1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 21:46:18.51 ID:/uqCGqQq0
「おい、のび太!」
飲めない酒をちびちびと端っこの席に座って飲んでいると隣から呼ぶ声がした。
ふっと視線を横にやると、ジャイアンがこっちにゆっくりと向かってきた。
ジャイアン「久しぶりだな」
懐かしい顔だ。何年ぶりだろう。
のび太「久しぶり」
少し間をおいて、僕は笑顔で返答をした。

ジャイアン「おまえ、大学行って環境保護の勉強してるんだってな。馬鹿なおまえが行ける大学ってあったんだな、ハハ」
のび太「そうは言うけど、そこそこ勉強したつもりだよ。中学3年の時の僕の成績の上がり具合はジャイアンも知ってるだろう?」
ジャイアンとは中学まで一緒だった。高校は別々になり、中学卒業以来仲が悪くなったわけでもないのに何故だか会わなかった。
そして、今日、小学校の同窓会で再会を果たした。
別になにか約束があったわけでもないけど、なんだか満足感があった。
ジャイアン「そうだな、おまえは馬鹿な割にはよく頑張ってたぜ。それに比べて俺はよ・・・」
のび太「ジャイアンは高校卒業してどうしたんだい?」
ジャイアン「八百屋をついだよ」

のび太「そっか・・・」
あの頃の懐かしい思い出が心を撫でる。
周りを見渡せば顔馴染みが笑いながら会話をしている。

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 21:47:39.89 ID:X8zKMsIqO
八百屋?

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 21:47:51.16 ID:/uqCGqQq0

のび太「そういえば、スネオとしずかちゃんは?出来杉とかとはさっき話してたんだけどさ」
ジャイアン「スネオも俺と同じで遅れてくるはずだぜ。しずかちゃんは・・・どうしたんだろうな」
のび太「連絡取ってないの?」
ジャイアン「いや、取ってはいたんだけどな・・・」
僕はしずかちゃんと連絡を取っていなかった。彼女も中学までは一緒だったが高校は女子高へ行ってしまい、僕にとっての初恋は実ることなくアクションを起こすことなく記憶の彼方にしまわれた。
小学生から中学生へ成長していくにつれ、仲が良いのは相変わらずだったが恋心が故、僕は話しかけることすらできなくなっていった。
彼女が僕のことをどう思っていたか知らないが、きっと別の男でも好きになっていることだろう。

ジャイアン「おい、聞いてるか?」
のび太「え、あ・・・なに?ごめん、聞いてなかった」
ジャイアン「ったく、だからよ、今度会いに行くか?しずかちゃんに?」
のび太「ええ、いいよ、男共で押しかけても迷惑だろ」
ジャイアン「なに言ってんだお前!将来、しずかちゃんと結婚するんだろ!連絡取ってないってどういうことだよ!なんで、そんなにやる気ねぇんだ!」

どういうわけかジャイアンは怒った。

確かに小学校の頃、ドラえもんという未来から来た猫型ロボットの報告で僕はしずかちゃんと結婚することになっていた。

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 21:48:32.27 ID:3YbEPwtKO
八百屋じゃねぇよ、八百屋はキテレツの方だ

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 21:49:26.45 ID:/uqCGqQq0
>>6
言い訳するとどっちのパターンもある。

確かに小学校の頃、ドラえもんという未来から来た猫型ロボットの報告で僕はしずかちゃんと結婚することになっていた。
しかし、どういうわけか、今はこの有様だ。
確かに僕は告白する努力をしなかった。淡い気持ちを心のなかで転がしているだけだった。
未来が変わったのか。
それとも変わってないのか。
未来の見えない僕には分からない。

スネオ「あージャイアンにのび太!久しぶりだなあ!遅れて、ごめんごめん」
少し甲高い男の声が聞こえ、スネオの姿が見えた。
ジャイアン「スネオ!なんか、お前立派な服着てやがんな」
のび太「大学行ってるんだろ?金持ちだなー」
スネオ「今日ぐらいは良い服着てけって母親がさ、生ビールひとつください」
そういうとスネオは僕らの向かいにゆっくりと腰を下ろした。

スネオ「そうえいば、しずかちゃんは今日は来ないらしいね」
のび太「えっ?どうして?来てないとは思ってないけど」
スネオ「んーなんか最近連絡が取れないらしいよ、他の子も」
ジャイアン「“も”ってことはお前も取れなくなったんか」

スネオ「うん。まあ、大丈夫だとは思うけど、ちょっと心配だな。大学に進学はしたらしいし・・・」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 21:54:11.78 ID:/uqCGqQq0

のび太「ただいまー」
東北の大学に通っているので僕は一人暮らしをしている。だから同窓会の帰り、今日は実家に泊まることにした。
「あら、のびちゃん、同窓会どうだった?」
のび太「うん、楽しかったよ。しずかちゃんがいなかったけど」
「そうーお茶でも飲んでゆっくりしてなさい」
のび太「うん。ちょっと部屋に荷物置いてくるよ」
そう言って階段をひとつづつ昇る。
ちょっぴり胸が切なくなる。
アイツがいないのが分かってるからか。

のび太「ただいま・・・っているわけないか」
畳のしかれたその部屋は数年前と変わらず同じ匂いがした。
窓から見える景色も変わっていない。
なにも変わっていないはずの空間が、少しだけ切ない。

机の引き出しをあけると、そこには色の無い異空間が広がっていた。

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:01:59.22 ID:/uqCGqQq0


「僕はそろそろ帰るよ、君も十分大人になった」
「大人って・・・まだ中学三年だよ?そんなのズルイよ!待ってよ!」
「大丈夫、君はきっと上手くやってる。僕はそれを知ってる」
「そんなの勝手だ!いいよ、タイムマシンで向こうに遊びに行くから」
「ごめん。酷いことは承知の上だけど、タイムマシンは持っていくよ。だから机には異空間が残るだけだ」
「そんな・・・」
「間違ってもこの中に入ったりするなよ、どの時代に行くか分かったもんじゃない。できれば、この穴も消したいんだけど、僕だって君との繋がりは消したくないから」
「・・・」
「この机の引き出しが、僕と君との日々があった証拠だ。また会おう」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:06:29.74 ID:/uqCGqQq0

「のびちゃん?もう朝よ」
「え、ああ?」
目が覚めると外には朝日が昇っていた。いつの間に。
のび太「春休みだから、しばらくここにいるつもりだよ」
「あら、そう。ゆっくりしていきなさいね」
焼かれたトースターにバターを塗る。
いつも遅刻ギリギリで大学へ行くので朝食をゆっくり食べる暇もなく、こんな優雅なのは久々だ。
のび太「しずかちゃんの様子でも見に行くかな」
なんとなくそう思った。
心配だからとか、そういうのじゃない。
なんとなくだ。

そうこうしているうちに僕はスニーカーの紐を結び、家を出てしずかちゃんお言えの方向に歩いていた。

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:10:42.95 ID:/uqCGqQq0
―ピーンピーン
のび太「いないのかなあ・・・実家で暮らしてるはずってスネオから聞いたけど」
「はーい」
家の中から声がした。しずかちゃんの母親だ。
「あら、えっと・・・」
のび太「のび太です、野比のび太。お久しぶりです」
「あら!のび太君?大きくなったわね!静香なら部屋にいるわよ」
のび太「あ、そうですか」
「あがっていく?きっと静香も喜ぶと思うわ」
しずちゃんの母親の言葉に偽りはなさそうだし、しずかちゃんも元気そうな雰囲気だったので僕はほっとした。

「二階の―あ、場所は分かるわよね、行ってて頂戴」
のび太「はい、じゃあ、あがらせてもらいます。おじゃましまーす」

しずかちゃんの部屋の扉の前に立ち呼吸を整えてノックをした。
「のび太だけど、入っていいかな?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:15:02.48 ID:/uqCGqQq0
「のび太だけど、入っていいかな?」
「の、のび太さん?ほ、本当なの?」
驚いた声と同時にドアが開いた。突然の事によほど驚いたらしい。
しずか「ほ、本当にのび太さんだわ。どうしたの?」
のび太「どうしたの、って同窓会に来なかったじゃないか。元気そうでなによりだけど」
しずか「あ、ああ、そうね・・・」
その返事はどこか雲掛かっていた。
しかし、しずかちゃん本人はとても美人になっていて未だに可愛さも健在だった。
どこか胸が疼く。

しずか「部屋に入って、ちょっと汚いけど」
のび太「うん。ところで、大学に通ってるんでしょ?」
しずか「そうよ、ここから」
のび太「大学が忙しくて来れなかったとか?」
何度も何度も同窓会の話題を出すのはしつこいと思ったが、僕はさりげなく聞けるほど話も上手くないので率直に聞いた。
少ししずかちゃんは渋ったような顔をして言葉をつまらせた。
のび太「それとも言えない事情でもあるの?」

その空気を破るようにしずかちゃんの母親が入ってきた。
「どうぞ、これお菓子。ゆっくりしていってね」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:19:01.65 ID:/uqCGqQq0
しずか「ううん。言えないわけじゃないわ。のび太さんがわざわざ来てくれたし、これは言わなきゃいけないかもしれないわね」
深刻な話を出しそうな雰囲気なのは百も承知で僕はしずかちゃんの母親が持ってきた饅頭に手を出した。
美味しいね、とは言わなかった。
あんこが美味しかった。

しずか「実はね、私。付き合ってる人がいるの。まだまだ早いけど結婚も考えてる」
のび太「え?」
餡子の味が一気に消えた。
口の中がピリピリと変な感触に覆われる。
別に目の前にいる相手がただの初恋の人ってだけなのに、ショックは大きかった。

しずか「ごめんなさい、こんなこと・・・こんなことね、のび太さんに言うことじゃないんだけど。ほら、ドラちゃんが・・・」
のび太「・・・うん」
しずか「ドラちゃんが、のび太さんと私は結婚するんだ!みたいな事言ってたから、違う人と付き合ってる自分が申し訳なくてのび太さんに会いに行く勇気がなかったの」
しずかちゃんなりの優しさなのだ、と僕は思った。
僕は現在しずかちゃんに恋をしてるわけじゃないんだし、そんなこと気にしなくていいのに。
そう言ってやりたかった。

しずか「でも今日のび太さんが会いに来てくれて本当に嬉しかった。だって友達だもの。だから、ちゃんと伝えようと思って」

だって友達だもの、その一言が僕らの距離をより一層離した、そんな気がした。

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:23:20.36 ID:/uqCGqQq0
のび太「ドラえもんの言ってた未来なんて本当かどうかわからないんだ、気にするなよ」
しずか「でも・・・」
のび太「僕はしずかちゃんが幸せならそれでいいと思ってるんだよ。でも結婚式には呼んでね」

それが精一杯のつよがりだった。
やっぱりまだ好きなのかもしれない。
まだ誰とも付き合ったことのないウブな僕にとってはこれが恋心なのかさえ分からなくなっていた。
しずか「そんな、まだ早いわよ。でもね、本当、彼はいい人で・・・のび太さんにも紹介したいわ」

しずか「・・・あ、ス、スネオさんやたけしさんは元気?」
場の空気を取り戻すようにしずかちゃんが続けて言った。

のび太「あ、ああ元気だよ。それで、今度しずかちゃんに会いに行こうって話してたんだ」
しずか「そうなの。もしよかったら今度みんなで会わない?私、みんなの顔が見たいわ」
のび太「そうだね、実は、明日みんなでしずかちゃんに会おうって言ってたんだ。だからしずかちゃんがよければ、明日にでも」
しずか「本当に?嬉しいわ。ちょっと予定確かめてみて夜にのび太さんに電話するわね」
のび太「分かった」

その後、いろんな世間話をして、僕らは別れた。
しずかちゃんは相変わらず可愛かった。
帰り道に見た夕焼けも相変わらずオレンジ色に空を染めて優しい風を吹かせていた。

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:28:45.61 ID:/uqCGqQq0


家に着いた僕はふいに引き出しを覘く。
のび太「アイツ・・・どういうことだよ。結婚するんじゃないのかよ・・・」
ドラえもんが言った「僕としずかちゃんは結婚する」という揺るぎのないように見える未来に甘んじていたのは確かだ。
連絡を取らなかったのも、どこかでなんとかなるだろうと思っていたからだ。
けれど、これはあまりにも残酷すぎる。
のび太「酷いよ!」
机を思い切り叩くが、机を叩いたその鈍い音は誰に向けられるものでもない。
すべては自分だった。
のび太「しずかちゃんと結婚しないなら、僕はいったいどうなるんだ!」
別に彼女がすべてじゃない。

それは分かってる。

机の引き出しの異空間が僕を惑わせる。
ああ、ここに飛び込んで知らない世界にでも行ってしまおうか。
「ん?まてよ・・・なんかおかしいぞ・・・?」

夜が街に訪れる頃、僕は不可思議な事実に気づいた。

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:31:19.62 ID:/uqCGqQq0
のび太「セワシってのが居たよな。野比セワシ。アイツは・・・確か僕の孫の・・・孫だろ?」
のび太「いやいや、まてまて。その前にノビスケってヤツがいたな。アイツは俺の息子だろ?」
ご飯よーという母親の声がしたから聞こえる。
のび太「ノビスケはしずかちゃんと僕の間の子供だ」
のび太ーという母親の声が下から少し怒り気味で聞こえる。
のび太「わかったー今行くよー」

つまり、だ。
しずかちゃんと結婚しないことでノビスケはいなくなる。
すると、セワシもいなくなるんじゃないのか?
それともセワシはしずかちゃんの遺伝子はまったく継いでない別の誰かの子か?
しかし、そうなるとドラえもんは未来から来ないことになる?

のび太「頭が混乱する・・・考えるのはやめよう・・・」

もともと馬鹿な僕だ。
もうどうだっていいや。


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:34:10.17 ID:/uqCGqQq0
夕飯のハンバーグは美味しかった。
まだまだ自分も子供だな、そんなことを思いながら自分の部屋のドアを開ける。

「!?」
「やあ」
「どうして・・・?」
「君がいま疑問に思っていることに応えようと思ってね」
「しずかちゃんのことか?」
「ああ、そうだよ。結論から言うと、未来というのはパラレルワールドだ。よってノビスケはいなくなるが、結果的にセワシは生まれるんじゃないかな」
「パラレルワールド・・・?」
「馬鹿は健在のようだね、つまりだ。僕がここに最初に来たとき、君はジャイ子と結婚する予定だったろう?写真も見せたね?」
「そっちの未来にまた曲がって行ってるってことか」
「そう、ジャイ子かどうかは分からないけど、君はまたしずかちゃんと結婚できない未来へ進もうとしている」
「・・・」
「まあ、いいんだよ。君は僕がいなくなったことで勉強に打ち込み、そこそこいい高校に行き、大学へ進んだ」
「・・・」
「未来の孫たちも満足だと思うよ、君は立派な大人になる。しずかちゃんよりいい女性と出会うかもしれない」

のび太「なら、君はどうして戻ってきたんだ?ドラえもん」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:37:57.37 ID:/uqCGqQq0

長い時を経て再会し感動し涙する前に僕らは喧嘩から始まった。
ドラえもん「この説明をしに、だよ」
のび太「たったそれだけの為に・・・?僕としずかちゃんを結婚させに来てくれたんじゃないのか?」
ドラえもん「都合のいい解釈だな。それだから君はいけない」
のび太「だってそうじゃないか!前だって」
自分の悪い癖だというのはのび太も分かっていた。
すぐドラえもんに頼ろうとする、そしてそれにより自分の成長が妨げられていたのも高校受験のときに分かった。
僕はドラえもんとの別れを得ることによって、勉強に打ち込んだ。

ドラえもん「だいたい、いくら僕だってしずかちゃんと付き合っている恋人を切り離すのは気が向かない」
のび太「そりゃあ、僕だって二人には幸せになって欲しいけど」
ドラえもん「ふたりは愛し合っている」
のび太「君にしずかちゃんのなにが分かる」
ドラえもん「君は僕を誰だと思ってるんだい?」

少しの沈黙の後、重たい空気をより一層重たくするようにドラえもんが口を開いた。

ドラえもん「しずかちゃんは今、危険な状態にいる」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:42:49.92 ID:/uqCGqQq0

のび太「はあ?突然君はなんてことを言い出すんだ!話のつじつまがあっていないぞ」
ドラえもん「ふむ・・・そうだね・・・」
ドラえもんはその場で少し考え込んだ。
夜の闇が一層濃くなり明かりが照らすこの部屋も負けじと光る。
虫の声がかすかに聞こえる。

ドラえもん「僕は君に今回の件に関して手を貸さない、それだけは言っておく」
ずっと立っていたドラえもんと僕は静かに畳の上に腰を下ろす。
ドラえもん「今回は昔と違って恋愛が絡んでいる。恋愛は下手をすれば人の心に大きく傷をつけてしまうから、下手に僕も手を出せない」
のび太「そうだね」
ドラえもん「良くも悪くも人の人生の糧になる恋愛だからこそ、僕の秘密道具で未来や過去を変えてしまう、なんてことはしたくないんだ」
のび太「ああ、分かるよ」
ドラえもん「だから僕は君に助言だけしに来た。しずかちゃんは今の付き合っている人間と上手くいかない」
のび太「それで危険な状態にいるっていうのは?」
ドラえもん「・・・それは君自身で確かめるんだ」
のび太「確かめるってどうやって・・・」

ドラえもん「君が守りたいものはなんなのか、怠けた心をよーく解して考えろ」

ドラえもんはそう言い残して、すぐにその場から消えて言った。

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:46:46.51 ID:/uqCGqQq0
ここから展開が著しく酷くなりますので目を瞑ってお読みください。

ジャイアン「のび太ーおっせえぞ!」
裏山の麓でジャイアンが僕を呼ぶ。
のび太「ごめん、ちょっと昨日なかなか眠れなくて」
スネオ「なんだなんだ、小学生みたいにワクワクして眠れなかったか?」
のび太「ハハ、そんなとこかな・・・ところで、彼は?」
約束の場所には、僕とジャイアンとスネオとしずかちゃんと、あと一人見慣れない男がいた。
しずか「紹介するわね、私の彼氏、不浄ぬぐ雄さんよ」
のび太「ぬぐ雄さん?こんにちは」
いかにも高そうで派手な服を着て、金色のネックレスをした印象の悪い男だった。
まさかしずかちゃんがこんな人を好きになるなんて想像もしなかった。
スネオ「まさかのまさか・・・だろ?」
小声でスネオが僕に言う。
のび太「うん、そうだね・・・」

ぬぐ雄「しずか、これから皆で山登りだっけ?」
しずか「そうよ、この山じゃないけど、バスで行くわ」
ぬぐ雄「楽しみだね」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:48:23.61 ID:/uqCGqQq0
バスに乗って僕らは山頂まで約一時間半ほどの少し大きな山の麓に着いた。
山登りをするような格好ではないぬぐ雄に少し違和感を覚える。
そして、そんな男を連れてきたしずかちゃんにももっと違和感を覚えた。
しずか「ごめんね、のび太さんのことを話したら絶対に来たいって・・・」
のび太「僕のことを?」
しずか「そう・・・ドラちゃんのこととかいつもよく話してるから、気になるって」
のび太「そっか・・・」
しずか「もうドラちゃんはいないの、って言ってるんだけど、タイムマシンの話とか聞きたいとか言って・・・」

ドラえもんから昨日話を聞いたせいか、しずかちゃんの口からやたらと出る「いい人」にもなんだかよく分からない感触があった。

のび太「ああ、ドラえもんの道具があったら・・・」

ジャイアン「おい、のび太、なにしてんだ。置いてくぞ」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:50:01.69 ID:/uqCGqQq0

山登りは順調に進み、みんなで小屋で一休みすることになった。
のび太「ハァ・・・ハァ・・・もう無理だよ・・・」
僕の体力のなさは相変わらずで、学力は多少のびども体力はまったくだった。
ジャイアン「相変わらず体力ねぇな、もうすぐまた登りはじめるからな」
のび太「無理無理・・・」
スネオ「体力のない人間を登山で無理矢理登らせるのはよくないよ、山頂で待ってるからのび太の体力が戻ったら登ってきな」
のび太「うん、ありがと」

ぬぐ雄「あ、じゃあ、僕がのび太君と一緒にいるよ、道に迷ったら大変だからね」
ジャイアン「案内があるから道に迷うことはないと思うけど・・・」
スネオ「のび太ならしかねないよ、ハハ。じゃあよろしくお願いします、ぬぐ雄さん」
しずか「じゃあ、私も」
ぬぐ雄「しずかは先に行ってていいよ」

そして、ジャイアンとスネオとしずかちゃんは先に小屋を出て、山頂へと向かった。
僕は取り戻しかけていた体力の様子を少し見ることにした。

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:51:56.39 ID:/uqCGqQq0
ぬぐ雄「さて、本題に入るかい」
のび太「はい?」
ぬぐ雄「君のことだよ、しずかの浮気相手」
のび太「はあ?」
男は、わけの分からぬことを言い出した。
勘違いも程ほどにしてくれ。
違います、そういえば解決すると思っていた。

ぬぐ雄「いつもいつも静香は君の話をするんだ。それと、ドラえもんとかいうヤツ。これを浮気以外のなんだって言うんだい?」
のび太「どれだけ話してるのか知らないけど、それは浮気じゃない。僕は地方の大学に通っているからしずかちゃんと会う時間もないんだ」
ぬぐ雄「ドラえもんとかいうヤツの魔法の道具かなんかで会えるんじゃないのか?そうだ、どこでも・・・いつもドラえもんと一緒にいるんだろう?」
男は確かめるように僕に問う。

のび太「ドラえもんは未来に帰った。僕は秘密道具を持っていない」

いい加減にしてくれ、僕のほうが怒りそうだった。
話がめちゃくちゃにも程があるだろう。
嘘をついているのが良くわかるような、そんな口調だった。

ぬぐ雄「まあ、いい。とにかくもうしずかに近づけないようにしてやる」

展開が速すぎた。
あまりにも速すぎだ。
ドラマだってこんな飛ばし飛ばしに話は進まない。

男の手にはナイフが握られていた。

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:54:40.14 ID:/uqCGqQq0
のび太「ちょっと待ってくれ。だから、僕はなんにもしてない」
ぬぐ雄「どっちだっていい。俺はお前を―」
のび太「しずかちゃんの為か?お前は捕まるぞ?」
ぬぐ雄「なんとかなるさ」
のび太「無駄だ、無駄だ。ドラ―」

ドラえもんはいない。
分かっている。
分かっている癖にこんな時まで僕はこんなことを言うか。

ぬぐ雄「ハッハッハ。じゃあ、その魔法道具やらで生き返らせてもらえよ」
のび太「・・・」
ぬぐ雄「そうか、いないのか。彼はもういないのか!」

ナイフの刺さる音が鈍く小屋に響く。

ぬぐ雄「最後まで運のいいヤツめ!」
運がいいのか悪いのかかわしたナイフ小屋の壁に刺さった。
のび太「勘違いも程ほどにしろ!」
僕はできる限りの精一杯の力でぬぐ雄を殴った。
ドスッという重い音が手の甲に感触となって伝わる。
ぬぐ雄はその場に倒れる。」
のび太「僕はしずかちゃんのことが確かに好きだ。確かに好きだよ。けど、しずかちゃんの幸せを奪ってまで自分が幸せになろうだなんて思っちゃいない」
ぬぐ雄「人の幸せを奪って幸せになったヤツがなにを言っている」

ぬぐ雄はポケットから銃を取り出した。

なんでもありだな、そうのび太は悟った。

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 22:57:50.80 ID:/uqCGqQq0
ぬぐ雄「さすがのお前もこれで終わりだよ、終わりだ」
その時だった。
小屋のドアが開く音がした。

しずか「ちょっと二人ともなにやってるの!ぬぐ雄さん!」
驚いた様子でしずかちゃんは叫んだ。
ぬぐ雄「来てしまったか・・・近づくな」
ぬぐ雄はしずかちゃんに銃を向けた。
しずか「ど、どうしたの?」

ぬぐ雄「話せば長くなる。ただな、お前らが結婚したら困るから俺は未来から来た」
のび太「どういうことだ?」

ぬぐ雄「お前に話す必要はない」

しずか「ぬ、ぬぐ雄さん?」
震えた口調でしずかちゃんが言う。
ずっと穏やかなぬぐ雄を見てきたせいだろう。
今、目の前にいるぬぐ雄は出会った時と別人だった。
ぬぐ雄「黙らないとお前も殺すぞ」
男は銃口をしずかちゃんに向ける。

のび太「やめろ!まずは、まずは話をしようじゃないか・・・」
僕自身も足が震えていたが、それでもなんとかしないと、と思った。
ぬぐ雄「・・・俺のカーチャンは・・・お前に殺されたんだよ」
のび太「僕が・・・?」
ぬぐ雄「そして、この女にも、だ」
のび太「・・・?」
ぬぐ雄「お前ら夫婦に殺されたようなもんだよ」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:01:38.41 ID:/uqCGqQq0
ぬぐ雄「話は簡単だ。お前らも悪くないと言えば、悪くないかもしれないな。最終的には事故として処理されたよ」
のび太「・・・」
ぬぐ雄「お前が環境保護の実験の為に実験材料だかなんだか知らんが俺の母親達と樹海へ行ったんだ」
未来の僕がやっていることなんて全く想像もつかない。
ただ、未来の僕が過去の僕に影響を及ぼしているのはよくわかった。

ぬぐ雄「そして、研究途中に樹海で行方不明になった・・・責任者はお前だぞ!分かるか、なあ。」
男は銃を僕の胸に突きつけて服を乱暴に攫んだ。

ぬぐ雄「それは事故として処理された。しかし、俺にはどう考えたってお前らがいなきゃカーチャンは死ななかったと思えてしょうがないんだよ」
彼が怒りに満ちているのは僕はヒシヒシと感じた。
ぬぐ雄「だからよお、お前をここで殺しちまえば、俺の母親は生き返るんだよ!生き返るんだ!」

しずか「やめて、ぬぐ雄さん・・・」

しずかちゃんはその場で倒れこんで泣き出した。

昨日、ドラえもんから聞いた言葉を僕は思い出してしまった。

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:04:06.92 ID:/uqCGqQq0
のび太「生き返らないよ、君の母親は」
僕はなるたけゆっくりと落ち着いて言葉を発した。
ぬぐ雄「なんだって?」
のび太「君もタイムマシンに乗ってきたならよくわかるだろ」
ぬぐ雄「・・・」
のび太「パラレルワールドだよ、君は君の母親がいない時間を生きているんだ。だから、僕を殺したって未来は変わらない」

確証はなかった。
映画とかだったら、なんか人が生き返ったりしそうな気もした。
ただ、ここで僕だって殺されたくない。

ぬぐ雄「そんなはずはない。お前が死ねば、俺の母親はお前と出会うことなんてないんだからな!死ぬことも無いんだ!」
のび太「じゃあ、今の“母親がいない環境で育った君”はどこに行くんだい?」
ぬぐ雄「・・・そ、それは・・・」
のび太「ただ、ひとつ言えるのは僕は君の母親が生きている世界を作ることができるかもしれない、ということだ」

ぬぐ雄の僕の胸倉をつかむ手が少し緩む。

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:06:04.55 ID:/uqCGqQq0
ぬぐ雄「そんな、そんな馬鹿な!いい加減にしてくれよ!うわああああああああああああああああああああああ!!」
男は大声で叫び出した。
発狂している間の顔が僕の目の焼きつく。
ぬぐ雄「俺は、俺は、俺の母親は、お前のせいで!お前のせいで!だから!」
のび太「ごめん、君の未来にいる僕が悪いことをしたのはその話を聞いてよくわかったよ」
ぬぐ雄「お前なんかに分かってたまるか!」
荒げた口調で僕の胸に銃口をより強く突きつけた。
ぬぐ雄「パラレルワールドとかいったな?」
のび太「ああ」

ぬぐ雄「じゃあ、お前がいまここで死ぬ世界を作ってやるよ」

しずか「ぬぐ雄さん、もうやめて!」
のび太「・・・」

結局僕はなにがしたいんだ。
こうなったらもう、しずかちゃんの心にだって大きな傷を負わせてしまった。
そして、この目の前の男にも。
僕は結局なにもできてないじゃないか。
どうして、ドラえもんはこんなことにしたんだ。

ぬぐ雄「イケ」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:09:24.57 ID:/uqCGqQq0
「おい、起きろ。起きろよ」
「ドラえもん?」
「目が覚めたか」
「僕は夢でも見てるのか」
「いいや、君はしぶとく生き残ったんだよ」

のび太「え?」
ドラえもん「運よく銃弾は心臓から外れてね」
ニコっと笑うドラえもんが、この間のドラえもんとは全く違うドラえもんがそこにはいた。
ドラえもん「ぬぐ雄はタイムパトロールがあの後、逮捕していったよ。僕が通報しておいた」
のび太「そうか・・・」
ドラえもん「実はね、パラレルワールドってややこしいけど。パラレルワールドは平行しているから直接は関われないが見ることはできるんだ、僕ら遠い未来の世界じゃ」
のび太「ジャイ子と僕が結婚してる写真もあったし、しずかちゃんと結婚してる写真もあった、その二つのパターンがあるからね、それはよくわかったよ」
ドラえもん「そう、そして今の君としずかちゃんが死ぬパターンの未来も僕は知っていたんだ。ぬぐ雄によってね」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:13:03.38 ID:/uqCGqQq0
のび太「・・・じゃあ、どうして道具で助けてくれなかったんだ」
スネオ「相手が未来の人間だからだよ。ドラえもんがのび太と一緒についてきたり、大学生の今も一緒にいることを知っていたら、どんな対策をしてきたか分からない。馬鹿なのび太だからこそ、相手も手薄で会いに来たんだ」
ドアの向こうで盗み聞きしていたらしい、スネオとジャイアンとしずかちゃんが入ってきた。

のび太「しずかちゃん、大丈夫なのかい?」
しずか「まだちょっと苦しいけど、怪我はしてないから。ありがとう」
しずかちゃんは笑わなかった。けど、その言葉が本心なのは分かった。

ジャイアン「ったく俺達おいてけぼりだぜ」
ドラえもん「まあ、だからぬぐ雄に存在を知られないように、君に少しだけ言葉を残していったんだ。挑発するようなね」
のび太「つまり、君の忠告を受けなかった未来の僕は死んでいたから、忠告をしに来た、と」
ドラえもん「忠告をしたから、君が生きることができたのかは僕には分からない。けれど、君に忠告をしなかったら死んでいたのは分かっていたから」

のび太「なんだかややこしい話だな」
ドラえもん「どうなるか分からないけど、そりゃあ、僕だって君としずかちゃんには―いや、なんでもない」
しずか「・・・」

のび太「うん、分かってるよ。ありがとう」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:15:33.54 ID:/uqCGqQq0
パラレルワールド、そんなものがあるのか。

そんなことを考えながら病院の外をしずかちゃんに車椅子を押され歩いていた。
のび太「ねえ、しずかちゃん」
しずか「うん?」
のび太「ぬぐ雄の話、聞いたかい?」
しずか「ドラちゃんからちょっと」
のび太「もし君と結婚するようなことがったら、そういうことがないように僕はより一層責任を持って自然保護の研究に取り組みたいと思う」
しずか「うん」

もし、パラレルワールドがあるなら。
僕は彼を犠牲にして、なにを手に入れたんだろうか。
いまの僕が生きる未来の先で彼と彼の母親は元気に生きて笑っているだろうか。

のび太「いや、“もし”じゃないな」
しずか「え?」
のび太「僕は君が好きだ、ずっと好きだった」

こんな時になに言ってるんだ。
より一層傷を深めるだけじゃないか。
ああ、なんて口下手なんだ。

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:17:28.71 ID:/uqCGqQq0
しずか「そうね、ぬぐ雄さんと付き合うことを決める前・・・付き合ってる時も、そのほうが幸せなのかなってずっと思ってたわ」
しずかちゃんに押され車椅子がゆっくり動く。ぎこちない音がする。
しずか「ドラちゃんの見せてくれた未来、あまりに幸せそうだったから」
のび太「うん」
しずか「でもね、分かりきってる未来に進むなんて面白くないな、って思ったの、だからのび太さんとは―」
のび太「分かりきってる?未来は誰にも分からないじゃないか」
しずか「・・・」
のび太「ちょっと考えてて欲しい。僕は君が好きだから」

しずかちゃんは僕の車椅子から手を離しまるで忍者のように颯爽と消えていった。


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:18:36.26 ID:SHpeDbyxO
に…忍者?

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:20:02.58 ID:/uqCGqQq0

その日の晩、僕はドラえもんと病院で過ごした。
のび太「しずかタムに振られたよ」
ドラえもん「君のその口下手で低思考な発言じゃあね、しずかちゃんもハイとは言ってくれないさ」
のび太「どうにかしてくれ、君だってしずかちゃんと結婚して欲しいんだろう?」
ドラえもん「なあ、それだから君はダメだって言ってるだろう?」

のび太「・・・君と出会わなかった僕ってのはいるんだろうか」
ドラえもん「いるんじゃないか?」
のび太「そうか、僕は君と出会える世界にこれてよかったよ」
ドラえもん「考えると難しそうだからやめようぜ」
のび太「ああ、そうだな、タイムマシンとか僕の頭じゃ1%ほども理解できそうにないや」
ドラえもん「君は馬鹿だからな」
のび太「馬鹿も馬鹿なりにいろいろ考えているんだよ・・・ああ、眠くなってきた。そろそろ僕は眠るよ」
ドラえもん「そうかい」

のび太「ぐーすかぴーすか」
聞きなれたイビキがドラえもんの耳元にそっと聞こえる。
ああ、よく聞いた音だ、とドラえもんは懐かしんだ。
すぐ眠るのは相変わらずだな、ドラえもんはそう小さくつぶやいた。

ドラえもん「ま、僕も君と出会えてよかったよ。だからなんとかしたかった。ありがとう」

のび太「いくらなんでもめちゃくちゃだろ、この話・・・」

そんなのび太の寝言を聞いて、ドラえもんも眠りに就いた。

おわり

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:22:51.04 ID:AjIN545E0
>>1
おつかれさま!

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:30:30.07 ID:cUxckSArO
少し不思議な話だったな

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/09(月) 23:33:11.61 ID:oZSeLrrGO
>>101
S(少し)F(不思議な話)ですから

引用元: のび太「いくらなんでもめちゃくちゃだろ、その話・・・」