609: ◆ywkhR7Exfw  2011/02/12(土) 10:18:21.33 ID:9PohDvDAo

##「いちねんごのふゆ!」

ひらさわけ!

梓「そろそろ寝よっか」

唯「うん……あれ?」


唯「わあ……みてみてあずにゃん、雪だよ!」

梓「ほんとだ、すっかり吹雪だね」

唯「すごいねー…ホワイトクリスマスだね」

梓「ホワイトだけど全然クリスマスじゃないし」

唯「ノリだよあずにゃん。じゃあ逆に私たちでクリスマスしよっか」

梓「いま二月でしょあなた…」
けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)

梓「月日がたつのは早いなー」
610: 2011/02/12(土) 10:18:48.05 ID:9PohDvDAo

唯「すごいねー、今回は積もるよぜったい」

梓「それより明日、バス動くのかな」

唯「まあ休めばいいんじゃない?」

梓「私はちゃんと単位も取るの! まったくもう、これだから本当…」

唯「えへへ……反省します」

梓「本当に反省してるんだか……あ、なにか飲む?」

唯「うーん、じゃあレモンティーで」

梓「はーい」

611: 2011/02/12(土) 10:19:14.63 ID:9PohDvDAo

唯「あったまるねー」

梓「そうだねえ」


唯「小さい頃、雪合戦とかしたなあ」

梓「あ、してそう。それも登校中に」

唯「なんで分かるの!」

梓「それでせっかく早起きしたのに遅刻するんでしょ」

唯「え、えすぱーだね…」

梓「昔から変わらないんだね…」

唯「えっへん」

梓「そこほめてないから」くすっ

612: 2011/02/12(土) 10:19:41.09 ID:9PohDvDAo

唯「あずにゃんそういうのしなかったの?」

梓「うーん……たまになら、学校とかで」

唯「たまにって、雪降るのがたまにじゃん」

梓「まあ、あんまり外出るの好きじゃなかったもん」

唯「引きこもりかあ」

梓「それは違う」

唯「家でなにしてたの?」

梓「ギター弾いてた。エフェクターとか噛ませまくって音の壁作って」

唯「それで教室でも壁作って」

梓「そんなことないもん! 学校では友達と遊んでたから!」

唯「あはは、冗談だってば」

613: 2011/02/12(土) 10:20:07.55 ID:9PohDvDAo

唯「手ぶくろとかさー、もうびしょぬれになっちゃってて」

梓「だめじゃん。ってか帰りどうするの?」

唯「んーとねえ、学校でみんなあっためてた」

梓「へえ……ストーブとかあったんだ」

唯「うん。小学校の頃は教室にストーブあってね、休み時間に遊んだ手袋をみんなで干して」

梓「え、それ燃えないの?」

唯「燃えない燃えない。……けど灯油係が大変だったなあ」

梓「灯油係かあ……うちは一斉暖房だったからそういうのなかったかも」

唯「いいなあ。ってか隣町なのに全然違うね」

梓「自転車でいける距離って言っても市が違うとねー」

614: 2011/02/12(土) 10:20:34.21 ID:9PohDvDAo

唯「灯油係、懐かしいなあ」

梓「転んでこぼしたりしてそう……」

唯「あずにゃんひどい……私だってやるときはやるんだから!」

梓「はいはい」

唯「それに和ちゃんもいたし」

梓「うわあ、その頃から和先輩に…」

唯「だってあれ一人じゃ運べないもん。ていうか二人一組だったし」

梓「へー……給食のワゴンの、大食缶みたいな?」

唯「そうそう、それのもっと大きいやつ」

梓「あー、なんか分かるかも」

唯「ああ、大食缶こぼしちゃったことはあるかも」

梓「ああやっぱり…」

唯「和ちゃんが」

梓「ええっ」

615: 2011/02/12(土) 10:21:00.59 ID:9PohDvDAo

唯「ええってひどくないですかー」

梓「ごめんごめん、でも意外だったから…」

唯「もうっ、ばんごはん作ってあげないよ!」

梓「すいませんすいません! ……で、和先輩どうしちゃったの?」

唯「たしか床のぬれ雑巾につまづいちゃったんだよねえ、その時は」

梓「へえ……あ、意外とキャラに合ってるかも」

唯「和ちゃんは天然だよー」

梓「和先輩も唯には言われたくないと思う…」

616: 2011/02/12(土) 10:21:27.02 ID:9PohDvDAo

唯「それでね、そしたらひどいんだよ! 私がこぼしたんじゃないかって」

梓「え、なんで?」

唯「廊下側だったからみんなに見えてなくって、こぼれた大食缶だけ見てわたしだろって」

梓「それはひどい! それでどうしたの?」

唯「言ったよちゃんと。和ちゃんがこぼしたって。でも信じてくれなくってさ、和ちゃんが言うまで」

梓「あー、なんかそういうのムカムカするなあ」

唯「だよねー。でもそのあと帰り道でほめられちゃった、えへへ」

梓「な、なんで……?」

唯「和ちゃんがねー、あの時やけどの心配してくれたの唯だけだったって」

梓「……ふうん」

唯「なんかうれしそうだねあずにゃん」

梓「べつにー。ってか唯の話、飛び飛びで分かりづらいよ」

唯「あずにゃんだってまわりくどいじゃん。もういい私ねるからっ」

617: 2011/02/12(土) 10:21:53.43 ID:9PohDvDAo

梓「……雪、すごいねえ」

唯「……そうだね」


唯「あずにゃん、こっちおいで」

梓「うん……よいしょっと」

唯「おふとん、二人だとあったかいね」

梓「そりゃあね……」

唯「ねえ、丸くなってみてよ!」

梓「はあ……?」

唯「ほら、猫はこたつで丸くなるって言うじゃん! はい、あずにゃんも!」

梓「その設定って活きてたんですね…」

唯「設定とか言わない。ほら、ぎゅーっ」

梓「……うぅ」

618: 2011/02/12(土) 10:22:19.85 ID:9PohDvDAo

梓「……ふふ」

唯「……えへへ。なでなで」

梓「……んぅ……」

唯「あ、伸びした。猫みたい」

梓「いちいち比較しないでよ……ふぁ」

唯「眠くなっちゃった?」

梓「うん……唯のからだ、気持ちいいんだもん……」

唯「………」

梓「そういう意味じゃないってば!?」

619: 2011/02/12(土) 10:22:46.34 ID:9PohDvDAo

梓「はぁ……私が恥ずかしいよ……」

唯「ねえねえ」

梓「なあに?」

唯「明日、あえて出かけよっか」

梓「えー? 積もるよ、絶対」

唯「雪の上歩くの楽しいじゃん。片栗粉踏むみたいで」

梓「あー、わかる……わかるけどさあ」

620: 2011/02/12(土) 10:23:12.88 ID:9PohDvDAo

唯「あずにゃんと二人で雪の中歩いたことって、たぶんないよね」

梓「そうだねー……雪降ったときって澪先輩たちと一緒だったもんね」

唯「ちょっと出かけてみようよ。そしたら、いろいろ思い出すかもしれない」

梓「思い出したいの?」

唯「私はあずにゃんのなんでも知りたいの。……聞かせて? 小さい頃の話とか」

梓「うん……そうだね。明日散歩しながらお話しよっか」

唯「そうだね!」

梓「その時は……唯のも、聞かせてね」

唯「……うん!」


つづく。

621: 2011/02/12(土) 10:23:51.08 ID:9PohDvDAo
読んでくれた人ありがとう
昨日雪が降ったので思わず番外編 いつも以上に中身がなくてびっくり
でも素のままの二人のやりとりを聞いてたいのも親心というかなんというのか
次は夏フェスか澪の作曲風景か純と梓の飲み会にするつもりだけどどうなることやら

引用元: 梓「月日がたつのは早いなー」