1:2016/05/09(月) 21:55:12.683
ガチャンッ!
「やべえ……割れちまったぞ」
「さいわい留守みたいだけど……まずいね、これ」
「どうすんだよ、このままじゃ怒られるぞ」
「心配ないよ、ぼくにいい考えがある……」
……
……
……
「やべえ……割れちまったぞ」
「さいわい留守みたいだけど……まずいね、これ」
「どうすんだよ、このままじゃ怒られるぞ」
「心配ないよ、ぼくにいい考えがある……」
……
……
……
6:2016/05/09(月) 21:59:15.016
― 5月5日 午後2時25分 のび太の家 ―
ジャイアン「よう、のび太!」
スネ夫「よう!」
のび太「ジャイアン、スネ夫、どうしたの?」
スネ夫「あのさ、今すぐ空き地まで来てくれないか?」
のび太「あ、もしかして野球? 行く行く!」
ジャイアン「よう、のび太!」
スネ夫「よう!」
のび太「ジャイアン、スネ夫、どうしたの?」
スネ夫「あのさ、今すぐ空き地まで来てくれないか?」
のび太「あ、もしかして野球? 行く行く!」
7:2016/05/09(月) 22:02:16.912
ドラえもん(のび太君、さっきから庭でずっとなにかやってたみたいだけど)
ドラえもん(どうやら、ジャイアンとスネ夫に誘われて出かけていったみたいだな)
ドラえもん「…………」ムズッ
ドラえもん「なんだか胸騒ぎがするなぁ」
ドラえもん「心配だ、ぼくも行ってみよう」タタタッ
ドラえもん(どうやら、ジャイアンとスネ夫に誘われて出かけていったみたいだな)
ドラえもん「…………」ムズッ
ドラえもん「なんだか胸騒ぎがするなぁ」
ドラえもん「心配だ、ぼくも行ってみよう」タタタッ
8:2016/05/09(月) 22:06:06.655
― 5月5日 午後2時32分 空き地 ―
神成「しらばっくれおって! お前が割ったのは分かっとるんだ!」
ジャイアン「素直に認めろよ、のび太!」
スネ夫「そうだそうだ!」
のび太「ぼく、ガラスなんて割ってないよぉ~!」
ドラえもん「!」
ドラえもん(やっぱり、こんなことになってるだろうと思った!)
神成「しらばっくれおって! お前が割ったのは分かっとるんだ!」
ジャイアン「素直に認めろよ、のび太!」
スネ夫「そうだそうだ!」
のび太「ぼく、ガラスなんて割ってないよぉ~!」
ドラえもん「!」
ドラえもん(やっぱり、こんなことになってるだろうと思った!)
11:2016/05/09(月) 22:09:41.672
ドラえもん「どうしたの?」
のび太「あっ、ドラえもん!」
のび太「あのさ、神成さんちの窓ガラスが野球ボールで割られてたみたいなんだけど」
のび太「ぼくが空き地につくなり、みんながぼくをガラスを割った犯人だって……」
神成「まだ認めんつもりか! このウソつきめ!」
ドラえもん「…………」
のび太「あっ、ドラえもん!」
のび太「あのさ、神成さんちの窓ガラスが野球ボールで割られてたみたいなんだけど」
のび太「ぼくが空き地につくなり、みんながぼくをガラスを割った犯人だって……」
神成「まだ認めんつもりか! このウソつきめ!」
ドラえもん「…………」
12:2016/05/09(月) 22:13:25.379
ジャイアン「おじさん、とっととのび太を叱ってやってくれよ!」
スネ夫「そうそう! こいつが犯人に決まってるんだから!」
神成「うむ、親御さんと学校にも連絡させてもらう!」
のび太「そんなぁ……ぼくは無罪だよぉ~……」
スネ夫「なにが無罪だ! ここは裁判所じゃないんだぞ!」
ドラえもん「――いや」
スネ夫「?」
ドラえもん「こういう時のために、いい道具がある」ゴソゴソ…
スネ夫「そうそう! こいつが犯人に決まってるんだから!」
神成「うむ、親御さんと学校にも連絡させてもらう!」
のび太「そんなぁ……ぼくは無罪だよぉ~……」
スネ夫「なにが無罪だ! ここは裁判所じゃないんだぞ!」
ドラえもん「――いや」
スネ夫「?」
ドラえもん「こういう時のために、いい道具がある」ゴソゴソ…
13:2016/05/09(月) 22:16:49.460
ドラえもん「どこでも裁判所~!」
のび太「なにこれ?」
ドラえもん「未来の子供たちが裁判ごっこをやる時のための道具だよ」
ドラえもん「この紙をこうやって広げると――」ガサガサ…
ジャーン!!!
スネ夫「わっ、小さな裁判所ができた!」
ジャイアン「すっげえ!」
神成「なんだこれは!? ワシは夢でも見ておるのか……!?」
のび太「なにこれ?」
ドラえもん「未来の子供たちが裁判ごっこをやる時のための道具だよ」
ドラえもん「この紙をこうやって広げると――」ガサガサ…
ジャーン!!!
スネ夫「わっ、小さな裁判所ができた!」
ジャイアン「すっげえ!」
神成「なんだこれは!? ワシは夢でも見ておるのか……!?」
15:2016/05/09(月) 22:21:20.128
― 5月5日 午後2時37分 どこでも裁判所 ―
ドラえもん「このどこでも裁判所で、のび太君が有罪か無罪かハッキリさせよう」
ジャイアン「裁判? そんなめんどくさいことやってられっか!」
ジャイアン「のび太が有罪に決まってんだよ! ぶん殴ってやる!」グイッ
のび太「わわっ!」
ジャイアン「うぎゃああああ!」バチバチバチッ
スネ夫「どうしたの、ジャイアン!?」
ドラえもん「いってなかったけど、この中じゃ一切の乱暴は禁止なんだ」
ドラえもん「法廷では証拠が全て、だからね」
ジャイアン「むぎゅう……」プスプス…
ドラえもん「このどこでも裁判所で、のび太君が有罪か無罪かハッキリさせよう」
ジャイアン「裁判? そんなめんどくさいことやってられっか!」
ジャイアン「のび太が有罪に決まってんだよ! ぶん殴ってやる!」グイッ
のび太「わわっ!」
ジャイアン「うぎゃああああ!」バチバチバチッ
スネ夫「どうしたの、ジャイアン!?」
ドラえもん「いってなかったけど、この中じゃ一切の乱暴は禁止なんだ」
ドラえもん「法廷では証拠が全て、だからね」
ジャイアン「むぎゅう……」プスプス…
16:2016/05/09(月) 22:25:07.520
スネ夫「いいだろう、受けて立ってやるよ」
ジャイアン「のび太を有罪にしてやらぁ!」
ドラえもん「ようし、勝負だ!」
のび太「ドラえもん、本当に大丈夫なの?」
ドラえもん「大丈夫だよ、ぼくも君がガラスを割ったとは思えないからね」
のび太「ありがとう、ドラえもん……」
神成(なんだかよく分からんが、とりあえず付き合うとするか)
ドラえもん「じゃあさっそく、それぞれのポジションを決めよう」
ジャイアン「のび太を有罪にしてやらぁ!」
ドラえもん「ようし、勝負だ!」
のび太「ドラえもん、本当に大丈夫なの?」
ドラえもん「大丈夫だよ、ぼくも君がガラスを割ったとは思えないからね」
のび太「ありがとう、ドラえもん……」
神成(なんだかよく分からんが、とりあえず付き合うとするか)
ドラえもん「じゃあさっそく、それぞれのポジションを決めよう」
18:2016/05/09(月) 22:29:21.172
弁護士:ドラえもん
被告人:のび太
検事:スネ夫
被害者:神成さん
証人:ジャイアン
ドラえもん「うーん、あと一人、裁判長が欲しいなぁ」
ドラえもん「難しい役目だから、頭がいい人にお願いするべきなんだけど……」
のび太「あ、だったらしずちゃんに頼んだら?」
ドラえもん「そうだね、彼女なら適任だ! さっそく空き地に呼ぼう!」
被告人:のび太
検事:スネ夫
被害者:神成さん
証人:ジャイアン
ドラえもん「うーん、あと一人、裁判長が欲しいなぁ」
ドラえもん「難しい役目だから、頭がいい人にお願いするべきなんだけど……」
のび太「あ、だったらしずちゃんに頼んだら?」
ドラえもん「そうだね、彼女なら適任だ! さっそく空き地に呼ぼう!」
19:2016/05/09(月) 22:32:10.518
しずか「えぇ~!? あたしが裁判長!? 無理よ、そんなの……」
のび太「頼むよ、しずちゃん! 君にしか頼めないんだ!」
しずか「……そこまでいうのなら、分かったわ。やってみる!」
のび太「ホント!?」
しずか「だけど、やるからにはどちらかを贔屓したりしないわよ」
のび太「ゲゲ……そこをなんとか……ぼくを無罪に……」
しずか「ダメ!」
のび太「頼むよ、しずちゃん! 君にしか頼めないんだ!」
しずか「……そこまでいうのなら、分かったわ。やってみる!」
のび太「ホント!?」
しずか「だけど、やるからにはどちらかを贔屓したりしないわよ」
のび太「ゲゲ……そこをなんとか……ぼくを無罪に……」
しずか「ダメ!」
20:2016/05/09(月) 22:35:38.385
― 5月5日 午後3時 どこでも裁判所 ―
しずか「これより野比のび太の法廷を開廷します」
ドラえもん「弁護側、準備はバッチリです」
スネ夫「検察側も、準備オッケーだよ」
しずか「ではスネ夫さん、冒頭弁論をお願いします」
のび太(しずちゃん、しぶしぶ引き受けたわりに案外ノリノリだなぁ)
しずか「これより野比のび太の法廷を開廷します」
ドラえもん「弁護側、準備はバッチリです」
スネ夫「検察側も、準備オッケーだよ」
しずか「ではスネ夫さん、冒頭弁論をお願いします」
のび太(しずちゃん、しぶしぶ引き受けたわりに案外ノリノリだなぁ)
22:2016/05/09(月) 22:39:32.460
スネ夫「そこにいる被告人・のび太は神成さんの家の窓ガラスをボールで割った」
スネ夫「しかし、いまだに容疑を否認している」
スネ夫「だからこのぼくがこの法廷で、その罪を立証してみせる」
のび太「スネ夫の奴、すっかりなりきっちゃってる」
ドラえもん「これは強敵になりそうだね」
しずか「じゃあ、まずは被告人であるのび太さんの話を聞きましょう」
スネ夫「しかし、いまだに容疑を否認している」
スネ夫「だからこのぼくがこの法廷で、その罪を立証してみせる」
のび太「スネ夫の奴、すっかりなりきっちゃってる」
ドラえもん「これは強敵になりそうだね」
しずか「じゃあ、まずは被告人であるのび太さんの話を聞きましょう」
23:2016/05/09(月) 22:42:08.578
スネ夫「被告人、名前と職業を」
のび太「名前は、野比のび太。ショクギョウは、えぇっと……」
ドラえもん「小学生でいいんじゃないかな」
スネ夫「じゃあ被告人、事件があった時のことを話してもらおうか」
のび太「うん、分かった」
のび太「名前は、野比のび太。ショクギョウは、えぇっと……」
ドラえもん「小学生でいいんじゃないかな」
スネ夫「じゃあ被告人、事件があった時のことを話してもらおうか」
のび太「うん、分かった」
26:2016/05/09(月) 22:45:28.195
― 証言開始 ―
~ ぼくは犯人じゃない ~
のび太「ぼくは庭でテストの答案を埋めてた」
のび太「そしたらジャイアンとスネ夫に空き地に来いって誘われて」
のび太「空き地についたとたん、神成さんに怒られたんだ」
のび太「ぼくは犯人じゃないんだよ!」
~ ぼくは犯人じゃない ~
のび太「ぼくは庭でテストの答案を埋めてた」
のび太「そしたらジャイアンとスネ夫に空き地に来いって誘われて」
のび太「空き地についたとたん、神成さんに怒られたんだ」
のび太「ぼくは犯人じゃないんだよ!」
27:2016/05/09(月) 22:50:26.824
しずか「テストの答案を埋めてた?」
のび太「あっ……」
ドラえもん(のび太君、そんなことしてたのか……)ジロッ
のび太「実はぼく、こないだのテストで0点を取っちゃって……」
のび太「ママにバレると叱られるから、答案を埋めるために庭に穴を掘ってたんだ」
のび太「スコップがなくて、手で掘ってたから大変だったよ。ほら、手が土だらけ」
のび太「いざ埋めようって時にジャイアンたちが来たから、結局埋められなかったけど」
しずか「これがその答案ね。証拠品として受理しましょう」
スネ夫「0点とった腹いせに、神成さんちのガラスを割ったんだろ。のび太らしいや」
ドラえもん『異議あり!』
のび太「あっ……」
ドラえもん(のび太君、そんなことしてたのか……)ジロッ
のび太「実はぼく、こないだのテストで0点を取っちゃって……」
のび太「ママにバレると叱られるから、答案を埋めるために庭に穴を掘ってたんだ」
のび太「スコップがなくて、手で掘ってたから大変だったよ。ほら、手が土だらけ」
のび太「いざ埋めようって時にジャイアンたちが来たから、結局埋められなかったけど」
しずか「これがその答案ね。証拠品として受理しましょう」
スネ夫「0点とった腹いせに、神成さんちのガラスを割ったんだろ。のび太らしいや」
ドラえもん『異議あり!』
28:2016/05/09(月) 22:54:26.465
ドラえもん「のび太君はそんなずるいことはしない!」
スネ夫『異議あり!』
スネ夫「テストの答案を埋めるのは、十分ずるいことだと思うけどね」ニヤニヤ
ドラえもん「ぐっ……!(さすがスネ夫……痛いとこつくなぁ……!)」
のび太「ドラえも~ん! ちゃんと弁護してよぉ~!」
スネ夫「ま、もちろんぼくもこれだけでのび太を犯人呼ばわりするつもりはない」
スネ夫「次はガラスを割られた被害者、神成さんの証言を聞こうじゃないか」
スネ夫『異議あり!』
スネ夫「テストの答案を埋めるのは、十分ずるいことだと思うけどね」ニヤニヤ
ドラえもん「ぐっ……!(さすがスネ夫……痛いとこつくなぁ……!)」
のび太「ドラえも~ん! ちゃんと弁護してよぉ~!」
スネ夫「ま、もちろんぼくもこれだけでのび太を犯人呼ばわりするつもりはない」
スネ夫「次はガラスを割られた被害者、神成さんの証言を聞こうじゃないか」
30:2016/05/09(月) 22:57:04.879
スネ夫「証人、名前と職業を」
神成「神成と申す。職業は……ガンコ親父だ」
のび太「ガンコ親父って職業なの?」ボソッ
ドラえもん「ぼくに聞かれても困る」
神成「神成と申す。職業は……ガンコ親父だ」
のび太「ガンコ親父って職業なの?」ボソッ
ドラえもん「ぼくに聞かれても困る」
33:2016/05/09(月) 23:01:32.329
しずか「参考として、神成さんのご自宅の位置を教えていただけますか」
神成「空き地のすぐ隣じゃ」
しずか「念のため、簡単な見取り図を描いておきましょう」カリカリ
スネ夫「さすがしずちゃん、気がきいてるね。いいお嫁さんになれるよ!」
しずか「あらスネ夫さんったら、お上手ね」ウフッ
のび太「ふん、スネ夫の奴、おべっかなんか使っちゃって!」
ドラえもん「裁判では心証も重要だからね。のび太君もなにかいってみたら?」
のび太「よーし!」
神成「空き地のすぐ隣じゃ」
しずか「念のため、簡単な見取り図を描いておきましょう」カリカリ
スネ夫「さすがしずちゃん、気がきいてるね。いいお嫁さんになれるよ!」
しずか「あらスネ夫さんったら、お上手ね」ウフッ
のび太「ふん、スネ夫の奴、おべっかなんか使っちゃって!」
ドラえもん「裁判では心証も重要だからね。のび太君もなにかいってみたら?」
のび太「よーし!」
34:2016/05/09(月) 23:05:02.375
のび太「さすがしずちゃん、気がきいてるね。いいおばあちゃんになれるよ!」
しずか「なによそれ! あたしまだ小学生よ!」
のび太「ご、ごめんなさい!」
ドラえもん(やれやれ、お世辞もまともにいえないのか……)
スネ夫「バ~カ」クスクス
スネ夫「それじゃ神成さん、どうしてのび太が犯人って分かったか話してもらおう」
神成「よかろう」
しずか「なによそれ! あたしまだ小学生よ!」
のび太「ご、ごめんなさい!」
ドラえもん(やれやれ、お世辞もまともにいえないのか……)
スネ夫「バ~カ」クスクス
スネ夫「それじゃ神成さん、どうしてのび太が犯人って分かったか話してもらおう」
神成「よかろう」
37:2016/05/09(月) 23:08:48.692
― 証言開始 ―
~ 犯人はのび太だ ~
神成「ワシは近所に出かけておった」
神成「帰ってくると、なんと家の窓ガラスが割れておった」
神成「窓ガラスの近くには、野球ボールが落ちておったんじゃ」
神成「そのボールにはハッキリと“のび太”と書かれていた」
神成「その後、二人が犯人を連れてきてくれたんじゃ」
~ 犯人はのび太だ ~
神成「ワシは近所に出かけておった」
神成「帰ってくると、なんと家の窓ガラスが割れておった」
神成「窓ガラスの近くには、野球ボールが落ちておったんじゃ」
神成「そのボールにはハッキリと“のび太”と書かれていた」
神成「その後、二人が犯人を連れてきてくれたんじゃ」
39:2016/05/09(月) 23:14:14.818
しずか「これがそのボールね。証拠品として受理しましょう」
スネ夫「ガラスを割ったボールには、被告人の名前が書いてあった!」
スネ夫「これはもう決定的だね。しずちゃん、判決を下しちゃってよ!」
ドラえもん『異議あり!』
ドラえもん「弁護側は……証人の≪尋問≫を要求します」
スネ夫「尋問?」
ドラえもん「証人の発言に間違いやムジュンがないか、確かめさせて下さい!」
スネ夫「バカバカしい! そんなもん、やる必要ないよ!」
しずか「…………」
しずか「弁護人の主張を認めます」カンッ
スネ夫「ゲ!? そ、そんなぁ……」
ドラえもん(さすが、しずちゃん……。公平な裁判をしてくれる)
ドラえもん(さて、尋問前に今回の事件に関係する人物や証拠品を確認しとこうかな)
スネ夫「ガラスを割ったボールには、被告人の名前が書いてあった!」
スネ夫「これはもう決定的だね。しずちゃん、判決を下しちゃってよ!」
ドラえもん『異議あり!』
ドラえもん「弁護側は……証人の≪尋問≫を要求します」
スネ夫「尋問?」
ドラえもん「証人の発言に間違いやムジュンがないか、確かめさせて下さい!」
スネ夫「バカバカしい! そんなもん、やる必要ないよ!」
しずか「…………」
しずか「弁護人の主張を認めます」カンッ
スネ夫「ゲ!? そ、そんなぁ……」
ドラえもん(さすが、しずちゃん……。公平な裁判をしてくれる)
ドラえもん(さて、尋問前に今回の事件に関係する人物や証拠品を確認しとこうかな)
41:2016/05/09(月) 23:19:48.461
~ 人物ファイル ~
野比のび太(10)…ぼくの親友。運動も勉強もまるでダメだが、射撃とあやとりは得意。
骨川スネ夫(10)…いつもぼくやのび太君に自慢話をするイヤミなお金持ち。
ジャイアン(10)…本名、剛田武。体が大きいガキ大将。ものすごく音痴。
神成さん(??)…空き地のすぐそばに住んでいるガンコ親父。怒るととても怖い。
源静香(10)…みんなのアイドル。のび太君の将来の結婚相手だ。
~ 証拠品ファイル ~
0点の答案…みごとに全ての答えが間違っている。名前欄ですら「野比のび犬」
見取り図…しずちゃんが作成。空き地の土管や神成さんの家の位置などが描かれている。
野球ボール…「のび太」と書かれているピカピカのボール。おそらく新品だろう。
野比のび太(10)…ぼくの親友。運動も勉強もまるでダメだが、射撃とあやとりは得意。
骨川スネ夫(10)…いつもぼくやのび太君に自慢話をするイヤミなお金持ち。
ジャイアン(10)…本名、剛田武。体が大きいガキ大将。ものすごく音痴。
神成さん(??)…空き地のすぐそばに住んでいるガンコ親父。怒るととても怖い。
源静香(10)…みんなのアイドル。のび太君の将来の結婚相手だ。
~ 証拠品ファイル ~
0点の答案…みごとに全ての答えが間違っている。名前欄ですら「野比のび犬」
見取り図…しずちゃんが作成。空き地の土管や神成さんの家の位置などが描かれている。
野球ボール…「のび太」と書かれているピカピカのボール。おそらく新品だろう。
42:2016/05/09(月) 23:22:49.512
― 尋問開始 ―
~ 犯人はのび太だ ~
神成「ワシは近所に出かけておった」
神成「帰ってくると、なんと家の窓ガラスが割れておった」
神成「窓ガラスの近くには、野球ボールが落ちておったんじゃ」
神成「そのボールにはハッキリと“のび太”と書かれていた」
ドラえもん『異議あり!』
~ 犯人はのび太だ ~
神成「ワシは近所に出かけておった」
神成「帰ってくると、なんと家の窓ガラスが割れておった」
神成「窓ガラスの近くには、野球ボールが落ちておったんじゃ」
神成「そのボールにはハッキリと“のび太”と書かれていた」
ドラえもん『異議あり!』
43:2016/05/09(月) 23:26:52.466
神成「な、なんじゃいきなり!?」
ドラえもん「神成さん、今あなたはボールに“のび太”と書かれていた、といいましたね」
神成「そのとおりだが?」
ドラえもん「だけどのび太君が犯人なら、それはありえない!」
神成「な、なぜじゃ!?」
ドラえもん「先ほど提出された、このテストの答案を見て下さい」
ジャイアン「ただの0点のテストじゃねえか。俺でさえ15点だったってのによ」
ドラえもん「問題は点数じゃなく、名前の欄です」
しずか「名前? “野比のび犬”……あっ!?」
ドラえもん「そう、のび太君は、テストの問題だけでなく――」
ドラえもん「自分の名前すら間違えるんだ!」
ドラえもん「これは明らかにムジュンしています!」
神成「うむむむむむ!? た、たしかに!」
ドラえもん「神成さん、今あなたはボールに“のび太”と書かれていた、といいましたね」
神成「そのとおりだが?」
ドラえもん「だけどのび太君が犯人なら、それはありえない!」
神成「な、なぜじゃ!?」
ドラえもん「先ほど提出された、このテストの答案を見て下さい」
ジャイアン「ただの0点のテストじゃねえか。俺でさえ15点だったってのによ」
ドラえもん「問題は点数じゃなく、名前の欄です」
しずか「名前? “野比のび犬”……あっ!?」
ドラえもん「そう、のび太君は、テストの問題だけでなく――」
ドラえもん「自分の名前すら間違えるんだ!」
ドラえもん「これは明らかにムジュンしています!」
神成「うむむむむむ!? た、たしかに!」
44:2016/05/09(月) 23:31:32.389
スネ夫『異議あり!』
スネ夫「そんな……いくらなんでもバカすぎるだろ!」
ドラえもん『異議あり!』
ドラえもん「のび太君の頭の悪さは、君だってよく知ってるだろ」
スネ夫「ぐぐぅ!」
ドラえもん(のび太君を弁護してるのかしてないのか、よく分からなくなってきた)
ドラえもん「と、とにかく……」
ドラえもん「この“のび太”はのび太君自身が書いたんじゃなく」
ドラえもん「他の人間によって書かれた可能性があるのです!」
スネ夫「そんな……いくらなんでもバカすぎるだろ!」
ドラえもん『異議あり!』
ドラえもん「のび太君の頭の悪さは、君だってよく知ってるだろ」
スネ夫「ぐぐぅ!」
ドラえもん(のび太君を弁護してるのかしてないのか、よく分からなくなってきた)
ドラえもん「と、とにかく……」
ドラえもん「この“のび太”はのび太君自身が書いたんじゃなく」
ドラえもん「他の人間によって書かれた可能性があるのです!」
47:2016/05/09(月) 23:34:27.558
しずか「なるほど、このボールがのび太さんのものでない可能性がある以上――」
しずか「これだけでのび太さんを犯人とはいえなくなってきました」
しずか「スネ夫さん、他に証拠品はないのかしら?」
スネ夫「うぐ……」
スネ夫「えぇと、えぇと……」
ジャイアン『待った!』
しずか「これだけでのび太さんを犯人とはいえなくなってきました」
しずか「スネ夫さん、他に証拠品はないのかしら?」
スネ夫「うぐ……」
スネ夫「えぇと、えぇと……」
ジャイアン『待った!』
49:2016/05/09(月) 23:38:11.496
ジャイアン「チンタラやってんじゃねーよ、スネ夫」
スネ夫「ジャ、ジャイアン……」
ジャイアン「今度は俺様が証言してやるぜ」
ドラえもん「ジャイアン、いったいなにを証言するつもり?」
ジャイアン「そりゃもちろん――」
ジャイアン「のび太がガラスを割るその瞬間についてだよ」
ドラえもん「ええええええええええ!?」
のび太「ええええええええええ!?」
スネ夫「ジャ、ジャイアン……」
ジャイアン「今度は俺様が証言してやるぜ」
ドラえもん「ジャイアン、いったいなにを証言するつもり?」
ジャイアン「そりゃもちろん――」
ジャイアン「のび太がガラスを割るその瞬間についてだよ」
ドラえもん「ええええええええええ!?」
のび太「ええええええええええ!?」
51:2016/05/09(月) 23:41:24.399
しずか「静粛に! 静粛に!」カンッカンッ
しずか「武さん……本当なの?」
ジャイアン「ああ、この目でハッキリと見たぜ!」
ジャイアン「のび太、俺様がこの手でお前を有罪にしてやらぁ!」
のび太「ううう……」
ジャイアン「のび太を有罪にしたら、記念にリサイタルを開いてやるぜ!」
ドラえもん(これは絶対にのび太君を無罪にしないと……!)
しずか「武さん……本当なの?」
ジャイアン「ああ、この目でハッキリと見たぜ!」
ジャイアン「のび太、俺様がこの手でお前を有罪にしてやらぁ!」
のび太「ううう……」
ジャイアン「のび太を有罪にしたら、記念にリサイタルを開いてやるぜ!」
ドラえもん(これは絶対にのび太君を無罪にしないと……!)
52:2016/05/09(月) 23:45:16.208
― 証言開始 ―
~ 俺はジャイアン、割ったのはのび太 ~
ジャイアン「俺は見たんだっつーの!」
ジャイアン「のび太が神成さんちのガラスを割るところをな!」
ジャイアン「まず、のび太はボールをつかんで神成さんちをにらんだ!」
ジャイアン「んでもって、ボールを投げ込んだんだ!」
ジャイアン「あれは神成さんが家に帰ってくるちょっと前だったから……」
ジャイアン「きっと穴掘りに飽きて、ガラスを割りたくなったんだろ!」
~ 俺はジャイアン、割ったのはのび太 ~
ジャイアン「俺は見たんだっつーの!」
ジャイアン「のび太が神成さんちのガラスを割るところをな!」
ジャイアン「まず、のび太はボールをつかんで神成さんちをにらんだ!」
ジャイアン「んでもって、ボールを投げ込んだんだ!」
ジャイアン「あれは神成さんが家に帰ってくるちょっと前だったから……」
ジャイアン「きっと穴掘りに飽きて、ガラスを割りたくなったんだろ!」
54:2016/05/09(月) 23:49:02.738
しずか「のび太さんはテストを埋めようと庭に穴を掘っている途中で」
しずか「空き地へ行って、神成さんの家の窓ガラスを割ったというわけね?」
ジャイアン「そのとおり! どうだ、決定的だろ!」
ドラえもん「うむむ……」
のび太「デタラメだよ、そんなの!」
ジャイアン「なんだと!?」ギロッ
のび太「ひっ! デタラメじゃないです……」
しずか「それじゃドラちゃん、尋問をお願いします」
ドラえもん「分かりました」
ドラえもん(なんとしてもこの証言を崩して、無罪をつかみ取るんだ!)
ドラえもん(……リサイタルを阻止するために!)
しずか「空き地へ行って、神成さんの家の窓ガラスを割ったというわけね?」
ジャイアン「そのとおり! どうだ、決定的だろ!」
ドラえもん「うむむ……」
のび太「デタラメだよ、そんなの!」
ジャイアン「なんだと!?」ギロッ
のび太「ひっ! デタラメじゃないです……」
しずか「それじゃドラちゃん、尋問をお願いします」
ドラえもん「分かりました」
ドラえもん(なんとしてもこの証言を崩して、無罪をつかみ取るんだ!)
ドラえもん(……リサイタルを阻止するために!)
55:2016/05/09(月) 23:53:42.020
― 尋問開始 ―
~ 俺はジャイアン、割ったのはのび太 ~
ジャイアン「俺は見たんだっつーの!」
ジャイアン「のび太が神成さんちのガラスを割るところをな!」
ジャイアン「まず、のび太はボールをつかんで神成さんちをにらんだ!」
ドラえもん『待った!』
ジャイアン「なんだよ?」
ドラえもん「ボールをつかんだ時、のび太君になにか変わったところはなかった?」
ドラえもん「たとえば手袋をつけてたとか」
ジャイアン「ハァ? そんなもん、素手に決まってんだろ」
ドラえもん「…………」
~ 俺はジャイアン、割ったのはのび太 ~
ジャイアン「俺は見たんだっつーの!」
ジャイアン「のび太が神成さんちのガラスを割るところをな!」
ジャイアン「まず、のび太はボールをつかんで神成さんちをにらんだ!」
ドラえもん『待った!』
ジャイアン「なんだよ?」
ドラえもん「ボールをつかんだ時、のび太君になにか変わったところはなかった?」
ドラえもん「たとえば手袋をつけてたとか」
ジャイアン「ハァ? そんなもん、素手に決まってんだろ」
ドラえもん「…………」
57:2016/05/09(月) 23:55:11.248
しずか「ドラちゃん、のび太さんが素手だったかどうか……そんなに重要なの?」
ドラえもん「とても重要です」
しずか「分かりました。武さん、証言の追加をお願いします」
ジャイアン「任せとけ!」
ドラえもん「とても重要です」
しずか「分かりました。武さん、証言の追加をお願いします」
ジャイアン「任せとけ!」
58:2016/05/09(月) 23:59:30.635
ジャイアン「のび太は素手でボールをつかんでたぜ」
ドラえもん『異議あり!』
ドラえもん「のび太君がボールをつかんだ時、素手だった……それはおかしいですね」
ジャイアン「な、なんでだよ!?」
ドラえもん「ガラスを割った凶器のボール、これを見て下さい」
ジャイアン「……なんでえ、キレイなボールじゃねえか」
ドラえもん「そう、キレイなんだ。ピカピカで、ほとんど汚れがない」
ドラえもん「だけどこの時、のび太君は答案を隠すために手で土を掘っていた」
ドラえもん「なら、このボールには土がついてなきゃおかしい!」
ジャイアン「ぐへえ!」
ドラえもん『異議あり!』
ドラえもん「のび太君がボールをつかんだ時、素手だった……それはおかしいですね」
ジャイアン「な、なんでだよ!?」
ドラえもん「ガラスを割った凶器のボール、これを見て下さい」
ジャイアン「……なんでえ、キレイなボールじゃねえか」
ドラえもん「そう、キレイなんだ。ピカピカで、ほとんど汚れがない」
ドラえもん「だけどこの時、のび太君は答案を隠すために手で土を掘っていた」
ドラえもん「なら、このボールには土がついてなきゃおかしい!」
ジャイアン「ぐへえ!」
63:2016/05/10(火) 00:05:17.881 ID:wFrL3wzJ0.net
スネ夫『異議あり!』
スネ夫「そうだ……きっと手を洗ったんだ!」
ドラえもん「残念だけど、そうはいかない」
ドラえもん「のび太君の手は今も土だらけだもの。洗ってなんかないよ」
ドラえもん「なにしろ普段もろくに手洗いしないんだから。ばっちいったらありゃしない」
スネ夫「ぐううっ……!」
のび太「ぐううっ……!」
スネ夫「そうだ……きっと手を洗ったんだ!」
ドラえもん「残念だけど、そうはいかない」
ドラえもん「のび太君の手は今も土だらけだもの。洗ってなんかないよ」
ドラえもん「なにしろ普段もろくに手洗いしないんだから。ばっちいったらありゃしない」
スネ夫「ぐううっ……!」
のび太「ぐううっ……!」
66:2016/05/10(火) 00:09:07.376 ID:wFrL3wzJ0.net
ジャイアン「おいスネ夫! どうすんだよ!」
ジャイアン「いい考えがあるっていったのはお前じゃねーか! 追い詰められてるぞ!」
スネ夫「そんなこといわれても……ぼくだけのせいにしないでよ!」
ジャイアン「なんだと!?」
のび太「どうしたんだろう? 言い争ってるよ、あの二人」
ドラえもん「…………」
ドラえもん(――あの二人、まさか!)ハッ
ジャイアン「いい考えがあるっていったのはお前じゃねーか! 追い詰められてるぞ!」
スネ夫「そんなこといわれても……ぼくだけのせいにしないでよ!」
ジャイアン「なんだと!?」
のび太「どうしたんだろう? 言い争ってるよ、あの二人」
ドラえもん「…………」
ドラえもん(――あの二人、まさか!)ハッ
69:2016/05/10(火) 00:12:44.796 ID:wFrL3wzJ0.net
ドラえもん「もしかして……ガラスを割った真犯人は君たちなんじゃないの?」
ドラえもん「それでボールにのび太君の名前を書いて、空き地に呼び寄せて」
ドラえもん「彼に罪を着せようとしてるんじゃないの?」
スネ夫「!」ギクッ
ジャイアン「!」ギクッ
神成「なんだと!? 本当か!?」
のび太「えええええ!? ひどいよ、二人とも!」
ドラえもん「それでボールにのび太君の名前を書いて、空き地に呼び寄せて」
ドラえもん「彼に罪を着せようとしてるんじゃないの?」
スネ夫「!」ギクッ
ジャイアン「!」ギクッ
神成「なんだと!? 本当か!?」
のび太「えええええ!? ひどいよ、二人とも!」
70:2016/05/10(火) 00:15:55.183 ID:wFrL3wzJ0.net
スネ夫『異議あり!』
スネ夫「ぼくたちが犯人? だったら証拠を出してみろよ!」
ジャイアン『異議あり!』
ジャイアン「そうだぜ! 法廷は証拠が全てなんだろ!?」
ドラえもん「うう……」
しずか「ドラちゃん、あの二人が犯人だっていう証拠があるの?」
ドラえもん「そ、それは……」
ドラえもん(そんなの、あるわけない……!)
スネ夫「ぼくたちが犯人? だったら証拠を出してみろよ!」
ジャイアン『異議あり!』
ジャイアン「そうだぜ! 法廷は証拠が全てなんだろ!?」
ドラえもん「うう……」
しずか「ドラちゃん、あの二人が犯人だっていう証拠があるの?」
ドラえもん「そ、それは……」
ドラえもん(そんなの、あるわけない……!)
74:2016/05/10(火) 00:21:15.230 ID:wFrL3wzJ0.net
スネ夫「ふん、証拠もないのに犯人呼ばわりか! ひどい弁護士だ!」
ジャイアン「のび太が犯人だってのによ!」
神成「う~む、今の段階だと、やはり怪しいのはのび太という少年だなぁ」
ドラえもん(ううう……ここまでか……)
ドラえもん「ごめん、のび太君……ぼくが頼りないばかりに……」
のび太「しょうがないよ、ぼくなんかが逆転できるわけがなかったんだ……」
ドラえもん(逆転……!?)
ドラえもん(ここから逆転するためには……)
ドラえもん(そうか、発想を≪逆転≫させるんだ!)
ドラえもん(証拠はもう“どこにもない”と考えるんじゃなく)
ドラえもん(たとえば、犯人が“どこかに隠した”と考えるんだ!)
ドラえもん(事件が起きた場所を考えると、隠している場所は……あそこしかない!)
ジャイアン「のび太が犯人だってのによ!」
神成「う~む、今の段階だと、やはり怪しいのはのび太という少年だなぁ」
ドラえもん(ううう……ここまでか……)
ドラえもん「ごめん、のび太君……ぼくが頼りないばかりに……」
のび太「しょうがないよ、ぼくなんかが逆転できるわけがなかったんだ……」
ドラえもん(逆転……!?)
ドラえもん(ここから逆転するためには……)
ドラえもん(そうか、発想を≪逆転≫させるんだ!)
ドラえもん(証拠はもう“どこにもない”と考えるんじゃなく)
ドラえもん(たとえば、犯人が“どこかに隠した”と考えるんだ!)
ドラえもん(事件が起きた場所を考えると、隠している場所は……あそこしかない!)
79:2016/05/10(火) 00:25:53.459 ID:wFrL3wzJ0.net
しずか「ドラちゃん……どうするの?」
ドラえもん「弁護側は……証拠を提示する準備があります!」
しずか「えっ!?」
のび太「ええっ!?」
ドラえもん「正確には、証拠が今どこにあるかを明らかにする自信があります!」
しずか「……いったいどこにあるの?」
ドラえもん「それを示す証拠品は、これです」
ドラえもん『くらえ!』
ドラえもん「弁護側は……証拠を提示する準備があります!」
しずか「えっ!?」
のび太「ええっ!?」
ドラえもん「正確には、証拠が今どこにあるかを明らかにする自信があります!」
しずか「……いったいどこにあるの?」
ドラえもん「それを示す証拠品は、これです」
ドラえもん『くらえ!』
83:2016/05/10(火) 00:29:37.125 ID:wFrL3wzJ0.net
しずか「これは……あたしが作った≪見取り図≫ね」
ドラえもん「この図には、神成さんの家と空き地の土管が描かれてます」
ドラえもん「弁護側は、この土管の≪家宅捜索≫を要求します!」
ジャイアン&スネ夫「!?」ギクッ
ドラえもん「きっとスネ夫たちの野球グローブとサインペンが出てくるはずだ」
ドラえもん「空き地で物を隠す場所といったら、ここしかないからね」
ドラえもん「それが発見されれば、二人の犯行は明白になる!」
ジャイアン「ふっ、ふざけんな! そんなことさせるかよ!」
スネ夫「そうだそうだ! プライバシーの侵害だ!」
ドラえもん(空き地の土管にプライバシーもなにもないと思うけど……)
ドラえもん「この図には、神成さんの家と空き地の土管が描かれてます」
ドラえもん「弁護側は、この土管の≪家宅捜索≫を要求します!」
ジャイアン&スネ夫「!?」ギクッ
ドラえもん「きっとスネ夫たちの野球グローブとサインペンが出てくるはずだ」
ドラえもん「空き地で物を隠す場所といったら、ここしかないからね」
ドラえもん「それが発見されれば、二人の犯行は明白になる!」
ジャイアン「ふっ、ふざけんな! そんなことさせるかよ!」
スネ夫「そうだそうだ! プライバシーの侵害だ!」
ドラえもん(空き地の土管にプライバシーもなにもないと思うけど……)
86:2016/05/10(火) 00:33:27.200 ID:wFrL3wzJ0.net
ドラえもん「のび太君はこの法廷で、自ら0点の答案のことを白状した」
ドラえもん「なら、こっちだってこれぐらいのことをする権利はある!」
ドラえもん「君たちはぼくらが土管を捜査するのを大人しく見てることだ」
ドラえもん「――なにもやましいことがないのならね!」
スネ夫「ぐ……ぐぐぐ……ぐ……ぐ、ぐ……ぐ……」
ジャイアン「う、ううう……ううう……う、う……う……」
ドラえもん「なら、こっちだってこれぐらいのことをする権利はある!」
ドラえもん「君たちはぼくらが土管を捜査するのを大人しく見てることだ」
ドラえもん「――なにもやましいことがないのならね!」
スネ夫「ぐ……ぐぐぐ……ぐ……ぐ、ぐ……ぐ……」
ジャイアン「う、ううう……ううう……う、う……う……」
88:2016/05/10(火) 00:35:33.825 ID:wFrL3wzJ0.net
スネ夫「ママァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
ジャイアン「ホゲェ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
……
……
……
ジャイアン「ホゲェ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
……
……
……
90:2016/05/10(火) 00:40:56.762 ID:wFrL3wzJ0.net
……
……
……
しずか「神成さん、あの二人は?」
神成「たっぷり叱っておいたわい。今頃、彼らの親御さんにも叱られとるだろう」
神成「のび太君、犯人だと決めつけて悪かった。本当にすまなかった……」
のび太「いやいや、誤解が解けてよかったです」
しずか「ではのび太さんに判決を言い渡します」
無 罪
……
……
しずか「神成さん、あの二人は?」
神成「たっぷり叱っておいたわい。今頃、彼らの親御さんにも叱られとるだろう」
神成「のび太君、犯人だと決めつけて悪かった。本当にすまなかった……」
のび太「いやいや、誤解が解けてよかったです」
しずか「ではのび太さんに判決を言い渡します」
無 罪
93:2016/05/10(火) 00:46:22.941 ID:wFrL3wzJ0.net
― 5月5日 午後4時31分 空き地 ―
のび太「ドラえもん、本当にありがとう」
のび太「君がいなかったら、ぼくはガラスを割った犯人にされてたよ」
ドラえもん「なあに、当然のことをしたまでだよ」
ドラえもん「だって、君はなにも悪いことをしてないんだから」
のび太「ドラえもん……!」ウルッ
ドラえもん「さあ家に帰って、無罪のお祝いにドラ焼きでも食べよう!」
のび太「うん!」
のび太「ドラえもん、本当にありがとう」
のび太「君がいなかったら、ぼくはガラスを割った犯人にされてたよ」
ドラえもん「なあに、当然のことをしたまでだよ」
ドラえもん「だって、君はなにも悪いことをしてないんだから」
のび太「ドラえもん……!」ウルッ
ドラえもん「さあ家に帰って、無罪のお祝いにドラ焼きでも食べよう!」
のび太「うん!」
95:2016/05/10(火) 00:51:24.803 ID:wFrL3wzJ0.net
― 5月5日 午後4時39分 のび太の家 ―
玉子「あら、のび太、ドラちゃん、お帰りなさい」
のび太「ただいま、ママ!」ピラッ
玉子「あら? なにか落としたわよ?」スッ
のび太「あ! そっ、それは――」
玉子「0点のテストじゃない! またこんな点数取って! のび太ぁ~!」
玉子「今日という今日は許しません! そこに座りなさい!」
のび太「ドラえもん、異議を唱えてよぉ~!」
ドラえもん「う~ん、ここから逆転する方法は……ないなぁ」
― おわり ―
玉子「あら、のび太、ドラちゃん、お帰りなさい」
のび太「ただいま、ママ!」ピラッ
玉子「あら? なにか落としたわよ?」スッ
のび太「あ! そっ、それは――」
玉子「0点のテストじゃない! またこんな点数取って! のび太ぁ~!」
玉子「今日という今日は許しません! そこに座りなさい!」
のび太「ドラえもん、異議を唱えてよぉ~!」
ドラえもん「う~ん、ここから逆転する方法は……ないなぁ」
― おわり ―
96:2016/05/10(火) 00:53:27.550 ID:HIxvnGj/0.net
乙
よかった
よかった
101:2016/05/10(火) 01:17:52.859 ID:W44z+6ePa.net
おつ
100:2016/05/10(火) 01:06:27.153 ID:ZL5VkbiYr.net
乙
完成度高かった
逆裁キャラとのコラボも見てみたい
完成度高かった
逆裁キャラとのコラボも見てみたい
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