1:2015/07/12(日)13:37:56
ジェリド「おい見ろ、あのキモイやつ」

カクリコン「どうしたジェリド?おい、あいつは・・・」


ジェリド「ああ、連邦の爪弾きさ・・・どれちょっとからかってやろうぜ」

カクリコン「気持ち悪い、あまり関わるなよ」

ジェリド「おいあんた、知ってるぜたしか・・・茶色の流星だろ?」

彡(゚)(゚)「・・・・・・」

ジェリド「ジオンを捨てて連邦に来たんだってな?俺達が何かわかるか?」

彡(゚)(゚)「ああ、知ってるで・・・その制服は”ティターンズ”や」



2:2015/07/12(日)13:38:35 zZy
前スレ ジオン兵「おいやきう!お前に新型のMSくれるってよ」彡(゚)(゚)「…」

これの続きです
3:2015/07/12(日)13:39:04 zZy
ジェリド「あんた名前はなんて言うんだ?」

彡(゚)(゚)「・・・やきう」

ジェリド「やきう?やきうって、アレか?スポーツの?」

彡(゚)(゚)「せや・・・」

ジェリド「ベースボールみたいな名前だな!軍人なんか向いてないんじゃないか?」

彡(゚)(゚)「ホンマやったらワイはやきう選手にでもなってるハズや・・・」

ジェリド「それがどうして連邦軍なんかにいるんだ?ハハッ!」

彡(゚)(゚)「知っとるくせに・・・」

ジェリド「本当だったら、ジオンの残党は俺達は逮捕しなきゃいけねーんだけどよ」

ジェリド「今のアンタは、奇しくも連邦軍の軍人だ、逮捕できないのが残念だぜ」

彡(゚)(゚)「話はそれだけか?逮捕されないのであれば、それに越したことはない、用がないなら失せてくれや」

ジェリド「なんだその口の聞き方は?」
4:2015/07/12(日)13:39:23 zZy
ジェリドの拳がやきうの顔に入る

彡(゚)"(゚) 「くっ・・・」

ジェリド「いいか、俺達はティターンズだ、例えお前と階級が同じでも、連邦軍とティターンズでは俺達のが上なんだよ」

彡(-)"(-) (どうしようもないクズやな・・・)

ジェリド「口の聞き方には気をつけるんだな、ジオンの腰抜けが!」


そう捨てぜりふを吐いてジェリドは去っていく

彡(゚)"(゚)「・・・・・・」

彡(゚)"(゚)「せや・・・ワイは裏切り者や、だからワイは連邦にしか身をおけんのや」

彡(;)"(;)「ホンマに・・・なんでこんな人生を歩まなあかんねん」
5:2015/07/12(日)13:40:10 zZy
一年戦争末期

ジオン公国は宇宙要塞ゼダンの門、旧ア・バオア・クーで地球連邦軍との最終決戦を行っていた

総帥のギレンザビは戦死、ギレンの代わりに総帥を引き継いだキシリアもまた
ザンジバル級で逃げる際に戦死したのだ

話は、その頃に遡る


当時、まだ入隊して2ヶ月しかたっていないやきうは
地球でのジオン公国最大の作戦、ジャブロー攻略戦を生き延び、宇宙要塞ソロモンで
ソロモンの悪夢と共にジオン艦隊の撤退を成功させた功績を称えられ
わずか2ヶ月で曹長にまで昇進していた。

やきうは足のないMSをシャアより託されそのMSを初めてながらに乗りこなし
マゼラン級戦艦20隻、サラミス級30隻を撃墜する大金星を収めていた
その功績の影で、連邦の白い悪魔、ガンダムの相手を、あの赤い彗星がゲルググで相手をし
両者が釘付けになっている隙にやきうは足のないMSで動きの遅い戦艦を
オールレンジ攻撃で撃墜していたのだ

しかし、さすがのやきうも補給が絶たれたア・バオア・クーでの戦いは長くは持ちこたえられず
いつしか、4機のジムコマンドの部隊により痛手を負い、MSの頭部にある脱出装置で脱出し
ジオン公国親衛隊の戦艦グワデンへと逃げ延びていた
6:2015/07/12(日)13:40:33 zZy
彡;(´)(`)「ああああー脱出用のコックピットが頭にあってよかったー」

彡(゚)(゚)「とりあえず、もう潮時やな、総帥も死んだって噂らしいし、あのグワダンに乗せてもらお」





その戦艦の指揮官はエギーユデラーズ、ギレンザビに最も信頼された男の船に乗ったのだ
そして、やきうはグワダンの中で、再びア・バオア・クーに戻ろうとするアナベル・ガトー
やきうと共にソロモン撤退戦を戦ったジオンのエースをデラーズが引き止めていたところに遭遇した

彡;(´)(`)「あちゃー乗る船間違えたなコリャ」

このまま、この船に残れば、いずれギレンの弔い合戦に参加させられると思ったが
このまま船から降りるわけにもいかず、しばらくはデラーズ艦隊に身をおくこととなった

それから3年の間、やきうはデラーズ艦隊のエースとして
ひっそりとであるが、連邦との戦いをする準備をしていた。


ガトー「少尉、なかなかの腕だな」

彡(゚)(゚)「少佐・・・ワイはもうくたくたや、なんでいつもワイばっかと戦闘訓練すんねん」

ガトー「フッハハ、知れたことを、私の相手が務まるのは少尉を置いて他ならないからだ」


彡;(´)(`)「カリウスがおるやんか・・・」

ガトー「カリウス軍曹には他の兵の訓練をしてもらわなければならないからな」
7:2015/07/12(日)13:41:11 zZy
暗礁地域 茨の園

宇宙ゴミのスクラップが漂う、旧サイド5の中域に建造された宇宙要塞
とはいえ、ア・バオア・クーやソロモンのようなものではなく
残骸の中に戦艦を隠し、そこでMSの整備などを行う程度の隠れ蓑でしかない

しかし、デラーズフリートは3年待ったのだ

この3年間、ゆっくり、着実に戦力を整え、ジオン残党は連邦に反旗を翻す準備行っていた

やきうは、ア・バオア・クーでの戦果で少尉にまで昇進した
とはいえ、デラーズフリート内の兵士は、当時は新兵の寄せ集めのようなもの
階級こそあれど、軍の中ではやきう新兵とさしてかわらなかった

だからこそ、デラーズは時間を掛けて、逃げ延びた新兵たちを一人前の軍人にする時間が必要だったのだ

なお、当時のやきうの乗ったMSの運用思想を元に、極秘裏にアクシズで大型のAMを作っているという噂がささやかれ始めていた
8:2015/07/12(日)13:41:30 zZy
そんな折

デラーズ「ガトー、やきう、よく来た」

ガトー「デラーズ閣下、お呼びでしょうか?」

彡(゚)(゚)「ワイになのようで?」

デラーズ「私はお前達に、星の屑作戦を実行に移すことを宣言する」

ガトー「星の屑!」

彡(゚)(゚)(なんやそれ・・・)

星の屑作戦
地球連邦政府が極秘裏に開発した、南極条約で使用が禁止になっている核攻撃を前提とした
MSの開発を行っていることを察知したデラーズは、それを奪取し
連邦軍の観艦式を襲撃、その後にコロニーを奪い、地球にコロニー落としを敢行するというものだった

ガトー「なんとすばらしい作戦か!」

彡;(゚)(゚)(うせやろ?こいつ、ほんまにマジキチやんけ・・・)

デラーズ(・・・・・・)
9:2015/07/12(日)13:42:04 zZy
この時、デラーズはやきうの本心を見抜いていたのか、あえてガトーとは別行動をとらせた

やきうは、後に必要になるであろう戦力、シーマ艦隊との接触を図る任務に着かされることになる

ガトー「やきう少尉、この三年間、長いようで短かった・・・思えば貴君とはソロモン以来だな」

彡(゚)(゚)「せやな・・・なあ、少佐、ほんまにコロニー落としをする気なんか?」

ガトー「怖気づく必要はない、我々には大義がある。散っていった同胞の無念を晴らす絶好の機会である」

彡;(´)(`)「さ、さいでっか・・・」(もともと熱いお人やとは思っとったが、少佐もとんだネトウヨやんけ)

ガトー「では、少尉!星の屑成就のため、また会おう」

ガトーは核攻撃をするMSを奪取しに地球へと向かう工作船に乗り込んでいった


彡(゚)(゚)(なんで気づかへんねん・・・ザビ家の行った過ちを、また犯そうとするのが・・・なんで!)

残党兵「やきう少尉、少尉のゲルググJの準備が出来ました」

彡(゚)(゚)「おっ、そうか・・・」(悩んでいてもしゃーなしや、やるしか・・・ないんか?)
10:2015/07/12(日)13:42:22 zZy
彡(゚)(゚)「普段はドラッツェばっかやったが、ゲルググなんて久々やな・・・」

かつてはやきうもゲルググ乗りであったが、一年戦争の最終決戦では足のないMSに乗り
そのデータを元に、AMとMSの中間のような機体、ドラッツェの開発に協力した
唯一、特殊な機体を扱ったパイロットとして、そのデータはのちのジオンに受け継がれていく

残党兵「発進準備オーケー!」

彡(゚)(゚)「やきう、ゲルググイェーガー、でで、出ますよ」

プロペラントタンクを付けたその機体は、並のゲルググとは推進力が違っていた
とはいえ、この3年でMSに乗ることは日常であったため、ゲルググJのクセなどは
ものの数分で把握することができた

彡(゚)(゚)「たしか、シーマ艦隊やったっけな・・・」

彡(゚)(゚)「・・・・・・毒ガスか」
11:2015/07/12(日)13:42:38 zZy
茨の園を経ち、カラマポイント、かつて秘匿中域とよばれた場所で、やきうは悪名高い
シーマ艦隊と合流することになっていた

ジオン公国海兵隊、通称シーマ艦隊
シーマ・ガラハウ中佐率いる、旧ジオン公国、キシリア指揮のもと編成された部隊であり
本来は別の人間が指揮していたらしいが、一説にはシーマに責任を負わす形でシーマ艦隊は設立されたという

では、その責任とはなにか?
それは一年戦争開戦間近の時、コロニー落としをするために必要なコロニー確保のため
シーマ艦隊はコロニーに毒ガスを撒き、住人を虐頃したのだ
その他公国のために数々の汚れ仕事をこなしてきたという・・・

彡(゚)(゚)「さすがのワイも噂は聞いてるで・・・デラーズ、コロニーを落とすために再び公国の影に頼るつもりか・・・クズやな」

ほどなくして、やきうは、シーマ艦隊旗艦、ザンジバル級リリーマルレーンへと合流を果たした
12:2015/07/12(日)13:42:55 zZy
彡(゚)(゚)「デラーズ閣下の命により、本日付でシーマ艦隊にやってまいりました、やきう少尉言います、よろしゅうたのんます」

シーマ「ほう、あんたが噂の”茶色の流星”かい?」

彡;(´)(`)「申し訳有りませんが中佐、ワイの恥ずかしい過去は言わんといてください」

シーマ「なにを言うかと思えば、過去なんざ消せないのさ、過去は一生ついてまわる・・・」

彡(゚)(゚)「・・・」

シーマ「あんただって知ってるだろ?あたしの過去が何なのか・・・?」

彡(゚)(゚)「公国のために御身を捧げたとお聞きしております」

シーマ「はん!よく言うよ!どうせデラーズの事だ、あたしにもう一度汚れ仕事をさせるつもりなんだろ?」

シーマ「なら答えはこれさ!」シーマは銃を取り出す

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

シーマ「お前みたいなデラーズの犬にはわからないだろうねぇ、あたしはこの3年、自分の居場所を求めてどれだけ駆けずり回ったか」

シーマ「ようやくアナハイムとパイプを持てたんだ。こんな海賊家業まっぴらだよ!」

彡#(゚)(゚)「・・・・・・ワイもや」

シーマ「あん?なんだって?」

彡#(゚)(゚)「ワイもまっぴらや!もう一度コロニーを落として連邦と戦争するなんて、まっぴらごめんや!!」
14:2015/07/12(日)13:43:23 zZy
シーマ「コロニーを落とす?お前その話本当かい?」

その話を聞き、さすがのシーマも血相が変わった

彡#(゚)(゚)「ああ、せや!ワイはデラーズのアホにもう一度ザビ家の二の舞いを踏めと命令されたんや!」

シーマ「星の屑・・・まさかそんな作戦だったなんてねぇ」

彡#(゚)(゚)「今頃ガトーは地球で核攻撃をするMSを奪取してるころや・・・」

シーマ「デラーズ・・・!!」

シーマの中に、再び怒りがこみ上げてくる
かつて、コロニー落としをするために毒ガス散布をさせられた頃の記憶がフラッシュバックする

シーマ「状況は変わった・・・星の屑作戦の詳細を言え!」

彡#(゚)(゚)「おう言うたるわ、核攻撃により連邦の艦隊を沈め、その後にコロニーを奪う!お前達はそのための戦力や!」

シーマ「だれがそんなことするか!」

彡#(゚)(゚)「ワイだってするわけないやろ!」

シーマ「・・・・・・」

彡#(゚)(゚)「・・・・・・」


シーマ「・・・ならどうするつもりだい?」

彡#(゚)(゚)「・・・・・・逃げる」

シーマ「はん、なんの後ろ盾のないやつが今更どこに行くっていうのさね?」
17:2015/07/12(日)13:44:09 zZy
彡(;)(;)「んな事言うたってしゃーないやろ・・・これがワイの生き方やねん」

シーマ「お前・・・」

彡(;)(;)「ワイはジオンの軍人としてここまで来たが、ワイにはデラーズのような大義もガトーのような忠義もないねん!」

彡(;)(;)「ただ死にたくない、生きたい、それだけやねん!」

彡(;)(;)「もうこれ以上、戦争なんてしとうないねん!!」

シーマ「甘ったれてんじゃないよ!!」

彡(;)(;)「ぐっ・・・」

シーマ「いいか、この船には帰りたくても帰る場所なんてとっくに消えちまった奴らのたまり場さ」

シーマ「そんな奴らが、必死こいて明日を生きるために底辺みたいな生き方してる」

シーマ「あんたにはそれが分かるかい?自分の故郷を、ソーラーレイにされた奴の気持ちが・・・」

ソーラーレイ
ジオン公国の大出力のレーザー兵器、コロニーレーザーと呼ばれるそれは
まるまるコロニーを改造されて建設された
そして、そのコロニーこそが、シーマ・ガラハウの故郷でもあった
18:2015/07/12(日)13:44:29 zZy
彡(;)(;)「せやけど・・・今更どないせーちゅーねん」

シーマ「・・・・・・チッ、しかたないねぇ」

シーマ「売るぞ」

彡(;)(;)「?」

シーマ「この情報を連邦に売るんだよ、金にはならなくても、私らの身分が保証されれば儲けモンだ」

シーマ「いいかい、アンタが生き残りたかったら、デラーズみたいな馬鹿と一緒に犬死なんかするんじゃない」

シーマ「賢く生きるのさ、そう・・・今度こそ、自分たちの居場所を作らにゃいかないねぇ・・・ふふふ、フッハハハ、アッハハハハ」

こうして、やきうはシーマ艦隊と共に
デラーズフリートを裏切ることを決意するのだ
そして、状況はガトーがガンダム試作2号機を奪取し、宇宙に戻った頃に飛ぶ
20:2015/07/12(日)13:45:01 zZy
シーマ「もうすぐ、この辺りに連邦の戦艦が来るはずさ」

リリーマルレーンは密かに連邦の戦艦、バーミンガムと接触を図ることにしていた
そこで、星の屑作戦の機密文章を譲り渡し
作戦の阻止、連邦軍側へは恩赦として便宜の取り計らいをしてもらおうという算段であった
しかし、予想外の事態が起きた

地球連邦軍のアルビオン艦隊が付近に現れたのだ

シーマ「ちぃ!こんな状況じゃ・・・」

彡(゚)(゚)「ワイが出る」

シーマ「お前・・・」

彡(゚)(゚)「あの艦隊には、以前・・・ワイが足のないMSで戦ってた時、唯一キズを付けられた小隊がおるんや、ワイのケジメ・・・ワイがつける!」

シーマ「同じゲルググ乗りとして頼りにしてるよ」

彡(゚)(゚)「イェーガーライナーでで、でますよ!」

ここまでアルビオン艦隊とは何度か交戦をしている
最初の戦いでは、不死身の第四小隊のリーダーバニングに後れを取ったが
シーマとの連携で連中のガンダムタイプを破壊に成功はした
さらに、バニングのジムカスタムに深手を追わせた事もあり
今回こそが好機と思っていたからだ
21:2015/07/12(日)13:45:17 zZy
結果として、取引は失敗に終わった
とはいえ、やきうもただで引き下がったわけではない、やきうの放った
ビームマシンガンの一発がバニングのジムカスタムにわずかながらに傷を負わせた
そしてそれが引き金となり、ジムカスタムは大破、パイロットを戦死させることには成功したが

同時に、ガンダムタイプの猛攻に会いやきうのゲルググJは破壊されてしまった

間一髪で脱出に成功したやきうは、作戦の変更を余儀なくされてしまう・・・


彡(゚)(゚)「すまんのう、大口叩いておきながらあの体たらくや・・・」

シーマ「いや、こっちも取引を失敗させた責任はある・・・だが、次の一手は打ってあるさ」

シーマ艦隊は当初の予定通りであった、コロニーの奪取を成功させた
同時に、コンペイトウ、旧ソロモンでの観艦式はガトーの奪取した試作2号機の核攻撃により
連邦艦隊の3分の2は消滅してしまった・・・
22:2015/07/12(日)13:45:50 zZy
奪取されたコロニーは月の軌道をたどり、その遠心力により目標が地球へと切り替わった
この事態に連邦政府は部隊の再編を急ぎ、またコロニー迎撃用の秘密兵器を準備していた
本来なら、コロニーは連邦軍本拠地ジャブローに落ちるはずであるが
目標はジャブローではなかった・・・

そして、その事を連邦軍総督、ジーンコリニーは知っていた
そう、シーマの次なる一手は、コリニーに取り入ることだったのだ


シーマ「では交渉成立ということで」


シーマの怪しい笑みは何を意味しているのか、デラーズフリートは
星の屑の作戦の結末を、誰一人として知るものは居ない

この時の交渉が、シーマ、デラーズ、やきうの運命を大きく変えるのであった
23:2015/07/12(日)13:46:09 zZy
デラーズ「哀れ、志を持たぬものを導こうとした、我が身の不覚であった」

シーマ「はん、アクシズなんて辺境に導かれた日には、商売あがったりさ」

ガトー「シーマ、獅子身中の虫め!」

シーマ「フフフ、動くなよガトー、敗軍の将は潔くなぁ」

ガトー「何!?」

シーマ「連邦への土産を傷つけたくないからなぁ」

この時、シーマは連邦軍への見返りとして、デラーズの身柄を受け渡すことで
連邦への亡命を計り、かつての汚名を不問として連邦軍内での地位を確立しようと企んでいた
グワデンのブリッジを制圧したシーマは、デラーズに銃口を突きつけていた
ガトーは、アクシズより受け取った大型MA、ノイエジールにのり
グワデンのブリッジを一望できる位置にまで来ていた、しかし、デラーズを人質に取られたことにより
動くことはできなかった

デラーズ(ここまでか・・・)

デラーズは制圧されたブリッジを見渡す、艦橋の先には、青く映る地球が見えた
そして、デラーズは意を決して口を開いた

デラーズ「征け、ガトーよ、意地を通せ・・・現にコロニーはあるのだ!」

シーマ「なっ!狂ったか!?何を!?」

デラーズ「征け!ワシの屍を踏み越えてッ!」

シーマ「黙れ!!!」
24:2015/07/12(日)13:46:31 zZy
デラーズ「ワシを宇宙の晒し者にするのか!」

シーマ「馬鹿野郎!ソーラシステムが狙ってるんだよ!!冗談じゃないよ!!」


この時、デラーズ艦隊、コロニーは連邦軍の秘密兵器
ソーラシステムⅡの射程に収められていた

かつて、ソロモンを攻撃したあの太陽光の兵器が、再びソロモンの悪夢らに向けられていたのだ

ガトー「・・・・・・閣下」

デラーズ「ジーク・ジオン!」

デラーズのその声は、一発の銃声によりかき消された
焦ったシーマは、引き金を引いてしまったのだ・・・

ガトー「!?」

ガトー「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

激昂したガトーのノイエジールが、アームクローをグワデンへと叩きつけようとする
それを察したシーマは一目散にグワデンから逃げ出すのであった

エギーユ・デラーズ、死亡

そして、宇宙は動き始める
25:2015/07/12(日)13:46:48 zZy
コロニーは地球めがけて動き始める
ソーラシステムⅡは起動まで今しばらく時間がかかる
それまでの間、時間を稼ぐために、連邦艦隊を指揮するバスク・オムは全軍に攻撃命令を出した

バスク「撃て!撃てえええ!」

連邦軍、デラーズフリート、両軍最後の戦いが始まる

それぞれの戦艦は激しいメガ粒子砲を撃ちあう
コロニーを狙うサラミスはムサイの攻撃で落とされ
ムサイもまた、別のサラミスに撃たれ大破する

シーマ艦隊のゲルググMもソーラシステムⅡの発射まで時間を稼ぐためにデラーズフリートに対して
攻撃を開始する。


そんな中、ガトーのノイエジールはあるものを探していた

ガトー「くっ・・・コントロール艦さえ叩けば!」
26:2015/07/12(日)13:47:05 zZy
連邦オペレーター「スペースコロニー!距離4000!ソーラシステム発射まで70秒!」

バスク「おっ、おお・・・コロニーが肉眼で見えるぞ!」

バスクは焦っていた、その目で見るコロニーの大きさに焦っていた
しかし、まだ間に合う、ソーラシステムがチャージされるまでは・・・



ガトーは必死にソーラーシステムのパネルの周りを探していた
ソーラシステムをコントロールするコントロール艦を潰せば、ソーラシステムは発射できない
そしてついにガトーは見つけたのだ ソーラーパネルの間にあるコントロール艦を

ガトー「もらったああああ!!」

ガトーがノイエジールのコントロール艦を撃とうとした時、突如高出力のビームが飛来し
ガトーのノイエジールを大きく揺さぶった
27:2015/07/12(日)13:49:35 zZy
ノイエジールはその衝撃でコントロール艦を打ち損じた、幸いノイエジール事態にはIフィールドがあり
軽傷ですんだが、それでもフィールド越しに衝撃が来るほどの出力のビームは
並みの連邦の戦艦ではない

ガトー「もしや、連邦の!?」

??「愚かやなぁ、ガトー・・・もうええやろ」

ガトーは通信機越しに聞こえてくるその声を聞いて
相手が誰か直ぐに分かった

ガトー「貴様・・・!!姿が見えないと思っていたが、やはり!!」

彡(^)(^)「今更遅すぎやろガトー、ワイがシーマ艦隊に行ってる時点で気付かなぁ」

ガトー「やきう!!しかも、なんだその機体は!!!」


ガトーが目にしたのは、コントロール艦に隠れて一体のMSがロングレンジビームライフルを構えている姿だった
そのMSの名は

ガンダム試作4号機 ガーベラ アナハイムより裏取引で手に入れた秘匿にされたガンダムだ

28:2015/07/12(日)13:50:00 zZy
ガトー「よりにもよって連邦の!!」

彡(・)(・)「これはええ機体やでぇ!お前らアホのジオンを叩くにはもってこいや!」

ガトー「くっ、今はそれどころではない!」

彡(^)(^)「やれるおもとるんかー?」

ガトー「貴様と話す舌はもたん!!」

ノイエジールはその巨体に似合わず、くるりと宙を舞、メガ粒子砲を乱射した
その砲撃により、コントロール艦は被弾し、爆発した

ガトー「やったぞ!これで!」

彡(・)(・)「言ったはずやでガトー、やれる思うとるんか?」

やきうはガーベラのビームライフルをノイエジールに放つ
Iフィールドはそれを再び防いだが、先程よりも衝撃が強くなる
どうやら、徐々に出力が増しているらしく、いずれはIフィールドを貫通するだろう

ガトー「馬鹿め!コントロール艦は潰し・・・何!?」

ガトーが目にした光景は、依然としてソーラーシステムのパネルがチャージを続けたままだった

ガトー「なにィ!?」

彡(^)(^)「ガトー、流石にこんなちっぽけな船に、コントロールの全てを任すと思ってるんか?」

彡(・)(・)「たった数十秒、その数十秒を稼ぐためにワイがおるんや、ワイのこの機体にソーラーシステムの管理システムが乗ってる」

彡(^)(^)「止めたかったら、ご自慢の大義でワイを頃してみーや」

ガーベラは勢い良くバーニアを吹かすと、ガトーのノイエジールに密着するように
周りを飛び始めた
29:2015/07/12(日)13:50:35 zZy
ノイエジールはまとわりつくハエを落とすかのごとく、大型アーム
大型ビームソード、メガ粒子砲全てを使ってガーベラを落とそうと試みた
しかし、ガーベラは決してガトーの正面には立たず

必ず、後ろを取っていく、小回りの小ささが功を奏した

ガトー「くっ!背中にはミサイルがあったはず!!」

だが、背中のミサイルは連邦艦隊との戦いで使い切っていた

彡(゚)(゚)「ほらほら、もう終わりか?まあええで、もうすぐソーラシステムは発射される」

ガトー「おのれええええええ!!」

彡(゚)(゚)「アホくさ、やめたらこの仕事、いや、もうワイも失業や・・・コロニーは撃ち落される、ワイの勝ちや」

決してガトーにビームライフルを当てることはせず、ただただ回避に専念する
そして、チャージ完了までの時間が刻一刻と迫ってきた、その時だ

ソーラシステムⅡは激しい輝きとともに熱線を収束させ
落下するコロニーにめがけて発射した

ガトー「遅かったか・・・」

彡;(゚)(゚)「なっ、なんやと・・・」
30:2015/07/12(日)13:50:55 zZy
ソーラシステムⅡは激しい光でコロニーを焼いた
しかし、表面しか焼き切れず、以前コロニーは健在のままだった

ガトー「なに!?」

彡;(゚)(゚)「なんでや、なんで今撃ったんや!?まだチャージが完了してへんやろうが!」


時を遡ること数秒前

連邦オペレーター「スペースコロニー!距離4000!ソーラシステム発射まで70秒!」

バスク「おっ、おお・・・コロニーが肉眼で見えるぞ!」

バスク「もういい!ソーラシステムを発射しろ!」

副官「ですが、まだチャージが、あと40秒お待ちください!」

バスク「ええい!いいから撃て!!」

なんと焦ったバスクがソーラシステムのチャージ完了前に発射させてしまったのだ
そのことにより出力不足のソーラシステムはコロニーを撃ち落とすことはできず
中途半端にコロニーを残してしまったのだ


彡;(゚)(゚)「あ、アホかあああああああああ!!何しとんねん!!!」
31:2015/07/12(日)13:51:15 zZy
彡;(゚)(゚)「あかん、コロニーが・・・止まらへん」

ガトー「ふ、フハハハハ!どうやら我々の勝ちだ!」

ガトーは、戦意を喪失したガーベラにとどめを刺そうとはせず
落下するコロニーの方へと向かっていった

やきうは茫然自失のまま、ただ脱糞をするしかなかった


彡;(゚)(゚)「あかん、あかん、そらが、そらがおちる」

ようやく正気取り戻したやきうが、コロニーのほうへと向かうと
すでに、戦場は閑散としており

見慣れたゲルググの残骸がところ狭しと漂っていた・・・その中には
シーマ・ガラハウのゲルググM指揮官機の姿もあった

彡(;)(;)「うわああああああああああああああああああああ」

やきうは、落ちていくコロニーめがけロングレンジライフルを連射する
しかし、そんな攻撃は、連邦艦隊の一撃よりも低く、コロニーは無情にも
地球へと落下していったのだった・・・。
32:2015/07/12(日)13:51:34 zZy
それから、程なくして、やきうは連邦軍に投獄される
使える国も軍も失ったやきうは、ジオン残党軍の兵士として身柄を拘束され
処罰される時をまつばかりだった・・・だが


やきうは突如無罪放免になった、それどころか地球連邦軍の軍人として
扱われることになる

突然のことにやきう本人も戸惑ったが、その真相を聞いたやきうは地球連邦軍の
腐りきった本質を垣間見ることになった

当初、やきうはジオン残党として本来ならば処刑されるところであったが
ガンダム計画自体が存在しないという事にされ、デラーズ紛争もまた存在しない
ものとされた

連邦軍は、事の発端がガンダム試作2号機にあることを追求されるのを恐れ
それらの出来事をなかった事にした、よって、ガンダム試作4号機ガーベラを操縦したやきうは
そんなものを操縦していないとされ、残党兵も存在せず

彼はコロニー落下事故の救助に来た、まだその地に足も踏み入れたこともない国
ジオン共和国から来た連邦兵として扱われることになったのだ

ここまでの彼の3年間は存在せず、また、故郷すらも捏造されたのだ

やきうは今でも思う、本当に欲しかった居場所すらも手に入れられなかったシーマは
今の自分を見てどう思うのだろうか

その事が、今なお彼を苦しめている
33:2015/07/12(日)13:51:52 zZy
本当なら連邦軍を辞めたいところだが、例の事件の生き残りということも有り
連邦の監視下に置かれる事になるやきう

階級は少尉なれど、今後一生彼は少尉のままだろう
なかば、任務もパイロットではなく
とあるニュータイプの監視するという任務に付いている
連邦軍は、常に出る杭を抑えこみたいようだ

彡(゚)(゚)「・・・・・・」

アムロ「・・・・・・」ブロロロ

とある邸宅から出るスポーツカーを無言で見送る守衛が
今のやきうの任務である

半ば軟禁状態のこの男に哀れみを感じてか、やきうはアムロが毎夜外に繰り出すことを
咎めることはしなかった、いや咎められる立場ではなかった

彡(゚)(゚)「・・・・・・」

やきうは毎日、こうして時がすぎるのを待つだけだった
いつか、この任務が終わり、平和に引きこもれる日が来るのを待って・・・


アムロ「なあ、あんたも一緒に行かないか?」

彡(゚)(゚)「・・・・・・自分は、ただの守衛で・・・」

アムロ「たまに知らない人間と飲んでみたいのさ、どうだ?」

彡(゚)(゚)「・・・分かりました、大尉殿」


END
34:2015/07/12(日)13:52:02 zZy
終わり!閉廷!
35:2015/07/12(日)13:55:09 o3r
終わりかい!
39:2015/07/12(日)14:11:47 UvB
乙!
40:2015/07/12(日)14:12:53 Rwx
乙 結局シーマに救いはないのね