492: ◆m9tEpcJqyE  2015/02/02(月) 22:57:37.72 ID:j8LExqq2o




前回はこちら



(翌朝)
《辺境の島》艦娘育成所

所長「おはようございます、提督殿、他所提督殿、それとお連れの艦娘のみなさん。昨晩はよく眠れましたかな?」

提督「え、ええ、まあ」

他所提督「もー、バッチリすよ」

所長「ハハ、それはよかった。本日のご予定ですが……提督殿も到着されましたし、当初の予定通り視察を行われますか?」

提督「ゴ、ゴホンッ……ええ、できることなら」(キリッ

神通「(提督、お仕事される時の状態に切り替わりましたね……)」

所長「そうですか、では私が施設をご案内いたしましょう」

提督「所長自ら案内とは、ありがとうございます」

所長「いえいえ、狭い島ですしな。責任者といっても暇なんですよ」

所長「それで……視察の間なのですが、お話にあったようにですな……」

提督「あ、ああ、こちらの艦娘たちへの指導を、という話ですね」

他所提督「まあ、視察なんて俺たちだけで大丈夫だしな。龍田も別にそれで構わねえよな?」

龍田「私はオッケーよ~」

提督「神通君たちも……構わないかね?」

神通「は、はいっ、お任せください!」

川内「新人のこと、ちょっくらもんであげちゃおっかな!」

那珂「那珂ちゃん、休憩の時に新曲聞かせてあーげよ♪」

所長「深海棲艦が出没しない海域なのはよいのですが、どうしても実戦経験が不足しまして」

所長「みなさんの指導で、少しでも実戦の空気を感じてもらえることを願います」

提督「…………」(じっ…

所長「……おっと、長々と失礼。では視察を始めていただく前に、提督殿たちにウチの訓練生たちを紹介させていただきましょう」




※このお話は、個性的な艦娘たちと提督の鎮守府での日常をたんたんと描くだけのものです。
過度な期待はしないでください。

鎮守府での四方山話シリーズ



493: 2015/02/02(月) 22:59:06.34 ID:j8LExqq2o
《育成所》母港

所長「それではみなさん、提督たちにご挨拶を」

菊月「睦月型駆逐艦の艦娘、菊月……みんなのまとめ役を任されています、どうかよろしくお願いします! ……さあ、みんなも挨拶を」

駆逐艦娘A「よろしく…お願いします」
駆逐艦娘B「よろしく…お願いします」
駆逐艦娘C「よろしく…お願いします」
駆逐艦娘D「よろしく…お願いします」
駆逐艦娘E「よろしく…お願いします」
駆逐艦娘F「よろしく…お願いします」



(以下略)



提督「(うぐ、育成機関だけあって人が多い)」(ゴソ…

神通「(提督、お水です……どうぞ)」(ソッ

提督「(た、助かるよ……)」(胃薬ザラザラ…

他所提督「おー、さすが訓練所だけあって統制とれてるな。良き哉良き哉」(カンラカンラ

所長「ハハハ、素直で良い子たちですからね」



菊月「…………っ」(ギリッ



提督「(ぬ……?)」

所長「さあ、みんな今日からしばらく、こちらの提督さんたちの部下のみなさんが指導してくれます。ちゃんと指示を聞いて頑張るんだよ」

他所提督「そんじゃ龍田、俺らは所長さんに施設の案内してもらうから『頼んだぞ』?」

龍田「……は~い♪」

所長「普段の訓練の内容は、そこの指導担当の艦娘から聞いてください」

軽巡艦娘「…………」(ペコリ

提督「で、では、私たちは視察を行っているので……みんな、くれぐれも怪我をしないように、な」

神通「はい、提督もお気をつけて……辛くなったら、ちゃんと休んでくださいね?」(ハラハラ

提督「む、う、うむ。では、行ってくる」(スタスタスタ

川内「(私たちは無視かー)」(糸目

那珂「(そろそろ私たちにも慣れてくれないかなー)」(糸目



(龍田・川内型姉妹、駆逐艦娘訓練開始・・・)



(提督・他所提督、育成所視察中・・・)

508: 2015/02/03(火) 22:07:43.22 ID:RPP+c7tSO
(夜)

提督「――――つ……疲れた」(ドシャッ

他所提督「おいおい、情けねえな。ちょっと所長さんと一緒に、施設を見て回っただけなのによぉ」

提督「し、親しくない人と長時間、行動を共にするのは胃に悪いのだ……」

他所提督「(自分とこの艦娘でも同じだろ、ってのは言わねえ方がいいのかね?)」

他所提督「まあ、お前さんがダメ人間なのは今に始まったことじゃねえしな。とりあえず、ホレ、酒持ってきたから飲もうぜ!」(ドン!

華厳(一升瓶)<美味しいよ!!

提督「そ、そんなものどこから」

他所提督「え? 食堂の調理師さんにココの話聞いてる内に意気投合してな、酒飲みたいって言ったら譲ってくれた!」

提督「…………」

提督「(……そう安い物ではないはずだが。昔からそうだが、どうして他所提督はこうも人と仲良くなるのが早いのだ)」(戦慄

他所提督「おーし、ツマミも作ってもらっておいたし、とにかく飲もうぜ!!」

提督「う、うむ……」


(提督、他所提督、酒盛り中・・・)



(川内型宿泊部屋)

龍田「こ~んばんわ~」(ガチャッ

川内「おりょ?」

那珂「えっと~、他所提督さんのところの……龍田さん、だっけ?」

神通「な、何か御用、ですか?」

龍田「えっと~、ちょっとお話したいなと思って~」

龍田「みんな、いける口でしょ~?」

天龍<フフ、怖いか…

川内「神通に飲ませるのはNGで」(真顔

那珂「神通ちゃんに飲ませないないなら付き合うよー♪」

神通「え? え?」

龍田「(きっと酔わせるとダメなタイプなのね~)」


(提督&艦娘、酒盛り中・・・)


提督「(冗談抜きに美味しいな、このお酒……)」(クピクピ…

他所提督「…………で、お前はどう思う?」(グビグビ

提督「ぬ……ココについて、か」(クピクピクピ…

他所提督「ああ。晩飯の前に龍田から話、聞いたんだけど――――」





龍田「――――指導をしてて気づいたと思いますけど~、全員じゃないけど、ここで訓練してる駆逐艦の艦娘……ハッキリ言って強すぎません~?」

神通「それは……確かに」

川内「そだねー、訓練始めたばっかの子があたしたちの訓練についてこれるっていうのは、ちょっと異常かな」

那珂「あとあと~、みんなノリが悪いよね~。那珂ちゃんが歌うたっても、みんな無視するんだよ? 酷いよね!?」

龍田「あはは~、それは残念ね~」

509: 2015/02/03(火) 22:08:33.16 ID:RPP+c7tSO
他所提督「―――とりあえず、話を纏めようや」

提督「う、うむ」

他所提督「先生に言われたのは、ココで行われてるかもしれねえ不正を暴くことだ」

提督「……ああ」

他所提督「訓練に耐えられなくて去ったはずの艦娘候補生の失踪……あと、ここを卒業した訓練生の――――自分の命なんて惜しくないような戦い方」

他所提督「そんでもって、調査のために指導員として派遣された先生の部下も、ある日を境に連絡が取れなくなってる……とくりゃ」



龍田「……この島の中でよからぬことが行われてる可能性は高い、ですよね~?」

神通「……はい」

川内「ま、それを調べに提督がここに来たんだけどねー」

那珂「うーん、じゃあじゃあ、あの子たちのノリが悪いのも何か関係あるのかもしれないね!」

龍田「それは関係ないんじゃないかな~♪」

那珂「意地悪いうのはヤメテよぉ~!?」




提督「……問題は何が行われているか、だな。いま出ている情報だけでも、ある程度、絞ることはできるが」

他所提督「つっても、疑惑ばっかで決定的な証拠がないから、俺らが直接、出張る羽目になってんだけどなー」

他所提督「少なくとも俺は、ここは黒だと思うぜ。なんかこう……ドブ臭いんだよ、施設ん中が」

提督「そう、か……君がそう言うのだから、そうなのだろうな」

提督「しかし、動くにはまだ早い。動くのなら、もう少し……確たる証拠を発見してからだな」

他所提督「……そうだな」

他所提督「クッソ、先生の話、聞いた時からイライラしてたけど本当に腹立つな! こうなったら今日はヤケ酒だ! お前も飲め飲め!!」(ゴッキュゴッキュ

提督「う、うむ」

提督「(他所提督の勘を疑うわけではないが、明日……神通君たちにも動いてもらうとしよう)」(クピクピ

(数時間後・・)

他所提督「う~、うぃ~……」

提督「お、おい、大丈夫か?」

他所提督「ら~いじょうぶでありま~す………グゴガァ…!」

提督「完全に酔いつぶれているな、これは……」

提督「かくいう私も、少し酔っている……。明日の視察もある……酔い覚ましに散歩でもするか」




提督「…………うぬ?」(テクテク

510: 2015/02/03(火) 22:09:13.02 ID:RPP+c7tSO
(花壇)
文月「…………」(じぃ…



提督「(あれは……睦月型の文月君、だったな。こんな時間にあんなところで何を……)」

提督「…………な、南無三」(腹に力込め


(花壇)

<ザク…ザク…

文月「…………?」

提督「……や……や、やあ。こ、ここ、んな時間に何をしているのかね?」(ギクシャク

文月「…………」(後退り

提督「あ、や、ま、待ってくれ、あや、怪しい者ではない……!」

文月「ヒゥ……」(ビクッ

提督「す、すまない、大きな声を出して……。驚かせて悪かった」

文月「…………」(フルフル

提督「ゆ、許してくれるのか、あ、ありがとう」

提督「こ……こんな時間に何をしているのかね……? もうとっくに消灯時間は過ぎているはずだが……」

文月「…………」(ポソポソ

提督「な、なに?」

文月「お花がね…咲くの待ってるのぉ」

提督「花……?」

文月「……」(コクコク

提督「そ、そうか」

<……くぅぅ

提督「お……お腹が空いているのかね?」

文月「…………」(じっ…

提督「……ラ、ラムネでよければあるが」(ゴソ…

文月「!?」(ビクッ

提督「ど、どうかしたのかね?」

文月「今日の分のお薬は飲んだよぉ…?」(オドオド

提督「薬……? それはどういう意味だ……」

文月「ウ、ウソじゃないよ…ちゃんと、ちゃんとお口にいれたからぁ……」(パタパタ…

提督「ま、待ちたまえ……くっ、すばしっこいな……」

提督「…………なんなのだ、一体」

524: 2015/02/04(水) 03:31:40.81 ID:qype/zKpO
【鍛えてますから!】
《艦これドラマ撮影所》

P「お疲れ様です。監督、次の話の脚本、完成しましたか?」

監督「ああ、たった今しがた完成したところだよ。見てくれ」

P「それでは拝見。ふむふむ…………え」

監督「ここらで一発インパクトのあるアクションを挟みたかったんだよね」

監督「うんうん、コレならみんなの印象に残ること間違いなし!」

P「えーっと……そ、そう、ですね」

P「(…………大丈夫なのか、これ?)」



P「えー、というわけでこれが今回の金剛さんの脚本になります」

金剛「フンフム…………あのー、ホントにこれやるデスか?」

P「…………インパクトが欲しい、と」(目逸らし

金剛「oh……」

金剛「提督ぅー……」(すがる眼差し

提督「…………」

提督「が、頑張りたまえ」(顔背け

金剛「HEY! こっち向くネー♪」(ググググッ

提督「ヌ、ヌウウゥゥ……!!」

P「あ、金剛さんにはリアリティのある(意味深)演技をしてもらいたいので、ここの提督役は提督さん、お願いしますね」

提督「!!?」(驚愕

金剛「!!」(歓喜



(ドラマ撮影開始)


<ズドドドドドドドドドドッ……!!


《鎮守府》執務室

金剛「テ~イ~~ト~~~ク~~~~ッ!!」(ダンッ!

<ザキュッ…………クルクルクルクル!(跳躍からのソニック・ザ・ヘッジホッグ

金剛「Burning Love♪」(情熱的なハグ&頬擦り

提督「」(ハイライトOFF


<ポリ……パリ……
<ちょっと! どうして胃薬齧ってるのよ!!?


P「いやぁ、さすがですね。提督さんが相手だからか、金剛さんの演技、見てるこっちが照れちゃうぐらい真剣ですね!」

監督「…………」

P「監督? も、もしかして、どこか気に入らないところがありましたか?」

監督「……あそこの空中ジャンプ、まさか本当にできるとは思わなかったわー」

P「(無茶振りだったんかい!!)」


<さすがです、金剛姉様!!
<撮影中だから静かにしてください!
<ヒェー!?

528: 2015/02/05(木) 01:14:23.42 ID:XwoOy81Po
【祝・劇場版公開!】


<うわあああぁぁぁぁ……!!(絶望


陽炎「ヒッ!? ちょっと、なによさっきの声!!」

不知火(E:艤装)「!? アレは司令の悲鳴……CAS起動! インストレーションシステムコール――イェーガー!!」(シュタタタタタッ!

陽炎「ちょっと不知火! てか早ァ!!?」



《鎮守府》工廠

不知火「司令ッ、どうされたのですか!?」(ズザザザっ!!

提督「……私は、なんと無力な人間なのか」

妖精A「我々に作れないものはない……そう思ってた時期が私にもありました」

妖精B「井の中の蛙、大海を知らずです」

妖精C「ココが我々の限界ということでしょうか……」

不知火「????」(オロオロ



陽炎「ハァ……ヒィ……や、やっと追いついた! いったい何があったのよ!?」(ヨタヨタ

提督「……実は、以前の『霧』事変で知り合った千早群像君に無理を言って譲ってもらった『霧』との戦闘記録を見たのだ」

妖精A「クラインフィールド……ナノマテリアル……」

妖精B「霧の艦隊同士の合体……変形機構……」

妖精C「超重力砲……振動魚雷……」

提督「君たちの強化に繋がればと、必氏に研究したのだが……む、無力な私を許してくれ」

妖精A「それは違います、提督さん。我々も力及ばずだったのです」

妖精B「これは提督さんだけでなく、みんなの敗北なのです」

妖精C「くそぅ……くそぅ……!」(○すなvoice

<ですが、負けっぱなしではいられません
<今日の敗北は明日の勝利への道標
<……ああ!




不知火「司令、妖精さんたちも、不知火たちのためにそんなに真剣に……!」(感激

陽炎「ホント、何で技術者にならなかったのかしら司令……」(頭痛

不知火「!? か、陽炎は司令がいない方がいいと思っているのですか……?」(蒼白

陽炎「なんでそうなんのよ!?」

不知火「だって、司令には技術者がお似合いだと……」

陽炎「誰もそんなこと言ってないわよ!!」(ホッペ抓り

不知火「にゅ、にゅいぃぃ……」(涙目

529: 2015/02/05(木) 01:16:14.05 ID:XwoOy81Po
(オマケ)

提督「…………」(じぃ…

金剛『訳:な、なによ……私の顔に何かついてるの? まさか、改めて私のこと可愛いって思ったりして――』(テレテレ

提督「……こうして冷静に比較すると、確かにあちらのコンゴウ君の方が危なっかしいというか、傍にいてやらねばという印象を受けるな」(ボソ

金剛「HEY、提督ぅ~♪ それって ど う い う 意 味 デ~ス?」(手四つ

提督「ぬうぅぅぅぅぅ!?」(ギリギリギリギリ…




(オマケその2)

コンゴウ「フン、貴様ら人類が我々『霧』の技術を解明しようだと? 身の程知らずとはこういうことを言うのだな」
※アルペジオイベント時、フライング・フルボッコ(主にイオナ神)体験済み

提督「う、ううぅ……」(キリキリ…

コンゴウ「……しかし、その無駄の積み重ねに価値を見出すのが人間だということも、イ401の奴が言っていたような気もする」

コンゴウ「お、お前がどうしてもと頭を下げるのなら、ナガラぐらいなら調べさせてやっても……」(ゴニョゴニョ

提督「ど、土下座すればいいのかね?」(四つん這い

コンゴウ「――――貴様に人間の誇りを思い出させてやろうか?」(蔑みの眼差し

提督「!?」



《劇場版:蒼き鋼のアルペジオ-ARS NOVA- 現在大ヒット上映中!!》

541: 2015/02/05(木) 15:39:40.32 ID:24d+3qBYO
【2月14日】

(バレンタイン数日前)
《鎮守府》会議室

<ざわざ……がやがや……
<クマニャーき、きそー

漣「え~、本日みなさまにお集まりいただいたのは他でもありません、数日後に迫った女の子の聖戦……そう、バレンタインについて話があるからです」

<どよ……!

神通「(バレンタイン……て、提督にチョコをお渡しして……)」(ドキドキ

金剛「(ついに来たわね……)」(決戦前夜の眼差し

蒼龍「(どんなチョコがいいかなー、やっぱりハート? でも、それだとちょっとあからさま過ぎっていうか……)」(テレテレ

大和「(大和の隠し味入りのチョコ、提督、楽しみにしててくださいね……フフ、フフフ♪)」(ハイライトOFF


曙「(去年は義理って言って投げ渡しちゃったけど、こ、今年こそは……!)」

朧「(いつもお世話になってるし、ちょっとお高いの買ってこようかな)」

潮「(みんなはどんなチョコ買うのか、あとで聞いてみよう)」

北上「うーん、せっかくだし、こう……インパクトのあるチョコがいいよね。ねー、大井っち?」

大井「な、なんで私に聞くんですか……そもそも私、提督にチョコ渡す予定なんてありませんし」

北上「え~? 私が言ってるのは友チョコの話だけど?」(ニヤリング

大井「」


瑞鳳「小型天山にぃ、チョコかけて型を取って~」

祥鳳「いろいろとダメじゃないかしら、それ」

<雷はもちろん手作りするわ!
<あ、なら私もそうしようかしら。敷波もどう? 一緒に。
<ふえ、いいのかよ?

542: 2015/02/05(木) 15:41:01.43 ID:24d+3qBYO


漣「……はーいはいはい、盛り上がるのは結構ですがー、まだ漣のお話の途中なので静粛に」

<…………ピタッ

漣「はい、どもです。えー、当日、みなさんもご主人様にチョコを渡すつもりだとは思いますがー……ここで一つ問題が」

<???

漣「ちょっと前のウチなら、一人一人、ご主人様にチョコを渡しても、ちょびっとご主人様の胃が痛くなる程度で済んだのですが……」

漣「本命か義理かはこの際、置いておくとして、こんなに大勢が渡しにいったら、ご主人様の胃が崩壊するかもしれません。……まあ、甘味の回復でトントンかもしれませんが、倒れるのだけは避けていただきたいな、と」

一同『…………ああ』(納得

漣「かといって、チョコ渡すメンバーを制限しちゃうと……」

漣「ぶっちゃけ、鎮守府最期の日! なんてタイトルが付きかねませんし♪」(ニッコリ

一同(特定メンバー除く)『…………あ、ああ』(俯き


漣「……そこで漣にいい案があるのです」

一同『???』


(バレンタイン当日)

チョコファウンテン(タワー)<やあ

提督「」


漣「え~、というわけで、間宮さんにお願いして業務用の機材をレンタルしてみました」

間宮「チョコはみんなで持ち寄って作ったんですよ」

鳳翔「具材もいろいろ用意したから、みんなと仲良く、ね?」

提督「…………」

漣「ご主人様?」

提督「うつくしい……」(恍惚

提督「ありがとう漣君、間宮君と鳳翔君もありがとう、本当にありがとう……こんなに楽しいバレンタインは初めてだ!」(キラキラキラキラ

間宮「あ、いえ、どういたしましてー」

鳳翔「ここまで喜ばれるのは想定外でしたね……」

漣「えー、ちょっと、今まで見てきた中で一番の笑顔なんですけどー」

金剛「なんか複雑な気分デース」

神通「……はい」



《なお、特定のメンバーからはきっちりバレンタインチョコを渡された模様》

553: 2015/02/06(金) 00:14:49.80 ID:TQiqMi4aO
【艦娘たちとコミュニケーション】熊野編

1日目
《鎮守府》執務室

(部屋の隅)
熊野(当日秘書艦)「フゥ~……!」(ガルルル

提督「……むぅ」(カリカリ

提督「(ウチの慣習とはいえ、男性恐怖症の熊野君を秘書艦にするのは早計だったかもしれん)」(キリキリキリ…

熊野「(うぅ、私いますごくお仕事の邪魔してますわ……)」

熊野「(でもでも、仕方ないじゃないですか……お、男の方と同じ部屋に長時間、一緒にいるだなんて、考えただけで目眩がするんですもの……!)」(目グルグル

提督「(かくいう私も、慣れていない艦娘と同じ部屋にかれこれ2時間……そ、そろそろ意識が……)」(フラフラ

提督「…………」(ガサゴソ

提督「(フ、フフ、こんなこともあろうかと間宮君のどら焼きを用意しておいたのだ)」

熊野「!」(ピクッ

提督「…………」(パクパク

熊野「…………」(じー

提督「……?」(キラキラ

熊野「…………」(じーーー

提督「………………」(ゴソ

どら焼き(2つ目)<んまぁーいっ、説明不要!!

熊野「!!」

提督「……」(そっ…

提督「…………」(後退り

熊野「…………」(ジリ…ジリ…

<パシッ……ダダダダッ!


熊野(@部屋の隅)「ハグ…ハグ……♪」(キラキラ

提督「…………!!」(その時、提督に電流走る…!

提督「(そ、そうだ、これだ)」

555: 2015/02/06(金) 00:16:31.47 ID:TQiqMi4aO
(2日目)

提督「…………」(スッ

間宮シュークリーム<甘くて冷たくて美味しい~

熊野「!!」(ソワソワ

提督「…………」(ソッ…

提督「……」(目逸らし

熊野「ゴクッ……」(ジリジリ……パシッ

熊野「あむあむ…」(チラ…チラ…

提督「…………」



(3日目)

提督「…………」(スッ

間宮プリン(withスプーン)<とろける美味しさ、たしかな満足ぅ

熊野「……よ、よろしいんですの?」(おそるおそる…

提督「え……遠慮せず食べたまえ」(手渡し

熊野「い、いただいてあげてもよろしくてよ……!」

熊野「ぱくぱく…♪」(キラキラ

提督「(……よし、これで熊野君とは完璧なコミュニケーションを図れるようになったな)」(満足げ




(扉の隙間)
漣「(いやいや、野生動物の餌付けじゃないんですから……)」(※心配して3日間、隠れて見ていた



《なお、突発的な出会い頭の組手は改善されなかった模様》

570: 2015/02/08(日) 01:38:25.00 ID:EF8UgsCro
【沈むわけにはいきません】

(艦娘、ドラマ撮影中・・・)


神通「(とうとう、コロンバンガラ島沖海戦をモチーフにした海域攻略作戦が始まってしまいました……)」

神通「(ドラマを盛り上げる場面だから仕方がないけど、やっぱり……轟沈は嫌です)」(憂鬱




神通「(流れはココから、私が探照灯を照射して集中砲火を浴びる、でしたね)」

神通「探照灯照射……!」


<神通さん!? 今から撤退なのに、どうして……ま、まさか!!


神通「殿は任されました……みんなは引き返して、ここで得た情報を必ず提督に伝えてくださいね」(ニコッ

深海棲艦<敵はあそこだ、撃て! 撃てー!


神通「ぁっ! い、痛い……でも、まだ!」(中破

神通「(これで残った武装で抵抗を続けて――――)」


深海棲艦<相手は虫の息だ、一息に沈めてやれ!!

深海艦載機<ワリャア、息の根止めたらァッ!!(突撃


神通「(深海艦載機の体当たりを受けて轟沈…それで撮影は終了ですね)」


深海艦載機<悲しいけどコレって戦争なのよね!!(突撃


神通「(沈む……これは撮影だからしょうがないです)」


提督『頼むから、轟沈だけはしないでくれ……例え敗北して、海域を奪還できなくてもいい、君たちが沈むことが私には耐えられないのだ……』

神通「(――――私が沈んだら……提督は、きっと悲しまれます)」

神通「(撮影だから沈む………それで、いいの?)」(自問


深海艦載機<貰ったァァァァァァッ!!(突撃

571: 2015/02/08(日) 01:39:39.24 ID:EF8UgsCro
神通「(――――ダメに決まってます!!)」

神通「――――!!」(ダンッ


深海艦載機<ゲフッ!? お、俺を踏み台にした!?


神通「まだ……まだこの神通、沈むわけにはいきません!!」(目がマジ


深海棲艦<あ、あの、神通さん? 台本……

神通「私が沈んだら、提督が……提督が悲しむんです……」

神通「だから……!!」(ダッ!


深海棲艦<アイエェェェェッ!?


神通「(武装はほぼ半壊、唯一無事だった一番主砲も弾切れ)」

神通「だけど、この姿だからこそできる戦い方があります!!」(ジャラララッ


深海棲艦<意外! それは錨!!
深海棲艦<あっ、ちょ、引っ張らないで痛い痛い!


神通「やあぁぁぁぁっ……!!」(軽巡パンチ!!


深海棲艦<え、ええい、私の完璧なる脚本を・・・何故ストーリーを勝手に変えるぅ!?
深海棲艦<と き め い て 氏 ね !


神通「…………!!」(ダッ


提督(整備班長)『せっかくなので旧式の艤装をチューンしておいた。これなら重巡や戦艦にも見劣りしない出力がだせるぞ!』(キラキラ


神通「この艤装には提……整備班長の想いが込められているんです。この程度では止まりません……!!」


深海棲艦<なぜだ、そんなにボロボロになって、なぜ貴様はまだ動ける……! どうして……!?
深海棲艦<(ノリノリだコイツ……)


漣「――――それはですねえ、私たちが沈むとご主人様が無事じゃいられないからです」(ザッ

神通「!? さ、漣さん……? どうしてココに……」

漣「フッ、こんなこともあろうかと、神通さんたちの隊に遅れて出撃していたんですよ」

漣「あ、みんなはちゃんと漣の隊で救助したのでご心配なく」

神通「そ…う、よかった……」(安堵


漣「――よくもまあ、ここまでウチの神通さんをボコボコにしてくれたもんです」

漣「ただじゃおかないんだから……元祖第一艦隊旗艦の本気、見せてあげるのです!!」(ドギュンッ

神通「まだ……私だって……! 神通、行きます…!!」(ダッ

深海棲艦<お前らなんて怖かねえ! 野郎ォ、ぶっ頃してやる!!



《この後、無茶苦茶掃討戦した》


プロデューサー(以下P)「……い、いいんですか、コレ?」
監督「うーん、まあ脚本なんてあってないようなもんだから」
提督「それに、かつて力及ばずで沈んだ艦の力を持った艦娘が、過去を乗り越えて生還する……こういおうの、お約束だけど燃えない!?」
P「(何のための脚本なんですかー!?)」

※なおドラマ放送後、神通と漣に【鬱フラグクラッシャー】の称号が送られた

575: 2015/02/08(日) 02:43:39.17 ID:EF8UgsCro
(朝)
《育成所》食堂


<カチャ……カチャ…
<モグ……モグ……

提督「(朝早いとはいえ、一言の雑談もなしか……)」

提督「(私としてはありがたいが……艦娘とはいえ、この年頃の子たちの食事風景とは思えんな)」

他所提督「ガフッ、ガフッ……! ハグッ、ハフッ、ガツガツムシャムシャ……!」

他所提督「あー、くそ、お通夜みてえな空気だ…………おかわり、大盛りで!」

龍田「は~い♪」(よそいよそい

川内「うわぁ……」

那珂「朝からよく食べるなぁ」

神通「……あ、あの、提督はおかわり」

提督「い、いや、必要ない」(フルフル

神通「そう、ですよね」(ショボリ

川内「(おかわり、よそってあげたかったのか~?)」(ニヨニヨ

那珂「(少食だもんね、仕方ないよ)」(ニコニコ

提督「…………む?」



文月「…………」(カタッ

菊月「……もう食べないのか」(もそもそ…

文月「……」(コクリ

菊月「……そうか、食後のアレを忘れるなよ」

文月「……うん」(トボトボ



文月「ぁ」

提督「…………」(じっ…

文月「ぅ」(トテテテ…



提督「……」

神通「提督?」

提督「す、すまない、もう食べられないようだ……」(カタッ

他所提督「おっ、じゃあ残った飯、貰っていいか?」

提督「あ、ああ。……他所提督、私は少し腹ごなしに散歩してくるぞ」

他所提督「……おぉ」

提督「…………」(スタスタ

576: 2015/02/08(日) 02:44:20.47 ID:EF8UgsCro
文月「…………」(トテトテ

提督「(どこへ向かうのだ……?)」


(医務室)

文月「……」(ガラガラ

駆逐艦娘X「…………」

駆逐艦娘Z「……」

提督「(医務室……先に食事を終えた子たちもいるな)」(そっ…



医師「では次」

文月「…………」

医師「ふむ、お前は採血もだな。それが終わったら今日の分を持っていけ」

医師「今、本土の連中が来ているから、くれぐれも見つかるんじゃないぞ」

文月「……ぅっ」

医師「フンッ、終わりだ。後がつかえるから、薬を持ってさっさと出ていけ」

文月「は…い」

提督「!」(ソソクサ


<ガラガラ・・・

文月「…………」(トボトボ

文月「――痛いよぉ」(グスッ…

577: 2015/02/08(日) 02:45:37.32 ID:EF8UgsCro
(曲がり角)
提督「…………う、うぬ」



(花壇)

文月「……うぅ」(涙グシグシ

文月「お花、はやく咲かないのかなぁ。先生ぇ、お花が咲く前に帰ってきます、って言ってたから……お花が咲いたら戻ってきてくれるよね~?」

文月「ぁ……お薬、飲まなきゃ」

文月「(見つかっちゃダメ……見つかっちゃダメ……)」(キョロキョロ

文月「あ~ん……」

提督「ま、待ちたまえ……!」

文月「!!」(ビクッ

提督「あ……す、すまない、また驚かせてしまった……」

文月「あ……あぁ……」

提督「その……手に持っているのは薬だね? よ、よければ何を飲んでいるのか教えてもらえないか……」

文月「み……見ないで、見ないで~」

提督「ぁ、いや……」

提督「(この反応……やはり、私たちに知られては困るもの、か)」

提督「――――だ、大丈夫だ」

文月「……えぅ?」

提督「じ、実は私も……みんなに隠れて薬を飲みに来たのだ。ほ、ほら、コレだ」(ラムネ

文月「…………おじさんも、お薬飲みなさいって医務室の先生ぇに言われてるの~?」

提督「う、うむ。み、見られてはダメというのは、他所提督や……私が連れてきた艦娘たちのことだろう。だ、だから、そんなに怖がるのはやめてもらえないか?」

文月「……」(じー

提督「う、うぅ……」(目泳ぎ

578: 2015/02/08(日) 02:46:13.61 ID:EF8UgsCro
文月「――――おじさんも文月といっしょなんだね~」(ニコー

提督「あ、ああ」

文月「…………」(キョロキョロ

提督「ど、どうかしたのかね?」

文月「えへへ、おじさんもお薬きらいだからココに来たんだね~」

提督「……う、うむ」

文月「じゃあね、じゃあね、いいこと教えてあげる~」(オイデオイデ

提督「な、なんだね?」

文月「えっとね~、ここのお薬は飲みすぎたら体に悪いから、ときどきペッてしたほうがいいんだよぉ」(ヒソヒソ

提督「……それは、誰が言っていたのだね」

文月「先生ぇ……。文月たちにお勉強とか教えてくれてたんだけど、この間、所長さんたちが連れていっちゃったの~」

提督「そ、そうなのか……」

文月「うん…」(ショボリ

提督「(先ほど、花が咲いたら……という独り言が聞こえたが、なるほど、この子が花が咲くのを待っていたのはそういう意味だったのか)」

提督「(所長たちに連れていかれた……つまり、その先生というのは、ココで行われている何かについて知っていたのだな。そして、その上でこの子……この子たちのために行動を起こして捕まった、と)」

文月「今日はね、文月お薬ペッてするから、ここに来たんだよ~」

文月「おじさんもペッするなら、花壇のココにね、お薬隠してるからペッしてもいいよ~」(ニコニコ

提督「っ……」

提督「あ、ああ、いや、私は今日、薬を飲んでおかないとお医者様に怒られるのでな……」

提督「ただ、少し気分転換をするためにここに来てみたのだよ」

文月「そうなんだ~。ほわぁ、ピンク色できれい~」

提督「……よければなのだが、君の薬と交換するかね?」

文月「ほわぁ、いいの~?」

提督「ああ……同じ形のものだしな、こっそり交換すれば怒られないさ」(ニコ…

文月「…………うん!」

提督「この薬は……口に入れて、すぐに噛み潰すんだぞ? そうしないと効果がないから。もし、薬を口に入れることも抵抗あるなら吐き出せばいいのでな」

文月「わかった~」(カリ…ポリ…



<!? ほわぁ、このお薬、すっごく、すっごく美味しぃ……!!
<そ、そうだろう、完全手作りで今では街に寄付しなければ手に入らない数量限定のラム……薬だからな
<え、えっとぉ……(チラチラ
<ま、まだ欲しいのか……? し、仕方ないな
<えへへ、ありがと~♪

579: 2015/02/08(日) 03:12:36.10 ID:EF8UgsCro
あんまり進んでないけど今日はここまでで
おやすみなさいなのです

583: 2015/02/08(日) 05:52:58.90 ID:U5G+NUVW0
乙デース
他所提督はまともにしてれば頼れる相棒になりそうなのよね~。
さてさて、もう少しで所長さんが縦に回転することになるのかしら?楽しみですね~



次回はこちら


引用元: 【艦これ】提督と艦むすの鎮守府での四方山話6【ネタ募集】