742: 2018/04/10(火) 15:13:03.81 ID:qPN5OJ/Do

743: 2018/04/10(火) 15:15:17.18 ID:qPN5OJ/Do
奏「可愛い? 誰が?」

アーニャ「プロデューサー、です」

奏「可愛い、ねぇ。そうは見えないけど」

アーニャ「ニェート。可愛いのは、アー、性格です」

奏「あら、ああ見えて、チャーミングなのね」

アーニャ「ダー♪ プロデューサーは、チャーミング!」


凛「……」

744: 2018/04/10(火) 15:17:34.74 ID:qPN5OJ/Do
アーニャ「見た目も、アー、愛嬌、があります」

奏「それは……ちょっと、贔屓目がすぎるんじゃない?」

アーニャ「黒い、ぴにゃこら太がいますね?」

奏「ええ、居るわね。それが?」

アーニャ「プロデューサーと、似ています」

奏「……」

奏「ぷふっ! た、確かに、言われてみればそっくりだわ」


凛「……」

745: 2018/04/10(火) 15:21:17.56 ID:qPN5OJ/Do
アーニャ「プロデューサーは、とても優しい」

アーニャ「プロデューサーは、いつも、見守っててくれます」

アーニャ「……だから、怖いと思われるのは、悲しい、です」

アーニャ「プロデューサー、良い所がいっぱいあります」

アーニャ「私は、それをもっと皆に、知ってほしい、です!」

奏「……なるほど、だから急に彼の話をしだしたのね」

アーニャ「ダー!」


凛「……」

746: 2018/04/10(火) 15:25:01.82 ID:qPN5OJ/Do
奏「そういう事なら、もっと聞かせて貰おうかしら」

アーニャ「ハラショー! アー、興味をもってくれましたか?」

奏「ええ、とっても」

奏「アイドルにそんなに慕われるなんて、どんな人なのか、ってね」

アーニャ「私は、プロデューサーが、大好きです♪」

奏「あら……それは、ますます興味が湧いてきたわ」


凛「……」

747: 2018/04/10(火) 15:30:08.26 ID:qPN5OJ/Do
  ・  ・  ・

アーニャ「それから、プロデューサーは――」

奏「アーニャ。そろそろ、レッスンの時間じゃない?」

アーニャ「アー……そう、でした」

奏「夢中で語って、時間を忘れちゃってたのね」

アーニャ「だけど、まだまだ、話足りない、です!」

奏「ふふっ、終わったらちゃんと聞かせてもらうから」

奏「だから、安心してレッスンに行ってきなさい」

アーニャ「スパシーバ! カナデ!」

アーニャ「アビシシャーニエ、約束、ですよ?」


凛「……」

748: 2018/04/10(火) 15:32:31.79 ID:qPN5OJ/Do
奏「アーニャがあそこまで必氏になるだなんて、ね」

奏「シンデレラプロジェクトのプロデューサー、か」

奏「……実際に、会ってみたくなったわね」


凛「そんなに、良いものじゃないよ」


奏「あら、凛」

凛「アーニャ、良い子だからさ」

凛「悪い所は言わずに、良い所を言ってただけだから」

奏「……ふうん?」

749: 2018/04/10(火) 15:35:41.83 ID:qPN5OJ/Do
凛「まずさ、ちょっとだらしないよね」

奏「そうなの? そういう風には見えないけど」

凛「ああ見えて、結構弱気になったりもするんだよ」

奏「あら、そういうのってギャップがあって可愛いじゃない」

凛「うん、私もそう思う」

奏「……」

凛「じゃなくて、もっと頼り甲斐があって欲しいと思うよ、実際」

奏「……」


文香「……」

750: 2018/04/10(火) 15:39:18.76 ID:qPN5OJ/Do
凛「次にさ、何考えてるか、わかりにくい」

奏「ポーカーフェイスだから、って事かしら」

凛「そう。それに、あんまり考えてることを言ってくれないし」

奏「そういう人の普段とは違う言動って、印象に残るのよね」

凛「残る残る。印象というか、心に残るね」

奏「……」

凛「じゃなくて、もっと意思表示をして欲しいかな」

奏「……」


文香「……」

751: 2018/04/10(火) 15:44:02.05 ID:qPN5OJ/Do
凛「それに、体が大きすぎて、威圧感がある」

奏「でも、小さすぎるよりも良いと思わない?」

凛「あれは大きすぎ。体を鍛えてるのか、筋肉まで凄いし」

奏「それは、ちょっと嫌かも」

凛「所がさ、袖をまくった時の、腕の血管を見たらもうね、もう!」

奏「……」

凛「じゃなくて、もう少し普通の人が良かったよ」

奏「……」


文香「……」

752: 2018/04/10(火) 15:49:43.45 ID:qPN5OJ/Do
凛「とにかく、そんなに良いものじゃないから」

凛「奏が興味を持つような人じゃないと思うよ、本当に」

奏「凛にとっては、あまり好ましくない人なのね、彼って」

凛「まあ、悪くないかな」

奏「……とりあえず、私はレッスンに行くわね」

凛「行ってらっしゃい」

凛「本当に、プロデューサーは、大したことないから」

奏「……はいはい、そういう事にしておくわ」


文香「……」

753: 2018/04/10(火) 15:54:15.94 ID:qPN5OJ/Do
凛「……本当に、わかったのかな」

凛「まあ、誰が誰に興味を持とうと、関係ないけど」

凛「でも、変に期待させるのも、悪いしね」


文香「……あの、少しお話を……よろしいでしょうか」


凛「文香? どうしたの、急に」

文香「先程、二人の会話が……耳に入っていたものですから」

凛「聞こえてたの? そんなに大きな声で話してた?」

文香「はい……その、とても」

754: 2018/04/10(火) 16:00:58.30 ID:qPN5OJ/Do
文香「凛さんのプロデューサーさんは……怖い方、なのでしょうか」

凛「えっ? どうしてそう思ったの?」

文香「す、すみません……その……」

凛「良いよ、ゆっくりで大丈夫だから」

文香「……遠くから拝見して、その、見た目が……」

凛「確かに。でも、あんなの、ただの見掛け倒しだよ」

文香「そう、なのですか?」

凛「うん。それで誤解されもするけど、ね」

文香「……」


ありす「……」

755: 2018/04/10(火) 16:05:52.89 ID:qPN5OJ/Do
文香「誤解、ですか?」

凛「あの見た目でしょ? 何度も、警察に職務質問されてるの」

文香「!?……あの、やはり、何かあるのでは」

凛「考え過ぎ。本当に、ただの誤解なんだよね」

凛「私をスカウトする時もさ、警察に不審者扱いされててさ」

文香「それ、は……」

凛「結局、私が助けたんだよ。ね、情けないでしょ」

文香「……ふふっ、それは……確かに、怖いとはかけ離れていますね」


ありす「……」

757: 2018/04/10(火) 16:11:54.23 ID:qPN5OJ/Do
文香「ですが……寡黙な方、なのでしょう?」

凛「そうだね、あんまりお喋りするタイプじゃないかな」

文香「私もそうなので……会話は、難しそうですね」

凛「だったら、話さなければ良いと思う」

文香「えっ?」

凛「お互い話すのが苦手なら、無理に話さなければ良いんだよ」

凛「むしろ、どっちも話すのが苦手なら、静かな方が気楽じゃない?」

文香「それは……確かに、そうかもしれません」


ありす「……」

758: 2018/04/10(火) 16:20:16.44 ID:qPN5OJ/Do
凛「まあ、プロデューサーは、怖くはないよ」

凛「なんだかんだで、ちゃんと見ててくれるしね」

文香「そう……なのですね」

凛「っと、私もそろそろ行かないと」

文香「ありがとうございます、凛さん」

凛「凛で良いよ。そもそも、私の方が年下なんだし」

文香「それでは、その……凛ちゃん、で」

凛「ちゃん付け、か……まあ、悪くないかな」

凛「それと、こっちこそありがと、文香」

凛「話してて、なんだか妙に楽しかった」

文香「そう思って頂けると……はい、嬉しい、です」


ありす「……」

759: 2018/04/10(火) 16:28:04.86 ID:qPN5OJ/Do
文香「怖い方ではない……のですね」

文香「見た目は恐ろしいけれど、優しい心を持った人、なのでしょうか」

文香「話すきっかけもありませんし、私には、関係の無い人、ですが……」


ありす「そうです! 関係ありません!」


文香「は、はい……?」

ありす「皆さんのお話、聞かせて貰ってました!」

文香「ごめんなさい……声が、大きかったですか?」

ありす「あ、謝らないでください! ただ、ちょっと聞こえただけです!」

760: 2018/04/10(火) 16:31:58.28 ID:qPN5OJ/Do
ありす「私は、あの人と関わっちゃいけないと思います!」

文香「ええと……それは、どうして?」

ありす「もう大人の、それも、男の人がですよ?」

ありす「可愛いって言われてるなんて、おかしいです!」

文香「おかしい、でしょうか?」

ありす「はい!」

ありす「大人っていうのは、格好良くて、頼り甲斐がないと!」

文香「そう……かも、しれません」

761: 2018/04/10(火) 16:37:42.76 ID:qPN5OJ/Do
文香「格好良くて、頼り甲斐がある大人……」

ありす「その点、美城常務は憧れます」

ありす「私達を選んでくれましたし、仕事も出来る感じで……」

ありす「ああいう大人の女性になりたいと思います」

文香「……私には、それは難しそうですね」

文香「あの人のように、牽引していくのは……出来そうにありません」

ありす「あっ、べっ、別に、それが悪いって言ってるんじゃなくて……!」

762: 2018/04/10(火) 16:42:43.61 ID:qPN5OJ/Do
文香「けれど……」

ありす「えーと、えーと……!」

ありす「そ、そう! 向き不向き! 人には、それがありますから!」

ありす「静かでも、優しくて、穏やかで、えっと、そういうのも……」

文香「……」

ありす「す、ステキだと……思います」

文香「ふふっ……ありがとう」

ありす「でも、男の人は頼り甲斐がないと! ですよね?」

文香「そう、ですね……頼もしい方は、素敵……だと思います」

763: 2018/04/10(火) 16:49:39.85 ID:qPN5OJ/Do
ありす「可愛いだけじゃ、駄目駄目です」

文香「ええ……可愛いだけじゃないと、より、輝いて見えますから」ジッ

ありす「えっ? えっ? えっと、あの……」

文香「……ふふっ」ジッ

ありす「あ、うぅ……」


ガチャッ!


アーニャ「戻り、ました!」

アーニャ「? フミカと、アリス……何の話をしてたのですか?」


ありす「えっ!? それは、ええと……!」

ありす「!」

ありす「シンデレラプロジェクトのプロデューサーが、可愛いって話です!」


アーニャ「ハラショー!」


アーニャ「プロデューサーは、可愛い、です♪」



おわり

引用元: 武内P「クローネの皆さんに挨拶を」