1: 2011/09/10(土) 23:31:16.18 ID:RxwRK50BO
クロスオーバーSSスレでゲソ!

6: 2011/09/10(土) 23:42:09.83 ID:RxwRK50BO
ギュウウウウンッ!!

岡部「くっ…この感覚、やはり慣れないな」

岡部「俺のリーディング・シュタイナーは世界線の変動を捉えた。早速現状の把握を……」

ザザーンッ

岡部「把握、を……」

ザザーンッ

岡部(ここで少し今までの事を振り返ってみよう。世界線を改変するたびに多少の差異はあっても、未来ガジェット研究所のある秋葉原を中心に物語は動く。時にはラボメンガールズ(一人を除く)と、らぶChuChu!の関係になった世界線さえある)

岡部「ならこれは一体どう説明すれば良いのだ!?」

岡部「海!浜辺!照り付ける夏の太陽!この世の混沌を具現化したような秋葉原の町とは似ても似つぬ風景」






7: 2011/09/10(土) 23:44:05.23 ID:RxwRK50BO
岡部「此処は何処だ!!俺はどうしてこんな場所に突っ立っている!?」

岡部(…これはもしかして、かなりマズイ事になっているのか?)ピッ

岡部「俺だ。どうやら奴らに頭の中を弄り回された挙げ句、未開の地へと遺棄されたらしい。何、どうしてお前の事を覚えていたかだって?ふっ、奴らは俺達を甘くみたんだ。鋼よりも強固な絆を断ち切る事など叶わないのにな」

岡部「ああ、事態は極めて深刻だが必ず帰還して見せるさ。これも運命石の扉の選択なのだろう。エル・プサイ・コングルゥ」ピッ

8: 2011/09/10(土) 23:46:04.99 ID:RxwRK50BO
岡部(落ち着いた後浜辺を歩いた俺は人を発見し、自分の置かれた状況を理解した)

岡部(どうも海水浴場の近くだったらしい。それによくよく自分の姿を見てみれば海パンの上に白衣。勿論俺に着替えた記憶はない。しかも白衣は薄手の生地で風通しは良好。察するに普段からこの格好なのだろう)

岡部「どんな変態だよ!」

岡部(…自分で自分にツっこむのは駄目だ。空しさがハンパない)

岡部「もしクリスティーナの奴がこんな格好の俺を見たら……」

9: 2011/09/10(土) 23:48:33.09 ID:RxwRK50BO
紅莉栖『橋田は只のHENTAIだけど、今の岡部は完全なるHENTAIと露出狂のコンボでFA。通報しますた』

岡部「しかし、この世界線は今までと状況がまるで違う。一体これからどうすれば…」

???「あ、いたいた。ちょっと岡部!」

岡部「え……?」

???「あんたこんなとこでなにやってんのよ。ほら、さっさとお店の方手伝いなさい」

岡部「……紅莉栖?」

紅莉栖「あら。いつもは助手かクリスティーナなのに、名前で呼ぶなんて珍しい」

岡部「お、お前は牧瀬紅莉栖で間違いない、よな……?」

10: 2011/09/10(土) 23:51:03.78 ID:RxwRK50BO
紅莉栖「…遂に暑さで脳みそ沸騰しちゃったか。宜しい、じゃあ私が牧瀬紅莉栖ではない理由を100文字以内で答えよ」

岡部(…ああ、間違いない。我が助手にしてアメリカ帰りの帰国子女、生粋の@ちゃんねらーであるラボメンナンバー004牧瀬紅莉栖。だとすると!)

岡部「クリスティーナ!」ガシッ!

紅莉栖「きゃっ!?ちょ、ちょっと岡部…いきなり肩なんか掴んでどういう…って言うか顔近い!近いから!」ドキドキ///
岡部「まゆりは!?」

紅莉栖「……は?」

岡部「ダルとルカ子、鈴羽にフェイリスや萌都も居るな?」

12: 2011/09/10(土) 23:54:08.07 ID:RxwRK50BO
岡部(アトラクタフィールドにより世界線は収束する。秋葉原でなくとも紅莉栖は俺と知り合ったのだ。つまり、他の皆も一箇所に集まっている可能性が非常に高い)

岡部「どうした、早く答えろ。俺の助手なら造作もない筈だろう」

紅莉栖「…いやまあ、あんたにそんな甲斐性がない事くらいは分かってたつもりなんだけど。……自己嫌悪だわ」

岡部「何を訳の分からん事を、これは世界の存続に関わる最優先事項なのだ!」

紅莉栖「はいはい、とっとと行くわよ」グイッ!

岡部「何故俺の耳を引っ張る、クリスティーナ!?」

15: 2011/09/11(日) 00:00:39.46 ID:w7+Obj+LO
紅莉栖「さあ、どうしてかしら。その灰色の脳細胞をフル活用して答えが出れば良いんだけど…ね!」ギリギリッ!

岡部「足!足踏んでるぞ!!」

紅莉栖「ええ、踏んでるわね」

岡部「…なんで怒ってるんだ?」

16: 2011/09/11(日) 00:04:43.65 ID:w7+Obj+LO
岡部(この一言で何故か助手は完全に閉口。どうにかラボメンの現状を聞き出そうと、我が灰色の脳細胞を正しく沸騰しそうなくらい活性化させた俺は重要な事に気付いた。携帯のアドレスをチェックすればよかったのだ)

17: 2011/09/11(日) 00:07:37.70 ID:w7+Obj+LO
岡部(そうすればラボメンとの関係等すぐ分かるものを……まあ、いかなる天才にもミスはある。深くは考えない)

26: 2011/09/11(日) 00:30:49.73 ID:w7+Obj+LO
岡部(チェックを済ませ、クリスティーナに連行…ごほん、目的地に到着した事で俺の不安は一気に晴れた)

岡部(しかし喜んだのもつかの間、まさかこんな所で人類史を揺るがしかねない程の事態に巻き込まれようとは思いにもよらなかった。そう、鳳凰院凶真こと岡部倫太郎はこの異質な世界線を象徴する存在……海からの侵略者と遭遇してしまったのだ)


岡部「よし、大体分かった」

紅莉栖「世界の破壊者ですね、分かります」

岡部「ええい、うるさい!俺は今まさに未知なる世界と戦っているのだ。余計なツッコミを入れるな」

紅莉栖「厨二病乙」

29: 2011/09/11(日) 00:35:54.36 ID:w7+Obj+LO
ダル「焼きそば3人前、上がったお!」

フェイリス「はいは~い♪フェイリスに任せるニャン♪」

ナンパ男「君可愛いね、一緒に泳がない?」

るか「ええっ!?いえ、あの…こ、困ります……」

まゆり「あ、るか君~。こっちのお客さんにお水お願いしても良いかな」

るか「う、うん!直ぐにお持ちするね」

岡部(ここは海の家メイクィーン+ニャン2。どうやらこの世界線でもフェイリスの奴は中々のやり手らしく店内は客で一杯だ)

岡部(そしてまゆりにダルやルカ子。例え状況は違えど、見慣れた光景に少なからず安堵した)

30: 2011/09/11(日) 00:38:50.83 ID:w7+Obj+LO
岡部(しかし。俺は直ぐにその安寧を打ち砕く二つの相違点に気付いてしまった。その一つが…)

岡部「貴様ら、その格好は一体どういうつもりだ」

まゆり「あ、オカリントゥットゥルー♪」

岡部「まゆり。水着の上にメイド服というのはだな、その…些か過激過ぎると思うんだが」

まゆり「え~、まゆしぃは可愛いと思うのです」

フェイリス「むっふふっふ、ここでしか見られないサービシーンも満載ニャ♪」

ダル「フェイリスたんのサービスシーン……あ、やべ鼻血が」

紅莉栖「HENTAIは自重しろ」

31: 2011/09/11(日) 00:40:33.34 ID:w7+Obj+LO
岡部「ルカ子よ、お前まで…」

るか「ぼ、僕も最初は断ったんです。でも、おか…凶真さんと一緒なら頑張れるかなって。あ、いえその全然深い意味ではないんですよ、全然」

紅莉栖「まあ、確かに最初は恥ずかしかったけれど流石にもう慣れたわよね」

岡部(な、なんて事だ……これが俗に言う若者の性の乱れと言う奴か。くっ、いずれこの俺が世界を征服した暁にはきっちりと再教育せねばなるまい)

???「お前達いつまで油を売っているつもりでゲソ!私の触手を持ってしてもこの数は捌ききれないじゃなイカ!」ウネウネ

33: 2011/09/11(日) 00:43:06.15 ID:w7+Obj+LO
岡部(そう、そしてこれがもう一つの相違点。ラボメン達は現状に違和感を感じていない、つまり奴は周知の存在なのだ。ここは多少強引にでも正体を確かめなければならん)

岡部「貴様は……何者だ!?」

紅莉栖「……」

まゆり「……」

ダル「……」

るか「……」

フェイリス「……」

???「……凶真よ、おぬし一体何を言っているのでゲソ?」

岡部(凶真?つまり俺の事を岡部倫太郎ではなく、鳳凰院凶真と認識しているのか。ならばこちらもそれに応えた方が良さそうだ)

34: 2011/09/11(日) 00:45:34.93 ID:w7+Obj+LO
岡部「フゥーハハハハッッ!!狂気のマッドサイエンティストたる鳳凰院凶真が少しばかり留守にしていただけで前線基地内部に敵の侵入を許すとは……お前達情けないぞ!」

るか「……えぇ~っと」

紅莉栖「今北産業」

ダル「またオカリンの病気が始まったお」

まゆり「ほぇ~。メイクィーンって前線基地だったんだ…まゆしぃちっとも知らなかったよ」

フェイリス「まゆしぃ、これは凶真とフェイリスだけが知る機密レベルトリプルAクラスの超極秘事項だったのニャ。知らなくても無理はないニャン」

35: 2011/09/11(日) 00:47:40.76 ID:w7+Obj+LO
???「……くっくっくっ。私は全てを理解したでゲソ。やはり凶真はこちら側の人間なんじゃなイカ。ならば私も改めて名乗らない訳にはいかないでゲソ!」

イカ娘「私の名前はイカ娘!人類に変わり地上を我が者とする為にやって来た海からの侵略者でゲソ!」ババーンッ!

イカ娘「いや~、久しぶりの名乗りは気持ちが良いものでゲソね。人間共よ、もっと私を恐れて良いのでゲソよ?アーッハッハッハ!」

ダル「イカ娘氏の名台詞キタコレ!」

まゆり「まゆしぃはね、イカ娘ちゃんはやっぱりコスプレの素質があると思うのです。衣装は私が作るから今度一緒にコミマ行こうよ♪」

37: 2011/09/11(日) 00:50:06.21 ID:w7+Obj+LO
岡部「……」

フェイリス「イカ娘ニャン、メイクィーンの制服を着てくれたらフェイリスとっても嬉しいニャン♪」

るか「イカ娘さん、きっと似合うと思うよ」

紅莉栖「それには同意」

岡部「……イカ娘とやら?」

イカ娘「な、なんでゲソ」

岡部「侵……?略……??者……???」

イカ娘「疑問符が多過ぎじゃなイカ!?」

岡部「それはそうだろう。海からの侵略者などと…実に馬鹿馬鹿しい」

紅莉栖「厨二病全開の奴が言えた事じゃないけどな」

岡部「鳳凰院凶真は真名だと何度言えば分かるのだ、これだからスイーツ(笑)は」

38: 2011/09/11(日) 00:52:38.16 ID:w7+Obj+LO
萌郁「イカちゃん……可愛い」

岡部「おわっ!?だ、誰かと思えば指圧師か。貴様一体何処から現れたのだ、全く気配を感じなかったぞ」

パシャッ!

岡部「指圧師?」

パシャッ!パシャッ!

岡部「何だそれは?」

萌郁「……カメラだよ?」パシャシャシャッ!!

岡部「……何故、イカ娘を撮っている?」

萌郁「……コレクション」パシャッシャシャシャッ!!

岡部(その会話があまりにも自然で危うくスルーしそうになったが、あの桐生萌郁が普通に喋っている)

岡部(携帯を介さずに会話可能、つまり依存の対象が携帯ではなくカメラ……いや、イカ娘に移った?これも世界線変動による影響なのか)

39: 2011/09/11(日) 00:54:38.87 ID:w7+Obj+LO
イカ娘「くぅ~っ、大人しくしておれば人間の分際で調子に乗りおって……私はコスプレはしないしメイド服も着ないでゲソ!そして萌都よ、一体いつまで撮るつもりでゲソ!」

萌都「ずっと」パシャシャシャシャシャシャシャ!!!

イカ娘「ならば……これを喰らうと良いじゃなイカ!」シュルシュルシュル…ビシイッ!!

岡部「指圧師!」

萌都「くうっ……」

イカ娘「おやおや、我が触手を前に手も足も出ないとは実に情けないじゃなイカ。ゲーソゲソゲソ♪」

40: 2011/09/11(日) 00:56:49.11 ID:w7+Obj+LO
岡部(何て事だ。ラボメン達が親しげに話しかけ周りの客もそれを受け入れているからと油断した。これが敵の狙いなら……奴は本当に侵略者なのかもしれない)

岡部「イカ娘、指圧師を離せ!」

イカ娘「お断りでゲソ。萌郁には私がいかに恐ろしい存在であるか、その身体にじっくりねっとりと教え込むのでゲソ」

ダル「イカ娘氏、じっくりねっとりの辺りをもっと扇情的にリピートプリーズ」

イカ娘「至よ、それが一体なんになると言うのでゲソ?」

ダル「あえて繰り返す事により相手の恐怖が増すんだお。それも心の底から喜びを表す感じなら最高」

41: 2011/09/11(日) 00:58:56.16 ID:w7+Obj+LO
イカ娘「ほほぅ、確かにそれは中々効果的なんじゃなイカ。さぁ、萌郁よ……今からおぬしを『じっくり、ねっとり♪』調教してやるでゲソ」

ダル「キマシタワー!!僕、暫く妄想には困らないと思われ。フヒヒ、あざーっす!」

イカ娘「?」

紅莉栖「気付いていないのがせめてもの救いね」

岡部「ダルよ、そんなHENTAI行為に勤しんでいる場合じゃないだろ!クリスティーナも何を呑気な」

紅莉栖「だっていつもの事じゃない」

岡部「い、いつも…?」

紅莉栖「ちょっとしたじゃれあいよ。多分すぐに終わるから暖かく見守りましょ」

萌郁「はぁっ……はぁっ……」

42: 2011/09/11(日) 01:01:15.35 ID:w7+Obj+LO
イカ娘「くっくっくっ、随分苦しそうじゃなイカ。さあさあ、素直に許しを請うのならば解放するのもやぶさかではないでゲソよ」

萌郁「……我慢」

イカ娘「ゲソ?」

萌郁「出来ない!」ペロペロペロペロッ!!

イカ娘「ひいっ!?」ゾクゾクゾクッ!!

岡部(瞬間、その場に居る全員が固まった。まあ、誰でも同じ反応を取るに違いない。何しろ、指圧師がイカ娘の触手を舐めている。いや、口に含んで吸った。おっと、遂にしごきだしたぞ)

萌郁「ふむぅっ…ちゅぱっ…ジュルルルルッ!」コスコスコスコス!!
イカ娘「お、おぬし一体何をして……はううううっっ!!」

43: 2011/09/11(日) 01:04:04.06 ID:w7+Obj+LO
岡部(動き出した時間の中で、ダルなどはこの痴態を録画出来る機器を持って来ていない事に本気で悔し涙を流しながらも、ありがとうございます!ありがとうございます!などと叫びながら、狂気乱舞)

岡部(まゆりとルカ子は顔を真っ赤にしつつもしっかりとガン見、フェイリスは客を外へ誘導している。所謂、見ちゃいけません状態だ)

萌郁「イカちゃんイカちゃんイカちゃんイカちゃんイカちゃんイカちゃんイカちゃんイカちゃんイカちゃんイカちゃん」

イカ娘「い……いやーーでゲソーー!!」

ポイッ ヒュルルルルル ドパアアンンッ!!

岡部(桐生萌郁は……跳んだ)

44: 2011/09/11(日) 01:06:22.63 ID:w7+Obj+LO
岡部「……クリスティーナ。これがいつもの事なのか?」

紅莉栖「……」

岡部「おい、どうした助手」

紅莉栖「へ!?な、なんか言った?」

岡部「だから、先程のような光景がいつも繰り広げられているのかと聞いているんだが」

紅莉栖「そんな訳あるか!」

岡部「逆ギレ!?」

紅莉栖「いつもなら桐生さんが大人しく従って終わりだけど、今日みたいな激しい……プ、プレイは流石に見た事無いわね」

岡部「プレイ?それはどういうプレイなのだ?」

紅莉栖「ッ!あんたってほんっとデリカシーないのな!」

46: 2011/09/11(日) 01:09:15.40 ID:w7+Obj+LO
岡部(俺にこの世界線での記憶はない。つまり桐生萌郁の過去と現在を比較しようがないのだ。あるのはこれまでに積み重ねて来た記憶だけ)

まゆり「ふわぁ~、萌郁さん凄かったね~。まゆしぃはびっくりしちゃったのです」

るか「あわわわわわわ……」

ダル「ゆるゆりも良いけどガチ百合最高です!」

岡部「閃光の指圧師から閃光の前戯師(シャイニング・テクニシャン)へと成り果てた……か」

フェイリス「モエニャンの封印されていた人格が目覚めてしまったのニャ。今はまだ第五段階止まり……凶真、これ以上の覚醒はなんとしても防がないといけないニャン」

47: 2011/09/11(日) 01:11:41.44 ID:w7+Obj+LO
イカ娘「怖いでゲソ怖いでゲソ怖いでゲソ怖いでゲソ怖いでゲソ」

まゆり「大丈夫だよイカ娘ちゃん。まゆしぃがよしよししてあげるね」

イカ娘「う…うわあああんっ!まゆりは私の女神でゲソーー!」

岡部(そんな一騒動も落ち着いて店を再開しようした時、懐かしくも良く聞き慣れた声が響いた)

???「こんちわーー!」

岡部「む?おおっ、バイト戦士ではないか」

鈴羽「やっほー。岡部倫太郎の所はいつも賑やかだねー」

天王寺「よう岡部、相変わらずほっせえ身体してんな。男ならちっとは鍛えろ」

綯「こ、こんにちわオカリンおじさん」

48: 2011/09/11(日) 01:14:03.26 ID:w7+Obj+LO
岡部(今まで鈴羽達と出会わなかったのは、ミスターブラウンの経営する海の家ブラウン管工房に居た為のようだ。不吉な店名に恐る恐る内情を伺うと、客の入るスペースを残して後はブラウン管でびっしり)

岡部(そのような魔窟、若者やカップルの多い海水浴場で流行る要素が皆無なのは容易に想像出来る。しかしいざオープンすれば、誰も思い付かなかった奇抜な内装に客入りは意外にも上々。世の中何がウケるかさっぱり分からん)

岡部「それで、今日はライバル店の偵察ですか?」

天王寺「いんや。岡部よ、ちょいとお前に聞きたい事があってな」

49: 2011/09/11(日) 01:16:17.69 ID:w7+Obj+LO
岡部「俺に?」

天王寺「単刀直入に聞く。おめぇ、萌郁が何処に居るか知らねぇか?」

岡部(指圧師の居場所を何故わざわざ確かめる?む、まてよ。そういえば確かミスターブラウンは萌郁の親代わりを勤めていたな。この世界線でもそこは共通しているのか)

岡部「シスターブラウンならまだしも、指圧師は子供と言う歳ではないでしょう。あまり心配し過ぎるのもどうかと思いますが」

天王寺「ほぉ……」ピキピキ

岡部「み、ミスターブラウン。何故そんなに恐い顔をしていらっしゃるのでしょう…?」

鈴羽「え~っと、岡部倫太郎」

50: 2011/09/11(日) 01:18:30.28 ID:w7+Obj+LO
岡部「なんだ、バイト戦士よ」

鈴羽「実はさっき桐生萌郁に会ったんだよね」

岡部「お前が?ならば俺に聞く必要はないだろ」

鈴羽「もっと正確に言うとさ、海に浮かんでた所をあたしが助けたんだ」

岡部「浮かん……あっ!」

岡部(ヤバい。そう思った瞬間、優秀過ぎる我が灰色の脳細胞が高速で働き出す)

鈴羽「店の外に居たら何かが海に落ちる音が聞こえてね。なにかな~って見に行ったら女の人が俯せになって浮かんでたの」

岡部(ああ、知っている。どうしてそうなったか…俺は全てを見ていたのだから)

51: 2011/09/11(日) 01:20:32.39 ID:w7+Obj+LO
鈴羽「で、慌てて助けて見たらびっくり。だってまさか桐生萌郁だと思わないじゃん」

岡部(事態は加速度的に悪い方向へと突き進む。全身から吹き出す冷や汗で、真夏だと言うのに震えが止まらない)

鈴羽「何があったか聞こうとしても、この世の終わりみたいな顔で『カメラ……カメラ……』って呟いたと思えば今度はすんごい嬉しそうな顔で『イカちゃん……イカちゃん……』の繰り返し」

岡部(鈴羽もういい。俺は全てを理解した)

鈴羽「店長にそれを話したら『岡部の所に行く』で、あたし達がここに来た訳だよ」

岡部「……」

天王寺「岡部」

岡部「はいっ!」

52: 2011/09/11(日) 01:22:06.31 ID:w7+Obj+LO
天王寺「俺だって鬼じゃねぇ。おめぇの言い分があるならちゃんと聞くし、俺の推測が間違ってる可能性だってある」

天王寺「だがもし、もしもだ。ほんの少しでも嘘やごまかしを言ってみろ。…五体満足じゃいられないと思え」

岡部「イカ娘がやりました!!」

岡部(そのやり取りを見守っていたラボメン達は俺の的確な指名に反応する)

ダル「オカリン……ないわぁ」

紅莉栖「そこは敢えて庇うとかでしょうに…空気読みなさいよ」

るか「岡部さん…男らしくないです」

53: 2011/09/11(日) 01:24:04.11 ID:w7+Obj+LO
フェイリス「フェイリスには分かるニャ。きっと凶真にはフェイリス達じゃ想像もつかないような深い考えがあるって」

まゆり「オカリン。まゆしぃはオカリンの事信じてるよ」

岡部(それぞれが思い思いの言葉を投げかける。しかし、今俺の中にある感情はミスターブラウンに対する恐怖)

岡部(…きっとこれがベストな選択だ。元々イカ娘はラボメンでも何でもない異質な存在。故に俺が奴を庇う理由など……何処にもありはしない)

天王寺「おい、イカ娘」

イカ娘「はいっ!」

天王寺「お前が萌郁をやったんだな?」

54: 2011/09/11(日) 01:26:10.78 ID:w7+Obj+LO
イカ娘「そ、それには海よりも深い訳と言うか私はただ萌郁といつものように……」

天王寺「やったのか、やってないのか!?」

イカ娘「ひぃっ…!」

綯「待ってお父さん!そんなに大きな声出したらイカちゃんが可哀相だよ」

イカ娘「綯……!」パアッ!

天王寺「いいか、綯。お父さんだって怒りたくて怒ってる訳じゃない。綯は萌郁お姉ちゃんの事が好きか?」

綯「うん。萌郁お姉ちゃんとっても優しいから好き」

天王寺「じゃあもし誰かのせいで萌郁お姉ちゃんが怪我したらどう思う?」

綯「そんなの嫌!」

55: 2011/09/11(日) 01:28:01.88 ID:w7+Obj+LO
天王寺「お父さんだって嫌さ。だけど怪我をさせたらちゃんと謝る、それが大切だ」

綯「……」

天王寺「お父さんの言いたい事、分かるな」

綯「うん…分かった」

天王寺「さてイカ娘。お前と萌郁の間に何があったかは分からねぇ。だが下手したら取り返しのつかない事になってたかもしれねぇんだ」

イカ娘「……」

天王寺「先ずはお互いに謝るべきだと俺は思う。何か間違った事言ってるか?」

イカ娘「……確かに、私も突然の事に驚いて少々やり過ぎてしまったかもしれないでゲソ。萌郁にはちゃんと謝るでゲソ」

天王寺「よし、良い子だ」

56: 2011/09/11(日) 01:30:01.97 ID:w7+Obj+LO
紅莉栖「あれぞ正しくパパって感じよね」

ダル「僕、天王寺氏になら掘られても良いお」

るか「何だが僕、感動しぢゃっで涙が……うっ、ぐすっ」

まゆり「るか君、ハンカチだよ」

るか「うん、ありがとうまゆりちゃん」

フェイリス「これでめでたしめでたしかニャ♪」

岡部(俺は……間違えた。ラボメンじゃないという最もらしい理由をあてがい自分を誤魔化し、襲い掛かってくるであろう未知の恐怖に背を向けたのだ)

岡部(そして残ったのは後悔。あの時こうしていれば、こうはならなかった。そんな都合の良い願望ばかりが心に渦巻く)

57: 2011/09/11(日) 01:32:49.61 ID:w7+Obj+LO
岡部(これまでに何度も失敗した。何度も心が折れそうになった。しかしその度に仲間達が支えてくれた。その積み重ねがなければ今の俺はここに存在していない)

岡部(また失敗したからと言って何もしないのか?……答えは否!イカ娘が何者だろうと関係ない。せめて萌郁とだけはきっと元通りの関係に戻して見せよう。それが俺に出来る罪滅ぼし……いや、世界に与えた使命だと信じて)

岡部「イカ娘!」

イカ娘「…凶真」

岡部「俺にも、手伝わせてくれ」

紅莉栖「岡部、あんた……」

岡部「お前を売った事は謝る。自分の弱さも認めよう。そんな俺でも良いと言うのなら」スッ

58: 2011/09/11(日) 01:35:12.11 ID:w7+Obj+LO
ダル「ちょっ、オカリンが頭下げる所なんて初めて見た希ガス」

岡部(頭なんていくらでも下げてやる。プライド?そんなものは野良犬にでも食わせてしまえ)

岡部「頼む……!」

まゆり「オカリン……」

イカ娘「…世界を征服しようと言うものが、簡単に頭を下げるものではないでゲソ」

岡部「……!」

イカ娘「凶真よ。おぬしの心意気、しっかりと私の胸に響いて伝わったんじゃなイカ」

るか「…僕、謝らないといけないですね。今の岡部さん、とっても男らしくて素敵です」

フェイリス「ニャフフ♪それでこそフェイリスの見込んだ王子様ニャン♪」

59: 2011/09/11(日) 01:37:03.55 ID:w7+Obj+LO
岡部「フ……フゥーーハハハハッッ!イカ娘はいずれこの狂気のマッドサイエンティストと世界を賭けて争う存在。このような所で倒れられ神々の黄昏<ラグナロック>の名が霞んでしまってはたまらんからな。ヌゥーーハハハハッッ!」

鈴羽「岡部倫太郎も素直じゃないね」

紅莉栖「テンプレに採用されても良いぐらいのツンデレだわ」

ダル「でもま、この方がオカリンらしいお」

まゆり「うん。まゆしぃも今のオカリンの方が好きなのです♪」

るか「おか…凶真さん!まだまだ未熟者ですが、僕もお供します」

フェイリス「それじゃあ皆、ご奉仕に戻ろうかニャン♪」

60: 2011/09/11(日) 01:38:26.80 ID:w7+Obj+LO
岡部(今度こそ営業再開だと皆が意気込む中、メイクィーンの店内を一瞥した俺はとある人物が入り口に立っているのに気付いた。濡れた髪に覆われ表情を伺い知る事は出来ない。だがそれは紛れもなく……)

岡部「指圧師!」

天王寺「萌郁か!おめぇ身体は大丈夫なんだろうな。どっか痛い所とかは……」

萌郁「……ま」

天王寺「ん?なんだって?」

萌郁「邪魔」ヒュッ

岡部(次の瞬間、ミスターブラウンは跳んでいた。比喩的な表現では無く物理的にだ。並の男じゃ全く太刀打ち出来ない処か、その巨体を浮かせる事など不可能に近い筈なのに)

62: 2011/09/11(日) 01:41:19.84 ID:w7+Obj+LO
岡部(イカ娘は何もしていない。と、なると……いやいや、それは有り得ないだろう常識的に考えて)

天王寺「うおおおおおっ!?」ヒュルルルル ドパアアンンッ!!

綯「お、お父さーーんっっ!!」

鈴羽「店長ーーッッ!!」

岡部(二人の絶叫が空しくこだまする。しかしミスターブラウンは、今や海の藻屑だ)

るか「え?え?」

ダル「マジで?え、これマジで?」

まゆり「萌郁さん……なの?」

萌郁「……」

岡部(指圧師の瞳に俺達は映っていない。その眼光が見据ているのはイカ娘ただ一人)

63: 2011/09/11(日) 01:43:45.55 ID:w7+Obj+LO
イカ娘「も、萌郁。さっきの事を怒っているのでゲソ?それならちゃんと謝るでゲソ」

イカ娘「だけど萌郁にも責任はあると思うんじゃなイカ。いきなりあんな事をされたら誰だって気が動転するってものでゲソよ」

岡部(イカ娘の謝罪にも何故か指圧師は反応を示さない)

紅莉栖「ほら岡部、さっきの威勢はどうしたのよ。イカ娘を手伝うんでしょ」グイグイ

岡部「こら、押すなクリスティーナ!そう急かさなくとも、この鳳凰院凶真に二言はない」

岡部「あ~ごほん。どうだ指圧師よ、イカ娘もこうして謝っているのだ。怒りを鎮め冷静なる話し合いをだな……」

64: 2011/09/11(日) 01:45:33.80 ID:w7+Obj+LO
萌郁「データ、消えた」

岡部「で、データ?」

萌郁「保存、出来ない」

岡部「保存……?」

岡部(なんだこれは。まるで話が噛み合っていない。何かとても……嫌な感じがする)

萌郁「だから……持ち帰る」ヒュッ

岡部「へ?」

岡部(その一言を最後に、跳んだ。繰り返すが比喩的にでは無く物理的にだ。余りにも突然過ぎて自分が空を舞っていると理解したのは、海面に向かい自然落下を始めた時である)

まゆり「オカリーーンッッ!!」

岡部(遠くでまゆりの叫ぶ声が聴こえる。ああ、また心配をかけてしまったな……そんな事を考えつつ、俺は海中ダイブを決めた)

66: 2011/09/11(日) 01:47:54.77 ID:w7+Obj+LO
岡部(さて、そこからの顛末はこうだ。萌郁は言葉通りイカ娘自身を持ち帰る気満々。当のイカ娘は触手で応戦するが、ことごとく交わされ防戦一方)

岡部(一体指圧師の何処にそんな力が秘められていたのかは、恐らく永遠の謎だろう。しかし、そこに敢然と立ちはだかるものが現れた。阿万音鈴羽である)

鈴羽「やっと本性を現したね。あたしはあんたを止める為にこの時代にやって来たんだ」

萌郁「……目障りよ。貴女も排除するわ」

鈴羽「そう簡単に行くかどうか、試して見たら?」

岡部(後で聞いた話だと、未来では指圧師がイカ娘お持ち帰りに成功したらしい)

67: 2011/09/11(日) 01:49:48.49 ID:w7+Obj+LO
岡部(だが何とそれが原因で世界中の海が異常気象に見舞われ、陸と海の総面積が逆転すると言うにわかには信じ難い世界が訪れるそうだ)

イカ娘「鈴羽はこちらの味方でゲソよ。大人しく我が下僕となるのなら、これまでの事を海よりも広い心で水に流してやっても良いんじゃなイカ!」

萌郁「それは……愛の告白?」

イカ娘「何処をどう聞き間違えばその答えに行き着くのでゲソ!?」

岡部(未来の行く末が掛かっているとはとても思えないような闘いを、俺は波に揺られながら見守る。ちなみにシスターブラウンとラボメンは避難して無事だ)

68: 2011/09/11(日) 01:51:06.82 ID:w7+Obj+LO
岡部(何故俺はこの世界線に辿り着いたのか、その理由は今でもさっぱり思い出せん。しかし、ふと思ってしまった。海からの侵略者を名乗り、地上を侵略しようとするもどこか憎めない存在。そんな奴が居る世界も面白いのではないか……と)

岡部「海を征服するのは、骨が折れそうだな」

岡部(無意識にそんな事を考えてしまうのは、既にイカ娘が俺達にとって大切な仲間の証だ)

岡部(世界は無限、故に有限でもある。今ある時を精一杯楽しもう)

岡部「そう、全ては……運命石の扉の選択なのだから」

ーーエル・プサイ・コングルゥーー


71: 2011/09/11(日) 02:04:29.18 ID:5TibNT+c0

引用元: 岡部「海からの侵略者」