1:2015/06/14(日) 23:39:33.797
男「午前十時にランドセルを背負った少女は何を思って話しかけてきたのだろう」
少女「はじめましてお兄さん。私、天才小学生です」
男「学校は?」
少女「お兄さんこそこそ」
少女「はじめましてお兄さん。私、天才小学生です」
男「学校は?」
少女「お兄さんこそこそ」
3:2015/06/14(日) 23:40:44.124
男「サボり」
少女「これまたどうどうと。さてはお兄さん、ダメ人間ですね」
男「いい子ちゃんは早く学校に行きなよ」
少女「言われなくともいきますよ。今日は社長出勤というやつですね」
少女「私は天才なので、授業のひとつやふたつサボっても平気なんですよ」
男「俺は留年しそうだ」
少女「成績悪いんですか?」
男「君より天才だから、君よりサボってる」
少女「出席日数が足らないんですね」
男「うん」
少女「これまたどうどうと。さてはお兄さん、ダメ人間ですね」
男「いい子ちゃんは早く学校に行きなよ」
少女「言われなくともいきますよ。今日は社長出勤というやつですね」
少女「私は天才なので、授業のひとつやふたつサボっても平気なんですよ」
男「俺は留年しそうだ」
少女「成績悪いんですか?」
男「君より天才だから、君よりサボってる」
少女「出席日数が足らないんですね」
男「うん」
5:2015/06/14(日) 23:44:27.589
男「早くしないと三時間目、間に合わなくなるぞ」
少女「それはお兄さんもですよ」
男「僕は社長じゃないからなぁ。社長がいないと社員は困るぞ」
少女「お兄さんこそ早くいかないと、留年しますよ」
男「つらい」
少女「おさぼりは計画的に」
男「……」
少女「それはお兄さんもですよ」
男「僕は社長じゃないからなぁ。社長がいないと社員は困るぞ」
少女「お兄さんこそ早くいかないと、留年しますよ」
男「つらい」
少女「おさぼりは計画的に」
男「……」
11:2015/06/14(日) 23:46:30.266
少女「となりに座ってもいいですか?」
男「なんで?」
少女「たっているのもそろそろ疲れてきたので」
男「出勤はしなくていいの?」
少女「出勤? 小学生は出勤なんてしませんよ。登校ならしますが」
男「……」
少女「なんですか」
男「このガキめ」
少女「えへへ」
男「なんで?」
少女「たっているのもそろそろ疲れてきたので」
男「出勤はしなくていいの?」
少女「出勤? 小学生は出勤なんてしませんよ。登校ならしますが」
男「……」
少女「なんですか」
男「このガキめ」
少女「えへへ」
22:2015/06/14(日) 23:48:45.925
少女「わたし、大人っぽいとかしっかりしてるってよく言われるんですよ」
男「へぇ」
少女「わたしガキですか」
男「生意気なガキ」
少女「えへへ」
男「へぇ」
少女「わたしガキですか」
男「生意気なガキ」
少女「えへへ」
28:2015/06/14(日) 23:49:53.560
少女「ガキって言われたのははじめてです」
男「うれしいの?」
少女「うーん。なんでしょう。お兄さんと話してるのが楽しいんだと思います」
男「じゃあ結婚しよう」
少女「ぷっ」
男「調子に乗ってみた」
少女「私そういうの好きです!」
男「うれしいの?」
少女「うーん。なんでしょう。お兄さんと話してるのが楽しいんだと思います」
男「じゃあ結婚しよう」
少女「ぷっ」
男「調子に乗ってみた」
少女「私そういうの好きです!」
46:2015/06/14(日) 23:53:13.505
少女「お兄さんはいつもここでサボってるんですか」
男「一週間に何回か」
少女「楽しいんですか?」
男「うーん」
少女「一人になりたいとか」
男「学校でも一人だよ」
少女「おっと」
男「おおっと」
少女「やっぱりって感じですね」
男「じゃなきゃサボらないよね」
少女「おっと」
男「つまりこれは?」
少女「実はわたしも友達いないんですよね」
男「そっか」
男「一週間に何回か」
少女「楽しいんですか?」
男「うーん」
少女「一人になりたいとか」
男「学校でも一人だよ」
少女「おっと」
男「おおっと」
少女「やっぱりって感じですね」
男「じゃなきゃサボらないよね」
少女「おっと」
男「つまりこれは?」
少女「実はわたしも友達いないんですよね」
男「そっか」
58:2015/06/14(日) 23:55:30.139
少女「私たち似た者同士ですね」
男「君は社長だろ」
少女「私はただの小学生ですよ」
男「天才じゃないのか」
少女「お兄さんもただの高校生ですよね」
男「僕はダメ人間だ」
男「君は社長だろ」
少女「私はただの小学生ですよ」
男「天才じゃないのか」
少女「お兄さんもただの高校生ですよね」
男「僕はダメ人間だ」
68:2015/06/14(日) 23:57:11.591
少女「わたしの好きなものあててみてください」
男「唐突だな」
少女「ヒントは「ばなな」です。というかこれはむしろ答えです」
男「実はぼくさる顔ってよく言われるんだけど」
少女「お兄さんはどちらかというと馬顔じゃないですか?」
男「うん。さる顔なんて言われたことない」
少女「友達いないんですもんね」
男「その話をもってくるな」
男「唐突だな」
少女「ヒントは「ばなな」です。というかこれはむしろ答えです」
男「実はぼくさる顔ってよく言われるんだけど」
少女「お兄さんはどちらかというと馬顔じゃないですか?」
男「うん。さる顔なんて言われたことない」
少女「友達いないんですもんね」
男「その話をもってくるな」
76:2015/06/14(日) 23:59:09.672
少女「で、私の好きなものあててみてくださいよ」
男「じゃあ「さる」」
少女「ぶー」
男「フルーツ」
少女「ブブー」
男「これはむしろ答えって……、じゃあ「バナナ」」
少女「何ばななでしょう」
男「細かいな」
少女「ここが重要なところなんですよ」
男「じゃあ「さる」」
少女「ぶー」
男「フルーツ」
少女「ブブー」
男「これはむしろ答えって……、じゃあ「バナナ」」
少女「何ばななでしょう」
男「細かいな」
少女「ここが重要なところなんですよ」
84:2015/06/15(月) 00:01:05.972 ID:vXxaLD4D0.net
男「キャベンディッシュ」
少女「ぶー」
男「クロスミッチェル」
少女「ぶー」
男「ちOぽ」
少女「どっちが小学生か分かりませんね」
男「ごめん」
少女「ぶー」
男「クロスミッチェル」
少女「ぶー」
男「ちOぽ」
少女「どっちが小学生か分かりませんね」
男「ごめん」
87:2015/06/15(月) 00:03:53.830 ID:vXxaLD4D0.net
男「ひんとわんもあ」
少女「そうですね。じゃあ「キッチン」」
男「吉本」
少女「ばなな」
男「卑怯な問題だったなぁ」
少女「固定観念にとらわれてちゃいけませんよ」
男「読書好きなの?」
少女「同世代ではよんでる方だと思います」
男「そういえば何年生?」
少女「四年生です」
男「小学四年で吉本ばなな。大人だね」
少女「……ガキですよ」
男「そうだった」
少女「そうですね。じゃあ「キッチン」」
男「吉本」
少女「ばなな」
男「卑怯な問題だったなぁ」
少女「固定観念にとらわれてちゃいけませんよ」
男「読書好きなの?」
少女「同世代ではよんでる方だと思います」
男「そういえば何年生?」
少女「四年生です」
男「小学四年で吉本ばなな。大人だね」
少女「……ガキですよ」
男「そうだった」
92:2015/06/15(月) 00:06:31.567 ID:vXxaLD4D0.net
少女「じゃあ次は私がお兄さんの好きなものあてますね」
男「好きなものかー」
少女「ヒントをください!」
男「うーん」
少女「ニンジンとか好きそうですよね」
男「そんなに馬顔?」
少女「すこし髪を伸ばしてみてはどうでしょう」
男「どういう意味なんだろうな」
男「好きなものかー」
少女「ヒントをください!」
男「うーん」
少女「ニンジンとか好きそうですよね」
男「そんなに馬顔?」
少女「すこし髪を伸ばしてみてはどうでしょう」
男「どういう意味なんだろうな」
96:2015/06/15(月) 00:08:55.674 ID:vXxaLD4D0.net
少女「ヒントはまだですか!」
男「そうだなぁ」
男「じゃあ、「ソナタ」」
少女「わたしですか?」
男「トロイメライ」
少女「違いましたね」
男「分かった?」
少女「クラシックですか?」
男「んー、ピアノかな」
少女「なるほど」
男「そうだなぁ」
男「じゃあ、「ソナタ」」
少女「わたしですか?」
男「トロイメライ」
少女「違いましたね」
男「分かった?」
少女「クラシックですか?」
男「んー、ピアノかな」
少女「なるほど」
103:2015/06/15(月) 00:11:41.845 ID:vXxaLD4D0.net
男「いろんな楽器がいるのはどうも騒がしくてさ」
少女「なんかプロっぽいですね」
男「触ったこともないんだけどね」
少女「やっぱり変な人ですね」
少女「はじめてみたらいいじゃないですか、ピアノ」
男「簡単に言うなって」
少女「おにいさんがピアノ弾けたらかっこいいですよ」
男「僕はきいてるのが好きなんだって」
少女「なんかプロっぽいですね」
男「触ったこともないんだけどね」
少女「やっぱり変な人ですね」
少女「はじめてみたらいいじゃないですか、ピアノ」
男「簡単に言うなって」
少女「おにいさんがピアノ弾けたらかっこいいですよ」
男「僕はきいてるのが好きなんだって」
109:2015/06/15(月) 00:16:19.000 ID:vXxaLD4D0.net
少女「弾かない理由とかってあるんですか?」
男「うーん」
男「たぶんすぐ飽きちゃうし」
少女「そういうのよくないですよ」
男「いってなかったっけ」
少女「なにをです?」
男「俺、ダメ人間なんだよ」
少女「そういうのよくないですよ」
男「そうだね」
男「うーん」
男「たぶんすぐ飽きちゃうし」
少女「そういうのよくないですよ」
男「いってなかったっけ」
少女「なにをです?」
男「俺、ダメ人間なんだよ」
少女「そういうのよくないですよ」
男「そうだね」
115:2015/06/15(月) 00:23:42.889 ID:vXxaLD4D0.net
男「もうそろそろお昼だ」
男「はやくいかないと給食たべ損ねるぞ」
少女「お兄さんもこんなところでこんなことしてていいんですか」
男「僕は弁当持ってるんだ」
少女「そういう話じゃないですよ」
男「分けてほしいのか、しょうがない奴だな」
男「半分くらいは冷凍食品だけど、卵焼きとかは母さんの手作りなんだ」
男「朝早く起きてさ、時間ないのに毎朝僕のために作ってくれてるんだ」
男「そうしたらさ、とりあえず制服に着替えてさ「行ってきます」っていって学校に行かなきゃなぁってさ、なるじゃん」
男「はやくいかないと給食たべ損ねるぞ」
少女「お兄さんもこんなところでこんなことしてていいんですか」
男「僕は弁当持ってるんだ」
少女「そういう話じゃないですよ」
男「分けてほしいのか、しょうがない奴だな」
男「半分くらいは冷凍食品だけど、卵焼きとかは母さんの手作りなんだ」
男「朝早く起きてさ、時間ないのに毎朝僕のために作ってくれてるんだ」
男「そうしたらさ、とりあえず制服に着替えてさ「行ってきます」っていって学校に行かなきゃなぁってさ、なるじゃん」
116:2015/06/15(月) 00:25:19.415 ID:vXxaLD4D0.net
少女「……」
男「……」
少女「お兄さんはどうして学校に行かないんですか?」
男「……」
少女「私は、学校の人たちが嫌いなんです」
少女「みんなみんな何にも考えてないじゃないですか」
少女「みんな何も知らないじゃないですか」
少女「私はそんな人たちの中に混ざりたくないんです」
男「……」
男「ごめん、よくわからないや」
男「……」
少女「お兄さんはどうして学校に行かないんですか?」
男「……」
少女「私は、学校の人たちが嫌いなんです」
少女「みんなみんな何にも考えてないじゃないですか」
少女「みんな何も知らないじゃないですか」
少女「私はそんな人たちの中に混ざりたくないんです」
男「……」
男「ごめん、よくわからないや」
121:2015/06/15(月) 00:28:45.535 ID:vXxaLD4D0.net
男「僕はさ、何にもわからないんだ」
男「何のために生きてるのか」
男「自分が何をすればいいのか」
少女「……そんなの私も分からないですよ」
男「みんなよく頑張れるよね、羨ましいよ」
男「僕はなんにもやる気が出ない、頑張れないんだ」
少女「なんだか頭の中がぐちゃぐちゃです」
男「僕も」
男「何のために生きてるのか」
男「自分が何をすればいいのか」
少女「……そんなの私も分からないですよ」
男「みんなよく頑張れるよね、羨ましいよ」
男「僕はなんにもやる気が出ない、頑張れないんだ」
少女「なんだか頭の中がぐちゃぐちゃです」
男「僕も」
123:2015/06/15(月) 00:29:40.322 ID:vXxaLD4D0.net
男「友達がいないだけあって、お互い会話が下手だね」
少女「もう少し相手がキャッチしやすいボールを投げたほうがいいですね」
男「いい天気だ」
少女「わたし、そろそろ行きますね」
男「……うん。いいことだ」
少女「お兄さんはいろいろ考えすぎなんだと思います」
男「何にも考えてないってよく言われるけどね」
少女「あんまり考えると死んじゃいますよ」
男「?」
少女「もう少し相手がキャッチしやすいボールを投げたほうがいいですね」
男「いい天気だ」
少女「わたし、そろそろ行きますね」
男「……うん。いいことだ」
少女「お兄さんはいろいろ考えすぎなんだと思います」
男「何にも考えてないってよく言われるけどね」
少女「あんまり考えると死んじゃいますよ」
男「?」
124:2015/06/15(月) 00:35:05.968 ID:vXxaLD4D0.net
少女「明日のニュースに高校生自殺なんて流れたりしそうです」
男「フィクションの読みすぎだよ」
少女「現実小説よりも奇なり、ですよ」
男「明日もサボるよ」
少女「じゃあ明日も遅刻します」
男「君をダメ人間にはしたくないな」
少女「ダメ人間と学校サボってる私はもうすでに、ですよ」
男「遅刻してでも学校に行くんだからマシ人間だよ」
少女「なんですかそれw」
男「フィクションの読みすぎだよ」
少女「現実小説よりも奇なり、ですよ」
男「明日もサボるよ」
少女「じゃあ明日も遅刻します」
男「君をダメ人間にはしたくないな」
少女「ダメ人間と学校サボってる私はもうすでに、ですよ」
男「遅刻してでも学校に行くんだからマシ人間だよ」
少女「なんですかそれw」
128:2015/06/15(月) 00:39:46.772 ID:vXxaLD4D0.net
少女「お久しぶりです」
男「うん」
少女「てっきり自殺したのかと思いました」
男「サボるのは週一にしようかと」
少女「嘘つきましたね」
男「君をダメ人間にしまいと頑張ったんだって」
少女「私は毎日かかさず二時間も授業サボってましたよ」
男「努力が水の泡だ」
少女「わたしももうダメ人間なんだって言ったじゃないですか」
男「君はマシ人間だって言ったじゃないか」
男「うん」
少女「てっきり自殺したのかと思いました」
男「サボるのは週一にしようかと」
少女「嘘つきましたね」
男「君をダメ人間にしまいと頑張ったんだって」
少女「私は毎日かかさず二時間も授業サボってましたよ」
男「努力が水の泡だ」
少女「わたしももうダメ人間なんだって言ったじゃないですか」
男「君はマシ人間だって言ったじゃないか」
130:2015/06/15(月) 00:47:43.746 ID:vXxaLD4D0.net
少女「いやです。私お兄さんと同じダメ人間がいいですよ」
男「僕はもう週一サボりのマシ人間に進化しちゃった」
少女「……」
少女「マシ人間って言葉きにいってます?」
男「うん」
少女「わたしも気に入りましたよ」
男「それはよかった」
少女「マシマシ」
男「マシマシ」
男「なんだコレ」
少女「マシ人間の鳴き声です」
男「マシマシ」
男「僕はもう週一サボりのマシ人間に進化しちゃった」
少女「……」
少女「マシ人間って言葉きにいってます?」
男「うん」
少女「わたしも気に入りましたよ」
男「それはよかった」
少女「マシマシ」
男「マシマシ」
男「なんだコレ」
少女「マシ人間の鳴き声です」
男「マシマシ」
131:2015/06/15(月) 00:49:02.764 ID:vXxaLD4D0.net
おつかれ俺
134:2015/06/15(月) 00:55:26.227 ID:lO7fKDaQ0.net
乙
133:2015/06/15(月) 00:51:48.420 ID:W8W/t3iT0.net
すごいぶった斬りに驚いたが、おつかれさん
135:2015/06/15(月) 00:56:41.427 ID:us7Ptca70.net
おつ
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