1: 2023/02/07(火) 22:43:03.06 ID:emTthrNa.net
― ある日 ―

しずく「歩夢さん。お願いがあるんです!」

歩夢「どうしたの?」

しずく「このネット掲示板に投稿したゆうぽむSSは歩夢さんが書いたものですね?」

歩夢「!!!?」

歩夢「ち、違うよ?」

しずく「隠さなくてもいいんです。このSSは同好会のマネージャーである侑さんのことを詳しく書きすぎです。ここまで詳しいのは同好会内部のメンバー...それも侑さんと歩夢さんがくっつくような内容を書くのは歩夢さんくらいしか思い当たりません」

歩夢「くっ...」

しずく「あの、私は別に責めてるわけじゃないですよ?」

歩夢「そうなの?」

しずく「はい。身近な人間でナマモノ妄想をするのは脚本を書く上で良い訓練になるので私もよくやりますし」

しずく「この、歩夢さんの暗い欲望を形に変えた侑さんを押し倒して手籠めにしたり、なぜかやたら侑さんが歩夢さんにデレデレするSSは最高だと思います」

歩夢「分かった。分かったから黙ろうね?それ絶対侑ちゃんの前で口にしないでね」

4: 2023/02/07(火) 22:47:50.20 ID:emTthrNa.net
歩夢「それで、お願いって...?」

しずく「私は歩夢さんの書いたゆうぽむSSに心を打たれたんです」

しずく「そしてこう思いました...私もこんなゆうぽむSS(脚本)が書けるようになりたいと!」

歩夢「へぇ...」

しずく「そこで、ぜひ歩夢さんに師事していただきたくこうしてお願いに来ました」

歩夢「そっか...そうなんだ」

しずく「ぜひともゆうぽむSSのなんたるかをご教授ください」

歩夢「しずくちゃん。ゆうぽむSSは遊びじゃないの」

しずく「!!」

歩夢「辛い道のりになるよ。ついてこれる?」

しずく「はい!!よろしくお願いします!!」

8: 2023/02/07(火) 22:58:23.72 ID:emTthrNa.net
歩夢「それじゃあ...しずくちゃん」

しずく「はい」

歩夢「しずくちゃんがもしゆうぽむSS以外の侑カプSSを書いてしまったら、しずくちゃんはどうする?」

しずく「ぇっ......?」

パ ァ ン!

しずく「!!」ヒリヒリ

歩夢「判断が遅いよ」

歩夢「しずくちゃんはとにかく判断が遅いの。今日になるまでどうしてゆうぽむSSを書かなかったの?」

歩夢「今の質問に間髪入れず答えられなかったのはどうして? しずくちゃんの覚悟が甘いからだよ」

歩夢「しずくちゃんがゆうぽむSS以外の侑カプSSを書いてしまった時やることは二つ」

歩夢「しずくちゃんは筆を折る、ゆうちゃんと絶縁する」

歩夢「ゆうぽむSSを会得するというのはそういうことだよ」

歩夢「だけどこれは絶対にあってはならないと肝に銘じておいてね」

歩夢「罪なきゆうぽむの純愛をぽっと出の泥棒猫が奪う。それだけは絶対にあっちゃいけない」

歩夢「私の言ってることは分かるかな?」

しずく「はい!!」

しずく(正直、意味不明だし頭がおかしいと思うけど怖いから同調しておこう)

14: 2023/02/07(火) 23:21:17.07 ID:emTthrNa.net
~ それから歩夢によるスパルタ特訓の日々が続いた ~

歩夢「1日1万回!感謝のゆうぽむ突き!」

しずく「えいっ!えいっ!」

――――――――――

歩夢「1秒間に10回のゆうぽむを書けるようになって!」

しずく「...!!」φガリガリガリ!!

歩夢「次は10分間ゆうぽむを想像し続けて...10分間ゆうぽむを書き続けてっ!!」

しずく「......」ググググ!!

しずく「...!!」φガリガリガリ!!

――――――――――

歩夢「ゆうぽむを具現化しようと決めてからはイメージ修行だったよ」

歩夢「最初は実際の侑ちゃんを一日中いじくってたね。とにかく四六時中だよ」

歩夢「目をつぶって触感を確認したり何百何千枚と侑ちゃんを写生したり」

歩夢「ずーっとただながめてみたりなめてみたり音をたてたり嗅いでみたり」

歩夢「侑ちゃんと遊ぶ以外何もしないと心で決めてたからね」

歩夢「しばらくしたら毎晩侑ちゃんの夢を見るようになって、その頃のクラス分けで侑ちゃんと分かれちゃったんだけど幻覚で侑ちゃんが見えてきたの」

歩夢「さらに日がたつと幻覚の侑ちゃんがリアルに感じられて、重さも暖かさも声も聞こえてくる」

歩夢「いつの間にか厳格じゃなく具現化した侑ちゃんが出ていたの」

しずく「」(ドン引き)


―――――

―――


19: 2023/02/07(火) 23:49:10.25 ID:emTthrNa.net
こうして過酷な修行の日々が過ぎ...数か月後

しずく「歩夢師匠!」

歩夢「しずくちゃん」

しずく「師匠の新作見ました!最高でした、まさか師匠ネコとみせかけてからのリババリタチ師匠にめちゃめちゃにされるヘタレ攻め侑さんなんて!!」

歩夢「ふふっ、しずくちゃんの逆アリから着想が得たの。ゆうぽむは一蓮托生表裏一体だから逆の逆もやはりゆうぽむなんだよ」

しずく「流石です師匠!」

歩夢「しずくちゃんの新作も素晴らしかったよ。私のことが好きだけど私に別の想い人が居ると勘違いして焦れて曇って弱弱しく縋ってくる侑ちゃん...!そんな侑ちゃんにアメを与えた瞬間の侑ちゃんの歓喜を想起したら...ウ゛ッ!!(爆釣ッ!!)最高すぎて5回は読み返しちゃったね」

しずく「ありがとうございます!師匠にそう言っていただけると嬉しいです」

歩夢「ふふっ、しずくちゃんのおかげで最近のSSカプ比率はゆうぽむ9対その他カプ1...覇権カプというブランドに私としずくちゃんと言う強力なエンジンが備わってぶっちぎりのダントツ一位だよ!向かうところ敵なしだね!」

しずく「はい!この調子で世界中にゆうぽむを広めましょう!」

歩夢「ふふ...まさかしずくちゃんがこんな逸材だったなんて」

しずく「そんなに褒めても新作ゆうぽむSSしか出ませんよ?」スッ

歩夢「十分すぎるよ。流石は未来の大女優だね」

しずく「...師匠!」

歩夢「...しずくちゃん!」

ウデコツン!!

23: 2023/02/08(水) 00:05:35.88 ID:GkhNNX5Z.net
歩夢「それで、しずくちゃんの最新作は...」ペラッ

しずく「はい。今回は舞台設定にも趣向を凝らしてみました。獣人と人間が共存するおとぎ話のような世界でのラブロマンスです」

歩夢「ふぅん。へぇ。犬耳の侑ちゃんかぁ...あまりの愛らしさに」

しずく「はい。ここは敢えての侑さんを獣にしてみました。歩夢さんに対して犬の従順さと甘えん坊な面を覗かせてながらじゃれてくるわけですが、この獣人設定特有の満月の夜に発情する謎のご都合習性が発揮されて歩夢さんに無理やり襲い掛かるんです」

歩夢「いい...」

しずく「もちろん獣人化していようと侑さんの力では歩夢さんに敵うはずもなく。逆に押し倒されて押さえつけられ...自分が歩夢さん専属の卑しいメス犬だと身体に教え込まれてしまうわけですね」

歩夢「しずくちゃん...最高だよ!」

歩夢「こんなに素晴らしいゆうぽむSSを生み出せるなんて...しずくちゃんはもう間違いなく一流のゆうぽむ作家だね!私が太鼓判を押すよ」

歩夢「これからもどうどうと胸を張ってゆうぽむSSを書き続けてね。こんなに素晴らしいお話を書いちゃうんだもん...しずくちゃんの作品は誰にも否定させない。私が保証するよ」

しずく「師匠...!」

歩夢「...しずくちゃん!」

ウデコツン!!

ガララー

侑「あっ、歩夢いたー!って二人とも何してるの?」

しずぽむ「!!!?!?」

25: 2023/02/08(水) 00:11:05.50 ID:GkhNNX5Z.net
しずく「あっ、えっ、とっ、とぅ」

歩夢「ゆっ、侑ちゃん!?今日は音楽科の追試のハズじゃ...」

バサッ

侑「あ~、実は先生の採点ミスで私は追試対象じゃなかったみたいでね。って、歩夢何か落としたよ?」

しずく「うぇっあっ!?」

歩夢「あちょっ!!」

侑「なにこれ?」ペラッ

しずく「」

歩夢「だめーーーーーっ!!」

侑「...」ペラペラ…

侑「......!?!!?///」

しずぽむ「」

28: 2023/02/08(水) 00:23:56.79 ID:GkhNNX5Z.net
侑「なんか...歩夢と私が、その...えっ......ち.../// なことしてる小説みたいなんだけど...///」

侑「あの...これ...って...///」

しずく「......っ実は―――」

歩夢「違うの!!!!!!」

侑「歩夢?」

歩夢「これっ、私っ、関係なくてっ! なんか、しずくちゃんが書いてきたから見てくださいって渡されてっ」

侑「えっ?そう...なの?」

しずく「!!!?!!?!?」

歩夢「内容もえOちだし、身近な人でこんなの書いちゃだめだよって注意してたところなのっ!ほ、ほら、しずくちゃんってそういうところあるでしょ?」

侑「あぁ~...まぁ、確かに......」

しずく「!!!!?!!!?!!?」

歩夢「し、しずくちゃん~?もうこういうの書いてきちゃだ・め・だ・ゾっ☆ってね!」

しずく「は?」

侑「ぁ、歩夢?なんか汗すごいけど大丈夫?キャラもいつもと違って変だし...」

歩夢「あ、あーーーー!!思い出したっ!!私侑ちゃんと行きたいお店があったんだったーーー!!!」

歩夢「追試無くなったなら行こっ!?ねっ!?ほら、すぐに!!!!!」

ズルズル

侑「う、うわわ!わ、分かったから!そんなに強く引っ張らないでよー!」

侑「あ、し、しずくちゃんもまたね!その...ほどほどに、ね?///」

ガチャバタン

しずく「...」ポツーン









しずく「ふ、ふふ...ふふふ...そうですかそうですかそうですかぁ...」

しずく「そういうことするんですね。師匠...いえ、歩夢さん。ふふ、ふふふ」

しずく「真のSS作家となった私を怒らせたらどうなるか...きつ~いお灸をすえる必要がありそうですね💙」

32: 2023/02/08(水) 00:53:52.43 ID:GkhNNX5Z.net

― 数日後 ―

歩夢「さて、お休みに入ったし日課のゆうぽむSSのチェックと執筆をしないと」

歩夢「あれから気まずくてしずくちゃんと顔合わせてないし...ここでなんとかお詫びの最高級ゆうぽむSSを仕上げてしずくちゃんに謝りに行かなきゃ」

歩夢「さて、今週はどんなゆうぽむが...」


みんながトキメく物語 スクールアイドル掲示板へようこそ!

1:侑「愛してるよしずく」しずく「侑先輩...私もです」(637)
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4:しずく「大好きなあなたと」侑「二人きりで」(43)
5:【安価SS】どんな安価を拾ってもゆうしずHappyEndになるスレ(213)
6:侑「ひっ...も、もぅ、やめて歩夢...」しずく「そこまでですっ!」(478)
7:しずく「侑さんを呼び捨てにしてみたらどうなるんだろう...?」(19)
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9:侑「うぅ、しずくちゃんこの映画怖いよ~」ムチッ💕フニュフニュ💕ムニュゥ💕しずく「...」ムラムラ(23)



歩夢「」

歩夢「なっ.....なにこれ!?」

歩夢「トレンドがゆうしずSSで埋め尽くされて...っ!まさか!!」

カチカチッ!

歩夢「やっぱり!タイトルは散らして細工しているけど、この文体!しずくちゃんだ!!」

歩夢「復讐のためにこんなっ...こんなっ...」

歩夢「う、ぐッぐぐががが...ッ!?確認のためとはいえゆうぽむ以外の侑カプSSなんて読んだから脳が...!」

歩夢「はぁ...自作ゆうぽむSSを読んで回復しなきゃ...!!」

<ピロン♪

歩夢「え、しずくちゃんからLine...?」

37: 2023/02/08(水) 01:19:33.15 ID:GkhNNX5Z.net
しずく:私の新作SSは楽しんでくれましたか?

しずく:ちなみに今日は本物の侑さんとデート💙

しずく:no title
【画像】

しずく:これからSSに書いていったことを一つずつ現実で実行していくので

しずく:楽しみにしてくださいね💙


歩夢「」


――――――――――

しずく(そろそろ歩夢さんが侑さんに連絡するころかな)

しずく「あの、侑さん。スマホの電源を切ってもらっていいですか?」

侑「え?どうして?」

しずく「まだ映画館には着いていませんが、切り忘れちゃったら大変なので」

侑「そっか。じゃあ切っておこうかな」

しずく「ふふ、映画のあとは演劇の舞台の参考に少し寄ってみたい場所があるので一緒に来てもらっていいですか?」

侑「もちろんいいよ!」

しずく「はい...お城の形をした素敵な建物です💙」

侑「へぇ~。そんな場所があるんだ」

しずく「はい。あ、はぐれないように腕を組んでおきましょうか♪」

ムニュ~💙

侑「え、ぁ、うん...///」

しずく(侑さん可愛い...。この顔が快楽で堕とされてぐちゃぐちゃになった写真を送ってあげたら歩夢さんはどんな反応をするんでしょうか💙)

しずく(復讐は何も生まない......でも、すっごく気持ちいいんです💙)

しずく(さて、どちらが侑さんの真のヒロインになるんでしょうね💙)


@cメ*◉ _ ◉リ🔪 jΣミイ;˶º ᴗº˶リ あっ、終わりです

40: 2023/02/08(水) 02:08:38.08 ID:mDeiCdef.net
しずくちゃん強くて草

43: 2023/02/08(水) 05:22:20.06 ID:bmWVcx9+.net
🤯cメ*˶ ゜ᴗ 。 ˵リ ゆ、侑ちゃん……?

46: 2023/02/08(水) 07:16:48.72 ID:Msb+Qqv2.net
好みのコメディssだった

49: 2023/02/08(水) 07:29:58.31 ID:17bGme0E.net
やっぱりゆうかすよ

50: 2023/02/08(水) 07:42:53.52 ID:kaal9p7j.net
良いゆうしずだった

52: 2023/02/08(水) 09:22:52.09 ID:7G32QhDP.net
え、終わり?

引用元: しずく「ゆうぽむSSの素晴らしさに気づきました!!」歩夢「!!」