1: 2023/02/23(木) 22:18:47.13 ID:p/dAaE0w.net
~隋・宮殿~

煬帝「う~~む……」イライラ

側近「いかがなされました、陛下?何やらご立腹のようですが…」

煬帝「ああ…倭国からの使者の件でな……」

側近「確か小野妹子という者でしたか」

煬帝「うむ。そやつからの書にあった『日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す』という書き出しが気になってな…」

側近「その事であれば…当初も怒っておられましたが、最終的には倭国からの朝貢は容認されたではありませんか」

煬帝「朕を差し置いて勝手に天子を名乗るのは無礼だが、『日出づる処』『日没する処』という言い方も気になってな…」

側近「はぁ…」

煬帝「我が国を『日没する処』呼ばわりし、『日出づる処』などと宣うとは…一体どのような場所なのであろうか」

---
--

3: 2023/02/23(木) 22:22:07.50 ID:p/dAaE0w.net

--
---

~船上~

煬帝「――という訳で倭国に向かおうぞ!」

側近「よろしいのですか陛下!?使者として派遣する裴清からの報告を待たれては…」

煬帝「『日出づる処』と称するからにはさぞ素晴らしい国なのだろう。伝聞よりも朕自らがこの目で確かめてやりたくてな」

側近「はぁ……」


ゴロゴロゴロ

側近「雲行きが怪しくなって来ましたよ…」

煬帝「ううむ…」

ザァッ ザァッ

側近「ほら、波もだんだん激しく…」グラグラ

煬帝「むむむ…」グラグラ

ザザーン!

二人「どわーーーーっ!!」

ザザーッ

---
--

4: 2023/02/23(木) 22:26:09.74 ID:p/dAaE0w.net

--
---

~海岸~

煬帝「う…うぅ……」ピクッ

側近「う……」ピクッ

煬帝「どこかに流れ着いたのか…?」ムクッ

側近「陛下…ご無事でしたか…」

煬帝「ああ…。しかし、ここは一体どこじゃ?倭国かの…?」キョロキョロ

側近「船も見当たりませんね…。とりあえず周りを探索してみるしかありませんね」キョロキョロ

煬帝「うむ」スクッ

スタスタ

6: 2023/02/23(木) 22:30:12.27 ID:p/dAaE0w.net
スタスタ

煬帝「おっ」

側近「あそこに人がいますよ」スッ

オタク「おぉっ!?」キョロッ

側近「こちらに気付いたようですね」

煬帝「あの者に道を訪ねてみるかの」

側近「そういたしましょう」

オタク「こんなところに同士を発見!」デュフフ

煬帝「……は?」ポカン

オタク「いやぁ~クオリティの高いコスプレですね!三国志かキングダムあたりのコスプレですか?」デュフフ

煬帝「この者は一体何を言っておるのだ?」

側近「さぁ?おそらくこの土地の独自の言葉か何かでしょう」

煬帝「そうだ!ここは倭国かの?」

オタク「おお!口調まで昔の偉い人っぽく!…まぁ、そうですよ。ここは倭国…になりますね」

煬帝「おおっ!そうであったか!」

側近「我々はこの地に流れ着いてしまって…。右も左も分からぬので案内して頂けないだろうか?」

オタク「そういう設定ですか。まぁとりあえず、うちに案内しますよ」

側近「それはありがたい!」

---
--

7: 2023/02/23(木) 22:34:38.41 ID:p/dAaE0w.net

--
---

~家~

オタク「ここで会ったのもきっと何かの縁。しばらくの間ゆっくりして行ってください」

側近「かたじけない」ペコッ

煬帝「それにしても…変わった建物じゃのう…」キョロキョロ

側近「外観も中身も…我々の国とは大分違いますね…」キョロキョロ

煬帝「おっ、なんじゃあれは」チラッ

側近「人形…でしょうか。沢山並んでいますね」

煬帝「まるで兵馬俑だな」ジッ

オタク「ああ、この辺に飾ってるのはラブライブ!サンシャイン!!のフィギュアですよ」

煬帝「ふぃぎゅあ?らぶ…らい……?」ポカン

側近「おそらくこの国の独自の言葉なのでしょう」

10: 2023/02/23(木) 22:38:48.00 ID:p/dAaE0w.net
オタク「おっと、カタカナ用語は使用禁止でしたね。でも、作品名はそのまま呼ぶしかないので多めに見てくださいよ」

煬帝「作品…?という事は、創作物の類の話をしておったのか?」

オタク「ええ。ラブライブ!サンシャイン!!という名前の、物語作品…になりますかね」

煬帝「ラブライブサンシャイン…」

オタク「この作品の概要を凄く大まかに説明すると、サンシャイン…すなわち太陽のような輝きを求める9人の少女達の物語です!」

煬帝「太陽だと!?」ピクッ

側近「日出づる……」ハッ

煬帝「ラブライブサンシャイン…まさに『日出づる処』を象徴する物語という訳か…!」

オタク「大げさですけど…まぁだいたい合ってますねw」

11: 2023/02/23(木) 22:44:13.22 ID:p/dAaE0w.net
オタク「そしてここに飾ってある人形は、その9人の登場人物のものです」

側近「9人とは言うものの、それ以上に数がある気が…」

オタク「1人1つじゃなく、いくつか種類があるんですよ」

煬帝「確かに、髪型や髪の色や衣装…色々種類があるのぅ」ジッ

側近「私には違いが分かりませぬな…」

オタク「誰か、気になった子はいますか?」

煬帝「この娘が目を惹くな」スッ

オタク「おおっ、ダイヤさんですね!さすがの華やかさと存在感を持った黒澤ダイヤ!」

煬帝「ふむ、黒澤ダイヤ…と言うのか」

側近「変わった名前ですね」

オタク「ダイヤの可愛い点は、何と言ってもスクールアイドルを始める前後の変貌ぶりですね!」

煬帝「すくーるあいどる…?」ポカン

側近「きっとこの国の独特の言葉なのでしょう」

12: 2023/02/23(木) 22:48:20.72 ID:p/dAaE0w.net
オタク「当初は生徒会長という立場もあり、スクールアイドルに反対する堅物として振舞っていたダイヤですが、実際はスクールアイドルに対する思い入れは強く、しかしそれを隠さざるを得ない状況にいました」

煬帝「ほぅ…」

オタク「ところがスクールアイドルを始めてからは一変、それまでには無かったはっちゃけた面も見せるようになりました!」

煬帝「ふむ。ところで、生徒会長というのは、人の上に立つ職の事か?」

オタク「ええ」

煬帝「何というか…朕の境遇に通じるところがあるのう」

側近「確かに…」

煬帝「朕も皇太子になる前は、質素倹約に努めていたものよ」

側近「そして即位された後はそれまでの倹約生活から一変して派手な生活をされるようになられたんですよね」ニシシ

煬帝「こ、こら!言うでない…!」ムッ

側近「はっ、申し訳ございません…」アセアセ

オタク「感情移入できるかどうかで推しを決めるのも良い事だと思いますよ」

煬帝「うむ。ダイヤには共感できる点も多く、ますます気に入ったぞ」

14: 2023/02/23(木) 22:52:14.55 ID:p/dAaE0w.net
煬帝「あとは…この娘かの」スッ

オタク「そっちは、曜ですね」

煬帝「"よう"だと…?朕の姓と同じではないか!」

側近「陛下は楊(よう)氏の出ですからね」

オタク「渡辺曜!この子は人気高いですよ~」

煬帝「ほう」

オタク「運動神経抜群で、何でもそつなくこなす…人によっては『完璧超人』という風に写るかもしれないですね」

煬帝「"よう"で人望があって完璧と…まさに朕ではないか!」

側近「あはは…」シラー

煬帝「この娘にも感情移入できそうじゃ」ガハハ

18: 2023/02/23(木) 22:57:11.98 ID:p/dAaE0w.net
煬帝「他にも色々いるが…黒澤ダイヤに渡辺曜!この二人が気に入ったぞ!」

オタク「おおっ、お目のつけどころがいいですねぇ」

煬帝「ダイヤに曜か…このような娘達を後宮に入れたいものじゃのう」ムフフ

オタク「おっと、俺嫁派の方でしたかw」

煬帝「?」

オタク「俺嫁もいいですが、百合もいいものですよ」デュフフ

煬帝「俺嫁?百合?一体何を言っておるのだ?」

側近「きっとこの国の独特の言葉か文化なのでしょう」

20: 2023/02/23(木) 23:02:55.55 ID:p/dAaE0w.net
オタク「例えば…曜とダイヤだったら…これとか」

スッ no title


オタク「アニメの2期4話に登場した写真です」

煬帝「むっ、曜とダイヤが抱き合っておるではないか」トゥンク

オタク「これが曜とダイヤのカップリング…『ようダイ』もしくは『ダイよう』と呼ばれる組み合わせですね」

煬帝「かっぷりんぐ…?」

側近「きっとこの国の独特の言葉なのでしょう」

煬帝「しかし…この画を見ていると…何かこう…ときめきと言うか…込み上げてくるものを感じるのぅ」ゾクゾク

オタク「そのときめきこそが、百合への一歩ですよ」デュフフ

22: 2023/02/23(木) 23:07:22.34 ID:p/dAaE0w.net
オタク「この写真はダイヤの妄想の中で出てきたものですが、実際の曜とダイヤの絡みはどうだったかというと…」

オタク「三年生の中で一人だけ下級生から『ダイヤさん』と、『さん』付けで呼ばれているダイヤ。そんなダイヤが他のメンバーとの距離を縮めようと奮闘する中での一幕…」

~~~

ダイヤ「曜…ちゃん……」ボソッ

曜「ん?ダイヤさん、何か言いました?」キョロッ

タタッ

曜「ダイヤさんも配ります?」スッ

ダイヤ(…!)

スッ

ダイヤ「ありがとう」

ダイヤ「……曜ちゃん…///」ボソッ

曜「………!」ポカン

~~~

煬帝「オゥオゥオ~ゥ♪」

側近「へ、陛下!?」ビクッ

煬帝「恥ずかしがりながらも慣れない呼び方を実践しようとするダイヤ!そしてそれも対する曜のリアクション!最高ではないか!」ムフーッ

オタク「随分と気に入って貰えたみたいですね」

煬帝「うむうむ!」

25: 2023/02/23(木) 23:12:32.16 ID:p/dAaE0w.net
オタク「ただ…」

煬帝「む?どうしたというのだ?」

オタク「ようダイの目ぼしい描写自体、これ位しかありません」

煬帝「なん…だと…」ガーン

オタク「しかし!別の媒体でもようダイはありますよ」

オタク「例えばスクフェスの、バレンタイン編のUR…」スッ

no title


煬帝「おお!積極的に菓子を差し出そうとしている曜に、恥ずかしがりながらもまんざらでも無さそうなダイヤ!どちらも可愛いではないか!」

オタク「この独自の衣装や髪型も可愛らしいですよね」

煬帝「うむうむ!」

オタク「そして、覚醒後のイラストもありますよ」スッ

no title


オタク「二人が直接絡んでいる風な構図ではありませんが、絵は繋がっています」

煬帝「おお、どちらも煌びやかな衣装じゃのう」

側近「我々の国ではあまり見かけない感じの衣装ですね」

27: 2023/02/23(木) 23:18:51.87 ID:p/dAaE0w.net
オタク「そして、スクフェスには他にもパーティカードもありますよ」スッ

no title


煬帝「こっ、ここここここれは!?」ブホッ

側近「陛下!?」

煬帝「露出の激しい衣装で、小さな舟の上で密着し合う曜とダイヤ…素晴らしい…素晴らしすぎるぞ!」ハァハァ

ガタッ

煬帝「よぅし!決めたぞ!!」グッ

側近「はぁ…一体何を…?」ポカン

煬帝「大運河完成の暁には、この舟に乗って大運河を遊覧しようぞ!」

側近「なっ…!?」ポカーン

煬帝「ところで、二人が乗っているこの舟は、何というのだ?」

オタク「ゴムボート…としか言いようがないですね…」

側近「お言葉ですが、陛下!大運河での行幸に備えて、大規模な船団を建造中ではございませんか!」

煬帝「朕がこのゴムボートに乗って、船団の先頭を征くのじゃ!」

側近「そんな…このような小さな舟など……陛下の為の豪華な竜船も用意しているのですよ!?」

煬帝「ようダイの尊さには代えられん!ようダイ気分でこの舟に乗りたいのじゃ!」

側近(子供かっ!)

30: 2023/02/23(木) 23:28:38.63 ID:p/dAaE0w.net
オタク「そして、G'sマガジン関連の媒体での絡みも見逃せません」スッ

no title


~~~

タッタッタッ

ダイヤ「あっ、曜ちゃん。ちょっと、ちょっと待って!」

曜「え!?」キキキー

ダイヤ(やっぱり見てるだけで笑っちゃう。なんにでも自然体で、素直で、楽しいオーバーリアクション)クスクス

曜「ご、ごめんごめん、生徒会長!ちょっと急いでて走っちゃった」テヘヘ

曜「大丈夫、ここからは走らないようにするから…ね♪」ソロリソロリ

ソッ

ダイヤ「タイがねじれていてよ」

曜「あっ、そっちかぁ」テヘヘ

ダイヤ「できた。ま、走るのは少しくらい仕方ないとしても、制服はきちんと正しく着ないとね?」

曜「了解!」ビシッ

タッタッタッ

ダイヤ(あっけないような、でもなんだかすごく、充実したような、一瞬の邂逅…)フフッ

~~~

煬帝「おい待て」

オタク「え?」

煬帝「先程までとダイヤの性格が違わぬか?曜の事も平然と曜ちゃんと呼んでおるし」

オタク「この作品は、媒体によって細かな登場人物の設定や性格なんかが違ったりするんですよ」

32: 2023/02/23(木) 23:36:46.14 ID:p/dAaE0w.net
オタク「例えば三国志で、正史と演義で登場人物の描写が違ったりするのと同じようなものです。ダイヤの口調なんかが分かりやすい例ですね」

煬帝「ううむ、よく分からんのぅ」

オタク「こちらの媒体だと、活発な曜と真面目な生徒会長のダイヤ…といった面が際立つでしょうか」

煬帝「これはこれで良いのぅ」

オタク「この黒い制服も、G'sマガジン関連の媒体だけのものですよ」

煬帝「この服も似合っておるのぅ。こちらの媒体も気になってくるわい」

33: 2023/02/23(木) 23:44:02.72 ID:p/dAaE0w.net
オタク「『OUR PRIVATE LIFE 2人の秘密を教えてあげる』でのようダイもありますよ」スッ


煬帝「…!!」ブッ

ブシャーッ

オタク「ちょっw鼻血www」

側近「へっ…陛下ぁ!?」ビクッ

煬帝「おっ、おおおおお…温泉に入っている曜とダイヤ……」ドクドク

オタク「いくら何でも興奮しすぎ…w」

煬帝「これは…これは、たまらんのぅ…」ドクドク

側近「陛下!鼻血が溢れ出ていますよ!」アセアセ

36: 2023/02/23(木) 23:54:11.14 ID:p/dAaE0w.net
オタク「あとは、LoveLive!Daysの『ふたりはZUTTOMO』のようダイですね」スッ

no title


~~~

ダイヤ「ううっ…」ガクッ

曜「やったー!新年早々に勝ちっぱなし~♪」

ダイヤ「やっぱりこれって…そもそもいつの間にか相手が曜ちゃんになっていたっていう時点で…私の作戦ミス?」ゼェゼェ

曜「今年はなんだかいいことがある予感がするぞ♪」

ダイヤ「でも、いつだって相手を選ぶことなく立ち向かっていく気迫がなければ、何事もなされないものですよね!」ググッ

ダイヤ「今年も一刻も諦めず、常に前に進むわたくしでありますよう……」

~~~

煬帝「嬉しそうに勝ち誇る曜の可愛さと、悔しがりながらも再起を誓うダイヤの健気さ…素晴らしいのぅ」

オタク「これは、これまでのG'sマガジン関連の媒体内での、運動神経抜群な曜と運動神経低めなダイヤ…というイメージが集約された1枚ですね」

煬帝「特に、ダイヤのこの気迫を、朕も見習わなければ!」

側近「陛下?」

煬帝「いま一度、父の代で失敗していた高句麗遠征を行おうぞ!」ガタッ

側近「確かに、倭国との友好関係を承諾されたのは、高句麗に備えてという面がありましたね…」

煬帝「高句麗に対して、勝つまで諦めない事を誓おうぞ!」グッ

37: 2023/02/24(金) 00:04:07.01 ID:d5DzcVb2.net
煬帝「尊いだけでなく、国家事業に対する動機づけまで与えてくれるとは…ようダイとは実に素晴らしいではないか!」

側近(まぁ、実際現場でそれをやるのは、民や兵なのですがね…)アハハ

オタク「しかし…残念ながらようダイはそれほど有名なカップリングではないです」

煬帝「な"っ……」ガーン

オタク「公式からの需要と人気が安定しているカップリングは、ようちか、ちかりこ、ようりこ、よしりこ、よしまる、ルビまる、ダイルビ、かなまり…あたりでしょうかね」

煬帝「ふむ…これらがカップリング界の八柱国と言ったところか」

側近(八柱国というのは、隋の前身にあたる西魏・北周の官職の事ですね)

煬帝「…む?曜やダイヤのカップリングもあるのか?」

オタク「ええ」

39: 2023/02/24(金) 00:33:15.69 ID:d5DzcVb2.net
煬帝「他のカップリングは、どのようなものなのだ?」

オタク「例えば…ようちかは特に人気が高いですよ。この二人は幼馴染の組み合わせですね」

煬帝「ふむ…ただ幼馴染と聞くと、晋の時代の桓温と殷浩が真っ先に思い浮かぶのぅ」

オタク「『竹馬の友』というやつですね。上手い例えだと思います」

煬帝「ほほう」エッヘン

オタク「垣温が自分の方が殷浩よりも優位だと語ったというように、曜も千歌から『要領良いって思われてる事が多い』と打ち明ける場面がありました」

煬帝「確かに、曜は完璧超人という感じだったからのぅ」

オタク「『竹馬の友』というのは仲の良い幼馴染という意味ですが、幼馴染間に優劣があった…という点も踏まえてようちかに通じるところがありますね」

煬帝「やはり幼馴染と言えば桓温と殷浩の印象が強い。あとは…後漢末期の時代の孫策と周瑜か」

オタク「そっちは『断金の交わり』と呼ばれる幼馴染ですね」

42: 2023/02/24(金) 00:39:02.53 ID:d5DzcVb2.net
煬帝「ダイヤの方は?」

オタク「ダイルビは、ダイヤとルビィの姉妹の組み合わせです。黒澤姉妹とも呼ばれますね」

煬帝「姉妹…だと…?」ピクッ

オタク「ええ。ダイヤと言えば欠かせないのは、何と言っても妹のルビィを溺愛する姉であるという点!そしてルビィの方も姉のダイヤを慕い続けています」

煬帝「そっ…そうか…」ダラダラ

側近「先程陛下は、ダイヤは共感できる点が多いと仰っていましたが、真逆な点もあったんですねぇ…」ニヤニヤ

煬帝「むむむ…」

側近「何せ陛下は、ご即位にあたってご兄弟を誅さt

煬帝「こっ…こら!よさぬか!」

側近「はっ、失礼しました…」アセアセ

オタク「姉妹の組み合わせを百合に含めるかどうかという点で、賛否が分かれる組み合わせではありますね」

43: 2023/02/24(金) 00:44:07.33 ID:d5DzcVb2.net
煬帝「朕の家系は八柱国より格下の十二大将軍の一角だったのが天子にまで登りつめたものよ。それと同じ様に、ようダイも盛り上げようではないか」

オタク「多分…ようダイは20位以内に入っているかどうかも疑わしい…かもしれません…」

煬帝「な"っ……!?」ガガーン

オタク「やっぱり公式での描写が無いと人気は伸びないものです…残念ながら」

煬帝「こ…こうなれば!国をあげてようダイを広めようぞ!」

側近「陛下、落ち着いて下さい!」

オタク「いくら知名度が低くとも、めげずに自分の好きなものを布教するのは良い事だと思いますよ」

44: 2023/02/24(金) 00:48:28.67 ID:d5DzcVb2.net
オタク「そうだ、ラブライブ!サンシャイン!!の布教用に持ってた冊子なんかをいくつかあげますよ。ようダイ要素は少ないかもしれませんが…」スッ

煬帝「おおっ、ありがたい!」ササッ

ゴソゴソ

オタク「思いのほか気に入って貰えて良かったです」

煬帝「よし!早速この書物を以ってようダイを広めようぞ~!」ダッ

バタンッ

タッタッタッ

側近「ちょっ陛下!どちらへ…」ガタッ

オタク「お元気な方ですね」アハハ

側近「ではこれにて失礼。……お待ちくだされ、陛下~~~!」ダッ

タッタッタッ

オタク「コスプレどころか、完全に昔の中国の偉い人みたいになりきってるみたいな人達だったなぁ…」ポカン

---
--

45: 2023/02/24(金) 00:54:09.64 ID:d5DzcVb2.net

--
---

~海岸~

煬帝「いやぁ、倭国にはこのような素晴らしい文化があるとはのぅ。ラブライブサンシャイン…ようダイ…」ルンルン

側近「しかし、これからいかがいたしましょう?」

煬帝「うーむ…。先程の者に、ようダイだけでなくこの国の事も聞いておけば良かったかのぅ」

側近「どうします?戻りますか?」

煬帝「むっ!あ…あれは…!?」

側近「え?」チラッ

煬帝「あそこ…浜辺にあるのはまさしく、ようダイの舟…ゴムボートではないか!」

側近「本当ですね…なんでこんなところに…?」

46: 2023/02/24(金) 01:05:59.14 ID:d5DzcVb2.net
煬帝「よしっ!これに乗って帰ろうぞ!」ギュムッ

側近「え"っ!?」ゲェッ

煬帝「気分はまさにようダイ!尊いではないか♪」

側近「え~、嫌ですよ~」

煬帝「何ぃ!?嫌だと言うのか!?」キッ

側近「いえ…その…舟があまりにも小さいから航海が不安なのであって…決して陛下と二人っきりで密着するのが嫌とかそのような事は……」アセアセ

煬帝「思わず朕は先に前…つまり曜の位置に座ってしまったが…ダイヤの位置も捨てがたいのぅ…。お前は曜の位置の方が良かったのか?」

側近(そういう意味じゃねーよ!)イラッ

47: 2023/02/24(金) 01:10:35.49 ID:d5DzcVb2.net
~海上~

煬帝「――という訳で、いざ出航じゃ!」

側近(一体何が楽しくて、男二人でこんな密着した状態で舟に乗らなきゃいけないのか…)オエッ

煬帝「気分はようダイ…尊いのぅ♪」ルンルン

側近「果たしてこんなんで帰れるんでしょうか…?」

ザァッ ザァッ

側近「ほら、また天候が悪く……」グラグラ

ザザーン!

二人「どわーーーーっ!!」

ザザーッ

---
--

48: 2023/02/24(金) 01:14:14.95 ID:d5DzcVb2.net

--
---

煬帝「うううっ…」

煬帝「はっ!?」ガバッ

「陛下!?」

「陛下!」

~隋・宮殿~

煬帝「むっ…ここは…」キョロキョロ

「気が付かれましたか、陛下」

「陛下は、海岸に流れ着いておられた所を助けられたのですよ」

煬帝「そうであったか…」

「陛下自ら、それも突発的に渡航なさるのは無謀というものです!

「陛下がご無事で何よりです」

煬帝「う~む…。どうも記憶が定まらぬ…」ボーッ

「大丈夫ですか?」

煬帝「しばらく安静にしたい。皆の者、下がれ」

「ははっ」ペコッ

スタスタ

49: 2023/02/24(金) 01:18:06.97 ID:d5DzcVb2.net
側近「陛下!」タッ

煬帝「おおっ、お前も無事であったか」

側近「陛下がご無事で何よりです」ペコッ

煬帝「おお。ところで、どこまで覚えておる?」

側近「ええと…倭国に向けて出港しようとしたら、悪天候に見舞われて、それから…」

煬帝「倭国には…着いたのだったかのぅ…?」スゥッ

ドサドサッ

二人「あっ…!?」

煬帝「こっ…これは…倭国で貰った書物…!」

側近「ええ!確かに…そんなのもありましたね」

煬帝「夢ではなかったのか…!」スッ

パラッパラッ

煬帝「そうだ!思い出したぞ!倭国のラブライブサンシャインという物語があって…そこに出てくる曜とダイヤ…ようダイ…」

側近「そうでしたね…」アハハ

煬帝「そして、これらの書物を元に、ようダイを国中に広めようとしていたのだった!」

側近(陛下の事だから、きっと強引な手段でようダイを広めようとなさる。そうなれば…)ハッ

~~~

軍閥「ようダイなど推していられるか!」ワーワー

軍閥「ようダイ反対!」ワーワー

軍閥「我々はようちかを推すぞ!」ワーワー

軍閥「我はダイルビ!」ワーワー

軍閥「かなまり!」ワーワー

軍閥「よしまる!」ワーワー

ワーワーワーワー

~~~

側近(いずれは各地の軍閥達がそれぞれのカップリングを擁立して蜂起。最悪、国中が戦乱状態に…)ゾクッ

50: 2023/02/24(金) 01:28:37.21 ID:d5DzcVb2.net
側近(何としてもそれだけは阻止しなくては!)

側近「お…お待ちください陛下!」

煬帝「何じゃ?」

側近「ようダイを広めるにはつまり、ラブライブサンシャインそのものも広めなくてはなりません」

煬帝「それは分かっておるが、何か?」

側近「ラブライブサンシャインを広める為には、どうしても今手元にある書物を手放さなくてはなりません」

煬帝「ううむ…それはできん」

側近「見たところ、この資料は、描かれている風景や物や人物や衣装や言語だけでなく、紙や印刷技術に至るまで、分からない事だらけです」

煬帝「確かに…我が国の文化や技術とは大分かけ離れているように感じるのぅ」パラパラ

側近「もしこの資料が外に出れば、翻訳や紙や印刷法など各分野に関する研究に回され、陛下の手元には戻って来ないでしょう…」

煬帝「それは困る!」

側近「いずれ裴清ら倭国への使者から改めてラブライブサンシャインに関する書物や情報がもたらされる事でしょう。それまで待たれてた方がよろしいかと」

煬帝「う、うむ…そうしよう。これらの資料は朕が自分で楽しむ為に保管しておこう」

側近「そうされるのがよろしいでしょう」ホッ

煬帝「誰にもこの資料の事を教えるでないぞ」

側近「分かっております」

52: 2023/02/24(金) 01:41:22.78 ID:d5DzcVb2.net
煬帝「そうだ。あと、それから…」

側近「何でしょう?」

煬帝「大運河が完成するまでに、ようダイのゴムボートを建造させよ」

側近「あんな目に遭ったというのに、まだ懲りてなかったんですか!?」

53: 2023/02/24(金) 01:45:53.20 ID:d5DzcVb2.net
氏後、この皇帝には、生前の行いから貶字である「煬(よう)」の諡号を贈られ、「煬帝」と称されるようになった。
しかし他の皇帝とは異なり、「帝」の字は「てい」ではなく「だい」と読まれる。
すなわち、この皇帝「煬帝」の読み方は、

「ようだい」

となる。
何故そうなったのか、理由は諸説あるが、定かではない。


終わり。

※このSSの内容は全てフィクションです。

54: 2023/02/24(金) 01:52:27.20 ID:d5DzcVb2.net
2月23日は日出づる処の天子生誕祭にしてようダイの真ん中バースデー
日付け変わってしまったけど

これまで真ん中バースデー記念に書いた事あるSS貼ってみる

梨子「ルビィちゃん、今日は何の日か知ってる?」ルビィ「ぅゅ?」

千歌「私達の」果南「真ん中バースデー」

引用元: 煬帝「ようダイはいいぞ」