しょうがねえだろ新八。それに、お前だってクロスとか言ってるじゃねえか」

「そうネ。大体、書いてる奴があんまり覚えてないのに無謀すぎるアル」

「オィィィィィ!? いくらなんでも、それは言っちゃ駄目すぎるだろうが!」

「ほら、出た。出ましたよ、おいー、っての」

「いや、っていうかアンタら何なんですか、開幕から突っかかりすぎでしょ!」

「ば、バッカお前……それはホラ、アレだよ、アレ」

「そ、そうネ……アレがホレして、ソレアル」

「いや、全然わかんねーし」


「……もう、二人共! 真面目にやってくださいよ!」

「こういうノリで書くのだってね、本当に辛いんですからね!?」

「辛いけど頑張ってる人が居るんですよ! 必氏なんですよ!」

「だけど楽屋裏的なノリがないとそれっぽくないんですよ、わかってくださいよ!」


「はーい、それじゃあ一旦コマーシャルいきまーす」

「続きはその後で! 楽しんで見るアルよ!」

「聞けよォォォォォ!!」

111: 2018/03/18(日) 00:05:29.97 ID:laRR2P7Go


  どうせ枕営業されるなら、枕は柔らかい方が良い

 

112: 2018/03/18(日) 00:15:37.21 ID:laRR2P7Go
銀時「……」

たぷたぷ


新八「ちょっと銀さん、ゲームばっかりしてないで掃除位手伝ってくださいよ」

新八「仕事が無いのは仕方ないですけど、出来る事はあるじゃないですか」


銀時「……うるせーなー、お前は俺のオカンかっての」

たぷたぷ

銀時「あークソッ、お前が話しかけるからミスっちまったじゃねえか」


新八「そういえば銀さん、最近ずっとそのゲームしてますね」

新八「そんなに面白いんですか? その音ゲー」


銀時「面白いか面白くないかじゃねえんだよ、新八」

銀時「男ってのはな、いつまでも少年の心を持ち続けてるもんなんだよ」

銀時「そんな少年の心に潤いを与えてくれる、それがゲームだ」

銀時「のどが渇いたら水を飲むだろ。その水と一緒なんだよ、ゲームってのは」


新八「なんだかえらく壮大に言ってますけど、ハマってるって事ですよね」

新八「……まさかとは思いますが、課金なんてしてないでしょうね!?」


銀時「そんな金がどこにあるってんだ」


新八「そうですよね」


銀時「俺がしてるのなんて、せいぜい課金したつもり課金だ」

銀時「そんなもん、課金した内に入らねーよ」


新八「思いっきり課金してるじゃねえか、この糞テンパ頭!!」

新八「内側も内側、ストライクど真ん中だよ! ホームラン間違い無しだわそんなん!!」


銀時「ヨーソロー!」


新八「……」

新八「バンドリじゃねえかァァァァァ!!?」

113: 2018/03/18(日) 00:29:16.64 ID:laRR2P7Go
ガララッ!


神楽「おーい、可愛い神楽ちゃんが帰ってきたぞアホ共」

神楽「メシ、メシ、メシで出迎えるネ」


新八「あっ、神楽ちゃん良い所に!」

新八「聞いてよ神楽ちゃん、銀さんったら、ゲームに課金してたんだよ!?」

新八「僕たちの給料だって、まともに払ってないのに!」


神楽「はぁ!? 今の話しは本当アルか、銀ちゃん!」


銀時「うるせーなー」

銀時「課金の話はやめろよ、引けなかった記憶が蘇ってくるだろうが」


神楽「課金するなら、私に課金しろヨ!」

神楽「それで、美味しいご飯と可愛い服を用意するアル!」

新八「いや、神楽ちゃん……それ僕の事忘れてない?」

神楽「新八は、眼鏡のレンズを薄く、軽くするアル」

神楽「良かったな、新八。新しい自分になれるネ」

新八「新しい自分というか、新しい眼鏡になるだけだよねソレ」

神楽「それにしても、何てゲームに課金したアルか?」


銀時「FGOってやつだ。名前くらい聞いたことんあんだろ」


新八「掛け持ちしてんじゃねえよ! なんだアンタ!? いくら課金してんだ!」


神楽「……やれやれ、外に出ては暗殺者に会い、家には穀潰しが居る」

神楽「渡る世間は鬼ばかりとはこの事アルな」


新八「えっ? 暗殺者?」

銀時「おいおい、なんてモンに出会ってんだ」

銀時「お前それアレだよ? ふらっとガチャ引いたら狙ってないSSRが出たようなもんだよ?」

新八「……あの、銀さん。話が進まないから、そこから離れて下さい」


神楽「346プロダクションの、プロデューサーとか名刺に書いてあったアル」


新八「……えっ? 346プロダクション?」

114: 2018/03/18(日) 00:45:16.88 ID:laRR2P7Go
銀時「知ってるのか、新八」

神楽「さすがキモいアイドルオタクアルな」

新八「キモいは余計だわ」


新八「346プロダクションは、この江戸でも一番のアイドル事務所ですね」

新八「所属するアイドルは100人を超えてます」

新八「勿論、その全員がお通ちゃんには遠く及ばないんですけど」


銀時「そろそろやめとけ、怒られるから」

神楽「そうネ! やっぱり765が一番アル!」

銀時「お前もやめろ、神楽。良いじゃねえか、どれが315だって」

銀時「皆違って、皆良い。良いんだよ、そんなもんなんだよ」


新八「……ゴホン!」

新八「とにかく、多分その人は暗殺者じゃないよ、神楽ちゃん」

新八「きっと、346プロダクションでも有名なプロデューサーさんだと思うよ」

新八「僕らが集めた情報によれば、何人か人を頃した事がありそうな大男だって話だからね」


銀時「おーい、何の情報を集めてんだお前らはー」


トントンッ!


『――すみません。神楽さんは、いらっしゃいますか?』


新八「!? なんだ!? この、地の底から響くような声は!?」

神楽「この声、さっきの奴アル! 私の事を追ってきたネ!」

銀時「……おい、プロデューサーってのは尾行までするのか?」

新八「もしかしたら……本当に、暗殺者だったりして……」

銀時・新八・神楽「……」ゴクリ



『長谷川さんという、お知り合いに聞いて来たのですが……』



銀時・新八・神楽「……」



『お酒を奢らされたので、本当かはわかりませんが……』



銀時・新八・神楽「マダオのヤロオオオオオ! 売りやがったなァァァァァ!」

115: 2018/03/18(日) 00:59:47.31 ID:laRR2P7Go
『いらっしゃるなら、お話を……』


新八「ど、どうするんですか銀さん!?」

銀時「居留守に決まってんだろ」

神楽「いつもの手アルな」


『お土産に、クレープを持ってきました』


新八「お土産って、そんなので釣られる訳ないじゃないか」

銀時「待て、案外良い奴かも知れないぞ」

神楽「クレープなんて嘘に決まってるアル!」


『イチゴと、ティラミスと……』


銀時「しつけー野郎だな、俺がちょっくら追い払ってくるわ」

新八「どんだけ警戒心を解かれてるんだよ!」

神楽「イチゴって聞いてた時点で緊張感が吹っ飛んでたネ!」

銀時「そんな事あるはずねーだろ」

新八「銀さん……」神楽「銀ちゃん……」


銀時「良いか新八、お前はイチゴクレープに合ういちご牛乳を用意しろ」

新八「はい、わかりました!」


銀時「そして神楽、お前はティラミスの方に合うコーヒー牛乳を頼む」

神楽「わかったネ!」


銀時「俺は、奴をここにおびき寄せて、もてなす準備をする!」

銀時「あまり待たせると帰っちまうかも知れねえ! 急げよ、お前ら!」


新八・神楽「完全に信じ切ってるじゃねえかァァァァァ!」



武内P「……――あの、失礼します」



銀時・新八・神楽「っ!?」


長谷川「いよーう! さっさとクレープ食べようぜー! ヒック!」


銀時・新八・神楽「……」

銀時・新八・神楽(お前も来とったんかァァァァイ!)

121: 2018/03/18(日) 22:14:40.61 ID:laRR2P7Go
  ・  ・  ・

銀時「やっぱりね、スマブラはアイテム有りが一番だなと思うわけ」

武内P「待ってください! 今、攻撃されては!」

長谷川「はっはー! ホームランだぜー!」

神楽「お前がなァァァ! 背中がガラ空きだぜェェェ!」


新八「……あの、皆さん」


長谷川「ルイージィィィ! 俺のルイージがァァァ!!」

武内P「反撃しようと、そう、思います」

銀時「バット投げ!? いや、それは違うでしょ!」

銀時「投げるのはボールゥ! バットは投げ――キャァァッチ!」

神楽「ドンキィィィ! お前のフルパワーパンチを見せてやるアル!」


新八「……ねえ、ちょっと」


銀時「道具も使えないゴリラがいきがってんじゃねえぞコラァァァ!」

神楽「氏ねやコラァァァ! 宇宙の彼方へぶっ飛びなァァァ!」

武内P「これは、二人まとめてスマッシュするチャンスですね」

長谷川「もー、早く終わってくれよ―! これだからストック制は嫌なんだよー!」


新八「聞けよオイィィィ!! お前らアレか、仲良しか!?」

新八「何でメッチャ盛り上がりながらスマブラやってんだ!!」

新八「>>115の引きからソレはどう考えてもオカシイだろ!!」


銀時「うるせーなー、スマブラは面白いから仕方ねえだろ」

神楽「ほら、お前も混ぜてやるから怒るなヨ、新八」

長谷川「えぇ!? 俺が代わるの!? そんなの決めてなかったじゃんか!」


新八「いや、アンタらはともかくですね」


武内P「…………どうぞ」

スッ


新八「なんでお前までガッツリ馴染んでんだ!!」

新八「しかも、もの凄く嫌そうにコントローラー差し出してくるし!!」

新八「そんなの受け取りにくいにも程があるわ!! そもそも代わらねえ!!」

122: 2018/03/18(日) 22:26:12.61 ID:laRR2P7Go
銀時「へいへい、うるせえカーチャンだな」

新八「誰がカーチャンですか。お前みたいな息子いらんわ」

銀時「それで? 何の話だっけ?」

新八「あの人が尋ねてきた理由ですよ、その位覚えててくださいよ」


武内P「……」


銀時「ああ、そうか……アレね」

新八「全く、やっと思い出したんですか」


銀時「武内君のモノマネがめっちゃ似てるって話だっけ?」


新八「お前マジふざけんなよ!?」

新八「どんだけ苦労して、名前を出さずにやってきたと思ってんだ!!」

新八「それが一瞬でパーだよ!! この糞テンパーがァァァ!!」


銀時「しょうがねえだろ、なあ、武内君」

武内P「杉田さん……あの、もう、それ以上は」


新八「お前も中の人の方で呼んでんじゃねェェェ!!」

新八「本当、いい加減にしろよ!! 話が全く進まねえじゃねえか!!」

新八「話が進んでないのに、どんどん大切なものが崩れていってるよ!!」


銀時「新八、形あるものはいつか壊れるもんだ」

銀時「なあに、そんときゃまた新しく作り直せば良いだけだろ」

長谷川「だけど、一度壊れたらもう二度と元に戻らないんだ」

長谷川「失ったものを取り戻すのに、さらに何かを失わなきゃいけないんだ」

新八「……あの、長谷川さんの話が重すぎるんですけど」


神楽「おいお前、何しにここに来たアルか」


武内P「神楽さん……アイドルに、興味はありませんか?」


神楽「無いアル」


武内P「……そうですか、残念です」



おわり

123: 2018/03/18(日) 22:39:45.04 ID:laRR2P7Go
新八「オイィィィィィ!! お前ら本当……本当そういうのやめろって!!」

新八「信じちゃう人が居るかも知れないでしょうが!!」

新八「このままじゃ、ただ怪我して終わりになっちゃうでしょうが!!」


銀時「新八、これを見てる奴は、あんなのに騙されねえよ」

銀時「ただちょっと、書くのがもの凄く面倒な気持ちが出ちゃっただけなんだよ」

銀時「わかるだろ? このみ~っちり会話だけで埋まったレスを見れば」

銀時「想像以上だよ、いやホント驚いたわ」


新八「いや、僕だってそう思いましたけどね」

新八「それにしたって、あの流れはねーよ」

新八「そして一向に話が進んでねえよ、どうしてくれんだよ」


武内P「アイドルになれば……見たことの無い世界が、見られます」

神楽「見たことのない世界? 何かやばいクスリでもきめてるアルか」


銀時「ほら見ろ、いい感じに方向修正してくれてるだろ」

銀時「俺ぁ、ああいう誠実で真っ直ぐな後輩を持てて幸せだね、うんうん」

新八「その修正された方向を凄い所に持ってってますよ、神楽ちゃん」


武内P「笑顔です」

神楽「笑顔?」

武内P「貴女の輝くような笑顔で、ファンの方と一緒に階段をのぼっていきましょう」

神楽「クスリをやった後に階段を使うのは危ないネ。エレベーターを使うべきアル」


新八「駄目です! ポエミーなトークが全てフリに感じます!」

銀時「……ったく、しゃあねえな」

新八「銀さん?」


銀時「なあ、ぶっちゃけどれ位儲かる? コイツがアイドルになったら」

神楽「確かに、それは気になるアル」

神楽「ふふっ、この神楽ちゃんを値踏みするなんて、いけない人ネ」


新八「アンタら最低だ!!」


武内P「そう……ですね」

武内P「恐らく……この位になるかと」


銀時・新八・神楽「……………………マジで?」

124: 2018/03/18(日) 22:56:09.99 ID:laRR2P7Go
  ・  ・  ・
346プロダクション、前


銀時「オウケェェイ、クゥァグゥラァ!」ビシィッ!

神楽「フゥゥゥゥ! いつでもオウケェェイ!」ビシィッ!


新八「いやあの、キメてる所悪いんですけど、伝わらないですから」

新八「もっとこう、わかりやすい感じでお願いしますよ」

新八「僕だってあんまりメタな事言いたくないんですからね、本当に」


銀時「良いんだよ、こういうのはノリで」

銀時「それに、お前だって気合入った格好してるじゃねえか、新八っつぁんよ」

神楽「そうアル。いくらアイドルの巣だからって気合入れすぎネ」

神楽「私はてっきり、いつものキモい追っかけ姿で来ると思ってたヨ」


新八「だ、だって仕方ないじゃないですか」

新八「僕だって、ある程度のTPOはわきまえますよ」

新八「これから見学しに行こうって場所に、戦闘服は着ていけませんよ」

新八「もしかしたら、本当に神楽ちゃんがアイドルとしてお世話になるかも知れないんですから」


銀時・神楽「良い、眼鏡です」


新八「お前らふざけんなよ! 眼鏡が違ういつもの新八くんになったじゃねえか!」

新八「ああもう駄目だよ! せっかく姉上に袴まで出してもらったのに!!」


銀時「いつもの格好が一番、って事だよ」

銀時「ただでさえゴチャゴチャしてるのに、普段と違う格好なんかしてられっか」

神楽「そうアル」

神楽「大体、お前の格好なんて誰も興味ねえよ、童O眼鏡」

新八「童Oは今関係ねえだろうが!! い、いや、童Oじゃねえし!?」


武内P「あの……そろそろ、中に入っても良いでしょうか?」


銀時「おっと、待たせちまって悪いな武内君」

新八「何普通に呼んでんですかアンタ、やめてくださいって何度言えば良いんですか」

神楽「そんな細かいことはどうでも良いネ」


神楽「さっさと、私に相応しい事務所か見学するアル!」

125: 2018/03/18(日) 23:12:18.23 ID:laRR2P7Go
  ・  ・  ・

武内P「ここが、エントランスホールです」


銀時「ほー、こりゃまた大したもんだ」

神楽「あの絵パクって売ったら、それだけでゴハンいっぱい食べられそうアル」

新八「ちょっと神楽ちゃんやめて! 見られてるから! めっちゃ見られてるから!!」


楓「――おはようございます」


銀時・新八・神楽「!?」

武内P「おはよう、ございます」

銀時・新八・神楽「お……おはようございまーす」


楓「ふふっ」ニコリ


銀時・新八・神楽「……」


銀時「……おい、新八」

新八「……なんですか、銀さん」

銀時「一つ聞くが、あの語尾にウンコとかタマキンとかつける女が本当にトップなのか?」

銀時「お前が信じてるのは、どこか別の世界の話じゃねえのか?」

銀時「やべえよ、なんだよあのオーラ。あれこそ俺の知ってるアイドルだよ」

新八「言いたいことはわかりますけど、ソレ以上言ったら戦争になりますよ」


神楽「うるさいうるさい! アンタ達、何見惚れてんのよ!」


銀時「ほら、神楽だってアイドル通り越してルイズっちゃってるもの」

銀時「良かったよ、定春が居なくて。絶対、この馬鹿犬ぅ、って言っちゃう感じだもの」

新八「あれ? そういえば長谷川さんはどうしたんですか?」

銀時「どうしてもついて来るって聞かなくてな、定春の背中に乗って貰ったんだが」


  ・  ・  ・

定春「わんっ」

ドドドドドッ!

長谷川「ちょっとぉ!? どこに向かってるの!? ねぇ!?」

長谷川「もしかして俺の出番終わり!?」


  ・  ・  ・


銀時「さすがに疫病神を引き連れくるのは申し訳ないからな」

126: 2018/03/18(日) 23:30:37.08 ID:laRR2P7Go
武内P「それでは、神楽さんはプロジェクトルームの方へ」

神楽「私だけアルか? 銀ちゃん達は?」

武内P「申し訳ありません。さすがに、部外者の方をそこまでは……」


銀時「あー、良いって良いって、俺たちの事は気にすんな」

銀時「正直な所、中に入る必要も無かったんだから」

銀時「ただ、本当に神楽を任せても大丈夫か確認しに来ただけだ」


神楽「銀ちゃん……! そこまで私の事を……!」


銀時「というわけで、だ」

銀時「契約金は俺の口座に振り込んでおいてくれよな、武内くん」

銀時「手渡しでも良いんだが、大金を持つと気が大きくなっちまっていけねえ」


神楽「契約金!? 待つアル銀ちゃん!」


新八「そうですよ銀さん! 神楽ちゃんはアイドルになると決めた訳じゃないんですよ!?」


神楽「そんな話聞いてないアル! 一人占めしようったってそうはいかないネ!」

銀時「あのな神楽、お前は元々万屋の従業員だろうが」

銀時「だから、これは移籍金みたいなもんだろ?」

神楽「遺跡金? 何言ってるアルか! 何一つ発掘されてなんか無いアル!」

銀時「発掘されたのはお前だよ神楽、アイドルの原石というお前が発掘されたんだよ」


新八「アイドルになる気満々じゃねえか!!」

新八「銀さんも神楽ちゃんもそれで良いの!?」

新八「神楽ちゃんがアイドルになったら、三人バラバラになっちゃうんだよ!?」


銀時・神楽「新八……」


銀時「……そうだな、お前の言う通りだ」

新八「銀さん……わかってくれたんですね」


銀時「神楽はアイドルとして頑張る」

銀時「俺は契約金で遊んで暮らす」

銀時「新八はなんかその、眼鏡を頑張る」


新八「何一つ理解してねえじゃねえか!! なんだ、眼鏡を頑張るって!!」

127: 2018/03/18(日) 23:46:42.93 ID:laRR2P7Go
  ・  ・  ・

新八「……良かったんですか、本当に行かせちゃって」

銀時「良いに決まってんだろ。アイドルだぞ、アイドル」

銀時「お金がガッポガッポ、笑顔でウッハウッハだぞ」

銀時「おー、こんな待合所のソファーまでフカフカたぁ、儲かってるねぇ」


新八「……見損ないましたよ、銀さん」

新八「お金で神楽ちゃんを売るなんて、それが侍のする事ですか」

新八「僕たち万屋の絆なんて、札束で叩かれたら吹き飛ぶもんだったんですね」


銀時「良いねぇ、札束で叩かれたいもんだねぇ」

銀時「そんな夢見たいな話が転がってたら、一も二もなく飛びつくってもんだ」

銀時「そりゃあもう、ダイブしちゃうね。ルパンダイブで」


新八「えっ? ちょっと待ってください」

新八「凄い額の契約金を貰ったんじゃないんですか?」


銀時「そんなもん貰ってねえよ」


新八「それじゃあ、これから貰うとか?」


銀時「うるせーなー。貰う予定もねえよ、そんなもん」

銀時「そんな金貰うんだったら、とっくに有り金全部パチンコに突っ込んでるっつーの」


新八「それじゃあ、さっきの話は……!?」


銀時「嘘に決まってんだろ。なんだお前、信じちゃってたわけ?」

銀時「プロ野球じゃあるめえし、移籍金なんてあるはずねえだろ」

銀時「万屋から芸能プロダクションに移るのにそんなもんが発生してたら、」

銀時「イチローだってビックリして100歳は若がえOちまうよ。現役生活超延期だよ」


新八「イチローが100歳若返ったら、まず人生が現役じゃねえよ、デビュー前だよ」

新八「というか、どうしてあんな嘘ついたんですか!」


銀時「ああでも言わないと、真面目に見学しねえだろうが、あのクソガキは」

銀時「頼れる男に、任せられるかもしれねんだ」

銀時「……こんな、チャランポランな男とは違ってよ」


新八「銀さん……」

133: 2018/03/19(月) 10:31:45.57 ID:UsLc9LbYo
https://www.youtube.com/watch?v=DmRPlnJgyBE


  ・  ・  ・

武内P「ここが、プロジェクトルームになります」

神楽「何ネ、たまり場が地下に有るとはどういう事アルか」

神楽「これが噂の地下アイドルって奴アルか」

神楽「夢を諦めきれない夢敗れた者たちの集いアルか」


武内P「いえ、違います」

武内P「そして、地下アイドルもそういうものでは……」


神楽「似たようなもんアル」

神楽「はぁ……これじゃあメンバーにも期待出来そうにないネ」

神楽「やっぱり765が一番アルな」


武内P「……私は、そうは思いません」


神楽「何だとコラァァァ!! 伊織ちゃん馬鹿にするとただじゃおかねえぞ!!」


武内P「待ってください! 決して、そういう意味では!」


神楽「だったら何アルか!」


武内P「……確かに、765プロのアイドルの方達は素晴らしいと思います」

武内P「とても個性的で、一人一人が輝きを放っています」

武内P「しかし、シンデレラプロジェクトの彼女達も負けてはないと、そう、考えます」

神楽「……」

武内P「そして、彼女達に――貴女、神楽さんが加われば……」

神楽「……私が加われば?」

武内P「トップアイドルも、決して夢ではないでしょう」

神楽「……」


神楽「そこまで言われちゃしょうがないアル!」

神楽「どれ、氏んでるプロジェクトの奴らの顔、拝ませて貰うアル、南無~」


武内P「あの、生きています」

武内P「……それでは、どうぞ」


ガチャッ!

134: 2018/03/19(月) 10:46:50.48 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

銀時「……お、あったあった自販機」

銀時「さすがに大手事務所だ、品揃えも充実してやがる」

銀時「だけどこれじゃあ俺を満足させられねえな」

銀時「いちご牛乳は、せめて三種類は置いてくれないと」


マストレ「そこの貴方、ここで一体何を?」


銀時「あぁ? 見てわかんねえのか」

銀時「どう見たって、自販機で買い物をしようとしてるだけだろうが」

銀時「それとも何か? 自販機の下の小銭でも探そうとしてるように見える?」

銀時「……いや、待てよ。こんな大手だったら、小銭じゃなくて大銭が落ちてるかも」


マストレ「そんな事は聞いていない」

マストレ「見たことの無い顔だが、誰の許可を得てここに入った」


銀時「ゴチャゴチャうるせーなー、武内くんだよ、武内くん」

銀時「そんな事よりアンタ、何か長いもの持ってない?」

銀時「何かあんだろう、何故か竹で出来てる30センチ定規とかさ」


マストレ「彼の?」

マストレ「……なるほど。もしや、キミが彼の言っていた人物か」


銀時「ウオォォォォォ!? 500円玉が落ちてるじゃねえか!!」

銀時「ああクソッ! 手が届かねえ!!」

銀時「いや、違うからね!! あれ、実は俺が落とした500円玉だから!!」

銀時「決して、ラッキー☆ と思って必氏こいて取ろうとしてる訳じゃないからね!!」

銀時「いやー、参ったなー。アレがないと、お母さんのお使いが出来なくなっちゃうよー」


マストレ「そんな事よりも、ついて来なさい」

マストレ「あまり、仲間を待たせるものでは無いぞ」


銀時「良いんだよ、新八なんていつまでも待たせてたって」

銀時「待つことも人生の醍醐味、歩いてばっかりじゃ疲れちまわあ」


マストレ「つべこべ言ってないで、来い」

銀時「あっ、ちょっと! 引っ張るんじゃねえよ! オイ、コラ!」

銀時「せめて500円玉取るまで待ってェェェェェ!!」

136: 2018/03/19(月) 11:09:58.65 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

武内P「彼女達が、シンデレラプロジェクトのメンバーです」


莉嘉「ヤッホー☆ アタシ、城ヶ崎莉嘉だよ! よろしくね☆」

みりあ「赤城みりあです! ねえねえ、貴女のお名前は?」


神楽「神楽アル。自分から名乗るとは、教育が行き届いてるアルな」


莉嘉「これも、カリスマJCアイドルとしてトーゼンだからね☆」

みりあ「これからよろしくね、神楽ちゃん! 仲良くしてくれると嬉しいなぁ」


神楽「アイドル界は戦場、馴れ合いはしないアル」

神楽「……だけど、私はまだアイドルじゃないネ」

神楽「だったら、仲良くしても問題無いアルな!」

神楽「ねえねえ、何して遊ぶ? オススメは缶蹴りネ!」


未央「あっはは! 面白い事言う子だね、神楽ちゃんって!」

未央「おっと、自己紹介がまだだった! 私、本田未央!」

卯月「島村卯月ですっ♪ うわー、とっても可愛いですね!」

卯月「肌も白くて、とっても綺麗だし、羨ましいなぁ」

卯月「これから、一緒に頑張りましょうね♪」

凛「渋谷凛、よろしく」

凛「ふーん、アンタが新しいメンバー候補? 悪くないかな」


神楽「偉そうにするんじゃないアル、このネバネバ」


凛「ちょっと!! 今ので私のポジションが決まっちゃったんだけど!!」

凛「っていうか、ネバネバってどういう意味!? 説明して!!」


神楽「ほほう、これは中々のツッコミアルな」

神楽「これからよろしくな、リンパチ」


凛「リンはともかく、パチはどこから来たの!?」

凛「明らかに変なの付けられたんだけど!」

凛「何ていうか、こう、しんどいポジションを与えられたんだけど!!」


■■「ふふっ、とっても元気な子ね♪ よろしくね、神楽ちゃん」

■■「私は、プロジェクトのリーダーを任されてる、■■■■」


神楽「……」

神楽(なんかヤベエの来たァァァァァ!!)

137: 2018/03/19(月) 11:27:21.69 ID:UsLc9LbYo
■■「今日は、メンバーが全員揃ってないんだけど……」

■■「その内、全員と顔を合わせられると思うわ♪」


神楽「その内も何も、まずお前と顔が合わないアル!」

神楽「何アルか、そのオーラみたいな奴は!?」

神楽「でっかい真っ黒クロスケみたいになってるアル!!」


武内P「彼女は、■■■■さんです」

武内P「良い子も安心して見られるよう、黒ベタ処理させていただきました」


神楽「黒く塗りつぶす処理をしなきゃいけないって何!?」

神楽「こんなんじゃ、輝きもクソも無いアル!」

神楽「全てを飲み込む闇がそこにあるネ! 光を一切通さないアル!」


■■「[ピーーーーーーーーーーーーーーーーー!!]」


神楽「ちょっとォォォォォ!? マジで何言ってるアルか!?」

神楽「銀魂とクロスしてるのに許されない発言って何アルか!?」

神楽「気になって仕方ないネ! 聞かせろヨ! 何を言ったか聞かせろヨ!」


武内P「……申し訳、ありません」

武内P「しかし、闇が深いという事は、その分光も強いという事」

武内P「その光と闇が合わされば、トップアイドルも夢ではありません」


神楽「芸能界の闇どころじゃないアル……本当の闇がそこに居るアル」

神楽「もしかして私、とんでもない所に来てしまったアルか?」

神楽「銀ちゃん、新八……私、自信が無くなってきたネ……」


かな子「はじめまして、神楽ちゃん♪」

かな子「私、三村かな子。お近づきの印に、クッキーはどうかな?」

かな子「お菓子を作るのも食べるのも好きで、よく持ってくるんだ~」


神楽「……騒いだらお腹が空いたから、貰うアル」

神楽「これ食べたら、私も闇に飲まれたりしない? 放送禁止にならない?」


かな子「美味しいから大丈夫だよ~」


神楽「……」

サクッ!

138: 2018/03/19(月) 11:46:02.46 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

銀時「……」

銀時「いやね? 確かに、俺は武内くんに連れられて来たよ?」

銀時「だけどさ、明らかにこの感じ違うもの」

銀時「なんか、おかしなレールに乗せられちゃってるもの」

銀時「乗るんだったら、お菓子なレールにしてくれよ」

銀時「そんなレールだったら、喜んでシュッポシュッポするからよー」


土方「おい、さっきからゴチャゴチャうるせえぞ」


銀時「つーか何でお前がココにいんだよ!!」

銀時「ふざけんじゃねえぞ!! これ以上キャラ増やしてどうすんだ!!」

銀時「この先の展開も何も決まってないっつーのによォォォォォ!!」


土方「俺だって芸能事務所に来たくなんてなかったっつの!!」

土方「松平のオッサンが――」


  ・  ・  ・


片栗虎『おいトシィ、お前今日暇か? そうか、暇かぁ』

片栗虎『お巡りさんが暇ってのは良い事だが、働かねえってのはいけねぇなぁ』

片栗虎『働かざるもの、食うべからず』

片栗虎『楽しまないもの、キャバクラへ行くべからずぅ』

片栗虎『ってなわけでぇ、346プロダクションへ今すぐ行けバカ野郎』

片栗虎『理由を説明してる時間はねぇ、とっとと行け』

片栗虎『もし行かないなんてほんのちょっぴりでも思ってもみろ、トシィ』

バキュウウンッ!

片栗虎『おじさんのンムァグナムが何をするかわからねぇ』


  ・  ・  ・


土方「――って言うんだからよ!」

銀時「……ちっ! だったらもう用は済んだだろ、とっとと帰れ」

土方「そういう訳に行くか。蜻蛉返りしたって知れたら、松平のおっさんに殺されちまう」

銀時「そいつは良いね、そうなりゃちったぁ清々すらぁ」

土方「んだとこの野郎!……違えよ、殺されるのは俺じゃねえ」

銀時「あん?」


  ・  ・  ・


近藤「やめてェェェェェ!! お願いだから撃たないでェェェェェ!!」


  ・  ・  ・


土方「近藤さんだ」

銀時「……ああ」

139: 2018/03/19(月) 12:00:20.51 ID:UsLc9LbYo
銀時「しっかし、どうしてこうなるかねぇ」

銀時「仲間が待ってるっつーからこの部屋に来たのによぉ」

銀時「新八はどこ行ったんだよ、ったく」


土方「俺だって知らねえよ」

土方「言われるままにここに来て、この部屋に通されたんだ」

土方「全員集まるまで待て、って言われてな」


銀時「おいおい、勘弁してくれよ」

銀時「これ以上人数が増えたらどうしようもなくなっちまう」

銀時「ただでさえ話が進まないから困ってるってのに」


土方「俺に言うんじゃねえよ」

土方「! おい、扉の向こうに気配がするぞ」

土方「……この気配、只者じゃねえな」


銀時「今更誰が現れたって驚きゃしねえよ」

銀時「そもそも、なんで仲間が待ってるなんて話だったのにお前が居んだ」

銀時「お前と仲間扱いされるなんてヘドが出らぁ」


土方「そりゃこっちの台詞だ!」

土方「大体、なんでお前までここに居んだよ!」

土方「日陰者のお前らが芸能事務所に何の用があるっつーんだ、えぇ!」


銀時「んだとコラ! 男ってのは、ちょっぴり陰がある方がモテんだよ!」

銀時「やだ、あの人ミステリアスぅ、ってな!」

銀時「そんなこともわかんねーのか、このV字ハゲが!」


土方「V字だけどハゲちゃいねーよ! どこのサイヤ人の王子の話だ!!」

土方「大体、お前の陰なんて精々その陰毛みたいな頭くらいなもんだろうが!」


銀時「あー、言ったね! 言っちゃったね!」

銀時「お前は全国の天然パーマ集団全員を敵に回したね、今この瞬間んん!!」



マストレ「――おい、騒ぐのをやめろ!」

マストレ「本当に話が進まない!」


銀時・土方「……チッ!」

140: 2018/03/19(月) 12:22:34.46 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

神楽「かな子ちゃん、おかわりアル!」


かな子「うふふ、まだまだ沢山あるから、遠慮しないでね♪」


神楽「遠慮なんて言葉、私の辞書には書いてないネ!」

神楽「もしもあったとしたら、ページごと破り捨ててやるアル!」


凛「いや、ページごと破ったら他の言葉も巻き添えで消えちゃうでしょ」


神楽「黙れネバネバァァァァァ!」

神楽「お前もショコラ・ティアラにしてやろうかァァァァァ!!」


凛「私の扱いひどくない!? 何かした!?」

未央「大丈夫だよ、しぶりん!! ファイト!」

卯月「はいっ♪ 凛ちゃんは大丈夫ですっ、ブイっ♪」

凛「いや、全然大丈夫な感じじゃないから、ファイトもブイも何も無いから」


莉嘉「神楽ちゃーん! 食べてばっかりいないで遊ぼうよー!」

みりあ「うんうん! 遊ぼう遊ぼうー!」

神楽「そうアルな。お菓子は銀ちゃん達に見つかる前に食べきれば良いだけアル」

莉嘉「何して遊ぶ? アタシ、カブトムシ捕まえるの得意だよ!☆」

神楽「私もカブトムシには縁があるアル。詳しくはググれよ、良い子の皆」

みりあ「はいはーい! あのねあのね、一緒に歌ったりしたいなー!」

神楽「それも良いアルな! 何歌う? 天城越え? 津軽海峡・冬景色?」

莉嘉・みりあ「ええっ!? 選択肢は演歌だけ!?」

神楽・莉嘉・みりあ「……」

神楽・莉嘉・みりあ「あははははっ!」ニコニコ


武内P「……良い、笑顔です」


神楽(最初はアイドルなんかめんどくさいと思ってたけど、悪くないかも知れないネ)

神楽(皆良い子だし、とっても楽しいアル!)

神楽(もしかしたら、ここは天国かも知れないアルな!)

141: 2018/03/19(月) 12:38:57.29 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

マストレ「――どうやら、キミ達は知り合いらしいな」

マストレ「だったら、話は早い」


銀時「待てよねーちゃん、こっちは状況がサッパリわからねえんだ」

土方「ちゃんと説明してくれ。何で俺たちはここに集められた」


マストレ「知らなかったのか?」

マストレ「キミ達二人と、これから紹介する人物の三人でユニットを組んで貰う」

マストレ「それが――氏んでる目プロジェクトだ」


銀時・土方「はぁ!?」

土方「ちょっと待てコラ! 目が氏んでるのはコイツだけだ!」

銀時「それよりも、ユニットを組むってのはどういうこった!」

銀時「小隊システムも悪くねえが、俺は単機で出撃出来る方が好みだコラァ!」

土方「何の話をしてんだオメーは! 誰がスパロボの話をしろっつーたよ!」

土方「俺は、出撃機会の無い奴らも出番があるから、悪くないと思う」


マストレ「キミ達は、346プロダクションの男性アイドル部門の先駆けになってもらう」

マストレ「いわば一番槍、ぶっちゃけ捨て石だ」


銀時・土方「とんでもねえ事ぶっちゃけやがったァァァァァ!!」

銀時「ふざけんなよ! 人様を捨て石よばわりたぁどういう了見だ!」

銀時「石は石でも、コイツはともかく、俺は河原で拾ったピカピカの石だっつの!」

土方「そりゃガラスが削れて出来たやつだろうが、石でも何でもねえ」

銀時「……え? そうなの? 何か秘めたパワーを持った特別な石じゃないの、アレ」


マストレ「その特別な石になれるかは、キミ達次第だ」

マストレ「――入りなさい、3人目の……路傍の石コロか、原石かわからぬ男よ」


銀時「……ったく、三人でユニットだぁ? 冗談じゃねえ」

土方「だが、このオーラ……どっかで覚えが……」



茂茂「これから、よろしく頼む。気軽に将ちゃんと呼んで欲しい」



銀時・土方「……」

銀時・土方(……しょ……しょ)

銀時・土方(将軍かよォォォォォォォォォォォォ!!)

142: 2018/03/19(月) 12:57:20.69 ID:UsLc9LbYo
茂茂「余は、アイドルというものにあまり詳しくない」

茂茂「故に、トップアイドルというものになれるかはわからん」


銀時(アイドルも何も、アンタこの国のトップゥゥゥゥゥ!)

土方(なんでアイドルでトップ目指してるのこの人ォォォォォ!)


茂茂「だが、余をスカウトした大柄な彼は言っていた」

茂茂「笑顔の力、パワーオブスマイルを信じろと」

茂茂「その言葉を聞いた時、余は悟ったのだ」

茂茂「アイドルとして皆を笑顔にするのが、余の務めだと」


銀時(武内クゥゥゥゥゥン!? なんて人スカウトしてんの!?)

銀時(っていうか、スカウトする能力半端じゃねェェェェェ!!)

土方(変なもん悟ってんじゃねえよォォォォォ!)

土方(アイドルじゃなく、将軍として笑顔にすれば良いだろうがァァァァァ!!)


茂茂「……不思議なものだ」

茂茂「今まで見ていなかった道が、こんなにも眩いものだったとは」

茂茂「この道こそが、余が歩むべき道だったのも知れないとすら思える」


銀時・土方(それ、思いっきり脇道ィィィィィ!!)


茂茂「至らない所はあるだろうが、共に乗り越えて行こうではないか」

茂茂「して、そなたらの事はなんと呼べば良いのだ?」


銀時・土方「!?」

銀時・土方「……」

銀時「……ぎ、銀ちゃんで。よろしくな、将ちゃん!」

土方「!?」


茂茂「銀ちゃんか……どこかで見た顔、聞いた声だが」

茂茂「いや、よそう。新しい自分達に、過去は無用」


土方「バカ野郎! お前、まさかこのままいくつもりか!?」ボソボソ

銀時「しょうがねえだろうが! だってやる気になっちゃってるんだもの!」ボソボソ

銀時「嫌なんて言ってみろ! アイドルどころか、打ち首で氏んドルになるだろうが!」ボソボソ

土方「うまくねーよ! 俺は嫌だぞ!! アイドルなんて!!」ボソボソ


茂茂「そちらの、黒髪の御仁はなんと申す?」


土方「……」

土方「……と、トシちゃんです」

143: 2018/03/19(月) 13:18:19.72 ID:UsLc9LbYo
茂茂「トシちゃんか、よろしく頼む」


銀時「おいコラテメエ!! 将軍を諌めるのは、家臣の務めだろうが!」ボソボソ

銀時「とっととあのバカ将軍に考え直せって言って来いやコラァ!」ボソボソ

土方「んな事出来る訳ねえだろこのバカ! こんな事で氏にたくねえ!」ボソボソ

土方「主君が進む道を応援するのも大切だと思うな、うん、そうだよ俺は悪くねえ」ボソボソ


マストレ「――よし、これから三人で頑張れよ!」


銀時「おねえさァァァん!? ちょっとお話宜しいですかァ!?」

マストレ「……何だ?」

銀時「何だじゃねえぞ!」

銀時「ナンダカンダ叫んだってやりたい事やるべ~きです♪ とは言うけどな!?」

銀時「それにしたって、もうちょっとこう、ああもう! わかれよ! 300円あげるからァァァァ!!」


土方「!……おい、この人を責めるのはよせ」


銀時「だったら、誰が責任取るっつーんだよ、あぁ!?」


土方「この人も、俺たちと同じ被害者だ」

土方「俺たちよりも先に、とっくに諦めちまってるんだよ」

土方「……よく見てみろ、この目を」


マストレ「頑張れば、きっと良い事があるはずだ!」ドヨーン

マストレ「頑張って、頑張って、頑張って……頑張って?」ドヨーン


銀時・土方「……」


銀時(目が氏んでるのはコイツかよォォォォォ!!)


土方「それに、責めてる時間は残されてねえ」

銀時「……おい、それってまさか」

土方「……ああ、もう尺が残ってねえんだ。諦めろ」


https://www.youtube.com/watch?v=ni6ul9_4wIE



銀時「ふっざけんじゃねえぞ! お前、ここで諦めたら――」

銀時「あっ、やめて! ED流すんじゃねえ! 止めろ! 止めて!?」

銀時「この調子で前後編になるとか――」


  ・  ・  ・


新八「どんだけェェェェェェ!?」


つづく!

145: 2018/03/19(月) 14:46:52.26 ID:UsLc9LbYo

 侍の国。


 僕らの国がそう呼ばれたのは、今は昔の話。
 20年前、突如宇宙から現れた天人(あまんと)の台頭と、
廃刀令により、侍は衰退の一途を辿っていた。


 そんな時代に、プロデューサー魂を持った男が一人!


 その名は――……いや、これ言っちゃって良いんですか?


 良いに決まってんだろうが。
 それとも何か? お前は名前の言えないあの人とクロスしてるつもりか?
 エクスペクト・パトーローナムするつもりか、ああ?


 いや、そんなつもりは無いですけど!


 と、とにかく、ひょんな事から銀さんの営む万屋で働く事になった、僕、志村新八と、神楽ちゃん!


 その神楽ちゃんが、アイドルにスカウトされた事から始まったこの物語。
 そして、妙な事に巻き込まれた銀さん達が――


 ああもう、長い長い! そんな事言わなくても良いんだよ、わかってるから!
 なんならこの1レスも要らないんだよ、進まないんだよ、マジで!


 ちょっとォォォォォ! せめてここで位は出番下さいよォォォォォ!



 良い、ツッコミです。



https://www.youtube.com/watch?v=n5TG3Fxzft0

146: 2018/03/19(月) 14:58:59.39 ID:UsLc9LbYo
マストレ「1! 2! 3! 4!」


銀時「……」ダラダラ

土方「おい、ダラダラすんじゃねえ! 真面目にやれ!」

茂々「っ! っ! っ! っ!」カク、カク、カク、カク


マストレ「5! 6! 7! 8!」


銀時「こんなんテキトーで良いんだよ、テキトーで」ダラダラ

銀時「話し合って決めただろうが」

銀時「やっぱりデビューは無理だから諦めようって流れにするってよ」

土方「それはそうだが、見ててイライラすんだよ」

土方「稽古ってのは、もっとビシッとやらないと意味がねえ」

土方「フリだとしても、もうちょっとマシな動きは出来ねえのか」

茂茂「っ! っ! っ! っ!」カク、カク、カク、カク


マストレ「――はい、ストップ!」


銀時・土方・茂茂「……」


マストレ「坂田! お前はもっと真剣にやれ!」

マストレ「そんな調子では、デビューは無理だぞ!」

銀時「うーい、とぅいまてんでしたー」


マストレ「土方! お前は人の事を気にしてる場合か!」

マストレ「もっと集中しろ! でないとデビューさせられん!」

土方「……わかっちゃいるが、腹立つなコレ」


マストレ「このハゲ! センスの欠片も見当たらんな!」

マストレ「やる気だけは一丁前にあるようだが、見ていて不愉快極まりない!」

マストレ「とっとと荷物まとめてお家へ帰るんだな! このクソが!」

マストレ「ん? クソ? おい、なんで頭にクソを乗せてるんだ! ぶっとばすぞ!」

茂々「……」ツーッ


銀時・土方(言いすぎだろあの女ァァァァァ!?)

銀時(泣いちゃってるもの将軍! 悲しさが溢れ出しちゃってるもの!)

土方(そりゃ確かに辞めさせるとは言ったが、パワハラってか迫害だろアレ!)

147: 2018/03/19(月) 15:12:44.53 ID:UsLc9LbYo
銀時「しょ、将ちゃん! とりあえず汗拭けよ、なっ!?」

土方「ほら、タオルだ! こいつを使ってくれ、将ちゃん!」

茂茂「すまない……汗が、止まらなくてな」ボロボロッ


マストレ「汗が止まらないとか、うわ、キッモ!」

マストレ「そんなキモい奴にアイドルなんて無理無理無理無理!」

マストレ「汗水たらす所か、鼻水までたらしているじゃないか!」

マストレ「何をどれだけたらせば気が済むんだ、このクソッタレ!」

マストレ「その様子じゃ、お前のパンツは真っ茶色だな、あー、バッチイバッチイ!」


茂茂「……おうっ……うっく!」ボロボロッ

茂茂「しょ、将軍家は代々……ぱ、パッツリゴム、もっさりブリーフ派だ」ボロボロッ


銀時・土方「オイィィィィィ!! ちょっと待てェェェェェ!!」

銀時「いくらなんでも言いすぎだろうが! 何様のつもりだコノヤロー!」

土方「てめえの立場をわきまえろコラァ! 誰に物を申してんだ!!」


茂茂「いや……良いのだ、二人共」

茂茂「トレーナー殿はアイドル達を見てきたプロ中のプロ」

茂茂「そのトレーナー殿からすれば、路傍の石どころか犬の糞の様なものなのだろう」


銀時「そんな事はないぜ、将ちゃん!」

銀時「確かに踊りは引くくらい下手だが、頑張ってるじゃねえか!」

土方「ああ、その通りだぜ、将ちゃん!」

土方「踊ってるかすらわからない程下手だが、頑張ってたと俺ぁ思う!」


茂茂「……ありがとう」

茂茂「フッ……銀ちゃんとトシちゃんが居れば、アイドルになるのも夢では無いな」

茂茂「ともに道を歩む仲間が居るのが、こんなにも頼もしいものとは思わなんだ」


銀時・土方(しまったァァァァァ! 可哀想すぎてやっちまったァァァァァ!)

148: 2018/03/19(月) 15:26:18.15 ID:UsLc9LbYo
茂茂「……トレーナー殿」


マストレ「何だ、私に何か言いたいことでもあるのか?」


銀時(スンマセン! ほんっとスンマセン!)

銀時(せっかく頑張ってたのに、台無しにしちゃってマジスンマセン!)

土方(くっそ! こんな時に俺のフォロー癖が裏目に出るとは!)

土方(あとはアンタが頼みだ、マスタートレーナーさん!)

銀時・土方(さっきみたいに、キツイのぶちかましてやってください!)


茂茂「確かに、今の余は、今だ道端に捨て置かれた犬の糞かも知れぬ」

茂茂「しかし、この二人と、そして、貴女の力があれば……」

茂茂「犬の糞は、土に溶け――」


土方「……!」


茂茂「鈍くだが、しっかりと銀色に輝く光に照らされ――」


銀時「……!」


茂茂「やがて、小さくだが、力強い花を咲かせるだろう」


マストレ「……!」


茂茂「だが、余一人ではそれは叶わぬ」

茂茂「お前たちの力が必要だ」

茂茂「――力を……貸してはくれないだろうか?」


銀時・土方・マストレ「ははーっ!」ドゲザー


茂茂「よい、面を上げよ。下を向いていては、ファンの方に笑顔を見せる事は出来ん」


銀時「……なあ、これ地味にヤバくねえか」

土方「……ああ、着いて行きたい気持ちが抑えられねえ」

マストレ「見ろ……私なんか、もう絵柄が銀魂になっている」

銀時・土方「いや、知らねえし」


茂茂「さあ、レッスンの続きをしよう。アイドルへの道は、険しいのだから」


銀時・土方・マストレ「……はーい」ドヨーン

151: 2018/03/19(月) 18:25:19.67 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

蘭子「煩わしい太陽ね」

神楽「もしかして、お前も夜兎アルか? その肌の白さと傘!」

蘭子「そ、そうではないわ。新たな盟友の可能性を持つ者よ」

神楽「やっべー、何言ってるか全然わかんないアル。おっOい揉んでいい?」

神楽「同い年なのに、その成長っぷりはズルいネ!」

蘭子「そ、それは……も、もう少し仲良くなってからで」

神楽「約束アル! 揉んで揉んで、揉みしだいてやるから覚悟しとくアル!」


みく「ねえねえ、神楽チャンはネコミミとか興味無いかにゃ?」

神楽「ごめんね、私ネコミミはちょっと拒否反応が出ちゃうアル」

神楽「具体的には、いい年したババアがネコミミでスナックで働いてたり」

神楽「そういうのを見てきたから、見てるだけで加齢臭を感じるアル」

みく「もしかして、みくからも感じるってこと!?」

神楽「ぶっちゃけプンプンアル。ネコミミ以外の方向性も考えとくべきネ」


きらり「うぇへへ! 神楽ちゃんは、可愛いにぃ☆」

ぎゅっ!

神楽「わ、ちょ、ちょっと! 離すアル!」

神楽「何アルか!? この圧倒的なパワー! ふんぐぎぎぎぎ!」

きらり「うきゃー☆ こらこらぁ、暴れたらメッだゆ☆」

きらり「これから、一緒にハピハピしようにぃ☆ きらりんパワー☆」

神楽「び、微動だにしないとは何アルか!? これが、笑顔の力!?」


李衣菜「……なんか、もうすっかり馴染んでるね」

智絵里「ふふっ、皆もとっても楽しそう」

アーニャ「ハラショー! 新しい仲間、とっても素敵、です!」

杏「ふわぁ~あ。これで、杏の仕事が減ると助かるよ~」

CPアイドル達「あはははっ!」


神楽「こ、コラー! 笑ってないで助けるアル!」

きらり「うぇへへ! 神楽ちゃ~ん、逃さないゆ!」


■■「ファイトよ、神楽ちゃん♪」

凛「悪くないんじゃない、そういうのもさ」


神楽「おいコラァァァァ! ぶっとばすぞネバネバァァァァァ!」


凛「だから私への態度だけ、なんでそんなカンジィィィィィ!?」

152: 2018/03/19(月) 18:39:44.59 ID:UsLc9LbYo
■■「……でも、神楽ちゃんが来てくれて良かったわ」

卯月「はいっ! 久々に、皆が明るくなった気がします!……あっ」

CPアイドル達「……」


神楽「? どうしたアルか? 卯月ちゃんが空気読めない事言ったアルか?」

神楽「普通っぽく見える子に限って、急に変なこと言ったりするアルからな」

神楽「そういう時は美味しいものでも食べれば良いネ!」

神楽「Jリーグカレーを食べたら、個性的なサッカー選手にもなれるアル!」


未央「いやー、なんか最近プロデューサーが元気なくてさ」

アーニャ「ダー……とても心配ですね?」

智絵里「皆、それが気になってて……えへへ」


神楽「何アルか、アイツめ!」

神楽「アイドルを笑顔にするのが仕事なのに、心配させてどうするアル!」

神楽「そんなんじゃ駄目ネ! 私がガツンと言ってやるヨ!」

神楽「安心してヨ、皆ー! 私、怖い顔相手でもビビったりしないアル!」


李衣菜「べ、別に顔が怖いから言えないんじゃなくてさ」

莉嘉「心配で、Pクンにも聞いたりしたんだよ? でも……」

みりあ「……うん、大丈夫です、ってそれしか言ってくれなくて」

杏「そういう風に言われたらさ、何も言えなくなっちゃうよねぇ」


神楽「あっ、それ私知ってるアル」


CPアイドル達「えっ?」


神楽「ウチの銀ちゃんも、たまにそういう事言ったりするアル」

神楽「そういう時は、大体自分一人で格好つけて何かしようとしてる時ネ」

神楽「男って、本当バカな生き物アルからな」

神楽「女には心配かけさせたくないって、そういう無駄な努力をするアル」

神楽「こっちはとっくに勘付いてるって言うのに。だから意味ないのにネ」


CPアイドル達「……」


神楽「姉御が言ってたアル。そういう時は、気付かないフリをしてやるもんだ、って」

神楽「それが、いい女の条件だ、って。だから、気にしないのが正解アル」


CPアイドル達「……」

153: 2018/03/19(月) 18:55:30.91 ID:UsLc9LbYo
■■「気にしないフリ、かぁ」

未央「だったらさ、皆でお芝居するしかないね!」

卯月「未央ちゃん、舞台の仕事もやってるから得意ですもんね♪」


未央「――そう! 私達は、彼を信じて待ち続けるの!」ビシッ!

未央「そして、笑顔で出迎えてあげるんだわ!」ビシッ!


CPアイドル達「あはははっ!」


神楽「その意気アル! アイツ、見るからに笑顔が下手そうアルからな」

神楽「その分、こっちが笑ってやるネ。笑顔にしてやるネ」

神楽「あの顔で笑ったらえらい事になりそうだけど、許してやるアル」

神楽「こっちは数で対抗するアル! 皆、負けたら承知しないアル!」


きらり「うぇへへ! 神楽ちゃんはぁ、と~っても優しいにぃ☆」

ぎゅううっ!

神楽「ぐええ!? つ、強く抱きしめすぎアル!」


凛「もっと強く抱きしめて良いよ」ニヤァ


神楽「おいコラァァァァァ! 今の顔、忘れないからなァァァァァ!」

神楽「ぐえええええっ!?」


  ・  ・  ・


銀時「――なあ、今なんかカエルが潰れたような声が聞こえなかったか?」

銀時「メメタァ、って感じじゃなく、もっとこう、命がやばい的な声が」

土方「気のせいだろ。そんなことより、これからどうすんだ」


武内P「……申し訳ありません。全て、私の責任です」

武内P「かくなる上は、辞表を提出して――」


銀時「そんな事したって何の意味もねえよ」

土方「コイツの言う通りだ。そんなもんで、あの御方は止まらねえ」


マストレ「はいっ、そこでターン!」

茂茂「――ふっ!」

ぎゅわああっ!

マストレ「ナイスブレイクダンス! 物凄い上達ぶりだぞ!」


銀時・土方・武内P「……」

155: 2018/03/19(月) 19:23:05.49 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・
屋上


銀時「はああああ! つっかれた!」

銀時「いつまで続けなきゃいけねえんだ、この芝居はよぉ!」

銀時「俺だって若くないんだから。踊るのは織○裕二だけで十分だから」

土方「○田裕二だってそんなに若くねえよ、頑張ってるけれども」

土方「いつまでかなんて、俺が知るか。将軍様が飽きるまでだよ」


武内P「飽きる可能性は……とても低いと思います」

武内P「将ちゃんさんの輝きは、とても素晴らしいものでしたから」


銀時・土方「……ああ、そう」


新八「それにしても、346プロダクションも男性アイドル部門を立ち上げるんですね」

銀時「なんだ、居たのか新八。俺はてっきり、ベソかいて帰ったと思ってたぞ」

新八「途中からずっといましたよ。それに、帰るにしてもベソなんかかかねーわ」


武内P「……男性アイドル部門は、はい」

武内P「役人の方からの指示で、どうしても設立しろ、と……」


土方「おい、ちょっと待て。どうして役人がそんな事まで口出ししてくるんだ」

土方「それに、なんでアンタらはそれに素直に従わなきゃならない」


武内P「それは……申し訳ありません、部外者の方には」


銀時「なんでぇ、だったら、俺たちに喋っても問題ねえな」

銀時「今の俺は――アイドル、銀ちゃんだからな! フゥー!」

土方「……ったく、厄介な話になりそうだが、気になっちまったもんは仕方ねえ」

土方「アイドル、トシちゃんです! ワァーオ!」

新八「僕も気になっちゃいました。良いですよね、一人くらい部外者がいたって」


武内P「坂田さん……土方さん……眼鏡」


新八「アンタ、部外者だからってマジで容赦ねえな」

新八「なんだ眼鏡って。せめて‘さん’位付けて下さいよ、お願いしますよ」

銀時「オラ、うっせーぞ眼鏡」

土方「そうだぞ眼鏡、話が進まねぇ」

新八「いや、アンタらは普段名前で呼んでるじゃないですか!」

新八「なんだ急に眼鏡呼ばわりして! しまいにゃコンタクトにすんぞコラァァァァァ!」

157: 2018/03/19(月) 19:55:48.33 ID:UsLc9LbYo
武内P「そうですね……」

武内P「当事者になった皆さんには、お話しておこうと思います」


武内P「元々、346プロダクションは男性アイドル方向には手を出さないつもりでした」

武内P「男性アイドルを専門とする、315プロさんも力を付けていますし」

武内P「今から参入するには、かなり厳しい問題が山積みになっています」

武内P「バンナム的にも、稼ぎになりませんし」


新八「いや、そりゃそうだけども。バンナムとか言ったら駄目でしょうが」


武内P「……しかし、どうしても男性アイドル部門を設立しろとの、圧力が」

武内P「そうしなければ、芸能界に働きかけ、ウチに仕事を回さないようにする、と」


新八「そんなっ!? そんなの、許されませんよ!」

新八「アイドル人たちが頑張ってるのに、それを横から邪魔するなんて!」


武内P「……しかし、従うしかありませんでした」

武内P「なので、他の事務所に所属していない方をスカウトしていたのです」


新八「全く、なんて役人だ! そんな無茶苦茶を言うだなんて!」

新八「一体、どこの誰なんですか!? そのバカ役人は!」


武内P「悪田遺憾、という――」



「アァァァァァ!! 痛い痛いィィィィィ!」



武内P・新八「!?」


銀時「なんだか盗み聞きしてたから、とりあえず捕まえておいたぞ」

土方「コイツからは悪人の匂いが嫌って程するからな、少々強引な形にした」

銀時「トドメだ――ッ!」

銀時・土方「ケンタウロス殺法ッ!」

銀時・土方「昇技! トライアングル・ドリーマ――ッ!」


悪田「ウギャアアア――ッ!?」


武内P「――……そこの、バカ役人です」

159: 2018/03/19(月) 20:10:34.00 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

悪田「全く、何て奴らだ!」

悪田「お前たちがアイドル候補だぁ? フン、笑わせるな!」


銀時「こっちだって好きで候補になった訳じゃねえよ」

銀時「武内くんが困ってたから、先輩として付き合っただけだっつの」

土方「俺だって、松平のおっさんに言われてなきゃここに居ねえ」

土方「チッ、こんな事になるなら総悟に押し付けておくんだったぜ」


悪田「そんな軽い気持ちで、アイドルが務まるか!」

悪田「……プロデューサーくん? これはどういう事かね?」


武内P「……申し訳、ありません」

新八「プロデューサーさんが謝る事ないですよ!」

新八「元々、無茶を言ってるのはこの人の方なんですから!」


悪田「黙れ! 部外眼鏡はすっこんでいろ!」


新八「お前も眼鏡扱いか! ってか、部外眼鏡って何!?」


悪田「ふふふ……やはり、男性アイドル部門の設立は無理なようだねぇ」

悪田「これからの参入では、346プロダクションも損失を生むだけだ」


武内P「……」


悪田「そこで、キミに一つ提案を持ってきた!」

悪田「それを受け入れれば、今後346プロダクションには手を出さないと約束しよう!」


武内P「! 本当、ですか?」

銀時「真面目に聞くなよ武内くん。どうせロクでもない事に決まってんだ」

土方「こういう時の提案ってのは、クソみたいなもんだって相場で決まってるからな」

新八「だけど、こんな状況でする提案って……」


悪田「キミが、私の元へ来れば良い。この意味がわかるかね?」


武内P「! それは……!」


新八「……」

新八「えっ? ちょっと待ってください、えっ?」

新八「ええええええええっ!?」

160: 2018/03/19(月) 20:30:27.00 ID:UsLc9LbYo
銀時「……あの野郎、武内くんの超絶トゥエクニィックを知ってやがったのか」


土方「待てコラ! なんだその超絶トゥエクニィックってのは!?」


銀時「彼にかかれば、どんな屈強な男でも形無しってこった」

銀時「俺もやりあった時は驚いたぜ。あの超絶トゥエクニィックには」


新八「あの、そのトゥエクニィックってのやめませんか、イラッとするんで」

新八「っていうか、そもそもやりあったって!?」


銀時「危うく俺も天国への階段を登りそうになったがな」

銀時「紙一重の差で、なんとかなった。本当に、紙一重だった」


新八「ちょっとォォォォォ!? 何言ってんですか銀さん!?」

新八「いくらそっち方面に人気があるからって、自分でそっちに行っちゃ駄目ですよ!」

土方「そうだぞ、このテンパ頭! そっちに行くな、考え直せ!」

土方「っていうか、お前がそっちに行ったら俺まで巻き込まれんだよ! ふざけんな!」


銀時「しょうがねえだろ、事実なんだから」

銀時「結局そのあとなんやかんやあって、スマブラをきっかけに仲良くなったんだ」

銀時「いやー、本当に、ゲームって素晴らしいものですね」

銀時「さよなら、さよなら、さよなら」

新八・土方「じゃねえだろォォォォォ!!」



悪田「さて、バカ共は放っておいて……どうするね?」


武内P「……本当に、346プロダクションには手を出さないのでしょうか?」


悪田「私は約束を守る。卑怯な手は使うがね」


武内P「……わかりました。その話、お受けします」


悪田「ぐふふふふっ! キミならそう言うと思ったよ!」

悪田「私のために存分にふるって貰うよ、キミの超絶トゥエクニィックを!」


武内P「……」


銀時・土方・新八「……」

163: 2018/03/19(月) 22:38:14.81 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

ガチャッ!

ちひろ「――皆、大変よっ!」


CPアイドル達「えっ?」

神楽「何アルか? もしかして、ガチャの本当の排出率がバレたあるか?」


ちひろ「ううん、そっちは大丈夫。バレたらもっと大変だもの」

ちひろ「それより大変じゃないけど、大変大変なの!」


■■「変態だなんて、もう! ■■、そろそろ怒っちゃいますよ!」

アーニャ「ニェート、いけません■■。話が、アー、進みませんね?」

■■「……そうね、もうすぐAパートも終わるし、■■っと■■ましょ!」

未央「そんなに慌てるなんて珍しいね、何があったの?」


ちひろ「プロデューサーさんが、辞表を提出して消えちゃったのよ!」


CPアイドル達「ええっ!? どうして!?」

ちひろ「それが、理由は一切話してくれなくて……!」

CPアイドル達「そんな……!」

卯月「連絡はとれないんですか!?」

ちひろ「まるで繋がらないの……もう、どうしたら良いか……」

CPアイドル達「そんな……」


銀時「――なんでぇなんでぇ、ドアが開きっぱなしじゃねえか」

銀時「開けたら閉める、こんなの当たり前だよ」

銀時「お母さんに言われてたでしょ、全くもうやんなっちゃうわ、って」


神楽「銀ちゃん! これは、一体どういうことアルか!」

銀時「俺に言うんじゃねえよ。武内くんが決めた事だろ」

銀時「男が黙って行ったんだ、その心意気を汲んでやろうじゃねえか」

銀時「わかったらホラ、帰るぞ神楽」

神楽「こんな状況で帰れる訳ないアル! 見損なうなよ、テンパ頭!」


銀時「……こっからは、‘俺たちとこの子達は無関係’」


銀時「これだけ言えば、十分だろ」ニヤァッ

164: 2018/03/19(月) 22:55:42.53 ID:UsLc9LbYo
https://www.youtube.com/watch?v=mymQAtZAXbM


  ・  ・  ・
屋敷 一室


武内P「……」


悪田「いやいや、よく来てくれたねぇ! 歓迎するよ!」

悪田「キミはプロデュースなどしていて良い人間ではない!」

悪田「超絶トゥエクニィックをふるってこそだ! ぐふふふふっ!」


武内P「……そうすれば、346プロダクションには――」

武内P「――彼女達には、手を出さないと約束してくれるのでしたら」

武内P「私は……また、この手を汚す事も厭いません」


悪田「ぐふふふふっ! いい心がけじゃあないか!」

悪田「それでは早速――」



「大変だーっ! 侵入者! 侵入者だーっ!!」



悪田「何っ!? この屋敷には、無数の兵が居るのだぞ!?」

悪田「それなのに……一体、何者だ!?」


バァンンッ!


悪田「だ、誰だっ!?」

武内P「あ、貴方……いや、貴方達はっ!?」



銀時・新八・神楽「ちぃーっす、お届け物にあがりましたー」

銀時・新八・神楽「はい、スマイル三丁!」ニヤァッ



武内P「そんな……一体、どうしてここに!?」

武内P「これ以上迷惑をかける訳にはいかないと、私は……!」


神楽「何言ってるアルか! お前は私をスカウトしたアル!」

神楽「それなのに途中で放り出すなんて、その方がよっぽど迷惑ネ!」

新八「そうですよ、プロデューサーさん。もう、後戻りは出来ませんからね」

新八「シンデレラプロジェクトとお通ちゃんの合同LIVEとか面白そうじゃないですか?」


武内P「……!」

165: 2018/03/19(月) 23:08:17.04 ID:UsLc9LbYo
銀時「武内くん、キミは相っ変わらずどこか抜けてるねぇ!」

銀時「狙ってやってるとしたらあざといよ、あざとすぎるよ」

銀時「今時ドジっ子なんて流行ると思う? いや、逆にアリか?」

銀時「そこんトコ、プロデューサーとしてどう思う?」


武内P「……坂田さん。巻き込んでしまって、申し訳ありませんでした」

武内P「ですが……もう、十分です。彼女達に、夢を見させて貰いましたから」

武内P「だから……私は、もう……!」


銀時「はっ! それが十分だって満足してる奴のツラかよ!」

銀時「不器用だけど、真面目で、誠実」

銀時「そんな男が、そんなシケたツラで――」


武内P「……!」


銀時「――まだまだ足りない、もっと夢を見たいって目をしてたらよ」

銀時「先輩としちゃあ、その夢の手伝いをしてやらなきゃいかんと思うわけ」

銀時「本当は見てえんだろ?」

銀時「シンデレラプロジェクトと、夢の続き、終わらない物語ってやつをよ」


武内P「ですが……私が戻っては、彼女達に迷惑をかけてしまいます」

武内P「彼女達の歩く足を引っ張る事になってしまいます……!」


銀時「何バカな事言ってんだ。そんなの、十分わかってるぜ、あの子らは」


武内P「……えっ?」


銀時「だから――」

神楽「そう! だから――」

新八「だからこそ、僕達は――」


  ・  ・  ・


銀時『武内くんを連れ戻して来いだぁ? 何言ってんだ、お前ら!』

銀時『人がせっかくいい感じに無関係だって言ってやってんのによ!』


CPアイドル達『お願いします!』


銀時『……やれやれ、どうしようもねえな。本っ当、どうしようもねえ!』


  ・  ・  ・


銀時・新八・神楽「そんなバカなプロデューサーとアイドルのために!」

銀時・新八・神楽「万屋は、ここに居るッ!!」

166: 2018/03/19(月) 23:20:00.73 ID:UsLc9LbYo
銀時「バカなプロデューサーを持つと、アイドルもバカになっちまうのかねぇ」

銀時「その点、ウチは違うよ。だって、コイツら元々バカだもん」

新八「何言ってんですか、バカの大元締めのくせに」

神楽「バカ二人が何か言ってるネ。これだから私が苦労するアル」


武内P「皆さん……私は……!」


悪田「ええい! 何を言ってる!」

悪田「者共! とっととコイツらをつまみ出せ!」

悪田「抵抗するようなら、頃しても構わんッ!」


雑兵達「……!」

ザザザザザザザザッ……!


銀時「おーおー、本性を表しやがったな」

新八「ぎ、銀さん!? ちょっと、物凄い数が居るんですけど!?」

神楽「関係無いアル! ビビってんじゃねーぞ、新八ィ!」


武内P「私は……彼女達の所に、戻っても良いのでしょうか」


銀時「それは俺たちが決める事じゃねえ」

銀時「テメエ自身の――」

とんとんっ

銀時「――‘ここ’に聞いてみりゃ良い」

銀時「まっ、もうとっくに答えは出てんだろうけどな」


武内P「……坂田さん」


悪田「何をグズグズしている! かかれ! かかれえええっ!!」

雑兵達「うおおおおっ!」

ザザザザザザザザッ!


新八「来ますよ銀さん! って銀さん!? あの、ちょっと!?」

神楽「何してるアルか銀ちゃん!?」

銀時「焦るなって。今から、わかっちゃいるが答え合わせの時間だからよ」

新八・神楽「――えっ?」



武内P「……」ニヤアァッ



一同「!?」

167: 2018/03/19(月) 23:36:49.77 ID:UsLc9LbYo
雑兵A「な……なんて不気味な笑顔――」

スコンッ!

雑兵A「――何か、頭に刺さって……名刺……?」

…ドサッ!


武内P「……」ニヤアアッ


雑兵達「な、何が……!?」

ザワザワッ!


銀時「おー! 相変わらず凄いね、武内くんの超絶トゥエクニィックは!」

新八「えっ、ちょっ、待ってください! 今の、プロデューサーさんが!?」

神楽「説明するアル、銀ちゃん! 何ネ、アイツ、一体何者アルか!?」

銀時「えっ? お前達、最初に言ってたじゃん? もう忘れたの?」

新八・神楽「えっ?」


武内P「……」ニヤアアッ

ヒュンッ――

――カカカカカッ!

雑兵B~F「……ぐあっ!?」

…ドサッ!


銀時「武内くん、超絶トゥエクニィックを持った凄腕の暗殺者だ、って」

銀時「今は元が付くけど、その腕は衰えてねえみたいだな」


新八・神楽「はァァァァァ!?」


銀時「最初は俺を暗頃しに来たんだけどな、紙一重の差で返り討ちにしたわけ」

銀時「んで、低くて渋い良い声をしてたからスカウトしたんだよ」

銀時「それが成功して、なんやかんやあってゲームして仲良くなって」

銀時「俺たちと一緒に戦う後輩になったって、そんなつまんねえ昔話よ」


新八「中の人ネタじゃなくて伏線だったのォォォォォ!?」

神楽「なんやかんやって何アルか!? そこ詳しく教えろヨ!」

銀時「お前ら、そんな悠長に話してる時間はねえぞ」

新八「後で、絶対詳しく説明して貰いますからね!?」

神楽「そうアル! 銀ちゃん、絶対だヨ!」

銀時「……ったく、めんどくせーなー!」


銀時「ほれほれ! 武内くんに遅れず、こっちも暴れるぞオラァァァ!」

新八・神楽「オオォォォォッ!」

169: 2018/03/19(月) 23:50:55.54 ID:UsLc9LbYo
  ・  ・  ・

銀時「――さて、後はテメーだけだな」

スッ…


悪田「ひっ!? こ、この私にこんな事をして、ただで済むと思ってるのか!?」

悪田「お前たちなんぞ、私の権力で簡単に潰してやる!」


武内P「……」ニヤアアッ


悪田「アァァァァッッ!? イヤァァァァァッ!?」

ジョワアアアッ…!


神楽「うわっ!? コイツ、ビビってもらしやがったアル!」

新八「いやでも、あの笑顔を向けられたら誰だってそうなると思うよ」

銀時「武内くん、ちょっと一回笑顔やめようか?」


武内P「えっ? 何故ですか、坂田さん?」ニヤアアッ


銀時「うん、だからね、その顔でこっち見るのやめて? 怖いから」

ジワァ…

新八「ちょっとォォォォォ!? アンタ、何やってんですかァァァァァ!?」

銀時「ば、バッカお前、これはちげーよ。これはそういうアレじゃなくて」

銀時「ジュース……そう、ジュース零しちゃっただけだから!」

銀時「あー、やっべ! 帰ったらお母さんに怒られちゃう! 参ったなー!」


神楽「おい、お前」

ジャキッ!


悪田「ひいいいっ!?」


神楽「ここでお前のドタマをぶっ飛ばしたら、権力も何も関係ないアル」

神楽「二度と悪さが出来ないよう、私が遠い世界へ送ってやるネ」


武内P「待ってください、神楽さん」ニヤアアッ


神楽「何でアルか? どうして止めオェェェェェッ!」

オロロロロロッ!


新八「神楽ちゃん!? ちょっと神楽ちゃん、どうしたの!?」

神楽「し……心配無いアル。恐怖でゲロがオェェェェッ!」

オロロロロロッ!

170: 2018/03/20(火) 00:04:15.39 ID:t0wqhM/bo
武内P「……神楽さん、貴女が手を汚す必要はありません」

武内P「ここは……私が」

スッ…


悪田「ひいいいっ!?」


銀時「やめとけやめとけ、そんな事する必要はねえよ」

銀時「それに、手を汚しちまったら困るだろうが」

銀時「それとも何か? 汚れた手で、あの子達の手を引いて歩くのか?」


武内P「しかし……他に、方法が」


新八「もう! 忘れたの神楽ちゃん! テンション上がりすぎだよ!」

神楽「あっ、思い出したアル!」

神楽「コイツがムカつく顔してたから、すっかり忘れてたネ!」

銀時「しっかりしてくれよ。バカの上に物覚えが悪いなんて救えねえにも程があらぁ」

新八・神楽「お前が言うなよ!」


武内P「何を言って――」



『御用改めであるッ!!』

『この屋敷は完全に包囲した! わかったらとっととお縄につきやがれ!』

『副長、面倒なんで、一発ぶっ放しても良いですかね?』

『駄目に決まってんだろうが!』

『……ってオイ、何で俺に向けてぶっ放そうとしてんだ!?』

『そんなの決まってまさぁ。コレがないと締まりやせんぜ、副長』

『やめろォォォォォ! せめて名前が表記される形で――』

ドオオォォォォンッ!!



武内P「……!」


銀時「……はー、何をやってんだ、あのバカ共は」

銀時「全く、バカしかいやがらねえのか、この話にはよ」

銀時「あ、勿論俺は除くけどね」

171: 2018/03/20(火) 00:18:16.21 ID:t0wqhM/bo
悪田「そんな……!? 何故、真選組が……!?」



茂茂「――悪田、お前の悪行は全てわかっている」


茂茂「かねてより、お前の黒い噂が耳に入ってきていてな」


茂茂「片栗虎に調べて貰っていたのだが……噂は本当だったようだ」


茂茂「……観念しろ。もう、お前が非道を行うのは見過ごせん」




悪田「……しょ……しょ」

悪田「将軍かよォォォォォォ!!?」


武内P「そ、それでは……?」


銀時「そ、それではぁ? じゃねえぞ、プロデューサー!」

銀時「こんな所で油を売ってる暇があったら、営業の一つでもして来いってんだ!」

新八「そうですよ! 皆、貴方の事を待ってるんですから!」

新八「後のことは、僕たちに任せて下さい!」


武内P「皆さん……!」


神楽「あ、悪いケド、私はアイドルはやめとくアル」

神楽「シンデレラプロジェクトの皆と遊ぶのは楽しいけど……」

神楽「――やっぱり、私は万屋の方が合ってるアル!」


武内P「神楽さん……」


神楽「だけど……また、遊びに行っても良い?」


武内P「……ええ、勿論です」


神楽「本当!? やったアル! 友達が沢山増えたネ!」ニコニコッ


武内P「スカウトが失敗したのは残念ですが……」

武内P「……良い、笑顔です」ニコリ


銀時「……へっ、なんでぇ」


銀時「お前も、良い笑顔が出来るようになったじゃねえか」

172: 2018/03/20(火) 00:42:03.03 ID:t0wqhM/bo
  ・  ・  ・

https://www.youtube.com/watch?v=KpM6xNAgRoI



  ・  ・  ・


銀時「……」

たぷたぷ


新八「ちょっと銀さん、ゲームばっかりしてないで掃除位手伝ってくださいよ」

新八「仕事は無いのは仕方ないですけど、出来る事はあるじゃないですか」


銀時「……うるせーなー、お前は俺のオカンかっての」

たぷたぷ

銀時「あークソッ、お前が話しかけるからミスっちまったじゃねえか」


新八「全く、よく飽きもせずずっとゲーム出来ますよね」

新八「僕なんだか逆に関心してきちゃいましたよ」


銀時「ゲームに飽きる? バカ言ってんじゃねえぞ、新八」

銀時「男ってのはな、いつまでも少年の心を持ち続けてるもんなんだよ」

銀時「少年がゲームをやるのなんて当たり前の事だよ?」

銀時「少年が、少年ジャンプを読む位当たり前の事なんだよ」

銀時「当たり前の事を当たり前にする。これで大抵の事は上手くいくんだよ」


新八「あの、だったら掃除も当たり前の事だと思うんですけど」


銀時「掃除をしないのも、また少年にとっても当たり前だぞ、新八くん」

新八「ただの駄目なクソガキじゃねーか!」

新八「全国の少年を巻き込むんじゃねえよ! この駄目人間が!」


銀時「はー、ったくゴチャゴチャうるせえなぁ」

銀時「そういや、神楽の奴はどこ行った」


新八「誤魔化さないでくださいよ!」

新八「神楽ちゃんなら、また‘あそこ’に遊びに行ってます」


銀時「アイツも飽きないねぇ、本当」

銀時「……うし、こういう時にする事は決まってんだ!」


新八「……何するつもりですか?」


銀時「決まってんだろ!」

銀時「ガシャを回すんだよ! ガシャを!」


銀時「来いよォォォォォ! SSRゥゥゥゥゥ!!」

173: 2018/03/20(火) 00:43:21.03 ID:t0wqhM/bo


  俺の出来る枕営業は、かっちかちに硬い腕枕だけだ


 

174: 2018/03/20(火) 00:43:47.55 ID:t0wqhM/bo
おわり

175: 2018/03/20(火) 00:45:12.86 ID:t0wqhM/bo
くっそ面倒だったのでもう二度と銀魂書きたくないですね!
寝ます
おやすみなさい

176: 2018/03/20(火) 00:50:24.20 ID:GnUBX6hH0
銀魂って漫画もアニメも小説も本当によく出来たシナリオだと思う
犬とじじいの話は今でも泣ける、ゴリラは天才だわ

177: 2018/03/20(火) 00:52:02.61 ID:VL92kWFoo

恐怖でゲロを吐くとかDIOを前にした花京院並にビビりまくってたのか神楽

引用元: 武内P「クローネの皆さんに挨拶を」