1: 2013/02/26(火) 17:51:03.87 ID:WM5i5mAL0
有香「オリャー!!」ドガッ

師範「ウン、いいぞ中野!また腕を上げたな」

有香「はいっ、ありがとうございます!」

師範「よし、今日はこのくらいにするか」

師範「押忍!」


-----------


師範「しかしお前は本当に練習熱心だな」

有香「押忍!もっと強くなりたいですから」

師範「いや、それは結構なことだが.....もっと女の子らしい趣味の一つでも見つけてもいいんじゃないのか?」

有香「女の子らしい....ですか?すみませんがそういったものはイマイチよくわからなくて....」

師範「まぁ、そのうちわかるようになるさ、じゃあ気をつけて帰れよ」

有香「押忍!ありがとうございました!」

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 042中野有香

3: 2013/02/26(火) 18:02:48.94 ID:WM5i5mAL0
---------

有香「ふーっ、あとは家に帰って自主トレをして.......」

コツコツコツ.....

有香「ん?」

有香(なんだろうあの人、さっきからずっとあたしの後をつけてくる.....)

コツコツコツ......

有香(もしかして......)


ピタッ


?「あの、ちょ.....」スッ

有香「ふん!」ブオン!!

?「うわっ!」

有香「なにかご用ですか?変なことをすると大声で人を呼びますよ」

?(す、寸止め.....)

?「ご、ごめん....まぎらわしいことしちゃって.....あと.....」

有香「?」

?「そろそろ拳を突き付けるのはやめてくれないかな、あやしいものじゃないからさ.....」

4: 2013/02/26(火) 18:09:16.29 ID:WM5i5mAL0
?「ゴメンゴメン、ちょっと誤解させちゃったみたいだね」

有香「いえ、こちらこそ」

?「驚かせてしまってゴメン、こういう者なんだ」スッ

有香「.....CGプロ?」

?「芸能事務所だよ、そこのプロデューサーをやってる」

有香「はぁ....その芸能事務所のプロデューサーさんがあたしに何の用ですか?」

P「うん、いきなりで申し訳ないんだけどさ......」


P「君、アイドルになってみないか?」


有香「アイドル.....ですか?」

5: 2013/02/26(火) 18:20:44.22 ID:WM5i5mAL0
P「うん、そうだよ」

有香「えっと.....それってあたしが...ですか?」

P「もちろん!」

有香「.....なにかの冗談ですか?」

P「とんでもない!大真面目だよ!」

有香「どうしてあたしを?」

P「さっき一目君を見たときに....こう.....なんていうか....ティンと来たんだよ!」

有香「ティンと?」

P「そう、ティンと」

有香「でも、いきなりそんなこと言われても.....」

P「ああ、すまない、今すぐ判断しなくてもいいんだ、その気になったらその名刺に書いてある連絡先に連絡してくれればいい」

有香「はぁ....」

P「あ、そうだ、名前だけでも聞いてもいいかな?」

有香「はい、中野有香です」

P「中野さんね....ええっと中学生くらい?」

有香「なっ、あたしはこう見えても18歳ですから!」

P「ゴ、ゴメン.....ついてっきり.....」

有香「もう....背が低いの気にしてるのに......」

6: 2013/02/26(火) 18:53:40.32 ID:WM5i5mAL0
P「本当にゴメン、じゃあその気になったら連絡してくれ、それじゃ」タッタッタ......

有香「あっ、ちょっと、行っちゃった.....」


有香「アイドル.....か」


-----------


有香「セイッ!セイッ!」

有香「フゥ、ダメだ.....全然身が入らない.....」

有香「いきなりあんなこと言うなんて....変な人だったなぁ」

有香「アイドル.....なんて.......」

有香「あんなこと言われたのは....初めてだし.....」

有香「どうしよう.....」

有香「あっ、そういえば師範が『女の子らしい趣味』がどうとかって.....」

有香「アイドル.....女の子らしい....よね?」

有香「まぁ、一回見てみるくらいなら......」

7: 2013/02/26(火) 20:52:30.70 ID:WM5i5mAL0

----数日後-----


有香「ここか....なんだか小さい事務所」

有香「とりあえず入ろう」

ガチャッ

有香「失礼します」

?「はーい、あっ、もしかして中野さんですか?」

有香「はい、そうです」

?「ちょっと待ってて下さいね、プロデューサーさーん!いらっしゃいましたよー!」

有香(綺麗な人.....)



P「やぁ久しぶりだね、連絡してくれてありがとう、まぁとりあえずかけて」

有香「ありがとうございます、それでですね.....」

P「ああ、わかってるよ、とりあえず今日は見学ってことだよね」

有香「はい、結論を出すのはそれからということで.....」

?「お茶です、どうぞ」

有香「あっ、ありがとうございます」

P「この人は事務員の千川ちひろさん」

ちひろ「よろしくお願いします」

有香「はい、こちらこそ今日はよろしくお願いします」

10: 2013/02/26(火) 22:16:54.89 ID:WM5i5mAL0
ガチャッ

?「はーい、どーも」

P「おっ、来たか」

?「おはよ、Pさん、あれ?もしかして新しい人?」

P「そうなるかはまだわからないな、とりあえず今日は見学だ」

有香「今日はよろしくお願いします、中野有香と申します」

?「あたしは塩見周子、よろしくね」

P「中野さんには周子のレッスンを見学してもらうってことで」

有香「はい、あとあたしの事は有香でいいですよ」

P「そうか、じゃあ有香、今日はしっかり見てってくれ」

11: 2013/02/26(火) 22:26:24.34 ID:WM5i5mAL0
周子「ねぇねぇ、有香ちゃんって今いくつ?」

有香「あたしですか?18歳です」

周子「へぇ、じゃああたしと同い年だね、でもその割にはやけに小柄で....」

P「おい周子、そろそろ時間だぞ」

周子「あっ、そうだったね、んじゃレッスンに出かけますか」

P「じゃあ行こうか、有香」

有香「はい、お願いします!」



-----------



トレーナー「はい、ワンツー!ワンツー!少し遅れてますよ周子ちゃん!」

周子「おっし、じゃあもう一回!」



有香「いつもこんな感じなんですか?」

P「まぁ、仕事がない時はレッスンが主体になるな」

有香「なるほど.....」

P「何か感じることでもあるか?」

有香「アイドルっていうからもっと華やかなのを想像してたんですけど....」

P「うーん、そりゃ華やかな部分もあるけどな、ファンの前で華やかに見せるためにはこういったレッスンが必要ってことさ」

12: 2013/02/26(火) 22:38:27.67 ID:WM5i5mAL0
P「周子も知名度が上がって最近やっと小さな仕事が入るようになってきたけど、だからと言ってそれに慢心しちゃいけない」

P「こういったレッスンは自分を絶対に裏切らないからな」

有香「なるほど、日々の積み重ねが大事ってことですね、稽古と一緒です!」

P「そういえば有香はなにかやってるのか?」

有香「はい、子供のころから空手をやっています」

P「道理であんなに突きが鋭いわけだ.....」

有香「体力には自信ありますから!」


トレーナー「はーい、じゃあちょっと休憩しましょうか」

周子「あー、疲れたなぁ」

P「お疲れ様、周子、ほらドリンク」

周子「サンキュー、Pさん、どう有香ちゃん、あたしのレッスン見て」

有香「そうですね、想像してた以上に厳しいレッスンを積んでいるんだと思いました」

周子「でしょー、Pさんあたしにイジワルするんだもん」

P「おいおい....」

周子「ウソだってば、シューコはちゃんと感謝してるからさ」

13: 2013/02/27(水) 02:33:50.03 ID:QMz7daB10
周子「そうだ、有香ちゃん」

有香「?」

周子「よかったらさ、レッスンに参加してみない?」

有香「えっ、あたしがですか?」

周子「うん、いいよねPさん?」

P「いいと思うぞ、トレーナーさん、いいですか?」

トレーナー「ええ、構いませんよ」

P「心配するな、そんなに難しいことはしないから」

有香「押、じゃなかった......はい、やってみます!」



------一時間後-------」


有香「よし!さあ、次はなんですか!?」

周子「ちょ、ちょっと待って......少し休もうよ......」

有香「あっ、そうですね、少し休憩しましょうか」

P「ちょっと驚いたな、結構地味な基礎トレーニングを一時間もやったのに......」

トレーナー「全然息が上がりませんね、基礎体力が普通じゃないです......」

P「まさか周子に参ったをさせるとは.....」

トレーナー「ちょっとすごいですね」

P「トレーナーさんから見てどうですか、あの子?」

トレーナー「短時間なので何とも言えませんが、地味なトレーニングを苦にしないみたいです、ああいった子は伸びると思いますよ」

14: 2013/02/27(水) 18:14:58.55 ID:twLL1MXi0
周子「いやー、まいったまいった、あたしも結構体力には自信あるつもりだったんだけどなー」

有香「す、すみません.....」

周子「別に謝る事じゃないってば、でも有香ちゃんってすごいね!」

有香「....あの、塩見さん、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど」

周子「なに?あと周子でいいよ」

有香「はい、周子さんはどうしてアイドルになろうと思ったんですか?」

周子「あたし?うーん、たまたまだよ」

有香「たまたま?」

周子「あたしさ、実家が京都で和菓子屋をやってるんだけど、そこを追い出されちゃってね」

有香「お、追い出されたって....」

周子「あー、心配しないでよ、ちょっとした親子喧嘩みたいなもんだから」

有香「は、はぁ....」

周子「それでさ、東京に出てきてフラフラしてたところをPさんにスカウトされたんだ、それがアイドルになろうとした動機っちゃ動機かな」

有香「そ、それだけの理由なんですか....?」

周子「そうだよ」

15: 2013/02/27(水) 20:31:34.19 ID:twLL1MXi0
有香「でもアイドルになるなんて結構重大な決断だと思うんですけど.....」

周子「まぁ、あとはPさんの熱心な勧誘に負けてってとこかな」

有香「熱心な勧誘.....」

周子「そう、いきなり真顔で『アイドルになってみないか?』って言うんだもん、何かの冗談かと思っちゃった」

有香「なるほど、誰に対してもあんな感じなんですね、でもそれだけで.....」

周子「それだけってわけじゃないんだけどね、きっかけの一つだったっていうのは確かかな、何かを始める動機なんて人それぞれでしょ?」

有香「まぁ、それは.....」

周子「それにさ、結構Pさんには感謝してたりするんだよね」

有香「というと?」

周子「なんかあたしってさ、自分で言うのもなんだけど結構冷めた部分があってさ、アイドルにもあんまり全力で取り組んでなかったんだけど」

周子「Pさんがさ、あたしが仕事とかで上手くいくとあたし以上に大喜びするの、ひどい時には大泣きしたりして」

有香「なんだか想像できちゃいますね」

周子「そういうのが続くうちにさ、お仕事もだんだん楽しくなってきてね、今じゃ結構本気でやってるわけよ」

周子「だからそういうのを気づかせてくれたって意味では感謝してるんだよね」

有香「ふふっ、なんだかわかる気がします」

周子「ここまで来たら一番を目指したいなとも思ってるんだけどさ」

16: 2013/02/27(水) 20:37:58.22 ID:twLL1MXi0
周子「有香ちゃんはさ、今日のレッスンに参加してみてどうだった?」

有香「あ、あたしは.....」

周子「あたしは有香ちゃんが一緒にアイドルやってくれたら嬉しいな、きっと楽しいと思うし」

有香「......」

P「有香、このあとなんだけど.....」

有香「動機は人それぞれ、ですよね」ボソッ

P「?」

有香「プロデューサー、あたし決めました」

P「えっ?」




有香「あたし、アイドルになります!!」

17: 2013/02/27(水) 20:48:02.56 ID:twLL1MXi0
----翌日-----

有香「押忍!...じゃなかった、お疲れ様です!」

P「お、来たか、ご両親の方は....」

有香「はい、ちゃんと承諾書に書いてもらいました!」

P「反対とかされなかったか?」

有香「驚かれはしましたけど、父はお前が決めたことだから後悔だけはするなって」

P「なるほどな」

有香「それよりも、母がですね.....」

P「お母さんが?」

有香「あたしが今までアイドルとかそういうのに興味を示さなかったので、その...泣いて喜んじゃって....」

P「あー...そりゃよっぽどだったんだな.....」

有香「みたいですね、小さい頃から空手一筋だったので.....」

有香「とにかくアイドルをやるからには最強を目指して頑張ります!」

P「最強って、おいおい.....」

周子「どーも、有香ちゃん」

有香「あ、周子さん!」

周子「これからは一緒に頑張ろうね」

有香「押忍!」

周子「あとさ、同い年なんだしそんな堅苦しい感じじゃなくていいよ」

有香「押忍....じゃない、はいっ、周子ちゃん!」

22: 2013/02/28(木) 01:16:55.53 ID:xChCBQa30

-----------


ちひろ「有香ちゃんもだいぶここに慣れてきた感じね」

有香「はい、おかげさまで」

ちひろ「プロデューサーさんも有香ちゃんのこと褒めてたわよ」

有香「そ、そうなんですか.....」

ちひろ「ええ、『有香はレッスンもとっても真面目に取り組むんです、他のアイドルの見本ですよ』って言ってたし」

有香「ほ、本当ですか?」

ちひろ「あ、でも『思い込んだら一直線だから誰かが手綱を握ってあげなきゃ』とも言ってたけど.....」

有香「うう...自分でもそういうところがあるとは自覚してはいるんですが.....」

ちひろ「お、落ち込まないで、有香ちゃん!」

23: 2013/02/28(木) 01:27:18.34 ID:xChCBQa30
P「ただいま戻りまし....おお、有香ちょうどいいところに」

有香「どうしたんですか?」

P「新しい仕事が決まったぞ!」

有香「押っ、じゃなかった、はい!どんな仕事ですか?」

P「来月格闘技のイベントがあるんだけど、そのラウンドガールだ」

有香「ラウンドガール....ですか.....」

P「あれ、もしかして嫌だったか?」

有香「いえ、とんでもないです!むしろああいうのはわりと好きな方ですよ!」

P「そうか、そりゃよかった」

ちひろ「どこでやるんですか?」

P「結構大きな会場みたいですよ、ちょうど来週そこで同じような格闘技のイベントがあるらしいんでちょっと下見に行ってこようかと」

ちひろ「あ、だったら有香ちゃんも一緒に連れて行ってあげたらどうですか?」

有香「あ、あたしですか!?」

24: 2013/02/28(木) 01:33:21.67 ID:xChCBQa30
P「有香を?ああ、確かにちょうどその日はオフだしな、有香がよければ一緒に行くか?」

有香「そ、それって二人だけ....ですか?」

P「ん、そうなるな、もしかして俺と二人じゃ嫌か?」

有香「い、いえ!そうじゃないです!ぜひご一緒したいです!」

P「そうか、じゃあ来週会場の前で待ち合わせってことで」

有香「は、はい!」

有香(ど、どうしよう......これってもしかして、デートじゃ.......)

ちひろ「有香ちゃん」ボソッ

有香「?」

ちひろ「プロデューサーさんって結構ニブイところあるから、頑張ってね♪」

有香「へっ?い、いや、別にそんなんじゃ.....////」カァァァ

ちひろ「ふふっ」

P「?」

25: 2013/02/28(木) 01:56:57.59 ID:xChCBQa30
-----会場前-----

P「有香、遅いな.....」

有香「お、遅れてすいません!」タッタッタ.....

P「ああ、大丈夫だよ」

有香「すいません、ちょっと支度に手間取っちゃって......」

P「それ、新しい服か?とっても似合ってるぞ」

有香「あ、ありがとうございます.....よかった、周子ちゃんに選んでもらったんですけど......」カァァァ

P「なるほどな、じゃあ行こうか」

有香「あ、あのプロデューサー.....」

P「どうした?」

有香「あの....その.....今日はPさんって呼んでも.....いいですか?」

P「ん?まぁ外でプロデューサーって呼ぶのもアレだしな、別に構わないぞ」

有香「は、はい!ありがとうございます!」

26: 2013/02/28(木) 02:06:35.68 ID:xChCBQa30
P「有香は格闘技とかは見る方なのか?」

有香「はい!見るのもとっても好きです、でも最近はなかなか来れなかったので今日は本当に楽しみなんです!」

P「そっか、でもすごい人だな.....」

有香「今日の試合は人気のカードみたいですね.....」

P「有香もここでラウンドガールをやるんだぞ」

有香「はい!あたしがリングの上を回れると思うと、とっても嬉しいです」

P「俺も嬉しいよ、っとと...こりゃすごいな....ぼんやりしてるとはぐれちゃいそうだ....」

有香「だ、だったら!」

P「?」

有香「あの、手をつないでもいいですか.....?」

P「ああ、そのほうが安全だな」ギュッ

有香「ひゃっ!」

P「だ、大丈夫か?」

有香「は、はい....ちょっと驚いちゃって.....」

有香(お、男の人と初めて手をつないじゃった.....)

有香(しかも....プロデューサーと....)

有香「えへへ.....」

29: 2013/02/28(木) 02:21:31.83 ID:xChCBQa30
P(有香の手って思ったよりも小さいな.....)

有香「.......」

P「有香、おい有香」

有香「ひゃい!す、すいません、ちょっとボーッとしてました!」

P「体調でも悪いのか?」

有香「いえ、体調はバッチリですから」

P「そっか、それならいいんだが.....」

有香(ちひろさんの言ってたとおり、ニブイのかな.....)

P「どうした?」

有香「いえ、なんでもありませんよ、さあPさん、早く行きましょう」ギュウウウ

P「お、おいおい....」

有香「ほら、早く早く!急がないと始まっちゃいますよ!」

30: 2013/02/28(木) 02:34:53.08 ID:xChCBQa30

----------

有香「すごかったですね、興奮しちゃいました!」

P「ああ、俺も格闘技を生で観戦したのって久しぶりだったけど、すごかったな」

有香「はい!あそこで劇的なカウンター!とっても参考になります!」

P「そっちのほうなのか.....」

有香「ラウンドガールの子も可愛かったし!」

P「有香もああいう衣装を着るんだぞ」

有香「はい、あたしも似合うかな.....」

P「大丈夫だ、きっととっても可愛いぞ」

有香「そ、そうですか?」

P「ああ、保証するよ」

有香「は、はい....Pさんにそう言ってもらえるとなんだか安心します.....」

31: 2013/02/28(木) 02:44:41.54 ID:xChCBQa30
有香「でもああいう試合はやっぱりいいですね!思わず身体を動かしたくなっちゃいます!」

P「有香は本当に空手が好きだな」

有香「もちろんです!アイドルも好きですけど、空手も同じくらい好きですから!」

P「うん、有香らしくていいと思うぞ」

有香「ありがとうございます!オリャー!!」ブン!!

P「お、おい有香!」

有香「?」

P「その....スカートを履いて、蹴りは.......」

有香「へっ?ひゃあああ!!」バッ

P「.......」

有香「み、見ました?」

P「いや、なにも.....」

有香「ほ、本当ですか?」

P「み、見てないぞ!クマさんパンツなんて見てないからな!」

有香「し、しっかり見てるじゃないですかー!!!」

P「待て!今のは事故だー!!」

34: 2013/02/28(木) 03:01:01.52 ID:xChCBQa30

---------

周子「へー、そんなことがあったんだ」ニヤニヤ

有香「笑わないでください、本当に恥ずかしかったんですから......」

周子「でもなんだかんだで楽しかったんでしょ?」

有香「まぁ、それはそうですけど......」

周子「あはは、Pさんと有香ちゃん見てると面白いね」

有香「もう....」

周子「ところでさ、有香ちゃんはどうするの?」

有香「なにがですか?」

周子「もうすぐバレンタインでしょ?Pさんにチョコあげないの?」

有香「あ、あたしは....その.....」

周子「ちなみにあたしはあげるよ、日頃の感謝も込めてね」

有香「あたしも...あげたいんですけど.....」

周子「けど?」

有香「今まで家族以外にあげたことがないのでどうすればいいのか......」

周子「あー、なるほどね、確かに有香ちゃんはそんな感じするなぁ」

35: 2013/02/28(木) 03:13:51.85 ID:xChCBQa30
周子「じゃあさ、一緒に作ろうよ」

有香「えっ、いいんですか?」

周子「もちろん♪」

有香「でも、周子ちゃんはチョコなんか作れるんですか?」

周子「失礼だね、あたしこう見えても和菓子屋の娘だよ」

有香「あっ、そういえばそうでしたね、でも和菓子とチョコじゃ......」

周子「大丈夫だって、基本は似たようなもんだし」

有香「そうかな.....」

周子「まぁ、中野さんがそんなに嫌だっていうんならあたし一人で手作りチョコを渡しちゃうけどなー」

有香「そ、そんなこと言わないでください!お願いします!教えてください!」

周子「冗談だってば、どうせ有香ちゃんチョコの作り方も知らないんでしょ」

有香「......はい」

周子「ま、そんなに手の込んだものじゃなくてもいいと思うよ、大事なのは気持ちだからね」

有香「気持ち....ですか....」

周子「そうそう、有香ちゃんの場合は愛情、かな」

有香「しゅ、周子ちゃん!」

36: 2013/02/28(木) 03:26:30.75 ID:xChCBQa30
周子「違うの?」

有香「へっ?」

周子「好きなんでしょ、Pさんのコト」

有香「えっ、あの...その....」

周子「どうなの?」

有香「あうぅ..../////」カアァァァァ

周子「あはは、図星か」

有香「い、今までこんな気持ちになったことなくて、どうすればいいのか......」

周子「あー、Pさんって結構ニブイところあるからね」

有香「....ちひろさんも全く同じこと言ってました」

周子「変なところで鈍感なんだよね、でも大丈夫!ちゃんとPさんのハートをゲットできるようなチョコの作り方を教えてあげるからさ」

有香「よ、よろしくお願いします.....」

周子「うむ、任せたまえ」

37: 2013/02/28(木) 03:35:21.98 ID:xChCBQa30

-----2月14日-----


有香(とうとうこの日になっちゃった.......)

有香(は、ハート型のチョコ....)

有香(うぅぅ....恥ずかしい////)

有香(でもせっかく周子ちゃんが協力してくれたんだから、きちんと渡さないと!)

有香(よし!時間もないことだし、行こう!)


ガチャッ


有香「お、おはようございます!」

ちひろ「あら有香ちゃん、今日はオフじゃなかったの?」

有香「えっ、あっ、そうなんですけど.....えっと....プロデューサーは....」

ちひろ「ああ、そういえば今日はバレンタインだものね」

有香「は、はい!」

ちひろ「でもごめんなさい、プロデューサーさんは今日朝早くからいないの、今日は色々と立て込んでて....」

有香「そ、そうですか...あの、何時に戻るとかは.....」

ちひろ「それもちょっと.....」

38: 2013/02/28(木) 03:44:18.33 ID:xChCBQa30
有香「.....そうですか、わかりました」

ちひろ「あっ、もしかして作ってきたの?」

有香「はい、ここに置いておくのでプロデューサーが来たら渡しておいてください」コトッ

ちひろ「本当にごめんなさいね......」

有香「いえ、お仕事ですから仕方ありません」

ちひろ「今日はこれからどうするの?」

有香「今日は道場で幼年部のコーチを頼まれてるので、それに行ってきます」

ちひろ「気をつけてね、プロデューサーさんにはちゃんと渡しておくから」

有香「はい、よろしくお願いします、では」

バタン

有香「はぁ、仕方ないよね、お仕事だし......」

有香「仕方ない、仕方ない」

有香「さ、気持ちを入れ替えて頑張らなくっちゃ!」

39: 2013/02/28(木) 04:03:29.14 ID:xChCBQa30

-----------

P「ただ今戻りましたー」

ちひろ「あっ、お帰りなさいプロデューサーさん、ずいぶん早かったですね」

P「ええ、思いのほかことがスムーズに進んで助かっちゃいました」

ちひろ「お疲れ様でした、あっそうそう、朝に有香ちゃんが来てましたよ」

P「有香が?あいつは確か今日オフだったはずじゃ......」

ちひろ「もう、ニブイですねぇ......今日が何の日か知らないわけじゃないでしょう?」

P「ああ、もしかしてチョコを......」

ちひろ「そこに置いてありますからちゃんと食べてあげてくださいね」

P「わざわざ事務所まで持ってきてくれたのか.....って、あいつ財布忘れてますよ?」

ちひろ「えっ、本当ですか?大変!」

40: 2013/02/28(木) 04:08:49.60 ID:xChCBQa30
P「ちょうど時間も空きましたから、俺が届けてきますよ」

ちひろ「すいません、お願いできますか」

P「あいつ今どこにいるのかな?」

ちひろ「今日は道場で幼年部のコーチをやるって言ってましたよ?」

P「じゃあ道場にいるんですね、そこに行ってきます」

ちひろ「場所知ってるんですか?」

P「ええ、一応は」

ちひろ「じゃあお願いしますね」

P「はい、じゃあ行ってきます!」

41: 2013/02/28(木) 04:19:11.70 ID:xChCBQa30

------------

P「ここだな」

P「有香はいるかな......」コソコソ.....

P「お、いたいた」


「「エイッ!エイッ!」」


有香「もっと気合を入れて!」


「「押忍!!」」


有香「そう、いいですよ!」


P「へー、ちゃんとコーチしてるなぁ....」

P「普段はああいう有香を見ないから結構新鮮かも.....」


有香「はい!では次は前蹴り!」


「「押忍!!」」


P「やっぱり空手をやってるときの有香はイキイキとして......」


「あー!なんか変な奴がのぞいてるー!!」

42: 2013/02/28(木) 04:25:38.55 ID:xChCBQa30
「どこどこ?」

「あそこー!」

「こわーい!!」


P「げっ、ヤバい!」


有香「みんな下がってなさい!誰ですか!見学なら堂々と......」ガラッ

P「や、やぁ.....」

有香「えっ、プ、プロデューサー?」

P「わ、悪い....覗くつもりはなかったんだけど......」

有香「ど、どうしてここに?今日は忙しいんじゃ.....」


「おい、おまえ!わるいやつだな!」

「おまえなんかな、ねえちゃんがやっつけちゃうんだ!」

「そーだそーだ!」

「ねえちゃんつよいんだぞ!おとこもやっつけちゃうんだからな!」

「いや、ねえちゃんのかわりにおれたちがやっつけてやる!」
 
「やっちまえー!!」

43: 2013/02/28(木) 04:37:20.22 ID:xChCBQa30
P「うわっ、ちょっと待ってくれ!俺は別に!!」

ゲシッゲシッゲシッ

有香「ちょ、ちょっと!みんなやめなさい!」


「ねえちゃんをこまらせるやつはおれたちがやっつけてやるんだ!」

「かえれかえれー!」


P「痛い!痛い!」


有香「や、やめなさーい!!!」


「なんで、ねえちゃん?」

「こいつ、わるいやつでしょ?」


有香「ち、違います!その人は.....」



有香「その人はあたしの大切な人なんです!!!!」

44: 2013/02/28(木) 04:43:32.86 ID:xChCBQa30
P「有香.....?」

有香「あっ!?」


「たいせつなひとってなーに?」

「こいびとってことじゃない?」

「じゃあこいつねえちゃんのこいびとなんだー」


有香「あっ、その.....ごめんなさい!!」ダッ

P「おっ、おい有香!」


「ねえちゃんどっかいっちゃった!」

「にいちゃんおいかけなよ!こいびとだろー!」


P「.....言われなくても追いかけるよ」

45: 2013/02/28(木) 04:52:38.07 ID:xChCBQa30

----------

有香「はぁ、どうしよう.....」

有香「とっさにあんなこと言っちゃった......」

有香「もうプロデューサーの顔見れない....」

有香「はぁ......」

P「有香」

有香「プ、プロデューサー!」

P「さっきはゴメンな」

有香「い、いえ......」

P「お前事務所に財布忘れていっただろ、それを届けに来たんだ」

有香「あ、ありがとうございます.......」

P「いやー、でもさっきのはさすがに驚いたよ」

有香「す、すいません!あとできつく言っておきますから!」

P「いいって、あの子たちだって悪気があったわけじゃないんだから、むしろ有香が慕われてるって証拠だ」

有香「いえ、本当にすいません.....」

46: 2013/02/28(木) 04:57:47.88 ID:xChCBQa30
有香「あ、あの.....さっきのことなんですけど....」

P「?」

有香「その....あ、あれは......」

有香「ご、ごめんなさい、ちょっと頭を冷やしてきま.....」


ギュッ


有香「プ、プロデューサー!?」

P「有香、さっきの言葉、あれ本当か?」

P「『大切な人』って」

有香「あ、あれは.....」

有香「ほ、本当です.....」

有香「プロデューサーはあたしにとって」

有香「世界一大切な人です!」

P「そっか」

有香「プロデューサーはどうですか?」

P「同じだよ」

P「有香は俺にとって世界一大切さ」

47: 2013/02/28(木) 05:45:40.47 ID:xChCBQa30
有香「プロデューサー.....」

P「でもな有香、お前はアイドルだ」

有香「はい」

P「だから....その....」

有香「わかってます、アイドルとプロデューサー、ですもんね」

P「有香.....」

有香「でも気持ちを持つのは自由ですよね?」

有香「だからきちんと言います」



有香「私はPさんのことが、大好きです!」

48: 2013/02/28(木) 05:49:53.31 ID:xChCBQa30
P「まぁ、このチョコを見た時点でなんとなく察しはつくけどな」

有香「そ、それは.....」

P「なぁ有香、このチョコ食べてもいいか?」

有香「は、はい!もちろんです!」

P「どれどれ.....おお、綺麗にできてるじゃないか!」

有香「あ、ありがとうございます.....その....周子ちゃんに手伝ってもらって.....」

P「じゃあさっそく....」

有香「ま、待ってください!」

P「?」

有香「あ、あたしが食べさせてあげますから!」

P「そうか?じゃあ.....」

パキッ

有香「どうぞ」

P「あのう、有香さん、口にくわえてるのは.....その.....」

有香「は、早くしてください.....」

49: 2013/02/28(木) 07:45:33.04 ID:xChCBQa30
P「いや、でも.....」

有香「んっ!」ズイッ

P「ええい、もうどうにでもなれだ!」

有香「あっ....」

P「んんっ.....」

有香「あむっ....んちゅ....うんっ....」

P「...ぷはっ!」

有香「....はぁ...はぁ...どうですか?」

P「うん、甘いな.....」

有香「あたしも、こんなに甘いチョコを食べたのは初めてです......」

P「とってもおいしかったよ」

有香「それはチョコがですか?それとも.....」

P「両方かな.....有香の気持ちがこもってた」

有香「は、はい.....日頃の感謝と...あ、愛情を込めましたから......」

P「うん、すごく嬉しいよ」

50: 2013/02/28(木) 15:41:48.69 ID:V+gjEk/w0
有香「Pさん、あたしもっと頑張りますから!そしてトップアイドルになって、そうしたら.......」

P「ああ、それまでは、な」

有香「はい、二人だけの秘密、ですね.....」

P「有香.......」

有香「Pさん.......」


「あー、ちゅーしてる!!」


P・有「!?」


「こらー!ねえちゃんをとるなー!」

「やっぱりふたりはこいびとどうしなんだ~」

「ねえちゃん、おとなだー!」


有香「い、いきなりバレちゃいましたけど......」

P「ど、どうしようか......」

51: 2013/02/28(木) 15:52:11.71 ID:V+gjEk/w0

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周子「へぇ、じゃあ上手くいったんだ」

有香「は、はい......」カアァァァァ

周子「しかし有香ちゃんダイタンだねぇ~」ニヤニヤ

有香「だ、だって食べさせてあげれば喜ぶって周子ちゃんが.....」

周子「確かに言ったけど、口移しで食べさせろとまではさすがに.....」

有香「あうぅ....あのときは興奮しててつい......」

周子「まぁ、なんにせよよかったじゃん、ちゃんとお互いの気持ちが通じて」

有香「それは....そうですけど......」

ガチャッ

P「おはようございまーす......」

周子「おはようPさん、あれ?なんか元気なくない?」

有香「実はあの後、道場の稽古を見学していったんですけど.....」

P「どういう流れか俺も稽古につきあわされてな.....」

有香「あたしと組み手したんですよ...」

P「有香の相手をするには俺じゃ荷が重すぎたみたいで.....」

周子「なるほど、身体がもたなかったんだね」

有香「すいません、ちょっとやりすぎちゃって......」

52: 2013/02/28(木) 15:58:42.08 ID:V+gjEk/w0
周子「道場の子たちはわかってくれたの?」

有香「はい、なんとか説得に成功したので......」

P「まぁ、あの子たちも有香に迷惑をかけようとは思わないさ」

周子「ふーん、でもあたしにまで言っちゃってよかったの?」

有香「はい、今回の事は半分くらいは周子ちゃんのおかげですから」

周子「そっかな.....ふふっ、そっか♪」

P「周子、お願いだから.......」

周子「安心してよ、言いふらしたりしないからさ」

P「お願いします.......」

周子「でもPさんもちょっと情けないねー、有香に勝てるくらいには強くならなきゃ」

P「おいおい......」

有香「ふふっ、今のPさんじゃ無理だと思いますよ」

P「だろうなぁ......」

有香「でも、あたしがおばあさんになったら勝てるかもしれませんよ♪」

P「有香がおばあさんになる頃は俺はおじいさんだな」

周子(あれ?今の発言は.......)

54: 2013/02/28(木) 16:06:24.93 ID:V+gjEk/w0
P「さ、そろそろお喋りは終わりにするか」

周子「そだね」

有香「はい!」

P「じゃあ二人とも、準備はできてるか?」

周子「まかせといてよ」

有香「バッチリです!いつでもいけますよ!」

P「じゃあ、出発するぞ」

周子「今日もお仕事頑張ろうね、有香ちゃん♪」



有香「はい!中野有香、目指すは最強のトップアイドルです!」





おわり

55: 2013/02/28(木) 16:12:03.49 ID:V+gjEk/w0
画像支援ありがとうございました、あと駄文失礼しました

小柄な身体で空手少女は凶器だと思います

そのうえかわいいなんて手がつけられません

押忍にゃんかわいいよ押忍にゃん

ではまた

57: 2013/02/28(木) 16:58:47.75 ID:mJpRE99IO
押忍にゃんかわいい


引用元: 中野有香「アイドル.....ですか?」