4: 2011/07/04(月) 23:38:33.46 ID:JPDE2vXO0
QB「ぼくと契約して魔法テ口リストになってよ!」

ゴルゴ「俺は誰かと……専属の契約をする気は無い……
     必要なら……誰か別の人間を探すことだ……」

QB「ゴルゴ……」
魔法少女まどか☆マギカ ~The different story~ (上) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
5: 2011/07/04(月) 23:41:12.48 ID:JPDE2vXO0
―1時間後 見滝原市某所― 

ほむら「もうすぐ23時……」

ゴルゴ「曉美ほむら……だな」

ほむら「!」

ゴルゴ「用件を聞こうか……」

6: 2011/07/04(月) 23:47:11.20 ID:JPDE2vXO0
ほむら「貴方に狙撃を依頼したい」

ゴルゴ「……」

ほむら「ターゲットはこの写真の」

チャッ!

ほむら「!」

ゴルゴ「ゆっくりだ……ゆっくりと鞄から出せ……」

ほむら「……た、ターゲットは、この写真の二人よ」

ゴルゴ「……」

ほむら「名前は、美樹さやか、そして志筑仁美」

8: 2011/07/04(月) 23:57:10.38 ID:JPDE2vXO0
ほむら「報酬は、キャッシュでここに20万ドル用意したわ」

ゴルゴ「……なぜ、わざわざ俺を呼んだ……?」

ほむら「え?」

ゴルゴ「……ただ、この二人を頃すのなら、俺でなくとも問題ない筈だ……
    俺でなければならない条件を、俺はまだ聞いていない……」

ほむら「……この狙撃は、あなたでなければできない」

ゴルゴ「詳しく話してもらおうか……」

10: 2011/07/05(火) 00:04:47.26 ID:IiVYBY+y0
ほむら「まず、貴方にひとつ信じてもらわなければならないことがあるわ」

ゴルゴ(……)シュボッ

ほむら「私がこれから話すことは全て真実。フィクションやおとぎ話では無い」

ゴルゴ「その判断はあんたではなく、俺のすることだ……」

ほむら(……)

ほむら「この世界には、魔法が存在するの」

11: 2011/07/05(火) 00:08:33.48 ID:IiVYBY+y0
ほむら「到底信じてもらえないでしょうから、今証拠を見せるわ」

ピキィン! バシュゥ!

ほむら「これが……魔法少女の姿よ」

ゴルゴ「……」フゥー

ほむら「ぴくりとも驚かないなんて、さすがプロね」

ゴルゴ「俺は……お前のような、『人間以上の人間』を……何人も見てきた……」

ほむら「……」ゴクリ

14: 2011/07/05(火) 00:15:16.56 ID:IiVYBY+y0
ほむら「魔法少女は、魔女を頃すために存在しているわ。魔女というのは、人間を襲う化物のことよ。
     魔女は通常、自分たちの結界に閉じ籠もり、人間をおびき寄せては頃しているわ」

ゴルゴ(……)

17: 2011/07/05(火) 00:22:30.52 ID:IiVYBY+y0
ほむら「貴方を呼んだのは他でもない、その魔女の結界内で、美樹さやかを狙撃(シュート)して欲しいからなの。
     そんなことは普通の人間には出来ないわ。
     それに、もうひとつ、困難な条件をクリアしてほしいの」

ほむら「美樹さやかも魔法少女のひとりよ。彼女も、日々魔女を狩っているわ。
     狙撃は、彼女が魔女と戦っているところを狙って欲しいの。
     ――あたかも、魔女に殺されたように見せかけるために」

ゴルゴ(……)

19: 2011/07/05(火) 00:31:11.20 ID:IiVYBY+y0
ほむら「魔法少女の弱点は、ソウルジェムという魔石よ。私の場合は手の甲にある、これ」

ゴルゴ(……)

ほむら「美樹さやかのソウルジェムは……その写真にある、ヘソの部分の青い石よ」

ほむら「その破壊しない限り、魔法少女になった美樹さやかは氏なないわ。
    つまり、貴方には、魔女と美樹さやかが激しく動き回り、戦っている最中に
    その一点を狙撃してほしいの」

ほむら「しかも、魔女の結界という、非常に危険な場所で」

ゴルゴ(……)

ほむら「依頼を引き受けてくれるかしら、ゴルゴ13?」

ゴルゴ「俺は……依頼人が……『嘘』をつくことを許さない……」

ほむら「!」

21: 2011/07/05(火) 00:35:37.25 ID:IiVYBY+y0
ほむら「どういう、こと?」

ゴルゴ「お前が同じ魔法少女というのなら……この二人を事故に見せかけて頃すのは簡単な筈、だ」

ほむら「ッ!」

ほむら「……さすが、超A級のスナイパーね……」

23: 2011/07/05(火) 00:40:14.95 ID:IiVYBY+y0
ほむら「確かに、私には時間を停止させる能力がある。その力を使えば、美樹さやかも、志筑仁美も
     簡単に事故に見せかけて頃すことはできる。
     ……でも、私にはそれができない理由があるの」

ゴルゴ(……)

ほむら「もう一枚、写真を出すわ」

スッ

ほむら「鹿目まどか……私の、一番大切な、友だちよ」
     ……今回の依頼はすべて、彼女のためなの」

28: 2011/07/05(火) 00:49:30.85 ID:IiVYBY+y0
ほむら「私の目的は、彼女を魔法少女にしないことよ。魔法少女の運命は、戦いに敗れて氏ぬか
     それともその運命に絶望して魔女になるか……その二択しかない。
     魔法少女になれば、あの子の幸せは失われてしまう」

ほむら「私には、時間を遡って、過去に戻る能力もあるの。でも、何度遡っても、同じ結果にしかならなかった。
     美樹さやかは魔女になり、結局、まどかは魔法少女になってしまう。
     何度も、数えるのを諦めるほどやり直したわ……」

ほむら「そして、辿りついた結論は、美樹さやかを魔女になる前に殺害することと、志筑仁美を頃すことだった」

ゴルゴ「なぜ、魔法少女でない志筑仁美を頃す……?」

ほむら「バタフライ効果よ。彼女がいない世界線の方が、まどかが魔法少女になるタイミングが遅かったわ」

32: 2011/07/05(火) 00:59:09.73 ID:IiVYBY+y0
ほむら「ゴルゴ13……私が繰り返してきた世界線では、誰も私の言うことを信じなかったわ」

ゴルゴ(……)

ほむら「貴方は、依頼人の『嘘』を許さないと言った。こんな『嘘』みたいな話を信じられる?」

ゴルゴ「俺は……自分の目で見た物しか信じない……」

ほむら「それじゃあ……」

ゴルゴ「俺は、お前のその目を……よく知っている……。
     何度も悲惨な氏を目の当たりにした者だけが持つ、その『目』を……」

34: 2011/07/05(火) 01:06:02.74 ID:IiVYBY+y0
ほむら「!」

ゴルゴ「続けてくれ……」フゥー

ほむら(ありがとう、ゴルゴ13……!)

ほむら「私は、同じ魔法少女である、巴マミからも不信感を抱かれているわ。
     この世界線では、まどかからも、美樹さやかからも、信頼できない人間だと思われている。
     そんな人間がいる場所で、美樹さやかが魔女に殺されたら……疑われるのは私だわ」

ゴルゴ「疑われて、困ることがあるのか……?」

ほむら「数週間後、この街に超弩級の魔女『ワルプルギスの夜』が現れる。少なくとも、それまでには
     彼女たちと敵対関係になるわけにはいかないわ」

35: 2011/07/05(火) 01:10:20.50 ID:IiVYBY+y0
ほむら「私は、貴方を魔女の結界まで連れて行く。でも、その後、私はまどかとアリバイと作るわ。
     あくまでも、美樹さやかの氏亡が、『事故』であるように思わせるために」

ゴルゴ「志筑仁美も、同様、というわけか……」

ほむら「流石だわ、話が早いわね」

37: 2011/07/05(火) 01:19:32.13 ID:IiVYBY+y0
ほむら「さっきも行ったように、狙撃はとてもシビアな条件の下で行なわなければならないわ。
     魔女の結界の中には、同じように化物の、魔女の使い魔もいる。奴らも、貴方を襲ってくるわ。
     そんな状況の中で、親指くらいのターゲットを、魔女の攻撃にタイミングを合わせて
     撃ち抜かなければならない……。
     貴方にしか頼めない狙撃、よ」

ほむら「お願い、ゴルゴ13!」

ゴルゴ(……)

ほむら「……ッ」

ゴルゴ「……なぜ、そこまで鹿目まどかに、こだわる……?」

38: 2011/07/05(火) 01:27:19.64 ID:IiVYBY+y0
ほむら「それは、彼女を魔法少女にしないために……!」

ゴルゴ「それはあくまで、前提、だ。それに、ただ友だちだと言うだけでは、
     お前がこの少女のために命をかける理由には、ならない……」

ほむら「……信じてくれないかもしれないけど、本当に理由はそれだけよ」

ゴルゴ(……)

ほむら「私の、生まれて初めての友だちだった。私を、命をかけて守ってくれた、かけがえのない友だちだった。
     魔法少女になるとね、『願い』を一つだけ叶えられるの。
     私の願いは――」

ゴルゴ「もう、そこまででいい」

ほむら「え?」

ゴルゴ「そこから先は……これからずっと、自分の胸に留めておくことだ……。
     決して忘れないように、な」

43: 2011/07/05(火) 01:32:37.52 ID:IiVYBY+y0
ほむら「じゃ、じゃあ……依頼は……」

ゴルゴ「……やってみよう」

ほむら「ありがとう! ゴルゴ13!」

ゴルゴ「連絡方法は、こちらから追って指示する……。
     あんたは、俺を、その魔女の結界とやらに案内してくれれば良い……」

ほむら「わかったわ」

ほむら(これで……まどかを魔法少女にせずに、済むかもしれない……!)

45: 2011/07/05(火) 01:34:50.26 ID:IiVYBY+y0
―数日後―

ズキュゥゥゥ―――ン……!

パリィンッ!

52: 2011/07/05(火) 01:42:24.93 ID:IiVYBY+y0
―同日同時刻 見滝原市 レストラン―

まどか「ほ、ほむらちゃん! 大変だよ! 今、マミさんから電話があって……!」

ほむら「どうしたの、まどか」

まどか「さやかちゃんが……さやかちゃんが魔女に……」ウッ

ほむら(やってくれたのね……ゴルゴ13……)

ほむら「まどか、辛いかもしれないけど、貴女は受け入れなければならないわ。
     魔法少女になるって、こういうことよ」

まどか「でも……でも、こんなのってないよ! あんまりだよ!」

ほむら(まどか……)

53: 2011/07/05(火) 01:48:25.69 ID:IiVYBY+y0
エピローグ


―数週間後 見滝原市―

ほむら「じゃあ、行ってくるわ」

マミ「鹿目さん、帰ってきたら美味しい紅茶を飲みましょうね」

杏子「じゃあな、ちゃんと良い子にしてるんだぜ?」

まどか「みんな……」

マミ「そんな顔しないで。魔法少女が3人もいるんだもの。『ワルプルギスの夜』だって、
   きっとやっつけてみせるわ」

杏子「そんな顔されると、逆に自信なくすなー」

まどか「マミさん……杏子ちゃん……」

杏子「それに、氏んじまったアイツのためにも負けられないしな」

56: 2011/07/05(火) 01:52:07.16 ID:IiVYBY+y0
まどか「あれから、仁美ちゃんも氏んじゃって……もう私、誰が氏ぬところも……見たくないよ……」

ほむら(……)

ほむら「心配しないで、まどか。私たちは必ず帰ってくる」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

杏子「おう。お前も大丈夫だな?」

ほむら「準備はできているわ」

まどか「あ、待って」

ほむら「?」

57: 2011/07/05(火) 01:56:14.16 ID:IiVYBY+y0
まどか「これを……」シュルッ

ほむら「これは……」

まどか「私のリボン。お守りの代わり。
    ……必ず、帰ってきてね……」

ほむら「ええ、もちろんよ」

ほむら(だって私は……そのためにこの手を血で汚したんだから……!)



                           ―END―

58: 2011/07/05(火) 01:56:35.12 ID:MFyJC3xZ0
キリが良いのか悪いのか……乙

61: 2011/07/05(火) 01:58:15.59 ID:IiVYBY+y0
お読み頂いた方、ありがとうございました。
後半はやや蛇足気味な感じでしたが、少しでもゴルゴの格好良さを感じて頂けたなら幸いです。

引用元: QB「僕と契」 ゴルゴ「俺の後ろに立つな」ドンッ