1:2019/01/28(月) 21:30:22.068
第一話『転んだのは誰?』
―BAR―
男「あんたが……金さえ払えばどんな奴も転ばせるっていう転倒屋か?」
転ばし屋「転倒屋じゃない……“転ばし屋”だ」
転ばし屋「本来なら、“ころばし”は全て平仮名にすべきなんだろうが……」
転ばし屋「俺はしょせん模倣だからな。漢字を混ぜて“転ばし”にさせてもらっている」
男(なんの話だかさっぱり分からん……)
転ばし屋「立ち話もなんだ。あんたも腰かけてくれ」
男「あ、ああ……」
―BAR―
男「あんたが……金さえ払えばどんな奴も転ばせるっていう転倒屋か?」
転ばし屋「転倒屋じゃない……“転ばし屋”だ」
転ばし屋「本来なら、“ころばし”は全て平仮名にすべきなんだろうが……」
転ばし屋「俺はしょせん模倣だからな。漢字を混ぜて“転ばし”にさせてもらっている」
男(なんの話だかさっぱり分からん……)
転ばし屋「立ち話もなんだ。あんたも腰かけてくれ」
男「あ、ああ……」
2:2019/01/28(月) 21:31:16.094 ID:B4VLKF0j0.net
映画で金入れてないのにドラえもん転ばせてた欠陥品
3:2019/01/28(月) 21:34:33.688
男「仕事の話に入る前に、聞いておきたい」
転ばし屋「ん?」
男「人を転ばせるって……具体的にどうやって転ばせるんだ?」
転ばし屋「企業秘密だからあまり詳しくはいえんが、色々と方法はあるぞ」
転ばし屋「一番多いのは、頃傷力を抑えた改造銃で足を撃って転ばせる方法だな」
転ばし屋「オリジナルの“ころばし屋”も、拳銃を武器にしてるしな」
転ばし屋「だが、場合によってはロープ、油、氷などを使うこともある」
男「なるほど……臨機応変にやってるってわけか」
転ばし屋「自己紹介はこんなところでいいか? さっそく標的から聞かせてもらおう」
転ばし屋「ん?」
男「人を転ばせるって……具体的にどうやって転ばせるんだ?」
転ばし屋「企業秘密だからあまり詳しくはいえんが、色々と方法はあるぞ」
転ばし屋「一番多いのは、頃傷力を抑えた改造銃で足を撃って転ばせる方法だな」
転ばし屋「オリジナルの“ころばし屋”も、拳銃を武器にしてるしな」
転ばし屋「だが、場合によってはロープ、油、氷などを使うこともある」
男「なるほど……臨機応変にやってるってわけか」
転ばし屋「自己紹介はこんなところでいいか? さっそく標的から聞かせてもらおう」
4:2019/01/28(月) 21:37:21.594
男「標的は……こいつだ」サッ
男「俺はマラソン選手でな。こいつは俺のライバルといっていい存在だ」
男「こいつを……次のレースで転ばせて欲しい」
転ばし屋「理由は?」
男「次のオリンピック、代表選考は熾烈な争いになるのは間違いない」
男「今度のレースは、その行方を占うレースともいわれている」
男「だからここで、ライバルを転ばせて出鼻をくじき、代表を確実に勝ち取りたいんだ!」
転ばし屋「…………」
男「やってくれるか?」
転ばし屋「ああ、金さえもらえれば、な……」
転ばし屋「ただし、あんたがオリンピック代表になれるかまでは保証しないぞ」
男「分かってる。こいつさえ調子を崩してくれれば、俺は間違いなく代表になれる!」
男「俺はマラソン選手でな。こいつは俺のライバルといっていい存在だ」
男「こいつを……次のレースで転ばせて欲しい」
転ばし屋「理由は?」
男「次のオリンピック、代表選考は熾烈な争いになるのは間違いない」
男「今度のレースは、その行方を占うレースともいわれている」
男「だからここで、ライバルを転ばせて出鼻をくじき、代表を確実に勝ち取りたいんだ!」
転ばし屋「…………」
男「やってくれるか?」
転ばし屋「ああ、金さえもらえれば、な……」
転ばし屋「ただし、あんたがオリンピック代表になれるかまでは保証しないぞ」
男「分かってる。こいつさえ調子を崩してくれれば、俺は間違いなく代表になれる!」
5:2019/01/28(月) 21:41:03.403
レース当日――
パァンッ!
ワァァァァ……!
実況『さぁ、ついに始まりました!』
実況『このマラソン大会は、オリンピック代表の行方を占うレースともいわれており』
実況『どの選手の表情も真剣そのもの! 絶対優勝するという気迫が伺えます!』
男「…………」タタタッ
ライバル「…………」タタタッ
パァンッ!
ワァァァァ……!
実況『さぁ、ついに始まりました!』
実況『このマラソン大会は、オリンピック代表の行方を占うレースともいわれており』
実況『どの選手の表情も真剣そのもの! 絶対優勝するという気迫が伺えます!』
男「…………」タタタッ
ライバル「…………」タタタッ
6:2019/01/28(月) 21:44:40.355
実況『レース中盤に差し掛かり、男選手とライバル選手がデッドヒートを繰り広げています!』
実況『どうやら今回のレース、優勝を争うのはこの二人になりそうだ!』
タタタタタッ
男(やはり、ライバルとの一騎打ちになるか……)
ライバル「はっ、はっ、はっ……」
男(こいつは後半からが強い)
男(俺がライバルに負ける時は、いつも30kmを過ぎたあたりからの競り合いで負けてた)
男(だが――)
実況『どうやら今回のレース、優勝を争うのはこの二人になりそうだ!』
タタタタタッ
男(やはり、ライバルとの一騎打ちになるか……)
ライバル「はっ、はっ、はっ……」
男(こいつは後半からが強い)
男(俺がライバルに負ける時は、いつも30kmを過ぎたあたりからの競り合いで負けてた)
男(だが――)
9:2019/01/28(月) 21:47:21.501
35km地点――
タタタタタッ
男(ここだッ! このレース終盤の勝負どころに奴を配置しておいた!)
男(頼むぞ、転ばし屋!)
転ばし屋「…………」チャッ
転ばし屋(狙いは……左足のヒザ!)バシュッ
タタタタタッ
男(ここだッ! このレース終盤の勝負どころに奴を配置しておいた!)
男(頼むぞ、転ばし屋!)
転ばし屋「…………」チャッ
転ばし屋(狙いは……左足のヒザ!)バシュッ
10:2019/01/28(月) 21:50:17.814
ビシッ!
ライバル「――うっ!?」ガクンッ
ドサッ…
ワアァァァァァ……!
実況『あーっと、ライバル選手、まさかの転倒!』
実況『この終盤での転倒は非常に痛い! 果たして巻き返せるのでしょうか!?』
男(よくやった、転ばし屋!)
ライバル「――うっ!?」ガクンッ
ドサッ…
ワアァァァァァ……!
実況『あーっと、ライバル選手、まさかの転倒!』
実況『この終盤での転倒は非常に痛い! 果たして巻き返せるのでしょうか!?』
男(よくやった、転ばし屋!)
11:2019/01/28(月) 21:53:22.012
実況『男選手、そのまま一位でゴールだァ~~~~~!』
ワアァァァァァ……!
男「やったぁ!!!」
男(このレースを制した勢いで、絶対代表になってみせる!)
転ばし屋「…………」
ワアァァァァァ……!
男「やったぁ!!!」
男(このレースを制した勢いで、絶対代表になってみせる!)
転ばし屋「…………」
13:2019/01/28(月) 21:57:11.566
ライバル「うっ、うっ、うっ……!」
監督「アクシデントは仕方ない。また次のレースで頑張ろう……」
男(あんなに泣いてる……)
記者「このたびは優勝おめでとうございます! 素晴らしい走りでした!」
男「あ、ありがとう……」
記者「これでオリンピック代表にうんと近づきましたね!」
男「え、ああ……そうですね……」
ワイワイ… ワイワイ… パシャパシャッ
監督「アクシデントは仕方ない。また次のレースで頑張ろう……」
男(あんなに泣いてる……)
記者「このたびは優勝おめでとうございます! 素晴らしい走りでした!」
男「あ、ありがとう……」
記者「これでオリンピック代表にうんと近づきましたね!」
男「え、ああ……そうですね……」
ワイワイ… ワイワイ… パシャパシャッ
14:2019/01/28(月) 21:59:37.165
―自宅―
男「…………」スースー
男「うっ!」
男「うう……ううう……」
男「あああっ!!!」ガバッ
男「またあの夢か……!」
男「ライバルが転んだ瞬間が、泣いてる顔が、毎日のように夢に出てくる……!」
男「…………」スースー
男「うっ!」
男「うう……ううう……」
男「あああっ!!!」ガバッ
男「またあの夢か……!」
男「ライバルが転んだ瞬間が、泣いてる顔が、毎日のように夢に出てくる……!」
15:2019/01/28(月) 22:02:27.223
男(あのレースの時、俺だって調子は悪くなかった)
男(転ばし屋に頼らなくても、勝てる見込みは十分あったのに……)
ライバル「おーい」
男「!」ハッ
ライバル「前のレースはこけちまったけど、今日のレースは負けないからな!」
男「あ、ああ……」
男(もうこいつの顔をまともに見れない……見れるわけがない……)
男(俺はスポーツマンとして取り返しのつかないことを――)
男(転ばし屋に頼らなくても、勝てる見込みは十分あったのに……)
ライバル「おーい」
男「!」ハッ
ライバル「前のレースはこけちまったけど、今日のレースは負けないからな!」
男「あ、ああ……」
男(もうこいつの顔をまともに見れない……見れるわけがない……)
男(俺はスポーツマンとして取り返しのつかないことを――)
17:2019/01/28(月) 22:05:44.170
やがて――
テレビ『スポーツニュースの時間です』
テレビ『本日、オリンピック男子マラソン代表が発表されました』
テレビ『まず選ばれたのは、悲運の転倒アクシデントから復活を遂げた、ライバル選手!』
テレビ『一方の男選手は、まさかの選考漏れ!』
テレビ『男選手は、ライバル選手の転倒事故があったレース以降、精彩を欠き……』
テレビ『スポーツニュースの時間です』
テレビ『本日、オリンピック男子マラソン代表が発表されました』
テレビ『まず選ばれたのは、悲運の転倒アクシデントから復活を遂げた、ライバル選手!』
テレビ『一方の男選手は、まさかの選考漏れ!』
テレビ『男選手は、ライバル選手の転倒事故があったレース以降、精彩を欠き……』
18:2019/01/28(月) 22:08:04.280
テレビ『選考から漏れた男選手は、本日現役引退を表明し――』
ピッ プツッ…
転ばし屋「…………」
転ばし屋「どうやら、他人を転ばせたつもりが、自分が転んでしまったようだな……」
―終―
ピッ プツッ…
転ばし屋「…………」
転ばし屋「どうやら、他人を転ばせたつもりが、自分が転んでしまったようだな……」
―終―
19:2019/01/28(月) 22:09:38.374 ID:W8FioriFr.net
なるほどなぁ
20:2019/01/28(月) 22:13:38.373
第二話『転んでもただでは起きぬ』
―ダンス大会会場―
ズダダダン ズダダダン ズダダダン…
ワァァァァァ……!
ダンサー「ヒャッホーッ!」ビシッ
司会「決まったぁーっ! 見事なダンスを披露してくれました!」
司会「これは高得点が期待できそうです!」
―ダンス大会会場―
ズダダダン ズダダダン ズダダダン…
ワァァァァァ……!
ダンサー「ヒャッホーッ!」ビシッ
司会「決まったぁーっ! 見事なダンスを披露してくれました!」
司会「これは高得点が期待できそうです!」
21:2019/01/28(月) 22:17:44.625
~回想~
―BAR―
富豪「標的は、私の息子です」
富豪「息子が大会でダンスをしている最中、最も盛り上がるところで転ばせて欲しいのです」
転ばし屋「理由を聞かせてもらえるか?」
富豪「息子にダンスを諦めさせるためです」
富豪「息子とは“今度の大会で優勝できなければ会社を継げ”と約束しました」
富豪「つまり、転ばせて息子の優勝を阻止して欲しいというわけです」
転ばし屋「なるほど……だが、転んでも優勝する可能性はあるぞ?」
富豪「今度の大会はレベルが高く、転倒したらまず優勝はありえません」
富豪「なので、転ばせてもらいさえすれば、息子の優勝はなくなります! どうかお願いします!」
転ばし屋「分かった、引き受けよう」
―BAR―
富豪「標的は、私の息子です」
富豪「息子が大会でダンスをしている最中、最も盛り上がるところで転ばせて欲しいのです」
転ばし屋「理由を聞かせてもらえるか?」
富豪「息子にダンスを諦めさせるためです」
富豪「息子とは“今度の大会で優勝できなければ会社を継げ”と約束しました」
富豪「つまり、転ばせて息子の優勝を阻止して欲しいというわけです」
転ばし屋「なるほど……だが、転んでも優勝する可能性はあるぞ?」
富豪「今度の大会はレベルが高く、転倒したらまず優勝はありえません」
富豪「なので、転ばせてもらいさえすれば、息子の優勝はなくなります! どうかお願いします!」
転ばし屋「分かった、引き受けよう」
22:2019/01/28(月) 22:20:27.753
―ダンス大会会場―
司会「さぁ、続いてのダンサーの登場です!」
息子「イエーイッ!」バッ
ワアァァァァァ……!
転ばし屋(この青年が……依頼人の息子――標的だな)
転ばし屋(下馬評では優勝候補ともいわれているし、ダンスの才能はホンモノのようだ)
司会「さぁ、続いてのダンサーの登場です!」
息子「イエーイッ!」バッ
ワアァァァァァ……!
転ばし屋(この青年が……依頼人の息子――標的だな)
転ばし屋(下馬評では優勝候補ともいわれているし、ダンスの才能はホンモノのようだ)
23:2019/01/28(月) 22:23:32.614
ズンチャカ ズンチャカ ズンチャカ…
息子「さあ、踊るよー!」スタタタンッ
息子「ヘイヘイヘ~イ!」スタタタンッ
スタタタンッ スタタタタンッ バッ スタタタタンッ
ワアァァァァァ……!
司会「ノリのいい、素晴らしいダンスを披露してくれています!」
転ばし屋「…………」チャッ
息子「さあ、踊るよー!」スタタタンッ
息子「ヘイヘイヘ~イ!」スタタタンッ
スタタタンッ スタタタタンッ バッ スタタタタンッ
ワアァァァァァ……!
司会「ノリのいい、素晴らしいダンスを披露してくれています!」
転ばし屋「…………」チャッ
24:2019/01/28(月) 22:25:12.114
息子「ハァッ!」スタタタタッ
転ばし屋(ダンスが最高潮の――今だ!)バシュッ
ビシッ!
息子「うあっ!?」ドサッ…
転ばし屋(よし……転んだ)
転ばし屋(ダンスが最高潮の――今だ!)バシュッ
ビシッ!
息子「うあっ!?」ドサッ…
転ばし屋(よし……転んだ)
25:2019/01/28(月) 22:28:16.229
息子「ハァ~イ!」グルグルグル
オオッ……!
観客A「すげえ! 転んだと思ったら、そのままダンスしてやがる!」
観客B「いや、これって元々そういうダンスだったんじゃね?」
観客A「あ、そういうことかぁ!」
転ばし屋「…………」
オオッ……!
観客A「すげえ! 転んだと思ったら、そのままダンスしてやがる!」
観客B「いや、これって元々そういうダンスだったんじゃね?」
観客A「あ、そういうことかぁ!」
転ばし屋「…………」
27:2019/01/28(月) 22:32:29.589
しかし――
司会「優勝は……アフロ選手だぁっ!」
アフロ「ヤッホーッ! みんなサンキューッ!」
ワアァァァァァ……!
息子「……くっ!」
息子「親父……ご覧の通りだ。俺はダンスはきっぱりやめて、会社を継ぐよ……」
富豪「…………」
富豪「いや……」
司会「優勝は……アフロ選手だぁっ!」
アフロ「ヤッホーッ! みんなサンキューッ!」
ワアァァァァァ……!
息子「……くっ!」
息子「親父……ご覧の通りだ。俺はダンスはきっぱりやめて、会社を継ぐよ……」
富豪「…………」
富豪「いや……」
28:2019/01/28(月) 22:35:02.528
富豪「お前がダンス中、転んだ後の立て直し……見事だった。最後までよく踊り切った」
息子「えっ!」
富豪「もし、あのまま諦めてしまうようなら、約束通りダンスをやめてもらうところだったが」
富豪「今のお前なら、十分独り立ちできると分かった」
富豪「会社を継ぐ必要はない! プロダンサーになれ! それも世界一のな!」
息子「親父……!」
転ばし屋(なるほど、依頼人は息子に本当にプロダンサーを目指す気迫や根性があるのかどうか)
転ばし屋(見極めたかったというわけか)
―終―
息子「えっ!」
富豪「もし、あのまま諦めてしまうようなら、約束通りダンスをやめてもらうところだったが」
富豪「今のお前なら、十分独り立ちできると分かった」
富豪「会社を継ぐ必要はない! プロダンサーになれ! それも世界一のな!」
息子「親父……!」
転ばし屋(なるほど、依頼人は息子に本当にプロダンサーを目指す気迫や根性があるのかどうか)
転ばし屋(見極めたかったというわけか)
―終―
29:2019/01/28(月) 22:40:14.782
第三話『転ばし屋と女頃し屋』
標的「――ん?」ツルッ
標的「うわっ、うわっ、うわっ!?」ツルツルツルッ
標的「うわぁぁぁぁぁっ!!!」
スッテーンッ
転ばし屋(これでよし。さて、いつものバーに寄るか)
標的「――ん?」ツルッ
標的「うわっ、うわっ、うわっ!?」ツルツルツルッ
標的「うわぁぁぁぁぁっ!!!」
スッテーンッ
転ばし屋(これでよし。さて、いつものバーに寄るか)
31:2019/01/28(月) 22:43:09.515
―BAR―
転ばし屋「…………」モグモグ
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「久しぶりだな。景気はどうだ?」
女頃し屋「おかげさまで悪くないわ。って、なんでバナナなんか食べてるの?」
転ばし屋「体にいいからな」モグモグ
女頃し屋「せっかくのムードがブチ壊しだわ……」
転ばし屋「…………」モグモグ
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「久しぶりだな。景気はどうだ?」
女頃し屋「おかげさまで悪くないわ。って、なんでバナナなんか食べてるの?」
転ばし屋「体にいいからな」モグモグ
女頃し屋「せっかくのムードがブチ壊しだわ……」
32:2019/01/28(月) 22:45:56.953
女頃し屋「あなた、いい加減“頃し屋”になればいいのに」
女頃し屋「転ばせるより頃す方がよっぽど簡単だし、あなたならすぐ一流になれるわよ」
転ばし屋「そのつもりはない」
転ばし屋「俺はあくまで転ばし屋……転ばせるのが仕事だ。頃しは趣味じゃない」
女頃し屋「頑固ねえ」
女頃し屋「転ばせるより頃す方がよっぽど簡単だし、あなたならすぐ一流になれるわよ」
転ばし屋「そのつもりはない」
転ばし屋「俺はあくまで転ばし屋……転ばせるのが仕事だ。頃しは趣味じゃない」
女頃し屋「頑固ねえ」
33:2019/01/28(月) 22:48:14.396
女頃し屋「じゃあもし……私がこの場であなたを頃そうとしたらどうする?」
転ばし屋「…………」
女頃し屋「…………」
転ばし屋「お前を転ばせて逃げる」
女頃し屋「ふふっ……」
女頃し屋「あなたらしい答えだこと」
転ばし屋「そりゃどうも」
女頃し屋「さ、二人で飲みましょ。マスター、いつもの頼むわ」
転ばし屋「…………」
女頃し屋「…………」
転ばし屋「お前を転ばせて逃げる」
女頃し屋「ふふっ……」
女頃し屋「あなたらしい答えだこと」
転ばし屋「そりゃどうも」
女頃し屋「さ、二人で飲みましょ。マスター、いつもの頼むわ」
35:2019/01/28(月) 22:51:46.586
女頃し屋「ふぅ、少し酔っ払っちゃった」
女頃し屋「星が綺麗な夜だし、ちょっと外歩かない?」
転ばし屋「ああ」
スタスタ…
女頃し屋「今、私は酔っ払ってるんだから、何かあったら守ってよね」
転ばし屋「プロの頃し屋を守る必要なんてないだろう」
女頃し屋「頃し屋だけど、私は女よ? 男女平等の時代とはいえ、男は女を守らなくっちゃ」
転ばし屋「そこらの男よりよっぽど強いくせに、よくいう……」
女頃し屋「星が綺麗な夜だし、ちょっと外歩かない?」
転ばし屋「ああ」
スタスタ…
女頃し屋「今、私は酔っ払ってるんだから、何かあったら守ってよね」
転ばし屋「プロの頃し屋を守る必要なんてないだろう」
女頃し屋「頃し屋だけど、私は女よ? 男女平等の時代とはいえ、男は女を守らなくっちゃ」
転ばし屋「そこらの男よりよっぽど強いくせに、よくいう……」
36:2019/01/28(月) 22:53:53.247
暴漢「あ~……ムシャクシャする!」
転ばし屋「!」
暴漢「ムシャクシャしたら誰か殴りたくなってきた! ぶん殴ってやる!」
転ばし屋「なんだ、このジャイアンみたいな奴は……」
女頃し屋「さぁ、こういう時、転ばし屋さんはどうしてくれるのかしら?」
転ばし屋「それはもちろん――」
暴漢「オラァッ!」ブオンッ
転ばし屋「転ばせるだけだ」ポイッ
女頃し屋(何かを道に捨てた? あれは――)
転ばし屋「!」
暴漢「ムシャクシャしたら誰か殴りたくなってきた! ぶん殴ってやる!」
転ばし屋「なんだ、このジャイアンみたいな奴は……」
女頃し屋「さぁ、こういう時、転ばし屋さんはどうしてくれるのかしら?」
転ばし屋「それはもちろん――」
暴漢「オラァッ!」ブオンッ
転ばし屋「転ばせるだけだ」ポイッ
女頃し屋(何かを道に捨てた? あれは――)
38:2019/01/28(月) 22:56:46.054
女頃し屋(バナナの皮!)
暴漢「わっ!?」ズルッ
暴漢「うぎゃあ!」スッテーンッ
暴漢「むぎゅう……」ガクッ
女頃し屋「なるほど、こういう時のために、バナナを食べてたのね」
転ばし屋「ああ、バナナの皮は優れた武器になる」
転ばし屋「もちろん、捨てた皮はちゃんと拾う」サッ
転ばし屋「お前も雇ったこの男に、ちゃんと治療費ぐらい払ってやれよ」
女頃し屋「あら、バレてたのね」
転ばし屋「バレないと思ってる方がどうかしてるだろ」
暴漢「わっ!?」ズルッ
暴漢「うぎゃあ!」スッテーンッ
暴漢「むぎゅう……」ガクッ
女頃し屋「なるほど、こういう時のために、バナナを食べてたのね」
転ばし屋「ああ、バナナの皮は優れた武器になる」
転ばし屋「もちろん、捨てた皮はちゃんと拾う」サッ
転ばし屋「お前も雇ったこの男に、ちゃんと治療費ぐらい払ってやれよ」
女頃し屋「あら、バレてたのね」
転ばし屋「バレないと思ってる方がどうかしてるだろ」
39:2019/01/28(月) 22:59:21.762
女頃し屋「そういえば……」
女頃し屋「あなたが“転ばし屋”になったのは、ドラえもんに出てくる“ころばし屋”に憧れたからよね?」
転ばし屋「そうだ」
転ばし屋「俺と違い、たった10円で標的を三回も転ばせてくれる凄腕だ」
女頃し屋「面白そうね、今度ドラえもん読ませてくれない?」
転ばし屋「ころばし屋が出てくるのは、てんとう虫コミックスの13巻だ。今度といわず今貸してやろう」
女頃し屋「……いつも持ち歩いてるんだ」
転ばし屋「この巻は俺にとっての聖書(バイブル)だからな」
―終―
女頃し屋「あなたが“転ばし屋”になったのは、ドラえもんに出てくる“ころばし屋”に憧れたからよね?」
転ばし屋「そうだ」
転ばし屋「俺と違い、たった10円で標的を三回も転ばせてくれる凄腕だ」
女頃し屋「面白そうね、今度ドラえもん読ませてくれない?」
転ばし屋「ころばし屋が出てくるのは、てんとう虫コミックスの13巻だ。今度といわず今貸してやろう」
女頃し屋「……いつも持ち歩いてるんだ」
転ばし屋「この巻は俺にとっての聖書(バイブル)だからな」
―終―
40:2019/01/28(月) 23:05:15.310
第四話『転ばし屋はつらいよ』
―峠道―
転ばし屋(標的を転ばせるのは、この地点だったな)
転ばし屋「よーく写真を撮っておこう」パシャッパシャッパシャッ
転ばし屋「あと路面の状態もしっかり調べて……」
転ばし屋「交通量も確認しておかないと……」
転ばし屋「それと決行予定日の天候も調べて……」
…………
……
―峠道―
転ばし屋(標的を転ばせるのは、この地点だったな)
転ばし屋「よーく写真を撮っておこう」パシャッパシャッパシャッ
転ばし屋「あと路面の状態もしっかり調べて……」
転ばし屋「交通量も確認しておかないと……」
転ばし屋「それと決行予定日の天候も調べて……」
…………
……
41:2019/01/28(月) 23:07:48.369
―闇市場―
商人「でしたら、このオイルなんてどうです?」
転ばし屋「ちょっと触らせてくれ」
転ばし屋「おお」ヌルッヌルッ
転ばし屋「こりゃいい。ポリタンク一杯分購入しよう」
商人「毎度あり~!」
商人「でしたら、このオイルなんてどうです?」
転ばし屋「ちょっと触らせてくれ」
転ばし屋「おお」ヌルッヌルッ
転ばし屋「こりゃいい。ポリタンク一杯分購入しよう」
商人「毎度あり~!」
42:2019/01/28(月) 23:10:08.054
―研究所―
転ばし屋「この地点で、猛スピードのバイクを転ばせたら運転者はどう転ぶ?」
学者「ふむ……」
学者「仮に100km/hとすると……運転者はバイクから放り出されてここに頭から激突するね」
転ばし屋「なるほど……」
転ばし屋(万が一にも間違いがあってはならない)
転ばし屋(専門家と打ち合わせ、綿密なシミュレーションを重ねないと……)
転ばし屋「この地点で、猛スピードのバイクを転ばせたら運転者はどう転ぶ?」
学者「ふむ……」
学者「仮に100km/hとすると……運転者はバイクから放り出されてここに頭から激突するね」
転ばし屋「なるほど……」
転ばし屋(万が一にも間違いがあってはならない)
転ばし屋(専門家と打ち合わせ、綿密なシミュレーションを重ねないと……)
43:2019/01/28(月) 23:12:39.193
―峠道―
転ばし屋(だいたいデータは揃った)
転ばし屋(オイルはこの地点に撒くことにして……)
転ばし屋(このあたりに葉っぱで作ったクッションを置いておこう)
転ばし屋(もちろん、俺もバイクを走らせて、実際に実験した方がいいだろうな)
転ばし屋(だいたいデータは揃った)
転ばし屋(オイルはこの地点に撒くことにして……)
転ばし屋(このあたりに葉っぱで作ったクッションを置いておこう)
転ばし屋(もちろん、俺もバイクを走らせて、実際に実験した方がいいだろうな)
44:2019/01/28(月) 23:13:14.902 ID:+lEUHDec0.net
面白い
45:2019/01/28(月) 23:16:19.591
……
ブォンブォンブォン! ブォンブォンブォン!
若者「ヒャッホーッ!」
若者「この峠でバイク走らせてると、ホントスカッとするぜー!」
若者「親父は危ない運転やめろなんてうるせえけど……」
若者「バイクの天才であるこの俺が事故るわけないっつーの!」
ブオオオオオオオオッ!!!
ブォンブォンブォン! ブォンブォンブォン!
若者「ヒャッホーッ!」
若者「この峠でバイク走らせてると、ホントスカッとするぜー!」
若者「親父は危ない運転やめろなんてうるせえけど……」
若者「バイクの天才であるこの俺が事故るわけないっつーの!」
ブオオオオオオオオッ!!!
46:2019/01/28(月) 23:18:09.101
ズルッ!
若者「わっ!?」ガクンッ
若者「わあああああああああっ!?」
若者(あ……周囲がゆっくり見える……)
若者(もしかして、これが走馬灯ってやつか……?)
若者(そうか俺、死ぬんだな……)
若者「わっ!?」ガクンッ
若者「わあああああああああっ!?」
若者(あ……周囲がゆっくり見える……)
若者(もしかして、これが走馬灯ってやつか……?)
若者(そうか俺、死ぬんだな……)
47:2019/01/28(月) 23:22:03.250
ドザァッ!
若者「…………!?」
若者「俺……生きてる……?」
若者「た、助かったぁ……」
若者(そうか、ちょうどいい具合に葉っぱがクッションになって助かったんだ……)
若者(もうこんな怖い思いは懲り懲りだ……! 反省しよう……!)
…………
……
若者「…………!?」
若者「俺……生きてる……?」
若者「た、助かったぁ……」
若者(そうか、ちょうどいい具合に葉っぱがクッションになって助かったんだ……)
若者(もうこんな怖い思いは懲り懲りだ……! 反省しよう……!)
…………
……
48:2019/01/28(月) 23:24:22.244
―BAR―
依頼人「いやぁ~、今日は改めてお礼にうかがいました!」
依頼人「おかげで息子がバイクでの暴走行為をやめました! ありがとうございます!」
転ばし屋「うまくいってなによりだ」
依頼人「それにしても、さすがは転ばし屋ですなぁ!」
依頼人「“息子を傷つけないよう転ばせる”なんて依頼をいともたやすくこなしてくれるなんて!」
転ばし屋(いともたやすく、ね……)
―終―
依頼人「いやぁ~、今日は改めてお礼にうかがいました!」
依頼人「おかげで息子がバイクでの暴走行為をやめました! ありがとうございます!」
転ばし屋「うまくいってなによりだ」
依頼人「それにしても、さすがは転ばし屋ですなぁ!」
依頼人「“息子を傷つけないよう転ばせる”なんて依頼をいともたやすくこなしてくれるなんて!」
転ばし屋(いともたやすく、ね……)
―終―
49:2019/01/28(月) 23:28:06.507 ID:RdeV2LdUr.net
狙って転ばすのって実際大変だよね
50:2019/01/28(月) 23:30:27.401
第五話『最も下らない依頼』
―BAR―
転ばし屋「…………」モグモグ
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「なにか用か?」
女頃し屋「ううん、今日は軽く雑談でもしようかと思って」
転ばし屋「雑談、か……」
女頃し屋「あなたが今までに受けた依頼の中で、最も下らない依頼ってなに?」
転ばし屋「下らない依頼か……」
転ばし屋「まあ、アレだろうな」
女頃し屋「アレって?」
転ばし屋「お前になら話してもいいだろう。あれは何年か前……」
―BAR―
転ばし屋「…………」モグモグ
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「なにか用か?」
女頃し屋「ううん、今日は軽く雑談でもしようかと思って」
転ばし屋「雑談、か……」
女頃し屋「あなたが今までに受けた依頼の中で、最も下らない依頼ってなに?」
転ばし屋「下らない依頼か……」
転ばし屋「まあ、アレだろうな」
女頃し屋「アレって?」
転ばし屋「お前になら話してもいいだろう。あれは何年か前……」
51:2019/01/28(月) 23:33:03.173
~回想~
ブス「私を転ばせてちょうだい!」
転ばし屋「……分かった」
ブス「思いっきり頼むわよ! 手加減抜きで! でなきゃ意味ないから!」
転ばし屋「ああ、そうさせてもらう」
ブス「じゃあ……当日は頼んだわよ!」
転ばし屋「任せてくれ」
ブス「私を転ばせてちょうだい!」
転ばし屋「……分かった」
ブス「思いっきり頼むわよ! 手加減抜きで! でなきゃ意味ないから!」
転ばし屋「ああ、そうさせてもらう」
ブス「じゃあ……当日は頼んだわよ!」
転ばし屋「任せてくれ」
52:2019/01/28(月) 23:37:31.073
当日――
ブス「ついにアメリカ大陸を発見したわぁ~~~~~!!!」
ブス(さあ、転ばせてちょうだいな!)サッ
転ばし屋(合図……今だ!)バシュッ
ビシッ!
ブス「あらぁぁぁぁぁっ!」
ドザァッ!
ブス「ついにアメリカ大陸を発見したわぁ~~~~~!!!」
ブス(さあ、転ばせてちょうだいな!)サッ
転ばし屋(合図……今だ!)バシュッ
ビシッ!
ブス「あらぁぁぁぁぁっ!」
ドザァッ!
53:2019/01/28(月) 23:39:24.834
ドヨドヨ…
ブス「いたたたたた……!」
ブス「これがホントの転んだブス!」
どっ!!!
アハハハハ… ワハハハハ…
転ばし屋「……ぷっ」
転ばし屋(俺としたことが……ちょっと笑ってしまった)
ブス「いたたたたた……!」
ブス「これがホントの転んだブス!」
どっ!!!
アハハハハ… ワハハハハ…
転ばし屋「……ぷっ」
転ばし屋(俺としたことが……ちょっと笑ってしまった)
54:2019/01/28(月) 23:39:59.733 ID:TOtl69Y20.net
気持ちのいいブスだ
55:2019/01/28(月) 23:41:05.094 ID:RdeV2LdUr.net
コロンブスw
56:2019/01/28(月) 23:43:24.308
―BAR―
女頃し屋「アハハ……たしかに下らないわね」
女頃し屋「で、その彼女はどうなったの? なんでそんなことしたの?」
転ばし屋「…………」サッ
女頃し屋「スマホ?」
転ばし屋「この番組を見てくれ」
女頃し屋「アハハ……たしかに下らないわね」
女頃し屋「で、その彼女はどうなったの? なんでそんなことしたの?」
転ばし屋「…………」サッ
女頃し屋「スマホ?」
転ばし屋「この番組を見てくれ」
57:2019/01/28(月) 23:46:37.861
スマホ『本日のゲストは今大人気の“転んブス”!』
スマホ『今日も私のギャグでみんなを笑い転ばせてあげるわぁ~ん!』
スマホ『アハハハハ…ワハハハハ…』
転ばし屋「実は彼女を転ばせたのは、お笑い芸人のオーディションでのことだったんだ」
転ばし屋「今はこの通り、立派な芸人になってるよ」
女頃し屋「あら、すごい!」
―終―
スマホ『今日も私のギャグでみんなを笑い転ばせてあげるわぁ~ん!』
スマホ『アハハハハ…ワハハハハ…』
転ばし屋「実は彼女を転ばせたのは、お笑い芸人のオーディションでのことだったんだ」
転ばし屋「今はこの通り、立派な芸人になってるよ」
女頃し屋「あら、すごい!」
―終―
58:2019/01/28(月) 23:54:24.329
第六話『転ばし屋vs女頃し屋』
―BAR―
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「またあんたか。このところよく会うな。今日も雑談でもしにきたのか?」
女頃し屋「ううん……今日はとっても大事な用事があるの」
転ばし屋「嘘ではないようだな……で、いったいどんな?」
女頃し屋「あなたを頃しに来たの」
―BAR―
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「またあんたか。このところよく会うな。今日も雑談でもしにきたのか?」
女頃し屋「ううん……今日はとっても大事な用事があるの」
転ばし屋「嘘ではないようだな……で、いったいどんな?」
女頃し屋「あなたを頃しに来たの」
59:2019/01/28(月) 23:58:40.248
転ばし屋「……どういうことだ?」
女頃し屋「詳しくはいえないけど、あなたに転ばされて不利益があった人からの依頼でね」
女頃し屋「今日ここで氏んでもらうわ」
転ばし屋「…………」
女頃し屋「さあ、どうする?」
転ばし屋「前にいったとおりだ。転ばせて、逃げる」
女頃し屋「いうのは簡単だけど、そう上手くいくかしらね?」
女頃し屋「詳しくはいえないけど、あなたに転ばされて不利益があった人からの依頼でね」
女頃し屋「今日ここで氏んでもらうわ」
転ばし屋「…………」
女頃し屋「さあ、どうする?」
転ばし屋「前にいったとおりだ。転ばせて、逃げる」
女頃し屋「いうのは簡単だけど、そう上手くいくかしらね?」
60:2019/01/29(火) 00:02:16.916 ID:kBPngR6k0.net
女頃し屋「…………」
転ばし屋「…………」
女頃し屋(拳銃を――)チャッ
転ばし屋(足払いで――)ババッ
バシィッ!
女頃し屋「きゃあっ!」ドザァッ
転ばし屋「…………」
女頃し屋(拳銃を――)チャッ
転ばし屋(足払いで――)ババッ
バシィッ!
女頃し屋「きゃあっ!」ドザァッ
61:2019/01/29(火) 00:04:49.982 ID:kBPngR6k0.net
女頃し屋「いたた……」
女頃し屋「悔しいけど、私の負けね……」
女頃し屋「私が拳銃を抜いても迷いなく転ばしに来るなんて……あなた、銃が怖くないの?」
転ばし屋「撃つ気のない銃は怖くないさ」
転ばし屋「お前が撃つ気だったら、今頃俺の額か胸の風通しがよくなってたかもな」
女頃し屋「あーあ、またお見通しだったってわけね」
女頃し屋「悔しいけど、私の負けね……」
女頃し屋「私が拳銃を抜いても迷いなく転ばしに来るなんて……あなた、銃が怖くないの?」
転ばし屋「撃つ気のない銃は怖くないさ」
転ばし屋「お前が撃つ気だったら、今頃俺の額か胸の風通しがよくなってたかもな」
女頃し屋「あーあ、またお見通しだったってわけね」
62:2019/01/29(火) 00:07:33.224 ID:kBPngR6k0.net
転ばし屋「で、本当の用件は?」
女頃し屋「これ、返しに来たの」
転ばし屋「ドラえもんの13巻……」
女頃し屋「うん、ずっと借りっぱなしだったでしょ? バイブルなのにごめんなさい」
転ばし屋「いや、かまわないさ。もう何冊か持ってるし」
女頃し屋「アハハ、保存用とか観賞用ってやつ?」
女頃し屋「これ、返しに来たの」
転ばし屋「ドラえもんの13巻……」
女頃し屋「うん、ずっと借りっぱなしだったでしょ? バイブルなのにごめんなさい」
転ばし屋「いや、かまわないさ。もう何冊か持ってるし」
女頃し屋「アハハ、保存用とか観賞用ってやつ?」
63:2019/01/29(火) 00:11:51.171 ID:kBPngR6k0.net
女頃し屋「ところで私、ドラえもんにすっかりハマっちゃって!」
女頃し屋「その巻以外の巻も全部買ったし、大長編やアニメも見たりしてるの!」
転ばし屋「ほう?」
女頃し屋「ちなみに私が一番好きな道具は“絵本入り込み靴”かしら」
転ばし屋(ちょっと意外……)
女頃し屋「今夜は大いにドラえもんを語りましょ! それが今日の用事よ!」
転ばし屋「ああ、いいぞ」
転ばし屋(やれやれ、今夜は長い夜になりそうだ……)
―終―
女頃し屋「その巻以外の巻も全部買ったし、大長編やアニメも見たりしてるの!」
転ばし屋「ほう?」
女頃し屋「ちなみに私が一番好きな道具は“絵本入り込み靴”かしら」
転ばし屋(ちょっと意外……)
女頃し屋「今夜は大いにドラえもんを語りましょ! それが今日の用事よ!」
転ばし屋「ああ、いいぞ」
転ばし屋(やれやれ、今夜は長い夜になりそうだ……)
―終―
64:2019/01/29(火) 00:16:13.175 ID:kBPngR6k0.net
最終話『転ばし屋が転んだ』
―BAR―
青年「デート中、彼女が転んだところを助けるというシチュエーションをやりたいんです」
青年「公園で彼女を転ばせて下さい!」
転ばし屋「分かった、引き受けよう」
青年「ありがとうございます!」
青年「デートは次の日曜ですので、どうかお願いしますね!」
転ばし屋(なかなか初々しい依頼だな……好感が持てる)
―BAR―
青年「デート中、彼女が転んだところを助けるというシチュエーションをやりたいんです」
青年「公園で彼女を転ばせて下さい!」
転ばし屋「分かった、引き受けよう」
青年「ありがとうございます!」
青年「デートは次の日曜ですので、どうかお願いしますね!」
転ばし屋(なかなか初々しい依頼だな……好感が持てる)
65:2019/01/29(火) 00:19:09.653 ID:kBPngR6k0.net
―公園―
転ばし屋(依頼人と標的がデートをしている……)
転ばし屋(今だ!)バシュッ
ビシッ!
女「きゃっ!」ドテッ
青年「あっ、大丈夫かい!?」サッ
シーン…
女「…………」
青年「あ、あれ……?」
転ばし屋(依頼人と標的がデートをしている……)
転ばし屋(今だ!)バシュッ
ビシッ!
女「きゃっ!」ドテッ
青年「あっ、大丈夫かい!?」サッ
シーン…
女「…………」
青年「あ、あれ……?」
67:2019/01/29(火) 00:22:29.531 ID:kBPngR6k0.net
ザワザワ… ザワザワ…
「転んだまま動かないぞ?」 「どしたどした?」 「大丈夫か!?」
青年「ああ……彼女が動かない!」
青年「まさか、転んだ時に打ちどころが悪くて……!?」
転ばし屋「…………!」
転ばし屋(そんな……転ばせるはずが、頃してしまった……!?)
転ばし屋(転ばし屋であるこの俺が……)
「転んだまま動かないぞ?」 「どしたどした?」 「大丈夫か!?」
青年「ああ……彼女が動かない!」
青年「まさか、転んだ時に打ちどころが悪くて……!?」
転ばし屋「…………!」
転ばし屋(そんな……転ばせるはずが、頃してしまった……!?)
転ばし屋(転ばし屋であるこの俺が……)
68:2019/01/29(火) 00:25:39.667 ID:kBPngR6k0.net
―BAR―
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「…………」
女頃し屋「?」
転ばし屋「ふぅ……」
女頃し屋「あら、珍しい。ため息なんてついて。どうしたの?」
転ばし屋「俺は……転ばし屋だというのに、人を頃してしまった」
女頃し屋「え……! ど、どういうことよ!」
転ばし屋「実は――」
女頃し屋「はぁい」
転ばし屋「…………」
女頃し屋「?」
転ばし屋「ふぅ……」
女頃し屋「あら、珍しい。ため息なんてついて。どうしたの?」
転ばし屋「俺は……転ばし屋だというのに、人を頃してしまった」
女頃し屋「え……! ど、どういうことよ!」
転ばし屋「実は――」
69:2019/01/29(火) 00:29:32.052 ID:kBPngR6k0.net
転ばし屋「――というわけだ。そのまま依頼人の恋人は帰らぬ人になってしまった」
転ばし屋「俺としたことが……取り返しのつかないしくじりを……」
女頃し屋「…………」
女頃し屋「ねえ、その死んじゃった女性の葬儀ってどうなったの?」
転ばし屋「明日にでも開かれるはずだが……」
女頃し屋「だったら私、ちょっとそこに行ってくるわ」
転ばし屋「え? どうして?」
女頃し屋「なんとなーく、臭うのよね」
女頃し屋「人の死を無数に見てきた私なら、なにか違う事実が分かるかもしれないわ」
転ばし屋「そんなものがあるとは思えないが……よろしく頼む」
転ばし屋「俺としたことが……取り返しのつかないしくじりを……」
女頃し屋「…………」
女頃し屋「ねえ、その死んじゃった女性の葬儀ってどうなったの?」
転ばし屋「明日にでも開かれるはずだが……」
女頃し屋「だったら私、ちょっとそこに行ってくるわ」
転ばし屋「え? どうして?」
女頃し屋「なんとなーく、臭うのよね」
女頃し屋「人の死を無数に見てきた私なら、なにか違う事実が分かるかもしれないわ」
転ばし屋「そんなものがあるとは思えないが……よろしく頼む」
70:2019/01/29(火) 00:32:01.775 ID:kBPngR6k0.net
―葬儀場―
女頃し屋「私、生前彼女と親しくしていた者です」
遺族「おおっ、そうなのですか」
女頃し屋「一目だけでも、ご遺体を拝見させていただいてもよろしいですか?」
遺族「どうぞ……ぜひご覧になって下さい」
女頃し屋「すみません」
女頃し屋「私、生前彼女と親しくしていた者です」
遺族「おおっ、そうなのですか」
女頃し屋「一目だけでも、ご遺体を拝見させていただいてもよろしいですか?」
遺族「どうぞ……ぜひご覧になって下さい」
女頃し屋「すみません」
71:2019/01/29(火) 00:34:19.365 ID:kBPngR6k0.net
女頃し屋(これが彼女の遺体ね……)
女頃し屋「…………」ハッ
女頃し屋「こ、これは……!」
遺族「どうかしましたか?」
女頃し屋「いえ……何でもありません。どうもありがとうございました」
遺族「こちらこそ」
女頃し屋(すぐに転ばし屋に知らせないと!)
女頃し屋「…………」ハッ
女頃し屋「こ、これは……!」
遺族「どうかしましたか?」
女頃し屋「いえ……何でもありません。どうもありがとうございました」
遺族「こちらこそ」
女頃し屋(すぐに転ばし屋に知らせないと!)
72:2019/01/29(火) 00:38:12.209 ID:kBPngR6k0.net
―BAR―
転ばし屋「首筋に針で刺されたような跡が……!?」
女頃し屋「ええ、きっと針に猛毒でも塗ってあって、それで死んじゃったのよ」
女頃し屋「私でやっと気づけたぐらいだから、普通の人じゃまず分からない」
女頃し屋「しかも、大勢が彼女が派手に転んだところを目撃してるから」
女頃し屋「転んで打ちどころが悪かった事故死、で処理されちゃったんでしょうね」
転ばし屋「なんということだ……」
女頃し屋「それと、あなたに依頼した青年、実は彼女と別れたがってたらしいわ」
女頃し屋「だけど、なかなか別れられないから――」
転ばし屋「俺を使って、事故死に見せかけて頃したってわけか……」
女頃し屋「うん……そういうこと」
転ばし屋「首筋に針で刺されたような跡が……!?」
女頃し屋「ええ、きっと針に猛毒でも塗ってあって、それで死んじゃったのよ」
女頃し屋「私でやっと気づけたぐらいだから、普通の人じゃまず分からない」
女頃し屋「しかも、大勢が彼女が派手に転んだところを目撃してるから」
女頃し屋「転んで打ちどころが悪かった事故死、で処理されちゃったんでしょうね」
転ばし屋「なんということだ……」
女頃し屋「それと、あなたに依頼した青年、実は彼女と別れたがってたらしいわ」
女頃し屋「だけど、なかなか別れられないから――」
転ばし屋「俺を使って、事故死に見せかけて頃したってわけか……」
女頃し屋「うん……そういうこと」
73:2019/01/29(火) 00:41:17.969 ID:kBPngR6k0.net
転ばし屋「俺としたことが……まんまと利用されてしまったな」
女頃し屋「……どうするの?」
転ばし屋「もちろん、このままで済ませるわけにはいかない」
転ばし屋「俺にだって、転ばし屋としてのプライドはあるからな」
女頃し屋「手伝おうか?」
転ばし屋「いや……ここから先は俺一人でやらせてくれ」
女頃し屋「後始末が済んだら、またここで会いましょ」
転ばし屋「ああ、世話になった」
女頃し屋「ドラえもん貸してくれたお礼よ。気にしないで」
女頃し屋「……どうするの?」
転ばし屋「もちろん、このままで済ませるわけにはいかない」
転ばし屋「俺にだって、転ばし屋としてのプライドはあるからな」
女頃し屋「手伝おうか?」
転ばし屋「いや……ここから先は俺一人でやらせてくれ」
女頃し屋「後始末が済んだら、またここで会いましょ」
転ばし屋「ああ、世話になった」
女頃し屋「ドラえもん貸してくれたお礼よ。気にしないで」
74:2019/01/29(火) 00:46:18.367 ID:kBPngR6k0.net
―夜道―
青年(フフフ、転ばし屋のおかげで、あのしつこいバカ女を始末することができた)
青年(転ばし屋なんてギャグみたいな職業でも、使い道はあるってことだな――)
ズルッ
青年「うおあっ!?」ズデンッ
青年「いてて……! なんでこんなに滑るんだ……!?」
転ばし屋「…………」ザッ
青年「お、お前は!?」
転ばし屋「お前がやったことはもう分かっている。ちょっと付き合ってもらおうか」
青年(フフフ、転ばし屋のおかげで、あのしつこいバカ女を始末することができた)
青年(転ばし屋なんてギャグみたいな職業でも、使い道はあるってことだな――)
ズルッ
青年「うおあっ!?」ズデンッ
青年「いてて……! なんでこんなに滑るんだ……!?」
転ばし屋「…………」ザッ
青年「お、お前は!?」
転ばし屋「お前がやったことはもう分かっている。ちょっと付き合ってもらおうか」
75:2019/01/29(火) 00:49:14.814 ID:kBPngR6k0.net
―倉庫―
青年「ぐっ!」ドサッ
青年「な、なんだよ、俺をどうする気だよ! 頃すつもりか!?」
転ばし屋「いや、頃すつもりはない」
青年「な、なんだこりゃ!?」ヌルヌルッ
転ばし屋「特殊なオイルだ。お前はもう、ずっと転び続けるしかない」
青年「な、なんだと……!」グッ
スッテンッ ズダンッ ビタンッ
青年(立てない……!)ヌルヌル
転ばし屋「ここから出たければ、今すぐ警察に電話して“真相”を話せ」
青年「だ、誰が!」ズルッ
青年「うおあっ!」ドタッ
転ばし屋「なら、お前は転び続けるだけだ」
青年「ぐっ!」ドサッ
青年「な、なんだよ、俺をどうする気だよ! 頃すつもりか!?」
転ばし屋「いや、頃すつもりはない」
青年「な、なんだこりゃ!?」ヌルヌルッ
転ばし屋「特殊なオイルだ。お前はもう、ずっと転び続けるしかない」
青年「な、なんだと……!」グッ
スッテンッ ズダンッ ビタンッ
青年(立てない……!)ヌルヌル
転ばし屋「ここから出たければ、今すぐ警察に電話して“真相”を話せ」
青年「だ、誰が!」ズルッ
青年「うおあっ!」ドタッ
転ばし屋「なら、お前は転び続けるだけだ」
77:2019/01/29(火) 00:52:22.193 ID:kBPngR6k0.net
青年(腹減った……)
転ばし屋「食事だ、食え」コトッ
青年「…………?」
青年「メシ、食わせてくれるの?」
転ばし屋「俺はお前を死なせるつもりはないからな。当然餓死もさせない」
転ばし屋「ただ、ずーっとずーっと、転ばし続けるだけだ」
青年「……ひっ!」
転ばし屋「食事だ、食え」コトッ
青年「…………?」
青年「メシ、食わせてくれるの?」
転ばし屋「俺はお前を死なせるつもりはないからな。当然餓死もさせない」
転ばし屋「ただ、ずーっとずーっと、転ばし続けるだけだ」
青年「……ひっ!」
78:2019/01/29(火) 00:55:46.473 ID:kBPngR6k0.net
青年「うひゃあっ!」ドテンッ
青年(た、立てない……!)
青年「わわぁ!」ドテッ
青年「ハァ、ハァ、ハァ……」
転ばし屋「…………」
青年(なんて目だ……!)
青年(こいつは本当にただ俺を転ばし続けるだけのつもりなんだ……!)
青年(俺が全てを明らかにしない限り、ずうっと……)
青年(た、立てない……!)
青年「わわぁ!」ドテッ
青年「ハァ、ハァ、ハァ……」
転ばし屋「…………」
青年(なんて目だ……!)
青年(こいつは本当にただ俺を転ばし続けるだけのつもりなんだ……!)
青年(俺が全てを明らかにしない限り、ずうっと……)
79:2019/01/29(火) 00:59:30.386 ID:kBPngR6k0.net
……
青年「ハァ、ハァ、ハァ……」
転ばし屋「…………」
青年「す、すみませんでした……」
転ばし屋「…………」
青年「許して下さいっ! 警察には自首しますからっ……!」
青年「だから、ここから出して下さいっ!」
転ばし屋「なら、このお前のスマホから警察に連絡しろ」ポイッ
転ばし屋「ただし、余計なことをいったら、今度は永久に転び続けることになるぞ」
青年「は、はいぃっ!」
青年「もしもし、警察ですか……。実は女性が転倒死した事故についてお話が……!」
…………
……
青年「ハァ、ハァ、ハァ……」
転ばし屋「…………」
青年「す、すみませんでした……」
転ばし屋「…………」
青年「許して下さいっ! 警察には自首しますからっ……!」
青年「だから、ここから出して下さいっ!」
転ばし屋「なら、このお前のスマホから警察に連絡しろ」ポイッ
転ばし屋「ただし、余計なことをいったら、今度は永久に転び続けることになるぞ」
青年「は、はいぃっ!」
青年「もしもし、警察ですか……。実は女性が転倒死した事故についてお話が……!」
…………
……
81:2019/01/29(火) 01:02:28.610 ID:kBPngR6k0.net
―BAR―
転ばし屋「おかげさまで、奴は逮捕されたよ。俺の気も幾分かは晴れた」
女頃し屋「ふふっ、お疲れ様」
転ばし屋「今回は助けられたよ、本当にありがとう」
転ばし屋「しかし……こうもまんまとしてやられるとは……本当に不覚だった」
転ばし屋「これも全て、人を転ばせるという行為を甘く見ていた結果だ」
転ばし屋「俺はもう、“転ばし屋”を廃業すべきなのかもしれないな」
転ばし屋「いっそ、“頃し屋”に――」
女頃し屋「ちょっとなにいってんの!」
女頃し屋「今まで散々人を転ばせた男が、一度転んだくらいでへこたれないでよ!」
転ばし屋「おかげさまで、奴は逮捕されたよ。俺の気も幾分かは晴れた」
女頃し屋「ふふっ、お疲れ様」
転ばし屋「今回は助けられたよ、本当にありがとう」
転ばし屋「しかし……こうもまんまとしてやられるとは……本当に不覚だった」
転ばし屋「これも全て、人を転ばせるという行為を甘く見ていた結果だ」
転ばし屋「俺はもう、“転ばし屋”を廃業すべきなのかもしれないな」
転ばし屋「いっそ、“頃し屋”に――」
女頃し屋「ちょっとなにいってんの!」
女頃し屋「今まで散々人を転ばせた男が、一度転んだくらいでへこたれないでよ!」
84:2019/01/29(火) 01:07:18.058 ID:kBPngR6k0.net
女頃し屋「人生七転び八起きっていうじゃない! 転んだら立ち上がればいいのよ!」
転ばし屋「……そうだな」
転ばし屋「俺はこれからも、人を転ばし続けるよ。憧れの“ころばし屋”のように!」
女頃し屋「そうそう、その意気!」
女頃し屋「それじゃ、これからも転んでも起き上がれるように、乾杯!」
転ばし屋「乾杯」
カチンッ
―終―
転ばし屋「……そうだな」
転ばし屋「俺はこれからも、人を転ばし続けるよ。憧れの“ころばし屋”のように!」
女頃し屋「そうそう、その意気!」
女頃し屋「それじゃ、これからも転んでも起き上がれるように、乾杯!」
転ばし屋「乾杯」
カチンッ
―終―
85:2019/01/29(火) 01:07:53.638 ID:kBPngR6k0.net
これで完結となります
ありがとうございました
ありがとうございました
86:2019/01/29(火) 01:08:22.965 ID:KzbEyyvM0.net
乙
87:2019/01/29(火) 01:09:34.745 ID:HcsKAZSbx.net
すごかったな
乙!
乙!
88:2019/01/29(火) 01:10:31.332 ID:Vx/g8iXxr.net
乙
本屋でドラえもん13巻買うわ
本屋でドラえもん13巻買うわ
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