804: ◆m9tEpcJqyE  2015/02/25(水) 01:12:47.94 ID:/k5bdabIo




前回はこちら



《育成所》食堂

調理人「そーかそーか、ここの子たちが暗かったのは、偉いさんにひでぇことされてたからか……」

調理人「日ごとに暗くなってくからよぉ、俺ぁてっきり料理が不味いんだとばかり」

龍田「あら~、そんなことないですよ~。ウチの提督なんて、朝から丼三杯もおかわりしたんですから~」

調理人「へへへ、ならいいんだけどよ。ちっちぇナリで、深海棲艦の連中やっつけてくれてんだから、美味しいもんいっぺえ食わせてやんねぇと、って腕によりをかけて作ってるかんな!」

龍田「まぁ~」

調理人「よーし、嬢ちゃんたち、今日は好きなもんたらふく食わせてやっから、何でも好きなもん注文しな!」

菊月「え、えぇと……」

駆逐艦艦娘「…………」(ボソボソ

菊月「ど、どうした? ふんふん……」

菊月「すまないが、オムライスを一つ頼む」

調理人「あいよぅ! オム一丁!」

菊月「みんなは他にないか?」

駆逐艦艦娘「……ビフテキ」

駆逐艦艦娘「き、きのこ雑炊」

駆逐艦艦娘「ドネルケバブ」

菊月「おい」

駆逐艦艦娘「……冗談」(ニコッ

菊月「……まったく、少し油断するとお前たち…は」(グスッ

<泣いた? 泣いた?
<泣いでないっ……!




※このお話は、個性的な艦娘たちと提督の鎮守府での日常をたんたんと描くだけのものです。
過度な期待はしないでください。

鎮守府での四方山話シリーズ



805: 2015/02/25(水) 01:13:44.87 ID:/k5bdabIo
川内「……あっちの子たちはもう大丈夫っぽいねー」

那珂「ねーねー、文月ちゃんはあっちに混ざらないの?」(顔覗き

文月「ひ……」(ビクッ

神通「那珂ちゃん、私たちも軽巡洋艦の艦娘だから……急に話しかけるのは」

文月「…………」(オドオド

那珂「あ、あー、そっかー……ゴメンねー」(ショボーン

神通「ゴメンなさい、文月ちゃん。那珂ちゃんも悪気があったわけじゃないから」

文月「だ…いじょうぶ」

文月「…………」(キョロキョロ

神通「ど、どうかしましたか?」

文月「……おじさん、どこぉ?」

神通「おじ……さん?」

那珂「えっとー、もしかして、それって提督のことじゃー……」

文月「ン……」(コクコク

川内「ブフッ……おじさん、提督がおじさん……!」(ブルブル

那珂「あー……確かに、他所提督さんとかと比べると、暗いから老けて見えるよーな」

神通「……落ち着きがあるだけです」(ムスッ

文月「??」

川内「ヒヒッ、ヒー……な、なんでもないよー、気にしないで。そんで、提督がどうかしたの?」

文月「えっと、ね……さっき、お山でねぇ、助けてってお願いした時、助けてくれたから……ありがとぉ、ってしたいの」(ボソボソ

川内「(え、なにこの子、天使?)」

那珂「(あんな目にあってたのに、人にお礼言いたいって……強いなぁ)」

神通「……提督ももう少ししたら戻ってこられますよ」(ニコリ

文月「ぇ……ぁ、うん~」(俯き

<あー、神通が怖がらせたー
<いーけないんだ、いけないんだー
<わ、私、そんなつもりじゃ……

806: 2015/02/25(水) 01:16:39.47 ID:/k5bdabIo
《育成所》医務室


他所提督「……っし、これで応急手当て終わりだ!」

提督「む、す、すまないな」(右手封印中

他所提督「具合はどーよ?」

提督「……右肘から先が痛くてたまらん」(脂汗

他所提督「そりゃな、人の顔を薩摩芋みてぇになるまで殴ったら、艤装で強化した艦娘の拳でも壊れるっつーの」

提督「これでは当分、右手でドローできそうにないな」

他所提督「まず箸か竿(意味深)の心配しやがれ、デュエル脳」

提督「一つ……聞いてもいいだろうか?」

他所提督「お前が俺に質問とか珍しいな。なによ?」

提督「私は、や、やり過ぎたのだろうか……」

他所提督「あー、あれなぁ。……ま、別にいいんじゃね? やったらやり返されるのいい見本だろ」

他所提督「俺だったら両手足、斬り落としてただろーし、オネエだったら去勢拳使ってただろーし、メガネは……確実に十七分割だろ?」

他所提督「最終的に殺さなかったんだから、やっぱオメーは優しいよ」

提督「……殺さずに済んだのは、神通君のお陰だ」

他所提督「んじゃ、あとでちゃんとお礼言っとけ。なるべく、手を握るか抱きしめるかして、耳元で甘く囁く感じでな!」(ニヤニヤ

提督「……何故だろう、む、胸の痛みが倍加したのだが」(キリキリ…

他所提督「お前が押さえてんのソレ、腹だからな、腹」(呆れ

提督「ぬう……」

807: 2015/02/25(水) 01:17:16.83 ID:/k5bdabIo


提督「そ、それで、彼女の容態は?」

他所提督「……正直、ダメっぽいな。駆逐艦の艦娘よか頑丈だろう、ってあれもこれも投与しやがったらしいし」

他所提督「本土の病院で回復するのを祈るしかねえ」

提督「そう、か」

他所提督「文月だっけ? とりあえず、その子に知られないよう、《龍田》の医務室には運んでおいた」

提督「せ、世話をかける」

他所提督「いーって、菊月たちにも頼まれたしな。文月にはできるだけ、嫌なこと知らせないでおいてやってくれ、って」

他所提督「ったく……根性あるよな、あのチビっ子ども」

提督「ああ……私などよりもずっと」

提督「所長たちの引き渡しは2日後、憲兵の方たちが到着してから」

提督「それが済んだら、ここの子たちを連れて本土へ帰投する」

他所提督「了解。思ったよか早くカタついたし、任務頑張ったご褒美ってことで羽伸ばすかー」

提督「……そうだな。あの子たちには、長めの安息が必要だ」

他所提督「オメーもちゃんと休んで、手ぇ治せよ~?」

提督「む……りょ、了解した」

他所提督「よぅっし! 腹が減った、飯だ飯だ。みんなも待ってるだろーし、食堂行こうぜ!」

提督「う、いや……私は神通君たちと顔を会わせづらいので、宿舎の方へ……」

他所提督「さっきのお礼云々はどこにいきやがった。却下だ却下! おら、チャキチャキ歩きやがれ!」(ガシッ

提督「ぐあっ!? み、右手を掴むのは卑怯だぞ……!」

他所提督「ケケケッ、軍学校時代、徒手空拳で勝てなかった仕返しだぜ」

提督「ぬうぅぅ……」

<そーいやお前、妖精たちに何か頼んでなかったっけ?
<あ、ああ、所長が船で逃亡を図るのは予想できたのでな。妖精君たちに頼んで、島を離れたら自動操縦で大本営に向かうよう細工してもらったのだ。
<……途中で操舵装置壊したらどーすんだよ?
<そ、その時は、船の全機能がダウンして、大本営からの救援を待たざるを得ない状況になっていただろうな。フ、フフ、だ、脱出艇にも同様の仕掛けを施しておいたから安心したまえ。
<さ、さすが、軍学校時代、妖精たちと訓練艦を魔改造して教官を泣かせただけはあるぜ……
<??

808: 2015/02/25(水) 01:18:30.06 ID:/k5bdabIo
《育成所》食堂

他所提督「やーやー、みなのもの。楽しんでいるかね!」


川内「あ、戻ってきたみたいだね」

文月「!」(パッ

龍田「あら~、提督お帰りなさ~い」

他所提督「おう。龍田、腹へったー、なんか食うもんねえ?」

龍田「はいはい、ご飯の前にちゃんと手を洗ってね~♪」


提督「…………」(俯き

提督「(じ、神通君たちのところへ行くのが、果てしなく気が重いのだが……)」

提督「(みんなの前で所長を暴行したのだ……い、いつか自分たちにも暴力を振るうのでは、と怯えられている可能性も……)」(オドオド

<クイ……クイ……

提督「ぬ……?」

文月「ぅ、ぁ……」

提督「ど、どうかしたのかね?」

文月「ぇ……とね、さっきね、文月が苦しかったときにね、た、助けてくれてありがとぉ」(モジモジ

提督「……い、いや、気にしなくていい。むしろ、もう少し早くに助けられればよかったのだが」

提督「よ……用件はそれだけかね?」

文月「ぅ……えっと、それだけ……ごめんねぇ」(グスン

提督「あ、謝ることなんて何もないぞ」(オロオロ

文月「……うん~」(目クシクシ


川内「おーい、提督も文月ちゃんもそんなとこ立ってないで、こっちでご飯食べよー」

那珂「食堂のおじさんがねー、すき焼き作ってくれるんだって♪」

文月「………ぅ」(カクレカクレ

提督「……む、む?」

川内「提督の後ろに隠れちゃった……」

那珂「那珂ちゃん、ショック……」

神通「ひ、酷いことがあったせいで、人見知りになっちゃってるんですよ」

文月「……」(ギュゥ…

提督「……そ、その、彼女たちは……わ、私が信頼している子たちなので、怖がらなくても大丈夫、だよ」

文月「…………」(ソロ~

川内「よろしくー」

那珂「ヤッハロー♪」

神通「えっと……神通です、よろしくお願いします」(ニコ

文月「…………」(引っ込み

提督「さ、さあ、文月君も今日は疲れただろう。たくさんご飯を食べて、ゆっくり休みたまえ」

文月「うん~……」

809: 2015/02/25(水) 01:19:48.79 ID:/k5bdabIo
他所提督「ハフッ、ハグッ……バクッ、ガツ……!」(バクバクモリモリ

龍田「あっちの子、ずいぶん向こうの提督さんになついてるのね~」

他所提督「ぷー……仕事した後の飯はうめえ」

龍田「提督、私の話聞いてます~?」

他所提督「おう、聞いてる聞いてる」

他所提督「たまに軍学校のボランティアで孤児院とか行ってたんだけど、あいつはアレだ、変わったガキとか動物にやたら好かれるサイドエフェクト的な何かを持ってんだ」

他所提督「たぶん、敵意がないってのがわかんだろうなー。こう、最初は恐々様子を窺ってた子が、ちょっと経ったら手ぇ繋いで、ダッコしてーだぜ? メガネの奴が血の涙流して悔しがってた」

龍田「へえ~」(チラッ


提督「た、食べられないものはあるかね? あるなら、私が貰おう。熱いから、ちゃ、ちゃんと冷まして食べるのだぞ?」

文月「……ん」(モキュモキュ

神通「あ、あの、提督……手を怪我されていますし、必要でしたらお食事のお手伝いを……」(ドキドキ

提督(E:左手箸)「…………」(シュババッ

神通「」

川内「おお、見事な箸捌き!」

那珂「無言で拒絶しなくてもいいじゃん……」

神通「あの……その、あの……ゴメンなさい」(ショボリ

提督「う、うぐぅ……」(キリキリ…


龍田「(動物になつかれちゃう動物アレルギー持ちの人、みたいな感じね~)」

龍田「……ちなみに、提督はどうだったんですか~?」

他所提督「俺? 俺は……うん、どいつもこいつも人のことからかって遊びやがって。しかも、俺だけ呼び捨てだしよ……」(ムスッ

龍田「仕方ないですよ~、バカなんだから~♪」

他所提督「」

菊月「だ、だが、貴様のそういうところは悪くない……と思うぞ」(ボソボソ

他所提督「んあ? なんか言ったか」

菊月「な、なんでもない!」

龍田「あらあら~♪」

駆逐艦艦娘「…………」(ニヤニヤ

駆逐艦艦娘「…………」(ニコニコ

駆逐艦艦娘「…………っ、っ!」(ブルブル

菊月「お、お前ら、なに笑ってるんだ!? おい、やめろっ、こっちを見るな!!」

810: 2015/02/25(水) 01:22:17.64 ID:/k5bdabIo
提督「(さて、憲兵の方たちが到着するまで半分休暇の形になったはいいが……)」

提督「(本土に戻ってからのこともある、食事が終わったら作れる書類を作っておこう)」

提督「(事件の詳細は先生にも報告してあるし、病院の手続きなどは心配ないとして、裁判が行われる時に必要になりそうな、ここでの実験、投薬された薬剤の種類と量、期間……あとは、気が重いが人数の推移……)」(ブツブツ

神通「(提督、もう次のお仕事のこと考えて。手だって怪我されているのに……少し、休んでほしいです)」

川内「(相変わらず、クソ真面目だなー)」

那珂「(こーしてると、すごく格好いい提督なのになぁ)」

文月「……」(じー

提督「……」(ピクッ

文月「…………」(じぃー

提督「(み、見られている……)」

提督「………………」(ゴクリ

提督「ど、どうかしたのかね?」

文月「ほわぁ、ご、ごめんなさぃ」(ビクッ

提督「い、いや、怒っているわけではない。私を見ていたようなので、何か話があるのかとな……」

文月「…………えっとね」

文月「あっちに帰ったら、文月たち……どうなるの?」


菊月「!」(ピクッ

駆逐艦艦娘「…………」
駆逐艦艦娘「……」(ゴクッ
駆逐艦艦娘「…………」(ビクビク
駆逐艦艦娘「(オオ、ブッダ……)」

<しーーーん

提督「……安心したまえ」

提督「この件が終わった後、君たちが望むのなら、艦娘として……可能な限り、評価の高い提督がいる鎮守府や基地に着任できるよう、大本営に取り計らってもらう」

提督「もし、艦娘でいることが辛くて、一般人として過ごしたいのであれば、そちらについても全力で、君たちと共に暮らしてくれる人を捜す」

提督「ここでの実験のせいで、大人を信用できないという思いもあるだろう。もしそうなら……信じてほしいとは言わない」

提督「君たちに信用されようと、されまいと、関係なく君たちが望む道に進めるよう力を尽くす。それが、私や他所提督たちの、『大人』としての責務だからな」

文月「…………」

文月「おじさん、ありがとぉ」(ニコ…

提督「そ、その、おじさんはやめてもらえないだろうか……」

文月「ぅ……じゃ、じゃあ……し、司令官……?」

提督「」

文月「ダ、ダメぇ?」(ビクビク

提督「……カ、カマワナイヨ」





他所提督「とりあえず、一人目の着任先は決まったな」(ニヤニヤ

龍田「一人だけ、かしら~? ねえ、菊月ちゃ~ん♪」

他所提督「んん? なに、お前もう行きたいとこ決まってんのか」

菊月「……知らんッ」(プイッ

825: 2015/02/26(木) 01:22:00.77 ID:DkdlUe/do
(夜)

提督「さて……仕事を始めようと思ったはいいが」

右手<グウッ、し、鎮まれ俺……!!(ズッキンズッキン

提督「左手でどこまで進められるか、だな――――む?」


<knock……knock……

提督「…………だ、誰、だね?」

神通『提督……神通です』

提督「…………」(ガチャッ

神通「あの、こんな時間に申し訳ありません……。遅くまで起きられると思って、珈琲をお持ちしました」

珈琲セット(2人分)<おい、空気読めよ

提督「……そ、そうか、ありがとう。は、入りたまえ」

神通「は、はいっ! ど、どうぞ……あの、チョコレートもありますからね」

提督「む……う、うむ、そうか……座りたまえ」

神通「し、失礼します」

提督「……」(カキカキカキカキ

神通「…………」(ソワソワソワソワ

提督「――――今日は、すまなかった」

神通「え……?」

提督「少し、冷静さを欠いていた。いかに相手が外道でも、私に彼を裁く権利などなかったのに」

神通「……提督が憤られたのは当然のことだと思います。今回の事件は、私たちにとっても、絶対に許せないものでしたから」

神通「艦娘とはいえ、小さな子たちにあんなに酷いことができるなんて……私には、理解できないです。まして、それに手を貸していた軽巡洋艦の艦娘たちも……」

提督「彼女たちも、艦娘である前に人間だ。きっと、仕方がなかったのだろう」

提督「いつ、どんな状況でも気高く、清らかに生きることはできないものだよ……人間なんていうものは」

神通「提督?」

提督「……ただの独り言だ、忘れてくれ」(カキカキ

提督「珈琲ありがとう、いい息抜きになったよ。……今日はもう遅い、神通君は休みたまえ」

神通「……はい」(俯き

提督「…………」(カキカキカキカキ

神通「――――あの、提督」

提督「む、む?」

神通「提督は今回のこと、後悔されているかもしれません……」

神通「でも、私は……神通たちは、提督が私たち艦娘のために怒ってくださったこと、本当に嬉しく思っています……」

神通「それだけは、忘れないでくださいね?」

提督「……心に留めておこう」

<パタン……


提督「…………」

提督「さて、朝までに仕上げてしまおうか」(カキカキカキカキカキカキ…

826: 2015/02/26(木) 01:23:08.82 ID:DkdlUe/do




《育成所》宿舎(神通たちの部屋)

神通「あの、ただいま……」

那珂「……神通ちゃん、帰ってきちゃったんだ」

神通「え?」

川内「なんだー、つまんないなー。やり過ぎたって落ち込んでる提督を慰めて、いい雰囲気になってそのまま夜戦(意味深)……っての期待してたのに~」

神通「ええ!?」

827: 2015/02/26(木) 01:24:04.05 ID:DkdlUe/do
(2日後)


他所提督「お、到着したみたいだぜ」

憲兵A「提督殿、他所提督殿、お疲れ様です。お待たせして申し訳ない」

提督「い、いえ、迅速な行動、感謝します」

憲兵B「さあ、不正を働いた奴はしまっちゃおうね」

憲兵C「おい、チャキチャキ歩け!」

医師「ぐう……」

軽巡艦娘「なんで私がこんな目に……」

軽巡艦娘「ちくしょう……」

軽巡艦娘「私たちはやれって言われたからやっただけよ、悪くない……!」

憲兵B「そういうのは本土に帰ってから聞くから、黙って乗れ」

所長「かっ……ぁぺ……」

憲兵C「(すげえ、顔のバランスが崩壊してる。てか顔色キッモ!!)」

憲兵A「物資や燃料の補給は済んだな? 出発するぞ」

あきつ丸「ハッ、なるべく快適な船の旅を約束するであります」

828: 2015/02/26(木) 01:24:34.37 ID:DkdlUe/do



他所提督「……行ったな。んじゃ、俺らも本土に向けて出発すっか!」

提督「ああ、そうだな」

他所提督「菊月たちは、《龍田》に乗せるから……文月はそっちに任せたぜ」

提督「あ、ああ」

龍田「は~い、みんな~、もうすぐ出発だから艦に乗ってね~」

菊月「みんな、忘れ物はないな?」

駆逐艦艦娘ズ「…………」(コクコク

提督「(随分とこの子たちは他所提督に懐いたな。まあ、軍学校のボランティアでも、ひたすら子供に好かれていたからな)」

神通「提督、軽巡洋艦《神通》の出航準備、完了しました」

川内「食堂のおっちゃんがお弁当持たせてくれたよー!」

那珂「ここの人たちも、次の定期船で本土に帰るから心配ないって!」

提督「了解した。……その、文月君は?」

神通「え? あ、つ、ついさっきまで一緒にいたんですけど……」

<パタパタ……

那珂「あ、戻ってきたみたい」

提督「ど、どこに行っていたのだね?」

文月「ぁぅ……ご、ごめんなさい」

提督「だ、大丈夫だ、怒っていない。ただ、きゅ、急にいなくなったから……」

文月「えっとねぇ、島をでていく前に花壇をね、見にいってたのぉ」

文月「そしたらねぇ……これぇ」(ズイッ

川内「鉢植え?」

那珂「あ、見て見て、なんか芽が出てる!」

神通「まあ……」

文月「この花が咲いたらね、いいことがあるよって先生が教えてくれたのぉ」

文月「いいことって、きっと司令官たちのことだったんだねぇ」

提督「……そう、だといいな」

提督「さあ、行こうか。その鉢植えは落とさないようにな」

文月「えへへ、うん~」(手ギュー

提督「」

829: 2015/02/26(木) 01:26:11.05 ID:DkdlUe/do
――――そして本土帰投



《病院》

元帥「……調子は、どうだね」

重巡艦娘「ッ、んっ――――」(グ、ググ…

重巡艦娘「ご…覧の……とおり……も、う……元帥、の……お役に、は、立てそうに、ありません……ね」(ニコ

元帥「……すまなかった」

重巡艦娘「い、いいんです、よ……任務以外、の……こと、しようとした私が、悪いんです」

重巡艦娘「元、帥……あの子たち、は……今、笑っていますか?」

元帥「当然だ……私が、手塩にかけて育てたバカどもに預けたのだからな」

元帥「まだリハビリ中の子もいるが、それが済めば信頼できる提督の元に着任させる。君に、誓おう」

重巡艦娘「……フ、フフ、なら、いいです」

重巡艦娘「も、う……艦娘として、働くことはできなくなったけど……ちゃんと、あの子たちを……助けられたのなら、後悔なんて、な……いです」

元帥「……もう休みたまえ」

重巡艦娘「そ……です、ね」

重巡艦娘「これ……は、私の……ミス、ですから……気に病まないで、ごめん……なさ、ぃ」

重巡艦娘「――――――――」

元帥「……ッ」

元帥「恨むぞ、玖珂……」

元帥「お前のせいで、こんなにも……艦娘を失うことが辛くなったじゃないか」

元帥「――――さあ、私の大切な部下にこんなことをしてくれた連中にお礼をしなくてはな」(フラッ…


《大本営》

憲兵A「さて、これから尋問を開始するわけだが、お前たちの担当は実は私たちではない」

医師「?」

軽巡艦娘ズ「「「?」」」

所長「ぁ、ぶ……?」

憲兵A「――――どうぞ」

元帥「…………」(スッ

元帥「さて、これから君たちにはいろいろ聞かねばならぬことがあるのだが、その前に一つだけ言っておこう」(ニッコリ

元帥「――――私の、大事な部下が、世話になったようだね?」

所長「!!?」(ガタガタ

元帥「いや、残念だよ……素直に罪を認めて、動機や『販売』した艦娘の取引ルートを教えてくれると助かったのだが、何をされようが喋る気がないと突っぱねられては、こちらとしても手段を選んでいるわけにもいかないからね」

憲兵A「では、私どもは向こうの部屋に控えています」

憲兵B「もし、(やり過ぎて)やばくなったら呼んでください」

憲兵C「それまでは、待機しています……何が行われても」

元帥「ああ、助かるよ」

元帥「さあ、それでは始めようか」

元帥「……なるべく早く、喋 っ て く れ る こ と を 祈 る よ 」

憲兵A「(さすが……あの提督さんや他所提督たちの先生なだけはある)」

――――バタンッ

830: 2015/02/26(木) 01:27:04.12 ID:DkdlUe/do
《鎮守府》執務室

漣「……で。懐かれた手前、今更他の鎮守府や基地に送ることもできなくて、大本営に『ウチで面倒を見ます』って言っちゃったわけですか」

提督「……すまない……漣君になんの相談もせず、本当にすまない」

漣「いや~、漣的には鎮守府の所属艦娘を増やしてくださるのは大歓迎なのですがー……」

文月「っ……っ!」(ビクビク

漣「知らない場所に連れてこられた子犬みたいですね~。ここに来てから、ずっとご主人様にひっついてる気がするんですけど」

提督「ま、まだ慣れていないせいだから……や、優しく見守ってあげてくれたまえ」

漣「……ま、ご主人様がそう仰るのでしたら、漣は構わないんですけどね」

漣「よろしくお願いしますね、文月ちゃん♪」

文月「っっ!」(ササッ

漣「ありゃりゃ……これは慣れるまで、もーちょっと時間かかりそうですねー」




(文月着任から数週間後)

《鎮守府》執務室

文月「司令官、司令官、司令官~!」

提督「む、むっ、どうしたのだ文月君!?」

文月「えっとね、えっとね、来て、来て~!」(グイグイ

提督「!!!?」





(花壇)

文月「見て見て、咲いたよ、咲いたよ~♪」

提督「……ほう」

文月「えへへ、きれいだね~、司令官~!」

提督「……ああ、そうだな」

831: 2015/02/26(木) 01:30:36.47 ID:DkdlUe/do
《他所鎮守府》執務室

<ピンローン!

菊月「……む」

他所提督「なんだー、お前もlineやってんのか」

菊月「わ、悪いか」

他所提督「うんにゃー、そーいうのお前、無駄な機能だって嫌ってそうなイメージあったからなー」

他所提督「でもやってるならアレだなー、俺ともlineすっか?」

菊月「い、いいのか!?」

他所提督「おー、いいぜー。後でフレンド申請しといてくれ……っと、そういや、さっきのはなんだったんだ?」

菊月「……花が咲いたそうだ」

他所提督「花?」

菊月「文月の奴、連れていかれる前の日、先生から渡された花の種をまだ育てていたらしい」

他所提督「へえ、綺麗な花じゃねえか」

菊月「……ああ、本当にな」

他所提督「んで、これなんの花なんだ?」

菊月「知らずに綺麗だとか言ってたのか、貴様」

他所提督「しゃあねえだろ、俺そういうの詳しくないし」

菊月「いいか、これはな、アゲラタムと言って――――」

<つーか、なんでお前、膝に座ってんの? 重いんだけど
<重いだと!? お、女に向かって失礼だろうが!
<イッテェ!?




《鎮守府》花壇

提督「……文月君、ここでの生活は楽しいかね」

文月「えっとね、えっと……」

文月「漣ちゃんも、神通ちゃんたちも、みんなみんな優しくてぇ……司令官も、とってもとっても優しくてぇ……」

文月「うん~……文月、今とってもうれしいよぉ」

文月「先生にも、ちゃんとお花が咲いたよって教えてあげたいな~。きっと、よくできましたって言ってくれるよねぇ、司令官♪」

提督「そうか……そう、だな」(ギュッ

文月「ほわぁ……!? く、苦しいよぉ、司令官……?」

提督「ちゃんと、先生に花が咲いたことを伝える……君に、誓って」

文月「??」

文月「うん、わかった~。ありがとぉ、司令官♪」(ギュー


提督「(アゲラタム……その花言葉は、信頼、安楽……そして――――)」



    楽しい日々



833: 2015/02/26(木) 01:56:33.06 ID:DkdlUe/do
《他所鎮守府》執務室

<ピンローン!

菊月「……む」

他所提督「なんだー、お前もlineやってんのか」

菊月「わ、悪いか」

他所提督「うんにゃー、そーいうのお前、無駄な機能だって嫌ってそうなイメージあったからなー」

他所提督「でもやってるならアレだなー、俺ともlineすっか?」

菊月「い、いいのか!?」

他所提督「おー、いいぜー。後でフレンド申請しといてくれ……っと、そういや、さっきのはなんだったんだ?」

菊月「……花が咲いたそうだ」

他所提督「花?」

菊月「文月の奴、連れていかれる前の日、先生から渡された花の種をまだ育てていたらしい」

他所提督「へえ、綺麗な花じゃねえか」

菊月「……ああ、本当にな」

他所提督「んで、これなんの花なんだ?」

菊月「知らずに綺麗だとか言ってたのか、貴様」

他所提督「しゃあねえだろ、俺そういうの詳しくないし」

菊月「いいか、これはな、アゲラタムと言って――――」

<つーか、なんでお前、膝に座ってんの? 重いんだけど
<重いだと!? お、女に向かって失礼だろうが!
<イッテェ!?



《鎮守府》花壇

提督「……文月君、ここでの生活は楽しいかね」

文月「えっとね、えっと……」

文月「漣ちゃんも、神通ちゃんたちも、みんなみんな優しくてぇ……司令官も、とってもとっても優しくてぇ……」

文月「うん~……文月、今とっても楽しいよぉ!」

文月「先生にも、ちゃんとお花が咲いたよって教えてあげたいな~。きっと、よくできましたって言ってくれるよぉ、司令官♪」

提督「そうか……そう、か」(ギュッ

文月「ほわぁ……!? く、苦しいよぉ、司令官……?」

提督「ちゃんと、先生に花が咲いたことを伝える……君に、誓って」

文月「??」

文月「うん、わかった~。ありがとぉ、司令官♪」(ギュー

提督「(アゲラタム……その花言葉は、信頼、安楽……そして――――)」



    楽しい日々





854: 2015/02/26(木) 07:41:12.70 ID:4FSfKJYVO
【コミュ障7つスキル】

(数年前)
《英国》軍学校男子寮

金剛「……そういえば、アナタって散髪はどうしてるの?」

提督「な、なんだ、急に……? というより、な、何故祝日の朝から君が部屋にいるのだ……」

金剛「いいじゃない、別に。どーせ暇してるだろうと思って、遊びに来てあげたのよ」(ゴーロゴロ

提督「あ、あの、前々からお願いしているが、ベ、ベッドに寝転ぶのはやめてくらないか……」

金剛「……やーだ」(バフッ

金剛「(ここの匂い、なんだか安心するから……なんて、ちょっと変態みたいかしら)」(モフモフ

提督「(あ、あとで布団を干しておこう……)」

金剛「スー……ハー……っと、こ、こんなことしてる場合じゃなかったわ。散髪よ、散髪」

金剛「コミュ障のわりに髪はちゃんと整えてあるけど、どこでカットしてもらってるのよ?」

金剛「アナタが髪切るの任せるぐらいだから、よっぽど腕がいいか、人がいいかのどっちかよね」

金剛「私も前髪伸びてきたから、そろそろカットしたいのよ。ね、だから教えて♪」

提督「……どこで、と言われて……じ、自分で切っているのだが」

金剛「……え?」

提督「あ、あんな長時間、刃物を持った人に傍に立たれて耐えられるわけがないだろう? だ、だから、髪は自分で切っている」

金剛「え、と……前はいいとして、後ろはどうするのよ?」

提督「それは……鏡の前で、左手に手鏡を持って……こう」(エアカット

金剛「なんなの、その無駄な器用さ」

提督「フ、フフ、あまりコミュ障を舐めない方がいい。人とコミュニケーションを取らないためなら、この程度、朝飯前という奴だ」

金剛「なんでちょっと自慢気なのよ……」

提督「さ、さあ、疑問は解けただろう。髪をカットするなら、理髪店……いや、君は美容院か? と、とにかく、予約などが必要だろうから、こんなところで時間を潰さず、早めに店へ……」

金剛「…………ンー」

提督「ど、どうした?」

金剛「祝日にお店に行っても、どこも混んでるでしょうし……うん、そうよね、仕方ないわよね」(ブツブツ

提督「こ、金剛君?」

金剛「ね、ねえ、ちょっとお願いがあるんだけどさ、私の前髪、カット……して?」

提督「」

<しょ、正気か?
<冗談で女の子の命、触らせるわけないじゃない……バカ
<ぬ、ぬ……??

855: 2015/02/26(木) 07:42:44.46 ID:4FSfKJYVO

(提督、カット中・・・)

チョッキンチョッキンチョッキンナ♪

ジョキッ

<あ!?
<な、なに、どうしたの!?


金剛(市松)「…………」(チョーン!

提督「ぁ、いや、その、て、手元、が……」(目逸らし

金剛「オ……オオォォ……」(プルプル

提督「ヒィッ!? す、すまない、本当にすまない、ごめんなさい……!」

金剛「なにコレ!? ジャパニーズ市松人形みたい、素敵!」

金剛「私、知ってるわよ! こういう髪形の女の子を大和撫子って呼ぶのよね!?」

提督「む……む……?」

金剛「いいわ、こういうのもたまには気分が変わって!」

金剛「ちょっと写真撮って、写真! 妹たちに送るから!」(携帯パス

提督「りょ、了解した……」

提督「(この辺り、妙に日本かぶれというか……日本をおおいに誤解しているというか、だな)」

金剛「~♪」

提督「(と、とりあえず、機嫌はよさそうなので失敗したことは黙っておこう……)」(ドキドキ



《ちなみにこの後、軍学校の外国生まれ女子に金剛発信のナデシコヘアーが流行した模様》
※さらにその数日後、金剛妹の指摘によりカットのミスがバレ、提督は涙目の金剛にポカポカされた

880: 2015/02/27(金) 00:05:08.27 ID:DGszx7BpO
【謝罪の意があるのならば、例えコミュ障でもコミュニケーションを(以下略】
《鎮守府》執務室

漣「……そういえばご主人様ー」(カチカチ

提督「む、な、なんだね?」(カリカリカリカリカリカリ

漣「ちょっとした疑問なんですがー、ご主人様って他所さんやメガネさん、オネエさん以外に、軍学校時代からのお友達っているんですか?」

提督「…………」(ピタッ

提督「……少し、待ってくれ。頑張って思い出してみる」(ムムム…

(提督、記憶サルベージ中・・・)

提督「……どうしてか、軍学校のクラスメイトたちの名前どころか、顔も思い出せないのだが」

漣「……それ、一部の人以外とは誰とも目を合わさずに過ごしたからじゃないですかね」

漣「軍学校時代、どうやってクラスメイトとお話してたか、ちょっと漣に教えてくださいな」

提督「どうやってと言われても、こう……相手の顔を中心に、遠くを見るようにだな……」(遠山の目付

漣「(な、なんか悟り開いた人みたいな目ぇしてる……)」

提督「ど、どうしても相手を見なければならない時に重宝したのだ。ちゃんと視線を向けつつ、目を合わさずに済むから」(ボソボソ

漣「見事な観の目の無駄遣いですねー」

漣「あー、念のために聞いておきますけどー、ウチに所属してる艦娘の名前は覚えてますよねえ、さすがに?」

提督「ハ、ハハ、何を急に……当たり前ではないか」

漣「……制限時間10秒! ハイッ、スッタート!!」

提督「う、うぬ!?」

漣「はい、ジュー……キュー……!」

提督「さ、漣君、神通君、不知火君、い、一度大本営に戻ったが青葉君!」

漣「ハーチ……ナーナー……」

提督「ぬう……潮君、朧君、川内君、那珂君、文月君……ほ、鳳翔君、祥鳳君、瑞鳳君……」

漣「(ちょっと怪しくなってきましたねー……)」

漣「ローク……ゴー……」

提督「ぐ、うぅ……球磨君、多摩君、木曾君……」

提督「か、陽炎君…………ぬ、北上君? 大井君……曙君、赤城君……」(ひーふーみー

漣「そろそろ時間、ヤバいですよー? ヨーン……サーン……!」

提督「あっ……あ……や、大和君、伊勢君、蒼龍君……え、む……?」

漣「ニー……イ~チ……♪」

提督「や、弥生君っ、羽黒君、敷波君、満潮君、綾波君、吹雪君、金剛ッ、瑞鶴君、イムヤ君、衣笠君、加賀君、那智君、熊野君……!!」

提督「ゼエ……ハア……ど、どうかね……?」

漣「ンッン~……ファイナルアンサー?」

提督「…………う、うむ」

漣「…………」(ピッポッパッポッピッ

提督「さ、漣君、どこへ電話……?」

漣「あ、もしもし、ハイッ、漣さんなのです。実はですね……ええ、はい……ってなことがありましてー」

漣「なーのーでー、……さんたちに執務室へ行くよう伝えてもらえるとー」

漣「え? 大丈夫ですよ、モーマンタイ。どーせ艦隊の指揮とか以外、2週間くらい平気でお話してなかったからでしょうし……いい薬ですって」

漣「ではではー、しくよろデース」

提督「さ、漣君……さっきの電話は……」

881: 2015/02/27(金) 00:05:59.68 ID:DGszx7BpO

<ガチャ…………キイィィィ…

提督「!?」

雷「司令官……私が、いるじゃないぃ……」(ウルウル

大鳳「……いいんです、自分でもなんとなくわかってましたから。あ、私、空気並に存在感ないな、って」(自虐の笑み

提督「」

雷「もぉっと雷に頼っていいのよ……うぅん、頼って、何でもするからぁ~!」

大鳳「この程度、どうってことないわ……だって私、最新鋭の装甲空母だもん……頑丈、だもん」(イジイジ…

漣「……さすがに、ウチにいる艦娘とぐらいはちゃんとコミュニケーション取りましょうよ、ね?」

提督「………ま、前向きに、検討させていただき、ます」



喫茶《間宮》

間宮「…………」(パキョッ

羽黒「ヒャッ!? ど、どうしたんですかぁ……店長が卵割り失敗するなんて珍しいです……」

間宮「ん~、どうしてかしら……今、なんだか急にムカムカ、ってしちゃって♪」

伊良湖「ま、間宮さんほどじゃないですけど……私も、です」

伊良湖「こう……私はここにいるぞー、みたいな」

間宮「あら、伊良湖ちゃんも? 奇遇ね」

間宮「あぁ、どうしてかしら……なんだかとーっても、提督さんに会いたい気分♪」

羽黒「(ヒ、ヒエー……!?)」

898: 2015/02/27(金) 10:47:18.06 ID:j/hteMyIO
元ネタ:不知火の落ち度
【銀(シベリアハスキー)と金(ラブラドールレトリバー)】

《大本営》

不知火(当日秘書艦)「(本日、司令は会議に出席するため、不知火を連れて大本営へ来られています……)」

不知火「(司令に近づく危険な輩を排除する……それが秘書艦である不知火の役目)」

不知火「(漣さんや神通さんに代わり、司令の身をお守りいたします!!)」(ぬいっ

提督「(し、不知火君が妙に張り切っている……不安だ)」(キリキリ…


後輩提督「あっ、玖珂提督、お疲れ様ですっ」(ダダダッ

提督「!?」(ビクッ

不知火「!!」(サッ

後輩提督「わー、こんなとこでお会いできるなんてついてる……なー……」

不知火「……司令に、何かご用でしょうか?」(戦艦クラスの眼光

後輩提督「……あ、あはは、そういえば、ウチの秘書艦に呼ばれてたんだー」(そそくさ

不知火「……ふぅ」

提督「し、不知火君……?」



先輩提督(杖つき)「おー、玖珂君やないか。相変わらず、胃ぃ悪そうな面してんな~」(カツ…ヒョコ…

提督「! お、お久しぶりで……」

先輩提督「なんやー、右目やられたて話、ホンマやったんか。知らん間にいかしたファッションして」

不知火「!?」(ディーフェンス!!

先輩提督「およ?」

不知火「司令にご用があるのでしたら、不知火が、承ります」(威嚇する眼光

提督「し、不知火君……!?」

先輩提督「……ナハハ、面白い子ぉ集まっとるみたいやん、君んとこも」

先輩提督「長話したら噛みつかれそやし、僕は退散させてもらうわ」(カツ…ヒョコ…

提督「あ、あの……!」(アタフタ

先輩提督「ハッハッハッ! ええよええよ、怒ってへんから。その子も君の役に立と思てやっとるだけやし」(カンラカンラ

不知火「(一難去ってまた一難……司令に近づこうとする輩は後を絶ちませんね)」(汗ぬぐい

提督「……あ、あの、だね、不知火君」

不知火「はい、何でしょうか司令!」(キラキラ

提督「き、気合が入っているのはわかるが、誰彼構わず……」

899: 2015/02/27(金) 10:50:09.29 ID:j/hteMyIO


老提督「おや、珍しい子に会うたものよ。変わりないかね」

提督「!! は、はっ……ろ、ろろ、老提督殿もお変わりないようで……」

老提督「ホッホッ、そんなに畏まらんでええ。君とワシの仲ではないか」(肩パンパンッ

不知火「!!!?」

提督「う、うぅ……し、しかし……」

老提督「おお、おお、そういえばこの間、川で釣り糸を垂れておったら……ふぉ?」

不知火「……」(割り込み

不知火「司令を叩くのは……やめていただけますか」(キッッ!

提督「し、不知火君……!?」

老提督「ホッホッホッホッ! よい気迫じゃ。主を守ろうと必氏になり過ぎで、ちっとばかし空回りしとるがのぉ」

提督「……うぐぐ」(キリキリキリキリ

老提督「話の続きは会議の後、弁当でもやりながらするかな」(スタスタ

不知火「くっ、不知火がついていながら……お怪我はありませんか、司令……司令?」

提督「し、不知火君……」(プルプル…

不知火「ご安心ください、次こそは司令を完璧に、不埒な輩が近寄る前に追い返してご覧にいれます!」(ぬぬぬいっ

提督「お、お願いだから鎮守府に戻るまで、おとなしく…………ぬ?」



<ダダダダダダダダッ!



比叡「お兄様!? 何故、鋼太郎お兄様がここに!? 挨拶ですか? 金剛姉様と結婚の?」(詰め寄り

提督「ひゃぁぁぁ!?」(熊野語

不知火「カエレッ!」(立ちはだかり

比叡「な、何ですかあなたは……!」

不知火「司令は、司令ぇは不知火がお守りいたします!」(ガルルルルッ

比叡「ヒエーッ!?」

比叡「お、お兄様~……」(キュ~ン…クゥ~ン…

提督「(不知火君を止めるべきか、それとも比叡君に任せてこの場を逃げ去るべきか……)」(ムムム



霧島「……なにやってるんでしょうか」

元帥「私には、なついてる犬同士が主人の取り合いをしてるように見えるがね」(ため息

霧島「その飼い主が犬を怖がっているのが、またどうしようもないと言いますか……」(頭痛

907: 2015/02/27(金) 17:33:50.28 ID:NF8s4iQ2O
(おまけ)【るいは友を呼ぶ】

提督「わ、私はこれから会議だから、き、君たちはおとなしく待っていたまえ」

不知火「はい、了解しました」(ピシッ

比叡「ハーイ」(ピョンピョン

提督「(ほ、本当にわかってくれているのだろうか……)」(キリキリ…

提督「べ、別にここにいる必要はないからな?」

不知火「はい」

比叡「はいっ」


不知火「……さすがに、ずっと立って待つわけにはいきません。丁度ベンチがあるので、そこに座らせてもらいましょう」(ストンッ

比叡「えー、それは少し寒くないですか?」

不知火「不知火は寒さに強いので平気です」

不知火「それに、不知火にはこの司令が貸してくださったコートがあります……装備は完璧です」(ぬいっ

比叡「いいなー」(ジー

比叡「……クシュン! アハハ、暖かいといっても、風が吹くとちょっと寒いですね」

比叡「そうだ! 私、なにか温かい飲み物買ってきます! 不知火さんは何がいいですか?」

不知火「不知火は結構です」

比叡「そんなこと言わずに、さあさあ……クシュン!」

不知火「……」(ヌギヌギ

不知火「不知火のマフラーと手袋でよければ、どうぞ」

比叡「不知火さん……ありがとうございますっ!」

比叡「よっし、もう寒さは吹き飛びました! 気合、いれてっ、兄様を待ちましょう!」

不知火「……はい!」


(30分経過)

不知火「……」(ソワソワ

比叡「……」(チラチラ

<コツ…コツ…

不知火「!」(バッ

比叡「!」(ガタッ

事務員「?」(スタスタスタ

不知火「……違いました」(ストンッ

比叡「会議、まだ終わらないみたいです」(トスンッ

908: 2015/02/27(金) 17:37:25.59 ID:NF8s4iQ2O

(1時間経過)

<コッ…カッ…コッ…

不知火「!!」(ガタタッ

比叡「!!」(ババッ

将校「ん……?」(ジロジロ

不知火「……」(敬礼

比叡「……」(敬礼

不知火「……まだ会議が続いているようですね」(コトッ

比叡「……ですね」(ストンッ



(1時間半経過)

不知火「……まだ、終わらないのでしょうか」(ソワソワチラチラ

比叡「私、少しお腹が空きました」(ヒエー…

不知火「不知火もです」(ぬいー…

不知火「司令ぇ……」(ショボリ

比叡「兄様~……」(ショボーン



《大本営》会議室

元帥「……おい、あの二人をさっさと追っ払ってきたまえ。外にあんなのが待ってたら、気が散って仕方がないだろうが」(プルプル

提督「も、申し訳ありません……本当に申し訳ありません……!」(キリキリ…



<し、不知火君、比叡君も、こんなところで待たず、食堂かカフェにだね……
<!? 会議が終了したのですね、司令!
<お仕事お疲れ様です、兄様!
<ま、待て、待ちたまえ……ヒ、ヒエェーッ!?(脱兎
<司令? 司令ぇ……!?
<兄様……どこへ行くんですか、兄様~!?


元帥「おい……ちょっと待て、オイ……」(ピキピキ

老提督「ミイラ盗りがミイラに……はちと違うかの」

他所提督「アイツ、すっげえ勢いで遠ざかってんですけど……」

メガネ提督「会議、どうするんだろうね……」

オネエ提督「ま、まあ、会議にあの子たちのことで、MP切れ寸前だったでしょうし♪」

先輩提督「~~~ッ、ブフ……は……アカンて玖珂君、ヒヒッ……!」(ビクッビクッ

後輩提督「あのー、ツボに入り過ぎて痙攣起こしてる人がいるんですけどー……」

元帥「そのまま転がしておきたまえ。……霧島、頼む」

霧島「ええ、ちょっとひとっ走りして捕まえてきますね」

霧島「チェック、ワン、ツー……よぉしっ」(ガチダッシュ

元帥「……霧島たちが戻ってくるまで休憩」(頭痛

オネエ提督「苦労してるわねぇ、センセッ♪」

元帥「……何で私、イロモノみたいな部下たちばかり重宝しているんだろな」

一同『たち?』

元帥「………………ハァァ~」

923: 2015/03/02(月) 00:59:19.37 ID:j9tdLSAsO
元ネタ:大井のデレ
【あえて関係は否定はしない】

《鎮守府》通信室

北上『……てなわけで、遠征がちょびっと長引いちゃってさー。ゴメンだけど、明日のお買い物は無理っぽい』

大井「そ……そんなぁ……」

北上『まー、また今度埋め合わせするからさー。んじゃ、そろそろ《北上》の補給終わるから、私戻るねー』

大井「あ、ああっ、待って北上さんっ……北上さぁ~ん……!」

<ツー……ツー……


大井「……ハァァ、なんかもー、やる気なくなったわ」

大井「誰よ、北上さんを遠征に行かせた奴…………って、考えるまでもないわ、提督じゃない」

大井「そうよ、全部提督が悪いのよ、提督が」

大井「……これはもう、提督にも埋め合わせしてもらわなきゃ割に合わないわ」

提督「む……お、大井君か、北上君と連絡はついたのかね……」

大井「…………あらァ、提督、丁度い・い・と・こ・ろ・に ♪」(ニッタァ~

提督「う、うぬ?」

大井「明日、お休みでしたよね? 暇ですか? 暇ですよね」

大井「……ちょっと詫びのつもりで付き合いなさいよ」(ドス声

提督「!!?」(カンコーン!

924: 2015/03/02(月) 00:59:50.90 ID:j9tdLSAsO
(翌日)
《鎮守府郊外》

大井「ほら提督、次はここのブティックに行きますよ」(雑誌見せ

提督「う、うう、うむ」(ヨロヨロ

提督「(あ、あまりの迫力に了承してしまったが、な、なぜ私が大井君の買い物に付き合わねばならないのだ……)」(キリキリキリキリ…

提督「(帰りたい……ああ帰りたい……帰りたい)」(提督、心の俳句

大井「(……チッ、わかっちゃいたけどホンットーに嫌々ついてきてるわね)」

大井「なんかイラッとするわ……」(ボソッ

提督「ッ!!? お、大井君?」

大井「おっと……いえ~、何でもないです♪」

提督「そ……そうか」(オドオド

<…………ママ~

提督「ぬ?」

大井「さあ、時間がもったいないですから、早く次のお店に……って、どうしたんですか?」

提督「あ、い、いや、あそこの子供が、だね」

幼女「ママ~……グスッ、どこぉ?」(キョロキョロ

提督「……迷子、だろうか」

大井「迷子、でしょうね」

提督「スーハー……スーーーー…………南無三」(キリッ

大井「あの、提督?」

提督「き、君、お母さんとはぐれたのかね?」

幼女「……おじさん、だれぇ?」

提督「お、おじさんは……た、ただの通りすがりだが、君が困っているようだったので……め、迷惑かもしれないが、こ、こ、声をかけさせてもらったのだ」

幼女「…………」(じーーーー

提督「……ぅ、うぅ」(目泳ぎ

幼女「……人の目を見てしゃべれない人とお話しちゃダメってママ言ってた」(後退り

提督「」

大井「(まあ、普通に怪しいわよね、顔ひきつらせながら話しかけてくるとか……)」

大井「ったく、自分から面倒事に首突っ込んでんじゃないわよ……」

大井「ウフフ、ゴメンね~、お嬢ちゃん。そのおじさん、口下手でコミュ障だけど悪い人ではないから~」

幼女「ホント?」

大井「ホント、ホント♪」

幼女「…………」(じーーーー

幼女「……おねえちゃんがそういってるから、おじさんのことしんじてあげる」(ふんぞり

提督「……あ、ありがとう」

幼女「ううん、いーよ」(フンスッ

大井「(ガキ相手にペコペコやってんじゃないわよ、ったく)」(イライラ

大井「さ~、お嬢ちゃん、早くママ捜しにいきましょうか~」

大井「(貴重な休みを迷子の世話で潰したくないですし)」

大井「ね、提督♪」

提督「あ、ああ、そうだな……?」

925: 2015/03/02(月) 01:03:39.14 ID:j9tdLSAsO
(提督、大井、幼女ママ捜索中・・・)


幼女ママ「○○ちゃん! あぁ、よかった……捜したのよ……!」

幼女「ママァ!」

大井「ふぅ、やれやれ、これで一件落着ですね、提督……提督?」

(近くの街路樹の陰)

提督「…………」(目逸らし

大井「……逃げ出すくらいなら、最初から仏心なんて出すんじゃないわよ」(呆れ


幼女ママ「あ?あの、本当にっ、本当にありがとうございました!」

大井「へ? あ、いいえ~、いいんですよー。私たちもたまたま、この辺りに用事があって来てたので♪」

幼女ママ「私たち……あ、もしかして、あちらで待っている人がお連れの方ですか?」

大井「ええ、まあ。表情が固くて不安がらせるから~、なんて考えてあそこに待機してるんでしょうけど!」(ジロッ

提督「」(ビクッ

幼女ママ「あ、あらあら……」

幼女ママ「もしかして、ウチの子がデートの邪魔しちゃったのかしら? 本当にゴメンなさいね」

大井「デート…………いいえ、そんなお気になさず~♪」

幼女ママ「お詫びといってはなんですけど……これ、レストランのデザート無料券なんですけど、よろしければ受け取ってください」

大井「なんだか申し訳ないですわ……私たち、特になにかしたわけでもないのに」

幼女ママ「そんなことありません! ウチの子を助けていただきましたから」

幼女ママ「あちらの彼氏さん……旦那様? にも、ありがとうございましたとお伝えくださいね」

幼女「おねえちゃん、ありがとー! バイバーイ!」(手ブンブン

幼女ママ「それでは、私ちはこれで……」(ペコペコ

大井「は~い♪」(手フリフリ

大井「……デート、ね」

大井「うふ……うっふっふ……♪」(ニヤッ

提督「お、大井君?」(おそるおそる

大井「コホンッ。提督、終わりましたよ」

提督「む……す、すまなかったな、結局母親捜しのほとんどを大井君に任せてしまった」

大井「いいんですよ、提督のダメ人間っぷりはよ~く知ってますから♪」

提督「む? う、うむ……」

大井「そうそう、さっきの子のお母さんにレストランのデザート無料券いただいたんです。丁度おやつ時ですし、いったん休憩にしましょう」

提督「しょ、正直助かるよ……」

大井「じゃ、行きましょうか♪」

提督「???」

提督「(お、大井君の機嫌がよくなっている気がする)」

提督「(先程、女の子の母親と話していた時、何かいいことを言われたのだろうか……?)」

大井「~♪」

926: 2015/03/02(月) 01:12:46.93 ID:j9tdLSAsO
【後日、他の艦娘にもチョコをねだられる模様】
《鎮守府》執務室


提督「…………」(カリ…ポリ…

提督「……これで大和君に貰ったチョコも完食、だな」

提督「クランベリーソースの味つけが一風変わっていたな。胡椒を使ったのだろうか? こう、甘苦いというか、独特の金属的な風味が……」

提督「(そういえば、制作中に手を怪我したと言っていたが、大丈夫だろうか)」

提督「(しかし、バレンタイン……チョコファウンテンだけかと思ったら、個人からもチョコを貰うとは)」

提督「(漣君、神通君、金剛、蒼龍君、大和君、文月君、弥生君……なんだかんだで、ほとんどの子がチョコをくれた……義理堅いことだ)」

提督「……しかし、さすがに30近いチョコは少し辟易してしまう、な」

提督「贅沢な悩みというやつだな。さて、次は文月君と弥生君に貰ったチョコを食べるとするか……」

文月「司令官~、大本営からお手紙とどいたよぉ」(ガチャッ

弥生「お返事…くださいって書いてます」

提督「あ、ああ、ありがとう、わざわざすまないな」

文月「えへへ~」

弥生「今日は弥生たち…秘書艦…だから」

文月「……司令官~、なに食べてるのぉ?」

弥生「…チョコ?」

提督「あ、ああ、バレンタインに大量に貰ったからな。こうして毎日、少しずついただいているのだ」

文月「あ~、それ文月と弥生ちゃんのチョコだ~」

弥生「頑張って…作りました…」

文月「どうですか、どうですかぁ~?」

提督「う、うむ、美味しいよ。誰かに教わりながら作ったのかね?」

文月「えっとねぇ、漣ちゃん~」

弥生「曙さんとか…潮さんと朧さんも一緒」

提督「そ、そうか、わざわざ手作りで……て、手間だったろうに」(カリ…ポリ…

文月「……じゅる」(じー

弥生「文月ちゃん、よ、よだれ……」

文月「ほわぁ!? え、えへへ~」(テレテレ

提督「…………き、君たちに貰ったものだが、それでも構わないのなら」(ヒョイ

文月「えっとぉ……ア~ン」

提督「…………」(ぽいぽーい

文月「モゴ……えへへ、おいひぃ♪」

弥生「ぁ……ぁぅ……」(モジモジ

提督「……や、弥生君も、食べるかね?」

弥生「……ぅ…ん」(アーン

提督「…………」(ぽいぽーい

弥生「アム…………おいし…です」

提督「そ、そうかね……」


<司令官、お返しするよぉ……ア~ンして~♪
<弥生も…お返し……
<ぬ、うぬ……ううぅ……(アーン

927: 2015/03/02(月) 01:14:28.68 ID:j9tdLSAsO

(扉の隙間)


大和「(提督にア~ンしてもらうだけでなく、ア~ンまで……!)」(ギリィッ

漣「幼女に嫉妬するなよ……弱く見えますよ?」

大和「……は?」(グリン…

漣「おっと失礼、うっかり本音がー」

大和「…………」(フラッ…

漣「ご主人様に渡したチョコの中身について、ちょ~っとお訊きしたいことがありましてー……」(ユラ…

漣「お前、ご主人様に な に 食 べ さ せ た ?」(ビキビキッ

大和「なに? 決まってるじゃないですか……大和に流れる『愛』を少々」(ポッ


<オォォォォッ……焔螺子!!
<ガフッ!! こ、この程度で大和の愛は……沈まないッ!!

935: 2015/03/02(月) 04:36:29.35 ID:MlXv1fQqO
【普段の行いが悪いから…】
《鎮守府》廊下


漣「どっ……せい!!」(斧鉞!!

大和「カハッ……ぐ、あ」(ドサァッ

漣「ふぃ~、なんとか無力化には成功しましたねー」

大和「う、うぅぅ、超弩級戦艦のプライドが……」

漣「フッ、初期艦オブ初期艦の漣を怒らせるから、こーなるんですよ」

漣「さ、て……優しくしてあげるのはここまでです」

漣「ご主人様に渡したチョコ……その中にナニを入れたのか、キッッチリ吐いてもらいますよー」(ギョロッ

漣「もしこれでガチの異物混入やらかしてたらアナタ……覚悟はできてるんでしょうねぇぇぇぇ?」(ゴゴゴゴゴゴ…

大和「…………です」(ポソッ

漣「はい?」

大和「……レッドピタヤ、です」

漣「…………えーっと?」

大和「サボテンの果実ですよ……赤いゼリー状で豊潤な果汁を含んでいて、食感は胡麻に似た種子のせいで、キウィフルーツみたいに少しショリショリしますけど……」

大和「味は甘くて、ほのかな酸味。栄養素がまた優れていて、アルブミン、アントシアニン、ブドウ糖、リン酸、ポリフェノール、食物繊維、カロチン、カルシウム、『鉄』、ビタミンB1・B2、ナイアシン、ビタミンCと、お疲れ気味の提督に元気を出してもらうのにピッタリな食材で……」

大和「大和、提督のためにありとあらゆる果物屋さんを渡り歩いて手に入れました」(えっへん

漣「ちょい待ち、ちょっち待って」

大和「なんでしょうか?」

漣「……サボテン?」

大和「ハイ」

漣「……深夜、台所で赤い液体を鍋で煮込みながらニヤニヤしてた、って報告を聞いて来たのですがー」

大和「そのまま使ったら緩すぎるから、少し水分を飛ばしてただけですけど……」

漣「……ニヤニヤしてたのは?」

大和「味、内容ともに誰にも真似できない……そう、あの間宮さんにさえ真似できない一品を提督にお渡しできると考えたら、自然と笑みが……♪」(ポッ

漣「………………」

大和「漣さん?」

漣「……紛らわしいんですよぉ、こんの駄級戦艦!!」

大和「や、大和に落ち度でも!?」

漣「落ち度ばっかだから疑われるんですよ、アンタは!!」

大和「ええ!?」(ガーン



《なお、チョコの提督評価はそれなりに高かった模様》
※ちなみに1位は間宮さん作で、2位の座を巡る苛烈な争い勃発した

936: 2015/03/02(月) 04:39:58.76 ID:MlXv1fQqO
大和「まことに遺憾に思います!」(プンスカ
大井のデレが思いつかずに今スレで一番苦労しました
もうそろそろスレの終わりが見えてきたので、少しえOちぃネタ投下して次スレ予定です



次回はこちら


引用元: 【艦これ】提督と艦むすの鎮守府での四方山話6【ネタ募集】