1:2018/09/22(土) 01:20:51.373
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。

    ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。

    この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。

    そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。

    いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。

    さて、今日のお客様は……。

    家入住也(27) フリーター

    【追い出し屋】

    ホーッホッホッホ……。」


3:2018/09/22(土) 01:23:29.890
深夜、東京のある都市。市街地。夜中ということもあり、道路を走る車の台数は昼より少ない。

住宅街。団地。真夜中であるためか、歩道には人があまり見当たらない。

とあるマンション。ある部屋。布団に横たわる若者。目を閉じてはいるものの、どうやら眠れないようだ。

テロップ「家入住也(27) フリーター」

憂鬱そうな表情で、再び目を開く家入。隣の部屋からは、ヒップホップの音楽が大音量で響いている。

隣の住人が、ヒップホップの音楽とともに踊って足を踏み鳴らし、何かの奇声を上げている。

家入(またか……。今年になってから、俺はいつもいつも騒音に悩まされて眠れないでいる……)


住宅街、ある家。家の塀の前には、宅急便会社「佐山急便」のトラックが停まっている。

大きな荷物を運ぶ、「佐山急便」のバイトたち。制服を着た家入がそこに加わっている。

目の下にクマが浮かび、眠そうな表情の家入。軍手をはめた家入の両手から、一瞬力が抜ける。

地面に落ちる荷物。眠気が吹っ飛び、蒼白な顔になる家入。彼の仕事のパートナーが、不快そうな表情になる。
5:2018/09/22(土) 01:26:09.087
パートナー「家入!何やってるんだ!」

家入「す、すみません……」

道路を走る「佐山急便」のトラック。後部座席で居眠りをする家入。トラックの運転手が、家入を一瞬睨みつける。


「佐山急便」営業所。上司の前で、神妙そうな表情をする家入。

上司「家入さん。あなた、仕事でミスが目立ち過ぎていますよ」

家入「申し訳ありません……。これからは気をつけます」

上司「その言葉、前にも聞きました。仕事中に何度も荷物を落とすようでは……」
   「あなたはもう、ここへ来なくていいですから」

家入「……ということは」

上司「単刀直入に言うなら、『クビ』ということですよ」


街を歩く家入。落ち込んだ表情と、眠気の混じった表情が入り混じった顔をしている。

家入(俺は「佐山急便」をクビになってしまった……。また、一からバイト先を探さなければいけないのか……)
   (くそっ……!!あの隣の住人の騒音に悩まされず、睡眠不足になっていなければ……)
   (俺はバイトでミスをせずに済んだし……、勤め先もクビにならずに済んだんだ……)
6:2018/09/22(土) 01:28:24.886
眠気に耐えながら、覚束ない足取りでフラフラと歩く家入。家入の目のアップ。目の下に浮かぶクマ。

家入(それにしても、今の俺は猛烈に眠い……。どこかで横になって休もう……)


あるインターネットカフェ。漫画の詰まった本棚と、パソコンが並ぶ店内。

とあるスペース。座席に乗っかって熟睡する家入。

インタネットカフェの中に入る喪黒。彼は、パソコンが置かれたスペースの中を歩く。

とあるスペースのドアを開け、中で眠る男性――家入をちらりと眺める喪黒。

喪黒「…………」


夕方。インターネットカフェを出て、道を歩く家入。家入の側には、いつの間にか喪黒がいる。

喪黒「もしもし……」

家入「は……い……。一体……、何の用ですか……」

喪黒「おやおや……、何やら元気がなさそうですなぁ」
   「あなたはまだ若いんですから……。もう少しシャキッとしてくださいよ」
8:2018/09/22(土) 01:30:25.880
家入「今の俺は、とてもじゃないですが……。そういう気持ちになれないですよ……」

喪黒「もしかすると、どこか身体の不調でも感じているのですか?例えば、睡眠不足とか……」

家入「えっ!?ど、どうしてそれを……」

喪黒「さっき、インターネットカフェの中であなたの姿を見たのですよ」
   「パソコンの置かれているスペースの中で、椅子へ横になって眠り続けるあなたを……」

家入「俺のこと、覗き見していたんですか……。あなた悪趣味ですね……」

喪黒「こんな時間にインターネットカフェにいたというのは、おそらく何かの事情のせいでしょう」
   「例えば……、今まで働いていた勤め先を突然クビになったとか……」

家入「ええ……。全くその通りですよ!あ、あなた一体何者なんですか!?」

喪黒「いやぁ……。仕事柄、長年、人間の観察を行ってきたおかげでしてねぇ……」

喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。

家入「ココロのスキマ、お埋めします!?」

喪黒「私はセールスマンです。お客様の心にポッカリ空いたスキマをお埋めするのがお仕事です」
10:2018/09/22(土) 01:32:30.730
家入「心のスキマを埋める……?人生相談の方なんですか?」

喪黒「どちらかと言うと、ボランティアみたいなものですよ。何なら、私があなたの相談に乗りましょうか?」


BAR「魔の巣」。喪黒と家入が席に腰掛けている。

家入「大学卒業後……。俺は東京に住んで、アルバイト暮らしをしながら生活をしてきました」

喪黒「もしかして、就職活動に失敗したのですか?」

家入「そうですよ……。俺は『佐山急便』のバイトをしながら、何とか飯を食ってきましたけど……」
   「今日、そのバイト先をクビになったんです……」

喪黒「大変ですねぇ……」

家入「でも……。俺にとって大変なのは、隣の部屋にいる住人の騒音ですよ」
   「おかげで、俺は夜もろくに眠れないし……。睡眠不足のせいで、バイトでミスが重なり……」
   「その結果、肝心のバイトもクビになって……」

喪黒「お気の毒ですなぁ……」

家入「隣にいる住人が、毎日毎日、朝も昼も夜も……。大音量で音楽を流すんですよ……」

喪黒「どんな音楽ですか!?」
11:2018/09/22(土) 01:34:44.171
家入「ヒップホップとか、レゲエとか、ラップとか、EDMとか、クラブミュージックとか……」

喪黒「なるほど。管理人に言ったり、警察を呼んだりしなかったのですか?」

家入「それはやりましたよ。でも……。管理人が注意したくらいでは、あの住人は騒音行為をやめませんし……」
   「警察も、あの住人にほんの少し注意しただけで……。何もしませんでした……」

喪黒「そうですか。で、あなたが住んでいるマンションの名前と、管理している不動産会社の名前は?」

家入「僕が住んでいるマンションの名前は『スカイハイ奥多摩』、管理会社の名前は『モリ総合管理』です」
   「僕は東京に来てから、ずっとこのマンションに住んでいますが……。隣人の騒音が始まったのは今年になってからです」

喪黒「そういうことですか……。家入さんが騒音に悩んでいる裏事情、よーく分かりましたよ」

家入「えっ!?」

喪黒「実はですねぇ……。『スカイハイ奥多摩』を管理する『モリ総合管理』の正体は……」
   「暴力団・稲盛会のフロント企業なんです。家入さんは、悪徳不動産会社に嵌められたんですよ」

家入「何ですって!?」

喪黒「あなたの隣で騒音行為をやっている住人は、おそらく暴力団組員か半グレの人間でしょう」
12:2018/09/22(土) 01:37:21.522
家入「ちょ、ちょっと待ってください!暴排条例によると、ヤクザはマンションを借りられないはずですよ!」

喪黒「フロント企業が管理しているマンションに、末端ヤクザをこっそり送り込んだから……」
   「今までバレなかったのですよ。いわゆる、法の抜け穴って奴です」

家入「じゃあ、隣の住人の正体は……」

喪黒「そうです!あなたを追い出すために暴力団が送り込んだ鉄砲玉……。つまり、『追い出し屋』ですよ!」

家入「そ、そんな……」

喪黒「『追い出し屋』の人間が、朝も昼も夜も、ろくに寝ないで大音量で音楽を流せるのは……」
   「彼が関わる暴力団から支給された……、クスリによる効果のおかげでしょう」

家入「な、何てことだ……!」

喪黒「カタギの人間である家入さんを追い出し、ヤクザの息のかかった人間を新たに住人として入れる……」
   「それが彼らの狙いです。ヤクザマンションの中に、カタギの人間のあなたがいるというのは……」
   「彼らにとっては邪魔ですから……」

家入「い……、いくら何でも、あんまりだ!!」

喪黒「じゃあ、いっそのこと……。今住んでいるマンションから引っ越したらどうです?」
   「こんなところに住んでいても、家入さんにとっては何の得にもなりませんよ」
13:2018/09/22(土) 01:39:34.207
家入「でも、俺は今までバイト暮しだったから……。引越しのための金がないんですよ……」

喪黒「分かりました。家入さんの引越しのための資金、私が出しますよ」

家入「えっ、いいんですか!?」

喪黒「あなたのような人を救うのが、私の仕事なんです」

家入「とはいえ……。こんな形で引っ越すなんて、『追い出し屋』に負けたみたいで悔しいですよ」

喪黒「分かりました。私が何とかしましょう」


深夜、アパート『スカイハイ奥多摩』。

家入の部屋。室内には、喪黒と家入が2人いる。隣の部屋からは、いつも通り大音量でヒップホップが流れる。

隣の住人が踊って足を踏み鳴らす音と、何かの奇声も聞こえる。憂鬱そうな表情の家入。落ち着いた表情の喪黒。

玄関のドアを開け、外に出る喪黒。喪黒は、隣の部屋のドアの前に立つ。喪黒の後ろにいる家入。

ピッキングを使い、ドアを開ける喪黒。

家入「え、ピッキング!?喪黒さん、そんなもの持ってたんですか!?」
15:2018/09/22(土) 01:41:59.980
部屋の中に入る喪黒と家入。異様な光景を目にし、家入は思わず目を丸くする。

あちこちが散らかり、ゴミだらけになった室内の中で……。スウェット上下の中年男が踊りを踊っている。

金髪のロングヘア、瞳孔が開いた目、得体の知れない笑み、不自然に高いテンション……。

男の足元のスマホが、ヒップホップを大音量で流している。

テロップ「五味川大輔(42) 指定暴力団稲盛会・蛇塚組系城田組組員」

喪黒は五味川に右手の人差し指を向ける。

喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」

五味川「ギャアアアアアアアアア!!!」


喪黒のドーンを受け、五味川は座り込む。白髪頭になり、よだれを垂らしながら、うめき声を上げる五味川。

五味川「ア……、ア、ア、ア……」

焦点の定まらない目で、表情から知性を失った五味川。廃人化した五味川を、家入は不安そうな表情で眺める。

五味川の側へ行き、彼のスウェットの上半身を脱がす喪黒。驚く家入。

家入「こ、これは……」
16:2018/09/22(土) 01:44:21.594
五味川の上半身の大半には、和彫りの刺青が入っている。しかも、彼の両腕には注射の跡が無数ある。

喪黒「ほら……。『追い出し屋』の正体は、私の言った通りの人間だったでしょう?」

五味川「オー……、オー……、オー……」

喪黒と家入は、五味川の部屋から立ち去る。


家入の部屋。静かになった室内にいる、喪黒と家入。

家入「あの、さっきはどうも……」

喪黒「追い出し屋にひと泡吹かせたのだから……。家入さんも、もう思い残すことはないでしょう?」

家入「ええ、まあ……。後は新しいバイト先を見つけるだけですから……」

喪黒「その必要はありませんよ」

家入「えっ!?」

喪黒「実は私、あるマンションを保有しているのですが……。それを家入さんに、ただでプレゼントしようと思うのですよ」
   「それだけでなく……。私の支援で、あなたは不動産会社も立ち上げるわけです……。そうすることによって……」

家入「じゃ、じゃあ俺は……」
17:2018/09/22(土) 01:46:33.505
喪黒「そうです。不動産会社を経営し、マンションオーナーとして暮らすのはどうですか?」

家入「俺のために、わざわざそこまで……。地獄で仏とは、まさにこのこと……」

喪黒「ですがねぇ、家入さん……。あなたには、約束していただきたいことがあります」

家入「約束!?」

喪黒「はい。あなたが管理するマンションに、『追い出し屋』を送り込むような行為は絶対にしてはいけません」
   「そもそもあなたなら……。『追い出し屋』の被害を受ける辛さを、誰よりも理解しているはずですから」

家入「わ、分かりました……」


BAR「魔の巣」。喪黒と家入が席に腰掛けている。家入は高価なスーツを身にまとっている。

喪黒「家入さん。あなたも不動産社長として、すっかり貫禄がつきましたなぁ」

家入「まぁ、会社の経営はまだ不慣れですから……。周りにいろいろ教えられることが多くて……」

喪黒「それでも……。あなたは社長として、仕事にやりがいを感じているでしょうし……」
   「収入や身分も、以前より安定したものになったはずですよ」

家入「確かに……。まあ、『地位は人を作る』とはよく言ったもんですよ……」
19:2018/09/22(土) 01:54:41.051 ID:sJYC68HeD.net
喪黒「だったら、地位にふさわしい仕事をして人々のために役に立つべきですよ」
   「何よりも、あなたには私との約束もありますからねぇ」

家入「ええ……。まあ……」


夜。ある繁華街、嬢に囲まれながら、満足している様子の家入。

キャバ嬢たち「えーっ、この若さで不動産会社社長!?」「すごーーい!」「お金持ちなんだーー!」

家入「いやぁ、それほどでも……」


とある街の郊外。家入不動産。執務室で、机に向かう家入。

家入「昨日は、飲みすぎたな……。二日酔いで頭が重い……」

社員A「そんなことより、社長……。会社のお金を使って豪遊するのは、よくないですよ」

家入「分かっているよ……。でも、可愛い女の子に店でチヤホヤされるのは楽しいから……」
   「つい、病みつきになって……」

社員B「こんなことを続けたら、会社の経営が行き詰まりますよ……」
20:2018/09/22(土) 01:56:48.850 ID:sJYC68HeD.net
家入「いやぁ……。すまん、すまん……」

社員C「もっと真面目に会社を経営してください。堅実な経営をしていれば、会社は何とかなりますから……」

家入「でも、堅実な経営では入ってくる収入が限られているからなぁ……」
   「ちょっと変わったこともやってみたい……」


夕方。マンション。アジア系の外国人が数人、スーツケースを引いて建物の中に入る。

別のマンション。廊下には、スーツケースやボストンバッグを持ったアジア系の外国人が何人かいる。


家入不動産。執務室にいる家入。

家入「よし!外国人観光客向けの民泊サービスは大成功だな!前よりも収入が大幅に増えた……」
   「俺が保有するマンションを使って、もっともっと民泊サービスを増やしていこう……」


他のマンション。建物の中に入る、アジア系の外国人観光客たち。外国人たちが何かの会話をしている。


家入不動産。家入は社員たちと会話をしている。

家入「この調子で、民泊サービスを増やすぞ!そうすれば、俺はさらに金を儲けることができるんだ!」
21:2018/09/22(土) 01:59:22.014 ID:sJYC68HeD.net
社員A「でも社長……。マンションの空き部屋の数には限りがありますよ……」

家入「空き部屋がないんなら、作ればいいんだよ!!」

社員B「え!?それじゃあ……」

家入「決まってるだろ!!俺が管理するマンションに、『追い出し屋』を送り込むんだよ!!」

社員C「さすがに、それは……」

家入「俺は不動産会社の社長であり、今の社会では勝ち組なんだ!世の中は弱肉強食なんだよ!」
   「社長の俺が金を積めば、ヤクザの連中も喜んで『追い出し屋』の仕事をやってくれるだろうさ!」


ある夜。とあるマンション。布団に入ったまま、騒音に悩まされる女性の住人。隣の部屋から、大音量でラップミュージックが流れる。

さらに、ある日の夕方。廊下の前で、玄関のドアの前に立つ例の女性。ドアには赤のスプレーで、「死ね」と書かれている。


深夜。店がいくつも立ち並ぶ歓楽街。店から出る家入。

家入「ふうっ、最高だな!」

真夜中で、人があまり見当たらない路地裏。家入が上機嫌で道を歩いていると……、目の前に喪黒が姿を現す。
23:2018/09/22(土) 02:01:39.154 ID:sJYC68HeD.net
喪黒「家入住也さん……。あなた約束を破りましたね」

家入「も、喪黒さん……!!」

喪黒「私は忠告したはずです。あなたが管理するマンションに、『追い出し屋』を送り込んではいけない……と」

家入「ええ……。俺はちゃんと、喪黒さんとの約束を守って……」

喪黒「嘘をついてはいけません。確か、今の家入さんは……。外国人観光客の民泊頼みの経営をしていますよねぇ」
   「そこで、マンションに民泊向けの空き部屋をわざわざ作るため……。『追い出し屋』を雇うようになったんでしょ!?」

家入「あ、ああああ……」

喪黒「ほう、図星ですか……。家入さん、あなたは『追い出し屋』の被害を味わった人間でしょ?それなのに……」

家入「ゆ、許してください!喪黒さん!」

喪黒「いいえ、ダメです。約束を破った以上、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」

喪黒は家入に右手の人差し指を向ける。

喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」

家入「ギャアアアアアアアアア!!!」
24:2018/09/22(土) 02:04:12.551 ID:sJYC68HeD.net
テロップ「数年後――」

ある日の夜。雨が降りしきる公園。広い公園内に、ホームレスが住むテントがいくつも並んでいる。

とあるテント。中に住む2人の男性。2人とも、ぼさぼさ頭、無精ひげ、黒ずんだ服の典型的なホームレスだ。

そのホームレスの正体は、そう……。数年前は社長だった家入と、かつては『追い出し屋』だった五味川だ。

家入「皮肉なもんだな。『追い出し屋』をやった人間が、人並みの住環境を追い出される羽目になるとは……」

酒の入ったワンカップを持つ家入と五味川。

家入「でも、こうやって雨風をしのげるだけでも御の字だ……。今夜も乾杯しようぜ!」

五味川「オウ……、オウ……」


公園の前には、傘を差した喪黒がいる。喪黒の後ろには、数々のテントが見える。

喪黒「そもそも……。誰もが何かしらの形で住まいを持っていますし、住む場所がないと人間は生きていけません」
   「人間にとって家とは……。単に自然の猛威をしのぐだけでなく、心の安らぎの場としての役割も果たしています」
   「従って……。安全な住環境を確保するというのは、人間にとっては最も切実な問題の一つとも言えましょう」
   「なぜなら……。帰るべき場所や住むべき場所があるからこそ、人間は安心して生きることができるのですから……」
   「ところで……、家入さんと五味川さんも、公園暮らしにすっかり慣れたようですねぇ。まさに、住めば都ですよ」
   「オーホッホッホッホッホッホッホ……」

                   ―完―
26:2018/09/22(土) 02:11:50.238 ID:HomECD6E0.net
面白かった
27:2018/09/22(土) 02:12:18.898 ID:IjnCG9CSx.net

読んでしまった