1:2018/04/11(水)21:37:37
※昔、ある漫画で見たお話を参考にした、ガヴドロSSになります。

~公園~

ヴィーネ「今日も良い天気ねぇ…」

ガヴリール「おっ、ヴィーネじゃないか。」

ヴィーネ「ガヴじゃないの!? どうしてここに?」

ガヴリール「別に…。サーバーメンテで暇になったから、ウェブマネーでも買いに行こうと思って家から出て、ウェブマネーを買いに行ったその帰りに寄っただけだよ…たまたまな」

ヴィーネ「そうだったの…。」

ガヴリール「ヴィーネはなんでここにいんの?」

ヴィーネ「散歩の途中よ。」

ガヴリール「ふぅ~ん…」


2:2018/04/11(水)21:41:49 QLi
キランッ

ガヴリール「んっ、なんだ? 何か光ってる?」スッ

ヴィーネ「えっ? 一体、なにかしら?」

100円玉『』

ガヴリール「100円玉だな。」

ヴィーネ「落とし物のようねぇ…。」
3:2018/04/12(木)01:35:11 6v1
ガヴリール「ラッキー、貰おうっと!」

ヴィーネ「あぁ、ダメよ、そんな事しちゃあ!?」

ガヴリール「なんだよ…別にいいだろ? それにたかが100円玉だ、どうせ落とした奴だってそこまで気にはしないだろ…。」

ヴィーネ「それでも拾った物はしっかりと交番に届ける! 人間の世界ではネコババしたら、犯罪なのよ?」

ガヴリール「はぁっ? 知るかぁ、そんなもん!! とにかく拾った以上、この100円玉はもう私の物だ!」

ヴィーネ「そんな自分勝手な事言って、アンタそれでも天使か!?」

ガヴリール「そういうヴィーネだって、善人面しやがって…本当に悪魔かよ? 悪魔らしくもねぇじゃねぇか!!」

ヴィーネ「うっ!!?」←<悪魔らしくもない>グサッ
4:2018/04/12(木)01:42:50 6v1
サターニャ「あらっ、ヴィネットにガヴリールじゃない!」

ヴィーネ「あっ、サターニャ……」ズーン

サターニャ「えっ、会って早々、何落ち込んでるのよ!?」

ガヴリール「悪魔らしくないって言ってやったら、こうなったんだよ!」

サターニャ「あぁ…そういう事ね。」

ヴィーネ「ガヴが拾った100円玉をネコババしようとしたのを、注意したのよ…。そしたら、悪魔らしくないって!!」

サターニャ「100円玉!? 奇遇ね、私も持ってるのよ、100円玉だけを!!」スッ

ガヴリール「なんだ? お前もネコババしたのか??」
5:2018/04/12(木)01:46:50 6v1
サターニャ「そうよ♪」ニヤリ

ヴィーネ「えぇー、何ですって!?」

サターニャ「悪魔的行為(デビルズアクション)よ。悪魔なら、当然じゃない!」

ガヴリール「へぇ~、どこぞの悪魔とは大違いだな?」

ヴィーネ「うっ?! で、でも、サターニャ…アンタ、本当にネコババしたの?」

サターニャ「もちろんよ。さっき、落ちてたのを拾ってやったの…このままネコババって時に探しに来た奴に見つかってね……」

ヴィーネ「えっ?」

ガヴリール「はぁっ?」
6:2018/04/12(木)01:55:46 6v1
サターニャ「でも、そいつ、私が拾って交番に届けようとしてくれたと勘違いして、私はおもいっきり感謝された。そして、お礼だと、拾った100円玉をまんまと貰った訳! ふっふっふ、どうかしら?」

ヴィーネ「要は拾ってくれた一割の謝礼って訳ね! それなら安心だわ」

ガヴリール「なぁーんだぁ…。てっきり珍しく悪い事したなって思って聞いてたけど、そういう事じゃないんだな!」

サターニャ「何よ!? 私は、人間を騙して100円玉を盗ったのよ!! 十分ネコババに近い悪い事じゃないの!!?」

ヴィーネ「でも、話を聞けば相手を騙しているのは確かだから悪い事かもしれないけど、結果的に相手はサターニャに感謝して100円玉を渡した訳だから、悪い事には入らないわよ。」

サターニャ「何ですってええぇぇーーーー!!?」
7:2018/04/12(木)01:59:30 6v1
ラフィエル「ぷっくくく、サターニャさんは変わらず、面白いですから飽きませんねぇ♪」ヒョコ

サターニャ「わああぁぁーーー!? アンタ、いつの間に!?」ビクッ

ラフィエル「サターニャさん、居る所に私有り……ですよ!」ニコリ

サターニャ「ストーカーか、アンタは!!?」

ヴィーネ「ラフィも相変わらずね。また、いきなりの登場で」

ラフィエル「あっ、ヴィーネさん、こんにちは。それと…」チラッ

ガヴリール「よっ!」

ラフィエル「ガヴちゃんも」ニコリ
8:2018/04/12(木)02:07:41 6v1
ラフィエル「そういえば、先ほどからなぜ、100円玉のお話を?」

ヴィーネ「あぁ。原因はガヴが100円玉を拾ってネコババしようとした事から始まったのよ」

ガヴリール「悪いかよ…」

サターニャ「ふっふっふ、ガヴリール…アンタ、ネコババするなんて中々やるじゃないの!」ニヤニヤ

ラフィエル「今のガヴちゃんらしいですね」ニコニコ

ヴィーネ「サターニャとラフィ、そこは感心しないの!!?」

ラフィエル「100円玉と言えば……実は私も!」スッ

サターニャ「マジで、ラフィエルも100円玉だけ持ってるの!?」

ラフィエル「はい?」ニコリ

ヴィーネ「えぇと、聞くけど、一体なんでかしら?」
9:2018/04/12(木)08:26:25 6v1
ラフィエル「持っていれば必ず良い事があると、テレビで言っていましたので」

ヴィーネ「それって占い?」

ラフィエル「はい」

ガヴリール「あぁ、そういやあ、ラフィエルって最近、占いにハマってたんだよねなぁ…」

ラフィエル「ええ♪ おかげさまでサターニャさんの悪い事が親切と間違えられたという面白い話を聞く事が出来ましたし」クスクス

サターニャ「ちょっとぉ!? 姿を現す前に聞いてたの!!?」

ラフィエル「はい。もちろん、サターニャさんも大きな声で話していたんじゃありませんか♪」ニコリ

サターニャ「そ、そういえば、そうねぇ……」
10:2018/04/12(木)08:35:25 6v1
ヴィーネ「そこは納得するのね、サターニャ。」

ガヴリール「さぁて、この100円玉、どう使おうかな~?」

ヴィーネ「ダメよ! 早く交番に届けないと。それに何回も言うけど、ネコババは立派な犯罪なのよ、だから……」ペラペラ

ガヴリール「チッ、まだ言うかよ…」

ラフィエル「あっ、すみません。話を遮りますけど、知っていますか?」

ガヴリール「あぁん、なにがだよ?」クルッ

ラフィエル「今日だけの限定ですけど、ケーキが一個100円で販売されるらしいですよ」

サターニャ「えぇーっ、たったの100円で!?」

ガヴリール「マジかよっ!?」

ヴィーネ「…だから、早く交番n……って、ガヴーー、話聞いてるの?!」
11:2018/04/12(木)08:39:19 6v1
ガヴリール「よっしゃあ、その100円のケーキとやらを、買いに行くか!!」

ラフィエル「あっ、でも、場所は隣町ですよ?」

ガヴリール「走って行くからいいよ」

サターニャ「あれ? そこは天使が使える瞬間移動ってヤツを使わないのかしら?」

ガヴリール「またパンツやスカートだけ、移動したって事になったら嫌だからな!」

ラフィエル「やってみて下さいよ? また失敗するとこを、見てみたいですし?」ニコリ

ガヴリール「ふざけんな! 絶対にやらねぇよ!!」
12:2018/04/12(木)11:58:05 6v1
ヴィーネ「ちょっとガヴ、まさかその100円玉、ケーキ代に使おうとしてるんじゃないでしょうね?」

ガヴリール「そうだけど、悪いか?」

ヴィーネ「当たり前じゃないの!? さっきから言ってるじゃない!! 落し物はしっかりと交番n」

サターニャ「ちょっとヴィネット、誰に話してるのよ?」

ヴィーネ「えっ……って、あれ、ガヴはっ!!?」キョロキョロ

ラフィエル「ガヴちゃんなら、もう行ってしまいましたよ? ほら、微かですが、向こうの隣町まで通じてる山に、ガヴちゃんの走る姿が…」チョイ

ガヴリール「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!!!! ケーーーーーキイイイイイイィィィィィィィィーーーーーーー!!!!」ズダダダダダダダダダダダ

ドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカンッ

ヴィーネ「速っ!? ってか、あまりの速さだから山の木々を壊しながら行ってるわ!!?」

サターニャ「ガヴリールの奴、私以上の速さで走るわね…。」

ラフィエル「あの速さは、新幹線以上ですね…私なりに計測した所。」
13:2018/04/12(木)17:51:06 6v1
ヴィーネ「って、大変早く追いかけないと!! ガヴに100円玉を使わせる訳にはいかないわ!?」

ラフィエル「ヴィーネさんは、変わらず真面目ですねぇ…。」

サターニャ「だから、悪魔らしくないって言われるのよ?」

ヴィーネ「うっ!? アンタもガヴと同じ事言うわね……でも、とにかく私は、ガヴを捕まえに行ってくるかr」

?「ぐすっ……びええーーん!!!」ポロポロ

ヴィーネラフィサタ「「「っ!!?」」」ビクッ
14:2018/04/12(木)17:59:30 6v1
少女「うええぇぇーーん!!」ポロポロ

ヴィーネ「えっ、なに?」

ラフィエル「あの子が泣いているようですねぇ。」

サターニャ「なによ…びっくりしたじゃない!」

少女「ふえええーーーん!!」ポロポロ

ヴィーネ「見てられないわ……。」スタスタ

サターニャ「あっ、ヴィネット?!」

ヴィーネ「ねぇ、どうしたの?」

少女「うぅ……100円……」

ヴィーネ「えっ?」

少女「100円……この辺りで落としたはずなのに……グスッ……。見つからなくて………」ポロポロ

少女「ふええぇぇーーーーーん!!!」ポロポロ
15:2018/04/12(木)18:09:19 6v1
ラフィエル「あぁ…、大丈夫ですか? よしよし…」ナデナデ

少女「ひっく……」ポロポロ

サターニャ「この辺りで落としたはずの100円玉が無くて、泣いていたのね」

ヴィーネ「100円玉…………あぁっ!!?」ガタッ

サターニャ「うわぁっ、いきなり大声出してどうしたのよ、ヴィネット?!」ビクッ

ヴィーネ「この辺りに落としたはずの100円玉って、まさか………」

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「あっ、もしかしてガヴちゃんがさっき拾った100円玉の事じゃないでしょうか?」

ヴィーネ「うん。それよ、間違いないわ!」

サターニャ「えっ、じゃあ、ガヴリールはこの人間の子が落としたヤツを、拾ったって事なの?」

ヴィーネ「えぇ。この子が言ってる事とガヴがこの公園で見つけた100円玉の事が一致してるしね!」
16:2018/04/12(木)18:28:13 6v1
少女「ぐすっ…あのね、落とした…100円は、遠くに…お引越し…する事に…なった……お友達にあげる…プレゼントを…買う為のお金…なの……」ポロポロ

ヴィーネラフィサタ「「「っ!?」」」

少女「どうしても…お友達に…プレゼント……したい物があって……だから…お母さんのお手伝い…一生懸命…して、100円を…貰ったの……。けど、この公園…を……通った…時…落としちゃって………グスッ……」ポロポロ

ヴィーネ「そうだったの。それで後で気が付いて探しに来たけど、見つからなかったのね……(ガヴが拾った後だったから…)」

ラフィエル「うぅ……。お引越しされるお友達のプレゼントの為に一生懸命頑張るとは……泣かせるお話ですねぇ……」ホロリ

サターニャ「人間の思いなんて悪魔の私には分からないけど…。まぁ、お別れだから最後に何かをしたいって考えだけはなんとなく同意したくはなるわね」

少女「うぅぅっ……だから、あの100円が無いと……プレゼント…が……プレゼント……が………びええぇぇーーーん!!!」ポロポロ

ヴィーネ「あぁ、泣かないでね! ほら、よしよし」ナデナデ
17:2018/04/12(木)18:37:51 6v1
ラフィエル「そういう事情であれば、私の、お姉さんの100円を差し上げますよ。ぜひご友人の為に使ってあげてください!」スッ

サターニャ「ふん。まぁ、元々不要な物だし、私のもあげるわ! 感謝しなさい!!」スッ

ヴィーネ「っ!?………ダメよ!!!」バッ

ラフィサタ「「えっ!?」」

ヴィーネ「ラフィやサターニャが持ってる100円玉じゃダメ!! この子が……引っ越すお友達にあげるプレゼントの為に一生懸命お手伝いを頑張って貰った、あの(ガヴが拾ってしまった)100円玉じゃなきゃ意味ないじゃないの!!!」

少女「うぅ………グスッ…」ポロポロ

サターニャ「あっ………」

ラフィエル「た、確かに!? 言われてみれば……そうですよ…ねぇ」ガクッ
18:2018/04/12(木)20:45:13 6v1
ヴィーネ「……方法は一つ、ガヴが100円玉を使う前にここに連れ戻す、しかないわね」

ラフィエル「それしかないですよね!」

サターニャ「でも、連れ戻すって言っても、結局ガヴリールに事情を説明してここに戻る気とこの人間の子に100円玉を返す気にさせなきゃダメじゃないの……。となると、肝心のあいつはどんな反応を見せながら言い返すか、大体の想像はつくわよねぇ~?」

ヴィネラフィ「「あっ!?」」ホワワーーン

(想像の)ガヴリール『はぁっ? プレゼント用のお金だぁ? 知るか!! 言ったろ、拾ったのは私なんだから、もうこの100円玉は私の物なんだよ……分かったか?』

ヴィネラフィ「「確かに言いそうね(確かに言いそうですね)」」モクモク

サターニャ「でしょ? だから、難しいっt」

ヴィーネ「でも……」チラッ

少女「うっ…うぅ……」ポロポロ

ヴィーネ「私たちよりも小さくて、年も下のこの子が友達のプレゼントの為にって一生懸命頑張ったのよ…。それなのに、年上の私たちが、何も出来ないなんて事、そんな弱音……吐く訳にはいかないじゃない!!!」

サターニャ「うっ、確かに正論かもしれないけd」

ラフィエル「そうです。ヴィーネさんの言う通りです。年下の子が困って泣いている時、問題があるからと言ってその子よりも年上の私たちが、その子を見捨てようとするのは…私も嫌です!」

サターニャ「じゃ、じゃあ、どうするつもりよ? ほんとにダメ元でガヴリールを説得して連れ戻すってことなのかしら?」

ヴィーネ「当たり前よ! 年上は年下の小さい子を助けないと…その為だったらダメ元でもやるしかないのよ」」

ラフィエル「もちろん、私もヴィーネさんの意見に同意します」
19:2018/04/13(金)00:20:12 01Z
サターニャ「まったく揃いも揃って、あの意地っ張りなガヴリールを説得しようだ、なんて…」

ラフィエル「あら~、サターニャさん、自信がないのですか? 大悪魔なのに?」ニヤニヤ

サターニャ「な、なんですってぇ~!!?」

ラフィエル「別にいいですよ。私はヴィーネさんに協力しますけど、サターニャさんはさっさと帰ったらいかがですか……逃げ腰の大悪魔として?」ニヤリ

サターニャ「きぃぃーー、言ったわねぇ!! 大悪魔は逃げ腰じゃないって事、見せてあげるわよ!!」

ラフィエル「では、ヴィーネさんに協力なさると?」

サターニャ「えぇ…いいわ。大悪魔として協力してあげる!!」
20:2018/04/13(金)00:30:48 01Z
ラフィエル「では、改めてガヴちゃんを連れ戻すという意見が固まった、という事で、隣町で行きましょうか!」

サターニャ「どうするの? 私は足が速いから普通に走って行くか、それともラフィエルの神足通を頼って行くか?」

ヴィーネ「手っ取り早く、ラフィの神足通で行こうかしら。私とサターニャがラフィに捕まれば一緒に行けるはずだしね」

ラフィエル「残念ですが、私は昨日の夜、千里眼を使い過ぎましてちょうど天使力が切れてて補給中ですので、神足通は使えません…」

ヴィーネ「ええぇぇーー!?」

サターニャ「天使力をたくさん消耗する程、千里眼で何を見ていたのよ?!」

ラフィエル「…………」チラッ

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「♪」ニコッ

サターニャ「えっ、なに…ま、まさか…私の部屋を長時間覗き見たって事じゃないでしょうね、原因は?!」

ヴィーネ「はぁーー。しょうがない、全力で走って行くしかないって訳ね」
21:2018/04/13(金)00:40:13 01Z
ラフィエル「いえ、代わりに天界から空を飛ぶ乗り物をご用意しました。前もってテレパシーで天界と連絡を取っておいたので、そろそろ来る頃ですが…」

シュン

ヘリコプター『』パラパラパラッ

サターニャ「えっ、なに、急にどこかで見た事があるような回る羽の付いた乗り物が現れたけど!?」

ラフィエル「下界に存在するヘリコプターという空飛ぶ乗り物を参考に、天界で独自に白羽家で作らせたものです。実は、下界に来てヘリコプターに興味を持ちまして…写真を天界に送って作るように言っておいた物ですが、まさか役に立つ時が来るとは思いませんでした」ニコリ

ヴィーネ「えぇーーっ、ラフィの家、こんな物を作って用意するなんて凄すぎだわ!?」

ラフィエル「ちなみに運転手は白羽家の執事、マルティエルです」

マルティエル「初めまして、いつもお嬢様がお世話になっております」ペコリ

ヴィーネ「えっ、あ、あぁ!? こちらこそ、どうも!」ペコッ
22:2018/04/13(金)00:48:31 01Z
ヴィーネ「では、行きましょうか…」

ラフィエル「あっ、ちょっと待って下さい!」

サターニャ「何よ、一体?」

ラフィエル「あの子をここに一人で置いておくのは酷だと思いませんか?」

少女「?」

ヴィーネ「あっ、そういえば、そうね。私とした事がうっかり!?」

サターニャ「じゃあ、誰か一人残ればいいじゃない?」

ラフィエル「私は行きますよ。下界に来ないマルティエルに色々と教えなければならないので…」

ヴィーネ「じゃあ、私とラフィで行くわ。サターニャ、この子の事、お願いね?」

サターニャ「ええぇぇーー、大悪魔が人間の子の子守りですってぇーー!!?」

ヴィーネ「何よ、文句あるの?」

サターニャ「あるわよ! 大悪魔が人間の面倒なんか見ないのよ!! だから、私はラフィエルと一緒に行く事にするわ」
23:2018/04/13(金)00:56:01 01Z
ヴィーネ「まったくもう、しょうがないわね」

サターニャ「じゃあ、ガヴリールを連れ戻すまで、人間の子の面倒はヴィネット、アンタがお願いね!」

ヴィーネ「分かったわよ。どうせ、アンタの事だから、本当は小さな子とどう接すればいいか分からないって事でしょ?」

サターニャ「ち、違うわよ!?///」

ヴィーネ「はいはい。じゃあ、ラフィとサターニャ、ガヴの事、頼んだわよ!」

ラフィエル「行ってきまーーす!」

サターニャ「空なんて飛ばないから、高いとこは初めてよ!」

マルティエル「では、離陸いたします。お嬢様、そしてご友人様、お気を付けてくださいませ!」

パラパラパラ・・・・・ブウーーーン



ヴィーネ「行ったわね。本当に頼んだわよ…ラフィ、サターニャ。」
24:2018/04/13(金)01:05:24 01Z
~隣町~

ヘリコプター『』パラパラパラッ

マルティエル「お嬢様、下界での詳しき場所をお教え頂きありがとうございます。つきましては次は私に対してのご指導をよろしk」

ラフィエル「余計な事は仰らなくてよろしいですよ! それより、確かケーキ販売をしている場所はこの辺りのはずですが…」キョロキョロ

サターニャ「あっ、あったわ!! あれじゃないかしら?」ヒョイ

ケーキ屋『』ワイワイガヤガヤ

ラフィエル「あれですね、間違いありません! マルティエル、あのケーキ屋さんの近くにヘリコプターを着陸させて下さい!」

マルティエル「そ、それがですね…お嬢様……」

ラフィエル「どうしましたか? 何か困り事でも?」
25:2018/04/13(金)01:10:58 01Z
マルティエル「どうも近くにヘリコプターを着陸できる場所が見当たらないようでして…」

ラフィエル「えぇっ!?」

マルティエル「申し訳ありません!」

サターニャ「しょうがないわ。ラフィエル、ここはアンタが飛んで降りなさいよ? 天使だし、羽を生やして飛べるでしょ?」

ラフィエル「サターニャさん、天使は天使力が十分でないと飛ぶことができないのです。さっき程も仰ったように私は天使力を補充中ですので、今羽を生やして降りたら、力が満たずに真っ逆さまに落ちてしまいますよ。」

サターニャ「なによ、それぇっ!? ったく、余計な事に天使力を使って効果を発揮する癖して、肝心な所だと役に立たないわねぇ!!」
26:2018/04/13(金)01:15:12 01Z
サターニャ「あっ、ガヴリールだわ!?」チラッ

ガヴリール「………」ワイワイガヤガヤ

ラフィエル「ほんとですねぇ。このままですと、後2、3人買い終えたら、ガヴちゃんの番になり、ケーキを買う事になってしまいますね」

サターニャ「どうするのよ?! 肝心のアンタが役に立たないとなると、どうやって降りようか!!?」アタフタ

ラフィエル「………」ニヤリ
27:2018/04/13(金)01:22:46 01Z
ラフィエル「では、サターニャさん、お願いします♪」ニコリ

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「ですから、サターニャさんがここから飛び降りて行くって事ですよ」ニコニコ

サターニャ「はぁっ、アンタ、何言ってるのよ!?」

ラフィエル「何って私は本気ですよ?」

サターニャ「ここからいきなり、飛び降りて下に行けだ、なんていくら何でも無茶ぶりし過ぎよ!!」

ラフィエル「大丈夫ですよ、サターニャさんでしたら」グイグイッ

サターニャ「って、何、いきなり外に押し出そうとしてるのよ!?」

ラフィエル「では、飛び降りて行ってくださーーーい?」ドンッ

サターニャ「……………えっ?」スカッ

サターニャ「えええぇぇぇーーーーっ!?」

ヒュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!



サターニャ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁーーーーー!!!???」
28:2018/04/13(金)01:33:01 01Z
ドオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

モクモク

ラフィエル「あらあら、見事に真っ逆さまに落ちましたねぇ~♪」ニコッ

ラフィエル「さて、サターニャさんは一体、どうなったのでしょうか?」ワクワクドキドキ




サターニャ「げほげほ!! このぉ…………」プルプル

サターニャ「ラフィエルゥゥーーーーーーーーーーーーッ、アンタいきなり何てことすんのよぉーーっ!!?」

ラフィエル「あらぁ、もう少しボロボロに果てるかと思いましたが、意外に丈夫なせいか、ほぼ無傷なのですねぇ…」

サターニャ「果てるって……アンタは鬼畜か!!!」

ラフィエル「ですが、流石はサターニャさんと褒めてあげたいくらいですよ。この高さから落ちても何ともなかったようで」

サターニャ「当たり前よ!? 私は大悪魔なんだから、下等な人間共と違って体はかなり丈夫で、最もタフなんだからあぁーーっ!!!」
29:2018/04/13(金)16:07:48 01Z
ラフィエル「それより、早くガヴちゃんの元へ行ってくださーーい!!」

サターニャ「ちょっとぉ、話し変えんじゃないわよ!?」

ラフィエル「とにかく、今は行ってください! 猶予がありませんよ」

サターニャ「くっ…後で覚えておきなさいよ」スタスタッ
30:2018/04/13(金)16:12:56 01Z
オイ、イマノオンナノコ、トビオリナカッタカ?!
ナンデ、イキテンダ!?
サ、サァ?

サターニャ「おーーい、ガヴリール!!」

ガヴリール「チッ。今の騒ぎはやっぱお前とラフィエルだったか…」

サターニャ「アンタ、その100円使っちゃあ、まずいわよ!!」

ガヴリール「はぁっ、なんだ藪から棒に?」

サターニャ「実は………」カクカクシカジカ

ガヴリール「へぇーー、成る程なぁ……私が拾ったこの100円玉にはそんな事情があった訳か…」

サターニャ「だから、今すぐ戻って人間の子に返した方がいいんじゃないのかしら?」
31:2018/04/13(金)18:41:59 01Z
ガヴリール「断る!」

サターニャ「やっぱ、そう返すのね…」

ガヴリール「ったりめぇだ!! この100円玉は私のものだ!拾った時点で、持ち主は私って決まったんだよ!」

サターニャ「ちょいと勝手すぎるんじゃないかしら?」

ガヴリール「勝手すぎるって、悪い事する悪魔に咎められたくないな!!」

サターニャ「うっ……確かにそうかもしれないけど…。」

ガヴリール「大体、いつも人間を下等生物って見下してるお前が、どうして人間の為に親切な事してるんだよ?」

サターニャ「う、うるさいわね!? 流石に人間の子にうるさく泣かれるとこっちも迷惑だし、小さい奴をいじるのもアレだから仕方なくよ。それにラフィエルが、取り返すのに協力しないのは逃げ腰の大悪魔なんて馬鹿にするからよ!!」

ガヴリール(なぁんだ…。ラフィエルにのせられた、だけか!)
32:2018/04/13(金)18:51:14 01Z
サターニャ「とにかくここまで来た以上は、しっかりとやる事を果たさないとダメなのよ! さぁ、100円玉ごとアンタを連れ帰るから覚悟なさい!」

ガヴリール「へっ、いいよ、上等だ!! 覚悟しろ!!!」

店員「ちょっとお客様!?」

ガヴサタ「「なんだよ(なによ)?」」

店員「ここでの乱闘はご勘弁下さい。それに他のお客様へのご迷惑にもなりますので」

サターニャ「指図すんじゃないわよ! こっちは、こいつ(の100円玉)を連れ帰す事でいっぱんなんだから!」

ガヴリール「嫌だね!! それにこの100円玉は私の物だ!!」

サターニャ「まだ言ってんの!? そもそもアンタの物じゃなくて、人間の子の物じゃない!」

ガヴリール「人間の物は私の物……私の物も私の物だ……分かったか?」

サターニャ「分からないわよ!? それに…なに、某漫画のガキ大将みたいな言い方してんのよ!!?」
33:2018/04/13(金)20:42:15 01Z
ガヴリール「とにかく、私はこの100円玉は返さないぞ!」

サターニャ「それだったら……」ヒュン

パッ

ガヴリール「あぁっ!?」

サターニャ「ヴィネットは説得してガヴリールを連れ戻せって言ってたけど、私は最初から無理だって分かってたのよ。だけど、ここに来た以上は、ガヴリール、アンタから100円玉を奪うしかないわ!」

ガヴリール「返せぇーーー、このクソ悪魔!!!」ダッ

サターニャ「フン、捕まえられるもんなら、捕まえてみなさい!」ダッ
34:2018/04/13(金)20:52:28 01Z
ガヴリール「この野郎、待てええぇーーー!!」ダッダッダ

サターニャ「待てと言われて、待つ奴なんていないでしょ!!」ダッダッダ

ヤイノヤイノ

店員「行っちゃった…。一体、なんなんだ、あの子たちは?」
35:2018/04/13(金)20:58:44 01Z
ガヴリール「返せよーーー!!」ダアァーー

サターニャ「スピードが上がったわね…。けど、舐めないでくれる?」ヒョイ

ガヴリール「チッ。このぉ!!」バッ

サターニャ「甘い!!」ヒョイ

ガヴリール「おとなしく捕まれ!」バッ

サターニャ「嫌よ。捕まる訳にはいかないわ。」ヒョイ

ガヴリール「いい加減にしろ!」バッ

サターニャ「アンタ、こそぉ!!」ヒョイ
36:2018/04/13(金)21:03:34 01Z
ガヴリール「はぁはぁ…」

サターニャ「どうしたの、ガヴリール? 最初に走って行った時の勢いが無いじゃないの?」ニヤニヤ

ガヴリール「くっそぉ…あの時はケーキの事で頭がいっぱいだったから無我夢中で走れたが、今となっては動きが鈍ってきたからなぁ…」

サターニャ「じゃあ、もういいわね。100円玉は強引だけど、持っていくわよ」

ガヴリール「くっ……この野郎!!」ビュン

ヒュウウウウウウウゥゥゥッーーーーーーーーーー

サターニャ「天使の矢ね…。だけど」ヒョイ

サターニャ「一直線にしか飛ばないのなら、避けるのは簡単よ。」

ガヴリール「ふっ、バカめ」ニヤリ
37:2018/04/13(金)21:10:20 01Z
クルッ、ヒュウウゥゥゥーーーーー

サターニャ「なぁっ、向きを変えて飛んできたですって!?」

ガヴリール「ただの天使の矢じゃない…一度狙った奴を当てるまで追い続ける「追尾型」だ!」

サターニャ「くっ…」ヒョイ

クルッ、ヒュウウウゥゥゥーーー

サターニャ「チィッ!?」ヒョイ

クルッ、ヒュウウゥゥゥーーーーー

サターニャ「しつこいわね!!」ヒョイ

ガヴリール「どうだ? これなら逃げられないだろ。疲れるだけ疲れて、矢に当たりやがれってんだ!!!」ニヤニヤ
38:2018/04/13(金)21:16:16 01Z
サターニャ「くぅぅ…そっちがその気なら……」

サターニャ「ハァッ!!!」ダッダッダッダッダッダ

ガヴリール「なんだ? いきなり走り出しやがって?」

サターニャ「見なさい!! 足が速いと、これが可能になるのよ」

シュバシュバシュバシュバシュバシュバ

ガヴリール「なぁっ!? サターニャが増えただとっ!!?」

サターニャ「ふっふっふ。見えない速さで走ると分身しているかのように見える…これだったら、矢はどれが本物の私を分からなくなり、追尾できなくなるでしょ?」

矢『』キョロキョロ

ガヴリール「おい、迷うなよ!? そこは、天使の矢だったら、本物のサターニャくらい簡単に見分けろよ!!」
39:2018/04/13(金)21:20:17 01Z
サターニャ「ついでに…ほらっ!!」ピタッ

矢『!』

ガヴリール「おい、私の前に現れるなよ、急に!?」

サターニャ「来たわね……はいっ!」シュン

ヒュウウウウウゥゥゥーーーーーーー

ガヴリール「えっ?」

グサッ

ガヴリール「いっ……てええぇぇーーーっ!!?」ジタバタ
40:2018/04/13(金)21:38:04 01Z
サターニャ「はい。一丁あがりよ!」

ガヴリール「ぐわあぁぁーー、矢が、おでこに刺さって………」プルプル

ガヴリール「お前ーー、速く走って矢を混乱させただけでなく、私の前に現れ、わざと矢を反応させて再び矢を動かせた後、矢が当たるギリギリのところで避け、私に当てたんだな!!」

サターニャ「そうよ。天使が飛ばした矢は、天使自身に刺さっても痛く感じる。これは、アンタの姉が、アンタに矢を返して当てたのを見たから、知ってるのよ」

ガヴリール「くっそぅ……。よりによってサターニャなんかにしてやられるなんて……いててっ」
41:2018/04/13(金)21:59:09 01Z
サターニャ「……………」

サターニャ「ねぇ、ガヴリール?」

ガヴリール「……なんだよ?」

サターニャ「アンタは拾った100円玉を、拾ったのは自分だからと言って自分の物にしようとしたわね?」

ガヴリール「あぁ!」

サターニャ「けど、たまには、うぅん…一度だけそんな考えは無くしたらどうかしら?」

ガヴリール「…どういうことだよ?」

サターニャ「たまには自分がいつもしないような変わった事をしてみようかなって考えて行動しろって事よ。ほら、アンタが前に風邪で休んだヴィネットの為にお見舞いに行った時と同じような行動をさぁ…?」

ガヴリール「…どうでもいいが、なんでそんな事知ってんだよ?」

サターニャ「ヴィネットから直接聞いたからよ」

ガヴリール「……そっか。」
42:2018/04/13(金)23:23:55 01Z
ガヴリール「…………100円玉を渡してくれ」

サターニャ「えっ?」

ガヴリール「100円玉を渡せって言ってるんだよ!」

サターニャ「何よ!? まだ自分の物にする気っ!!?」

ガヴリール「ちげぇよ!! 返してやるんだよ」

サターニャ「へっ?」

ガヴリール「二回も言わせる気かぁ!? だからーー、私が拾った100円玉を、落としたそいつに直接返して来てやるって事だよ!!」

サターニャ「ええぇぇーー、ほんと!? さっきまであんなに意地っ張りだったアンタが、急に!?」
43:2018/04/13(金)23:33:55 01Z
ガヴリール「いいから、さっさと渡せ! 私の気が変わらないうちに!!」

サターニャ「で、でも…アンタ、嘘つきそうで怖いわ……」

ガヴリール「チッ。んじゃあ、これを担保としてお前に預けてやるよ!」ポイッ

サターニャ「おっと!? えっ、これって…」パッ

『ウェブマネーのカード』バアァァーーン

サターニャ「これ、ガヴリールがいつもネトゲで使ってる、物じゃない?!」

ガヴリール「課金用のウェブマネーな! いいか? 担保として預けておく……私がもし裏切ったならそれはお前が処分しろ。だけど、しっかりと100円玉を返せたら、しっかりと私の手元にそいつを返せ!!」

サターニャ「ガヴリール………。分かったわ!! 大事なもんを賭けるアンタの姿……それで信用するわ。はい!」スッ

ガヴリール「フン。」グッ←100円玉を握る。
44:2018/04/14(土)00:02:23 EC9
サターニャ「それじゃあ、行きましょう!」

ガヴリール「あぁ……。」

……………………………………………………

サターニャ「そういえば、ガヴリール?」ダッダッダ

ガヴリール「なんだよ?」ダッダッダ

サターニャ「一応聞くけど、アンタ、ケーキはどうすんのよ?」ダッダッダ

ガヴリール「諦めたよ。お前に邪魔されたおかげで買えなかったし、もし引き返して買いに行ったとしてもどうせ売り切れだろうしな!」ダッダッダ

サターニャ「そう…。邪魔したのは仕方ない事だけど、ひとまず謝るわ」ダッダッダ

ガヴリール「いいよ、別に…。」ダッダッダ

サターニャ「………じゃあ、今の件が片付いたら、特別にケーキをご馳走してあげるわ」ダッダッダ

ガヴリール「なにぃっ、ほんとかっ!!?」ダッダッダ

サターニャ「えぇ。こう見えても実家は洋菓子店だから、ケーキぐらい作れるしね」ダッダッダ

ガヴリール「なぁーんだ、お前の手作りか…。てっきりお前が金を出して買ってくれるかと思ったのに」ダッダッダ

サターニャ「何言ってんのよ!? 私そんなに無いし、手作りで我慢しなさいよ」ダッダッダ

ガヴリール「わーったよ!! まぁ……一応、楽しみにしといてやる…よ///」ダッダッダ

サターニャ(あっ、今ちょっとデレたわね…♪)フフッ
45:2018/04/14(土)00:07:58 EC9
サターニャ「そういえば、なんか暗くなり始めてきたわね!!」

ガヴリール「そりゃあ、もう夕方で、じきに夜になるしな」

サターニャ「このまま走って間に合うかしら? 私の身体能力でもヴィネットのいる場所まで走って行くのは、少々時間が掛かるしね」

ガヴリール「そういやあ、ラフィエルはどうした? 一緒だったはずだろ?」

サターニャ「姿を見ないという事は先に戻ったようね…。きっと、後は自力で帰って来いって事なのかしら……まったく乗せていけばいいものの、嫌になるわね」

ガヴリール「そうかよ!! んじゃあ、急いで戻るとするか!!!」ズダダダダダダダッ

サターニャ「って、速くになってない!!?」

ガヴリール「お前も早く来い! 置いてくぞ?」
46:2018/04/14(土)00:12:34 EC9
サターニャ「そうねぇ…じゃあ、本気で!!」ズダダダダダダダッ

ガヴリール「おっ、速いじゃねぇか! じゃあ、私も…」ズダダダダダダダダダダダダダダッ

サターニャ「ってぇーー、私以上に速くなってない、走るスピードが!?」

ガヴリール「悪い。やっぱ、先に行くわ。」ズダダダダダダダダダダダダダダッ

サターニャ「……行っちゃったわ。でも、流石はライバルね…予想以上の速さを発揮するとは! あいつも本当に本気でやれば、何でも出来たのかもしれないのに…」
47:2018/04/14(土)00:23:41 EC9
店員「おい、そこで何をやっているんだ?」

サターニャ「あれ、アンタは確か?」

店員「おや、君は…さっき店で他の子と言い争うをしてた子じゃないか?」

サターニャ「そうよ。なに? 文句でもあるの?」

店員「い、いや違うよ。さっき仕事が終わったからその帰りだが、君が向かおうとしているこの道って、あそこの山に続いてるけど、もしかして通ろうとしているんじゃないよね?」

サターニャ「もちろんよ。私は隣町に住んでるから、帰るにはその山道を通らないとならないのよ」

店員「なんだとっ!? 君、それは止めた方がいい!! 帰るなら遠回りだけど、他の道を教えるから!」

サターニャ「な、なによ!? なんでよ?!」

店員「実はあの山…昼間はいいけど、夜は凶暴な山の動物たちが活発的に動き回るんだ! だから、夜は絶対に山道は通っちゃダメだし、山自体に入る事も禁止されてるんだ! ほら、そこの立札があるだろ?」スッ

立て札『夜はこの先の山道を通るべからず、凶暴な山の動物たちに襲われる為。また、入山も禁止!』

店員「ねっ?」

サターニャ「ほ、ほんとだわ!!? いや、待ちなさい……実は一人、私の知り合いが今、この道を通って山に入っていたのよ………」サアァーー

店員「えぇっーー!?」ビクッ
48:2018/04/14(土)20:23:35 EC9
~森~

ガヴリール「暗いが、昼間にも山は通ったから楽勝だろ!」ズダダダダダダダッ

ギランギランギランギランギランッ

ガヴリール「んっ? なんだ、光るものが見えるぞ……一体、なんだ?」

ヘビ「シャアアアアーーー」、クマ「ガオオオオーーー」、イノシシ「グルルルルルルーーー」、ワニ「ゴオオオォォーーーー」、オオカミ「ワオオォォォーーーン」

ガヴリール「な、なんだとぉっ!? 本とテレビでしか見た事がないが、これは下界に存在する獣って奴か!!?」

ガヴリール「チッ! こんなとこで止まってる暇はねぇってのに……」チラッ

100円玉『』←手に握られている。

ガヴリール「たかが、これに全力を賭けるなんてバカのやる事だ……特にこんな100円の為だけに!!」パッ

ガヴリール「けど………」グッ

シュパアアァァーーーー

天使化ガヴリール「たまには友情の為に…」スッ

天使化ガヴリール「馬鹿になってやるのも悪くないなああぁぁぁぁーーー!!!」ダッ

ヘビ「シャアアアアーーー」、クマ「ガオオオオーーー」、イノシシ「グルルルルルルーーー」、ワニ「ゴオオオォォーーーー」、オオカミ「ワオオォォォーーーン」

天使化ガヴリール「うおおぉぉぉーーー、私は意地でもここを通ってやるぞおおぉぉぉーーーー!!!」ダッダッダ
49:2018/04/14(土)20:29:44 EC9
~しばらくして~

ガヴリール「はぁはぁ……。やっと山を抜けられそうだ…。」

ガヴリール「後は……」

パラパラッ

ガヴリール「!?……なんだ、上から岩のような欠片が?」チラッ

ゴロゴロゴロゴロゴロッ

ガヴリール「なっ、落石だとぉっ!!?」

ゴロゴロゴロゴロゴロッ

ガヴリール「うっ………」

ゴロンッ

ガヴリール「うわあああああぁぁーーーーーっ!!!???」

ドオオオォォォーーーーーーン
50:2018/04/14(土)20:33:08 EC9
~一方、その頃~

ヴィーネ「………遅いわね。」

少女「………グスッ」

ヴィーネ「もう夜になっちゃうじゃない!? お願い、早く来て…ラフィ、サターニャ!!!」

パラパラパラッ

ラフィエル「ヴィーネさぁーーーーん!!」

ヴィーネ「ラフィっ!? 戻ってきた…という事は、ガヴを連れ戻す事が出来たのね!!」
51:2018/04/14(土)20:40:13 EC9
………………………………

ヴィーネ「ええぇぇーーっ、サターニャやガヴを乗せなかったの!?」

ラフィエル「はい。ヘリから観察していましたが、サターニャさんはガヴちゃんとの争いの末に説得に成功したようです。ただ、私もここは、お二人に自力で行かせた方が面白s…ではなく、為になると思いまして!」

ヴィーネ「為になるって、何のかしら!? 大体、今、面白そうって言いかけて、すぐ訂正しなかった!!?」

ラフィエル「と、とにかくお二人が来るのを待ちましょう♪」ニコリ
52:2018/04/14(土)20:56:20 EC9
~それから、しばらくして~

サターニャ「おーーーーーい!!!」

ヴィーネ「あっ、サターニャ!?」

ラフィエル「サターニャさああぁぁーーーん!!」

サターニャ「ヴィネット! それと……ラフィエル…」

ラフィエル「んんっ!? なぜ、嫌そうな表情をされるのですか?」

サターニャ「アンタ、私とガヴリールを先に置いて帰る、なんて酷いじゃないの!!」

ラフィエル「いいえ、違います。これは私が敢えて置いて帰ったのです」

サターニャ「はぁっ?」

ラフィエル「このままヘリに乗せて戻るのもアリですが、ここは自力で行かせた方が、後々ガヴちゃんを引き立て役にサターニャさんが盛り上がると思いまして…」

サターニャ「成る程……そういう事だったのね。なら、しょうがないわ」

ラフィエル「ありがとうございます……ふふふっ♪」クスクスッ

ヴィーネ「サターニャ、簡単に言い包められないの!? ラフィはただ、自力で行かせた方が面白そうだと思ってやったのよ!!」
53:2018/04/14(土)21:06:36 EC9
ヴィーネ「で、サターニャ、肝心のガヴは?」

サターニャ「いや、それが……」

~状況説明中~

ヴィーネ「ええぇぇーーーっ、ガヴが一人で危ない山道に?!」

ラフィエル「あらぁ~、あちらの山は昼間と違って、夜はそのような危険が?」

サターニャ「そうよ。私はギリギリ通りかかった人間に止められたけど、焦ったガヴリールはさっさと走って行っちゃったのよ!」

ラフィエル「それで、サターニャはどのようにしてここに辿り着いたのですか?」

サターニャ「例の人間から教わった遠回りの道でここに辿り着いたのよ。」

ラフィエル「で、肝心のガヴちゃんは?」

サターニャ「知らないわ。私はとにかくガヴリールが無事であることを信じて、助けには行かず、無我夢中でその遠回りの道を走ってたから…」

ヴィーネ「ど、どうして、すぐにガヴを助けに行こうって思わなかったのよ!?」

サターニャ「今になってすまないとは思ってるわよ。けど、ガヴリールは絶対に来る……これだけは信じましょ。」
54:2018/04/14(土)21:11:05 EC9
~その後~

ヴィーネ「……………」

ラフィエル「…ガヴちゃん、遅いですねぇ……」

サターニャ「くぅぅ……何やってるのよ!?」

ヴィーネ「ガヴ……」

少女「ねぇ、聞いていい?」

ヴィーネ「んっ、なにかな?」

少女「お姉ちゃんたちは、そのまだ来ていない人を、信じてるの?」

ラフィエル「えっ?」

サターニャ「へっ?」

少女「………私、思うんだ……お姉ちゃんたちの話を聞いて、絶対……そのお姉ちゃん、100円を使ってるって思うんだ……グスッ」

ヴィーネ「えっ?」

少女「きっと、戻って来ないと思うんだ………グスッ、グスッ」ポロポロ

ラフィエル「………」

サターニャ「………」
55:2018/04/14(土)21:27:45 EC9
ヴィーネ「………うぅん、ガヴはきっと来るわ」

少女「えっ…?」

ヴィーネ「あのね、ガヴは日本一…うぅん、世界一凄いものを持ってるのよ?」

少女「なに……牛乳のフタ、それとも缶バッジ?」

ヴィーネ「うぅん……ガヴは、世界一強い絆を持っているのよ」ニコッ

少女「絆?」

サターニャ「そうねぇ。確かにガヴリールは普段はあんなんだけど、たまに誰かの為を思って行動する事もあるのよね…だから」

ラフィエル「私たち、全員はガヴちゃんがどのような姿や性格でも、放っておいたり、見捨てたりはしないのです……ガヴちゃんが時折私たちを信じ、思ってくれる事もあって……それこそが、ガヴちゃんが持つ、世界一強い絆なのですよ♪」ニコリ
56:2018/04/14(土)21:32:49 EC9
少女「?」

サターニャ「どうやら幼き人間の子には到底理解が出来ないお話のようね」

ヴィーネ「とにかく、ガヴが強い絆を持っている限り、絶対に他の人物の友情だって、大切にするはずよ。だから、ね? もう少し、信じて待ちましょ?」

少女「………うん。分かった」コクリ

ヴィーネ「ありがとう。いい子ね♪」ナデナデ

サターニャ「そ、それより…ガヴリールはほんとにまだかしら?!」

ラフィエル「確かにここまで来ると心配ですねぇ……」

ヴィーネ「いやいや、そこはちゃんと待ちましょうよ!? ガヴならきっとくるはずy」



「待たせたな……お前ら!!」ダンッ

ヴィーネラフィサタ「「「っ!!?」」」
57:2018/04/14(土)21:41:54 EC9
「はぁはぁ……。この私は…」ダンッ

ヴィーネラフィサタ「「「まさかっ!?」」」クルッ

ガヴリール(ただし、天使化のまま)「私は、自力で戻って来たぞおおおぉぉぉぉーーーーっ!!!」グイッ・・・ズッシリ

ヴィーネ「ガヴーーッ!?///」ホォー

ラフィエル「良かったです。戻って来る事が出来たのですね♪」ニコリ

サターニャ「それはいいんだけど…。なんで、天使の服装?? それに……」チラッ

大きな落石『』ズッシリ

サターニャ「この大きな、岩は一体なんなのよ!!?」ビクッ
58:2018/04/15(日)02:25:12 mAO
~事情説明~

ヴィーネ「えぇーーっ、落石に遭ったって本当なの!?」

ガヴリール「あぁ。だけど、ギリギリ天使化し、結界の力で落石の威力を軽減させ、その上で私の本来の腕力で落石を止めたんだ! だけど、天使化の効果が消えるまではなぜだか、両手と落石が離れられなくなってな」

ラフィエル「成る程。それで、落石を両手で持ち上げたまま、来た…という訳ですか」

ガヴリール「そういう事だ!」

サターニャ「ってか、この落石どうするのよ?」

ガヴリール「サターニャの家n」

サターニャ「止めなさいよ!! 山に捨てて来なさい…もちろん、翌日だけど」

ガヴリール「チッ。(めんどうだな…)」
59:2018/04/15(日)15:42:08 mAO
少女「………」ポカーン

ラフィエル「あらあら、ポカーンとなってますね」

ヴィーネ「当たり前よ。落石持ったまま来るし、それにガヴのあの姿を見ればねぇ…」

天使化ガヴリール「まぁ、しょうがない。天使化が解けるまでもう少し掛かるから、このままで居るしかないしな」

天使化ガヴリール「それより、その子か? 100円玉の持ち主というのは??」

サターニャ「え、えぇ、そうよ」

少女「…え、えぇと……」オロオロ
60:2018/04/15(日)21:03:00 mAO
天使化ガヴリール「本来はこんな姿ではまずいけど…」

ラフィエル「大丈夫です。後で、私があの子の記憶を消しておきますので♪」

天使化ガヴリール「そうか…じゃあ、構わないな!!」

天使化ガヴリール「おっと、よろしくな…話はこいつらから聞いてるだろ?」

少女「う、うん……。も、もしかしてお姉さん、天使?」

天使化ガヴリール「まぁ、そうかもなぁ…」

少女「ええぇぇーーっ、ほんとおぉーー!?/////」キラキラ
61:2018/04/15(日)21:07:13 mAO
ヴィーネ「な、なんだか…凄い目がキラキラしてるわね…」

サターニャ「天使、なんて架空の物だって思ってるから、いることに感激してるんでしょ?」

ガヴリール「おっと、それより、ほら、これ」

100円玉『』

少女「わぁ~、私の100円だぁ!」

少女「ありがとう、お姉ちゃん♪」ニコリ

ガヴリール「お、おぉ/// 次は絶対に落とすんじゃないぞ?」カアァァーー

少女「うん♪」

ラフィエル(可愛いですねぇ…//)

ヴィーネ(可愛いわねぇ~)

サターニャ(ふん…可愛いじゃないの……)
62:2018/04/15(日)21:17:48 mAO
ガヴリール「そうだ、おm、じゃなくて君の100円玉、ちょっとだけ温かかったよ…」

少女「えっ?」

ガヴリール「きっと、君は友達のプレゼントの為に……その100円玉を大事に大事に手にしっかりと握っていた…そんな証拠だって私は感じるかな。」

少女「っ/////」パアアアァァーーー

少女「お姉ちゃん、本当にありがとう♪ バイバイ、天使のお姉ちゃんに、他のお姉ちゃんたちも!」スタスタ

ガヴリール「ばいばい…」フリフリ

ヴィーネ「バイバイ♪」フリフリ

ラフィエル「友達へのプレゼント、頑張って買って下さいね」フリフリ

サターニャ「ふん。次は落とすんじゃないわよ…」フリフリ
63:2018/04/15(日)21:30:44 mAO
ガヴリール「ふぅ~、久々に良い事したら……」グゥーー

ガヴリール「お腹が空いたなぁ~」

ヴィーネ「もぅ、お腹が空くのはいつもの事じゃないの」

ラフィエル「ですが、今日のガヴちゃんは、途中からでしたが、格好良かったですよ!」

ガヴリール「おう。まぁ、柄ではないけど、たまに良い事をするのもいいな。」

サターニャ「でも、最終的には説得したのはこの私よ?」

ラフィエル「そうですね。サターニャさんも良く頑張りました!」

サターニャ「ふふん♪ もっと褒めなさい!」
64:2018/04/15(日)21:36:08 mAO
ヴィーネ「あっ、もう暗くなるわね。帰りましょうか」

ガヴリール「ヴィーネ、夕飯作ってーー」

ヴィーネ「また?! もう、しょうがないわねぇ……あっ、サターニャとラフィも良かったら来る?」

ラフィエル「ぜひ!」

サターニャ「まぁ、今から帰って作るのもアレだし、せっかくだから頂くわ」

ガヴリール「おう、そういえばサターニャ、ケーキの件、忘れるなよ?」

サターニャ「分かってるわよ。明日、家に来なさい!!」

ガヴリール「よっし、楽しみだな!」



ガヴリール(まぁ、たまには、良い事もするもあり。そして、100円の為だけに頑張ったが、今回の事でちょっとだけ、小さな事でも人の為にやるのも悪くないと……つい、昔の自分と同じ思考を持って、私はそう思った……。)


おしまい
ガヴリール「100円の為だけに」
引用元:http://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1523450257