1: 2012/09/14(金) 21:31:18.62 
ほむら「まどかとの友情を確かめたいのだけど、どうすれば良いかしら」

QB「どうして今更わざわざそんなことをする必要があるんだい?
  今の君たちの関係は、客観的に見ても明らかに友達関係にあると思うけどね」

ほむら「私はこれまで一度もまどかに好意を口で伝えたことがないのよ。
    まどかも、私に一度も『好き』と言ってくれたことはないわ」

QB「それももちろん、友達として、だよね」

ほむら「?何を言ってるの、当たり前じゃない」



3: 2012/09/14(金) 21:35:36.56 ID:i4ZDiX2K0
QB「そうだね……。伝えたことがないのなら、
  やっぱり伝えることから始めるのが一番じゃないのかな」

ほむら「やっぱりそうなるわよね」

QB「それも、できるだけ簡潔に伝えた方が良いだろう。余計な情報は誤解のもとだからね。
  同じ理由で、出来るだけ周りに何もない状況で、2人きりになった方が良いと思うよ」

ほむら「なるほど、確かに。一番効率的かつ確実な方法ね。あなたに訊いて正解だったわ」

QB「そうかい」

ほむら「それじゃあ、明日早速この方法で友情を確かめて来るわね」

QB「うん、頑張ってくれ」

4: 2012/09/14(金) 21:38:10.10 ID:i4ZDiX2K0
翌日、放課後

まどか「あ……お待たせ、ほむらちゃん」

ほむら「ごめんなさい、まどか。わざわざ屋上まで呼び出したりして」

まどか「ううん、良いの。それより、大切なお話って……?」

ほむら(周りに誰も居ない状況、これは完璧。あとは、出来るだけシンプルに、私の好意を……)

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「まどか……私、あなたのことが好きなの」

まどか「……へっ?」

6: 2012/09/14(金) 21:41:13.00 ID:i4ZDiX2K0
ほむら「今までずっと言ってなかったのだけど……。本当に、あなたのことが好きなの、まどか」

まどか「えっ、あ、あの、え、えっ……?」

ほむら「…………」

まどか(な、何?どういうこと?そりゃあ、わたしもほむらちゃんのことは大好きだし、
    とっても大切な友達だけど……。で、でも、この状況って、これって……)

まどか「ほ、ほむらちゃん?その、これって……こ、告白、なんだよね?」

ほむら(“告白”……心に思っていたことを打ち明けること……)

ほむら「えぇ、そうね。告白よ」

まどか「……!」

7: 2012/09/14(金) 21:44:44.92 ID:i4ZDiX2K0
まどか「あ、あの、えっと、その……」

ほむら「……まどかは私のこと、好き?」

まどか「へっ!?あ、え、えっとね、えっと……!」

ほむら「まどか?」

まどか「ご、ごめん、ほむらちゃん!1日だけ、考えさせて!」

ほむら「え……?」

まどか「ちょ、ちょっと心の整理がつかないっていうか……。
    ご、ごめんね!ばいばい、ほむらちゃん!またね!」

ほむら「あ、まどか……!」

8: 2012/09/14(金) 21:45:04.91 ID:2u+OQR1W0
ふむ

9: 2012/09/14(金) 21:45:35.58 ID:ZFZ5pWqb0
ほむ

11: 2012/09/14(金) 21:49:57.97 ID:i4ZDiX2K0
夜、まどか宅

まどか「…………」

詢子「ん?どうしたまどか。眠れないの?」

まどか「うん……あのね、ママ。ちょっと、聞いて欲しいことがあるの」

詢子「悩み事かい?良いよ、言ってみな」

まどか「あのね……。わたしね、今日……告白されちゃったの」

詢子「ぶーーーッ!?」

まどか「きゃっ!?も、もう、そんなにびっくりしなくても良いでしょ!」

14: 2012/09/14(金) 21:56:39.34 ID:i4ZDiX2K0
詢子「げほっ、げほっ……ご、ごめんごめん。ちょっと、予想外過ぎたっていうか……。
   一応確認しておくけど、罪の告白とか、そういうんじゃないんだね……?」

まどか「うん、違うと思う……。屋上に呼び出されて、『好きだ』って……」

詢子「マジでか……いやぁ、ついにまどかがねぇ……。それで?相手はどんな男なのよ?」

まどか「そ、それが、その……」

詢子「んー?なんだ、歯切れが悪いねぇ。そんなに駄目な男なのかい?」

まどか「え、えっと……お、男の子じゃないの……」

詢子「はっ?」

23: 2012/09/14(金) 22:27:43.05 ID:i4ZDiX2K0
詢子「男じゃないって、じゃあまさか……」

まどか「……ほむらちゃんなの」

詢子「ぶーーーーッ!?」

まどか「きゃっ!」

詢子「ほ、ほむらちゃんって、暁美ほむらちゃんかい!?」

まどか「う、うん……」

詢子「確かに仲が良いとは思ってたけど……そ、そうか。あの子が……」

まどか「やっぱり……変だよね?女の子が、女の子を好きになっちゃうなんて……」

24: 2012/09/14(金) 22:32:30.52 ID:i4ZDiX2K0
詢子「いやぁー……別に、ない話ではないんだけどさぁ」

まどか「えっ?そ、そうなの?」

詢子「そうさ。同性同士の恋愛ってのは、確かに珍しい話ではあるけど、あり得ないことじゃない。
   実際、結婚を認めてる国だってあるんだよ?
   ヨーロッパなんかには結構多いんじゃなかったっけ。
   だから、変なことなんだって決め付けるのは良くないぞー?」

まどか「そう、なんだ……」

詢子「……それで?あんたはどう思ったんだい?ほむらちゃんに告白されてさ」

まどか「え……」

26: 2012/09/14(金) 22:39:11.71 ID:i4ZDiX2K0
詢子「嫌だとか、気持ち悪いとか、思っちゃった?」

まどか「そ、そんなことないよ!わ、わたしは……す、すごくびっくりしちゃったけど、
    でも、後でじっくり考えてたら、誰かからそんな風に思ってもらえるなんて、
    それはとっても嬉しいな、って……」

詢子「そっか……。じゃあ、あとはあんた次第だ」

まどか「えっ……?」

詢子「相手が下らない奴なら止めるけど、あのほむらちゃんなら問題ないだろうしね。
   同性同士の恋愛もあり得るんだって知った上で、じっくり考えてみな。
   もちろん、ほむらちゃんとは友達で居たいってんなら、振るのもアリだよ」

まどか「う……うん、わかった。よく考えてみる……!」

27: 2012/09/14(金) 22:44:29.48 ID:i4ZDiX2K0
翌朝

ほむら「はぁ……」

ほむら(結局、一睡も出来なかった……。まさか考えさせてくれって言われるなんて……。
    まどかのことを友達だと思ってたのは、私だけだったのかしら……)

さやか「おーっす、ほむら!どしたの、朝から元気ないじゃーん!」

ほむら「放っておいてちょうだい。今はあなたに構っている元気はないの」

さやか「えぇー……。いつにも増して冷たいなぁ」

仁美「さやかさん、本当に具合が悪いのかも知れませんわ。ほむらさん、大丈夫ですの?」

ほむら「えぇ、大丈夫……ちょっと、寝不足なだけ。心配しないで」

まどか「おはよう、みんな……」

ほむら「!」

29: 2012/09/14(金) 22:49:13.05 ID:i4ZDiX2K0
さやか「おはよ、まどか!……って、なんかまどかも元気なくない?」

まどか「うん……ちょっと、あんまり寝てなくて……」

仁美「まぁ、ほむらさんと2人揃って寝不足だなんて……。
   はっ!お、お2人とも、まさか昨晩は一緒に……!」

ほむら「……?」

さやか「いや、そりゃねーわ、さすがに……」

まどか「そっ、そそそっそそうだよ仁美ちゃん!何言ってるの!そんなわけないよ!
    ほ、ほむらちゃんとわたしはそんなんじゃないよ!違うよ!」

さやか「あはは、まどか、あんた慌てすぎ!
    そんなに否定しなくたって、仁美の妄想はいつものことじゃん!」

まどか「あっ……だ、だよね、そうだよね!」

30: 2012/09/14(金) 22:53:55.80 ID:i4ZDiX2K0
放課後、屋上

ほむら「…………」

まどか「…………」

ほむら「……それで、まどか……。昨日の返事は……」

まどか「う、うん……」

まどか(昨日の夜、じっくり考えた。女の子同士の恋愛も変じゃないって分かった上で、
    わたしは、ほむらちゃんのことを、どう思ってるのか……)

まどか「あ、あのね、ほむらちゃん……わたし……」

36: 2012/09/14(金) 23:01:23.09 ID:i4ZDiX2K0

まどか「わ、わたしも、ほむらちゃんのことが好きです!」

ほむら「!そう、良かった……」

まどか「だ、だから、付き合ってください、よろしくお願いします!」

ほむら(付き合う?あぁ、これから何か用事があるのね)

ほむら「えぇ、もちろん付き合うわ。それじゃあ、さっそく行きましょうか。どこに行くの?」

まどか「へっ?」

ほむら「?だって、付き合うのでしょう?」

まどか(!こ、これは……放課後デート!)

37: 2012/09/14(金) 23:05:35.09 ID:i4ZDiX2K0
まどか(ほむらちゃん、放課後デートに誘ってくれてるんだ!
    付き合うんだったら、放課後にデートするのは当たり前。
    そういうことなんだね、ほむらちゃん……!
    しかも行き先をわたしに決めさせてくれるなんて……)

まどか「そ、そうだね!とりあえず、喫茶店でお茶でも……」

ほむら「良いわよ。行きましょう」

ほむら(特に用事があるというわけでもなかったのね。
 ちょっと寄り道がしたかっただけ、ということかしら。
    でも、まどかと一緒ならなんだって良いわ。友達だもの)

38: 2012/09/14(金) 23:09:24.39 ID:i4ZDiX2K0
道中

まどか「そしたらね、エイミーったら……」

ほむら「ふふっ、それは大変だったわね」

まどか(……って、あれ?これじゃあなんだか、今までと何も変わってないような……。
    せっかく付き合ったんだから、何か、違う感じで……あ、そ、そうだ!)

ほむら「まどか?」

ほむら(まどかが、私の指を掴んで……そのまま指を絡めて、これは……?)

まどか(や、やっちゃった……恋人つなぎ、やっちゃった……!)

まどか「え、えへへ……」

42: 2012/09/14(金) 23:14:09.83 ID:i4ZDiX2K0
ほむら「まどか……私と手をつなぎたかったのね」

まどか「え、あ、えっと……い、いや、だったかな……」

ほむら「そんなことはないわ。とても嬉しい。
    それに私たちの関係を考えれば、このくらいは当然だもの」

まどか「う……うん!」

ほむら(友達同士で手を繋いで歩くなんて、小学生の頃は当たり前のようにやっていたことなのに。
    どうしてそんな当然のことを忘れていたのかしら。でも、良かったわ。
    お互いの想いを伝え合って、より一層友情が深まったということね。
    少し普通の繋ぎ方とは違うみたいだけど、これも友情の表れね)

44: 2012/09/14(金) 23:15:33.40 ID:JuKPsfiR0
いいなこの微妙なズレ

45: 2012/09/14(金) 23:19:04.70 ID:i4ZDiX2K0
喫茶店

まどか「わぁ、美味しそう!」

ほむら「えぇ、本当に。それじゃ、さっそく頂きましょう」

まどか「うん、いただきまーす!わ、この新作パフェなんだか変わった味!」

ほむら「変わった味?どんな味なの?」

まどか「うーん、なんていうか、甘さと酸っぱさの中にまろやかさが……。
    ごめんね、上手く説明できないや……。そうだ、実際に食べてみてっ」

ほむら「良いの?」

まどか「うん、もちろん……はっ!」

まどか(これは……“あーん”のチャンス……!)

46: 2012/09/14(金) 23:25:38.92 ID:i4ZDiX2K0
まどか(で、でも嫌じゃないかな、わたしなんかが口を付けたスプーンなんて……。
    う、ううん!もうわたしたちは恋人同士なんだから、そんなの気にする必要なんて!)

ほむら「まどか?」

まどか「ほ、ほむらちゃん!」

ほむら「?何かしら」

まどか「あ……あーん……」

ほむら「ありがとう、でも大丈夫よ。ちゃんと自分のスプーンで食べるわ」

まどか「え……」

48: 2012/09/14(金) 23:30:13.62 ID:i4ZDiX2K0
ほむら「まどか……?」

まどか「ご、ごめんね、やっぱり嫌だったかな……。
    わたしの口がついたスプーンなんて……」

ほむら「そんなことはないわ、むしろ逆よ」

まどか「えっ!ぎ、逆って……!」

まどか(わ、わたしのスプーンを、使いたいってこと……!?)

ほむら「スプーンに私の口が付くなんて、あなたが嫌がるんじゃないかと思って……」

まどか「あぁ……」

51: 2012/09/14(金) 23:34:06.42 ID:i4ZDiX2K0
まどか「って、ていうか、嫌がるんだったらこんなことしないよっ!」

ほむら「!」

まどか「それに、わたしたちみたいな関係なら、このくらいは普通に……」

ほむら「……そうだったわね。ごめんなさい、まどか。
    そんなこと、気にするような間柄じゃなかったわね」

まどか「ほむらちゃん……じゃあ……!」

ほむら「……あーん」

まどか「!は、はい、あーん!」

53: 2012/09/14(金) 23:39:35.01 ID:i4ZDiX2K0
まどか「ど、どうかな?」

ほむら「確かに変わった味ね。でも美味しいわ。ありがとう、まどか」

まどか「ど、どういたしまして!」

ほむら「お返しに、今度は私のも食べてみる?」

まどか「い、良いの!?」

ほむら「えぇ。はい、どうぞ。何口でも食べて良いわよ」

まどか「……ほむらちゃん」

ほむら「?」

まどか「わ、わたしも、あーん、して欲しいなぁ……」

55: 2012/09/14(金) 23:43:24.30 ID:i4ZDiX2K0
ほむら「あ……そうね。ごめんなさい。はい、あーん」

まどか「あ、あーん……ぁむ」

まどか(し、しちゃった!ほむらちゃんと間接キス、しちゃった……!)

ほむら「どうかしら。美味しい?」

まどか「お、おいひぃれふ!ふごく、おいひぃれふ!」

ほむら「もう、口に物を入れたまま喋らないの。お行儀が悪いわよ」

まどか「あっ……ご、ごめんらはい」

ほむら「ふふっ……変なまどか」

さやか「おいーっす、お2人さん!」

61: 2012/09/14(金) 23:47:53.94 ID:i4ZDiX2K0
まどか「んぐっ!?さ、さやかちゃん!?」

さやか「実はちょっと前から遠くから見えてたけど、
    食べさせ合いっこなんてしちゃってさあ!アツいねぇ!ひゅーひゅー!」

まどか(ど、どうしよう……!
    ほむらちゃんと恋人同士なんて、まだクラスのみんなには内緒にしたいのに……!)

さやか「なーんか前より随分仲良くなってなーい?
    あ、まさか仁美じゃないけど、2人はついに結ばれちゃいましたか!?
    晴れて恋人同士になったというわけですな!」

まどか「あ、あのあの、えっと……」

ほむら「何を馬鹿なことを言ってるの。恋人同士なんて、そんなことあるはずないじゃない」

まどか「なっ……」

まどか(ナイスごまかしだよ、すごく冷静!さすがほむらちゃん!)

63: 2012/09/14(金) 23:53:53.33 ID:i4ZDiX2K0
さやか「あはは、ごめんごめん。このノリは仁美だけで十分だね!
    そんじゃ、あたしもう行くね。恭介がまたあたしのためにヴァイオリン弾いてくれるんだってさ!」

ほむら「聞いてないわ」

さやか「ま、そういうことだから!ごゆっくり、お2人さん!また明日ねー!」

ほむら「まったく……最初から最後まで騒がしかったわね」

まどか「ほ、ほむらちゃん、ありがとう!わたしだったらあんな簡単にはいかなかったよぉ」

ほむら「?えぇまぁ、あの子をあしらうのは慣れてるから。
    それよりまどか、時間の方は大丈夫?そろそろ家に帰った方が良いんじゃないかしら」

まどか「えっ?あ、ほんとだ……」

65: 2012/09/14(金) 23:57:54.04 ID:i4ZDiX2K0
ほむら「これを食べ終わったら帰りましょうか」

まどか「あ、うん……。ね、ねぇ、ほむらちゃん!」

ほむら「何かしら」

まどか「あ、明日って、何か用事はあるかな?」

ほむら「いいえ、特にないわ」

まどか「だったら、せっかくお休みなんだし……ど、どこかにおでかけしない?」

ほむら「えぇ、もちろん構わないわ」

まどか(よしっ!今度はわたしからデートに誘ったぞ!)

67: 2012/09/15(土) 00:02:26.13 ID:dBOh7nDj0
ほむら「それじゃあ、どこに行く?」

まどか「えっ!またわたしが決めちゃっても良いの?
    ほむらちゃん、どこか行きたい所があったりしない?」

ほむら「私はどこでも。まどかが居ればそれだけで楽しいから」

まどか(!わ、わ、今の恋人っぽい!すごく嬉しいよぉ……!)

まどか「え、えへへ……そ、そうかな、えへへへへ……」

ほむら(……?なんだか妙にニヤけてるというか……私、何かおかしなことを言ったかしら)

まどか「そ、それじゃ、明日の予定はわたしが考えるね!また連絡するから!」

ほむら「えぇ、ありがとう。楽しみにしてるわ、まどか」

68: 2012/09/15(土) 00:06:58.06 ID:dBOh7nDj0
夜、まどか家

詢子「お?よー、まどか。それで、どうだったんだい?まぁ……顔見てれば大体分かるけどさ」

まどか「へっ?わ、わたし、そんな変な顔してた?」

詢子「帰った時からね。時折思い出したようにニヤけちゃってまぁ……」

まどか「え、えへへ……。恋人になってから分かったんだけど、
    わたしやっぱりほむらちゃんのことすっごく好きだったんだな、って。
    ほむらちゃんね、とっても大人なの。わたしはしどろもどろしてばっかりなのに、
    ほむらちゃんはずっと落ち着いてて……」

詢子「あーはいはい。わざわざノロケ話しに起きてきたわけじゃないだろ?」

まどか「あ、う、うん。あのね、また折り入って相談があるんだけど……」

70: 2012/09/15(土) 00:12:06.27 ID:dBOh7nDj0
詢子「――デートプラン、ねぇ」

まどか「い、一応自分で考えてはみたんだけど、これで良いのかちょっと分かんなくて……」

詢子「うーん、別にこんなのチェックしてもらうようなもんでもないと思うけどなぁ。
   ま、いっか。なになに……お昼前に出発して、お弁当を食べて、
   映画、お買い物、晩ご飯……まぁ、良いんじゃないか?」

まどか「へ、変じゃないかな?」

詢子「食事や買い物の場所は決まってるんだろ?」

まどか「まぁ、一応……」

詢子「あんたのことだから予習はしっかりしてるだろうし、それで問題ないと思うよ」

まどか「ほ、ほんと!?良かったぁ」

詢子「あ、ちなみにキスはいつするんだ?」

まどか「ぶーーーーッ!?」

75: 2012/09/15(土) 00:17:29.21 ID:dBOh7nDj0
詢子「どわぁあ!?そ、そんなに驚くこたないだろ……。
   っていうか、あんたのそんなリアクション初めて見たよ!」

まどか「き、ききっききききすって、そんな……!」

詢子「何動揺してんだい。恋人どうしなんだ、キスくらい当たり前だろ?
   中学生には早いなんてお堅いことは言わないよ。
   愛情表現はたっぷりするに越したことはない。もちろん、時と場合によるけどね」

まどか「ぅううぅううう……。で、でも……恥ずかしいよぉ……」

詢子「何言ってんだ。キスなんかで恥ずかしがってたら、それ以上のことなんて出来ないぞ?」

まどか「それ以上……?」

詢子「おっと、これはまだまどかには早かったか」

78: 2012/09/15(土) 00:22:41.60 ID:dBOh7nDj0
詢子「ごめんまどか、今のは忘れな」

まどか「?」

詢子「ま、とにかくだ。せっかくのデートなんだし、別れ際にキスくらい入れといても良いんじゃない?」

まどか「えーっと、じ、じゃあ、お別れはほむらちゃんのお家の前の予定だから、
    そこで、き、キスを……」

詢子「おう、やれやれ!やっちまえ!」

まどか「ま、ママってばもう……。じゃあ、明日はこれで行ってみるよ」

詢子「ん!頑張りな!」

79: 2012/09/15(土) 00:27:29.60 ID:dBOh7nDj0
翌日、公園

まどか「ご、ごめんね、ほむらちゃん。待たせちゃって!」

ほむら「いいえ、大丈夫。わたしも今来たところだから」

まどか(か、カップルっぽい!このやり取りカップルっぽいよぉ!)

ほむら「ところで、お昼ご飯は食べないでということだったけど、どこか食べるところが決まっているの?」

まどか「あ、えっとね……こ、これ」

ほむら「……お弁当?」

まどか「ふ、2人で食べようと思って、作ってきたんだ。
    パパに横で見てもらってたから、味は大丈夫だと思うんだけど……」

ほむら「まどか……ありがとう、すごく嬉しいわ。それじゃ、早速頂きましょう」

まどか「う、うん!」

80: 2012/09/15(土) 00:32:48.32 ID:dBOh7nDj0
ほむら「いただきます」

まどか「……ど、どう、かな?」

ほむら「美味しい……すごく美味しいわ、まどか」

まどか「ほ、ほんと!?」

ほむら「普段から料理はよくやってるの?」

まどか「え?う、ううん。普段は全部、パパがやってくれるから、わたしは後片付けを手伝うくらいで……」

ほむら「でも、とてもそうは思えないくらい美味しくできてる。すごいわ、まどか」

まどか「え、えへへ。そうかな……」

まどか(や、やったぁ!
    パパ、6時から待ち合わせ時間ギリギリまでずっと教えてくれてありがとう……!)

82: 2012/09/15(土) 00:36:32.56 ID:dBOh7nDj0
ほむら「ごちそうさま。とても美味しかったわ」

まどか「えへへ、ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「ところで、今日の予定を聞いても良いかしら。
    全部まどかに任せてしまってるのが申し訳ないのだけど……」

まどか「ううん、気にしないで!今日はわたしがしっかりエスコートするからね!
    それじゃ、そろそろ行こうか、ほむらちゃん」

ほむら「えぇ、行きましょう」

まどか(ここで……自然に手をつなぐ!よ、よしっ!出来た!)

ほむら(まどか、なんだかすごく張り切ってるわね。
    まぁ、わたしも楽しみで仕方がなかったのだけど)

84: 2012/09/15(土) 00:40:03.26 ID:dBOh7nDj0
映画館

 『少しわかったことがある……友達が泣いてると、同じように自分も悲しいんだ』
 
 『フェイトちゃん……!』

まどか「ぅっ……ぐすっ……」

まどか(アニメなんて子どもっぽいかなと思ったけど……これ、すごく良いよぉ)

ほむら「…………」

まどか(あっ……わたしばっかり泣いちゃってるけど、
    ほむらちゃん退屈したりしてないかな……?)

87: 2012/09/15(土) 00:43:37.46 ID:dBOh7nDj0
映画館の外

まどか「えっと……ど、どうだったかな、ほむらちゃん。退屈じゃなかった?」

ほむら「いいえ、そんなことはないわ」

まどか「やっぱり、アニメなんて子どもっぽかったかな……ごめんね。わたしだけ1人……」

ほむら「……まどか」

まどか「えっ?」

ほむら「……なんでもないわ。ちょっと……呼んでみただけ」

まどか「!」

ほむら「映画、とっても良かったわ、まどか」

まどか「う、うん!ほむらちゃん!」

91: 2012/09/15(土) 00:47:23.59 ID:dBOh7nDj0
まどか「えっと、次はお買い物に行こうと思うんだけど……
    ほむらちゃん、本当に何か欲しいものとか、行きたいお店とかない?」

ほむら「えぇ、まどかの行きたいところで構わないわ。
    それに、ただ見て回るだけというのも楽しみ方のひとつだし」

ほむら(強いて言えばそろそろ武器をストックしておきたいところだけどそんなこと言えない)

まどか「そう?だったら、その……アクセサリーのお店に行ってみたいな、って」

ほむら「良いわよ。それじゃあ、行きましょうか」

まどか「うん!」

まどか(やった!やっぱり恋人同士だもん。お揃いのアクセサリー、買っちゃうんだ!えへへ……)

92: 2012/09/15(土) 00:51:04.15 ID:dBOh7nDj0
店内

まどか「わっ、見て見てほむらちゃん!このネックレス可愛い!」

ほむら「本当ね。それに、とても綺麗だわ」

まどか「えへへっ……どうかな、似合う?」

ほむら「えぇ、とてもよく似合っているわ」

まどか「ほんとっ!?ね、ほむらちゃんも付けてみて!」

ほむら「え?」

まどか「あ、そうだ、付けてあげるね!ほむらちゃん、髪長いから」

95: 2012/09/15(土) 00:54:55.37 ID:dBOh7nDj0
ほむら「ありがとう。それじゃ、お願いするわ」

まどか「うん!」

まどか(!普段は髪に隠れて見えないけど……ほむらちゃん、うなじも綺麗だなぁ……)

ほむら「……まどか?」

まどか「え、あっ、ご、ごめんね!今、付けてあげるから……」

まどか(うぅ……つい勢いに任せて付けてあげるなんて言っちゃったけど……。
    やだ、なんだかすごくドキドキしちゃうよぉ)

ほむら「…………」

まどか「で、できた!ふぅ……」

ほむら「ありがとう、まどか。どうかしら、似合ってる?」

97: 2012/09/15(土) 01:00:13.41 ID:dBOh7nDj0
まどか「わ……うん、すっごく似合ってるよ!最初は可愛いアクセサリーだと思ったけど、
    ほむらちゃんが付けるとすごく綺麗だね!」

ほむら「そんなに褒められるとちょっと恥ずかしいわね……。でもありがとう、嬉しいわ」

まどか「ね、ねぇ、ほむらちゃん……。2人でこのアクセサリー、買っちゃわない?」

ほむら「2人で?構わないけど、私と同じアクセサリーで良いの?」

まどか「う、うん。ていうか……お、お揃いのアクセサリーが欲しいな、って……」

ほむら「あ……そうね。ごめんなさい、気付かなくて。
    そういうことなら、もちろん良いわ。2人でお揃いのアクセサリーを買いましょう」

まどか「!うん!」

ほむら(お揃いのアクセサリーだなんて初めて……すごく嬉しい。
    これで1つ、目に見える形で友情の証ができたわ)

99: 2012/09/15(土) 01:04:44.15 ID:dBOh7nDj0
店の外

まどか「ね、ほむらちゃん。アクセサリー、早速付けてみない?」

ほむら「そうね、付けてみましょう」

まどか「えへへ……実はね、ほむらちゃん。このアクセサリー、ペアになってるの!」

ほむら「ペア?」

まどか「ほら、こーやって2つを合わせたら……ね?」

ほむら「……ハートマーク?」

まどか「うん!」

ほむら(ふふっ……ハートマークが好きだなんて、やっぱりまどかは女の子らしいわね)

100: 2012/09/15(土) 01:09:46.89 ID:dBOh7nDj0
まどか「ふ、2人一緒じゃないとハートマークは出来ないから、
    わたしとほむらちゃんはずっと一緒じゃないと駄目なんだよ!」

まどか(い、言っちゃった……!
    どうしよう、やっぱりこの台詞ちょっと恥ずかしすぎたかも……)

ほむら「えぇ、もちろん。私はずっとあなたの側に居るわ、まどか」

まどか「ひゃ……あ、ありがとう、ございます……」

まどか(ほむらちゃん、大人すぎるよぉ……)

ほむら「ところで……もう暗くなってきたけど、これからは?まだお買い物を続ける?」

まどか「あ、えっと……。そうだね、そろそろご飯にしよ!」

ほむら「じゃあ場所は……」

まどか「お店ももう決めてあるんだ!とっても美味しいって評判のとこなんだよ!」

102: 2012/09/15(土) 01:14:36.47 ID:dBOh7nDj0



まどか「うぅ……まさか2時間待ちだなんて……」

ほむら「本当に人気のお店みたいね、仕方ないわ」

まどか「ごめんねごめんね、でも、どうしよう……」

まどか(どこか適当なところで済ませちゃう?でもせっかくのデートの締めくくりなのに、そんなの……)

ほむら「……もし良かったら、ウチで食べない?」

まどか「えっ……?」

ほむら「実は早めに使ってしまわないといけない食材が少し多く残ってて……」

まどか「も、もしかして……ほむらちゃんの手料理!?」

103: 2012/09/15(土) 01:19:45.05 ID:dBOh7nDj0
ほむら「お昼はまどかに作ってもらったわけだし、そのお礼も兼ねて……。
    あ、でも本当に、まどかが構わなければだけど。今からだと少し遅くなってしまうし、
    家もあまり近くじゃないから、何かこの辺りで適当に済ませてしまうのも……」

まどか「う、ううん!ほむらちゃんのお家に行こう!」

ほむら「良いの?面倒じゃないかしら」

まどか「そんなことないよ!それに、ほむらちゃんの、て、手料理も、食べてみたいし!」

ほむら「そう?だったら、行きましょうか」

まどか「うん!」

まどか(やった……ほむらちゃんの手料理だ!嬉しすぎるよぉ……!)

104: 2012/09/15(土) 01:25:44.37 ID:dBOh7nDj0



ほむら「ごめんなさい、わざわざこんな距離を歩かせてしまって」

まどか「ううん、大丈夫!気にしないで」

まどか(どっちにしろお別れはほむらちゃんのお家の前の予定だったし……あ。
    そ、そうだ、そこでわたし、ほむらちゃんと、き、キスしなきゃいけないんだ……!)

ほむら「……キスにチュー……物騒ね」

まどか「ふぁえぁああッ!?」

107: 2012/09/15(土) 01:31:07.00 ID:dBOh7nDj0
ほむら「!?ど、どうしたのまどか」

まどか「ほ、ほほほむほむらちゃん、いい今なんて!?」

ほむら「いえ、この貼り紙を……」

  『空き巣に注意』

まどか「あ……あキスにチューい……」

ほむら「……ねぇ、まどか……」

まどか「えっ!?あ、え、な、なに……?」

108: 2012/09/15(土) 01:34:59.69 ID:dBOh7nDj0
ほむら「あなたもしかして……」

まどか「っ……」

まどか(だ、だめ、キスのことばっかり考えてるいやらしい子だって思われちゃう……!)

ほむら「空き巣が怖いのね。あんな怯えた声まで出して……」

まどか「へっ?」

ほむら「大丈夫よ、まどか。空き巣だろうと強盗だろうと、私があなたを守ってみせるわ」

まどか「あ、う……うん、ありがとう、ほむらちゃん」

まどか(た、助かったぁ。でも危ないなぁ……まさかあんなおかしな聞き間違いしちゃうなんて。
    だめだめ、もっと落ち着かなきゃ、わたし!ほむらちゃんを見習わなきゃ!)

110: 2012/09/15(土) 01:39:36.72 ID:dBOh7nDj0
ほむホーム

ほむら「それじゃあ、早速ご飯作るわね。まどかは適当に座って待ってて」

まどか「ううん、わたしも手伝うよ!」

ほむら「ありがとう、でも、私に作らせて欲しいの。お昼ご飯のお礼だから。
    それにウチのキッチン、あまり広くないもの」

まどか「うーん……じゃあ、食器運んだりするね!他にも何か手伝えることがあったらなんでも言ってね!」

ほむら「えぇ、ありがとう。あ、そうだわ……まどか、お魚は大丈夫?」

まどか「お魚?うん、平気だよ。あ、でもお刺身はちょっぴり苦手かも……」

ほむら「そう、良かった。安心して、お刺身じゃないから。私も家ではあまりお刺身は食べないの。
    寄生虫なんかも、ちょっと怖いから……アニサキス、だったかしら」

まどか(あ、あにさ……!)

114: 2012/09/15(土) 01:44:39.38 ID:dBOh7nDj0
まどか(……って、さすがに意識しすぎだよね、これ。
    だめだめ、一旦キスのことからは離れよう、うん!)

まどか「そ、そうだ!ちなみに、ご飯は何を作ってくれるの?」

ほむら「主食はシチューのつもりだけど、大丈夫?」

まどか(し、しチュー!)

まどか「……だ、大丈夫、大好きだよ!チュ……じゃなくて、シチュー!大好き!」

ほむら「良かった。待っててね、まどか。すぐに作ってあげるから」

まどか(すぐに、あげるから……すぐにチュー、あげるから……。
    だ、だめだめ!何考えてるの!これじゃほんとに変な子だよ……!)

まどか「う、うん、楽しみに待ってるね、ほむらちゃん」

119: 2012/09/15(土) 01:48:56.47 ID:dBOh7nDj0



まどか(ふー……なんとか、落ち着いてきたかな……)

ほむら「お待たせ、まどか」

まどか「わぁ……!すごいよほむらちゃん!とっても美味しそう!」

ほむら「味見もしっかりしたし、失敗はしてないはずだけど……」

まどか「いただきまぁす!……ん!やっぱり美味しいよ、ほむらちゃん!」

ほむら「良かった……」

まどか「あ、これが最初に言ってたお魚?」

ほむら「えぇ。シチューの中に入れるのは合うのかどうか分からなかったから、別に料理してみたんだけど」

まどか「そうなんだ。なんていうお魚なの?」

ほむら「キスよ」

まどか「ぶーーーーーーッ!?」

122: 2012/09/15(土) 01:54:27.59 ID:dBOh7nDj0
ほむら「ま、まどか!?」

まどか「げほっ、げほっ……ご、ごめんね、ちょっと、むせちゃって……」

ほむら「大丈夫、まどか?ほら、口の周りがこんなに汚れて……」

まどか「えっ!?い、良いよ、自分で……んむっ」

まどか(ほ、ほむらちゃんに口の周り拭かれてる……か、顔、近いよぉ……)

ほむら「……なんだか顔が赤いわ」

まどか「へっ?」

ほむら「熱でもあるのかしら……」

まどか(え、ちょ、ちょっと待って……た、確かにわたし、少女漫画でいっぱい勉強してきたけど!
    こんな展開もいっぱいあったけど!ま、まさか現実で、そんな熱の計り方……)

124: 2012/09/15(土) 01:58:22.19 ID:dBOh7nDj0
ほむら「…………」

まどか(あぁあ……ほ、ほむらちゃんのおでこと、わたしのおでこが……顔が、こんなに近く……。
    うう……もうわざとやってるとしか思えないよ、ほむらちゃん……)

ほむら「……熱はないみたいね。でも、本当に大丈夫?体調が悪いなら……」

まどか「だ、大丈夫だよ!なんともないよ、全然平気だよ!
    それに、まだほむらちゃんのお料理も食べてないもん!
    せっかく作ってくれたんだから、全部食べなきゃ!ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

ほむら「もう、そんなに慌てなくても良いのに」

まどか「ご、ごちそうさま!とっても美味しかったよ、ほむらちゃん!」

ほむら「ふふっ……えぇ。ありがとう、まどか」

125: 2012/09/15(土) 02:01:53.84 ID:dBOh7nDj0
ほむら「ところでまどか、時間は大丈夫?」

まどか「えっ?あ……ほんとだ、も、もう、帰らなくちゃ……」

まどか(帰るっていうことは……つ、ついにこの時が……!)

ほむら「もう遅いけど、大丈夫?家まで送りましょうか?」

まどか「!ううん、大丈夫!」

ほむら「とりあえず、家の外まで出るわね」

まどか「う、うん」

129: 2012/09/15(土) 02:07:02.58 ID:dBOh7nDj0
ほむら「もう真っ暗ね……。本当に送らなくても大丈夫?」

まどか「だ、大丈夫、平気だよ」

まどか(……今、やらなきゃ……。せっかく、決めたんだから……。
    ここで、今ここで、ほむらちゃんと、キスしなきゃ……!)

まどか「ほ、ほむらちゃん……!」

ほむら「?何かしら」

まどか「……ま、またね。バイバイ」

133: 2012/09/15(土) 02:12:01.65 ID:dBOh7nDj0
ほむら「えぇ、バイバイ」

まどか「…………」

まどか(うぅ……わたしのバカ、意気地なし……)

ほむら「……待って、まどか」

まどか「え?」

まどか(な、なに……?ほむらちゃんが、近付いて……)

ほむら「……目を瞑ってちょうだい」

134: 2012/09/15(土) 02:17:35.38 ID:dBOh7nDj0
まどか「!は、はい!」

まどか(う、うそ、まさかほむらちゃんから……!?
    も、もしかしてほむらちゃんも、わたしとキスしたかったのかな……。
    そ、そうだよ、だって、ほむらちゃんの家に来てからおかしかったもん!
    あんな、空き巣に注意とか、アニサキスとか、わざわざあんな言葉を出してくるなんて変だもん!
    お料理だって、シチューとかキスとか……それに最後の熱の計り方だって……。
    う、うん、きっとそうだ!ほむらちゃんも、わたしとキスしたかっ……)

ほむら「はい、取れたわ」

まどか「……え……?」

ほむら「顔にゴミが付いてたから。それじゃ、気をつけて帰ってね、まどか」

138: 2012/09/15(土) 02:23:21.40 ID:dBOh7nDj0
まどか「…………」

ほむら「まどか?」

まどか「……してくれないの……?」

ほむら「え?」

まどか「キス……してくれないの……?」

ほむら「……え?」

140: 2012/09/15(土) 02:27:41.89 ID:dBOh7nDj0
まどか「…………」

ほむら(え、なに、なんて?キス?
    あぁ、わかったわ。お魚ね。キスね。キスがまだ欲しいのね)

ほむら「ごめんなさい、まどか。キスはさっきので、もうなくな、ちゃっ……て……」

まどか「…………」

ほむら(え、何その顔は。そんな目を潤ませてまでお魚が欲しいの?
    もう、まどかってば意外に食いしん坊なのね)

146: 2012/09/15(土) 02:34:10.06 ID:dBOh7nDj0
ほむら(……何を考えてるの私は。そんなはず、ないじゃない。
    いつまでもごまかすのはやめなさい。まどかの言ってるキスというのは……つまり……)

ほむら「あ、あの、え、えっと、その……ま、まどか、一回、落ち着いて……」

ほむら(そうか、今思い返すと……そういうことだったんだ。
    私はただ単にまどかと友達として、今日1日遊びまわったつもりだったけど、
    まどかはそうじゃなくて……この子はずっと……)

まどか「……ほむらちゃんは、わたしのこと、好きじゃないの……?」

149: 2012/09/15(土) 02:40:41.07 ID:dBOh7nDj0
ほむら「っ……!」

まどか「わ、わたしは、ほむらちゃんのこと、す、好き、だよ……?だ、だから……」

ほむら「ごっ……ごめんなさい、まどか!1日だけ、考えさせて!」

まどか「え……?」

ほむら「あ、明日返事するから!ごめんなさい!さよなら!」

まどか「あ、ほむらちゃん……!」

152: 2012/09/15(土) 02:45:13.21 ID:dBOh7nDj0
夜、まどか家

まどか「ぐすっ……ひぐっ……ママの馬鹿ぁ……」

詢子「わ、悪かったってまどかぁ……。まさかキスを拒まれるなんてさぁ……」

まどか「ほむらちゃんに嫌われちゃったよぉ!
    キスのことばっかり考えるいやらしい子だって思われちゃったよぉ!」

詢子「ま、まだ嫌われたって決まったわけじゃないだろ?
   明日返事もらえるんだろ?諦めるには早いって!」

155: 2012/09/15(土) 02:50:06.44 ID:dBOh7nDj0
まどか「えぐっ……で、でもぉ……」

詢子「きっと、ほむらちゃんもすごく恥ずかしがり屋なんだよ。
   だから気持ちの整理がついてないだって。嫌われてなんかいないさ!」

まどか「ぐすっ……ほ、本当?」

詢子「だから、明日はどーんと構えて返事を聞きに行きな!
   あ、で、でも一応、覚悟というか、心の準備はして行くんだよ?」

まどか「ま……ママの馬鹿ぁああ!」

157: 2012/09/15(土) 02:54:34.55 ID:dBOh7nDj0
ほむホーム

ほむら(まさか、まどかがそういう感情を私に抱いていたなんて……)

QB「やぁ、どうしたんだい。そんなに思い悩んだ顔をして」

ほむら「キュゥべえ!そうよ、元はと言えばあなたがあんなこと言うから……!」

QB「ちょっ……なんのことだい、わけがわからないよ」

ほむら(っ……いけない、これじゃあ八つ当たりだわ。
    確かにキュゥべえのアドバイスが原因ではあるけど、あんな“告白”をすればどうなるか、
    そこに思い至らなかった私の常識の無さが悪いのよね……)

ほむら「……ごめんなさい」

QB「やれやれ……それで、何がどうしたって言うんだい?説明してくれないかな」

158: 2012/09/15(土) 03:00:33.92 ID:dBOh7nDj0



QB「なるほどね。君の友情を恋愛感情と勘違いしたまどかがその気になってしまったと」

ほむら「勘違いされるだけなら良かったんだけど……。
    まどかが私に恋愛感情を抱いているというのが……」

QB「良いことじゃないか。君たち人類は、他人の愛情を欲するのは自然なことだろう?」

ほむら「それはそうだけど、女の子同士だなんて……」

QB「君たちの歴史を見れば、同性同士の恋愛も決して珍しいことじゃない。
  今君が問題にすべきは、相手の性別ではなく、相手が誰であるかじゃないのかな」

ほむら「相手が、誰であるか……?」

160: 2012/09/15(土) 03:05:12.93 ID:dBOh7nDj0
QB「例えば君は、相手が男性であればどんな相手であっても交際できるかい?」

ほむら「そんなはずないじゃない。私だって、相手を選ぶわ」

QB「なら、まどかだったらどうだい?
  “同性と交際するかどうか”ではなく、“鹿目まどかと交際するかどうか”。
  それを考える方が感情のある君たちらしいじゃないか」

ほむら「……!」

QB「もっとも、子孫の反映を考えるのなら同性同士で結ばれたところで
  何の意味もなさないから、僕が同じ立場なら考えるまでもなく異性を選ぶけどね」

ほむら「……よく考えてみるわ」

QB「そうだね、よく考えると良いよ。感情があると大変だね」

161: 2012/09/15(土) 03:09:35.42 ID:dBOh7nDj0
翌日

ほむら「……まどか」

まどか「…………」

ほむら「……ごめんなさい。私のせいで、まどかを傷つけてしまって、本当にごめんなさい……」

まどか「……ほむら、ちゃん……」

ほむら「あれから、よく考えたの……。昨日の、返事をするわね」

まどか「っ……」

ほむら「……目を、瞑ってちょうだい、まどか」

まどか「!う、うん!」

  
  
  おしまい

190: 2012/09/15(土) 09:21:19.24 ID:ss+7R5+MO

191: 2012/09/15(土) 09:29:31.54 ID:8jA+h7uNO

192: 2012/09/15(土) 10:04:51.08 ID:dBOh7nDj0
-断った世界線ー

まどか「……ごめんね、ほむらちゃん」

ほむら「え……」

まどか「昨日一晩考えたんだけど……
    やっぱりわたし、ほむらちゃんのこと、そんな風には見れない……」

ほむら「じ、じゃあ今まで、仲良くしてくれてたのは……?」

まどか「えっ……だ、だってあれは、そういうのとは違うっていうか……」

ほむら「そ、んな……」

196: 2012/09/15(土) 10:12:42.82 ID:dBOh7nDj0
ほむら(それじゃあ、今までは仲が良いフリをしていただけ……?
    ……そうか……。まどかは優しいから、友達が少ない私のために……。
    友達だと思ってたのは……私だけだったんだ……)

まどか「ごめんなさい……」

ほむら「……そう……わかったわ。こちらこそごめんなさい、変なことを言って」

まどか「あ、ううん。変なことだなんて、そんな……」

ほむら「それじゃ……私はもう行くわね。さようなら……。
    もう……無理に仲良くする必要はないわ。今までありがとう、鹿目さん」

まどか「え……ほ、ほむら、ちゃん……?」

198: 2012/09/15(土) 10:18:48.86 ID:dBOh7nDj0
夜、まどか宅

まどか「ママ……」

詢子「まどか……。どうした、夕飯もろくに食べないで。パパもたつやも心配してたぞ?」

まどか「っ……ママぁ……。わたし、ぐすっ……どうしたら良いのかな……。
    どうしたら、良かったのかな……」

詢子「……ほむらちゃんのことか?何があったんだ?」

まどか「ひぐっ……えぐっ……」

詢子「泣いてちゃわかんないだろ?ゆっくりで良いから、話してみな」

まどか「ぅ……うん……」

199: 2012/09/15(土) 10:22:07.17 ID:5dIoWaj10
友達関係すら拒否られたら魔女化か盾回すレベル

201: 2012/09/15(土) 10:24:10.71 ID:dBOh7nDj0



詢子「……そうか。断ったら、急によそよそしく……」

まどか「やっぱり、断っちゃ駄目だったのかな……?
    わたし、間違っちゃったのかな……?
    ほむらちゃんと友達じゃなくなるの、いやだよぉ……!」

詢子「まどか……。大丈夫さ、安心しな。
   きっとほむらちゃんだって、まどかのことを嫌いになったわけじゃないさ。
   ただ、ちょっと気まずくなっちゃっただけだよ。失恋直後ってのは、そういうもんさ」

まどか「ほ、ほんと……?」

204: 2012/09/15(土) 10:30:03.53 ID:dBOh7nDj0
詢子「あぁ。だって、ほむらちゃんは告白するくらい
   心の底からあんたのことが好きだったんだから。
   そんな振られたくらいで、嫌いになったりするもんか」

まどか「じ、じゃあ、わたしはどうしたら……」

詢子「んー……まぁ、ほむらちゃんの心の整理がつくまでは、
    そっとしておいた方が良いんじゃないのかなぁ」

まどか「……うん……。わかった。ありがとう、ママ」

詢子「しばらくちょっと辛いかもしれないけど、頑張るんだよ」

まどか「うん……」

205: 2012/09/15(土) 10:35:24.49 ID:dBOh7nDj0
学校

さやか「ねぇ、まどか。あんた、ほむらとケンカでもしちゃったの?」

仁美「今日1日、口をきくどころか目も合わせようとしていませんわ……」

まどか「あ、うん……。ちょっと……」

さやか「あたしたちで良ければ相談乗るよ?
    あんだけ仲良かった2人がこんな状況なの、あたしたちもやっぱ嫌だし……」

まどか「う、ううん。大丈夫だよ。きっとすぐに仲直りできるから、心配しないで!」

仁美「そう、ですか……。もし話したいことがあれば、いつでも言ってくださいね」

まどか「うん……ありがとう」

207: 2012/09/15(土) 10:40:12.61 ID:dBOh7nDj0
数日後、放課後

さやか「……ほむら……」

ほむら「さやか……。どうしたの、何か用?」

さやか「あのさ……今日も一緒に帰んないの?」

ほむら「……だって、鹿目さんも一緒でしょう?」

さやか「あんたね……いつまで続ける気なのよ、こんなの。
    何があったのか知らないけど、もうそろそろ元通りになっても良いんじゃない?
    それとも、まどかを嫌いになるよっぽどの理由があるわけ?」

ほむら「別に嫌いになってなんかいないわ」

208: 2012/09/15(土) 10:45:26.35 ID:dBOh7nDj0
さやか「だったらなんで……」

ほむら「ただ、鹿目さんは私と友達じゃない。それだけよ」

さやか「また、そんなわけ分かんないこと言って……!」

ほむら「今までは表面上、仲が良いフリをしていただけ。
    これ以上そんな関係を続けるのは嫌なの。
    だから、私と鹿目さんのことはもう放っておいてちょうだい」

さやか「っ……」

ほむら「それじゃ。またね、さやか」

209: 2012/09/15(土) 10:51:16.24 ID:dBOh7nDj0



まどか「あ、さやかちゃん。どこ行ってたの?」

さやか「え、っと……うん、ちょっとトイレにね。ごめんごめん。んじゃ、帰ろっか」

仁美「今日も……ほむらさんはご一緒できませんのね」

さやか「っ……」

仁美「まどかさん、やっぱりほむらさんとは、まだ……?」

まどか「うん……。で、でもきっと大丈夫だよ!
    もうちょっとしたら、またすぐみんなで仲良くお話したり寄り道したり、できるから!」

さやか「まどか……」

さやか(だめだ、あんなこと、まどかに言えるはずない……。
    まどかはこんなにほむらと仲直りしたがってるのに、
    ほむらの方は“まどかは友達なんかじゃない”だなんて……)

211: 2012/09/15(土) 10:57:02.80 ID:dBOh7nDj0



ほむら(……もうみんな、家に着いた頃ね。1人での下校はやっぱり……ちょっと退屈だわ)

ほむら「……はぁ……」

杏子「ん?あれ、ほむらじゃん」

マミ「どうしたの?なんだか元気がないみたいだけれど……」

ほむら「!杏子、それに巴さん……。心配いらないわ、ちょっと寝不足なだけだから」

マミ「そう?学校と魔女退治の両立は大変だと思うけど、無茶はしちゃ駄目よ?」

ほむら「えぇ、ありがとう」

杏子「ところで、今日はまどかと一緒じゃないのかい?」

ほむら「……どうして鹿目さんがここで出てくるのかしら」

212: 2012/09/15(土) 11:02:19.70 ID:dBOh7nDj0
杏子「あん?だってあんたら超仲良いじゃん。別に深い意味はないよ。
   ……ってあれ?“鹿目さん”?」

ほむら「別に仲良くなんてないわ」

マミ「もしかして……ケンカでもしてるの?」

杏子「えっ!あのまどかとほむらがケンカ!?はは、そんな馬鹿な……」

ほむら「ケンカなんてしてないわ。そもそも、私と鹿目さんは友達なんかじゃないもの」

杏子「……おいおい、こりゃ深刻だな」

マミ「暁美さん、もし良かったら相談に乗るわよ?
   どうしてそんな、鹿目さんとは友達じゃないなんて……」

まどか「……え……?」

214: 2012/09/15(土) 11:05:15.03 ID:lwg7yOrz0
いいねぇ、この泥沼さ

216: 2012/09/15(土) 11:11:56.71 ID:dBOh7nDj0
杏子「ま、まどか!?」

マミ「……訊いてたの……?」

まどか「え、えっと……わたしと、ほむらちゃんが、友達じゃ、ないって……え……?」

ほむら「……どうしてあなたがここに?」

まどか「ぱ、パパに、お使い頼まれて……」

ほむら「…………」

まどか「ね、ねぇ、ほむらちゃん。さっきの……ど、どういう、ことかな……」

217: 2012/09/15(土) 11:17:22.88 ID:dBOh7nDj0
ほむら「どういうことも何も……そのままの意味よ」

まどか「うそ、だよね?どうして、そんな……」

ほむら「……だって、あなたがそう言ったんじゃない……」

まどか「えっ……」

ほむら「あなたが、私のことを拒絶したんじゃない……!」

まどか「ち、違うよ、わたしは……!」

ほむら「いい加減にしてよ!もうそんな優しさはいらないの!
    私の想いを受け入れられないのに、優しさだけで仲良くしようとなんてしないで!」

まどか「あっ……ほ、ほむらちゃん……!……ぅぇ……ぅえぇえええん……!」

杏子「ど、どういうことだおい……」

223: 2012/09/15(土) 11:26:40.51 ID:dBOh7nDj0
まどか「ひっく……ぐす……」

マミ「落ち着いた?」

まどか「は、はい……ごめんなさい……」

マミ「その……事情を、訊いても良い?暁美さんの言葉で、大体は察しが付いたけど、
   まだ確証を得られたわけじゃないから……」

まどか「え、えっと……」

杏子「さっきの会話、あたしには、ほむらがまどかに告白して振られたようにしか聞こえなかったが……」

まどか「っ……!」

マミ「……そうなのね」

まどか「……はい……」

225: 2012/09/15(土) 11:33:11.33 ID:dBOh7nDj0
杏子「へぇ……確かに仲が良いとは思ってたが、まさかそういう感情だったとはね」

マミ「同性同士の恋愛もあるとは知ってたけど、暁美さんがそうだったなんて……ちょっと意外ね」

まどか「……ぐすっ……」

杏子「しかし、振られたら急によそよそしくなるなんて、ほむららしくないって言うか……」

マミ「そうね……。大体、友達ですらなくなるなんて、そんなのおかしいわ。
   暁美さん、一体どうしちゃったのかしら……。
   もしかしたら、何か理由があるかも知れないわね」

まどか「……理由……?」

226: 2012/09/15(土) 11:37:54.45 ID:dBOh7nDj0
マミ「えぇ。……ねぇ鹿目さん。
  もし良かったら、私が機会を見つけて暁美さんと話してみようと思うんだけど」

まどか「えっ……」

マミ「事情を知っちゃったら、どうしても放ってはおけないもの。
  もちろん、鹿目さんが駄目だと言うなら何もしないつもりだけど……」

まどか「で、でも……」

杏子「んー。まぁマミに任せとけば良いんじゃないの?
   あの様子だと、どうせあいつまどかには何も話さないだろうしさ。
   それとも、何かあんたに解決策があるのかい?」

まどか「それは……。じ、じゃあ、その……お、お願い、しても良いですか……?」

マミ「えぇ、任せて!」

227: 2012/09/15(土) 11:41:56.70 ID:dBOh7nDj0



杏子「……で?どうやってあいつと話す機会を見つけるのさ」

マミ「それは……今から考えるわ」

杏子「ったく……。人助けはご立派だけど、ちっとは考えてから……ッ!」

マミ「!この反応……!」

杏子「あぁ、魔女だ。近いな……とりあえず、こいつを片付けよう。行くぞ、マミ!」

マミ「えぇ!」

228: 2012/09/15(土) 11:43:49.11 ID:9kNaG1H30
既に魔女化とかやめてくれよ…

229: 2012/09/15(土) 11:48:21.00 ID:dBOh7nDj0
結界内

杏子「……なぁ、マミ。この反応ってさ、もしかして」

マミ「でしょうね。既に魔女と戦ってる魔法少女が居るわ。しかもこの魔力パターンは……」

魔女「ケケケケケケ!」

ほむら「くっ……!」

杏子「やっぱりか!っていうかあいつ、様子が変だぞ!動きが鈍すぎる!」

マミ「まさか……!」

231: 2012/09/15(土) 11:53:04.86 ID:dBOh7nDj0
マミ「佐倉さん、暁美さんを援護するわよ!」

杏子「おう!」

ほむら「!あなたたち……!」

杏子「うぉりゃあああ!」

魔女「ギャア!」

杏子「マミ、今だ!」

マミ「任せて!ティロ・フィナーレ!」

魔女「ギャアアアアアアアアア……!」

232: 2012/09/15(土) 11:59:18.77 ID:dBOh7nDj0
マミ「危なかったわね、暁美さん」

ほむら「……そんなことはないわ。あんな魔女、私1人で……」

杏子「ふん、そんな状態のソウルジェムでよくそんなことが言えるぜ」

ほむら「っ!」

マミ「さっきの魔女のグリーフシードよ。使いなさい」

ほむら「……ごめんなさい。この借りは必ず返すわ」

マミ「だったら……今から、ウチに来ない?」

杏子「!」

マミ「ちょっとケーキを買いすぎちゃって、食べるのを手伝って欲しいの。
  それで借りはチャラってことで、ね」

ほむら「……わかったわ」

234: 2012/09/15(土) 12:06:43.36 ID:dBOh7nDj0
マミ宅

ほむら「それで……何を話すつもりかしら」

マミ「あら……ばれてた?」

ほむら「気付かない方がおかしいわ。夕方に、あんなことがあったばかりだもの」

杏子「それじゃあ、遠慮はいらないね」

マミ「……鹿目さんから、話は全部聞いたわ」

ほむら「…………」

236: 2012/09/15(土) 12:12:10.87 ID:dBOh7nDj0
マミ「暁美さん、あなたはどうして鹿目さんと距離を置こうとしてるの?」

ほむら「……それが、私たちの本来あるべき姿だからよ」

マミ「確かに、鹿目さんはあなたの気持ちを受け入れなかったかもしれない。
   でも、だからって距離を置くことはないと思うな。
   鹿目さんは、以前のあなたとの関係を大切にしたいと思ってるのよ」

ほむら「以前の、私との関係……?」

ほむら(ただの同情で仲が良いフリをする関係を、大切にするですって……?
    そんなうわべだけの関係を守って、どうするというの……!?)

ほむら「……そんな関係、いらないわ。
    私が欲しいのは、そんな浅はかな関係じゃない。もっと親密な、深い関係なの」

杏子(うわあ、はっきり言うなぁ)

237: 2012/09/15(土) 12:17:29.17 ID:dBOh7nDj0
マミ「浅はかな関係……本当にそう思ってるの?」

ほむら「えぇ。その通りじゃない。そんな関係を続けるくらいなら、断ち切った方がマシよ……」

マミ「……確かに、あなたが求めている関係よりは親密でないかもしれない。
   でも、それも大切な繋がりよ!かけがえのない大切なものよ!」

ほむら「あんなものがかけがえのない大切な繋がりですって?
    どれだけあなたに友達が居なかったか分かるわね……!」

杏子(い、言っちまった!)

マミ「今はそのことは関係ないでしょう!?」

238: 2012/09/15(土) 12:18:05.71 ID:0c3+NLcP0
めんどくせー性格してんな

241: 2012/09/15(土) 12:22:56.18 ID:dBOh7nDj0
ほむら「どうせあなたは、そんな希薄で浅薄な関係にすがって生きてきたんでしょう!」

マミ「な、な……」

ほむら「本当の心と心の繋がりも知らずに!そんなもので満足だなんて、幸せな人生ね、羨ましいわ!」

杏子(やべぇ、やべぇよ……)

ほむら「でも私はそんなものじゃ満足できないの!あなたみたいな幸せな頭はしてないのよ!」

杏子「お、おいほむら。そのくらいにしとけって……マミの奴、泣いちまってるじゃねぇか」

マミ「ひぐっ……ぇうっ……」

ほむら「……とにかく。私はまどかと本当の友達になりたかったの。
    うわべだけ仲良くする関係なんて絶対に嫌」

杏子「え?」

マミ「え?」

246: 2012/09/15(土) 12:29:34.38 ID:dBOh7nDj0
ほむら「……何よ。何かおかしなことを言ったかしら」

杏子「なぁ、ほむら。あたしの聞き間違いかもしれないから、もう一回言ってくれ。
   あんたは、まどかの何になりたいって?」

ほむら「友達よ」

マミ「恋人じゃなくて?」

ほむら「?何を言ってるの?そんなはずないじゃない」

杏子「どういうことだおい……」

マミ「わ、私たちは鹿目さんに、あなたに告白された、って訊いたんだけど……」

ほむら「えぇ、したわ」

249: 2012/09/15(土) 12:34:45.31 ID:dBOh7nDj0
杏子「……なんて言って?」

ほむら「どうしてそんなことまで答えないといけないのよ」

杏子「良いから!」

ほむら「……確か、“今まで言ってなかったけど、あなたのことが好き”って」

マミ「それは……友達として?友情という意味で?」

ほむら「当たり前じゃない。それ以外に何があるの?」

杏子「……だ、駄目だこいつ……」

251: 2012/09/15(土) 12:39:20.63 ID:dBOh7nDj0
ほむら「……?」

マミ「あのね、暁美さん……。鹿目さんはね、あなたから愛の告白を受けたと思ったのよ。
   恋人になって欲しいって、そう言われたんだと思ったの」

ほむら「え?」

杏子「普通そう思うって……。あんな状況でそんな台詞言われたらさ。あたしでも分かるっての」

マミ「あなたから愛の告白を受けたと思ったから鹿目さんは、
  そういう風には見れない、あなたとは恋人にはなれない、って返事をしたんだけど……」

ほむら「………………あ」

253: 2012/09/15(土) 12:41:54.95 ID:lwg7yOrz0
ほむほむ鈍感っ子

254: 2012/09/15(土) 12:42:57.54 ID:dBOh7nDj0
まどかの部屋

まどか「……ぐすっ……ほむらちゃん……」

知久「まどか、ちょっと良いかい?」

まどか「!な、なに、パパ……」

知久「お客さんだよ。ほむらちゃんだ」

まどか「えっ……!」

258: 2012/09/15(土) 12:48:34.85 ID:dBOh7nDj0
ほむら「…………」

まどか「ほ、ほむらちゃん……!」

ほむら「!」

まどか「え、えっと……ど、どうした、の……?」

ほむら「……ま、まどかぁあああ!!」

まどか「わっ!ほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「ごめんなさい、ごめんなさぁああい!本当にごめんなさぁあああい!!」

まどか「え、えっ?」

260: 2012/09/15(土) 12:53:47.75 ID:dBOh7nDj0
ほむら「わ、私、わたし……まどかと、友達になりたいの……!」

まどか「!ほむらちゃん……!」

ほむら「と、友達になってくれますか……!?これからも、仲良くしてくれますか……!?」

まどか「もっ……もちろんだよぉ……!」

ほむら「っ……まどかぁ、まどかぁああ……!」

まどか「ぅっ……ほ、ほむらちゃぁあああん……!」

ほむら「まどかぁ、大好き、大好きぃ!」

まどか「わたしも大好き、ほむらちゃん、大好きだよぉ!」

263: 2012/09/15(土) 12:59:40.65 ID:dBOh7nDj0



まどか「……というわけで、無事仲直りできましたー」

さやか「いやー、良かった良かった!一件落着だね!」

ほむら「本当に迷惑をかけたわ、ごめんなさい」

杏子「ったく……世話やけるよな、ほんと」

マミ「……私、なんで泣かされたのかしら」

杏子「お、おい。気にすんなって。確かにあんたは友達が少なかったが……今はほら、あ、あたしが居るじゃん?」

マミ「!……佐倉さん……」

杏子「マミ……」

さやか「あ、あれ?なんかあたしだけあぶれてない?
    ふ……ふーんだ!良いもん!今度恭介とご飯食べる約束したし!
    あたしのために作った曲弾いてくれるって言ってたし!」



  おしまい

267: 2012/09/15(土) 13:08:29.20 ID:lwg7yOrz0
乙乙
泣かされマミさん可愛いよマミさん

268: 2012/09/15(土) 13:09:24.33 ID:QK+W89UqO
付き合ってると勘違いした詢子さん

引用元: ほむら「まどかのことが(友達として)好きなの」