1:2018/12/12(水) 21:21:09.697
主人「今日からお前にも、専属のメイドと執事をつけることにした」
息子「やったー!」
主人「二人とも、どうか息子をよろしく頼む」
執事「かしこまりました」
メイド「坊ちゃまのお世話はお任せ下さい」
息子「じゃあさっそく、ボクと遊んでよ!」
執事「はい、坊ちゃま」
メイド「色んなゲームを用意しております。こちらへどうぞ」
息子「やったー!」
主人「二人とも、どうか息子をよろしく頼む」
執事「かしこまりました」
メイド「坊ちゃまのお世話はお任せ下さい」
息子「じゃあさっそく、ボクと遊んでよ!」
執事「はい、坊ちゃま」
メイド「色んなゲームを用意しております。こちらへどうぞ」
2:2018/12/12(水) 21:24:18.518
息子「おはよー!」
メイド「お着替えを用意してあります」
息子「この問題分かんなーい」
執事「この問題はですね……」
息子「紅茶飲みたーい」
メイド「はい、どうぞ」
息子「眠くなってきた……」
執事「ベッドメイキングは済んでおります」
メイド「お着替えを用意してあります」
息子「この問題分かんなーい」
執事「この問題はですね……」
息子「紅茶飲みたーい」
メイド「はい、どうぞ」
息子「眠くなってきた……」
執事「ベッドメイキングは済んでおります」
3:2018/12/12(水) 21:27:22.736
メイド「ふぅ、お疲れ様ー」
執事「お疲れ」
メイド「あのお坊ちゃんの世話も疲れるわね」
執事「だけど、こんな立派なお屋敷勤めなんて他の仕事についてたら絶対できなかったし」
執事「なにより給料がいい!」
メイド「たしかに……私たちそこらの人よりよっぽど稼げてるわ」
執事「これからも二人であのお坊ちゃんを世話していこうぜ!」
メイド「そうね!」
執事「お疲れ」
メイド「あのお坊ちゃんの世話も疲れるわね」
執事「だけど、こんな立派なお屋敷勤めなんて他の仕事についてたら絶対できなかったし」
執事「なにより給料がいい!」
メイド「たしかに……私たちそこらの人よりよっぽど稼げてるわ」
執事「これからも二人であのお坊ちゃんを世話していこうぜ!」
メイド「そうね!」
4:2018/12/12(水) 21:30:51.323
そんなある日――
息子「執事、メイド! ちょっと来てー!」
執事「お呼びですか」ザッ
メイド「参上しました」ザッ
息子「お願いがあるんだけど」
執事「なんでしょう? 何でもおっしゃって下さい」
メイド「私たち、坊ちゃまのためなら何でもしますわ」
息子「えっとねー……熊と戦って欲しいの」
執事&メイド「は!?」
息子「執事、メイド! ちょっと来てー!」
執事「お呼びですか」ザッ
メイド「参上しました」ザッ
息子「お願いがあるんだけど」
執事「なんでしょう? 何でもおっしゃって下さい」
メイド「私たち、坊ちゃまのためなら何でもしますわ」
息子「えっとねー……熊と戦って欲しいの」
執事&メイド「は!?」
5:2018/12/12(水) 21:32:35.678 ID:RXV3pgzAr1212.net
!?
7:2018/12/12(水) 21:34:37.458
執事「あの、おっしゃる意味が……」
メイド「なぜ私たちが熊と……?」
息子「だって、二人は執事とメイドなんだから強いはずでしょ?」
息子「だから熊と戦って欲しいんだ! で、コテンパンにして欲しいの!」
執事「え、え、え……!?」
メイド「どういうこと……!?」
メイド「なぜ私たちが熊と……?」
息子「だって、二人は執事とメイドなんだから強いはずでしょ?」
息子「だから熊と戦って欲しいんだ! で、コテンパンにして欲しいの!」
執事「え、え、え……!?」
メイド「どういうこと……!?」
8:2018/12/12(水) 21:37:59.867
息子「ちなみに、熊はもう用意してあるから。檻に入れてある」
クマ「グルルルルル……!」
執事(でかっ! ヒグマじゃねえか!)
メイド(私たちがこんなのと戦えるわけないじゃない!)
息子「それじゃ、決闘は一週間後だから!」
息子「二人とも、頑張ってねー! 死なないでねー!」
執事「あ、あのっ……」
メイド「ちょっと待っ……」
執事&メイド「……」
クマ「グルルルルル……!」
執事(でかっ! ヒグマじゃねえか!)
メイド(私たちがこんなのと戦えるわけないじゃない!)
息子「それじゃ、決闘は一週間後だから!」
息子「二人とも、頑張ってねー! 死なないでねー!」
執事「あ、あのっ……」
メイド「ちょっと待っ……」
執事&メイド「……」
10:2018/12/12(水) 21:40:42.752
メイド「ちょっとぉ! どういうことなのよぉ!?」
執事「そんなこと俺が聞きたいよ!」
執事「どういう意味なんだよ! “執事とメイドなんだから強いはず”って!」
執事「執事とメイドなんて『強さが必要な職業ランキング』なんてやったら」
執事「どっちかっていうと下から数えた方が早いだろォ! そりゃ体力は要るけどさ!」
メイド「あんた、履歴書に武道やってます、とか書いたんじゃないの~?」
執事「書いてるわけないだろ! 武道なんて授業で柔道やったぐらいだよ!」
執事「そっちこそどうなんだよ!?」
メイド「ずっと手芸部だったわよ!」
執事「だったらなぜ……」
メイド「あのお坊ちゃんがよく読んでる漫画なんかを見てみましょう!」
執事「そんなこと俺が聞きたいよ!」
執事「どういう意味なんだよ! “執事とメイドなんだから強いはず”って!」
執事「執事とメイドなんて『強さが必要な職業ランキング』なんてやったら」
執事「どっちかっていうと下から数えた方が早いだろォ! そりゃ体力は要るけどさ!」
メイド「あんた、履歴書に武道やってます、とか書いたんじゃないの~?」
執事「書いてるわけないだろ! 武道なんて授業で柔道やったぐらいだよ!」
執事「そっちこそどうなんだよ!?」
メイド「ずっと手芸部だったわよ!」
執事「だったらなぜ……」
メイド「あのお坊ちゃんがよく読んでる漫画なんかを見てみましょう!」
12:2018/12/12(水) 21:45:19.577
執事「……なんだこりゃ」
執事「どの漫画に出てくる執事もメイドも、やたら強いぞ」
メイド「ねえ見て! このメイドのキャラクター、銃ぶっ放してるわ!」
執事「こっちの執事なんて人間ですらねえぞ!」
執事「やっと分かった……こういうことだったのか」
メイド「漫画に出てくる執事とメイドは強く描かれてることが多いから」
メイド「坊ちゃんもそれを期待して、私たちを熊と戦わせようなんて思ったのね」
執事「……」
メイド「……」
執事「どの漫画に出てくる執事もメイドも、やたら強いぞ」
メイド「ねえ見て! このメイドのキャラクター、銃ぶっ放してるわ!」
執事「こっちの執事なんて人間ですらねえぞ!」
執事「やっと分かった……こういうことだったのか」
メイド「漫画に出てくる執事とメイドは強く描かれてることが多いから」
メイド「坊ちゃんもそれを期待して、私たちを熊と戦わせようなんて思ったのね」
執事「……」
メイド「……」
13:2018/12/12(水) 21:48:22.732
執事「どうする……?」
メイド「何でもするって言っちゃったし、今さら断ったらすごく怒ると思うわ」
執事「たしかに……あの坊ちゃんはワガママなところあるからなぁ」
執事「ヘタしたら、二人揃って無職になっちまうかも……」
メイド「……やる?」
執事「……おう」
執事「俺たちだって毎日屋敷内をドタバタ走り回ってるし、体力は自信がある!」
メイド「そうよ! 二人がかりだし、うまくやればきっと勝てるわよ!」
執事「よーし、この一週間で熊に勝てるようになるんだ!」
メイド「うん!」
メイド「何でもするって言っちゃったし、今さら断ったらすごく怒ると思うわ」
執事「たしかに……あの坊ちゃんはワガママなところあるからなぁ」
執事「ヘタしたら、二人揃って無職になっちまうかも……」
メイド「……やる?」
執事「……おう」
執事「俺たちだって毎日屋敷内をドタバタ走り回ってるし、体力は自信がある!」
メイド「そうよ! 二人がかりだし、うまくやればきっと勝てるわよ!」
執事「よーし、この一週間で熊に勝てるようになるんだ!」
メイド「うん!」
14:2018/12/12(水) 21:51:08.570
執事「まずは腕立て伏せから――」
執事「ふんっ、ふんっ、ふんっ!」グッグッグッ…
メイド「私はスクワットするわ!」
メイド「ふっ、ふっ、ふっ!」グッグッグッ…
執事「ふんっ、ふんっ、ふんっ!」グッグッグッ…
メイド「私はスクワットするわ!」
メイド「ふっ、ふっ、ふっ!」グッグッグッ…
15:2018/12/12(水) 21:53:46.463
執事「シッ! シッ、シッ!」ボスッボスッ
トレーナー「おぉ~、いいパンチ打つねえ! センスあるよ!」
執事「ありがとうございます!」
メイド「だああああっ!」ダッ
格闘家「甘い! そんなタックルではすぐ切られてしまうぞ!」
メイド「くっ!」
そして、一週間後――
トレーナー「おぉ~、いいパンチ打つねえ! センスあるよ!」
執事「ありがとうございます!」
メイド「だああああっ!」ダッ
格闘家「甘い! そんなタックルではすぐ切られてしまうぞ!」
メイド「くっ!」
そして、一週間後――
16:2018/12/12(水) 21:55:38.280 ID:XUiAPxPWr1212.net
本格的だなおい
17:2018/12/12(水) 21:57:06.452
息子「いよいよ決戦の日だね!」
息子「二人には期待してるからね。頑張って熊をやっつけてね!」
執事「はいっ!」
メイド「はいっ!」
執事(この一週間鍛えながら出した結論、それは――)
メイド(正攻法では絶対敵わない。しかし、いくら熊といえど“目”は絶対の急所!)
執事(だから俺が右目を潰し、メイドが左目を潰す!)
メイド(そうすれば勝てるわ!)
息子「二人には期待してるからね。頑張って熊をやっつけてね!」
執事「はいっ!」
メイド「はいっ!」
執事(この一週間鍛えながら出した結論、それは――)
メイド(正攻法では絶対敵わない。しかし、いくら熊といえど“目”は絶対の急所!)
執事(だから俺が右目を潰し、メイドが左目を潰す!)
メイド(そうすれば勝てるわ!)
18:2018/12/12(水) 22:00:15.078 ID:aXFyN68C0.net
息子「じゃあ熊を檻から出すよー、始めっ!」
クマ「グルルルルルル……!」ズンッ
執事「……!」
メイド「……!」
執事(檻から出たところを目の当たりにすると、本当にでけえ!)
メイド(2メートル!? いやいや3メートルくらいあるんじゃないの!?)
クマ「グオオオオオオオ……!」
執事(こんな奴の目を潰す?)
メイド(絶対ムリムリ! 目を潰す前にこっちが全身潰されてるわ!)
執事&メイド(やっぱりやめときゃよかったああああああああああああああああ!!!)
クマ「グルルルルルル……!」ズンッ
執事「……!」
メイド「……!」
執事(檻から出たところを目の当たりにすると、本当にでけえ!)
メイド(2メートル!? いやいや3メートルくらいあるんじゃないの!?)
クマ「グオオオオオオオ……!」
執事(こんな奴の目を潰す?)
メイド(絶対ムリムリ! 目を潰す前にこっちが全身潰されてるわ!)
執事&メイド(やっぱりやめときゃよかったああああああああああああああああ!!!)
19:2018/12/12(水) 22:03:05.182 ID:aXFyN68C0.net
メイド「ど、どうするの……?」
執事「どうするって……もうやるしかないだろ!」
メイド「なにを?」
執事「決まってるだろ……玉砕だよぉぉぉぉぉっ!」
執事「うおおおおおおおおっ!」ダダダッ
クマ「……お二人とも、お聞き下さい」ボソッ
執事&メイド「!?」
執事「どうするって……もうやるしかないだろ!」
メイド「なにを?」
執事「決まってるだろ……玉砕だよぉぉぉぉぉっ!」
執事「うおおおおおおおおっ!」ダダダッ
クマ「……お二人とも、お聞き下さい」ボソッ
執事&メイド「!?」
20:2018/12/12(水) 22:05:15.807 ID:XUiAPxPWr.net
シャベッタァァ
21:2018/12/12(水) 22:06:19.749 ID:aXFyN68C0.net
執事「熊が……しゃべった!?」
クマ「シッ、そのまま戦うふりをしてお聞き下さい。坊ちゃまに怪しまれます」
執事「う、うん!」バキッ
メイド「だっ、でやっ!」ドカッバキッ
クマ「お二人の事情は察しております」
クマ「おそらく、坊ちゃまに格闘技の心得があると誤解されて、私と戦うことになったのでしょう?」
執事「そ、その通り!」
クマ「ですから……」
クマ「シッ、そのまま戦うふりをしてお聞き下さい。坊ちゃまに怪しまれます」
執事「う、うん!」バキッ
メイド「だっ、でやっ!」ドカッバキッ
クマ「お二人の事情は察しております」
クマ「おそらく、坊ちゃまに格闘技の心得があると誤解されて、私と戦うことになったのでしょう?」
執事「そ、その通り!」
クマ「ですから……」
22:2018/12/12(水) 22:09:25.584 ID:aXFyN68C0.net
クマ「私はやられたふりをします」
執事「えっ!」
メイド「いいの?」
クマ「むやみな殺生は、私の望むところではありませんから」
息子「なにやってんだよー! 戦えよー!」
クマ「怪しんでます! ……さ、早く!」
執事「ありがとう!」
メイド「分かったわ!」
執事「えっ!」
メイド「いいの?」
クマ「むやみな殺生は、私の望むところではありませんから」
息子「なにやってんだよー! 戦えよー!」
クマ「怪しんでます! ……さ、早く!」
執事「ありがとう!」
メイド「分かったわ!」
23:2018/12/12(水) 22:12:37.663 ID:5URVOPS4d.net
なんて紳士な熊なんだ
24:2018/12/12(水) 22:13:27.806 ID:aXFyN68C0.net
執事「どりゃあ!」バキッ
クマ「グガッ……!」
メイド「てりゃあっ!」ドゴッ
クマ「ガアア……ッ!」ヨロヨロ…
息子「すごいや! あんな大きな熊がよろめいてる!」
執事「いくぞ、トドメだ!」
メイド「ええ!」
執事&メイド「Wキィーック!!!」バッ
ドゴォッ!
クマ「グオアァァァァァ……!」ドザァッ
息子「やったーっ!」
クマ「グガッ……!」
メイド「てりゃあっ!」ドゴッ
クマ「ガアア……ッ!」ヨロヨロ…
息子「すごいや! あんな大きな熊がよろめいてる!」
執事「いくぞ、トドメだ!」
メイド「ええ!」
執事&メイド「Wキィーック!!!」バッ
ドゴォッ!
クマ「グオアァァァァァ……!」ドザァッ
息子「やったーっ!」
26:2018/12/12(水) 22:16:23.111 ID:aXFyN68C0.net
執事(ふぅ……この巨体にあんな蹴りが効くわけないけど……)
メイド(熊さんが紳士的なおかげで助かったわ……)
クマ「グオオ……」ガクッ
息子「二人ともすごいや! やっぱり執事とメイドは強かったんだね!」
息子「お父さんに話して、二人とも給料アップさせてあげるからね!」
執事「いえいえ、給料のためにやったわけじゃありませんから」
メイド「坊ちゃまが満足して下さればいいのです」
執事&メイド(やったぁ!!!)
メイド(熊さんが紳士的なおかげで助かったわ……)
クマ「グオオ……」ガクッ
息子「二人ともすごいや! やっぱり執事とメイドは強かったんだね!」
息子「お父さんに話して、二人とも給料アップさせてあげるからね!」
執事「いえいえ、給料のためにやったわけじゃありませんから」
メイド「坊ちゃまが満足して下さればいいのです」
執事&メイド(やったぁ!!!)
27:2018/12/12(水) 22:18:25.244 ID:XUiAPxPWr.net
心は正直だな
28:2018/12/12(水) 22:20:49.467 ID:aXFyN68C0.net
息子「さて、あとはこの熊だけど……」
執事「山に帰すんですか?」
息子「ううん、解体して熊鍋にしちゃおう!」
メイド「え!?」
息子「それに、熊の手ってものすごい珍味らしいし、一度食べてみたかったんだよねー」
息子「さあ、さばいちゃってよ!」
執事「え……し、しかし……」
クマ(これでいいのです……! 早く私にトドメを!)チラッ
執事「……」
メイド「……」
息子「なにためらってんのさ! こんな畜生に情けは無用だよ! 早くさばいて!」
執事「山に帰すんですか?」
息子「ううん、解体して熊鍋にしちゃおう!」
メイド「え!?」
息子「それに、熊の手ってものすごい珍味らしいし、一度食べてみたかったんだよねー」
息子「さあ、さばいちゃってよ!」
執事「え……し、しかし……」
クマ(これでいいのです……! 早く私にトドメを!)チラッ
執事「……」
メイド「……」
息子「なにためらってんのさ! こんな畜生に情けは無用だよ! 早くさばいて!」
29:2018/12/12(水) 22:23:53.214 ID:CnunTPnUa.net
坊っちゃま鬼畜で草
30:2018/12/12(水) 22:25:19.115 ID:aXFyN68C0.net
執事「うるせえ!」バキィッ!
息子「ぶげっ!?」
執事「なにが畜生だ! てめえの方がよっぽど畜生じゃねえか! 人を遊び半分で戦わせやがって!」
息子「なにするんだ! クビになりたいのか!?」
執事「ああ、クビで結構! もっと早く退職届を出すべきだったぜ!」
息子「な……! おい、メイド、こいつをどうにか――」
メイド「ふんっ!」バキィッ!
息子「あぐうっ!?」
息子「ぶげっ!?」
執事「なにが畜生だ! てめえの方がよっぽど畜生じゃねえか! 人を遊び半分で戦わせやがって!」
息子「なにするんだ! クビになりたいのか!?」
執事「ああ、クビで結構! もっと早く退職届を出すべきだったぜ!」
息子「な……! おい、メイド、こいつをどうにか――」
メイド「ふんっ!」バキィッ!
息子「あぐうっ!?」
31:2018/12/12(水) 22:28:42.886 ID:aXFyN68C0.net
息子「な、なにすんだよぉっ! 二人揃って主人に反抗するなんて……!」
執事「そう、俺たちは真の主人を見つけた……」
メイド「ええ、この熊様こそ、私たちが使えるべき主!」
クマ「へ……?」
執事「あんたは執事やメイドが強いといってたが、真の強さとは権力や暴力で相手をやり込めることではない」
執事「この熊様のような、高潔な精神を持つことだったんだ……」
執事「さ、行きましょう」
メイド「山でお食事を用意いたしますわ」
クマ「は、はぁ……」
ザッザッザッ…
息子(真の……強さ……)
執事「そう、俺たちは真の主人を見つけた……」
メイド「ええ、この熊様こそ、私たちが使えるべき主!」
クマ「へ……?」
執事「あんたは執事やメイドが強いといってたが、真の強さとは権力や暴力で相手をやり込めることではない」
執事「この熊様のような、高潔な精神を持つことだったんだ……」
執事「さ、行きましょう」
メイド「山でお食事を用意いたしますわ」
クマ「は、はぁ……」
ザッザッザッ…
息子(真の……強さ……)
32:2018/12/12(水) 22:32:27.237 ID:aXFyN68C0.net
山――
執事「さ、どうぞ。川で魚を取って参りました」ビチビチッ
クマ「ど、どうも」
メイド「デザートに木の実もございますわよ」
クマ「ありがとうございます」
クマ「しかし……よろしいのですか? 本当に私なんかに仕えて……給料も出せないのに……」
執事「はい、よいのです」
メイド「私たちが真に仕えるべきはあなた様だったのですから」
クマ「あなたたちがいいならいいですけど……」
執事「さ、どうぞ。川で魚を取って参りました」ビチビチッ
クマ「ど、どうも」
メイド「デザートに木の実もございますわよ」
クマ「ありがとうございます」
クマ「しかし……よろしいのですか? 本当に私なんかに仕えて……給料も出せないのに……」
執事「はい、よいのです」
メイド「私たちが真に仕えるべきはあなた様だったのですから」
クマ「あなたたちがいいならいいですけど……」
33:2018/12/12(水) 22:36:57.430 ID:aXFyN68C0.net
執事「では洞穴に葉っぱを敷いておきましたので」
メイド「どうぞお休みになって下さい」
クマ「こりゃどうも……」
「……執事、メイド」ザッ…
執事&メイド(この声は……!?)
メイド「どうぞお休みになって下さい」
クマ「こりゃどうも……」
「……執事、メイド」ザッ…
執事&メイド(この声は……!?)
34:2018/12/12(水) 22:40:07.255 ID:aXFyN68C0.net
執事&メイド「坊ちゃま!」
息子「やぁ、久しぶり」ムキッ
執事「なんという巨躯……!」
メイド「まるで見違えるよう……!」
息子「あれからボクは反省して、自らを鍛え直したんだ」
息子「おかげで今やボクのサイズは身長195cm、体重150kg、体脂肪率は3%をキープしている」
執事「おお……!」
メイド「素晴らしい……!」
息子「やぁ、久しぶり」ムキッ
執事「なんという巨躯……!」
メイド「まるで見違えるよう……!」
息子「あれからボクは反省して、自らを鍛え直したんだ」
息子「おかげで今やボクのサイズは身長195cm、体重150kg、体脂肪率は3%をキープしている」
執事「おお……!」
メイド「素晴らしい……!」
35:2018/12/12(水) 22:42:06.037 ID:904XLu0Vr.net
なんだと
36:2018/12/12(水) 22:44:49.605 ID:aXFyN68C0.net
息子「ボクは自分を鍛え直して、ようやく分かった……」
息子「真に強い者は、執事とメイドにあれこれ命令したり強制するのではなく」
息子「執事とメイドを温かく抱き締める者なのだと!」
息子「戻ってきておくれ、二人とも!」バッ
執事「……」
メイド「……」
クマ「行っておあげなさい、二人とも」
執事&メイド「……はい!」
息子「真に強い者は、執事とメイドにあれこれ命令したり強制するのではなく」
息子「執事とメイドを温かく抱き締める者なのだと!」
息子「戻ってきておくれ、二人とも!」バッ
執事「……」
メイド「……」
クマ「行っておあげなさい、二人とも」
執事&メイド「……はい!」
37:2018/12/12(水) 22:46:35.272 ID:aXFyN68C0.net
執事「坊ちゃま……!」
メイド「坊ちゃま……!」
息子「二人とも……!」ギュッ…
クマ(見事……! これぞ真の主従関係だ……!)
メイド「坊ちゃま……!」
息子「二人とも……!」ギュッ…
クマ(見事……! これぞ真の主従関係だ……!)
38:2018/12/12(水) 22:51:42.584 ID:aXFyN68C0.net
それから数年後――
ワァァ…… ワァァ……
実況『デビュー以来、圧倒的な強さで勝ち上がってきたファイターが、ついに世界チャンプに挑戦!』
実況『財閥の御曹司でありながら格闘家になったという異色の経歴の持ち主!』
実況『必殺のベアハッグは今日も炸裂するのでしょうか!?』
実況『二人のセコンドを従え、“ビッグベアー”の異名を持つ挑戦者の入場だぁっ!』
息子「じゃあ、行ってくる」ズンッ
執事「お気をつけて、坊ちゃま!」
メイド「坊ちゃまなら必ず世界チャンプになれますわ!」
― 完 ―
ワァァ…… ワァァ……
実況『デビュー以来、圧倒的な強さで勝ち上がってきたファイターが、ついに世界チャンプに挑戦!』
実況『財閥の御曹司でありながら格闘家になったという異色の経歴の持ち主!』
実況『必殺のベアハッグは今日も炸裂するのでしょうか!?』
実況『二人のセコンドを従え、“ビッグベアー”の異名を持つ挑戦者の入場だぁっ!』
息子「じゃあ、行ってくる」ズンッ
執事「お気をつけて、坊ちゃま!」
メイド「坊ちゃまなら必ず世界チャンプになれますわ!」
― 完 ―
39:2018/12/12(水) 22:55:05.395 ID:DYQuNCqlM.net
イイハナシダナー
41:2018/12/12(水) 22:57:15.610 ID:CnunTPnUa.net
感動した!
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります