273: 2018/03/23(金) 23:07:59.83 ID:wXGZ8jyno

「今日は、クローネのレッスンになりますね」


 プロデューサーが、今日の予定を確認してきました。
 私は、シンデレラプロジェクトと、プロジェクトクローネ、
どちらにも、アー、入っています。
 だから、皆よりも、少し忙しい、です。
 仕事も、レッスンも、とってもいっぱいあります。


「ダー。頑張ります」


 だけど、これは私が、望んだからですね?
 新しい事に、挑戦したい……私が、そう言ったからです。
 毎日が忙しいけど、毎日が楽しい、です。
 でも、一つだけ、アー、不満、不安?……そう、不安があります。


「プロデューサーは、今日はどうしますか?」


 プロデューサーは、とっても忙しい。
 今までのように、シンデレラプロジェクトの事も、見ます。
 それに、アー、今度から二期生の事も見ますね?
 だから、もっともっと、忙しくなってしまうと思います。


「そうですね、今日は――」


 プロデューサーは、私を……アーニャを見てくれていますか?
 私は、プロデューサーのアイドル、です。
 プロデューサーの言うことには、絶対、従います。
 だけど、もっと見て欲しいと思うのは……ワガママ、ですか?



「――アナスタシアさんのレッスンを見学しようと、思っていました」



 とても……とっても、ビックリしました!
 プロデューサーが、私のレッスンを見てくれるのは、久しぶり!


「ハラショー! 今日は、一緒ですね?」
「はい、一緒です」


 今日は、良い一日になりそう、です!
 プロデューサーに飛びつきたい気持ちは、ガマンガマン。
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(10) (電撃コミックスEX)
274: 2018/03/23(金) 23:26:33.46 ID:wXGZ8jyno
  ・  ・  ・

「~♪」


 今日は、ダンスレッスン!
 アイドルになったばかりの時より、とっても上手く出来るようになりました。
 プロデューサーが、アー、最後に見た時よりも、ずっと上手く!
 ふふっ! さっきのお返し、です!


「~♪」


 プロデューサーは、嬉しいで、驚かせてくれました。
 だから、私が上手く出来るようになってる所を見せて、驚かせます。
 プロデューサーは、きっと、喜んでくれるはず、です!
 嬉しいに、嬉しいでお返しするのは、とっても良い事!


「~♪」


 いつもより、上手にダンスが出来るように、体をほぐします。
 アー、はしゃいで怪我をしたら、心配、させてしまいます。
 それは、いけません。
 プロデューサーに、アー、迷惑をかけます。


「あら、今日はなんだかご機嫌ね」


 私が、アー、鼻歌を歌っているのを聞いて、そう、思ったのでしょう。
 だけど、それは本当の事。
 今日の私は、とってもご機嫌、です!
 嬉しい気持ちが、歌になってしまうくらい!


「ダー。今日は、プロデューサーが、見に来てくれます♪」


 だから、今日のアーニャは、とっても頑張ります!
 プロデューサーに見てもらうのですから、とても!
 失敗は出来ない、です。
 失敗したら、プロデューサーをガッカリさせてしまいますね?

275: 2018/03/23(金) 23:46:58.33 ID:wXGZ8jyno

「あら、あのチャーミングな彼が?」


 プロデューサーをガッカリさせたくない、です。
 ガッカリは、悲しいですね?
 悲しい思いは、アー、絶対に、いけません。
 私は、プロデューサーに、喜んで欲しいです。


「ダー! だから、今日は、とっても頑張ります!」


 私を見ていると、嬉しいと、思って欲しいです。
 嬉しいがいっぱいだと、笑顔になれますね?
 笑顔は、とっても素敵――パワーオブスマイル!
 プロデューサーも、笑顔で、元気になって欲しい、です!


「~♪」


 ……それに……もしかしたら、ですが。
 もっと、アーニャを見たいと、思ってくれるかもしれない、です。
 見ると嬉しくなると、もっと、見たくなるかもしれない、です。
 だから、頑張ります。
 アーニャは、もっと、プロデューサーに見て欲しい。



「――失礼します」



 ドアが開いて、低い声が、聞こえました。
 この声は、プロデューサー、です!
 プロデューサーの方へ行きたいけど、ガマンですね?
 まだ、アー、準備運動の途中ですから。


「まあ、私のレッスンを見に来てくれたのかしら?」


 ニェート! 違い、ます!
 プロデューサーは、アーニャを見に来ました!


「いえ……今日は、アナスタシアさんのレッスンを見に……」


 プロデューサーと、目が、合いました。
 ムッとした顔……見られて、しまいましたか?

276: 2018/03/24(土) 00:07:57.18 ID:nu5mU5gDo

「つれないのね。でも、そこも魅力の一つかしら」
「……」


 プロデューサーが、右手を、アー、首筋にやって、困っています。
 皆が、言っていました。
 プロデューサーは、からかわれると、ああやって困る、って。
 困らせるのは、駄目、ですね?


「自分では、よく、わかりません……」


 もう、大丈夫です。
 すぐにでも、踊れます。
 だけど、その前に――


「――スパシーバ。ありがとうございます、来てくれて」


 ――こう、言いたかった、です。
 忙しいのに、私のレッスンを見に来てくれて、嬉しい、って!
 だから、私の練習の、アー、結果? 成果……成果を見てください、って!


「今日は、とっても、頑張ります!」
「……アナスタシアさん」


 私の言葉を聞いて、プロデューサーは、困った顔をやめました。
 右手もおろして、とっても綺麗な、アー、姿勢で、こちらを見ています。
 私の――アーニャのプロデューサー。
 だから、今日は、アーニャを見ていてください。


「はい、頑張ってください」
「ダー!……はいっ!」


 プロデューサー、見ててください。
 アーニャは、とっても、頑張ります。


「……なんだか妬けちゃうわね」


 それは、アー、当たり前ですね?
 プロデューサーは、アーニャのプロデューサー、です。

278: 2018/03/24(土) 00:33:21.38 ID:nu5mU5gDo
  ・  ・  ・

「……」


 ザアザアと、シャワーから出るお湯が、音を立てています。
 ちょっと、アー、勢いが強いので、当たると痛い、です。
 もう、レッスンの時の汗は、流し終わりました。
 だけど、どんどん、出てくるものが、あります。


「……・ふ……ひっく……!」


 喉の奥からも、声が漏れてしまい、ます。
 だけど、これを他の人には、聞かせられませんね?
 もしも、聞かれたら、その人に心配させてしまいます。
 シャワーの勢いを強くして、聞こえないようにしないと、駄目です。


「……う……ふぅっ……!」


 プロデューサーは、アーニャのダンス、見ませんでした。
 急に、他の所で、問題が起こってしまったらしい、です。
 何が起こったかは、わかりません。
 ……何も、知りたくない、です。


「……っく……ぐすっ……!」


 知ったら、アーニャは、悪い子になってしまいます。


 ――どうして、今日? 誰が? 何を?


 ――……どうして、プロデューサーが行かなくては?


 ――プロデューサーは、アーニャを見てくれるはずだったのに!


 ……と、嫌な気持ちになってしまうから、です。
 悪い子になったら、プロデューサーに、嫌われてしまいます。
 それは、絶対に、嫌です。


「……ふぐっ……うっ、うぅ……!」


 誰にも、知られては、いけません。
 アーニャは良い子だと、プロデューサーに思って欲しいから。

280: 2018/03/24(土) 01:25:21.01 ID:nu5mU5gDo
  ・  ・  ・

「……」


 まだ、寝るには早い時間、です。
 だけど、今日が早く終わって欲しいと、思いました。
 横になって、目をつぶれば……明日になりますね?
 明日は、良い一日になって欲しい、です。


「……」


 目をつぶったら、涙の雫が、流れてしまいました。
 だけど、もう、声を上げては泣きません。
 泣いていては、眠れない、です。
 眠れないと明日が来ない……今日が終わらないのは、困ります。



「ひとりにしないで……」



 絶対に言えない、想い。


「シトー……?」


 その声に、返事をするように、アー、携帯電話が光っています。
 こんな時間に、珍しい、ですね?
 誰、ですか?


「……っ!」


 枕に、顔を押し付けて、涙も、押し付けました!
 アー、アー、と声を出して……大丈夫、です!


「――はい、大丈夫、です! まだ、起きているつもりでした!」


 ……嘘をついてしまいました。
 アーニャは、悪い子ですか?

281: 2018/03/24(土) 01:48:53.50 ID:nu5mU5gDo

「ニェート、気にしないでください」


 ダンスを見て貰えなかったのは、残念、でした。
 だけど、こうやって、電話をしてくれましたね?
 それだけでも、アーニャは嬉しい、です。
 それに、次にダンスを見てもらう時は、もっと、もっと上手くなってますから!


「……空を?」


 ベッドから出て、言われた通り、窓の方へ。
 そして、カーテンと窓を開け、空を見ました。
 そこには――


「……ハラショー」


 ――とても綺麗な、星が輝く、夜空が広がっていました。


 見える数は、とても少ない、です。
 光も、あまり、アー、届いては来ない、です。
 なのに、今日という夜の星空は、とても輝いて見えます。


「そうですか……一緒に、見ているのですね?」


 電話の向こうでも、同じ星空を見上げているよう、です。


「だから……プリクラースナ――綺麗」


 一緒に見上げる星空が綺麗なのは、当たり前、です。
 こんなに綺麗なズヴィズダーなら、お願いしても……良い、ですね?



「パジャールスタ……もう少しだけ、一緒に見たい、です」



 今日が……今が、もっと続いて欲しい、とは言わない、です。
 ほんの少し、ちょっぴりだけで、アーニャは構いません。
 お願い、聞いてくれますか?


「……――スパシーバ!」


 今日は、良い一日になりました!
 アーニャの予感は、当たっていましたね?



おわり

引用元: 武内P「クローネの皆さんに挨拶を」