1:2016/11/10(木) 00:24:24.562 ID:hX9pPPfL0.net
のび太の部屋

のび太「あーーイライラするうううううううう!!」

ドラえもん「どうしたの猿みたいに顔赤くして、って元からか」

のび太「学校で先生に怒られ、スネ夫には高級ラジコン自慢され、ジャイアンには殴られ……」

のび太「明後日提出の膨大な宿題もあるし……」

のび太「ボクは世界一不幸な人間なんじゃないかしら」

ドラ「なんだいつものことじゃない」(ニコニコ

のび太「そんなの関係ないよ!とにかくイライラするの!何か道具だしてよお」

ドラ「そんなときは……」(ポケットガサゴソ)

ドラ「イライラ掃除機とイライラスカウター!」
3:2016/11/10(木) 00:25:50.602 ID:hX9pPPfL0.net
のび太「どう使うの?」

ドラ「この掃除機を使えば、人間のイライラを吸い取ることができるんだよ」

のび太「おお!さっそく!」

ドラ「よしきた!じゃ、これを顔に向けて……っと」

のび太「なんか汚らしいなあ」

ドラ「元からだろ。じゃ、スイッチオン!」(ブオオオン)

ドラ「 はいおわり」

のび太「……すごい」

のび太「全くイライラしてない!!」

のび太「実に清々しい気分だ!!」

のび太ママ「あら、清々しい気分なの……それは良かったわねえ……」(ワナワナ

のび太(ゾクッ!いつのまに!?)
5:2016/11/10(木) 00:27:25.268 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「イライラ力(りょく)139」(小声

のび太「な、なにそれ」(小声

ドラ「イライラスカウター。人のイライラを数値化できる。ママ相当怒ってるよこりゃ」(小声

のび太ママ「さっき先生から電話がありました。5回連続テスト0点ですって!?」(ガミガミ

ドラ「こんなときは……」

(掃除機スイッチオン)

のび太ママ「ちょ、何を……」

のび太ママ「……」

のび太ママ「なんか冷めちゃった。次から気をつけなさいね」(スタスタ

ドラ「ママのイライラ力が0に戻った」

のび太「……す、すごいよこれ!」

ドラ「一度に使い過ぎるとやばいけどね」

のび太「ふーん。そうだ!しずちゃんのイライラを吸ってあげようよ!」

ドラ「君にしては実にいいアイデアだ」
8:2016/11/10(木) 00:29:52.402 ID:hX9pPPfL0.net
しずかの家

のび太「しーずーちゃん!」(ピンポーン

しずか「あら、のび太さん……」(ガチャ

のび太(?なんだか浮かない顔をしてるなあ)

のび太「ドラえもん、イライラ力は」(小声

ドラ「182」(小声

しずか「あの、どうしたの?」(イライラ

のび太「あのね、しずちゃんもしかしてくっそイライラしてる?」

しずか「う、うん」(クッソイライラ

ドラ「やっぱり!僕たちが綺麗に吸い取ってあげるよ」
9:2016/11/10(木) 00:31:09.845 ID:hX9pPPfL0.net
しずか「……すごい。本当にイライラ感が綺麗さっぱり消えたわ……」

しずか「ドラちゃんたち本当にありがとう」(ニコッ

のび太「いやーそれほどでも~」(デレデレ

ドラ「しかし、何か嫌なことでもあったの?かなりイライラしてたみたいだけど」

しずか「明日ピアノコンクールがあるんだけど……どうしても上手く弾けないところがあって」

しずか「何度も同じとこで躓いちゃうの。で、イライラしてミスしやすくなって、負のスパイラル」

のび太「うーん……とにかくさ、一緒に遊ぼうよ!人生ゲームでもしない?」

しずか「え?でも……」

のび太「ピアノのことはさ、一旦忘れてさ。こういう時は思いっきり遊んだ方がいいんだぜ」(ニコッ

ドラ(自分がしずちゃんと遊びたいだけのくせに……)

しずか「そうよね……遊びましょ!」
11:2016/11/10(木) 00:32:46.438 ID:hX9pPPfL0.net
しずか「やったー!ゴール一番乗り!」

ドラ「続いてボクもゴール!」

のび太「あちゃーまたビリだー」

ドラ「さすがのび太。人生ゲームでもノロマとは」

のび太「言ったな~」

しずか「あはは、でも、のび太さんらしいわよ」

のび太「あ、しずちゃんまでー」

しずか「あは、ごめんごめん。」

しずか「それにしても、もう窓の外が暗いわね」

ドラ「本当だ。ボクたちも帰ろうか」

のび太「うん。しずちゃん、またね」

しずか「うん。楽しかったわ。ありがとう」
12:2016/11/10(木) 00:34:05.414 ID:hX9pPPfL0.net
翌日、放課後 のび太の部屋

のび太「ただいまー!ドラえもん昨日の掃除機貸し……」

のび太「……なんだ、ドラえもんいないのか。いつも肝心な時にいないんだもの」

のび太「イライラ掃除機とイライラスカウターは置いてある」

のび太「いいや借りちゃえ!ついでにタケコプターも」

のび太「すんごいいいこと思いついたもんねー」(ニヤリ
14:2016/11/10(木) 00:36:07.915 ID:hX9pPPfL0.net
のび太の部屋

机の引き出しから出てくるドラえもん

ドラ「ドラミから呼び出しがあったから、何事かと思ったら」

ドラ「まさかそんなことが起こったとは……」

ドラ「一度に使い過ぎると危険とは説明書に書いてあったけど……」

ドラ「まさか死人まで出るなんて……こんな危険なのさっさと回収してもらわないと……」

ドラ「……」(キョロ

ドラ「…………」(キョロキョロ

ドラ「………………あれ?」(汗ダラダラ
17:2016/11/10(木) 00:38:11.388 ID:hX9pPPfL0.net
いつもの空き地

のび太の周りに数人小学生が集まっている。

のび太「イライラしてる方いらっしゃいますかー!?」

のび太「そのイライラ、僕が綺麗さっぱり吸い取ってあげまーす!」

のび太「なんと一回10円!!!イライラしてる皆さん、騙されたと思って是非!!!」

ジャイアン「本当なんだろうな!嘘だったらぶっ飛ばすぞ!」

のび太「も、もちろん本当だよ」

のび太「352!こ、これは早急に処置が必要だ。ではスイッチオン!」(ブオオオオン

のび太(ん?なんか前より吸いづらくなってるような……まあいっか)

ジャイアン「……すげえ!俺この上なく穏やかな気分だぜ!心の友よ!」

のび太「ね、本当でしょ!」

ドラ「のび太ああああああああああああ!!!!!」

のび太(げ、ドラえもん)
19:2016/11/10(木) 00:40:14.135 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「のび太!掃除機を使うのを今すぐやめろ!」

のび太「やだね。折角繁盛してるのに」(あっかんべー

ドラ「なんだと!?いいか、一度に使い過ぎると大変なことに」

ジャイアン「おい、俺の心の友の邪魔をしようっていうのか……?」(ポキポキ

ドラ「ジャイアン!?」

ジャイアン「このやろおおお!」

(ボコスカボコスカボコスカ)

ドラ「……」(ぼろぼろになって倒れている

ジャイアン「心の友を邪魔をする奴はこの俺が許さねえ」

のび太(イライラしてもしてなくても、結局殴るんだ)
21:2016/11/10(木) 00:42:19.549 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「…………」

ドラ「……………………うう……」

ドラ「は!」

ドラ「しまった!しばらく気を失ってたか……」

ドラ「あれ、のび太がいない!?」

スネ夫「ふんふんふふーん!」(ニコニコ

ドラ「あ、スネ夫!のび太見なかった!?」

スネ夫「のび太?さっきまで空き地にいたけど、どっか行っちゃったよ」

スネ夫「なんか、もっとイライラしてる人が多いところに行くって」

スネ夫「しかしあの掃除機すごいね。ドラえもんの道具?」

スネ夫「僕ちゃんの高級ラジコンジャイアンに壊されてイライラしてたのに、すっかりおさまっちゃったよ」

スネ夫「……て、あれ。ドラえもんもういないや……」
22:2016/11/10(木) 00:44:21.678 ID:hX9pPPfL0.net
タケコプターで飛んでいるドラえもん

ドラ「もっとイライラしてる人が多いところ……」

ドラ「きっと都会の方だ。会社員はイライラしてる人多いから」

ドラ「くっそお……このタケコプターいまいち調子が悪い。この中古品め!」(汗ダラダラ

ドラ「はやくしろ!間に合わなくなっても知らんぞーーー!」
24:2016/11/10(木) 00:46:30.545 ID:hX9pPPfL0.net
都会

会社員A「あそこの店すごいぞ!三日徹夜した分のイライラが全て消え去った!」

会社員B「俺も!」

会社員C「まじか。俺も試してみるか」

のび太の前に行列が出来ている

のび太(大人のイライラ力は殆ど皆四桁。おかげで次々に売れる!)ニヤニヤ

ドラ「こらあああああ!!見つけたぞーー!!!!!」

のび太「ドラえもん!?」

ドラ「!!??10円玉がとんでもなく増えてる!!」(ゾワッ

のび太「ざっと100枚……いや、200枚以上はあるかも」

ドラ「!!!!!!!!!!!」
26:2016/11/10(木) 00:49:01.126 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「とにかくこっちへ来い!」

のび太「ちぇっ、もっと稼ぎたいのにー」

タケコプターで空を飛ぶ二人
のび太がイライラ掃除機を抱えている

ドラ「さっきドラミから呼び出しがあった」

のび太「へえ、なんの?」

ドラ「その道具のことだ!!!」

のび太「……なんか、おっかないなあ」

ドラ「そりゃおっかなくもなるさ!未来ではイライラ掃除機が原因で死亡事故が起こったんだぞ!」

のび太「え」
27:2016/11/10(木) 00:51:50.210 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「2124年4月12日!アメリカのオハイオ州で3歳の男の子が死亡!」

のび太「」

ドラ「母親は息子が泣き叫ぶ度にこの道具を使っていたんだ!容器を一度も取り替えずにね!」

のび太「容器を定期的に取り替えなきゃいけないの?」

ドラ「当たり前だろ!普通の掃除機だって取り替えなきゃいけないだろ!」

ドラ「だから『一度に』使い過ぎるなと言ったんだ!」

のび太「……」
30:2016/11/10(木) 00:54:02.726 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「ある日、ついにイライラ掃除機は爆発した。限界だったんだ!」

ドラ「溜まった分のイライラが全て男の子に移ったんだ!男の子は発狂しながら数時間後に死んだ!」

ドラ「脳が過度の刺激に耐えられなかった。ショートを起こしたんだ!」

ドラ「母親は会社を訴えたけど負けた。説明書に正しい使い方がきちんと書いてあったからね!
母親は間違った使い方をしていたんだから当然だ!」

ドラ「でもネット上では、『こんな危険な商品を出すな』と、会社が叩かれてる。
そんでもって、会社はこの道具を全品回収することにしたんだよ!」

ドラ「未来ではちょっとした騒ぎになってるんだってさ!」

のび太「……ボクの顔、真っ青になってるっぽい……」

ドラ「真っ青というよりはうす汚いよ!」
31:2016/11/10(木) 00:56:14.327 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「よし、やっと家に着いた……」

のび太の部屋

のび太「……なんか、さっきからこの掃除機震えてる気がするんだけど……」

ドラ「……ま、まずい!離れろ!」

ちゅどーん

のび太「…………」

ドラ「あわわ……」

ドラ(しまった!タケコプター運転で刺激を与えすぎのか……!?)

ドラ(まずい。のび太、あんな近距離で……!)

ロボ「ちわーす!イライラ掃除機とイライラスカウター、回収に参りましたー!」(机の引き出しガチャッ
32:2016/11/10(木) 00:58:34.388 ID:hX9pPPfL0.net
のび太「……」

ロボ「な、なんだなんだこの煙は!?」

ロボ「!?ス、スカウターの数値が急激に上がっていく!?」

ドラ「な……イライラ力が……!?」

ロボ&ドラ「53万!!???!!?」

ロボ「ちょっと!まさか掃除機爆発したんですかあ!?」

ドラ「そ、そのまさかです!」

ロボ「!!と、とりあえず、応急処置スプレーを!」(プシュウウウウウウ

ドラ「あんまり効いてない!ああなんかないかなんかないかなんかないか」(ポケットガサゴソ
33:2016/11/10(木) 00:59:38.125 ID:BVfbqcCX0.net
フリーザワロタ
36:2016/11/10(木) 01:00:54.920 ID:064QEK+a0.net
イライラ力が53万か...
37:2016/11/10(木) 01:01:10.475 ID:hX9pPPfL0.net
のび太「うわああああああああああああああああああああ」

手当たり次第に部屋にある物にやつあたりするのび太

のび太「あああああああああああああ!!!イッライラするううううううあああああああ」

ロボ「お、落ち着いてください!!」(プシュウウウウウウ

ドラ「あった!まあまあ棒!」

のび太「うっっせえ黙れデブ狸死ね!!!!!!」

ドラ「まあまあ」

一瞬にして砕け散るまあまあ棒

ドラ「まあまあ棒でも焼け石に水か……!」

のび太「くっそおおおおおおおおおおおお!!!!」(ドアガチャ

ドラ「あ!待てのび太!!!」
40:2016/11/10(木) 01:04:20.010 ID:hX9pPPfL0.net
走るのび太

のび太「イライラいらいらするうううううううううう!!!」

のび太(くっそお……頭が……割れるように痛い……)

のび太(叫んでないと……やってられない……)

のび太(ボクが……ドラえもんの言うこと無視したから……)

のび太(勝手に道具を……持ってったから……)

のび太(ボク……このまま死ぬのかな……)

のび太(ごめんなさいドラえもん……もうしないから……助けて)

のび太(誰か……助けて……)



しずか「のび太さん……?」
42:2016/11/10(木) 01:07:21.096 ID:hX9pPPfL0.net
のび太を追いかけるドラえもんとロボ

ドラ「くそ!なんであんな足が速いんだ!」

ロボ「イライラ力のせいで脳のリミッターがおかしな事になってるんですよ!」

ドラ「おい、のび太、死なないだろうな!?」

ロボ「3歳児の未熟な脳では耐えきれませんでしたが、彼の年なら大丈夫なはずです!……理論上は」

ドラ「もし死んだらてめえ、ぶっころしてやるからな!」

ドラ(ボクがもっと厳しく説明しておけば……)

ドラ(そもそも……ボクがこんな道具買ってこなければ……)

ドラ(ボクのせいだ……ごめんよのび太……死なないでくれ……)

ロボ「あ、やっと追いついてきましたよ!」

ドラ「ん、あれはのび太と……しずちゃん……!?」
45:2016/11/10(木) 01:10:24.982 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ(だ、抱き合ってる……)

しずか「大丈夫よ、のび太さん。落ち着いて、あたしがついてるから」(ギュッ

のび太「頭がガンガンする……!トンカチで叩かれてるような……!死んだ方がマシだ!」

しずか「死んだりなんかしないわ」

のび太「うっせえ……!お前に何が分かるんだよおおおとおおお!!!」

しずか「分からないわ。……でも、分かる気がするの」

しずか「のび太さん。深呼吸よ。吸って……吐いて……」

のび太「はあ……はあ……」(汗ダラダラ

しずか「のび太さん、今から2人で一緒に遊びましょ!」

のび太「一緒に……?」

しずか「そ!何もかも忘れて!」

しずか「イライラしてるんでしょ?」

しずか「こういう時は思いっきり遊んだ方がいいんだぜ!」(ニコッ

のび太「……しずちゃん……」
48:2016/11/10(木) 01:12:40.331 ID:hX9pPPfL0.net
ドラ「しずちゃん!」

しずか「あらドラちゃん。見てたの?ちょっと恥ずかしいかも」

ロボ「さっきよりちょっと落ち着いてる……スプレーの効果が現れ始めたのかも」

のび太「ドラえもん」

ドラ「のび太」

のび太・ドラ「ごめん!!ボクが悪かった!!」

…………

のび太「……」

ドラ「……」

のび太「な、なんで被せてくるんだよ!!あーイライラするうううううううううう!!!」

しずか「のび太さん!深呼吸!」

のび太「あ……すう……はあ……」
50:2016/11/10(木) 01:15:17.734 ID:hX9pPPfL0.net
しずか「ドラちゃん、どこでもドア出して欲しいの」

しずか「二人で出かけるから」

ドラえもん「でも……」

ドラえもん「今夜、ピアノのコンクールがあるんでしょ?」

しずか「サボっちゃえばいいのよ、そんなの」

しずか「コンクールより、のび太さんの方が大事だわ!」

ドラ「……」

のび太「……」

のび太「そんなに心配してくれるの?」

しずか「あたりまえでしょ!お友達だもの!!」

しずか「のび太さん、すごい辛そうだし、ほっとけないわ」

のび太「しずちゃん……」

ドラ(ほっとけない……か)
51:2016/11/10(木) 01:19:34.380 ID:hX9pPPfL0.net
ネズミーランド

しずか「ドラえもんにオールマイティパス貰って正解だったわね。列待たずに乗れちゃう」

のび太「うん。並んでたら余計イライラしちゃうし」

しずか「もう殆どのアトラクション乗ったんじゃない?」

のび太「うん」

しずか「スペースマウンテンの時ののび太さん、すごい声だったわよ」

のび太「あ?」(ちっ

しずか「あ、いや、変な意味じゃなくて、その、いい意味で!うん!」

のび太「だって、怖かったからさ。あは」

しずか「あ、今日初めてのび太さんが笑ってるとこ見た」

のび太「あ、そうだっけ、あはは」

しずか「もっともっと笑いましょ!」

のび太「わははははは……こ、こうかなー」

しずか「あはは、なにそれおっかしー」

のび太「……」

しずか「あ、えと、その、いい意味で!」(汗

のび太「あはは」
53:2016/11/10(木) 01:21:36.452 ID:hX9pPPfL0.net
しずか「もう退園の時間ね……」

のび太「しずちゃん……ありがとう」

しずか「え」

のび太「『イライラ』がさ……自分でもびっくりするぐらい、おさまってきてるんだ」

のび太「爽快なジェットコースター乗りまくったりとか、さっきのスプレーとかも役立ったけど、それだけじゃなくて」

のび太「なんていうか……しずちゃんと一緒にいると、ホッとするんだ」

のび太「まだ頭は痛いけどね……ほんとにありがとう」

しずか「ううん。あたしこそ」

しずか「昨日、のび太さんが遊ぼうって言ってくれて、結構救われたのよ、あたし」

しずか「ピアノで頭がいっぱいになってたもの」
58:2016/11/10(木) 01:24:57.488 ID:hX9pPPfL0.net
どこでもドアの側に立つドラえもん

ドラ「おかえり、二人とも」

ドラ「……だいぶ落ち着いたみたいだね。……本当に良かった」

のび太「うん」

のび太「ほんとに、しずちゃんのおかげだよ」

ドラ(荒んだ心を癒すのは、機械でも薬でもなく、人の優しい心なんだ)

しずか「……お母さん今頃怒ってるかなあ。怒ってるわよね」

のび太「……ねえ、なんとかならないかな……ドラえもん」

ドラ「安心して。既に用意は出来てるよ」
59:2016/11/10(木) 01:27:01.634 ID:hX9pPPfL0.net
ピアノコンクール会場

のび太「そうか、この手があったか」

ドラ「こんなとき
持っててよかった
タイムマシン」

のび太「あ、次、しずちゃんの番!」

ステージに現れるしずか
一礼してピアノの前に座る

ドラ「しずちゃん、緊張してるかも」

のび太(しずちゃん、深呼吸!)

しずか「すう……はあ……」

のび太(いいぞしずちゃん!落ち着いて!)
61:2016/11/10(木) 01:29:38.884 ID:hX9pPPfL0.net
ピアノを弾くしずか

しずか(もうすぐ、難しいところ)

しずか(落ち着いて……何度も練習したんだから……)

しずか(……………………………)

しずか(……できた!)

しずか(あとはこのまま……落ち着いて……)

しずか(……)

しずか(弾けた……良かった……)

会場が拍手に包まれる
62:2016/11/10(木) 01:33:05.007 ID:hX9pPPfL0.net
のび太の部屋

のび太「ボクが散らかしたのに、片付け手伝わせちゃって、ごめん」

ドラ「ううん、気にしないで」

のび太「そういえば、あの変なロボは?」

ドラ「イライラ掃除機とイライラスカウターを回収して未来に帰ったよ」

のび太「そっか」

ドラ「一応、君は会社を訴えることもできるけど、どうする?」

のび太「ドラえもんの話だと、正しい使い方を守ってないと裁判には勝てないんだろ?ムダムダ」

ドラ「お、君もたまには学習するんだね」

のび太「それになんか、めんどくさいしね」

ドラ「うん。ふあ~あ~。ねむい。もう寝るね」

のび太「うん。おやすみ」

…………

のび太「なんか忘れてる気がする……ああ!!!!!!」

ドラ「え!どうしたどうした!」

のび太「まだ宿題が残ってる!!」

ドラ「ずこーっ!!!」

のび太「あーーーイライラするー!
安全にイライラを抑える道具ないかしら」

ドラ「そんなものはなーい!」

終わり
63:2016/11/10(木) 01:34:20.780 ID:BVfbqcCX0.net

結構よかった
64:2016/11/10(木) 01:35:18.644 ID:Oniai3T+0.net
しずか「のび太さん、今から2人で一緒に遊びましょ!」
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1478705064