彡(゚)(゚)「今日も仕事終わったんゴ……疲れたで」

(´・ω・`)「お帰りお兄ちゃん。お風呂にする?それともお風呂にする?」

彡(゚)(゚)「……さてはまたきうり風呂入れよったお前……あれくっさいんじゃ」

彡(?)(?)「ま、ええわ。ビール冷やしとくんやで」

(´・ω・`)「へーい」

風呂

カコーン

彡(?)(?)「あー……このために生きとるって感じやなぁ。極楽や」

彡(?)(?)「ふ~~」

彡(?)(?)「……」

彡(?)(?)

彡(?)(?)zzz
4:2016/04/16(土)23:05:54 cT9
風呂の中

彡()()

彡()()

「起きないと死ぬぞ」

彡()()「いや、ここで死んだ方がええわ」

「一応訳を聞いとくぞ」

彡()()「これから永遠に疲れて辛くて怠いのが続くだけなんや……だったらここでええ心地のまま死んだ方がましや」

「まぁある意味正しいぞ。俺の師匠も似たようなこと言ってたぞ」

彡()()「そか……だったらほっといてくれや」

彡(゚)(゚)「てかお前誰や」

「通りすがりの心理学者だぞ」
5:2016/04/16(土)23:13:05 cT9
彡(゚)(゚)「ほーん。まあどうせ死ぬんやし相手になったるわ」

「その意気だぞ」

彡(゚)(゚)「ファッ? なんや煽りカスかいな」

「違うぞ。その思想こそが俺が発見した思想の入り口だぞ」

彡(゚)(゚)「なんやよーわからんがいい加減姿表せや」

「さっきからお湯の中にいるぞ」

彡(゚)(゚)「ワイ以外誰もおらんぞ」

「いるぞ」

彡(゚)(゚)「……まさかこのきうりか?」

「だぞ。弟がドイツ産キュウリを浮かべていたからお前と会えたんだぞ」
7:2016/04/16(土)23:21:44 qS7
ドイツ産キュウリ…?
8:2016/04/16(土)23:22:05 cT9
彡(゚)(゚)「そか。まーどうでもええわ。で、そのドイツ産きうりがワイに何の用や」

「お前は334分後に弟に救助されて一命を取り留めるんだが……その前にお前に俺の"虚無主義"を知ってもらうぞ」

彡(゚)(゚)「虚無主義?なんやそれ」

「ニヒリズムともいうぞ。こっちの方が聞き覚えがあるかもしれないぞ」

彡(゚)(゚)「あーまぁなんとなくわかるで。次元みたいな奴のこというんやろ?」

「ニヒルとニヒリズムはちょっと違うぞ。まぁ一言で言うと……」

「神は死んだんだぞ」

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

「真実はなく、許されぬことなどないんだぞ」

彡(゚)(<)「いきなりんなこといわれてもさっぱりぞ」
16:2016/04/16(土)23:35:32 cT9
「そういえばさっきお前は仕事で何かあったような様子だったぞ」

彡(゚)(゚)「せや。今まで信じとった会社に裏切られたんや」

「続けるんだぞ」

彡(?)(?)「ワイは貿易商でな……この国は貿易せんと(アカン)って社訓にひかれて今の会社に就職したんや」

彡(゚)(゚)「でも今の貿易業界は派遣ばっかを雇用してからにワイに貿易の仕事をさせんのや」

「別にありがちな話だと思うぞ」

彡(゚)(゚)「んである日ワイは勝手に向こうのブローカーと接触して輸入をしたんや」

「何をだぞ」

彡(゚)(゚)「きうり5t」

「……」

彡(゚)(゚)「んで上司にクッソ怒られて……怒られて……」

彡(゚)(゚)「挙句の果てにきうりを投げつけられたんや!!」

「もういいぞ。つまりは信じてるものに失望したってことかだぞ」

彡(゚)(゚)「せや」
17:2016/04/17(日)00:01:09 6mP
「そこで聞くぞ」

彡(゚)(゚)「なんや」

「お前はこれからどうするのかということだぞ」

彡(゚)(゚)「……せやなぁ……もうなんかええわ。全てが無意味に思えてきたで」

「実際この世界に意味なんてないんだぞ」

彡(゚)(゚)「そら極端ちゃうか?」

「じゃあお前のやってきたことに意味なんてあるのか聞かせてもらうぞ」

彡(゚)(゚)「なっ……」

「たかが青野菜一つでお前の今までの努力は水泡に帰したぞ。その結果お前自身も水と泡に沈みそうになってるぞ」

「ミスだけじゃなくても努力が無駄になるものはあるぞ」

彡(゚)(゚)「どないせえっちゅうんや。じゃあ川の水みたいに流れに身を任せて生きるわ」

彡(゚)(゚)「この世に価値はないんやろ。真実がないんやら一生ダラーッと周りの状況に合わせて生きるで
19:2016/04/17(日)00:16:01 6mP
彡(゚)(゚)「……」

彡(^)(^)「なんかそう考えたら楽になってきたで!この世に正しいも何もないんや!」

「その意気だぞ。でもそれはちょっと"弱い"ぞ」

彡(゚)(゚)「弱い?」

「その都度その都度周りに合わせる人間なんてただの無気力で怠惰な面倒くさがりだぞ。まあその人生自体意味がないわけがだぞ」

彡(゚)(゚)「じゃあどないせえっちゅうんや」

「この世は何も意味がないぞ。存在していないと同義だぞ。だから何をしてもいいんだぞ」

彡(゚)(゚)「確かにそうかもしれんが」

「ニヒリズムには二つあるぞ。まず最初に言った"弱さのニヒリズム"だぞ」

彡(゚)(゚)「この世に意味なんてないんやーって絶望して無気力になることやね」

「まあそんなもんだぞ」
20:2016/04/17(日)00:27:07 6mP
「もう一つは"強さのニヒリズム"だぞ」

彡(゚)(゚)「どういうこっちゃ。世界に意味はないんやったらもうどうでもよくなるやろ」

「これはその無意味は世界を前向きに考えるんだぞ」

「端的に言えば、この世は無意味だから何してもいいってことだぞ」

彡(゚)(゚)「それだけ聞くとえらい物騒やな」

「俺の死後いろんな奴に利用されたぞ。そして物騒な結果になったぞ」

彡(゚)(゚)「ヒエッ…。でも確かに世界が無意味やったらなにしても無意味やな。自分のやりたいことやった方が得や」

「そうだぞ。自分自身で生きる目標や悪い正しいを決めてそれに向かって生きていくんだぞ」

「これによって無意味なこの世界の一瞬一瞬を一生懸命に生きるんだぞ」

彡(゚)(゚)「なるほど、前向きやね」
22:2016/04/17(日)00:38:24 6mP
「この"強さのニヒリズム"はきっとお前を助けてくれるぞ。そしていずれは……」

彡(゚)(゚)「なんや?極めたら仙人みたいになれるんか」

「まあそんなところだぞ。そろそろ時間みたいだぞ」

「ほなまた・・・だぞ」

彡(゚)(゚)「そか。まぁサンガツやで。ワイはこれから生きるで」



――
――――
―――――――


(´・ω・`)「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

彡(゚)(?)「ん……」

(´;ω;`)「よかった!生き返った!」

彡(゚)(゚)「大げさなやつやな、たかが暫く溺れただけで」
24:2016/04/17(日)00:50:06 6mP

彡(゚)(゚)「なぁ原住民」

(´・ω・`)「なんだいブラザー」

彡(゚)(゚)「この世に真実はあると思うか?」

(´ω`)「やっぱ救急車呼んだ方がよかったかな……」

彡(゚)(゚)「うっさいわボケ!」ポカッ

(´・ω・`)「いてっ」

彡(゚)(゚)「アガッヒ」

(´・ω・`)「茹でたきうりも美味しいねお兄ちゃん」ポリポリ




:2016/04/17(日)21:40:26 hbi
おわり
彡(゚)(゚)と学ぶニヒリズム
引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1460815173