1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:23:45 ID:xfsKWrws
― 魔王城 ―

勇者「魔王! 姫様を返せ!」



姫「勇者様、来て下さったのですね!」

魔王「ぬうう……。まさか、ここまでたどり着くとは……生意気な!」

魔王「しかし、貴様がいかに強かろうと絶対にワシには勝てん!」

魔王「ここで勇者の息の根を止め、姫と世界を我が物にしてくれるわァッ!」

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:28:03 ID:xfsKWrws
勇者「はあああああっ!」

魔王「ぬがああああっ!」



ガキンッ! キンッ! ギィンッ!



姫「頑張って、勇者様!」

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:31:36 ID:xfsKWrws
魔王「ぬぇいっ!」

ブオンッ!

勇者(空振りしてスキができた!)

勇者「だあああああっ!」タタタッ



ザシュッ……!



魔王「ぐはぁっ……! この、ワシが……やられる、とは……」



姫「やったわ! さすが勇者様!」

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:34:32 ID:xfsKWrws
魔王「フフフ……残念だったな、勇者よ」

勇者「な!?」

勇者「どうして……!? たしかに俺はお前を切り裂いたはず……!」

魔王「貴様が今倒したのは、魔力で作り出したワシの分身に過ぎなかったのだ!」

魔王「死ねぇい!」フォンッ



シュバァッ!



魔王「我が暗黒の刃が、勇者を真っ二つにしおったわ! フハハハハ……!」



姫「いやぁぁぁっ!」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:37:45 ID:xfsKWrws
勇者「甘いな、魔王!」

魔王「ゆ、勇者!? なぜ貴様がそこにおるのだ!」

勇者「お前の刃が真っ二つにしたのは、俺の残像さ!」

魔王「なんだとォ!?」

勇者「この技で決める! 雷神斬り! ――たあぁぁぁっ!」



ズガガガァンッ!



勇者「――直撃だ!」スタッ



姫「すごいわ、勇者様!」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:41:22 ID:xfsKWrws
魔王「フッ……ヒヤリとさせられたわ」シュゥゥ…

勇者「なっ……!? ほとんど効いてないだって……!?」

魔王「雷がワシを直撃する寸前、同程度の雷を出し、威力を相殺したのだよ」

勇者「そんな手があったとは……!」

魔王「愚かなる勇者よ、魔力を込めた我が拳でトドメを刺してくれよう!」ブオッ



ドゴォンッ!



魔王「人間とは軽いものよ……壁まで吹き飛びおったわ!」



姫「そ、そんな……」

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:45:22 ID:xfsKWrws
勇者「大丈夫さ、姫」ムクッ

魔王「起き上がっただと!?」

勇者「攻撃を受けた瞬間、わざと後ろに飛んで衝撃を逃がしていたからね」

魔王「ぬうう……こしゃくなマネを……!」

勇者「決着をつけてやる! でぇやぁぁぁっ!」



ザンッ!



魔王「ぐげあぁぁぁぁぁっ……!」ブシュゥゥゥゥゥ…



姫「魔王の体から大量の血が……! これで決着ということね!」

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:48:20 ID:xfsKWrws
魔王「フン、今の一撃程度でワシを倒せるわけなかろう」

勇者「なに!? あれだけ大量の血を流したというのに……!」

魔王「懐に血のりを仕込んでいたのだよ! まんまと騙されおって!」

勇者「しまった……!」

魔王「ショックは大きかったようだな! 我が魔力の波動を受けてみよ!」ズォォ…



ズドォンッ!



魔王「ふん、これを受けて立ち上がれる人間などおらんわ」



姫「ウソよ……勇者様がやられるなんて……」

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:51:59 ID:xfsKWrws
勇者「たしかに立ち上がれないだろう……まともに受けていたら、な」

魔王「ぬう……! 貴様、不死身か!?」

勇者「不死身なわけないだろ? ……あの一瞬で急所を外しておいたのさ」

魔王「おのれぇ……!」

勇者「次は俺が急所を狙う番だ! 覚悟しろ!」シュバッ



ザクッ……!



魔王「ごふぅっ! ワ、ワシの心臓……がぁ……!」



姫「ついに……ついに勇者様が勝ったのね!」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:56:20 ID:xfsKWrws
魔王「フハハ……この程度でいい気になるなよ!」

勇者「そんな……心臓を潰した感触はたしかにあったのに……!」

魔王「ワシには心臓が二つあるのだ。一つ潰れたところでどうということもない!」

勇者「くっ……!」

魔王「しかし、人間の心臓は一つのはず! ――もらったァ!」ビッ



ボォンッ!



勇者「うぐっ……!」ドサッ…



姫「ああっ……!」

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 01:59:42 ID:xfsKWrws
勇者「間一髪だった……」ムクッ

魔王「なにぃ!?」

勇者「この宝石を胸につけておいたおかげで助かったよ」

魔王「ぐ……! その宝石には魔法攻撃を軽減する効果がある……運のいいヤツめ!」

勇者「さぁ、いよいよ年貢の納め時だな、魔王!」ダッ



ドバシュッ……!



魔王「ぐぎゃあああああっ……!」ボシュゥゥゥ…



姫「今度こそやったのね、勇者様!」

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 02:02:36 ID:xfsKWrws
魔王「フハハハハハ……!」

勇者「なんだと! 魔王がもう一人……!?」

魔王「残念だったな。今、貴様が倒したのはワシの影武者に過ぎん!」

勇者「影武者だと……!? くそっ、やられた……!」

魔王「おかげで貴様の手の内は全て分かった! これで終わりだ!」ボワァッ…



ドゴォォンッ!



姫「魔王の大魔法が! これではもう……!」

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 02:08:35 ID:xfsKWrws
勇者「俺もお前の手の内は全て見切ったぞ!」シュゥゥ…

魔王「ぬおっ!? 貴様、たしかに今殺したはず……!」

勇者「自分の代わりに死んでくれる、身代わりアイテムを使ったのさ」

魔王「そんなものを用意していたとは……あなどれぬ奴!」

勇者「これで条件は五分五分になった! 改めて勝負だ、魔王!」

魔王「よかろう……来いっ!」



ガキィンッ! バリバリッ! ギィンッ! ズガガァンッ! ドォンッ!



姫「…………」

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 02:11:28 ID:xfsKWrws
姫「 覇 姫 滅 閃 波 ァ ! ! ! 」







ズオッ!!!







勇者&魔王「うっ、うわぁぁぁぁぁ……っ!」ジュワッ…

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 02:15:05 ID:xfsKWrws
ヒュゥゥゥ……



姫「馬鹿どもが……」

姫「分身だの、急所だの、影武者だの、身代わりだのとチマチマと……」

姫「回避不能なほどに広範囲に及ぶ圧倒的な一撃でケリをつける」

姫「これぞ、戦闘における最上の策ッ!」







― 完 ―

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 02:42:09 ID:mU/epkXU
姫つええw
乙!

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 02:58:03 ID:th4SXITk
姫カッコイイ抱いて!!

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 06:39:10 ID:jJxEmGPY
ワロタ

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 13:59:17 ID:W4iBkW.6
さすが姫……声援だけのお飾りではなかったか……
乙!

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/06(土) 18:27:43 ID:neIWdH7E
決められたターン以内に敵を倒せないとゲームオーバーになる戦闘ですね

引用元: 勇者「ついに魔王との戦いだが、なかなか決着がつかない」