511: ◆m9tEpcJqyE 2014/08/02(土) 02:32:23.06 ID:JISUejCco


前回はこちら


 《艦娘想歌vol.1・vol.2は8月下旬以降発売予定》



プロデューサー(以下P)「……というわけなのですが」

提督「は、はあ、海軍のPR映像と艦娘のイメージソング……」

P「ええ、各鎮守府から何名かずつ選出してもらっているのですが……提督さん的に、この子は歌が上手そうという子はいませんか?」

提督「ふ、ふむ……」

P「あと、できればプロモ映像の写りもよさそうな子だと最高なんですけど!」

提督「歌が上手そうで画面栄えする艦娘……わかりました、少し考えてみます」



※このお話は、個性的な艦娘たちと提督の鎮守府での日常をたんたんと描くだけのものです。
過度な期待はしないでください。

鎮守府での四方山話シリーズ





512: 2014/08/02(土) 02:33:16.93 ID:JISUejCco
提督「……というわけなのだが」

神通「わ、私、ですか?」

提督「私もいろいろ考えたのだが……その結果、頼めそうなのは神通君しかいないと」

神通「!」

神通「そ、それはどうしてでしょうか……」(ドキドキ

提督「う、うむ……最初は漣君はどうかと考えたのだが、歌の途中で妙な叫び声を上げそうだった」

神通「(キタコレ、とかメシウマのことですね……)」

提督「大和君は……求められたものと別なものを熱唱しそうだった」

神通「(提督へのラブソング……私も歌ってみたいです)」

提督「金剛は……妙ちくりんな日本語の発音がPRには向かないだろうし、かといって英語にすると……うむ」

神通「(きっとただの洋楽になってしまいます……)」

提督「蒼龍君は……何故か、文月君や弥生君ぐらいの年代向けの歌になりそうでな」

神通「(……私だって、文月ちゃんと弥生ちゃんのお母さん代わりになれるのに)」(ハイライトOFF

提督「他も……まあ、何かしらやらかしそうな子が多く……」

神通「ようするに、消去法で私になったということですね」(ジト…

提督「こ、この埋め合わせは必ずするので、どうかお願いできないだろうか?」

提督「わ、私にできる範囲でなら何でもしよう」(アセアセ

神通「な、何でも……!? じゃ、じゃあ……!」




川内「……で、提督にお買い物(意味深)連れてってもらうのに、私たちまで駆り出されたんだ?」

那珂「ぶー、どうして提督、那珂ちゃんにこのお話持ってきてくれなかったのかな~」(プンスカ

神通「ゴ、ゴメンなさい、一人で歌うのはやっぱり恥ずかしくて……」

川内「いいじゃん、一人で。提督も見に来てるんだし、『私の歌を聞けー!』ってさー」

神通「そんな、は、恥ずかしいです……」

那珂「え~、でもでも、ここで神通ちゃんがビシッと一発録り決めたら提督、神通ちゃんに惚れ直しちゃうと思うな~」(チラッチラッ

神通「え……惚れ、なお……」



提督(妄想)『神通君、素晴らしい歌だったよ……。やはり君に頼って正解だった』(抱き締め

神通『提督……私、体が……火照ってきてしまいました』(上目遣い

提督『私もだよ、神通君……』



《ブース外》

提督「……むう、胃がシクシクと痛む?」(サスサス

P「大丈夫ですか?」


神通「…………神通、歌います!」(シャキーン

川内「(チョロい)」

那珂「(計 画 通 り )」(那珂ちゃんスマイル

神通「提督、私の歌……聞いてください!」


《この後、滅茶苦茶絶唱した》

513: 2014/08/02(土) 02:34:20.98 ID:JISUejCco
(後日)


提督「(前評判だけで予約が締め切られた上、別の艦娘のボーカルまで依頼されるとは……)」

赤城「まさか私たちまで歌うことになるなんて」

加賀「さすがに緊張します……」

赤城「(でも、ここで頑張っていい歌を歌えば、提督も少しは見直してくれるかしら?)」

赤城「私は主に食欲だけの女じゃない、って」(氏んだ魚の目

加賀「(提督に下手な歌を聞かせるわけにはいかないわ……)」

加賀「一航戦の誇り、こんなところで失うわけにはいきません」(キリッ

赤城「あの、加賀さん、それ私の台詞」

提督「ふ、二人ともやる気だな……大変だとは思うが、頑張ってくれたまえ」

提督「録音が終わったら、この近くにある美味しいと評判の食べ放題に案内してもらえるよう、Pさんにお願いしてある」

赤城「食べ放題?」(ピキッ

提督「む、あ、赤城君?」

赤城「そうやって、すぐに私と食べ物を結びつけて……さすがに頭に来ました」

提督「!?」

加賀「あ、赤城さん、それは私の台詞よ」(オロオロ

514: 2014/08/02(土) 02:37:01.29 ID:JISUejCco
(さらに後日)


提督「神通君と赤城君、加賀君の次は君か……」

金剛「イエース! 提督に私の歌唱力、見せつけてあげるネー!」

提督「(ところどころイントネーションが外れているせいで、漣君などが聞いているユニークな歌にしかならなさそうだが……)」


携帯<失礼、着信だ。発信先はカテゴリー《家族》、バディ、早く電話に出たまえ


金剛「hello?」

金剛「oh、もうみんな到着してるのネ?ワカッタワ、私もすぐスタジオに行きマース」

提督「(みんな?)」

金剛「ええ、もちろん提督も一緒ヨ。霧島はともかく、会うの久しぶりデショ?楽しみにしてて!」(ピッ

提督「……こ、金剛、みんなというのは?」

金剛「ンッフッフッ~、今日の収録のために金剛型姉妹が勢揃いネ!!」

提督「」(無言の逃走

金剛「逃がさないカラ!?」(タッチダウン

提督「ぬ、ぬう、放せ……放したまえ!」(ジタバタ

金剛「絶対に……Nooooッ!!」

金剛「そ、そろそろあの子が迎えに来る頃ヨ! 観念するネー!」

提督「あ、あの子……だと……」(絶望



??<金剛姉様ぁぁぁぁぁぁっ!!(ドドドドドッ

提督「」

516: 2014/08/02(土) 02:41:17.15 ID:JISUejCco
《艦娘たちとコミュニケーション》青葉編


提督「(……間宮君のところで甘味を食べたのに疲労が回復しないとは)」

提督「そ、それでは、私は昼食の約束があるので、しばらく離れますが……本当によろしいのですか?」

提督父「ああ、ゆっくりしてきなさい。私たちは食堂で適当に食べさせてもらうよ」

提督母「文月ちゃんと弥生ちゃんによろしくね~」

提督「(正直な話、私は一瞬たりともゆっくりできないのだが……腹を括るしかあるまい)」

提督「では、1時間後に迎えに参ります……」



提督父「適当に食べさせてもらうとは言ったが、やはり一緒に食事できんのは寂しいなあ」

提督母「夜はあの子の家で食べましょう、あなた。私、腕によりをかけちゃいますから♪」

提督父「おお、それは楽しみだ!あいつも喜ぶぞー、たぶん」

提督母「ウフフ、自信をもって言えない辺り、本当に残念な子よね~」

提督父「物心ついた頃に難物傑物怪物下衆といろんな人に会ってしまったせいで、心をオープンにすることが苦手になったもんな」

提督母「素直に甘えてくれなくなって、私、とっても悲しかったわ」(ヨヨヨ

提督父「2、3歳の我が子に猜疑の目を向けられるのは、存外来るものがあったなー……」(オロロン



青葉(in茂み)「(ふーむふむ、司令官さんの対人恐怖症は物心ついた頃のトラウマが原因と……)」(メモメモ

青葉「(見知らぬ方が鎮守府を彷徨いてるので何者かと思えば、まさか司令官さんのご両親とは……)」

青葉「(これは密着取材(取材申請なし)のし甲斐がありますね~!)」

青葉「(そしてそして、ご両親の好きなもの嫌いなもの、司令官さんのお嫁さん(ハート)に求めておられるものを調べあげて、鎮守府のみなさんにお伝えするのが青葉の使命!)」

青葉「(少なくとも、漣さんや神通さん、大和さん、蒼龍さん、金剛さん以下数名の方たちはそういった情報、高いお値段で買ってくださるでしょうし?)」

青葉「(上手くいけば、カメラのレンズを新調できますねー、クフフ!)」



提督父「……ところで、かあさん」

提督母「なんですか~、あなた?」

提督父「得られるかどうかもわからない戦果を数えて悦にはいることを何て言ったっけ?」

提督母「あらあら、ど忘れですか?そんなの簡単ですよ~」

提督母(20.3㎝連装砲)「……取らぬ狸の皮算用、です」(ガショッ

青葉「」



提督父「3秒やろう、出てこなければ撃つ」

提督母「はい、さ~~~~ん秒♪」

青葉「ちょっ」



《この後、滅茶苦茶連撃された》

534: 2014/08/02(土) 15:11:41.65 ID:JISUejCco
《艦娘たちとコミュニケーション》不知火編

《鎮守府》食堂


青葉「こ、ここが食堂です、ハイ」

提督父「うむ、御苦労」

提督母「ありがとうね~」(ナデナデ

青葉(アフロ)「いえいえ~」

青葉「(砲口、突きつけて『食堂へ案内してくれる親切な子、どこかにいないかしら~?』って言う人のお願い、断れる人なんていませんよ~)」(泣き

<ニャークマー!

<人の焼き鮭を奪い合うなよ!?

<北上さん! 一緒に食べましょう!

<いいよ~




提督父「いいにおいがするなー」

提督母「今日の定食はコロッケカレーとサラダみたいですね~」



雷「くださいなー!」

不知火(配膳係)「はい、食券はそこの缶に。……どうぞ」(ヨソイヨソイ

雷「ありがと!」

提督父「お願いします」

提督母「くださいな~♪」

不知火(配膳係)「はい、食券はそこ…………どちら様ですか?」(戦艦クラスの眼差し

不知火(配膳係)「鎮守府は一般人の見学をお断りしています。許可証はお持ちでしょうか? 申し訳ありませんが提示をお願いします」(警戒MAX

不知火「(今日は司令がお休みの日……もし、この二人が侵入者なら不知火が全力で拘束しなくては)」

提督父「コレでいいかな?」(提示

提督母「ゴメンなさいね~」(提示

不知火「…………確認しました。正式な鎮守府のお客様ですね、失礼いたしました」

提督父「いやいや、しっかり仕事をされていて好印象だよ」

提督母「しっかりしてるのね、エライエライ♪」

不知火「い、いえ、そんにゃことは……」(テレ

不知火(配膳係)「で、では、食券をそちらへ」(ヨソイヨソイ

提督父「はいはい」

提督母「は~い」

535: 2014/08/02(土) 15:12:36.56 ID:JISUejCco
不知火(配膳係)「……ところで、お二人は鎮守府にどのようなご用事で?」(カケカケ

提督父母「「息子に会いにきました」」

不知火(配膳係)「息子……?」

提督父「いやあ、我が子がしっかり提督できているのか心配でね」

提督母「あの子、ちゃんと毎日ご飯食べてますか?」

不知火(配膳係)「し……司令の、お父上とお母上……!」

不知火(配膳係)「……」(チラ


カレー<おまえは…オレを喰うんだろォ!


不知火(配膳係)「…………」(モリモリカケカケ


カレー皿<もう…喰ったさ。ハラァ…いっぱいだ(ボタボタ


不知火(配膳係)「よしっ」

提督父「こぼれとる、こぼれとる」

提督母「こんなに食べられないわ~」

不知火(配膳係)「」




陽炎(食器洗い係)「なにやってんのよ、あの子……」(ジャブジャブ

555: 2014/08/03(日) 13:03:50.90 ID:tqNAN94Co
《艦娘たちとコミュニケーション》曙編


朧「……どうやら、あそこのおじ様とおば様が漣のメールにあった提督のご両親みたいだね」

潮「わ、私たちも挨拶した方がいいのかな……?」

曙「べ、別に必要ないんじゃない?」(ソワソワ

朧「……ホントに?」

曙「ホ、ホントよ! なんでそんなこと聞くの!? 糞提督のお父さんとお母さんが来たくらいで、どうして私が慌てなきゃいけないのよ!?」

曙「(あわわ、提督のお父さんとお母さんがいるのに糞提督とか、いくらなんでも言い過ぎでしょ私……!? ああもう、バカバカッ、どうして提督のこといつも糞とか言っちゃうのよ! 指揮も上手いし、私たちのこと部下として人として大事に扱ってくれてて、任務失敗してもこっそりフォローしたりしてくれてるのに……てかそもそも、あの人が私を性悪の本当の糞提督から助けてくれたから艦娘続けてられるのに、もぉぉ~!ああぁぁぁぁぁ……!)」(慙愧

潮「(別に今、どんな気持ちかなんて聞いてないよ、曙ちゃん……)」

朧「(語るに落ちる……ツンデレ乙、って言えばいいのかな)」


提督父「失礼、ここいいかな?」

提督母「あなたたちは駆逐艦の子かしら? たぶん、漣ちゃんと同じ型の艦娘よね~」

潮「え、えっと、第7駆逐隊…潮っていいます」

朧「同じく、第7駆逐隊 朧。こっちは曙」

曙「ぴ!? あ、あ、曙よ! よろしく!!」

提督父「ああ、挨拶が遅れましたな。どうも、提督の父です」

提督母「ど~も~、提督のお母さんです~」

提督父「いやー、しかし、ここは可愛らしい艦娘さんがいっぱいいるねえ」

提督母「ホント、イイ子がたくさん。直々に見に来た甲斐があったわ~」

朧「(直々……?)」

潮「お、朧ちゃん、どうしたの?」

朧「ううん、なんでもない……たぶん」

曙「(ヤバイ、緊張してカレーの味がわかんない、お腹も痛くなってきた)」(モソモソ

提督父「どうかしたのかね、なんだか調子が悪そうだが?」

提督母「お薬飲む? あの子が小さい時に常飲してたものならあるけど~」

曙「ひ、ひぇ!?」

曙「(は、は、話しかけられてる! なにか喋らないと、なにか……!)」

曙「ちっ、小さい時から薬ばっかり飲んでたなんて、糞提督ってばホントに変わらないのね!!」

提督母「あ゛?」(ニコリ

曙「」

曙「(し、しまったぁぁぁぁっ!? いつもの癖で提督に糞ってつけちゃったぁぁぁぁぁっ!!)」

提督父「さ、さて、私は少し席を外すとしようか」(ガタッ

朧「あとは若い者に任せるとしよう」(カタッ

潮「わ、私、お茶とって来るね……」(スススッ

曙「お、置いてかないでぇーーーー!?」

提督母「クスクス……詳しい話、聞かせてほしいな~。ねえ、お嬢さん?」(ニコニコ


《この後、無茶苦茶弁解した》

561: 2014/08/03(日) 15:24:16.66 ID:tqNAN94Co
《艦娘たちとコミュニケーション》正規空母編


赤城「ん、美味しい」(パクパク

瑞鶴「ん~! 鳳翔さんのカレーも美味しいけど、今日の食事当番のカレーもいけますね!」

加賀「食べながら喋らないでくれる? ……というか、どうしてあなたが一緒に食べてるのかしら?」

瑞鶴「え~、いいじゃないですか~、私ぃ、赤城さんに誘ってもらったしぃ~」

加賀「……」(ガタッ

瑞鶴「お? やる気ですか? 馬力の違い見せてあげましょーか?」(ガタッ

赤城「おとなしく座って食べてくださいよ、もう……」


提督父「失礼、ここいいかな?」

潮「はぁ……ゴメンね、曙ちゃん」

朧「提督に糞なんて付けたら、普通はそうなる。まして、提督のご両親の前ならなおさら」

提督父「私は特に気にしないがね。あの子にも悪いところはあるんだろうし」

潮「そ、そんなことは……」

朧「まともにコミュニケーション取ってくれないとこぐらい、かな」

潮「お、朧ちゃん~……」

提督父「あれでも小さい頃に比べれば、改二改修MAXになったぐらいコミュニケーション能力は向上してるんだがね」

潮「えぇ~……」

朧「(段ボールにでも籠って生活してたのかな)」

562: 2014/08/03(日) 15:25:32.14 ID:tqNAN94Co
赤城「あのー……先ほどからお話されてる方って、もしかして」

潮「あ、は、はい」

朧「紹介するの忘れてた……」

提督父「こんにちは、提督父です」

赤城「(この方が提督の……)」

提督父「ふむ……」(じっ

赤城「あ、あの、なんでしょうか?」

提督父「間違ったら悪いが、君が赤城君かな?」

赤城「は、はい、そうですが……どうして私のこと?」

提督父「いやなに、あの子の手紙に君のことが書いてあってね、ピンと来た」

赤城「!」

赤城「(提督が私のことを手紙に? そ、それってもしかして……!)」(はわわ

提督父「うううむ、噂にたがわぬ食べっぷり。あの子も感心していたよ」

赤城「」(現在3杯目

朧「ああ、赤城さんが氏んだ魚のような目に……気持ちはわかる」

潮「あ、赤城さん……」(オロオロ



加賀「あの方が提督の御父君……」(Win

瑞鶴「て、提督と違って人当たりよさそうな……人、ですね」(Lose

加賀「ご挨拶しておかないと」(髪整え

瑞鶴「い、いまさら猫かぶっても手遅れじゃないですか……?」

加賀「……頭に来ました」(ギリギリ

瑞鶴「ダ、ダメですって、ギブギブ、それ以上は腕曲がんないから……!」



提督父「やあ、あそこの子たちは元気だねえ」

潮「げ、元気というか暴れてる……」

朧「一航戦と五航戦というより、あの二人が致命的に相性が悪い……たぶん」

590: 2014/08/05(火) 14:28:21.82 ID:hO9kMPgLo
《艦娘たちとコミュニケーション》曙編

《鎮守府》食堂


提督母「ふーむふむ、なるほど~、初代駆逐艦《曙》の話でからかわれたのが切っ掛けなのね~」

曙「味方の護衛失敗のこととか、前のクソ提督にからかわれて……最初は我慢してたんだけど」


<アー、クソッ、またかよ。ホント、曙ちゃんは使えねーなぁ

<先代だけじゃなくて、艦娘の方もろくに護衛できねえのかよ……


曙「……その内、任務の失敗とか演習の敗北を私のせいみたいに言われ始めて」

曙「突き飛ばされたり、舌打ちとかずっと嫌味聞かされたりするようになって……」

曙「ちょっとでも不満そうにしたら……解体するぞ、って怒鳴られて、なんも言えなくて……」(ショボリ

曙「他の艦娘の子たちは、陰で慰めてくれたりしたけど……クソ提督が怖くて、止めてくれる子なんていなかったし……」

提督母「そう、辛かったわね~」

曙「……」(コクリ

提督母「ウフフ~……それで、どういう経緯でウチの子の鎮守府に来たのかしら?」

曙「それは……たまたま、漣たちと演習する機会があって」



漣『あー! 曙、久しぶり~、元気してました?』

曙『漣…………あ、あったり前じゃない! そっちこそ元気してたの?変なノリでそっちの提督、困らせたりしてないでしょうね!』

漣『ヌルフフ、心配ご無用! 漣とご主人様はそりゃあもう、固い信頼で結ばれた仲でしてー(以下略』



提督『む……さ、漣君、ここにいたのか』(コソッ

漣『あ、ご主人様。もしかして、そろそろ演習開始ですか?』

提督『うむ。神通君たちはすでに自分の艦で待機している。急いでくれたまえ』

漣『あいあいさー!』

漣『……ところでご主人様、木を盾にして話すのやめません? この子、漣の友達ですからー、いきなり襲いかかったりしませんからー』

提督『久しぶりの友との再会に水を差されたことを不快に思って、という可能性は……』

漣『ないない。ねえ、ぼのぼ?』

曙『誰が猿の仲間よ!?』

提督『』(スス…

漣『あー、曙がおっきな声出すから……』

曙『えっと、大丈夫なの、アンタの提督……冗談抜きで』

591: 2014/08/05(火) 14:29:15.95 ID:hO9kMPgLo
曙「初めて会った時は、正直……全然頼りなかったけど」



提督『……雷撃開始! 目標、敵旗艦!!』(シャキーン

漣『逃がさないよっ、漣はしつこいから!』

神通『来ないでって言ったのにぃ!!』

<キャアアッ!?



漣『どーですか、ご主人様! 漣、いつもふざけていると思われがちですが、まぁちょっと本気はスゴイでしょ、ね?』

神通『こんな私でも、提督のお役に立てて…本当に嬉しいです』

提督『う、うむ、みんなよい連携だった……だから、あと2メートルほど離れてくれると……』

漣『えー……』

神通『す、すみません……』

<司令官、褒めて褒めてー!

<あ、じゃあ私もー

<や、やめたまえ……(震え声)


曙『……いいなぁ』



曙「……漣とか他の艦娘が一緒にいて、すっごく楽しそうなの見てたら、なんか自分がスゴく惨めに思えて…」

曙「演習で負けたことグチグチ言ってくる前の提督が我慢できなくなって、このクソ提督ー! って罵倒したら解体が決まっちゃって……ハハ」

提督母「…………」



曙『あーぁ、バカやっちゃったなー』

曙『2週間も営倉の中、しかも食事一日一回……。たまに他の子がお菓子、差し入れくれるけど……お腹空いたわ』(クゥ…

曙『(あとちょっとで、艤装とのリンク切られて……そしたら、晴れてお役御免の厄介払い、か)』

曙『グスッ……私、こんな目に遭いたくて艦娘になったんじゃないのに……なんで……なんでなのよ、バカァ』

592: 2014/08/05(火) 14:30:10.34 ID:hO9kMPgLo
曙「それで、情けないやら悔しいやらでメソメソしてたら……」



提督『……こんなところにいたのだね』

曙『あなた……さ、漣の提督……なっ、なにか用!? 私のこと笑いに来たわけ!?』(グシグシ

提督『ヒッ……』

曙『(ヒッ、って言った、ヒッ、って)』

提督『そ、そういうわけではない、ただ、少し君に伝えることがあってだな……』

曙『(なによ……どーせ、解体処分開始の時間とかでしょ)』(プイッ

提督『――綾波型駆逐艦《曙》……本日付で君を私の鎮守府所属の艦娘に任命する』(シャッキリ

曙『はいはい、りょーかいしました、今日からアンタの鎮守府に所属――って、え、えぇー!?』

提督『曙君がここでどのような境遇にあったか……詳しくは知らない。もしかすると、このような目に遭わせた「提督」そのものを憎悪しているのかもしれない』

提督『だが、それでも君が艦娘として、まだ誰かの為に戦いたいと願うのなら……私と共に来てほしい』

曙『来てほしいって、解体は……提督の承認だって……』

提督『……ただ力尽くで君を異動させても意味はない。故に、正式な手順を踏んでの人事となったのだが……遅くなってすまなかった』

提督『ちなみに、彼は今回の件について「快諾」してくれた。曙君が心配することはなにも無い』(真顔

曙『(あのクソ提督が快諾とか……なにやったのよ、この人)』

提督『質問はもう終わりかね? では……ここから出るとしよう』(スタスタ

曙『う、うん。あの――――』

提督『…………』(フラッ


<ドシャ!!


曙『ふぁっ!? ちょ、ちょっと、大丈夫なの!?』


漣『あーあー、緊張の糸が切れちゃったんですねー……無茶シヤガッテ。神通さん、上半身をお願いします。漣、ご主人様の足を持つのでー』(ヒョコ

神通『は、はい!』(ギュウ

漣『曙ー、あんたの艦の出航準備はできてるから、ちゃちゃっとシャワー浴びて、必要なもの持って港に集合。ココの艦娘さんたちにお礼も忘れずにね!』

曙『へ? あ、りょ、りょうかい……』(ポカーン


<えっさほいさ、えっさほいさ

<提督の体……あたたかいです(ボソ

<神通さん?

<な、なんでもないです……


曙『――――なんなのよ、もぉ』(ポツン

曙『……ありがとうぐらい、言わせなさいよ…』

593: 2014/08/05(火) 14:33:53.42 ID:hO9kMPgLo
曙「えっと、それで、まあ……こんな感じ、です」

提督母「あの子にしては頑張ったわね~」

提督母「(よっぽど腹に据えかねる話を聞いたってことかしら、ね)」

曙「それで、クソ提督っていうのは……て、提督って呼ぶのが恥ずかしくてついクソって付けちゃうっていうか……」

提督母「なるほど~、お母さん安心したわ~。クソ提督なんて呼ばれてるから、私てっきり、あの子が嫌われてるんだと」

曙「そ、それは! 別に提督のことは嫌いじゃないっていうか……どっちかって言ったら……す…すっ――!」(真っ赤



提督「ここにいたのですね、母よ。父もそろそろ次の場所を見たいと言っています、移動しましょう」

曙「!?」

提督「む、曙君と一緒だったのか。母が迷惑をかけなかったか?」

曙「」(カァァァァッ!

提督母「『す』の続きは何かしら~?」(ニコニコ

曙「スラバヤ沖海戦ぐらい大っ嫌いよ! このクソ提督ぅ!!」(脱兎

提督「あ、曙君!?」

提督母「ウフフ、後で謝らないといけないわね~」

提督「(私が何をしたというのだ……)」

595: 2014/08/05(火) 15:31:47.11 ID:V+CqEYCao
ヌルフフってどんな笑い方だよww

596: 2014/08/05(火) 15:34:30.90 ID:iGapn5HoO
>>595
暗殺教室の殺せんせーかと



次回はこちら


引用元: 【艦これ】提督と艦むすの鎮守府での四方山話3【ネタ募集】