1:2018/12/26(水) 21:45:34.629
男「いやぁー、ダメ元でナンパしてみるもんだね」
男「まさかデートしてくれるなんて……」
女「私もちょうどヒマだったし、あなたハンサムだから」
男「…………」ゴクッ
男「ところで、そのマフラー……よく似合ってるね」
女「これ毒蛇よ」
男「え」
男「まさかデートしてくれるなんて……」
女「私もちょうどヒマだったし、あなたハンサムだから」
男「…………」ゴクッ
男「ところで、そのマフラー……よく似合ってるね」
女「これ毒蛇よ」
男「え」
2:2018/12/26(水) 21:46:20.028 ID:3GwfkgAVd.net
女「冷たくてめっちゃ寒いのよ」
3:2018/12/26(水) 21:47:30.593 ID:B4f65cjza.net
>>2
これな
使えたもんじゃない
これな
使えたもんじゃない
5:2018/12/26(水) 21:49:21.021
女「ほら」
毒蛇「シャーッ!」
男「な……!」
男「君はいったい……!?」
女「私、ヘビ使いやってるの」
男「ヘビ使い……!?」
女「これでも自分の事務所を持ってて、本場インドで修行した本格派よ」
男「へ、へえ~……」
毒蛇「シャーッ!」
男「な……!」
男「君はいったい……!?」
女「私、ヘビ使いやってるの」
男「ヘビ使い……!?」
女「これでも自分の事務所を持ってて、本場インドで修行した本格派よ」
男「へ、へえ~……」
8:2018/12/26(水) 21:51:09.940 ID:L/QWfVcq0.net
ちなみにヘビ使いは笛でヘビつついて怒らせてるだけな
9:2018/12/26(水) 21:54:09.306
<自宅兼事務所>
女「なんでフラれたのかしら」
毒蛇「なんで分かんねえんだよ」
女「なんで?」
毒蛇「どこの世界に、毒蛇首に巻いてる女と付き合いたい男がいるんだよ!?」
毒蛇「せっかくの出会いだったのに……もう出歩く時、俺を首に巻くのやめろよ!」
女「だって寒いんだもの。首回りは特に」
毒蛇「マフラーって優秀な防寒具があんだろ!」
女「マフラーって首がチクチクするから苦手なの」
毒蛇「安物買うからだよ! お前はいつも肝心なところでケチるからな!」
女「あんたはいつも毒舌よねえ」
毒蛇「なんたって毒蛇だからな!」
女「猛毒すぎて、自分の脳まで異常をきたして、人の言葉を喋れるようになるくらいにね」
毒蛇「うっせえ! 好きで喋れるようになったんじゃねえや!」シャーッ
女「なんでフラれたのかしら」
毒蛇「なんで分かんねえんだよ」
女「なんで?」
毒蛇「どこの世界に、毒蛇首に巻いてる女と付き合いたい男がいるんだよ!?」
毒蛇「せっかくの出会いだったのに……もう出歩く時、俺を首に巻くのやめろよ!」
女「だって寒いんだもの。首回りは特に」
毒蛇「マフラーって優秀な防寒具があんだろ!」
女「マフラーって首がチクチクするから苦手なの」
毒蛇「安物買うからだよ! お前はいつも肝心なところでケチるからな!」
女「あんたはいつも毒舌よねえ」
毒蛇「なんたって毒蛇だからな!」
女「猛毒すぎて、自分の脳まで異常をきたして、人の言葉を喋れるようになるくらいにね」
毒蛇「うっせえ! 好きで喋れるようになったんじゃねえや!」シャーッ
10:2018/12/26(水) 21:54:57.886 ID:fpy3bJk+r.net
ヘビーな話になりそう
13:2018/12/26(水) 21:57:24.418
女「きっと私の魅力が足りなかったのよ。もっとシェイプアップしなくちゃ」
女「ってわけで、縄跳びやるから縄になって」
毒蛇「絶対嫌だよ! 縄買ってこいよ!」
女「爬虫類ショップで、“ヘビ用ビーフジャーキー”買ってあげるから」
毒蛇「しゃーねーなー……やるよ、やりますよ!」
女「いち、に、さん」ピョンピョンピョン
女「ってわけで、縄跳びやるから縄になって」
毒蛇「絶対嫌だよ! 縄買ってこいよ!」
女「爬虫類ショップで、“ヘビ用ビーフジャーキー”買ってあげるから」
毒蛇「しゃーねーなー……やるよ、やりますよ!」
女「いち、に、さん」ピョンピョンピョン
14:2018/12/26(水) 22:00:21.428
<爬虫類ショップ>
店長「いらっしゃい!」
女「こんにちは」
毒蛇「ちわーっす!」シャーッ
店長「おお、二人とも相変わらず元気だね」
毒蛇「この店は相変わらず流行ってねえな」
店長「今日も毒吐くね~」
毒蛇「なにせ俺は毒蛇だからな」
女「“ヘビ用ビーフジャーキー”ちょうだい」
店長「毎度!」
店長「いらっしゃい!」
女「こんにちは」
毒蛇「ちわーっす!」シャーッ
店長「おお、二人とも相変わらず元気だね」
毒蛇「この店は相変わらず流行ってねえな」
店長「今日も毒吐くね~」
毒蛇「なにせ俺は毒蛇だからな」
女「“ヘビ用ビーフジャーキー”ちょうだい」
店長「毎度!」
15:2018/12/26(水) 22:03:20.214
女(さて、帰ろうっと)
女「……ん」ドンッ
銀髪「おっと、失礼」
白蛇「シュルルルル…」
女「…………」
女「あの男の人、白蛇を首に巻いてたわ」
毒蛇「ああ、アルビノってやつか?」
女「只者じゃないわね」
毒蛇「蛇を首に巻いて外うろついてる時点で只者じゃねえよ。悪い意味で」
女「……ん」ドンッ
銀髪「おっと、失礼」
白蛇「シュルルルル…」
女「…………」
女「あの男の人、白蛇を首に巻いてたわ」
毒蛇「ああ、アルビノってやつか?」
女「只者じゃないわね」
毒蛇「蛇を首に巻いて外うろついてる時点で只者じゃねえよ。悪い意味で」
16:2018/12/26(水) 22:07:14.944
ある日――
<古い民家>
チューチュー… ドタバタ…
家主「ご覧のように、ネズミが大量に住み着いてしまって……」
女「分かりました。すぐに駆除します」
女「頼んだわよ」
毒蛇「おう、任せとけ!」
<古い民家>
チューチュー… ドタバタ…
家主「ご覧のように、ネズミが大量に住み着いてしまって……」
女「分かりました。すぐに駆除します」
女「頼んだわよ」
毒蛇「おう、任せとけ!」
17:2018/12/26(水) 22:09:25.672
毒蛇「いたいた……ネズミどもが」ニョロニョロ
ネズミ「チュッ!?」
毒蛇「お前ら全員……俺の毒牙の餌食だぜ!」シャーッ
チュウゥゥゥゥ… シャァァァァァ…
ドタンバタン! ドタンバタン! ドタンバタン!
…………
……
ネズミ「チュッ!?」
毒蛇「お前ら全員……俺の毒牙の餌食だぜ!」シャーッ
チュウゥゥゥゥ… シャァァァァァ…
ドタンバタン! ドタンバタン! ドタンバタン!
…………
……
18:2018/12/26(水) 22:12:28.176
毒蛇「ほらよ、こいつでラスト」ペッ
毒蛇「一匹残らず仕留めてやったぜ」ニュルニュル…
女「ご苦労様」
家主「ありがとうございます!」
家主「悪質な駆除業者に任せると、ネズミを退治するふりをして」
家主「またネズミが増えるよう、わざと残すケースもあるらしいのですが」
家主「あなたたちに頼んでよかった!」
毒蛇「へへへ、毎度~」
女「…………」
毒蛇「どうした?」
女「その手があったか」
毒蛇「オイ」
毒蛇「一匹残らず仕留めてやったぜ」ニュルニュル…
女「ご苦労様」
家主「ありがとうございます!」
家主「悪質な駆除業者に任せると、ネズミを退治するふりをして」
家主「またネズミが増えるよう、わざと残すケースもあるらしいのですが」
家主「あなたたちに頼んでよかった!」
毒蛇「へへへ、毎度~」
女「…………」
毒蛇「どうした?」
女「その手があったか」
毒蛇「オイ」
21:2018/12/26(水) 22:16:40.191
帰り道――
女「あら?」
毒蛇「悪そうなヤツが女の子に絡んでるな」
チンピラ「な? そこのカフェで一緒にコーヒー飲んでくれるだけでいいからよォ~」
女子高生「この後、用事あるんで……!」
チンピラ「お、断るの? 心が傷ついたわぁ~」
チンピラ「だったら慰謝料でコーヒー代くらいよこせや! ほら、財布出しな!」
女子高生「お金なんて持ってません!」
チンピラ「今時の女子高生が金持ってねえわけねーだろ! オラ、出しやがれぇ!」
女「あら?」
毒蛇「悪そうなヤツが女の子に絡んでるな」
チンピラ「な? そこのカフェで一緒にコーヒー飲んでくれるだけでいいからよォ~」
女子高生「この後、用事あるんで……!」
チンピラ「お、断るの? 心が傷ついたわぁ~」
チンピラ「だったら慰謝料でコーヒー代くらいよこせや! ほら、財布出しな!」
女子高生「お金なんて持ってません!」
チンピラ「今時の女子高生が金持ってねえわけねーだろ! オラ、出しやがれぇ!」
22:2018/12/26(水) 22:19:23.744
女「やめなさいな」
毒蛇「シャーッ!」
女子高生「えっ」
チンピラ「なんだてめえ!?」
チンピラ「薄気味悪い女だ……邪魔するんなら……」ガシッ
女「やっちゃいなさい」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
チンピラ「ぐわっ!?」
毒蛇「シャーッ!」
女子高生「えっ」
チンピラ「なんだてめえ!?」
チンピラ「薄気味悪い女だ……邪魔するんなら……」ガシッ
女「やっちゃいなさい」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
チンピラ「ぐわっ!?」
24:2018/12/26(水) 22:22:25.550
ドサッ…
チンピラ「か、体が……痺れて……」ピクピク…
女「加減はしておいたから、一時間もすれば動けるようになるわ」
女「ただ……また悪さしてるとこ見かけたら、今度は命の保証はないけど」
チンピラ「…………」ゾクッ
女子高生「あ、あの……ありがとうございました!」
女「気にしないで。気をつけて帰りなさい」
女子高生「は、はいっ!」
チンピラ「か、体が……痺れて……」ピクピク…
女「加減はしておいたから、一時間もすれば動けるようになるわ」
女「ただ……また悪さしてるとこ見かけたら、今度は命の保証はないけど」
チンピラ「…………」ゾクッ
女子高生「あ、あの……ありがとうございました!」
女「気にしないで。気をつけて帰りなさい」
女子高生「は、はいっ!」
25:2018/12/26(水) 22:26:21.894
……
<民家>
ニュルニュルニュル…
毒蛇「お、あったあった!」
毒蛇「ほれ、排水溝に流しちまったカギを取ってきたぜ!」ペッ
依頼人「ありがとうございますぅ!」
依頼人「これは替えがきかないカギでして、本当に助かりました!」
女「またご依頼があれば、私の事務所までお気軽にどうぞ」
女「今日は頑張ってくれたから、“ヘビ用ペディグリーチャム”買ってあげる」
毒蛇「ヒャッホウ!」
<民家>
ニュルニュルニュル…
毒蛇「お、あったあった!」
毒蛇「ほれ、排水溝に流しちまったカギを取ってきたぜ!」ペッ
依頼人「ありがとうございますぅ!」
依頼人「これは替えがきかないカギでして、本当に助かりました!」
女「またご依頼があれば、私の事務所までお気軽にどうぞ」
女「今日は頑張ってくれたから、“ヘビ用ペディグリーチャム”買ってあげる」
毒蛇「ヒャッホウ!」
26:2018/12/26(水) 22:29:09.045
<爬虫類ショップ>
女「よかった、あと一つだけ残ってるわ」サッ
銀髪「ラスト一個が残ってたか」サッ
女「あっ」
銀髪「あっ」
女「あなたも……“ヘビ用ペディグリーチャム”が欲しいのね?」
銀髪「ええ、ウチの白蛇の大好物なもので」
女「よかった、あと一つだけ残ってるわ」サッ
銀髪「ラスト一個が残ってたか」サッ
女「あっ」
銀髪「あっ」
女「あなたも……“ヘビ用ペディグリーチャム”が欲しいのね?」
銀髪「ええ、ウチの白蛇の大好物なもので」
27:2018/12/26(水) 22:32:18.224
女「悪いけど、これは譲れないわ」
銀髪「ボクもです」
女「お互い引く気はないってわけね」
銀髪「だったら≪ガラガラ勝負≫で決めませんか?」
女「望むところよ」
≪ガラガラ勝負≫とは――
どちらがよりガラガラヘビのようにガラガラできるか競う、ヘビ使いの決闘法の一つである。
銀髪「ボクもです」
女「お互い引く気はないってわけね」
銀髪「だったら≪ガラガラ勝負≫で決めませんか?」
女「望むところよ」
≪ガラガラ勝負≫とは――
どちらがよりガラガラヘビのようにガラガラできるか競う、ヘビ使いの決闘法の一つである。
28:2018/12/26(水) 22:36:06.699
女&銀髪「勝負!!!」
女「ガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラ…」
女「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
女「……ぐっ!」ガクッ
銀髪「どうやら……ボクの勝ちですね。“ヘビ用ペディグリーチャム”はいただきますよ」
女「生まれて初めて……ガラガラ勝負で負けた……」
白蛇「シュルルルルル…」ニヤッ
毒蛇「!」
毒蛇「あ、あのクソ蛇! 俺を笑いやがった! ちくしょう!」
女「ガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラ…」
女「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
女「……ぐっ!」ガクッ
銀髪「どうやら……ボクの勝ちですね。“ヘビ用ペディグリーチャム”はいただきますよ」
女「生まれて初めて……ガラガラ勝負で負けた……」
白蛇「シュルルルルル…」ニヤッ
毒蛇「!」
毒蛇「あ、あのクソ蛇! 俺を笑いやがった! ちくしょう!」
29:2018/12/26(水) 22:39:33.708
店長「いい勝負だったけど、惜しかったね」
女「あの人は何者なの?」
店長「うちに来るようになったのは最近なんだけど、新進気鋭のヘビ使いらしい」
女「同業者か……」
毒蛇「ってことはいずれ商売がかち合うかもしれねーな!」
毒蛇「そん時はあの白蛇、ボッコボコにしてやるぜ!」
女「いつになく殺気立ってるわね。あんたらしくもない」
毒蛇「だって、ペディグリーチャム食べたかったんだもん……」ニョロ…
女「おお、よしよし」ナデナデ
毒蛇「ううう……」
女「あの人は何者なの?」
店長「うちに来るようになったのは最近なんだけど、新進気鋭のヘビ使いらしい」
女「同業者か……」
毒蛇「ってことはいずれ商売がかち合うかもしれねーな!」
毒蛇「そん時はあの白蛇、ボッコボコにしてやるぜ!」
女「いつになく殺気立ってるわね。あんたらしくもない」
毒蛇「だって、ペディグリーチャム食べたかったんだもん……」ニョロ…
女「おお、よしよし」ナデナデ
毒蛇「ううう……」
30:2018/12/26(水) 22:42:02.621 ID:YHUsG13Br.net
可愛い
32:2018/12/26(水) 22:43:51.846 ID:kIFtAjW70.net
蛇巻いて見てる
34:2018/12/26(水) 22:44:30.637
<自宅兼事務所>
女「今日のスケジュールは?」
毒蛇「えぇっと……まず午前中は爬虫類愛好家への公演」
毒蛇「午後はスーパーマーケットのネズミ退治、夜はマムシ酒の品評会があるぜ」
女「今日も忙しいわね」
女「忙しいのはいいことだけど……さすがにもっと人手が欲しいわ」
毒蛇「たしかにな。このところあまり寝れてねえだろ」
女「……そうだ、バイトでも雇おうかしら」
毒蛇「バイトォ~? こんなとこで働きたい奴なんていねえだろ!」
女「分かんないわよ。もしかしたら、いるかもしれない」
毒蛇「絶対いねえよ!」
女「今日のスケジュールは?」
毒蛇「えぇっと……まず午前中は爬虫類愛好家への公演」
毒蛇「午後はスーパーマーケットのネズミ退治、夜はマムシ酒の品評会があるぜ」
女「今日も忙しいわね」
女「忙しいのはいいことだけど……さすがにもっと人手が欲しいわ」
毒蛇「たしかにな。このところあまり寝れてねえだろ」
女「……そうだ、バイトでも雇おうかしら」
毒蛇「バイトォ~? こんなとこで働きたい奴なんていねえだろ!」
女「分かんないわよ。もしかしたら、いるかもしれない」
毒蛇「絶対いねえよ!」
35:2018/12/26(水) 22:47:21.847
……
女「…………」
女「二人も応募が来たわ」
毒蛇「マジで!?」シャーッ
毒蛇「世の中好景気なのか不景気なのかよく分かんねえけど、不景気ってことだなぁ」
毒蛇「景気よかったら、ぜってえこんな魔境で働こうとは思わねえもん」
女「コラコラ、あまり毒吐かないの」
毒蛇「で、どうすんだ? 採用すんのか?」
女「とりあえず、二人とも面接してみることにするわ」
女「…………」
女「二人も応募が来たわ」
毒蛇「マジで!?」シャーッ
毒蛇「世の中好景気なのか不景気なのかよく分かんねえけど、不景気ってことだなぁ」
毒蛇「景気よかったら、ぜってえこんな魔境で働こうとは思わねえもん」
女「コラコラ、あまり毒吐かないの」
毒蛇「で、どうすんだ? 採用すんのか?」
女「とりあえず、二人とも面接してみることにするわ」
37:2018/12/26(水) 22:50:24.573
後日――
女子高生「こんにちは!」
チンピラ「ちわっす!」
女(あら……?)
毒蛇(どっかで見たことあるような二人組だな……)
女子高生「なんだあんたが!?」
チンピラ「なんでテメェが!?」
女「コラコラ、喧嘩しない。さっそく面接を始めさせてもらうわ」
女子高生「こんにちは!」
チンピラ「ちわっす!」
女(あら……?)
毒蛇(どっかで見たことあるような二人組だな……)
女子高生「なんだあんたが!?」
チンピラ「なんでテメェが!?」
女「コラコラ、喧嘩しない。さっそく面接を始めさせてもらうわ」
39:2018/12/26(水) 22:54:05.365
女子高生「私、以前あなたに助けていただいた女子高生です!」
女子高生「それであなたに憧れて、ずっと捜してて、バイト募集をしていたので……」
女「なるほどね」
女「だけど、うちはヘビ使いの事務所なのよ。ヘビは大丈夫?」
女子高生「はいっ、私ハブを飼ってますから! ほら!」
ハブ「シューッ!」ニュルニュル
女「あら、いいじゃない。採用よ」
女子高生「やった!」
毒蛇(俺も、ヘビ語で面接してみるか)
毒蛇『ハブ……お前はなんかできるのか? ネズミ退治とか……』
ハブ『将棋が得意ですね。奨励会の人にも勝ったことあります』
毒蛇『流石ハブ……』
女子高生「それであなたに憧れて、ずっと捜してて、バイト募集をしていたので……」
女「なるほどね」
女「だけど、うちはヘビ使いの事務所なのよ。ヘビは大丈夫?」
女子高生「はいっ、私ハブを飼ってますから! ほら!」
ハブ「シューッ!」ニュルニュル
女「あら、いいじゃない。採用よ」
女子高生「やった!」
毒蛇(俺も、ヘビ語で面接してみるか)
毒蛇『ハブ……お前はなんかできるのか? ネズミ退治とか……』
ハブ『将棋が得意ですね。奨励会の人にも勝ったことあります』
毒蛇『流石ハブ……』
41:2018/12/26(水) 22:57:57.928
チンピラ「俺、あんた……いえ、あなたに睨みつけられた時……」
チンピラ「これが“ヘビに睨まれたカエル状態”なんだって、分かったんす!」
チンピラ「俺はあなたのカエルになりたい! ここでパシリとして使って下さい!」
女「ヘビを扱ったことは?」
チンピラ「ない……っす」
女子高生「それじゃここで働くなんて無理よ! さっさと帰りなさい、このヒキガエル!」
チンピラ「ぐうう……!」
女「他になにか特技は?」
チンピラ「うーん……あ、簿記の資格持ってます。数字には強いっす」
毒蛇「どういうチンピラだよ!?」
女「経理要員も欲しかったのよね……うん、あなたも採用にするわ」
チンピラ「あざーっす!」
チンピラ「これが“ヘビに睨まれたカエル状態”なんだって、分かったんす!」
チンピラ「俺はあなたのカエルになりたい! ここでパシリとして使って下さい!」
女「ヘビを扱ったことは?」
チンピラ「ない……っす」
女子高生「それじゃここで働くなんて無理よ! さっさと帰りなさい、このヒキガエル!」
チンピラ「ぐうう……!」
女「他になにか特技は?」
チンピラ「うーん……あ、簿記の資格持ってます。数字には強いっす」
毒蛇「どういうチンピラだよ!?」
女「経理要員も欲しかったのよね……うん、あなたも採用にするわ」
チンピラ「あざーっす!」
42:2018/12/26(水) 23:01:07.384
女子高生「それじゃ、ハブを連れて老人ホームの人達と将棋指してきます!」
ハブ「シューッ!」
女「適度に勝ったり負けたりするのがコツよ」
毒蛇「いずれ、あの羽生さんとも対局することになったりしてな」
~
女「今月の収支はどう?」
チンピラ「バッチリ黒字っす! だけど、毒蛇さんの食費がちょっとかさんでますね……」
女「じゃあ、来月は食わせないことにするわ」
毒蛇「スト起こすぞてめえ!」シャーッ
女「二人ともよく働いてくれてるわ」
毒蛇「ああ、正直いってここまで使えるとは思わなかった」
女「私たちも負けられないわね」
毒蛇「おう!」
ハブ「シューッ!」
女「適度に勝ったり負けたりするのがコツよ」
毒蛇「いずれ、あの羽生さんとも対局することになったりしてな」
~
女「今月の収支はどう?」
チンピラ「バッチリ黒字っす! だけど、毒蛇さんの食費がちょっとかさんでますね……」
女「じゃあ、来月は食わせないことにするわ」
毒蛇「スト起こすぞてめえ!」シャーッ
女「二人ともよく働いてくれてるわ」
毒蛇「ああ、正直いってここまで使えるとは思わなかった」
女「私たちも負けられないわね」
毒蛇「おう!」
45:2018/12/26(水) 23:04:07.713
ある日――
<自宅兼事務所>
女「いらっしゃいませ」
紳士「こんにちは」
金髪「こ、こんにちは……」
女(どういうコンビかしら? 親子ってわけじゃなさそうだけど……)
<自宅兼事務所>
女「いらっしゃいませ」
紳士「こんにちは」
金髪「こ、こんにちは……」
女(どういうコンビかしら? 親子ってわけじゃなさそうだけど……)
46:2018/12/26(水) 23:07:57.279
女「本日はどのようなご用件でしょう?」
紳士「その前に、私どもの事情をお話しさせてもらってもよろしいでしょうか」
女「ええ、かまいません」
紳士「実は、日本有数のある大富豪が、自分の財産について遺言を残そうということになりまして」
紳士「当然、ご子息たちに分配することになるわけですが……」
紳士「そんな中、その大富豪様には私生児、いわゆる“隠し子”がいることが明らかになりまして」
紳士「当然、その方にも財産を分与しようということになったのですが……」
女「大富豪がお父さんだったなんて羨ましい話ね」
毒蛇「おめーのオヤジはただのサラリーマンだしな」
紳士「その前に、私どもの事情をお話しさせてもらってもよろしいでしょうか」
女「ええ、かまいません」
紳士「実は、日本有数のある大富豪が、自分の財産について遺言を残そうということになりまして」
紳士「当然、ご子息たちに分配することになるわけですが……」
紳士「そんな中、その大富豪様には私生児、いわゆる“隠し子”がいることが明らかになりまして」
紳士「当然、その方にも財産を分与しようということになったのですが……」
女「大富豪がお父さんだったなんて羨ましい話ね」
毒蛇「おめーのオヤジはただのサラリーマンだしな」
47:2018/12/26(水) 23:11:12.476
紳士「これで面白くないのが、他のご子息の方々です」
女「そりゃそうよね。取り分が減っちゃうんだから」
紳士「それで、どうしたかというと……」
紳士「なんと、彼らのうちの誰かが、頃し屋を雇ったことが分かったのです」
女「えっ、頃し屋?」
女「あの……ひょっとして、その“隠し子”って……」
紳士「はい、隣に座っているこのお方です」
金髪「…………」
紳士「あなたには、この方を狙う頃し屋を退治して欲しいのです!」
女「そりゃそうよね。取り分が減っちゃうんだから」
紳士「それで、どうしたかというと……」
紳士「なんと、彼らのうちの誰かが、頃し屋を雇ったことが分かったのです」
女「えっ、頃し屋?」
女「あの……ひょっとして、その“隠し子”って……」
紳士「はい、隣に座っているこのお方です」
金髪「…………」
紳士「あなたには、この方を狙う頃し屋を退治して欲しいのです!」
48:2018/12/26(水) 23:15:51.547
女「ちょっと待ってちょうだい。そんな話は警察に任せた方が……」
紳士「我が財閥は、警察関係にも大きく根を張っており、うかつに警察にも頼れないのです」
女「だからって、なんで私に?」
紳士「なぜなら……相手の頃し屋もまた、“ヘビ使い”だからです」
女「ヘビ使い……!」
紳士「こちらの写真をご覧ください。この方のボディガードの写真です」サッ
女「みんな、蛇に急所を噛まれてやられてるわね……。氏んではいないようだけど」
紳士「ええ、なんとかこの方を守れていますが、このままでは時間の問題です」
紳士「ですから、有名なヘビ使いのあなたに、ヘビを使う頃し屋を倒して欲しいのです!」
女「蛇の道はヘビ……ってわけね」
紳士「我が財閥は、警察関係にも大きく根を張っており、うかつに警察にも頼れないのです」
女「だからって、なんで私に?」
紳士「なぜなら……相手の頃し屋もまた、“ヘビ使い”だからです」
女「ヘビ使い……!」
紳士「こちらの写真をご覧ください。この方のボディガードの写真です」サッ
女「みんな、蛇に急所を噛まれてやられてるわね……。氏んではいないようだけど」
紳士「ええ、なんとかこの方を守れていますが、このままでは時間の問題です」
紳士「ですから、有名なヘビ使いのあなたに、ヘビを使う頃し屋を倒して欲しいのです!」
女「蛇の道はヘビ……ってわけね」
49:2018/12/26(水) 23:18:26.456
女「分かりました」
女「同じヘビ使いとして、ヘビを悪用する輩を放っておけないし」
女「その頃し屋を何とかしてみせるわ」
紳士「引き受けて頂けますか!」
金髪「ありがとうございます!」
女「ただし、私は頃し屋じゃないから、その頃し屋の命を奪うようなことはしないわよ」
紳士「もちろんです!」
紳士「私どもとしては、この方が穏便に財産を相続できればそれでよいのです」
毒蛇(こりゃあ、大仕事になりそうだな……)
女「同じヘビ使いとして、ヘビを悪用する輩を放っておけないし」
女「その頃し屋を何とかしてみせるわ」
紳士「引き受けて頂けますか!」
金髪「ありがとうございます!」
女「ただし、私は頃し屋じゃないから、その頃し屋の命を奪うようなことはしないわよ」
紳士「もちろんです!」
紳士「私どもとしては、この方が穏便に財産を相続できればそれでよいのです」
毒蛇(こりゃあ、大仕事になりそうだな……)
50:2018/12/26(水) 23:22:44.671
女「……というわけなの」
女子高生「すごい依頼が舞い込んできましたね! まるで漫画みたい!」
チンピラ「金のために悪事を働くとは……許せねえ!」
女「…………」
女子高生「…………」
毒蛇「…………」
チンピラ「え、何か?」
女「それで、私一人じゃちょっと大変そうだから……あなたたちにも協力を頼みたいの」
女子高生「喜んで協力しますよ!」
チンピラ「俺らのボスはあなたなんですから!」
女子高生「すごい依頼が舞い込んできましたね! まるで漫画みたい!」
チンピラ「金のために悪事を働くとは……許せねえ!」
女「…………」
女子高生「…………」
毒蛇「…………」
チンピラ「え、何か?」
女「それで、私一人じゃちょっと大変そうだから……あなたたちにも協力を頼みたいの」
女子高生「喜んで協力しますよ!」
チンピラ「俺らのボスはあなたなんですから!」
51:2018/12/26(水) 23:25:18.281
チンピラ「しかし、その頃し屋が今どこにいるかってのは分かってるんですかい?」
女「そこはさすがに財閥だけあって、居場所はつかんでるらしいわ」
女「今はあるホテルに滞在してるみたい」
女子高生「いかにも頃し屋って感じですね!」
チンピラ「よーし、そうと決まれば話は早い!」
チンピラ「俺らでホテル向かって、その頃し屋をブチのめしましょうや!」
女「くれぐれも慎重にね」
女「そこはさすがに財閥だけあって、居場所はつかんでるらしいわ」
女「今はあるホテルに滞在してるみたい」
女子高生「いかにも頃し屋って感じですね!」
チンピラ「よーし、そうと決まれば話は早い!」
チンピラ「俺らでホテル向かって、その頃し屋をブチのめしましょうや!」
女「くれぐれも慎重にね」
52:2018/12/26(水) 23:30:29.254
<ホテル>
女「あの部屋にいるみたい……」
毒蛇「出てくるまで待つか」
女子高生「寒いわね……缶コーヒー飲む?」
チンピラ「おっ、サンキュー!」
女「……出てきたわ」
ガチャッ…
銀髪「…………」スッ
白蛇「シュルルルル…」
女&毒蛇「!?」
女(あの人は……!)
毒蛇(あの白蛇は……!)
女「あの部屋にいるみたい……」
毒蛇「出てくるまで待つか」
女子高生「寒いわね……缶コーヒー飲む?」
チンピラ「おっ、サンキュー!」
女「……出てきたわ」
ガチャッ…
銀髪「…………」スッ
白蛇「シュルルルル…」
女&毒蛇「!?」
女(あの人は……!)
毒蛇(あの白蛇は……!)
53:2018/12/26(水) 23:33:36.044
チンピラ「あの野郎が頃し屋っすね? よーし、荒事は俺に任せて下せえ!」ダッ
女「あ、ちょっと」
チンピラ「うおおおおおおおおおっ! 往生しやがれええええええっ!」
銀髪「! ……またか!」
チンピラ「くたばれぇっ!」
銀髪「ハッ!」シュバッ
ビシッ!
チンピラ「ぎゃんっ!」
女「あれは……中国拳法の蛇拳!」
毒蛇「ジャッキー・チェンの映画にもなった拳法か!」
女「ええ、やはり彼、只者じゃなかったわね」
女「あ、ちょっと」
チンピラ「うおおおおおおおおおっ! 往生しやがれええええええっ!」
銀髪「! ……またか!」
チンピラ「くたばれぇっ!」
銀髪「ハッ!」シュバッ
ビシッ!
チンピラ「ぎゃんっ!」
女「あれは……中国拳法の蛇拳!」
毒蛇「ジャッキー・チェンの映画にもなった拳法か!」
女「ええ、やはり彼、只者じゃなかったわね」
54:2018/12/26(水) 23:36:40.505
チンピラ「ま、まだだ……!」
チンピラ「俺だって、カエルの意地、見せてやるぜぇ!」
銀髪「!」
チンピラ「とおりゃあああああっ!」ピョーンッ
ゴンッ!
チンピラ「あうっ!」ドサッ
チンピラ「と、跳びすぎ、た……」ガクッ
毒蛇「なにやってんだあのバカ……」
女子高生「だったら次は私が相手よ! チンピラの仇は取ってやる!」
チンピラ「俺だって、カエルの意地、見せてやるぜぇ!」
銀髪「!」
チンピラ「とおりゃあああああっ!」ピョーンッ
ゴンッ!
チンピラ「あうっ!」ドサッ
チンピラ「と、跳びすぎ、た……」ガクッ
毒蛇「なにやってんだあのバカ……」
女子高生「だったら次は私が相手よ! チンピラの仇は取ってやる!」
55:2018/12/26(水) 23:38:05.481 ID:wFDxML08r.net
チンピラェ…
56:2018/12/26(水) 23:39:17.297
女子高生「いっけーっ、ハブ! 王手喰らわせちゃいなさい!」
ハブ「シューッ!」
銀髪「…………」
銀髪「キーキーッ!」
ハブ「!?」ビクッ
女子高生「どうしたのハブ!?」
ハブ「シューッ!」
銀髪「…………」
銀髪「キーキーッ!」
ハブ「!?」ビクッ
女子高生「どうしたのハブ!?」
57:2018/12/26(水) 23:41:21.016
女「あれは……マングースの鳴き声!」
毒蛇「あの野郎、ヘビの弱点を知り尽くしてやがる!」
女子高生「どうしちゃったの!?」
ハブ「…………」ガタガタ…
銀髪「キーキーッ!」
ハブ『と、投了します……』
女子高生「どうしちゃったのよー!」
毒蛇「あの野郎、ヘビの弱点を知り尽くしてやがる!」
女子高生「どうしちゃったの!?」
ハブ「…………」ガタガタ…
銀髪「キーキーッ!」
ハブ『と、投了します……』
女子高生「どうしちゃったのよー!」
58:2018/12/26(水) 23:44:16.271
女「ウチのバイト二人をあっさり倒してくれちゃって……やるわね」
銀髪「あなたとはいつか、ヘビ使い同士戦う時が来ると思ってました」
銀髪「しかし、こんな形では戦いたくなかった」
女「私もよ」
毒蛇『ブッ潰してやる、白蛇野郎!』シャーッ
白蛇『…………』シュルルル…
女&銀髪「勝負!!!」
女「いきなさい」
毒蛇「シャァァァァァッ!」
銀髪「噛みつけ」
白蛇「シュルルルルル…」
銀髪「あなたとはいつか、ヘビ使い同士戦う時が来ると思ってました」
銀髪「しかし、こんな形では戦いたくなかった」
女「私もよ」
毒蛇『ブッ潰してやる、白蛇野郎!』シャーッ
白蛇『…………』シュルルル…
女&銀髪「勝負!!!」
女「いきなさい」
毒蛇「シャァァァァァッ!」
銀髪「噛みつけ」
白蛇「シュルルルルル…」
59:2018/12/26(水) 23:46:57.285
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
白蛇「シュルルルルル…」ガブッ
グルグルグルグルグル…
女「これは、全く互角のヘビ同士でしか起こらないといわれる――」
銀髪「二匹のヘビが互いの尾を噛み合う、ウロボロス状態!」
女(やはり、私の毒蛇と彼の白蛇はほぼ互角なのね)
銀髪(こうなると、一瞬の油断が勝敗を分ける!)
白蛇「シュルルルルル…」ガブッ
グルグルグルグルグル…
女「これは、全く互角のヘビ同士でしか起こらないといわれる――」
銀髪「二匹のヘビが互いの尾を噛み合う、ウロボロス状態!」
女(やはり、私の毒蛇と彼の白蛇はほぼ互角なのね)
銀髪(こうなると、一瞬の油断が勝敗を分ける!)
60:2018/12/26(水) 23:48:44.314
グルグルグル…
毒蛇(ちっ、ウロボロス状態は苦手だ! 先に離すか!)パッ
白蛇「シュルルルルル…」パッ
毒蛇「…………」ジリ…
白蛇「…………」ジリ…
毒蛇「シャッ!」
白蛇『きゃっ!』ビクッ
毒蛇(え、こいつ! ……メスなのか!? 分かんなかった!)
白蛇『バカねえ』ニヤッ
毒蛇(ちっ、ウロボロス状態は苦手だ! 先に離すか!)パッ
白蛇「シュルルルルル…」パッ
毒蛇「…………」ジリ…
白蛇「…………」ジリ…
毒蛇「シャッ!」
白蛇『きゃっ!』ビクッ
毒蛇(え、こいつ! ……メスなのか!? 分かんなかった!)
白蛇『バカねえ』ニヤッ
61:2018/12/26(水) 23:50:51.161
白蛇『もらったわ!』ガブッ
毒蛇『ぐあああああっ……!』
女「しまった!」
銀髪「よし!」
銀髪「白蛇、そのまま飼い主である彼女にも攻撃しろ!」
白蛇『分かったわ!』シュルルルル…
毒蛇(ぐ……俺としたことが!)
毒蛇『ぐあああああっ……!』
女「しまった!」
銀髪「よし!」
銀髪「白蛇、そのまま飼い主である彼女にも攻撃しろ!」
白蛇『分かったわ!』シュルルルル…
毒蛇(ぐ……俺としたことが!)
62:2018/12/26(水) 23:53:42.681
白蛇『銀髪君は私が守るわ……いくわよぉ!』シュバッ
女「…………」
白蛇(え、全く動かない!?)
銀髪「……ストップ!」
白蛇「…………」ピタッ
銀髪「なぜかわそうともしない?」
女「あっ」
女「よく手入れされてる美しいヘビだから、つい見とれちゃって……戦ってるのを忘れてたわ」
毒蛇「アホか……」
女「うるさい」
銀髪「…………」
銀髪「あなたは……頃し屋じゃないな?」
女「え?」
銀髪「ボクを頃しにきた人間が、そんなこというとは到底思えない」
女「ちょっと待って。私が頃し屋? どういうこと?」
銀髪「実は……ボクは命を狙われているんです」
女「…………」
白蛇(え、全く動かない!?)
銀髪「……ストップ!」
白蛇「…………」ピタッ
銀髪「なぜかわそうともしない?」
女「あっ」
女「よく手入れされてる美しいヘビだから、つい見とれちゃって……戦ってるのを忘れてたわ」
毒蛇「アホか……」
女「うるさい」
銀髪「…………」
銀髪「あなたは……頃し屋じゃないな?」
女「え?」
銀髪「ボクを頃しにきた人間が、そんなこというとは到底思えない」
女「ちょっと待って。私が頃し屋? どういうこと?」
銀髪「実は……ボクは命を狙われているんです」
63:2018/12/26(水) 23:56:19.676
チンピラ「なにいいいいいい!?」
女子高生「あなたが大富豪の隠し子なの!?」
銀髪「ああ、どうやらそうらしくて、ボクとしても戸惑ってたんだけど」
銀髪「そうこうするうち、何度もボクを狙う刺客が現れて」
銀髪「なんとかボクの蛇拳と白蛇で撃退していたんだ」
銀髪「おかげでこのところはホテル暮らしを余儀なくされているよ」
チンピラ「マジかよ……」
女子高生「先生、これはどういうことでしょう?」
女「どうやら、あの依頼人たちにしてやられたわね」
女「彼らが見せてくれたやられたボディガードの写真は、みんな頃し屋だったんだわ」
毒蛇「ああ……あいつらこそが“隠し子を狙ってる側”だったんだ!」
女子高生「あなたが大富豪の隠し子なの!?」
銀髪「ああ、どうやらそうらしくて、ボクとしても戸惑ってたんだけど」
銀髪「そうこうするうち、何度もボクを狙う刺客が現れて」
銀髪「なんとかボクの蛇拳と白蛇で撃退していたんだ」
銀髪「おかげでこのところはホテル暮らしを余儀なくされているよ」
チンピラ「マジかよ……」
女子高生「先生、これはどういうことでしょう?」
女「どうやら、あの依頼人たちにしてやられたわね」
女「彼らが見せてくれたやられたボディガードの写真は、みんな頃し屋だったんだわ」
毒蛇「ああ……あいつらこそが“隠し子を狙ってる側”だったんだ!」
64:2018/12/26(水) 23:59:10.580
銀髪「君のヘビは人間の言葉をしゃべるのか。すごいね」
毒蛇「へへっ、照れるぜ」
女「勉強したからじゃなくて、自分の毒で脳みそがおかしくなったからなんだけどね」
白蛇『なーんだ。あなたってホントバカねえ!』シュルルルル…
毒蛇『うるせえブス!』シャーッ
白蛇『なんですって!? また噛んでやりましょうか!』
銀髪「まあ、ヘビ語はだいたい分かるけどね」
女「私もよ。この二匹、痴話喧嘩してるわ」
女子高生「うぐぐ……まだまだ二人の域には遠いわ……」
ハブ『そのうち、私の言葉も分かるようになりますよ』シューッ
チンピラ「あ、あのっ! ヘビ談義してる場合じゃないと思うんすけど!」
女「そうね、とりあえず私の事務所に行きましょうか」
毒蛇「へへっ、照れるぜ」
女「勉強したからじゃなくて、自分の毒で脳みそがおかしくなったからなんだけどね」
白蛇『なーんだ。あなたってホントバカねえ!』シュルルルル…
毒蛇『うるせえブス!』シャーッ
白蛇『なんですって!? また噛んでやりましょうか!』
銀髪「まあ、ヘビ語はだいたい分かるけどね」
女「私もよ。この二匹、痴話喧嘩してるわ」
女子高生「うぐぐ……まだまだ二人の域には遠いわ……」
ハブ『そのうち、私の言葉も分かるようになりますよ』シューッ
チンピラ「あ、あのっ! ヘビ談義してる場合じゃないと思うんすけど!」
女「そうね、とりあえず私の事務所に行きましょうか」
65:2018/12/27(木) 00:04:06.116 ID:0Z3g/FR40.net
<自宅兼事務所>
銀髪「これからボクはどうすれば……」ハァ…
チンピラ「サツにもうかつに頼れねえしなぁ」
女「しばらく、ここにいればいいわ」
女「今は私が依頼を受けてる状態だから、新しい刺客を送り込んでくることもないでしょ」
毒蛇「そうだな。二、三日ゆっくり作戦会議でもしようぜ」
銀髪「ありがとう……」
ハブ「シュー…」
毒蛇『どうした、ハブ?』
ハブ『私の“読み”がたしかなら、我々はもう王手されている!』
毒蛇『なにっ!?』
銀髪「これからボクはどうすれば……」ハァ…
チンピラ「サツにもうかつに頼れねえしなぁ」
女「しばらく、ここにいればいいわ」
女「今は私が依頼を受けてる状態だから、新しい刺客を送り込んでくることもないでしょ」
毒蛇「そうだな。二、三日ゆっくり作戦会議でもしようぜ」
銀髪「ありがとう……」
ハブ「シュー…」
毒蛇『どうした、ハブ?』
ハブ『私の“読み”がたしかなら、我々はもう王手されている!』
毒蛇『なにっ!?』
66:2018/12/27(木) 00:07:23.025 ID:0Z3g/FR40.net
――ドガァンッ!
タタタタタッ タタタタタッ
頃し屋「ククク……標的はそこの銀髪の青年か」
手下A「てめえらぁ!」
手下B「無駄な抵抗すんじゃねえぞ!」
女「まぁっ……」
毒蛇「こいつらドア壊しやがって!」
銀髪「ボクらが意気投合したことは、すでにバレていたのか!」
タタタタタッ タタタタタッ
頃し屋「ククク……標的はそこの銀髪の青年か」
手下A「てめえらぁ!」
手下B「無駄な抵抗すんじゃねえぞ!」
女「まぁっ……」
毒蛇「こいつらドア壊しやがって!」
銀髪「ボクらが意気投合したことは、すでにバレていたのか!」
67:2018/12/27(木) 00:09:39.915 ID:0Z3g/FR40.net
女「窓から逃げましょう」
女子高生「だけどここ二階ですよ!?」
女「自分の蛇をロープにして逃げるのよ」シュルルルル…
女子高生「なるほど!」シュルルルル…
銀髪「白蛇、頼むよ」シュルルルル…
チンピラ「あのっ、俺はどうしましょ!?」
女「自力で頑張って」
チンピラ「はーいっ!」ピョーンッ
タタタタタッ… タタタタタッ…
女子高生「だけどここ二階ですよ!?」
女「自分の蛇をロープにして逃げるのよ」シュルルルル…
女子高生「なるほど!」シュルルルル…
銀髪「白蛇、頼むよ」シュルルルル…
チンピラ「あのっ、俺はどうしましょ!?」
女「自力で頑張って」
チンピラ「はーいっ!」ピョーンッ
タタタタタッ… タタタタタッ…
68:2018/12/27(木) 00:13:29.925 ID:0Z3g/FR40.net
紳士「どうだったかね? アナコンダ君」
金髪「…………」オドオド…
頃し屋「惜しくも逃げられました。襲撃は読まれていたようです」
紳士「なかなか勘が鋭いようだな」
紳士「しかし、ヘビ使い女め……あの隠し子と和解した上に真実も知ってしまった」
紳士「こうなれば、銀髪だけでなく、この事務所の連中も皆頃しにしてくれ!」
紳士「むろん、その分金は払う!」
頃し屋「お任せ下さい」
頃し屋「この私が“アナコンダ”の異名を持つ理由、奴らにとくと思い知らせてやりましょう」
紳士「あんなヘビ女なんぞに頼らず、最初から君に依頼すべきだったよ」
金髪「…………」オドオド…
頃し屋「惜しくも逃げられました。襲撃は読まれていたようです」
紳士「なかなか勘が鋭いようだな」
紳士「しかし、ヘビ使い女め……あの隠し子と和解した上に真実も知ってしまった」
紳士「こうなれば、銀髪だけでなく、この事務所の連中も皆頃しにしてくれ!」
紳士「むろん、その分金は払う!」
頃し屋「お任せ下さい」
頃し屋「この私が“アナコンダ”の異名を持つ理由、奴らにとくと思い知らせてやりましょう」
紳士「あんなヘビ女なんぞに頼らず、最初から君に依頼すべきだったよ」
70:2018/12/27(木) 00:17:08.218 ID:0Z3g/FR40.net
<爬虫類ショップ>
女「……というわけで、かくまって欲しいの」
店長「いいとも!」
店長「ここは爬虫類を愛する者のオアシスだからね。いくらでもいてくれよ!」
女「ありがとう」
女「いつまでもいることはできないけど、これで時間が稼げるはずよ」
毒蛇「今のうちにこれからどうするか決めねえとな!」
銀髪「みんな、ボクのせいですまない……」
女子高生「なにいってるの! あなたはなにも悪くないじゃん!」
チンピラ「ああ、むしろこっちから仕掛けたんだしな!」
女「……というわけで、かくまって欲しいの」
店長「いいとも!」
店長「ここは爬虫類を愛する者のオアシスだからね。いくらでもいてくれよ!」
女「ありがとう」
女「いつまでもいることはできないけど、これで時間が稼げるはずよ」
毒蛇「今のうちにこれからどうするか決めねえとな!」
銀髪「みんな、ボクのせいですまない……」
女子高生「なにいってるの! あなたはなにも悪くないじゃん!」
チンピラ「ああ、むしろこっちから仕掛けたんだしな!」
71:2018/12/27(木) 00:20:22.589 ID:0Z3g/FR40.net
コツッ… コツッ…
店長「……ん?」
頃し屋「この店にヘビ使いどもがいるだろう。出してもらおう」
店長「ヘビ使い? はて、なんのことやら……」
バキッ!
店長「ぐわっ!」
頃し屋「とぼけるな……この店にいるのは分かってるんだ」
女「どうやら、もうバレちゃったようね」
毒蛇「くそったれ、出て行くしかねえぜ!」シャーッ
店長「……ん?」
頃し屋「この店にヘビ使いどもがいるだろう。出してもらおう」
店長「ヘビ使い? はて、なんのことやら……」
バキッ!
店長「ぐわっ!」
頃し屋「とぼけるな……この店にいるのは分かってるんだ」
女「どうやら、もうバレちゃったようね」
毒蛇「くそったれ、出て行くしかねえぜ!」シャーッ
72:2018/12/27(木) 00:23:22.019 ID:0Z3g/FR40.net
女「店長さん、大丈夫?」
店長「あ、ああ……役に立てずすまない……」
銀髪「くっ、もう見つけられるなんて……」
頃し屋「我らの情報網を甘く見たな」
頃し屋「追加オーダーがあってな。お前たちは全員氏んでもらうことになった。やれ」
手下A「へっへっへ……」パキポキ…
手下B「覚悟しやがれ!」
女「もう、やるしかないようね」
毒蛇「おう、ここで決着だ!」
店長「あ、ああ……役に立てずすまない……」
銀髪「くっ、もう見つけられるなんて……」
頃し屋「我らの情報網を甘く見たな」
頃し屋「追加オーダーがあってな。お前たちは全員氏んでもらうことになった。やれ」
手下A「へっへっへ……」パキポキ…
手下B「覚悟しやがれ!」
女「もう、やるしかないようね」
毒蛇「おう、ここで決着だ!」
73:2018/12/27(木) 00:27:27.774 ID:0Z3g/FR40.net
チンピラ「だったら、俺がいきやす!」
チンピラ「どおりゃああああああっ!」ピョーンッ
手下A「うおっ!? なんてジャンプ力だ!」
ドカッ!
手下A「ぐああっ!」
女子高生「ハブ、あいつの首絞めちゃって!」
ハブ「シューッ!」ギュッ
手下B「ぐえっ、ぐるじ……!」
チンピラ「ザコは俺らに任せて下せえ!」
毒蛇「頼むぜ、ザコ専!」
チンピラ「ザコ専はキツイっすよ……毒蛇さん……」
チンピラ「どおりゃああああああっ!」ピョーンッ
手下A「うおっ!? なんてジャンプ力だ!」
ドカッ!
手下A「ぐああっ!」
女子高生「ハブ、あいつの首絞めちゃって!」
ハブ「シューッ!」ギュッ
手下B「ぐえっ、ぐるじ……!」
チンピラ「ザコは俺らに任せて下せえ!」
毒蛇「頼むぜ、ザコ専!」
チンピラ「ザコ専はキツイっすよ……毒蛇さん……」
74:2018/12/27(木) 00:29:21.764 ID:0udZGxWgr.net
ヒソカかな?
75:2018/12/27(木) 00:30:20.443 ID:0Z3g/FR40.net
女「じゃあ、頃し屋は私が――」
銀髪「待った、そこまで世話になるわけにはいかない」
銀髪「こいつとはボクがケリをつける!」
頃し屋「勇ましいな。それでこそ頃しがいがある」
銀髪「いくぞ!」シュバババッ
頃し屋「ほう、拳法使いか」バババッ
銀髪(かわされた!?)
頃し屋「もらった!」ガシッ
銀髪「ぐっ!?」
銀髪「待った、そこまで世話になるわけにはいかない」
銀髪「こいつとはボクがケリをつける!」
頃し屋「勇ましいな。それでこそ頃しがいがある」
銀髪「いくぞ!」シュバババッ
頃し屋「ほう、拳法使いか」バババッ
銀髪(かわされた!?)
頃し屋「もらった!」ガシッ
銀髪「ぐっ!?」
76:2018/12/27(木) 00:34:20.461 ID:0Z3g/FR40.net
頃し屋「俺は裏社会じゃ“アナコンダ”って呼ばれてるんだが」グググッ…
銀髪「あ、が……!」
頃し屋「なぜ“アナコンダ”と呼ばれてるか教えてやろう」グググッ…
頃し屋「この太い腕で、標的を絞め頃すからだよォ!」グググッ…
頃し屋「特に仕留めた相手の全身の骨をバキボキ折るのが楽しくてなァ!」グググッ…
銀髪「が、あああああ……!」メキメキ…
白蛇『コラッ、離れなさいよ!』ガブッ
頃し屋「俺の肉体に、こんな噛みつきが通用するか」バシッ
白蛇『きゃっ!』
銀髪「あ、が……!」
頃し屋「なぜ“アナコンダ”と呼ばれてるか教えてやろう」グググッ…
頃し屋「この太い腕で、標的を絞め頃すからだよォ!」グググッ…
頃し屋「特に仕留めた相手の全身の骨をバキボキ折るのが楽しくてなァ!」グググッ…
銀髪「が、あああああ……!」メキメキ…
白蛇『コラッ、離れなさいよ!』ガブッ
頃し屋「俺の肉体に、こんな噛みつきが通用するか」バシッ
白蛇『きゃっ!』
77:2018/12/27(木) 00:37:20.533 ID:0Z3g/FR40.net
女「毒蛇、助けてあげて」
毒蛇「おう! よくも白蛇を殴りやがったな!」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
頃し屋「……む」
女「終わったわ」
毒蛇「毒をたっぷりと注入してやった……もう動けねえぞ!」
頃し屋「それはどうかな?」
毒蛇「なに?」
毒蛇「おう! よくも白蛇を殴りやがったな!」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
頃し屋「……む」
女「終わったわ」
毒蛇「毒をたっぷりと注入してやった……もう動けねえぞ!」
頃し屋「それはどうかな?」
毒蛇「なに?」
79:2018/12/27(木) 00:40:10.287 ID:VVKOYHYu0.net
爬虫類ショップの独特な臭い好き
80:2018/12/27(木) 00:41:32.141 ID:0Z3g/FR40.net
頃し屋「どおりゃあっ!」ブオンッ
バキッ!
毒蛇「ぐおあっ!」
毒蛇「こいつ、毒が効かねえ……!」
女「なんて奴なの……!」
頃し屋「これが“アナコンダ”のもう一つの理由よ!」
頃し屋「俺は長年の訓練で、そんじょそこらの毒なんざ効かない体質なのさ!」
頃し屋「いくら毒を喰らっても、アナコンダのように獰猛に暴れ回る!」
銀髪「ぐ……逃げ、ろ……」
頃し屋「まだ口がきけたか! とっとと首をヘシ折ってやる!」グググッ…
銀髪「ぐ、あ、ぁぁ……」
白蛇『いやぁぁぁっ!!!』
バキッ!
毒蛇「ぐおあっ!」
毒蛇「こいつ、毒が効かねえ……!」
女「なんて奴なの……!」
頃し屋「これが“アナコンダ”のもう一つの理由よ!」
頃し屋「俺は長年の訓練で、そんじょそこらの毒なんざ効かない体質なのさ!」
頃し屋「いくら毒を喰らっても、アナコンダのように獰猛に暴れ回る!」
銀髪「ぐ……逃げ、ろ……」
頃し屋「まだ口がきけたか! とっとと首をヘシ折ってやる!」グググッ…
銀髪「ぐ、あ、ぁぁ……」
白蛇『いやぁぁぁっ!!!』
81:2018/12/27(木) 00:44:42.639 ID:0Z3g/FR40.net
女「なるほど、毒が効かないとは驚きだわ」
毒蛇「ああ」
女「だったら、あまり気が進まないけど、“あれ”をやるしかないわね」
毒蛇「……やんのか。あれはやりたくねえなぁ……」
女「あんただって、白蛇ちゃんを助けたいでしょ?」
毒蛇「まぁな。メスは見捨てない主義でな」
女「じゃ、やるわよ」
毒蛇「おう!」
頃し屋「今さら何をするつもりだ!? 何やったって、俺には通用しねえ!」
毒蛇「ああ」
女「だったら、あまり気が進まないけど、“あれ”をやるしかないわね」
毒蛇「……やんのか。あれはやりたくねえなぁ……」
女「あんただって、白蛇ちゃんを助けたいでしょ?」
毒蛇「まぁな。メスは見捨てない主義でな」
女「じゃ、やるわよ」
毒蛇「おう!」
頃し屋「今さら何をするつもりだ!? 何やったって、俺には通用しねえ!」
82:2018/12/27(木) 00:47:48.142 ID:0Z3g/FR40.net
女「行くわよ」ガシッ
ヒュルンッ! ヒュンヒュンッ! ヒュルルンッ!
銀髪(毒蛇の尻尾を持って……鞭のように……!)
頃し屋「なにが切り札かと思いきや、そんなのがこの俺に通用するかよ!」
女「だったら試してみるといいわ」ヒュンッ
バチィンッ!!!
頃し屋「…………」
頃し屋「……い」
頃し屋「いっでぇぇぇええぇぇぇぇええ!!!」
ヒュルンッ! ヒュンヒュンッ! ヒュルルンッ!
銀髪(毒蛇の尻尾を持って……鞭のように……!)
頃し屋「なにが切り札かと思いきや、そんなのがこの俺に通用するかよ!」
女「だったら試してみるといいわ」ヒュンッ
バチィンッ!!!
頃し屋「…………」
頃し屋「……い」
頃し屋「いっでぇぇぇええぇぇぇぇええ!!!」
83:2018/12/27(木) 00:52:21.356 ID:0Z3g/FR40.net
女「毒蛇は、私に振るわれることで最高の“毒”になるの」ヒュンッヒュンッ
女「もういっちょいくわよ」ヒュルルンッ
頃し屋「ちょ、ちょっと待っ……!」
ベチィッ!
頃し屋「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
バチィンッ!
頃し屋「うごおおぉぉぉぉぉお!!!」
頃し屋(なんて鞭……いや蛇さばき! しかもウロコのせいでクッソ痛えええええ!!!)
頃し屋(痛しゅぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!)
銀髪「す、すごい……!」
銀髪(毒蛇には極力ダメージがないようにしつつ、強力な鞭として扱っている……!)
銀髪(二人の呼吸が合い、なおかつ絶対の信頼関係がなければ、これほどのことはできない!)
女「もういっちょいくわよ」ヒュルルンッ
頃し屋「ちょ、ちょっと待っ……!」
ベチィッ!
頃し屋「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
バチィンッ!
頃し屋「うごおおぉぉぉぉぉお!!!」
頃し屋(なんて鞭……いや蛇さばき! しかもウロコのせいでクッソ痛えええええ!!!)
頃し屋(痛しゅぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!)
銀髪「す、すごい……!」
銀髪(毒蛇には極力ダメージがないようにしつつ、強力な鞭として扱っている……!)
銀髪(二人の呼吸が合い、なおかつ絶対の信頼関係がなければ、これほどのことはできない!)
85:2018/12/27(木) 00:55:21.879 ID:0Z3g/FR40.net
ビシィッ!
頃し屋「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
頃し屋「なんなのお前……SM嬢か、なんかか……?」
女「SM嬢……か。たしかに私はSM嬢だわ」パシィンッ
女「ただし、SM(スネークマスター)だけどね」ヒュンッ
バチィン!!!
頃し屋「おふうぅぅぅぅぅ……」ガクッ
頃し屋「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
頃し屋「なんなのお前……SM嬢か、なんかか……?」
女「SM嬢……か。たしかに私はSM嬢だわ」パシィンッ
女「ただし、SM(スネークマスター)だけどね」ヒュンッ
バチィン!!!
頃し屋「おふうぅぅぅぅぅ……」ガクッ
86:2018/12/27(木) 00:59:19.578 ID:0Z3g/FR40.net
女「ふぅ……やっと倒れてくれたわね」
毒蛇「おう、ざまあねえぜ!」
チンピラ「すげえっす! まさにお二人ならではの技っす!」
女子高生「さすが先生……うっとりしました……!」
女「今の蛇さばき、ユーチューブに流したらウケるかしら?」
毒蛇「多分炎上すると思うよ……」
女「さて、後は……奥でコソコソしてるあなたたちだけね」チラッ
紳士「ひっ!」ビクッ
金髪「ひえっ!」
毒蛇「おう、ざまあねえぜ!」
チンピラ「すげえっす! まさにお二人ならではの技っす!」
女子高生「さすが先生……うっとりしました……!」
女「今の蛇さばき、ユーチューブに流したらウケるかしら?」
毒蛇「多分炎上すると思うよ……」
女「さて、後は……奥でコソコソしてるあなたたちだけね」チラッ
紳士「ひっ!」ビクッ
金髪「ひえっ!」
87:2018/12/27(木) 01:02:20.702 ID:0Z3g/FR40.net
金髪「ボ、ボクは“隠し子のふりをしろ”って雇われただけで……大富豪の息子はこの人の方なんです!」
紳士「き、貴様ァ!」
女「なるほど、財産の取り分を増やそうとした黒幕はあなただったわけね」
紳士「ひ、ひいい……」
女「あなた……すみやかに警察に行って、あなたの息がかかってない人に全て話しなさい」
女「でないと……今頃し屋にやったように、ヘビ喰らわすわよ」
紳士「い、行きます! 行きますぅぅぅ!」
紳士「あんたみたいなヘビ女、絶対敵に回したくないっ……!」
紳士「き、貴様ァ!」
女「なるほど、財産の取り分を増やそうとした黒幕はあなただったわけね」
紳士「ひ、ひいい……」
女「あなた……すみやかに警察に行って、あなたの息がかかってない人に全て話しなさい」
女「でないと……今頃し屋にやったように、ヘビ喰らわすわよ」
紳士「い、行きます! 行きますぅぅぅ!」
紳士「あんたみたいなヘビ女、絶対敵に回したくないっ……!」
88:2018/12/27(木) 01:05:28.958 ID:0Z3g/FR40.net
銀髪「すっかり助けられてしまって……どうもありがとう」
女「どういたしまして。こちらこそ迷惑かけちゃって」
銀髪「ボクは自分が大富豪の息子だと分かってからも、のらりくらりとやり過ごしてきたけれど」
銀髪「ちゃんと父に会って、決着をつけることにするよ」
女「うん、それがいいわ」
白蛇『ふんっ、いっとくけど礼はいわないからね』シュルルル…
毒蛇『別にいらねーよ!』
白蛇『だけど……』チュッ
毒蛇『!』
女「なに赤くなってるの。ヘビのくせに」
毒蛇「な、なってねーよ!」
女「どういたしまして。こちらこそ迷惑かけちゃって」
銀髪「ボクは自分が大富豪の息子だと分かってからも、のらりくらりとやり過ごしてきたけれど」
銀髪「ちゃんと父に会って、決着をつけることにするよ」
女「うん、それがいいわ」
白蛇『ふんっ、いっとくけど礼はいわないからね』シュルルル…
毒蛇『別にいらねーよ!』
白蛇『だけど……』チュッ
毒蛇『!』
女「なに赤くなってるの。ヘビのくせに」
毒蛇「な、なってねーよ!」
90:2018/12/27(木) 01:08:56.280 ID:0Z3g/FR40.net
女子高生「じゃあ皆さん、事件解決祝いにハブ酒でも飲みましょー!」
ハブ『私の味が染み込んだ、最高の一品ですよ』
チンピラ「おっ、いいねえ!」
銀髪「ボクもハブ酒には目がないんだ」
店長「いやぁ、嬉しいねえ」
女「あ、だけど……」
女「あなた飲んじゃダメでしょ。未成年じゃない」
女子高生「も、もちろん! 先生たちだけで飲んでっていう話ですよー!」
毒蛇(さてはこいつ、普段飲んでやがるな……)
…………
……
ハブ『私の味が染み込んだ、最高の一品ですよ』
チンピラ「おっ、いいねえ!」
銀髪「ボクもハブ酒には目がないんだ」
店長「いやぁ、嬉しいねえ」
女「あ、だけど……」
女「あなた飲んじゃダメでしょ。未成年じゃない」
女子高生「も、もちろん! 先生たちだけで飲んでっていう話ですよー!」
毒蛇(さてはこいつ、普段飲んでやがるな……)
…………
……
91:2018/12/27(木) 01:13:26.381 ID:0Z3g/FR40.net
しばらくして――
<自宅兼事務所>
女「…………」ボケーッ
毒蛇「どうした? ボケーッとして」
女「ああ、あの頃し屋と戦った事件を思い出してたの」
毒蛇「ああ、あれか。俺もよく覚えてるぜ」
女「結局、銀髪の彼はどうなったのかしら?」
毒蛇「そりゃあ、大富豪と和解して、正式に息子になったんだろ」
女「ヘビ使いはやめちゃったのかしら」
毒蛇「まあ……職業としてのヘビ使いはやめちまっただろうな。続ける意味ねえし」
女「そうよね。せっかく同業と知り合えたと思ったのに、残念だわ」
<自宅兼事務所>
女「…………」ボケーッ
毒蛇「どうした? ボケーッとして」
女「ああ、あの頃し屋と戦った事件を思い出してたの」
毒蛇「ああ、あれか。俺もよく覚えてるぜ」
女「結局、銀髪の彼はどうなったのかしら?」
毒蛇「そりゃあ、大富豪と和解して、正式に息子になったんだろ」
女「ヘビ使いはやめちゃったのかしら」
毒蛇「まあ……職業としてのヘビ使いはやめちまっただろうな。続ける意味ねえし」
女「そうよね。せっかく同業と知り合えたと思ったのに、残念だわ」
92:2018/12/27(木) 01:16:14.786 ID:0Z3g/FR40.net
女「あれから、女子高生ちゃんは女子大生になって――」
女「ここで稼いだお金で沖縄にハブ修行に行っちゃって、しばらく会えないだろうし」
毒蛇「チンピラはあいつが描いたカエルの絵本がなぜか大ヒットして」
毒蛇「絵本作家になって、今や出版社に出入りする日々……」
女「それでも、ウチの会計の仕事は続けてくれてるから助かるけどね」
女「結局変わらないのは、私たちだけか」
毒蛇「俺を巻き込むんじゃねえよ。俺はこないだ脱皮したぜ」
女「そうだったわね」
女「ここで稼いだお金で沖縄にハブ修行に行っちゃって、しばらく会えないだろうし」
毒蛇「チンピラはあいつが描いたカエルの絵本がなぜか大ヒットして」
毒蛇「絵本作家になって、今や出版社に出入りする日々……」
女「それでも、ウチの会計の仕事は続けてくれてるから助かるけどね」
女「結局変わらないのは、私たちだけか」
毒蛇「俺を巻き込むんじゃねえよ。俺はこないだ脱皮したぜ」
女「そうだったわね」
93:2018/12/27(木) 01:19:05.925 ID:0Z3g/FR40.net
女「とはいえ仕事は忙しいし……今度は正式な従業員を雇おうかしら」
毒蛇「お、正社員ってやつか?」
女「うん、できればヘビ使いをね」
毒蛇「いるわけねえって――」
ガチャッ…
銀髪「だったらボクなんかどうだい?」
白蛇「シュルルルル…」
女「あっ」
毒蛇「あっ」
毒蛇「お、正社員ってやつか?」
女「うん、できればヘビ使いをね」
毒蛇「いるわけねえって――」
ガチャッ…
銀髪「だったらボクなんかどうだい?」
白蛇「シュルルルル…」
女「あっ」
毒蛇「あっ」
94:2018/12/27(木) 01:23:13.897 ID:0Z3g/FR40.net
女「あなた……大富豪の息子として生きるんじゃなかったの?」
銀髪「逆だよ。ボクはヘビ使いとして生きる決心をした」
銀髪「財産相続の話も正式に断ってきたよ」
女「そうだったの……」
毒蛇「あーあ、もったいねえ! ぜってえ後悔するよ!」
白蛇『うるさいわね! 私たちには私たちの生き方ってもんがあんのよ!』
毒蛇『そりゃあ悪うございましたね!』
女「あなたたち、夫婦喧嘩はやめなさい」
毒蛇「まだ夫婦じゃねえ!」シャーッ
白蛇『まだ夫婦じゃないわよ!』シュルルルル…
女「まだっていっちゃってるじゃない」
銀髪「アハハ……」
銀髪「逆だよ。ボクはヘビ使いとして生きる決心をした」
銀髪「財産相続の話も正式に断ってきたよ」
女「そうだったの……」
毒蛇「あーあ、もったいねえ! ぜってえ後悔するよ!」
白蛇『うるさいわね! 私たちには私たちの生き方ってもんがあんのよ!』
毒蛇『そりゃあ悪うございましたね!』
女「あなたたち、夫婦喧嘩はやめなさい」
毒蛇「まだ夫婦じゃねえ!」シャーッ
白蛇『まだ夫婦じゃないわよ!』シュルルルル…
女「まだっていっちゃってるじゃない」
銀髪「アハハ……」
95:2018/12/27(木) 01:27:06.551 ID:0Z3g/FR40.net
銀髪「……というわけで、このフリーのヘビ使い……雇ってもらえるかな?」
女「ええ、もちろんOKよ」
白蛇『縁起のいい私もついてくるわよ!』
毒蛇「あーあ、こりゃますますこの事務所も忙しくなっちまいそうだぜ!」
おわり
女「ええ、もちろんOKよ」
白蛇『縁起のいい私もついてくるわよ!』
毒蛇「あーあ、こりゃますますこの事務所も忙しくなっちまいそうだぜ!」
おわり
96:2018/12/27(木) 01:29:17.009 ID:LWzHq+vP0.net
おつ
97:2018/12/27(木) 01:32:48.322 ID:CDlGqKMSr.net
乙!
俺もヘビ使いになりたくなったよ
俺もヘビ使いになりたくなったよ
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