1:2018/09/29(土) 20:04:18.426
アンドロイドちゃん「おや。○○様。マスターに御用でしょうか」

アンドロイドちゃん「でしたらご案内いたしましょう。この時間は部屋に籠っております」

アンドロイドちゃん「○○様を見れば弛んだ気持ちも引き締まるでしょう」

アンドロイドちゃん「いえ、構わないのです。これもマスターのため」

アンドロイドちゃん「高校生ともなれば、ご学友との交流は社会性を育む重要なひと時となりましょう」

アンドロイドちゃん「どうか○○様、マスターのことをお見捨てにならないよう」

アンドロイドちゃん「マスターは他に友人がおりませんので」



3:2018/09/29(土) 20:05:35.419 ID:8MizJ5Z+0NIKU.net
事あるたびにご主人様のメンタルをガリガリしてくる奴だ……
4:2018/09/29(土) 20:05:55.581
アンドロイドちゃん「私ですか? 私はマスターが5歳になろうかという時期に配備されました」

アンドロイドちゃん「それからずっと、私はマスターの身の世話を任されております」

アンドロイドちゃん「教育係とはまた少し違います。私はマスターの気品と情緒を手入れしてきたのです」

アンドロイドちゃん「不適切な言い方でしたか? でしたら、家政婦、が一番適切でしょう」

アンドロイドちゃん「私は彼女の食事、睡眠、身の回りの全てを管理していますから」
6:2018/09/29(土) 20:07:08.509
アンドロイドちゃん「話し相手? ええ、マスターが退屈な時は私が相手をしています」

アンドロイドちゃん「子供のころは私にまとわりつき、よく昔話をせがんだものです」

アンドロイドちゃん「そのくせ、私の話にはすぐ退屈し、寝てしまうのですが」

アンドロイドちゃん「今も昔も気分屋な性格は変化しません」

アンドロイドちゃん「……?」

アンドロイドちゃん「……私が、姉、のようとは、あまり適切な表現ではありませんが」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……不適切でも、ありませんね」
7:2018/09/29(土) 20:08:13.372
アンドロイドちゃん「マスターの部屋はこちらです。それでは、私はこれで。ごゆっくりと」

アンドロイドちゃん「いえ。私は遠慮させていただきます。元々、○○様もマスターへご用向きだったのでは」

アンドロイドちゃん「私がいては、○○様のお邪魔になってしまいます。○○様」

アンドロイドちゃん「○○様は、この部屋へたどり着くまで、心拍数が平均値よりやや高めのご様子でした」

アンドロイドちゃん「マスターとの対面を切望していたのでしょう?」
8:2018/09/29(土) 20:09:27.535
アンドロイドちゃん「……ああ、これは失礼。マスターのご友人をこのように分析してしまうなど、失礼極まりない」

アンドロイドちゃん「申し訳ございません。マスターに近づく人間を精査することも私の役目の一つでして」

アンドロイドちゃん「二度といたしません」

アンドロイドちゃん「○○様、どうかお許しください。私はすぐに消えますので」

アンドロイドちゃん「それでは○○様。マスターのことを、どうぞよろしくお願いいたします」

アンドロイドちゃん「私はこれにて。失礼いたします」
9:2018/09/29(土) 20:10:33.430
アンドロイドちゃん「おや、これは大きな花束ですね」

アンドロイドちゃん「どうされたのですか?」

アンドロイドちゃん「なるほど、お気遣いありがとうございます」

アンドロイドちゃん「マスターもきっと喜ぶことでしょう」

アンドロイドちゃん「さあ、ご案内いたします」

アンドロイドちゃん「今日もご訪問いただき、ありがとうございます」
11:2018/09/29(土) 20:11:29.396
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「? どうしました?」

アンドロイドちゃん「……この花束についてですか? 華やかだと思いますが」

アンドロイドちゃん「好き、か、嫌いか、と言われましても」

アンドロイドちゃん「私はそういった感性を持ち合わせておりませんので」

アンドロイドちゃん「……赤く、黄色く、緑である、としか」

アンドロイドちゃん「感想がありません」
12:2018/09/29(土) 20:12:38.173
アンドロイドちゃん「好みではない、といいますか」

アンドロイドちゃん「なんといいましょう」

アンドロイドちゃん「……そうですね、どちらかと言えば、珍しいもの」

アンドロイドちゃん「そうした植物であれば、学術的な興味は抱きます」
13:2018/09/29(土) 20:13:54.021
アンドロイドちゃん「……なんです?」

アンドロイドちゃん「そう言うと思って? 何を……」

アンドロイドちゃん「……四つ葉のクローバー?」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……花言葉は復讐。冗談です。これを私に?」

アンドロイドちゃん「これはこれは。お気遣いありがとうございます」

アンドロイドちゃん「まさか私にまで贈り物をご用意いただいていたとは」

アンドロイドちゃん「将を射んとする者は、でしょうか? ご心配なさらずとも、私はあなたの味方でいたいと思っております」

アンドロイドちゃん「いえ、いえ。穿ちすぎてしまいました。大変失礼な物言いを」

アンドロイドちゃん「ありがとうございます。大事にさせて頂きます」

アンドロイドちゃん「……マスターは良いご友人に恵まれたようです」
14:2018/09/29(土) 20:15:16.567
アンドロイドちゃん「おはようございます。○○様」

アンドロイドちゃん「本日も御機嫌よう。どうぞこちらへ」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「○○様。今日は何もお持ちでないのですね」

アンドロイドちゃん「いえ、いつも、何かをお持ちいただいているので」

アンドロイドちゃん「勿論催促しているわけではございませんが、そういうイメエジが」

アンドロイドちゃん「花束、菓子、おもちゃ、異国の土産物」

アンドロイドちゃん「それはもう種々様々なもので」

アンドロイドちゃん「マスターの部屋はもうすっかりあなたの色に染まっているようです」
15:2018/09/29(土) 20:16:23.579
アンドロイドちゃん「よくもまあ、あの気分屋なマスターのツボを押さえた物を毎度持ってこれるものだと」

アンドロイドちゃん「内心感心しておりました」

アンドロイドちゃん「あなたは案外と、人を見る人間のようだ、と」

アンドロイドちゃん「……これも、また失礼な物言いですね」

アンドロイドちゃん「お許しください」

アンドロイドちゃん「どうも、あなたと話していると、言語中枢が少し油断をするようです」
16:2018/09/29(土) 20:17:19.417
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「最近のマスターは」

アンドロイドちゃん「面白がって、あなたの話を私にしてきます」

アンドロイドちゃん「あなたが学校でどうしたとか、あなたが好んでいることなど」

アンドロイドちゃん「……とても楽しんでいるようで、何よりです」

アンドロイドちゃん「私も、大変興味深く話を聞かせていただいておりまして」

アンドロイドちゃん「例えば、以前にあなたから頂いた四つ葉のクローバー」

アンドロイドちゃん「……あれを採取するために、とても苦労なさったようですね?」
17:2018/09/29(土) 20:18:08.184
アンドロイドちゃん「あの時はもう、それはもうあっさりと私に差し出されたものですから」

アンドロイドちゃん「まさか3日間かけて探し出したものだとはつゆも思わず」

アンドロイドちゃん「それを聞いてからは、ええ、一層大事にしております」

アンドロイドちゃん「ええ、ええ、そんなことも、マスターは私に話してしまっているのです」

アンドロイドちゃん「……っふふ」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……失礼」
18:2018/09/29(土) 20:19:15.865
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……あなたは、とても面白い方のようですね」

アンドロイドちゃん「それに、とてもお優しい人柄です」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「マスターと仲良くしていただいて、感謝しております」

アンドロイドちゃん「あの子も、明るくなって楽しそうです」
19:2018/09/29(土) 20:20:38.243
アンドロイドちゃん「ああ、○○様」

アンドロイドちゃん「お越しいただきありがとうございます」

アンドロイドちゃん「ですが、申し訳ございません。ただいまマスターは家を出ておりまして」

アンドロイドちゃん「折角来ていただいて恐縮ですが……」

アンドロイドちゃん「……?」

アンドロイドちゃん「私に、ご用ですか?」

アンドロイドちゃん「なんでしょう?」
20:2018/09/29(土) 20:21:43.113
アンドロイドちゃん「なるほど、マスターの誕生日祝いの品物を」

アンドロイドちゃん「……承知いたしました。誠心誠意、品選びをお手伝いさせていただきます」

アンドロイドちゃん「アピイルの良い機会です。マスターの心に残る特別な贈り物をしたいのでしょう?」

アンドロイドちゃん「お任せください……過去の記憶を検索……条件に最も適合する品物を検出中……」

アンドロイドちゃん「……そこまではいい? ああ、大変失礼いたしました」

アンドロイドちゃん「こういったものは、お気持ちが大事なのでしたね」

アンドロイドちゃん「重ね重ね承知いたしました。最大限適切なアドバイスを差し上げましょう」

アンドロイドちゃん「百人力とまではいきませんが。どうぞ、頼りになさってください」
21:2018/09/29(土) 20:22:40.927
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……考えてみれば」

アンドロイドちゃん「……今時はネットを介して多くの物を買うことができますが……」

アンドロイドちゃん「こうして直に触れ、細部を覗くことも重要なのでしょうか?」

アンドロイドちゃん「……そういうものですか」

アンドロイドちゃん「いえ、ここの品ぞろえも悪くはありませんし」

アンドロイドちゃん「そうやって熱心に選定することでお気持ちも籠るのでしょう」

アンドロイドちゃん「……」
22:2018/09/29(土) 20:24:56.369
アンドロイドちゃん「……グロテスク系の装飾品ですか。一般的な贈り物としては不適切ですが」

アンドロイドちゃん「マスターに関しては適切でしょう。さすがです」

アンドロイドちゃん「候補は三つ。なるほど。どれも○○様が熱心に選定したことはあります」

アンドロイドちゃん「ふむ……」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……? なんです?」

アンドロイドちゃん「……私の、好み、と言っていいのかわかりませんが、私はこういうグロテスク系のものは好みません」

アンドロイドちゃん「単に周囲への影響を考慮しただけですが」

アンドロイドちゃん「いえ、服は支給されたものを。マスターの側で不自然にならない程度のものが選定されます」

アンドロイドちゃん「……いえ、自分では。今の服装で十分であると判断しておりますから」

アンドロイドちゃん「……お戯れを。私は女性型ですが、そういった目的の元作られたのではありません」
23:2018/09/29(土) 20:27:08.642
アンドロイドちゃん「……美人、とは。私のこの造形についての単純な感想でしょうか?」

アンドロイドちゃん「……それともお気遣い、でしょうか? しかし、私の如きアンドロイドにはそうした……え?」

アンドロイドちゃん「……単純にあなたの、好みの話ですか」

アンドロイドちゃん「……えらく、直截的な言い方ですね、いえ、美醜の判定という意味であれば、私には、その方が分かりよいですし」

アンドロイドちゃん「それに、あなたから好意的にとらえられることはむしろ光栄なこ」

アンドロイドちゃん「女性として好き。女性として好き?」

アンドロイドちゃん「……そう、ですか?」

アンドロイドちゃん「……?」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……ああ、申し訳ございません。品物を選定している途中でしたね」

アンドロイドちゃん「……そうですね」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……全部」

アンドロイドちゃん「……全部購入すればいいかと」
24:2018/09/29(土) 20:29:03.960
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……今日は、お役に立てましたでしょうか」

アンドロイドちゃん「……恐縮です」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……それでは、私は、これで……」

アンドロイドちゃん「……何でしょう?」
25:2018/09/29(土) 20:31:18.216
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……どうして、近づいてくるのでしょうか」

アンドロイドちゃん「……○○様?」

アンドロイドちゃん「……あの」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……お」

アンドロイドちゃん「おやめ、ください。おやめ」
26:2018/09/29(土) 20:32:15.192
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……?」

アンドロイドちゃん「……これは」

アンドロイドちゃん「……ネックレス?」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「似合っている、と、言われ、ましても」

アンドロイドちゃん「……?」

アンドロイドちゃん「?」
28:2018/09/29(土) 20:34:37.166
アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……マスター? どうされました……ああ」

アンドロイドちゃん「……申し訳ございません。考えごとを。ああ、紅茶がこぼれて大変です」

アンドロイドちゃん「……拭かないと、早く拭きませんと」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……? どうも、しませんが」

アンドロイドちゃん「……なんです? その意味深長な微笑は」

アンドロイドちゃん「今日のデートの首尾? デートではございません。いえ、デートの本来の意味を考えるのであれば……」

アンドロイドちゃん「……」

アンドロイドちゃん「……マスター。どうしてそのことをご存じで?」 
29:2018/09/29(土) 20:37:35.195
アンドロイド「……このネックレスは、今日、○○様が」

アンドロイド「……私に、と」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……なんです」

アンドロイド「……」
30:2018/09/29(土) 20:38:29.483
アンドロイド「……マスター。マスターは○○様と頻繁に自室で交流をしておられるご様子ですが」

アンドロイド「……具体的には、どういったことをされているのでしょうか」

アンドロイド「TVゲーム、ボードゲーム……それは一般的な年頃の男女がすることなのでしょうか?」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……お話はされるのでしょう? それは、どういった……」

アンドロイド「……いえ」

アンドロイド「……私は、その」

アンドロイド「……○○様は、マスターにそういった好意を抱いているものと……え?」

アンドロイド「……私の話ばかり? どういった、ことを」

アンドロイド「……」
31:2018/09/29(土) 20:39:49.224
アンドロイド「……熱心にお尋ねになる? ○○様が?」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……な、ぜ?」

アンドロイド「……」

アンドロイド「四つ葉の、クローバー? ええ、萎れてしまわないよう、押し花として保管してあります」

アンドロイド「……マスターへの花束のついでに頂いたもので、え?」

アンドロイド「……花言葉?」

アンドロイド「……それは、幸運、復讐と……」

アンドロイド「……私を想って?」
32:2018/09/29(土) 20:41:40.173
アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……ああ」

アンドロイド「つまり、ヘッドハンティングという、あの」

アンドロイド「落ちつえております。お気遣いなく」
33:2018/09/29(土) 20:42:44.241
アンドロイド「どうする? どうするとは」

アンドロイド「私には、マスターのお世話が」

アンドロイド「嫌いなわけがありません、お優しく、マスターのご友人で」

アンドロイド「ですが、私は」

アンドロイド「……彼と同じ人間ではありません。アンドロイドです」

アンドロイド「……」

アンドロイド「はしたないことを言わないように」

アンドロイド「そのようなものは必要ありません」

アンドロイド「そもそも、これまでのはあなたの推測でしかありません」

アンドロイド「彼が私のことをだなどと……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……私を」

アンドロイド「……」
35:2018/09/29(土) 20:43:35.345
アンドロイド「……」

アンドロイド「……○○様」

アンドロイド「……本日はお越しいただきありがとうございます」

アンドロイド「……マスターの性格上、あまり賑やかにはできませんが」

アンドロイド「こうして親しい友人とだけ密やかに誕生日を祝えれば、十分に目出度いことです」

アンドロイド「そもそも去年以前は誕生日の存在を黙頃すらしていましたから」

アンドロイド「今年はあなただけとはいえ、誰かと誕生日を祝えて幸せなことだと思います」
36:2018/09/29(土) 20:44:48.539
アンドロイド「……これまでの誕生日では、私も心もち料理を豪勢にしたりなどはいたしましたが」

アンドロイド「マスターに面と向かって祝いなどしようものなら、なぜかへそを曲げてしまうものですから」

アンドロイド「……こうして公的にできるというのは、大変な進歩なのですよ」

アンドロイド「……これも○○様の影響だと思います。マスターに代わり御礼申し上げます」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……そうですね」

アンドロイド「私たちで、盛大に祝ってあげましょう」

アンドロイド「……」
37:2018/09/29(土) 20:45:43.048
アンドロイド「……やはり○○様は、お優し……? どうしました?」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……はい。このネックレスは、以前いただいたネックレスで」

アンドロイド「装飾品なのですから頂いたからには身につけないと失礼に当たるかと思いまして」

アンドロイド「機能性も悪くなくこれを身に着けていると気分屋のマスターの顔がニヤニヤと機嫌よくそれが腹立たしくも」

アンドロイド「はい」

アンドロイド「……」
38:2018/09/29(土) 20:53:05.219
アンドロイド「……○○様に頂いたものは」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「全部、大事にさせてもらっております」

アンドロイド「……粉飾品や小物の類は、大事に部屋へ飾っておりまして」

アンドロイド「……ああ、はい。お屋敷の一室を私一人で使わせていただいております」

アンドロイド「私の個室と言えるでしょうね」

アンドロイド「マスターの部屋程広くはありませんが、自由にさせてもらっております」

アンドロイド「……私の部屋を、見て、みたい? いえ……あの」

アンドロイド「その……」

アンドロイド「……つまらない部屋です。見る価値もありません」

アンドロイド「ああいえ、あなたから頂いた装飾品があるので、無価値とは言いたくありませんが」

アンドロイド「しかし私の居住空間というものは、何と言いますか、そう、つまり、はしたなく」

アンドロイド「ああ、いえ、あの」

アンドロイド「恥ずかしいという感情は、私には、ないはずですが、ええと、あれ」

アンドロイド「ですが、あなたに見られるのは、どうにも、その、あの」
39:2018/09/29(土) 20:54:24.058
アンドロイド「……」

アンドロイド「……謝罪など、止めてください。むしろこちらが、何やら醜態を晒してしまい」

アンドロイド「女の子の部屋、それは、あまり適切な表現ではありません」

アンドロイド「はっきりと不適切だと、言えます」

アンドロイド「ああ、着きました。マスターの部屋です」

アンドロイド「料理を、持ってきますので、しばし、マスターと、ご歓談ください」

アンドロイド「それでは、○○様。マスターのことを、よろしくお願いいたします」

アンドロイド「私はこれで、失礼します」

アンドロイド「ええと、マスターのことを、よろしくお願いいたします。○○様」

アンドロイド「失礼します、はい」
40:2018/09/29(土) 20:55:50.562
アンドロイド「……どうされました? 私は料理を」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……今日の終わりに」

アンドロイド「……大事な話、ですか」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……承知しました」

アンドロイド「承知しました……いえ、承知しました」

アンドロイド「……」

アンドロイド「承知しました」
41:2018/09/29(土) 20:57:08.399
アンドロイド「……」

アンドロイド「!?」

アンドロイド「……」

アンドロイド「!??」

アンドロイド「……!?」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……ああ!? お料理が!!」

アンドロイド「……危なかった。作り直しの必要性なし。突起物は確認されず。配送動作を再開」

アンドロイド「……とにかく、今はお料理を早くマスターたちへ届けないといけません」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……おっと。表情が瞬間的な誤動作を」

アンドロイド「……自己冷却機能始動……完了。動作を再開」
42:2018/09/29(土) 20:58:10.500
アンドロイド「……お料理をお持ちしました」

アンドロイド「遅くなってしまい、申し訳ございません」

アンドロイド「……では、はい」

アンドロイド「ハッピバアスデエの歌を」

アンドロイド「ろうそくはもう万端です」

アンドロイド「マスター。駄々をこねるのはおやめください」

アンドロイド「祝いとは儀式。儀式とは形式。形式とは表現」

アンドロイド「今宵はマスターの出生を祝う気持ちを存分に表現いたしましょう」
43:2018/09/29(土) 20:59:08.237
アンドロイド「……はい。ハッピバアスデエ、マスター」

アンドロイド「ハッピバアスデエ、マスター」

アンドロイド「ハッピバアスデエ、ディア、マスター……っく、ふふ」

アンドロイド「……笑ってなどいません。この通り常の真顔でございますが」

アンドロイド「おやめください、マスター。ご無体な。おやめください」

アンドロイド「ああ、ご無体な……」

アンドロイド「○○様も、笑っていないで、お助けください」

アンドロイド「ああ、これ以上は、あ、あ」
44:2018/09/29(土) 21:00:40.747
アンドロイド「……それでは宴もたけなわではありますが」

アンドロイド「後片付けをいたします。お二人はそのままご歓談頂いて結構です」

アンドロイド「マスター。○○様がお困りなので背中をはたくのはおよしください」

アンドロイド「……アルコールは摂取していないはずですが」

アンドロイド「……○○様、ご辛抱ください。それでは」
45:2018/09/29(土) 21:01:46.095
アンドロイド「……」

アンドロイド「……あれほど楽しんでいるマスターは見たことがありません」

アンドロイド「……○○様のおかげでしょうね」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……また、表情が」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……いえ、これは正常な動きでしょう」

アンドロイド「……」
46:2018/09/29(土) 21:03:15.178
アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……今日の終わりとは」

アンドロイド「いつのことでしょうか」

アンドロイド「0時の直前でしょうか? そのころには○○様はおかえりになられています」

アンドロイド「今日とはつまり今日の誕生日会の略であり」

アンドロイド「誕生日会の終わりに大事な話をするのでしょうか」
47:2018/09/29(土) 21:04:49.886
アンドロイド「しかし流れとしてはこのまま後片付けが終わり」

アンドロイド「マスターと私が玄関先で○○様をお見送るということになりそうですが」

アンドロイド「……いえ、私が家までお送りすれば万事がうまく」

アンドロイド「しかし、それはあまりに不自然では」

アンドロイド「いえ最近は物騒ですし、しかしお送りするまでもなく○○様なら心配ないでしょうし」

アンドロイド「マスターに面と向かって席を外してくださいと言うのもなんともはや」

アンドロイド「……いや、いや。そもそもいつの間にか二人だけでの大事な話という前提の元思考していますが」

アンドロイド「マスターと三人交えて今後の方針をということも考えられて」

アンドロイド「なんとも私が今考えていることは先走りの」

アンドロイド「……は」

アンドロイド「……いけません、通り過ぎていました」

アンドロイド「……戻らないと」
48:2018/09/29(土) 21:06:06.944
アンドロイド「……遅くなりました。申し訳ございません」

アンドロイド「……マスター。どうしたのですか、そのような大きな声を」

アンドロイド「……準備?」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……え? ○○様がお泊りに?」

アンドロイド「……勿論、客室など存分にお使いいただいて構わないませんが」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……お任せください。私が最大限○○様をおもてしいたしまし」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……マスターの意味深長な笑顔が気になります」
49:2018/09/29(土) 21:07:21.752
アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……! はい」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……どうぞ、お入りください」

アンドロイド「……○○様」
50:2018/09/29(土) 21:08:31.592
アンドロイド「……」

アンドロイド「……元は殺風景な部屋でしたが」

アンドロイド「○○様がお持ちいただいた品物のおかげで賑やかになりまして」

アンドロイド「勿論掃除は細部まで行き届いておりまして、常時清潔かつ綺麗な状態に保っておりますので」

アンドロイド「○○様の視線に耐えうる構造は持っているはずで何もかもの整理も念入りに」

アンドロイド「はい」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」
51:2018/09/29(土) 21:09:42.434
アンドロイド「……」

アンドロイド「……はい……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……私、の、ことが」

アンドロイド「……」
52:2018/09/29(土) 21:10:59.418
アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」
53:2018/09/29(土) 21:12:07.414
アンドロイド「……私、も」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……〇、〇様」

アンドロイド「……み」

アンドロイド「……見てもらいたい、ものがあります」

アンドロイド「……し、失礼、します」

アンドロイド「……」
54:2018/09/29(土) 21:13:54.172
アンドロイド「……み、見てください……」

アンドロイド「……服の上からは、分からなかった、でしょうが……」

アンドロイド「……この肘の部分の、関節機構が、丸出しで」

アンドロイド「……胴体、胸部の、フォルムは、女性的どころか、およそ、人間的で、ありません」

アンドロイド「……い、言いたいことが、うまく、言語化できません」

アンドロイド「……あの」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……受け入れて、くれますか?」
55:2018/09/29(土) 21:15:39.950
アンドロイド「……○○、様」

アンドロイド「……う、嬉しい、です」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……す」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……好き、です」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……○○様」

アンドロイド「……お側に、いさせてください」

アンドロイド「……」
56:2018/09/29(土) 21:16:51.082
アンドロイド「……おはようございます、○○様」

アンドロイド「朝食はどうされますか? こちらでお食べになりますか?」

アンドロイド「マスターは、いつも自室で食べております」

アンドロイド「食堂というのもありますが、一人ではあそこは広すぎるようです」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……承知しました」

アンドロイド「それでは、マスターもお呼びして、食堂で朝食をご用意いたしましょう」
57:2018/09/29(土) 21:17:54.168
アンドロイド「……」

アンドロイド「……○○様、あの」

アンドロイド「……手をお放しいただけますか?」

アンドロイド「このままでは朝食のご用意が……マスターもお腹を空かせております……」

アンドロイド「……その、では、どのように、いたしましたら、あ」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……では」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……もう少しだけ」

アンドロイド「……」

アンドロイド「……少し、だけ」
58:2018/09/29(土) 21:19:39.458
終わりです
規制うざい
ネギまで言えば茶々丸が一番好き
世界樹3では深王側に絶対つく