1: ◆.zeSrWjK2c 2011/09/18(日) 23:42:01.16 ID:86rXqrfN0
女「あ、ありがとうございます…」

男「いえ、気にしないでください」

女「…」

男「…」

女「あの…どちらに行かれるんですか?」

男「さぁ…。目的のない旅ですから。気ままにですよ」

女「気ままに…?」

6: 2011/09/18(日) 23:47:14.39 ID:86rXqrfN0
男「まぁ、行き先も乗る電車も気分ですね」

女「…」

男「妙な話ですよね。男が一人、行き先も決めずに電車旅なんて」

女「いえ、別にそういうわけじゃないです。ただ…」

男「ただ?」

女「私も、似たようなものですから」

8: 2011/09/18(日) 23:51:06.53 ID:MysTguC+0
男「意外ですね、自分以外にもそんな人がいるなんて」

女「でも、私の場合は、とにかくどこかに行きたかったってだけで、旅ってほどでは・・・」

男「似たようなものですよ。自分だってその場に留まりたくないからこうしているんですから」

女「・・・」

男「お互いにワケアリのようですが・・・聞かないほうがお互いのためですかね」

女「・・・そうかもしれません」

男「しかし、電車、来ませんね」

女「きっと遅れているんですね。きっともうすぐ来ますよ」

男「待ちましょうか」

9: 2011/09/18(日) 23:54:12.43 ID:MysTguC+0
女「もう旅は長いんですか?」

男「そうですね、もうかれこれ数ヶ月になります」

女「そんなに・・・」

男「金と時間だけはありましたから。適当に旅をしているんですよ」

女「そうなんですか・・・」

男「あなたはどうなんです?」

女「私は、まだ数日です。随分長く感じますけど」

男「そうですね、俺も長く感じます」

女「・・・電車、来ませんね」

10: 2011/09/18(日) 23:56:47.61 ID:MysTguC+0
男「無人駅に客が二人。妙な光景かもしれませんね」

女「そうですね。この辺はこの時期あまり人も降りないみたいですし」

男「そうなんですか」

女「まぁ、見た感じですけど。桜の木がいっぱい生えているから、春は賑わうのかも知れません」

男「もう夏も終わりですから、今度は紅葉の季節ですね。早いものです」

女「そうですね・・・。今年は特に・・・」

12: 2011/09/18(日) 23:59:52.40 ID:MysTguC+0
男「ああ、やっと来ましたね。あれがそうです」

女「次は、どちらに行かれるんですか」

男「そうですねぇ・・・。一応、終点の大きな駅まで行って、そこから何かに乗り換えます」

女「そうですか」

男「あなたはどうされるんです?」

女「そうですね、終点の大きな駅まで行きます」

男「そうですか、ではそれまではご一緒ですね」

女「そう、ですけど・・・。あの、お邪魔じゃありませんか」

男「いえ、たまには俺も会話する相手がほしいですから」

14: 2011/09/19(月) 00:04:06.81 ID:G3dhPqPD0
古い電車 車内

車掌(笛)
プシューッ
ゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・

女「古い電車ですね」

男「車掌が笛を吹いていましたからね・・・。ああ、やっぱり人がいない」

女「ローカル線だから、ですか?」

男「そうかもしれません。でも、街に近づけば人も乗ってきますよ」

女「・・・座りましょうか」

男「ええ、そうしましょう」

男「ああ、そうだ。自己紹介がまだでしたね。俺は男っていいます」

女「あ、女です」

男「しばらくの間、よろしくお願いしますね女さん」

15: 2011/09/19(月) 00:08:17.74 ID:G3dhPqPD0
女「終点までは・・・一時間弱くらいですか」

男「そんなものでしょうね。快速ならもっと早いんでしょうけど」

女「あの、男さんって、おいくつですか?」

男「え?ああ、ええと。二十です」

女「そうなんですか?絶対年上だと思ってましたけど、同い年ですね」

男「あ、ああ、そうでしたか。いやあ、偶然ですね」

女「・・・?」

16: 2011/09/19(月) 00:11:22.55 ID:G3dhPqPD0
男「女さんはどちらから来られたんですか?」

女「あ、私は・・・福島からです」

男「福島・・・。それは・・・大変でしたね」

女「そうですね・・・。この一年、色々ありましたから・・・」

男(・・・)

女「男さんは、どちらから?」

男「東京です。もう何ヶ月も前の話ですけど」

女「東京・・・。じゃあもしかしてエリートさんなんですか」

男「いえ、そんなことはないです。むしろ・・・その逆ですよ」

18: 2011/09/19(月) 00:15:53.59 ID:G3dhPqPD0
次は○○駅、○○駅・・・

男「具体的に何ヶ月かは、もう分からないんですがね」

女「え?」

男「根無し草の旅なんてしてると、時間間隔も日にちの感覚もぶれてきますから」

女「携帯電話とか、もっていないんですか?」

男「旅に出る前は持っていましたが、出発前に置いて来ました。俺には必要ないものですから」

女「そうですか・・・。あ、これ、今日の朝刊ですけど、読まれますか?」ガサガサ

男「いいんですか?」

女「はい、私はもう読みましたから」ニコリ

男「いや、情けない。この数ヶ月、何が起きたのかすらよく知らない有様ですから・・・」

男「・・・」

男「首相、変わったんですね・・・」

20: 2011/09/19(月) 00:19:55.78 ID:G3dhPqPD0
女「本当に何も知らないんですね・・・」

男「極力人目を避けてましたから。情報はほとんど何も」

女「宿とかはどうされていたんですか」

男「野宿したりですね。運よくホテルに泊まってもすぐに寝てしまって、次の日の始発で出発していましたから」

女「それは、大変・・・ですね」

男「慣れてしまえば案外平気です。それに、俺の身体は少々頑丈なんですよ」

女「ふふっ・・・。でも休めるときに休まないと、参ってしまいますよ」

男「それもそうですね。・・・ふぅん、相変わらず円高で株価は下がってるのか・・・」

21: 2011/09/19(月) 00:25:36.76 ID:G3dhPqPD0
女「この半年、色々な事がありましたけど・・・。基本的には、何も変わってないですよ」

男「変わってない?」

女「確かに復興はしていますけど・・・。根本的に、何も変わっていないと思うんです」

男「・・・三月十一日、ですか」

女「・・・」

男「確かに、新聞を見る限り、大きな進展があったようには思えないですね。あれだけの災害だ、早急に決めることはいっぱいあるでしょうにね」

女「・・・」

24: 2011/09/19(月) 00:30:19.57 ID:G3dhPqPD0
男「新聞、ありがとうございました。とりあえず分かる範囲で理解しました」

女「あ、いえ」

男「・・・」

女「・・・」

男(この人が旅をする理由・・・。あの日に、きっと・・・)

男「一つ、聞いてもいいですか」

女「はい?なんですか」

男「あなたの旅の目的は何ですか?」

女「目的・・・ですか?」

25: 2011/09/19(月) 00:35:03.21 ID:G3dhPqPD0
男「行き先はなくとも、目的はあるのではないですか?」

女「目的・・・」

女(目的って・・・なんだろう。どうして私はここにいるんだろ・・・)

男「・・・答えられませんか」

女「・・・はい。でも、その場にはいられなかったっていうか、その・・・」

男「なら、あなたの旅は、目的を探すためのものなんですか?」

女「探す旅・・・?」

男「目的のない旅は何も産みません。俺がいい例です。何かを探す旅にしてください。そうすれば、きっと・・・」

女「きっと・・・?」

男「・・・あなたは、また戻ることが出来ます。その時が、きっとゴールですから」

26: 2011/09/19(月) 00:38:22.36 ID:G3dhPqPD0
女「難しいですね、それ」

男「そうかもしれません。見つける人はすぐに見つけられます。でもいつまでも見つけられない人もいます」

女「・・・」

男「あなたが何を失ったのかは分かりませんが、きっと終着はありますから」

女「もしかして、励まして、くれてます?」

男「・・・そんな大したことじゃありません。俺にそんな資格もありません」

女「・・・ありがとうございます」

男「・・・」

『次は終点、終点です』

27: 2011/09/19(月) 00:41:59.52 ID:G3dhPqPD0
女「これからどちらにいかれるんですか」

男「そうですね、時刻表と相談です。女さんはどちらに?」

女「私も、時刻表と相談です」

男「そうですか、じゃあ行きましょうか」

女「はい」

プシュゥゥゥ・・・


男「新幹線、という手もありますが・・・。あれはすぐに着いてしまうからなぁ」

女「鈍行で行くにしても、もう夕方ですしね」

男「・・・ああ、ならこういう手段もありますね」

女「寝台列車、ですか」

男「おあつらえ向きですよ。俺はこれに乗ります」

女「・・・」

女「あの・・・。私も一緒でいいですか?」

29: 2011/09/19(月) 00:47:42.55 ID:G3dhPqPD0
男「え?」

女「なんていうか、その。私、もうしばらくご一緒したいです」

男「ですが・・・。俺といても、いいことがありませんよ」

女「そんな事ありません。男さんのお話、すごくありがたかったです」

男「しかし」

女「それに、男さんだって。旅の目的、探してるんじゃないですか?」

男「・・・」

女「お願いします。せめて私の目的が決まるまで、一緒にいさせてください」

33: 2011/09/19(月) 00:51:04.56 ID:G3dhPqPD0
とある寝台列車 車内

男「いいんですか、本当に」

女「何がですか」

男「仮にもほとんど初対面の男と同じ部屋で寝るというのは」

女「初めてじゃないですから」

男「はい?」

女「これで二回目ですよ、そういうのは。まぁ、あの時とは状況が全然違いますけど」

男「・・・それは女性としてどうなんですか」

女「震災直後、家を失った人や避難所に入りきれなかった人なんていっぱいいましたから」

男「・・・そういうことですか」

34: 2011/09/19(月) 00:53:44.51 ID:G3dhPqPD0
女「ところで、この電車はどこに向かうんですか」

男「さぁ。とりあえず終点までの切符は買いましたから、寝ていれば着きますよ」

女「あ、電車賃支払うの忘れてました」

男「ああ、いいですよ別に。金は無駄にありますから」

女「そういうわけにはいきませんよ。おいくらでしたか」

男「ふぅ・・・。分かりました、ではこうしましょう。明日の朝ごはんをおごってください。それでいいですから」

女「そんな」

男「新聞の借りがありますからね」

36: 2011/09/19(月) 00:57:06.15 ID:G3dhPqPD0
男「それでも納得いかないなら、昼もおごってください。それでいいです」

女「・・・分かりました。でも、次は私が払いますから」

男「いや、それこそそうはいかないでしょうに」

女「そうはいきます。私の気が晴れませんから」

男「・・・言っても無駄のようですね」

女「はい」ニコ

男「・・・分かりました、じゃあそのときは私がご飯を奢りますよ」

『お待たせいたしました、発車致します』
・・・ガタン

38: 2011/09/19(月) 00:57:19.68 ID:NXbCCe9j0
どうみてもこいつら二十歳じゃねぇww

39: 2011/09/19(月) 01:00:54.48 ID:G3dhPqPD0
男「・・・女さんは確か二十歳でしたよね」

女「そうですよ」

男「学生さんですか?」

女「ええまぁ。休学中ですけど」

男「休学・・・。また強引な手段ですね」

女「夏休み中にも色々ありましたから・・・」

男「・・・」

女「男さんは?やっぱり学生さんですか?」

男「あ、ああいえ、俺は違います。今はただのプーですよ」

女「プー?あの、蜂蜜がお好きなんですか?」

男「あー、可愛いほうのプーさんではなくてですね」

41: 2011/09/19(月) 01:04:27.80 ID:G3dhPqPD0
男「今は無職・・・というか、休職中ですね」

女「なんだ、男さんも似たようなものじゃないですか」

男「まぁ・・・そうですね」

女「でも、もう何ヶ月もこうしてらっしゃるんですよね」

男「ええ、もうすぐ半年くらいでしょうか。多分ですけど」

女「その、お仕事のほうは平気なんですか」

男「あー、平気・・・ではないですけど。自営業みたいなものなんで大丈夫ですよ」

女(自営業・・・?私と同じ歳なのに・・・?すごいなぁ・・・)

42: 2011/09/19(月) 01:06:59.18 ID:G3dhPqPD0
男「ふぁぁ・・・。すいません、先に休みますね。どうも夜はすぐ眠くなる」

女「あ、はい。すいません、付き合わせてしまって」

男「・・・」

女「?あの、どうかしましたか」

男「ああいえ、そう言えばこうして誰かとまともに話をするのは久しぶりだなぁ、と」

女「え?」

男「それだけです。じゃあ、お休みなさい」

女「あ、お休みなさい」

46: 2011/09/19(月) 01:13:33.31 ID:G3dhPqPD0
女(・・・とはいえ。さすがに私は眠くないから・・・)ゴソゴソ

女(さっき買った週刊誌でも読もうかな)

女(何々・・・。『東●電力の裏事情』、『芸能界と裏社会』、『消えたヒーロー』・・・)

女「『消えたヒーロー』か・・・。そういえば、そんな人もいたっけね・・・」

週刊誌 記事 『消えたヒーロー』
 三月十一日の大震災後、被災地に妙な噂が流れた。『仮面ライダーのような仮面をつけた誰かが、人を助けている』と。
震災が起きる数ヶ月前まで大きく報道されていたタイガーマスク現象に似たようなものなのだろうか?記者が追った。
それによると、その男(?)の特徴は『仮面を被っている』、『バイクで走っていた』、『まさに仮面ライダーのようだった』というものだ
そして怪力やすさまじいジャンプ力で多くの人を救った、というものだ。・・・


女(都市伝説、かぁ・・・)

48: 2011/09/19(月) 01:17:07.02 ID:G3dhPqPD0
女(でも、もしそんなヒーローが本当にいたら、どれだけよかったかなぁ)

女(・・・みんな、死ななくてすんだよね)

女(でも、きっと・・・。きっとその人は、いい人だよね・・・)


三月十一日 福島県

女「・・・」

女「う・・・?何が・・・?」

おばさん「あ、女ちゃん!!女ちゃんしっかりして!!」

女「おばさん・・・?」

おばさん「よかった、目を覚ましてくれて・・・!あたしはもうダメかと・・・」

49: 2011/09/19(月) 01:19:35.40 ID:G3dhPqPD0
女「ここは・・・」

おばさん「あたしのうちだよ。何が起こったか分かるかい?」

女「えっと・・・。うち・・・、家にいて、突然揺れて、そのあと・・・」

おばさん「頭を打った?」

女「そう、ですね。何かが倒れてきて・・・」

おばさん「・・・いいかい、女ちゃん、落ち着いてよく聞くんだよ」

女「?なん、ですか?」

おばさん「あなたのうちはね、実は・・・」

51: 2011/09/19(月) 01:22:42.48 ID:G3dhPqPD0
女(・・・古い家だったからね・・・。二階にいたあたしは助かったけど・・・)

女(家族は、みんな・・・)

女(それに、狙ったように、親しい人たちも・・・)

女(一人ぼっち、だもんなぁ・・・)

女(堪えるよね・・・。村も、今じゃ立ち入りさえ・・・)

女「・・・ねぇ、どうして、その仮面ライダーは、私を助けてくれなかったのかなぁ」

女「私・・・」


男「・・・」

52: 2011/09/19(月) 01:25:33.21 ID:G3dhPqPD0
翌朝 とある寝台列車

女「・・・。ん・・・」

男「・・・」

男(カーテンも閉めないで、寝落ち、か)

男(『消えたヒーロー』・・・)

女「んぁ・・・?」

男「お早うございます。よく寝れましたか?」

女「・・・」ポーッ

男「・・・あの、女さん?」

女「・・・!!あ、おおおお早うございます!!」ガバッ!!

男「あ、そんなに早く起きると!」

ゴン!

女「」

55: 2011/09/19(月) 01:29:13.18 ID:G3dhPqPD0
男「寝ぼけていましたね」

女「はい・・・。恥ずかしい・・・」

男「週刊誌を読んでいたんですか」

女「あ、はい。いつの間にか寝ちゃったみたいで」

男「『消えたヒーロー』ですか・・・。一昔前に話題になった、『仮面ライダー』ですね」

女「ご存知なのですか?」

男「ちょうど俺が旅に出る頃にワイドショーなんかで大きく取り上げられていましたからね」

女「実話、なんでしょうか」

男「どうですかね。多少誇張されてるんじゃないですか?」

女「誇張?」

男「仮面をつけたやつはいたけど、別に怪力じゃなかった、とかですよ。あるいは顔が見えなかっただけかも」

女「・・・なるほど」

57: 2011/09/19(月) 01:32:02.45 ID:G3dhPqPD0
男「まぁいずれにせよ酔狂なヤツですよ。実在かどうかは置いておいても」

女「まぁ、都市伝説みたいなものですから」

男「さて、もうすぐ着きますよ。駅弁で何か食べましょうか」

女「あ、私が奢りますから」

男「・・・覚えていたんですか」

女「勿論です。すぐ支度しますから、待っていてください」

男「分かりました。俺は廊下にいますね」

女(・・・)

女(少なくとも、今は一人じゃない、よね)

58: 2011/09/19(月) 01:37:38.67 ID:G3dhPqPD0
『東京、東京・・・』

男「最終的にここに着きましたか」

女「振り出しに戻る、ですね」

男「まぁ、戻る気はありませんけど」

女「・・・そうですか」

男「好都合ですよ。ここからなら、どこにでもいけます」

女「そうですね。とりあえず・・・ご飯にしますか」

男「駅弁も旅の魅力の一つですね。並びましょうか。朝だからまだそんなに混雑していないはずです」

女「あ、私のおごりですよ」

男「強情ですね。では、お言葉に甘えます」

59: 2011/09/19(月) 01:40:07.63 ID:G3dhPqPD0
女「やっぱり豪勢にはらこ飯にしました」

男「俺はサバ飯です」

女「魚ですね」

男「お互いに。これは・・・なるほど、切れ目が入っていて、寿司のように食べるんですね」

女「おお、おいしそうですね」

男「はらこ飯もなかなかですよ」

女「値段も張りますけどね」

男「駅弁なんてそんなもんですよ」

ちょっと休憩します

63: 2011/09/19(月) 01:48:35.17 ID:G3dhPqPD0
支援感謝です

女「それで、この後は何に乗るんですか」

男「そうですね、また時刻表と相談、といきたいところですが」

女「?なんですか?」

男「女さん、失礼ですが、俺にいつまで着いて来る気なんですか?」

女「えっ?」

男「ああ、決して邪魔だとかそういう意味ではないんです。けど、俺なんかといつまでも一緒にいて、いいことないですよ」

女「そんなことないですよ。旅は道連れでしょう。それとも、私、うざいですか・・・?」

男「ですからそんな意味ではないんです。女さんがいいならそれはそれでいいんですよ。けど、それでいいのかな、と」

女「・・・正直分かりません。けど、こうしたほうがいい気がするんです」

男「気がする・・・?」

女「女の勘ですよ」

女(・・・今は、一人にしないでください)

64: 2011/09/19(月) 01:51:40.86 ID:G3dhPqPD0
男「まぁ、いいのならいいです。次は・・・そうですね、大宮まで行きましょうか」

女「大宮ですか?」

男「ええ、あそこならまた選択肢が多いですし、寄って見たい所もありますから」

女「とりあえずの目的地、ですか?」

男「そんなところですね。問題は大宮まで何で行くかですが・・・、適当に鈍行で行きましょうか」

女「分かりました。大宮ですね」

66: 2011/09/19(月) 01:59:00.82 ID:G3dhPqPD0
移動中 東京→大宮 京浜東北線

女「これが京浜東北線ですか・・・」

男「乗るのは初めてですか?」

女「はい、行きは新幹線と夜行バスとかだったので・・・」

男「そうですか、まぁ普通の電車ですよ」

女「ところで大宮で、どちらに寄られるのですか?」

男「ああ、ちょっと鉄道博物館に用がありましてね」

女「鉄道博物館ですか?」

男「ええ。まぁすぐに終わりますから、待っていてくれても結構ですよ」

女「いえ、私も行きますよ」

男「そうですか?あまり興味があるようには見えなかったのですが」

女「行くなら見てみたいですよ」

男「分かりました」

68: 2011/09/19(月) 02:02:42.71 ID:G3dhPqPD0
女「でもなんで鉄道博物館に?」

男「そうですね、好奇心でしょうか」

女「好奇心?」

男「半年近く電車に乗っていれば、多少興味がわきますからね。ついでの寄り道です」

女「そうですか。・・・ふふっ」

男「どうかしましたか」

女「いえ、意外と子供らしいところもあるんだな、って」

男「元々バイクとかそういうのが好きですからね。メカ系統が好きなんですよ」

女「あ、ごめんなさい。気に障りましたか・・・?」

男「いえいえ、平気ですよ」

70: 2011/09/19(月) 02:05:52.03 ID:G3dhPqPD0
男「大宮からモノレールで一駅みたいですね」

女「も、モノレールですか?」

男「どうかしました?」

女「いえ、乗った事がないものですから・・・」

男「はは、普通の電車と同じですよ、多少高いところを通りますが、新幹線と同じです」

女「そう、ですか・・・」

男「・・・もしかして、高所恐怖症ですか?」

女「・・・実は。旅に電車とバスを使ったのも、飛行機に乗れないからなんです」

男「あー、そういうことでしたか・・・」

『次は大宮、大宮でございます。・・・』

71: 2011/09/19(月) 02:08:57.87 ID:G3dhPqPD0
移動中 大宮→鉄道博物館

男「一駅ですから、すぐですよ」

女「い、意外と揺れますね」

男「?そうですか?普通列車と大差ありませんけれど・・・」

女「いや揺れてますよ、絶対」

男(高所補正か・・・)

男「すぐ着きますから、我慢してください」

女「ぅ・・・。はい・・・」

女(新幹線て揺れないから平気だけど・・・。これは少し苦手・・・)

72: 2011/09/19(月) 02:12:35.73 ID:G3dhPqPD0
女「いきなり汽車が壁からはみ出てる」

男「D-51。デゴイチですね」

女「へぇ・・・。ここが鉄道博物館・・・」

男「さて、入りますか。入館券は・・・」

女「スイカになってるんですね」

男「すいか?・・・ああ、あの『ピッ』てヤツですか」

女「名前知らなかったんですか・・・」

男「些細なことです。・・・多分。行きましょうか」

73: 2011/09/19(月) 02:15:21.12 ID:G3dhPqPD0
・・・

男「一通り見ましたね」

女「この奥にも何かあるみたいです・・・けど・・・」

男「『節電営業のため中断中』、ですか」

女「・・・」

男「行きましょうか。知りたいことは聞けましたから」

女「さっきJRのOBの方に何を聞いたんです?」

男「ああ、ちょっとした疑問ですよ。さて、何かお土産でも買いますか?」

女「お土産、ですか・・・」

女(渡す人、いないけどなぁ・・・)

74: 2011/09/19(月) 02:19:02.52 ID:G3dhPqPD0
男「・・・で、それを作ってもらったわけですか」

女「記念ですから。いいアクセサリーですよ」

男「ネックレスにしたんですか。印刷されているのは、ゼロ系ですね。それに今日の日付」

女「と、名前です。これは私の。そして、こっちは男さんのです」チャラ・・・

男「俺の、ですか?わざわざ作ってもらったのですか」

女「記念ですから」

男「・・・あり、がとう」

女「ゼロ系でよかったですか?」

男「・・・はい。とても・・・嬉しいです」

76: 2011/09/19(月) 02:24:38.95 ID:G3dhPqPD0
大宮駅

男「さて、ここからどうしましょうかね」

女「時間は、まだ余裕がありますね」

男「たまには新幹線など使いますか」

女「新幹線ですか。どちらにいかれますか?」

男「そうですね・・・」

男(福島・・・はまずいな。かと言って・・・うぅむ・・・)

女「なら、仙台でいかがですか?」

男「・・・、仙台、ですか?」

女「ええ、今の時間からならちょうどいい時間に着きますし、それに・・・一度行って見たいんです」

男「・・・。分かりました。そうしましょう」

男(仙台、か・・・)

79: 2011/09/19(月) 02:30:55.41 ID:G3dhPqPD0
男「仙台に来たい理由でもあるんですか?」

女「ええ、まぁ・・・。両親が昔住んでいた場所らしいんです。といっても、一年ちょっとみたいですけれど」

男「そこを見たい、と・・・?」

女「それに、あの石巻にも近いですから」

男「!」

女「私たちの村と同じくらいの被害を受けた街です。どうなっているのか、気になります」

男「・・・」

女「復興に向けて動いている町、それは私にとってある意味希望の町です。復興が出来るんだ、と」

男「・・・そう、ですか」

女「手伝えることは、何かしたいですし・・・」

男(・・・)

80: 2011/09/19(月) 02:33:38.18 ID:G3dhPqPD0
移動中 大宮→仙台 新幹線E5系 はやぶさ車内

男「これがはやぶさですか」

女「揺れないし静かですね・・・」

男「ええ、快適ですよ」

女「・・・男さん、一つ、聞いてもいいですか」

男「なんでしょう」

女「あの、もしかして石巻に行かれたことがおありですか?」

男「・・・。なぜですか?」

女「いえ、そんな気がしたので・・・」

男「・・・」

83: 2011/09/19(月) 02:38:50.58 ID:G3dhPqPD0
男「ええ、あります。それも・・・震災後に」

女「・・・そうでしたか・・・」

男「ひどい有様でした。津波が、何もかも持っていってしまいましたから・・・。人も、建物も」

女「・・・」

男「・・・でも、当時仙台にいた人やその周辺にいた人がそういう大変なことになっていると知ったのは、数日後のことでした」

女「数日後・・・?」

男「停電で情報は断裂、新聞による断片的な状況でしか状況が分かりませんでした。原発のことも、何も」

女「それは・・・私もです。といっても、私は数日の間気絶したままでしたけれど・・・」

女(事実を聞いた後、に・・・)

男「・・・」

85: 2011/09/19(月) 02:43:27.80 ID:G3dhPqPD0
女「男さん、あの日はどちらにいたんですか?」

男「・・・仙台です。その直後、バイクで石巻に向かいましたが・・・。すでに津波到達後でした」

女「直後に・・・?」

男「できるだけ急いだのですが・・・間に合いませんでした」

男(・・・そうだ、間に合わなかった。遅すぎた・・・)

女「・・・」

女(もしかして、男さんも誰かを・・・)

男「・・・暗い話になってしまいましたね。やめましょうか、この話は。それより、今日はホテルに泊まりましょうか」

女「え?」

男「・・・いやあの、勿論別室ですから。女性が二日間も風呂なしではいけませんよ」

86: 2011/09/19(月) 02:47:16.12 ID:G3dhPqPD0
『~♪まもなく仙台です。JR線お乗換えの方は・・・』

男「あっという間ですね。さすが新型は違います」

女「ええと、それでホテルに行くんですよね」

男「ええ。最寄のホテルでいいですか?」

女「ああはい。でもその前に、ご飯を食べたいのですが」

男「ああ、いいですよ。また駅弁にしますか?」

女「いえ、今度はもっと軽いものでいいですよ。ファストフードとか、ラーメンとか」

男「まぁ着いたら考えましょう。近くにあるといいのですが」

87: 2011/09/19(月) 02:51:44.51 ID:G3dhPqPD0
仙台駅内 マック

女「ありましたね、駅中にマックが」

男「まぁ立ち食いそばでもよかったのですが」

女「ええと、私はテリヤキセット、ジンジャエールで」

男「俺はビックマック、お茶で」


女「ホテルはどこにしますか?」

男「さっきちらっと見たところ、すぐそこにホテルがありました。そこでいいかと思いますが」

女「そうですね、じゃあそうしましょう」

男「・・・ところで、石巻に、行かれる気ですか?」

女「・・・そうですね。私は、行きます」

88: 2011/09/19(月) 02:55:34.39 ID:G3dhPqPD0
男「しかし、仙台と石巻を結ぶ仙石線は途中までしか運行していませんよ」

女「そうなんですか?」

男「レールも流されましたから」

女「あ・・・」

男「まぁ、行く手段がないわけではありません。電車は使えませんけれど・・・」

女「バスですか?」

男「・・・いえ、俺がバイクを運転します。それに乗せますよ」

女「え?でも、男さん・・・」

女(誰かを石巻で失っているなら・・・そこに行くのは辛いんじゃ・・・)

男「何か?」

女「・・・いいんですか?」

男「ええ、大丈夫です」

男(いい加減、逃げ回るわけにもいかない・・・のかもしれないな)

91: 2011/09/19(月) 02:58:59.65 ID:G3dhPqPD0
ホテル 男の部屋

男(・・・)

男(石巻・・・か)

男(俺がここにいる、それに何か意味があるとしたら、それはきっとあの日・・・)

男(けど俺は・・・、間に合わなかった・・・)


同 女の部屋

女(男さんは、きっと石巻で誰かを失っているんだ)

女(それで、きっと旅に出た・・・。私と同じように)

女(けど・・・。もう一度、その場所に行こうとしている)

女(いつまでも、逃げてちゃ、目をそらしてちゃ、ダメなんだ・・・)

94: 2011/09/19(月) 03:07:29.43 ID:G3dhPqPD0
翌日 とあるアパート前

男「さて、久しぶりだが・・・。動いてくれよ」カチャッ・・・

・・・ドウンッ!!ドウン、ドウン!!

男「・・・ああ、まだ動けるよな。俺も、お前も」

大家さん「おお!!元気そうだな!」

男「大家さん!!お久しぶりです」

大家さん「どこに行ってたのかと心配してたんだぞ!元気そうで何よりだけども」

男「ええ、ご心配おかけしました。けど、また行って来ます」

大家さん「はははっ、若い者はその位がちょうどいい!行って来い!」

男「じゃあ・・・。失礼します、立花さん」

大家さん「ああ、行って来い。留守は任せな。地震なんかに、俺たちは負けないからな」

ドウン!!オオオオオオオン!オオオオオン・・・

95: 2011/09/19(月) 03:11:19.47 ID:G3dhPqPD0
ホテル 女の部屋 扉の前

ピンポーン
男「・・・」

男「また寝ぼけてるな・・・。いやそもそも起きていないか・・・」

ピンポーンピンポーン・・・

男「・・・」

・・・

ガチャ

女「・・・」ぽわーん

男「あの、もしもし?大丈夫ですか?」

女「・・・」

男(・・・完全に寝ぼけてる)

女「っ!?あ、あれ!!男さん!?」

男「はい男です。お早うございます」

女「お早うございま、って私こんな格好で!!すいあmせん少し待ってください!!」バタン!!

男「・・・」

98: 2011/09/19(月) 03:14:04.41 ID:G3dhPqPD0
女「・・・失礼しました」

男「ああいえ、どうぞ気になさらずに。いやむしろすいません」

女「いえ、あのこちらこそ。そ、それで、バイクは・・・」

男「もう取ってきました。駐車場にあります」

女「・・・じゃあ」

男「はい。行きましょう、石巻に」

女「・・・」コクッ

男(そして、振り出しに戻る、か・・・)

100: 2011/09/19(月) 03:17:10.25 ID:G3dhPqPD0
移動 バイク 仙台→石巻

男「仙石線のレールに出来るだけ沿って行きます。一応、途中までは動いていますし」

女「分かりました。あの、ヘルメットはこうであってますか?」

男「ええと・・・はい、合ってます。じゃあ後ろに乗ってください」

女「えと、どこに捕まれば・・・?」

男「ああ、俺の腰に手を回してください」

女「えっ」

男「ですから、俺の腰に手を回してください」

女「」・・・///

102: 2011/09/19(月) 03:20:56.06 ID:G3dhPqPD0
移動中

女(うぅ・・・。少し照れる・・・)

男「ん、ちょうど見えました。あれが仙石線です」

女「あれですか。ずいぶんとイラストが書かれてますけれど・・・」

男「ああ、石巻は石森章太郎の生地ですから、そのキャラクターですね」

女(あれは確か・・・ロボコン。あの二色のヤツは・・・なんだっけ・・・)

女(あ、あれって確か仮面ライダーだよね・・・)

女(じゃあ、仮面ライダーを生んだ人が生まれた所なんだ・・・)

男「・・・」

104: 2011/09/19(月) 03:24:39.31 ID:G3dhPqPD0
オオオオオオン、オオオオオオオオオオオン・・・

男「・・・ねぇ、女さん。俺前に、自営業だって言いましたよね」

女「?はい、そう聞きました」

男「あれ、少し語弊があるんです」

女「語弊ですか?」

男「ええ。多分一般のの人が思ってる自営業とは少し違うと思うんです」

女「どういうことですか?」

男「・・・着いたら詳しく話します。今はとにかく石巻に行きますから」

女「は、はい!」

108: 2011/09/19(月) 03:28:44.06 ID:G3dhPqPD0
女「・・・これが・・・」

男「・・・」

女「そんな、あれから半年なのに、まだ・・・」

石巻 高台

男「これでもマシになったんですよ。瓦礫や、ゴミがだいぶ片付けられたから」

女「・・・」

男「福島の非難区域内に比べたら、まだいい方ですよ」

女「!もしかして、気づいて・・・?」

男「まぁ・・・なんとなくそんな気がしていました。寝台列車で、あなたが寝言を言っていましたし」

女「は、恥ずかしい・・・」

男「・・・あの日、この町で何人の人間が亡くなったのか、俺にはわかりません」

男「俺が来たときには、すでに遅かったんですよ。すべては水の中でした」

112: 2011/09/19(月) 03:36:54.86 ID:G3dhPqPD0
女「あの・・・失礼ですけど、やっぱり、誰かを・・・?」

男「・・・そうでもあるし、そうではないとも言えます。説明しにくい節があるのは事実です」

女「・・・?」

男「町に下りましょうか」

・・・

男「ここもかなり綺麗になりました。駅前のこの辺もぐしゃぐしゃでしたから」

女「もう、再開しているお店もあるんですね」

男「ええ。まだ復興はしていませんが、復興に向かおうとしています。日常を取り戻そうとしています」

女「これは・・・漫画の原画・・・?」

男「ええ。石森章太郎の複製原画です。今町をあげて復興に向かっているんです」

女「・・・」

男「福島もそうです。放射能は確かにどうしようもないけれど、それで諦めてはいけないですよ。だって生きているんですから」

女「っ・・・」

男「きっと長い戦いになります。けど、生きています。あの日を生き延びました。なら、あなたがたに希望はあります」

女「ぅ・・・ぅっく・・・」

116: 2011/09/19(月) 03:42:02.43 ID:G3dhPqPD0
男「俺は間に合わなかった。確かに何人かは救えたけれど、その倍以上の人を救えませんでした」

男「俺はその事実から逃げたんです。時代に望まれていたはずなのに、その任を果たせなかった」

女「男・・・さん・・・?」グスッ

男「でも、あなた達なら。俺みたいに迷うことがあっても、前に進めるはずです。それが、強さですよ」

男「俺にはない、強さです」

女「・・・」

・・・カタ・・・カタ・・・

カタ・・・カタカタカタ・・・!

女「!?じ、しん・・・!」

男「・・・大きい、これは・・・!」

ガタガタガタ!!!

『うわっ、でかいぞ!』『外に逃げろ!!』『窓開けろっ!!』

118: 2011/09/19(月) 03:45:39.66 ID:G3dhPqPD0
ミシミシッ!!

女「キャッ・・・!?」

男「建物が!?」

女「く、崩れ・・・!!」

子供「うあああああああああ!!」

・・・・・

女「止まった・・・?」

男「震度五ってところ・・・?」

女「あ、さっきの家・・・。玄関が、潰れて・・・。中に子供が、」

『おい、生きてるか!』『燃えてる!燃えてるぞ!!』『火事だっ!!』

男「っ!?家の裏手から・・・!?」

120: 2011/09/19(月) 03:49:28.13 ID:G3dhPqPD0
女「そんな、この家には子供がいます!!」

男「玄関、は潰れています。子供はどこに!?」

『多分二階だ、子供部屋だ!!』『泣き声がする、まだ生きてるぞ!!』『梯子持って来い、窓から入れ!!』

女「煙がもうこんなに!」

男「火の手が早い、間に合わないっ!!」

女「そんな、どうしたら!!」

男「・・・」

女「男さん!?」

男「・・・そうか・・・。『時代が望むとき、仮面ライダーは必ず蘇る』・・・。そういうこと、なんだな」

女「なにを!?」

男「―――変身」

121: 2011/09/19(月) 03:49:53.41 ID:25bhqFo70
え?

122: 2011/09/19(月) 03:50:08.34 ID:WeLK/6sQ0
きたああああああ

123: 2011/09/19(月) 03:50:23.35 ID:sydr6Hyh0
超展開

124: 2011/09/19(月) 03:50:41.13 ID:r+5fFBJXi
さあ、お前の罪を数えろ

132: 2011/09/19(月) 03:57:04.37 ID:G3dhPqPD0
翌日 朝刊
『火事から子供救う 仮面ライダー!?』
昨日の余震と見られる地震で起きた火災から子供が一人救出されたが、その救出をした男が、目撃者によると仮面ライダーそっくりだったという。
真偽のほどは定かではないが、その場にいた目撃者全員がその人物を「仮面ライダーだった」と証言。警察はこの男を捜しているが正体は不明のままだ。
なお仮面ライダー男については、震災直後の石巻で何度か目撃されており、それらとの関連性も・・・


女「結局、男さんはそのまま姿を消してしまいました。
彼が何者だったのか、分からないままです。でもあの後、石巻では度々仮面ライダーが目撃されているらしいです。
私はそのまま石巻に残って、復興を手伝っています。いつの日か、福島のあの地に帰れると信じて。
仮面ライダーがなぜ現れたのかは分かりませんが、それでも彼は今日もどこかで人を救っています。
先日、放置されたままの仙石線車両がなぜかレールに復帰した状態で発見されたのも気になっています。
時代が望むとき―――。その意味は、きっといつの日か分かると思います。
そして、私の旅もまだ少し続きそうです。だって、あそこに帰るまでが旅ですから

134: 2011/09/19(月) 04:01:28.48 ID:G3dhPqPD0
女「でも、彼本当に仮面ライダーだったんでしょうか。それは分からないままです。
でももし本物だったとしたら、奇跡なんでしょうね。でも彼の存在が、希望になっているのは間違いありません。
あ、もしどこかで仮面ライダーを見かけたら。きっと何かのために戦っているんだと思います。


福島 南相馬 
福島原発(避難区域内)

?「・・・放射能、か」

?「生身の人間には、危険かもしれないが」

?「時代が望む限り。仮面ライダーは、死なん」

End・・・?

136: 2011/09/19(月) 04:02:49.68 ID:OjvzVhWX0
超展開wwww
だが、嫌いじゃない

138: 2011/09/19(月) 04:05:03.18 ID:G3dhPqPD0
以上ですね
あれです、もし今この世界に仮面ライダーがいたらっていう妄想を膨らませてしまいましたすいません

でも彼ならこれくらいやってくれそうじゃないでしょうか
ちなみに自分は仙台に住んでいます。生まれは福島です
仮面ライダーに限らず、ヒーローは希望になるんじゃないかと思います
実際、南相馬や石巻の現状は復興「中」です
これからもまだ時間がかかると思います
でもいつか必ず復興すると信じています

139: 2011/09/19(月) 04:06:50.25 ID:AJGK2TRK0
おつかれ、たまにはこういうのもいいなぁ

140: 2011/09/19(月) 04:07:42.13 ID:2Yr726SA0
何か途中まで良い感じにゆるいロードムービー見たい感じだったのにな・・

142: 2011/09/19(月) 04:09:56.21 ID:G3dhPqPD0
正直、最初はただのコメディだったんですが・・・
石巻絡ませよう→石巻っていえば石森先生→仮面ライダー
というマジカルバナナ展開
正直ワケ分からなくなってしまった節はあります。それは自分の技量不足ですすいません

でも、こういうヒーローがいてくれたら・・・。そう思ってなりません
ここまで付き合ってくださりありがとうございました

146: 2011/09/19(月) 04:19:08.27 ID:MuBIDJIk0
>>142
乙!

面白かった

149: 2011/09/19(月) 04:28:27.84 ID:Hns/QYjM0
俺もライダーになる!

>>1

引用元: 男「切符、落としましたよ」 女「えっ」