1: 2009/04/04(土) 21:32:50.94 ID:ShHwk2fj0
勇者「あぁ、16歳になってからもう半年もたったぞ……」
勇者「魔王倒せとか……明日出ればいいやと思ってたらあっという間に半年」
勇者「そろそろ世間の目が厳しい……母さん口利いてくれない」
勇者「もうそろそろ、出発するか……」
勇者「魔王倒せとか……明日出ればいいやと思ってたらあっという間に半年」
勇者「そろそろ世間の目が厳しい……母さん口利いてくれない」
勇者「もうそろそろ、出発するか……」
2: 2009/04/04(土) 21:35:16.62 ID:ShHwk2fj0
勇者「母さん、行ってくるよ」
母「……」
勇者「あの、行ってくるよ」
母「……」
勇者「あ、あのさ、立派な勇者になるからさ」
母「……」
勇者「(へんじがない……ただしか(ry)」
勇者「……行って来ます」
ぱたん
母「……ぅぅぅ」
母「……」
勇者「あの、行ってくるよ」
母「……」
勇者「あ、あのさ、立派な勇者になるからさ」
母「……」
勇者「(へんじがない……ただしか(ry)」
勇者「……行って来ます」
ぱたん
母「……ぅぅぅ」
3: 2009/04/04(土) 21:41:59.45 ID:ShHwk2fj0
町の人A「ばんざーい! アリアハン王国、ばんざーい!」
町の人B「おめでとう! おめでとう!」
町の人C「わっはっはっは! 今日から毎日お祝いしたいのう!」
町の人D「ばんざーい! ばんざーい!」
勇者「な、なんだろう。街がお祝いムードなんだけど……」
街の人E「あぁオルテガの息子さん!」
勇者「うわっ、あ、はい……」
町の人E「生きているってすばらしい! 本当におめでとう!」
勇者「は、はぁ。ありがとう……?」
町の人E「いやぁ生きているうちにこんな日が来るなんて――」
勇者「あ、あの、僕行くところがあるので……(よ、よくわからないけど、とりあえずルイーダの酒場に行こう)」
町の人B「おめでとう! おめでとう!」
町の人C「わっはっはっは! 今日から毎日お祝いしたいのう!」
町の人D「ばんざーい! ばんざーい!」
勇者「な、なんだろう。街がお祝いムードなんだけど……」
街の人E「あぁオルテガの息子さん!」
勇者「うわっ、あ、はい……」
町の人E「生きているってすばらしい! 本当におめでとう!」
勇者「は、はぁ。ありがとう……?」
町の人E「いやぁ生きているうちにこんな日が来るなんて――」
勇者「あ、あの、僕行くところがあるので……(よ、よくわからないけど、とりあえずルイーダの酒場に行こう)」
4: 2009/04/04(土) 21:49:50.09 ID:ShHwk2fj0
〈ルイーダの酒場〉
勇者「こんにちわー」
店主「あ! あんらぁまぁ、勇者ちゃんじゃないの!」
勇者「ご無沙汰してます」
店主「ほんとに久しぶりねぇ。いつでも来てよかったのに……昔は毎日うちのバカ息子と
遊んでたのにねぇ」
勇者「ええ、まぁ……」
店主「ちょっと待ってて、うちの息子にようなんでしょ? すぐに呼ぶから――ちょっと! 勇
者ちゃん来てるわよ! 降りてきな……ちょっと! 早く来なさい!!」
?「あぁ!? 勇者がぁ?」
店主「そうだって言ってるでしょ! さっさと降りてきなさい!」
?「ちょっと待って、セーブするから」
店主「まぁたファミコンしてるの!?」
?「かぁちゃんうるさいよ! 聞こえてっから黙ってろ!」
勇者「(相変わらず豪快な家族だなぁ)」
勇者「こんにちわー」
店主「あ! あんらぁまぁ、勇者ちゃんじゃないの!」
勇者「ご無沙汰してます」
店主「ほんとに久しぶりねぇ。いつでも来てよかったのに……昔は毎日うちのバカ息子と
遊んでたのにねぇ」
勇者「ええ、まぁ……」
店主「ちょっと待ってて、うちの息子にようなんでしょ? すぐに呼ぶから――ちょっと! 勇
者ちゃん来てるわよ! 降りてきな……ちょっと! 早く来なさい!!」
?「あぁ!? 勇者がぁ?」
店主「そうだって言ってるでしょ! さっさと降りてきなさい!」
?「ちょっと待って、セーブするから」
店主「まぁたファミコンしてるの!?」
?「かぁちゃんうるさいよ! 聞こえてっから黙ってろ!」
勇者「(相変わらず豪快な家族だなぁ)」
5: 2009/04/04(土) 21:57:11.54 ID:ShHwk2fj0
どたばたどた
遊び人「あぁ? マジだ。勇者じゃん」
勇者「よぉ――手に何持ってんの?」
遊び人「DS」
勇者「でぃーえす?」
遊び人「そんなのいいからさ、ホント久しぶりだなお前。ついに一人部屋貴族やめたのか」
勇者「何それ?」
遊び人「引きこもりって事」
勇者「何その言い方……」
遊び人「引きこもってたろ?」
勇者「……いや、だからさ、それは充電期間でさ」
遊び人「まぁなんでもいいけど? 世界が平和になった記念でお前も穴ぐらからはいでたわけだ」
勇者「え? 何それ、世界が平和になった記念って」
遊び人「あ? 何言ってんのお前」
6: 2009/04/04(土) 22:01:47.29 ID:ShHwk2fj0
遊び人「お前が引きこもってる間にもう魔王倒されたんだけど」
勇者「……!?」
遊び人「あれ、マジで知らないの? ばかだねぇお前。外でないからそういう噂も聞けないん
だよ」
勇者「な、なんで!? 誰が!? どうやって倒したの!?」
遊び人「知らん知らん。俺ゲームしてる時に聞いただけだし」
7: 2009/04/04(土) 22:07:02.07 ID:ShHwk2fj0
勇者「ゲームって何だよ!?」
遊び人「ゲームはゲームだようるせぇなぁ……とにかくそういう事だから、お前用なし。旅に
出る必要もなし。カエレ」
勇者「だ、だって僕は勇者……」
遊び人「お湯なしのカップラーメンみたいなもんなんだよお前。勇者とかもうどうでもいいの。
魔王いないから」
勇者「……」
遊び人「じゃ、そういう事で。俺ギャラガやるから」
勇者「待ったぁ!」
がっし
遊び人「ゲームはゲームだようるせぇなぁ……とにかくそういう事だから、お前用なし。旅に
出る必要もなし。カエレ」
勇者「だ、だって僕は勇者……」
遊び人「お湯なしのカップラーメンみたいなもんなんだよお前。勇者とかもうどうでもいいの。
魔王いないから」
勇者「……」
遊び人「じゃ、そういう事で。俺ギャラガやるから」
勇者「待ったぁ!」
がっし
8: 2009/04/04(土) 22:11:42.06 ID:ShHwk2fj0
遊び人「なんだよお前手ぇ離せ……」
勇者「まずいよそれは! 勇者は魔王倒さないと!」
遊び人「だからその魔王がいないんだって」
勇者「だってこのままじゃ……僕はどうすれば」
遊び人「街の入り口で『ここはアリアハンです』っていう仕事があまってるらしいから行けよ」
勇者「もう『立派な勇者になる』って家出てきちゃったし、引き返せないよ!」
遊び人「なんだそりゃ。笑えるなそのシチュエーション。お前の母ちゃん笑いこらえるのに
必死だったんじゃね?」
勇者「う わ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ 」
勇者「まずいよそれは! 勇者は魔王倒さないと!」
遊び人「だからその魔王がいないんだって」
勇者「だってこのままじゃ……僕はどうすれば」
遊び人「街の入り口で『ここはアリアハンです』っていう仕事があまってるらしいから行けよ」
勇者「もう『立派な勇者になる』って家出てきちゃったし、引き返せないよ!」
遊び人「なんだそりゃ。笑えるなそのシチュエーション。お前の母ちゃん笑いこらえるのに
必死だったんじゃね?」
勇者「う わ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ 」
10: 2009/04/04(土) 22:20:57.56 ID:ShHwk2fj0
勇者「旅に出よう! 遊び人、今すぐ出よう! 旅に出よう!」
遊び人「バカかお前、なんで旅なんかにでるんだよ」
勇者「とにかく旅に出ないと!」
遊び人「ひきこもりが寝言言ってんじゃねぇよ。もう手遅れだバカ」
勇者「頼むよ! 頼むから……」
遊び人「半年もぼけっと部屋からでなかったのはお前だろ。自業自得だ。マジで憐れだが、
あきらめろ」
勇者「そんな……」
× × ×
店主「あいよ、中ジョッキお待ち!」
?「……」
店主「あらぁ、あらあら、お客さんうちの息子どもが気になります? すみませんねぇいつま
でも子供でやかましくて――」
?「……」
遊び人「バカかお前、なんで旅なんかにでるんだよ」
勇者「とにかく旅に出ないと!」
遊び人「ひきこもりが寝言言ってんじゃねぇよ。もう手遅れだバカ」
勇者「頼むよ! 頼むから……」
遊び人「半年もぼけっと部屋からでなかったのはお前だろ。自業自得だ。マジで憐れだが、
あきらめろ」
勇者「そんな……」
× × ×
店主「あいよ、中ジョッキお待ち!」
?「……」
店主「あらぁ、あらあら、お客さんうちの息子どもが気になります? すみませんねぇいつま
でも子供でやかましくて――」
?「……」
13: 2009/04/04(土) 22:28:25.77 ID:ShHwk2fj0
〈酒場の外……〉
遊び人「だぁから行かねぇっつってんだろ! 手ぇ離せ……!」
勇者「いやだ! 絶対いやだ! 旅に行く! 勇者になるんだ!」
遊び人「現実を見ろ勇者! お前なんか誰もお呼びじゃないんだよ! 今頃勇者とかお笑
いぐさなの! 新卒以外は採用されないから! ひきこもりは寝てろ!」
勇者「お願いだよ、お願いだよぉ……うぅ」
遊び人「泣くなよお前……しょうがねぇだろ。大臣によばれて、城にまで招待されて盛大に
送り出されたのに、町から一歩も出なかったのはお前だ」
勇者「遊び人に説教されるなんて……うぅ」
遊び人「かっちーん……もう知らん。もう知らない。一人で行って死ね。氏ねじゃなくて死ね」
勇者「うわぁ見捨てないでくれぇー!」
?「ちょっと、あんたたち」
遊び人「だぁから行かねぇっつってんだろ! 手ぇ離せ……!」
勇者「いやだ! 絶対いやだ! 旅に行く! 勇者になるんだ!」
遊び人「現実を見ろ勇者! お前なんか誰もお呼びじゃないんだよ! 今頃勇者とかお笑
いぐさなの! 新卒以外は採用されないから! ひきこもりは寝てろ!」
勇者「お願いだよ、お願いだよぉ……うぅ」
遊び人「泣くなよお前……しょうがねぇだろ。大臣によばれて、城にまで招待されて盛大に
送り出されたのに、町から一歩も出なかったのはお前だ」
勇者「遊び人に説教されるなんて……うぅ」
遊び人「かっちーん……もう知らん。もう知らない。一人で行って死ね。氏ねじゃなくて死ね」
勇者「うわぁ見捨てないでくれぇー!」
?「ちょっと、あんたたち」
15: 2009/04/04(土) 22:34:25.91 ID:ShHwk2fj0
遊び人「あ?」
勇者「……?」
魔法使い(♀)「何があったのか、詳しくおねーさんに話してみなさい。やさしく聞いてあげる
わよ」
遊び人「……ほら、な。お前がそうやって弱みを見せるから、こういう宗教の勧誘が来るんだ
よ」
勇者「え、宗教なの?」
魔法使い「違うわよ。しっつれいな子ね、遊び人のくせに世間ななめに見ちゃって」
遊び人「宗教じゃなきゃなんだってんだよ」
魔法使い「女神よ。たぶん、そこで泣いてるなっさけない子にとっては」
勇者「……?」
勇者「……?」
魔法使い(♀)「何があったのか、詳しくおねーさんに話してみなさい。やさしく聞いてあげる
わよ」
遊び人「……ほら、な。お前がそうやって弱みを見せるから、こういう宗教の勧誘が来るんだ
よ」
勇者「え、宗教なの?」
魔法使い「違うわよ。しっつれいな子ね、遊び人のくせに世間ななめに見ちゃって」
遊び人「宗教じゃなきゃなんだってんだよ」
魔法使い「女神よ。たぶん、そこで泣いてるなっさけない子にとっては」
勇者「……?」
17: 2009/04/04(土) 22:40:00.69 ID:ShHwk2fj0
勇者「……という訳なんです」
魔法使い「ふーん。なっさけな。甲斐性なしってあんたみたいな男の事言うのよ」
勇者「……」
遊び人「やめて! 勇者のライフはもうゼロよ!」
勇者「うぅ、もうダメだ。死のう……」
魔法使い「甲斐性なしが死ぬなんて言ってんじゃないわよ。どーせ死ねないわよ。町から
出ることもできなかったくせに」
勇者「……」
遊び人「ライフゼロだっつってんだろ。こいつが死んだらあんたが責任持って埋めろよ」
魔法使い「死ぬことないわよ。勇者になればいいんでしょ?」
勇者「え?」
魔法使い「簡単よ。勇者になるなんて――さぁ、泣いてないでこんな町からさっさと出るわよ」
魔法使い「ふーん。なっさけな。甲斐性なしってあんたみたいな男の事言うのよ」
勇者「……」
遊び人「やめて! 勇者のライフはもうゼロよ!」
勇者「うぅ、もうダメだ。死のう……」
魔法使い「甲斐性なしが死ぬなんて言ってんじゃないわよ。どーせ死ねないわよ。町から
出ることもできなかったくせに」
勇者「……」
遊び人「ライフゼロだっつってんだろ。こいつが死んだらあんたが責任持って埋めろよ」
魔法使い「死ぬことないわよ。勇者になればいいんでしょ?」
勇者「え?」
魔法使い「簡単よ。勇者になるなんて――さぁ、泣いてないでこんな町からさっさと出るわよ」
18: 2009/04/04(土) 22:48:24.05 ID:ShHwk2fj0
〈ワールドマップへ……〉
魔法使い「簡単なことよ。魔王を倒した『勇者』の所に行けばいいの」
遊び人「行ってどうすんだよ」
魔法使い「パーティーに加えてもらうのよ。そしたら『勇者様ご一行』の一人になれるじゃな
い」
勇者「なんか……それ情けなくない?」
魔法使い「あんたそんな事言ってる余裕あんの? 勇者にならなきゃ男として最低よ? 人間
のクズよ? 親に情けないと思わないの?」
遊び人「や、やめろよ。勇者レベル低くてライフ少ないんだから、お前の言葉の暴力でも棺おけ
に入っちゃうかもしんないだろ」
勇者「う、うぅ……」
遊び人「だいたい、そんな簡単にパーティーになんて入れてもらえんのかよ」
魔法使い「プライドなんか最初からないんだから、全裸で土下座してでもパーティーに入れて
もらうのよ。むこうも魔王討伐のために何人か死んでるかもしれないでしょ」
勇者・遊び人「(容赦ねぇ……)」
魔法使い「簡単なことよ。魔王を倒した『勇者』の所に行けばいいの」
遊び人「行ってどうすんだよ」
魔法使い「パーティーに加えてもらうのよ。そしたら『勇者様ご一行』の一人になれるじゃな
い」
勇者「なんか……それ情けなくない?」
魔法使い「あんたそんな事言ってる余裕あんの? 勇者にならなきゃ男として最低よ? 人間
のクズよ? 親に情けないと思わないの?」
遊び人「や、やめろよ。勇者レベル低くてライフ少ないんだから、お前の言葉の暴力でも棺おけ
に入っちゃうかもしんないだろ」
勇者「う、うぅ……」
遊び人「だいたい、そんな簡単にパーティーになんて入れてもらえんのかよ」
魔法使い「プライドなんか最初からないんだから、全裸で土下座してでもパーティーに入れて
もらうのよ。むこうも魔王討伐のために何人か死んでるかもしれないでしょ」
勇者・遊び人「(容赦ねぇ……)」
21: 2009/04/04(土) 22:58:49.72 ID:ShHwk2fj0
〈誘いの洞窟へ……〉
スライム「ぴぎー!」
勇者「こ、この!」
スライム「ぎ、ぎー……」
ゆうしゃはれべるがあがった!
ゆうしゃのちからが10あがった!
ゆううしゃのすばやさが7あがった!
ゆうしゃのMPが……
勇者「ぜ、ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ……」
魔法使い「さ、きりきり行くわよ。『勇者』がアリアハンに着く前に行かないと」
遊び人「よーしさっさと行くか……」
勇者「ちょっと! あのさぁ、さっきから戦ってるの僕ばっかりなんだけど!」
スライム「ぴぎー!」
勇者「こ、この!」
スライム「ぎ、ぎー……」
ゆうしゃはれべるがあがった!
ゆうしゃのちからが10あがった!
ゆううしゃのすばやさが7あがった!
ゆうしゃのMPが……
勇者「ぜ、ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ……」
魔法使い「さ、きりきり行くわよ。『勇者』がアリアハンに着く前に行かないと」
遊び人「よーしさっさと行くか……」
勇者「ちょっと! あのさぁ、さっきから戦ってるの僕ばっかりなんだけど!」
22: 2009/04/04(土) 23:02:39.59 ID:ShHwk2fj0
魔法使い「はぁ? 当たり前でしょ。誰のために冒険してると思ってるの?」
遊び人「セーブしたら手伝うっつってんじゃん」
勇者「なんだよこのパーティー! 使えないったらありゃしないよ!」
魔法使い「文句あるなら一人で行きなさいよ。ちびっちゃうだろけど」
勇者「んな!? 誰が!」
魔法使い「あんたがよ」
遊び人「(あーそういやなんで俺ついてきてんだろ……)」
勇者「ついてくるだけじゃ意味ないだろ! パーティーなんだから協力し合わないと……」
魔法使い「誰がパーティーよ。誰が。私はあんたに付き添ってやってるだけよ」
勇者「なんだよそれ!」
魔法使い「あ、宝箱はっけーん」
勇者「聞けよ!」
遊び人「(ん? この部屋……)」
魔法使い「たからばこ、おーぷん!」
遊び人「お、おいそれ……」
24: 2009/04/04(土) 23:07:52.04 ID:ShHwk2fj0
だん! だん!
勇者「うわっ! 部屋の入り口が……」
遊び人「出口もだ! 閉じ込められちまったぞ!」
魔法使い「ちょっと何してんのよあんたたちは!?」
勇者「どう考えても魔法使いのせいだろ!?」
ぐごごごごごごご……
魔法使い「はぁ!? 女のせいにする気? 最低ね、ほんと最低!」
勇者「何が女だよ! 女だったら人殺ししてもむざいかよ!」
ぐごごごごご……ごぁぁぁぁぁぁぁああああああああ……!!!!
遊び人「お、おいお前らなんか足元がぐらついて……う、うぉおお!?」
どごおおおおおおおお!
ドラゴン「グォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
25: 2009/04/04(土) 23:15:38.21 ID:ShHwk2fj0
勇者「わああああああああああああ!?」
遊び人「やっべぇぇぇぇぇぇ――ドラゴンじゃねぇかぁぁぁああああ!」
魔法使い「あぁもう……ほんとに最悪ね」
ドラゴン「ゴガアアアアアアアアアアア!」
ドラゴンは、ひのいきをはきだした!
遊び人「あっつ! あっつ! マジであつい!」
勇者「ちょ、ちょおーこれ無理でしょ!?」
あそびにんに40のダメージ!
ゆうしゃに15のダメージ!
勇者「い、いきなり死ぬなんて……」
遊び人「嫌だぁ!!」
魔法使い「ちょっと伏せてなさいよ、ちびっ子たち!」
勇者「!?」
遊び人「やっべぇぇぇぇぇぇ――ドラゴンじゃねぇかぁぁぁああああ!」
魔法使い「あぁもう……ほんとに最悪ね」
ドラゴン「ゴガアアアアアアアアアアア!」
ドラゴンは、ひのいきをはきだした!
遊び人「あっつ! あっつ! マジであつい!」
勇者「ちょ、ちょおーこれ無理でしょ!?」
あそびにんに40のダメージ!
ゆうしゃに15のダメージ!
勇者「い、いきなり死ぬなんて……」
遊び人「嫌だぁ!!」
魔法使い「ちょっと伏せてなさいよ、ちびっ子たち!」
勇者「!?」
27: 2009/04/04(土) 23:21:50.13 ID:ShHwk2fj0
魔法使い「ヒャダルコ!」
遊び人「うぉお!?」
勇者「わ、わぁ!?」
いてつく氷槍がじめんをかける!
ドラゴンはくしざしになった!
ドラゴン「グォォオオオオオオオオオ!?」
ドラゴンに250のダメージ!
ドラゴンは咆哮をあげて、たおれた!
魔法使い「……ふぅ」
勇者「……え、お、終わった……?」
ドラゴン「――――」
遊び人「す、すげぇ……一発で」
魔法使い「さ、行くわよあんた達」
魔法使い「それともちびった?」
遊び人「うぉお!?」
勇者「わ、わぁ!?」
いてつく氷槍がじめんをかける!
ドラゴンはくしざしになった!
ドラゴン「グォォオオオオオオオオオ!?」
ドラゴンに250のダメージ!
ドラゴンは咆哮をあげて、たおれた!
魔法使い「……ふぅ」
勇者「……え、お、終わった……?」
ドラゴン「――――」
遊び人「す、すげぇ……一発で」
魔法使い「さ、行くわよあんた達」
魔法使い「それともちびった?」
28: 2009/04/04(土) 23:29:31.84 ID:ShHwk2fj0
〈たびのとびらへ……〉
勇者「(な、何者なんだろ彼女)」
遊び人「(知らねぇよ……でもただもんじゃないぜ)」
魔法使い「ちょっとアンタたち、距離とって歩かないでくれる?」
勇者「あ、う、うん……」
魔法使い「先頭は勇者がきりなさいよ。私はうしろ歩くから」
遊び人「じゃぁ俺は……」
魔法使い「勇者のあとに決まってんでしょ。ほら、さっさと前行きなさいよ」
遊び人「(く、こいつ調子にのりやがって……)」
魔法使い「あらぁ、なぁにぃ? 文句がありそうねぇ?
遊び人「別に……」
魔法使い「いいのよ、不満はぜんぶぶちまけても。私は女神みたいにココロが広いから」
遊び人「(だったら杖をしまえよ杖を……!)」
勇者「あ、なんか渦があるところに来たんだけど」
勇者「(な、何者なんだろ彼女)」
遊び人「(知らねぇよ……でもただもんじゃないぜ)」
魔法使い「ちょっとアンタたち、距離とって歩かないでくれる?」
勇者「あ、う、うん……」
魔法使い「先頭は勇者がきりなさいよ。私はうしろ歩くから」
遊び人「じゃぁ俺は……」
魔法使い「勇者のあとに決まってんでしょ。ほら、さっさと前行きなさいよ」
遊び人「(く、こいつ調子にのりやがって……)」
魔法使い「あらぁ、なぁにぃ? 文句がありそうねぇ?
遊び人「別に……」
魔法使い「いいのよ、不満はぜんぶぶちまけても。私は女神みたいにココロが広いから」
遊び人「(だったら杖をしまえよ杖を……!)」
勇者「あ、なんか渦があるところに来たんだけど」
31: 2009/04/04(土) 23:36:18.83 ID:ShHwk2fj0
魔法使い「旅の扉よ。ここをくぐったらロマリアにつくから、そこで一休みしましょ。シャワー浴
びたいし」
遊び人「ずいぶん詳しいじゃないか」
魔法使い「アンタたちと違っていろいろと経験豊富なのよ」
勇者「(い、いろいろと……経験豊富……!?)」
魔法使い「ちょっと、何エロい事考えてんのよ?」
勇者「か、考えてないし!」
魔法使い「ほんとにぃ?」
勇者「ないよそんなの! ないない!」
魔法使い「なぁんだ、あたしの体に興味があるなら、ちょっとは見せて……」
勇者「え……!?」
魔法使い「エロガキ!」
勇者「いったぁ!?」
遊び人「(色々と、経験豊富ねぇ……)」
びたいし」
遊び人「ずいぶん詳しいじゃないか」
魔法使い「アンタたちと違っていろいろと経験豊富なのよ」
勇者「(い、いろいろと……経験豊富……!?)」
魔法使い「ちょっと、何エロい事考えてんのよ?」
勇者「か、考えてないし!」
魔法使い「ほんとにぃ?」
勇者「ないよそんなの! ないない!」
魔法使い「なぁんだ、あたしの体に興味があるなら、ちょっとは見せて……」
勇者「え……!?」
魔法使い「エロガキ!」
勇者「いったぁ!?」
遊び人「(色々と、経験豊富ねぇ……)」
41: 2009/04/05(日) 00:13:51.11 ID:3xH28I4G0
× × ×
〈ロマリアへ……〉
ロマリア市民A「バンザーイ! バンザーイ!」
ロマリア市民B「世界開放バンザーイ」
ロマリア市民C「勇者殿ご一行、バンザーイ!!」
勇者「す、すごい。お出迎えだ……!」
魔法使い「アンタじゃないわよ」
遊び人「魔王をたおした『勇者』だろ」
勇者「はっ! その『勇者』、もうここにいるのかも!?」
魔法使い「来てないでしょ。『勇者』は世界中の街や城を訪れるたびに大歓迎受けてるんだ
から、まだまだ帰ってくるのに時間がかかってるはずよ」
遊び人「また詳しいじゃないか」
魔法使い「……まぁね。さ、シャワー浴びましょ」
× × ×
34: 2009/04/04(土) 23:49:40.77 ID:ShHwk2fj0
老兵「大臣! 大臣お待ちください!」
大臣「やめたまえ騎士団長。見苦しいぞ」
老兵「このバカ騒ぎを今すぐやめないと……」
大臣「バカ騒ぎとはなんだ、このめでたい日に!」
× × ×
勇者「……?」
魔法使い「ちょっと、勇者何してんの?」
36: 2009/04/04(土) 23:57:29.99 ID:ShHwk2fj0
勇者「ん、あ、うん……」
× × ×
老兵「ポルトガからもイシスからも伝兵が帰ってきていない! アッサラームからすらも!」
大臣「それがどうしたのかね……」
老兵「私のながい兵役でもなかったことです。何かあったに違いありません」
大臣「どの街も祝賀ムードで浮かれておるのだ。多少の遅れくらい……」
老兵「大臣、私の経験がこれはよくないと言っております。どうか、防戦の準備を整えください!」
大臣「バカな! 市民の不安をいたずらに煽る気かっ?」
老兵「このバカ騒ぎの中で襲撃を受けたら……」
大臣「もういい、やめたまえ騎士団長!」
× × ×
老兵「ポルトガからもイシスからも伝兵が帰ってきていない! アッサラームからすらも!」
大臣「それがどうしたのかね……」
老兵「私のながい兵役でもなかったことです。何かあったに違いありません」
大臣「どの街も祝賀ムードで浮かれておるのだ。多少の遅れくらい……」
老兵「大臣、私の経験がこれはよくないと言っております。どうか、防戦の準備を整えください!」
大臣「バカな! 市民の不安をいたずらに煽る気かっ?」
老兵「このバカ騒ぎの中で襲撃を受けたら……」
大臣「もういい、やめたまえ騎士団長!」
37: 2009/04/05(日) 00:03:13.69 ID:3xH28I4G0
大臣「君は騎士団が解体される事に反発しているのだろう? 軍の各省からよくない噂
を聞いているぞ」
老兵「何をバカな……!?」
大臣「小ざかしい手を使って不安を煽ってももう軍の解体は規定事項だ。君が何をしようと
決定は覆らん」
老兵「大臣私は――」
大臣「もういい騎士団長。君をいまここで、解任とする!」
老兵「大臣!」
大臣「一般人の君が気軽に話しかけないでくれたまえ!」
老兵「私はどうなってもかまいません、ですが伝兵の件は――」
大臣「私はこれからスピーチがあるのだ。失礼する」
老兵「大臣! 大臣!」
× × ×
勇者「……」
魔法使い「ちょっと、口開いてる」
を聞いているぞ」
老兵「何をバカな……!?」
大臣「小ざかしい手を使って不安を煽ってももう軍の解体は規定事項だ。君が何をしようと
決定は覆らん」
老兵「大臣私は――」
大臣「もういい騎士団長。君をいまここで、解任とする!」
老兵「大臣!」
大臣「一般人の君が気軽に話しかけないでくれたまえ!」
老兵「私はどうなってもかまいません、ですが伝兵の件は――」
大臣「私はこれからスピーチがあるのだ。失礼する」
老兵「大臣! 大臣!」
× × ×
勇者「……」
魔法使い「ちょっと、口開いてる」
39: 2009/04/05(日) 00:09:58.42 ID:3xH28I4G0
勇者「こ、困ってる人がいる……」
魔法使い「はぁ?」
遊び人「つまり今勇者の頭の中ではこうなっている↓」
困ってる人←助ける自分←これ勇者じゃね?
魔法使い「甲斐性もない上にバカじゃないの? どんだけ単純なのよ……」
遊び人「あんたの『勇者のパーティー入ればぉk』説もすげぇ単純だけどな」
魔法使い「……」
遊び人「いって!?」
勇者「これは助けるしかないよ! せんざい……洗剤がどうとか……」
魔法使い「千載一遇のチャンスよ」
勇者「そうそれだよ!」
魔法使い「違うわよ」
魔法使い「はぁ?」
遊び人「つまり今勇者の頭の中ではこうなっている↓」
困ってる人←助ける自分←これ勇者じゃね?
魔法使い「甲斐性もない上にバカじゃないの? どんだけ単純なのよ……」
遊び人「あんたの『勇者のパーティー入ればぉk』説もすげぇ単純だけどな」
魔法使い「……」
遊び人「いって!?」
勇者「これは助けるしかないよ! せんざい……洗剤がどうとか……」
魔法使い「千載一遇のチャンスよ」
勇者「そうそれだよ!」
魔法使い「違うわよ」
42: 2009/04/05(日) 00:20:16.11 ID:3xH28I4G0
魔法使い「あんたねぇ、自分の旅の目的はきちがてんじゃないの?」
勇者「ないよ! 『勇者の称号を得る』――これが目的!」
魔法使い「だったら余計なことしてる暇ないってわかるでしょ?」
勇者「人助けは余計なことじゃないよ。勇者だったら当然することだよ」
魔法使い「はぁ……このバカ説得しなさいよアンタ」
遊び人「今PSPやってるから話しかけんな」
魔法使い「暇さえあればゲームするのやめなさいよ!」
勇者「じゃ、僕行ってくるね!」
魔法使い「あ、ちょっと! 待ちなさい!」
遊び人「フルフル強ぇ……」
勇者「ないよ! 『勇者の称号を得る』――これが目的!」
魔法使い「だったら余計なことしてる暇ないってわかるでしょ?」
勇者「人助けは余計なことじゃないよ。勇者だったら当然することだよ」
魔法使い「はぁ……このバカ説得しなさいよアンタ」
遊び人「今PSPやってるから話しかけんな」
魔法使い「暇さえあればゲームするのやめなさいよ!」
勇者「じゃ、僕行ってくるね!」
魔法使い「あ、ちょっと! 待ちなさい!」
遊び人「フルフル強ぇ……」
45: 2009/04/05(日) 00:28:59.31 ID:3xH28I4G0
× × ×
兵士長(戦士♀)「団長……」
老兵「よせ、もう私は騎士団長じゃない」
兵士長「兜を脱ぐのはおやめください……! われわれが尽力して解任を取りやめさせます
が故」
老兵「やめなさい。お前の立場が危うくなる」
兵士長「ですが伝兵の件のような不穏な流れがある中で団長が解任されるなんて……!」
老兵「老兵は語らず、ただ席を譲るのみだ。後任はお前に任せる」
兵士長「……刹那の団長の座になど興味はありません。どうか、ご指示を」
老兵「伝兵の件、私が何とかする。お前は護国に全力を注げ」
兵士長「一人でどうするおつもりですか……!?」
老兵「……」
勇者「あの!」
兵士長(戦士♀)「団長……」
老兵「よせ、もう私は騎士団長じゃない」
兵士長「兜を脱ぐのはおやめください……! われわれが尽力して解任を取りやめさせます
が故」
老兵「やめなさい。お前の立場が危うくなる」
兵士長「ですが伝兵の件のような不穏な流れがある中で団長が解任されるなんて……!」
老兵「老兵は語らず、ただ席を譲るのみだ。後任はお前に任せる」
兵士長「……刹那の団長の座になど興味はありません。どうか、ご指示を」
老兵「伝兵の件、私が何とかする。お前は護国に全力を注げ」
兵士長「一人でどうするおつもりですか……!?」
老兵「……」
勇者「あの!」
46: 2009/04/05(日) 00:33:05.72 ID:3xH28I4G0
老兵「ん?」
兵士長「なんだ貴様は! あっちへ行け、我々は今大事な話を――」
老兵「やめんか。市民を粗末に扱うな。……して、何のようだ小僧」
勇者「困ってることがあるなら、僕が力になりますよ!」
老兵「……」
兵士長「散れわっぱ。ろくに日にも当たっていない貧弱な体をして、何ができる」
老兵「待て」
兵士長「なんだ貴様は! あっちへ行け、我々は今大事な話を――」
老兵「やめんか。市民を粗末に扱うな。……して、何のようだ小僧」
勇者「困ってることがあるなら、僕が力になりますよ!」
老兵「……」
兵士長「散れわっぱ。ろくに日にも当たっていない貧弱な体をして、何ができる」
老兵「待て」
47: 2009/04/05(日) 00:38:06.92 ID:3xH28I4G0
老兵「本当か? 力を貸してくれると?」
勇者「えぇもちろ――モガッ!?」
魔法使い「あんた何勝手に決めてんのよ!」
戦士長「おいなんだお前たちは! 次から次へと――」
遊び人「見りゃわかんだろ。旅人だよ」
戦士長「なんだその口の利き方は。遊び人風情が生意気な」
遊び人「あぁん? お前こそ女の癖して偉そうにしてんじゃねぇよ」
戦士長「貴様、『女の癖に』と口にしたか――!?」
老兵「やめんか戦士長」
勇者「えぇもちろ――モガッ!?」
魔法使い「あんた何勝手に決めてんのよ!」
戦士長「おいなんだお前たちは! 次から次へと――」
遊び人「見りゃわかんだろ。旅人だよ」
戦士長「なんだその口の利き方は。遊び人風情が生意気な」
遊び人「あぁん? お前こそ女の癖して偉そうにしてんじゃねぇよ」
戦士長「貴様、『女の癖に』と口にしたか――!?」
老兵「やめんか戦士長」
48: 2009/04/05(日) 00:43:37.03 ID:3xH28I4G0
老兵「そちらの青年が手を貸すと言った。これに間違いはないな」
魔法使い「あるわよ。このちびっ子が勝手に言っただけ」
老兵「その青年の意見は?」
勇者「モガモガ――っ!」
魔法使い「このちびっ子に意見なんてないわよ。このパーティーではあたしの意見が一番
よ」
老兵「ならばあなたにお願いしよう」
戦士長「……!? おやめください団長! このような礼儀も知らぬ蛮族風情に頭を下げる
など!」
老兵「頼む。お力を貸していただきたい」
魔法使い「嫌よ」
遊び人「ちったぁ悩めよ……」
魔法使い「あるわよ。このちびっ子が勝手に言っただけ」
老兵「その青年の意見は?」
勇者「モガモガ――っ!」
魔法使い「このちびっ子に意見なんてないわよ。このパーティーではあたしの意見が一番
よ」
老兵「ならばあなたにお願いしよう」
戦士長「……!? おやめください団長! このような礼儀も知らぬ蛮族風情に頭を下げる
など!」
老兵「頼む。お力を貸していただきたい」
魔法使い「嫌よ」
遊び人「ちったぁ悩めよ……」
49: 2009/04/05(日) 00:50:18.39 ID:3xH28I4G0
魔法使い「あたしはね、これからシャワー浴びるの。介護してる暇なんてないわ」
戦士長「貴様言わせておけばぁ!?」
遊び人「爺さん、このねぇちゃん沸点低すぎて兵士に向いてないぜ……」
戦士長「なんだと!?」
老兵「はっはっはっ。その通り。痛快ですな」
戦士長「団長殿!?」
老兵「風呂なら城のものをお貸ししましょう。それでどうか手を打っていただきたい」
魔法使い「嫌よ。でっかいだけの風呂なんて、お断り」
老兵「……ならばこうしましょう。私があなた達に力を貸すのです」
戦士長「貴様言わせておけばぁ!?」
遊び人「爺さん、このねぇちゃん沸点低すぎて兵士に向いてないぜ……」
戦士長「なんだと!?」
老兵「はっはっはっ。その通り。痛快ですな」
戦士長「団長殿!?」
老兵「風呂なら城のものをお貸ししましょう。それでどうか手を打っていただきたい」
魔法使い「嫌よ。でっかいだけの風呂なんて、お断り」
老兵「……ならばこうしましょう。私があなた達に力を貸すのです」
50: 2009/04/05(日) 00:56:25.21 ID:3xH28I4G0
魔法使い「はぁ?」
戦士長「団長!?」
老兵「この街を出て旅を続けるのなら、ポルトガやイシスにも寄るでしょう。私はそれまで、
あなた達に力を貸す」
遊び人「で、じいさんは目的を遂げたら帰るわけか」
老兵「そうしたい所ですな」
戦士長「団長!?」
老兵「この街を出て旅を続けるのなら、ポルトガやイシスにも寄るでしょう。私はそれまで、
あなた達に力を貸す」
遊び人「で、じいさんは目的を遂げたら帰るわけか」
老兵「そうしたい所ですな」
51: 2009/04/05(日) 00:58:56.61 ID:3xH28I4G0
勇者「――ぷっは! 名案だよ! パーティーは増えた方が勇者っぽいし!」
遊び人「何言ってんだお前」
魔法使い「……ふーん。なにたくらんでるのか知らないけど、ま、それならいいんじゃない」
老兵「決まりですな」
戦士長「よろしいのですか、このような者たちと」
老兵「戦士長、彼らはもう私のパーティーだ。悪く言うのはやめてもらおう」
戦士長「……」
老兵「後は頼んだぞ。しっかりやれ」
魔法使い「……さ、何はともあれシャワーシャワー」
遊び人「あんたそればっか言ってるけどそんなに汗臭いのか?」
魔法使い「あんた鼻の穴に指突っ込んで持ち上げるわよ」
勇者「(ほんとに口が悪いなぁ……)」
遊び人「何言ってんだお前」
魔法使い「……ふーん。なにたくらんでるのか知らないけど、ま、それならいいんじゃない」
老兵「決まりですな」
戦士長「よろしいのですか、このような者たちと」
老兵「戦士長、彼らはもう私のパーティーだ。悪く言うのはやめてもらおう」
戦士長「……」
老兵「後は頼んだぞ。しっかりやれ」
魔法使い「……さ、何はともあれシャワーシャワー」
遊び人「あんたそればっか言ってるけどそんなに汗臭いのか?」
魔法使い「あんた鼻の穴に指突っ込んで持ち上げるわよ」
勇者「(ほんとに口が悪いなぁ……)」
66: 2009/04/05(日) 01:35:05.01 ID:3xH28I4G0
× × ×
魔法使い「さ、シャワーも浴びたし、そろそろ出発しますか!」
遊び人「一人だけ入ってさっぱりしやがって……」
魔法使い「シャワーは別料金だったんだからしょうがないでしょ。稼ぎが悪いあんた達
が悪いのよ」
遊び人「勇者、なんか言ってやれよ」
勇者「稼いでるのは僕だけでしょ!」
老兵「ちょっといいか」
遊び人「あん?」
老兵「出発する前に娘に会っておきたいのだが……」
魔法使い「はぁ? そういうのはあたしがシャワー浴びてるときに行っときなさいよ」
勇者「いいよ。行こうよ」
老兵「かたじけない」
魔法使い「って、また勝手に決めて!」
遊び人「さっさと行こうぜ何でもいいからよ……」
魔法使い「さ、シャワーも浴びたし、そろそろ出発しますか!」
遊び人「一人だけ入ってさっぱりしやがって……」
魔法使い「シャワーは別料金だったんだからしょうがないでしょ。稼ぎが悪いあんた達
が悪いのよ」
遊び人「勇者、なんか言ってやれよ」
勇者「稼いでるのは僕だけでしょ!」
老兵「ちょっといいか」
遊び人「あん?」
老兵「出発する前に娘に会っておきたいのだが……」
魔法使い「はぁ? そういうのはあたしがシャワー浴びてるときに行っときなさいよ」
勇者「いいよ。行こうよ」
老兵「かたじけない」
魔法使い「って、また勝手に決めて!」
遊び人「さっさと行こうぜ何でもいいからよ……」
67: 2009/04/05(日) 01:41:27.15 ID:3xH28I4G0
× × ×
〈老兵の家へ……〉
コンコン
娘(僧侶♀)「はぁーい……あ、お父さん」
老兵「やぁ僧侶」
僧侶「今日は早く帰ってくるんじゃなかったの?」
老兵「そうはいかない事情があったんだよ」
僧侶「もう、いつもそればっかりじゃない……あら、そちらの方は?」
遊び人「あなたの心のオアシス、遊び人です(キリッ」
勇者「遊び人……?」
遊び人「(じじいの娘とは思えん美貌だ! 美人には印象良くしとけ!)」
勇者「(現金だなぁ……)」
魔法使い「マセガキでごめんなさぁい。私はこのちびっ子たちの保護者よ」
遊び人「ちびっ子じゃねぇよ!」
70: 2009/04/05(日) 01:49:33.91 ID:3xH28I4G0
僧侶「あら、にぎやかな人たちね。フフ」
老兵「あぁ、それで、相談なんだが……」
僧侶「今日の夕飯に招待したいの? もちろんいいわよ。お母さんが死んじゃってからは
、食事がさみしかったものね」
老兵「あぁ……そうじゃないんだ。実は」
僧侶「――まさか、また仕事?」
勇者「(あれ、顔怖くなった……)」
遊び人「(やべぇ美人怖い……)」
僧侶「ちがうわよね? もう軍も解体するって言ってたし、魔王も倒されたし、お父さんが仕事
するような事は何もないし……」
老兵「詳しくはいえないがよくない状況なんだ。それを確かめに……」
僧侶「何言ってるのよ! 今日は世界平和のお祝いの日だって言うから、パーティーの準備も
しちゃったじゃない。お父さんが祝おうって言ったのよ? 死んじゃったお母さんと一緒にって…
…」
老兵「……すまん」
僧侶「……いつもそればっかりじゃない」
老兵「すまん」
僧侶「いつまでお母さんを苦しめるの? いい加減にしてよ……」
老兵「あぁ、それで、相談なんだが……」
僧侶「今日の夕飯に招待したいの? もちろんいいわよ。お母さんが死んじゃってからは
、食事がさみしかったものね」
老兵「あぁ……そうじゃないんだ。実は」
僧侶「――まさか、また仕事?」
勇者「(あれ、顔怖くなった……)」
遊び人「(やべぇ美人怖い……)」
僧侶「ちがうわよね? もう軍も解体するって言ってたし、魔王も倒されたし、お父さんが仕事
するような事は何もないし……」
老兵「詳しくはいえないがよくない状況なんだ。それを確かめに……」
僧侶「何言ってるのよ! 今日は世界平和のお祝いの日だって言うから、パーティーの準備も
しちゃったじゃない。お父さんが祝おうって言ったのよ? 死んじゃったお母さんと一緒にって…
…」
老兵「……すまん」
僧侶「……いつもそればっかりじゃない」
老兵「すまん」
僧侶「いつまでお母さんを苦しめるの? いい加減にしてよ……」
71: 2009/04/05(日) 01:55:15.15 ID:3xH28I4G0
老兵「……」
遊び人「(う わ ぁ ぁ ぁ こういう空気耐えられないぜ俺……)」
勇者「……」
老兵「わかってくれ。私はいつもこの国を思って――」
僧侶「やめてよ! その言い方! だいっ嫌いなのよそのセリフ!」
老兵「だが……」
僧侶「もういいわよ、行ってくればいいでしょ!? 二度と帰ってこないで!」
老兵「僧侶!」
バタンッ
老兵「……」
勇者「……あの」
遊び人「(やめとけよバカ!)」
勇者「(でもさ)」
遊び人「(いいから静かにしてろ)」
魔法使い「……さ、もういいでしょ。行くわよ」
遊び人「(う わ ぁ ぁ ぁ こういう空気耐えられないぜ俺……)」
勇者「……」
老兵「わかってくれ。私はいつもこの国を思って――」
僧侶「やめてよ! その言い方! だいっ嫌いなのよそのセリフ!」
老兵「だが……」
僧侶「もういいわよ、行ってくればいいでしょ!? 二度と帰ってこないで!」
老兵「僧侶!」
バタンッ
老兵「……」
勇者「……あの」
遊び人「(やめとけよバカ!)」
勇者「(でもさ)」
遊び人「(いいから静かにしてろ)」
魔法使い「……さ、もういいでしょ。行くわよ」
72: 2009/04/05(日) 02:03:59.55 ID:3xH28I4G0
〈ワールドマップへ……〉
勇者「さて、まずどこに行こうか」
魔法使い「カザーブよ、カザーブ。北に向かうの」
遊び人「待てよ、地図だと南下した方がいい気がするぜ?」
魔法使い「遊び人の癖に地図が読めるなんてなまいきねぇ……。いいのよ北で」
勇者「なんでさ?」
魔法使い「南に行って、もし勇者がカザーブとかエルフの隠れ里にいたらすれ違い
になるでしょ? そんな事になったらまるっきりバカみたいじゃない」
遊び人「エルフの隠れ里ってなんだよ」
老兵「この大陸の北端にあるエルフが隠れ住む里だが……よく知っているな。長年す
んでいる私でもついこの間知ったばかりだというのに」
魔法使い「……どうでもいいでしょそんな事。さ、行くわよ」
勇者「……」
勇者「さて、まずどこに行こうか」
魔法使い「カザーブよ、カザーブ。北に向かうの」
遊び人「待てよ、地図だと南下した方がいい気がするぜ?」
魔法使い「遊び人の癖に地図が読めるなんてなまいきねぇ……。いいのよ北で」
勇者「なんでさ?」
魔法使い「南に行って、もし勇者がカザーブとかエルフの隠れ里にいたらすれ違い
になるでしょ? そんな事になったらまるっきりバカみたいじゃない」
遊び人「エルフの隠れ里ってなんだよ」
老兵「この大陸の北端にあるエルフが隠れ住む里だが……よく知っているな。長年す
んでいる私でもついこの間知ったばかりだというのに」
魔法使い「……どうでもいいでしょそんな事。さ、行くわよ」
勇者「……」
75: 2009/04/05(日) 02:13:11.71 ID:3xH28I4G0
ガッチャンガッチャン
さまようよろい「……」
さまようよろい のこうげき!
ゆうしゃに15のダメージ!
勇者「いって! いって!」
魔法使い「ほぉらがんばりなさーい。先進めないわよ」
勇者「く、人事だと思って」
ゆうしゃのこうげき
しかし、こうげきははずれた!
勇者「く、くそう……!」
老兵「けっぱれ若造! 闇雲に剣を振らず、ひらめきをまつのだ!」
勇者「ひらめきって何!? うわっ!」
さまようよろいのこうげき!
ゆうしゃは すんで の ところ でよけた!
勇者「うわぁ!? あと一発くらったら僕死んじゃう! ぜったい死んじゃう!」
老兵「あわてるな! よく見ておれ若造、こっちだ!」
ろうへいは、てきのまえにあゆみでた!
さまようよろい「……」
さまようよろい のこうげき!
ゆうしゃに15のダメージ!
勇者「いって! いって!」
魔法使い「ほぉらがんばりなさーい。先進めないわよ」
勇者「く、人事だと思って」
ゆうしゃのこうげき
しかし、こうげきははずれた!
勇者「く、くそう……!」
老兵「けっぱれ若造! 闇雲に剣を振らず、ひらめきをまつのだ!」
勇者「ひらめきって何!? うわっ!」
さまようよろいのこうげき!
ゆうしゃは すんで の ところ でよけた!
勇者「うわぁ!? あと一発くらったら僕死んじゃう! ぜったい死んじゃう!」
老兵「あわてるな! よく見ておれ若造、こっちだ!」
ろうへいは、てきのまえにあゆみでた!
76: 2009/04/05(日) 02:19:55.36 ID:3xH28I4G0
勇者「老兵さんあぶない!」
さまようよろい のこうげき!
ろうへい は、太刀筋をよんだ!
ろうへいのカウンター!
老兵「じぇぁあ!」
ろうへいのこうげき!
かいしんの一撃!
胴を たたき きった !
さまようよろい に198のダメージ!
さまようよろい は たおれた!
勇者「ぉ、おおー……!」
遊び人「おおーすげーゲームみたい。アサ○ンクリードのカウンターみたい」
老兵「覚えておけ若造! 恐怖を制した者が戦いを制す! ひらめきを見逃すな!!」
勇者「は、はい!」
老兵「よし、次ゆくぞ!」
魔法使い「……なぁんかおもしろくないわ」
さまようよろい のこうげき!
ろうへい は、太刀筋をよんだ!
ろうへいのカウンター!
老兵「じぇぁあ!」
ろうへいのこうげき!
かいしんの一撃!
胴を たたき きった !
さまようよろい に198のダメージ!
さまようよろい は たおれた!
勇者「ぉ、おおー……!」
遊び人「おおーすげーゲームみたい。アサ○ンクリードのカウンターみたい」
老兵「覚えておけ若造! 恐怖を制した者が戦いを制す! ひらめきを見逃すな!!」
勇者「は、はい!」
老兵「よし、次ゆくぞ!」
魔法使い「……なぁんかおもしろくないわ」
78: 2009/04/05(日) 02:25:57.31 ID:3xH28I4G0
〈カザーブへ……〉
勇者「はぁ、はぁ……はぁ……や、やっとついた」
老兵「よぉし、よくがんばったぞ若造! あと少しだ、がんばれ!」
遊び人「なんか新兵の訓練してるみたいだな」
魔法使い「やっとって程じゃないでしょ。まだ半日しか経ってないわよ」
勇者「ひ、人事だとおも……はぅ」
老兵「ほら、しっかりせい! 気絶するな!」
魔法使い「まったく、おおげさなんだから……」
遊び人「(こいつ1MPも使ってねぇ……)」
勇者「はぁ、今すぐ宿屋で休んで……ん? なんだあの人だかり」
勇者「はぁ、はぁ……はぁ……や、やっとついた」
老兵「よぉし、よくがんばったぞ若造! あと少しだ、がんばれ!」
遊び人「なんか新兵の訓練してるみたいだな」
魔法使い「やっとって程じゃないでしょ。まだ半日しか経ってないわよ」
勇者「ひ、人事だとおも……はぅ」
老兵「ほら、しっかりせい! 気絶するな!」
魔法使い「まったく、おおげさなんだから……」
遊び人「(こいつ1MPも使ってねぇ……)」
勇者「はぁ、今すぐ宿屋で休んで……ん? なんだあの人だかり」
80: 2009/04/05(日) 02:34:00.51 ID:3xH28I4G0
カザーブの村人A「勇者殿バンザーイ!」
カザーブの村人B「救世主勇者殿、バンザーイ!」
カザーブの村人C「ゆかりの地、カザーブに栄光あれ!」
勇者「あぁ、皆ありがとう……ありがとう……」
遊び人「だからお前じゃないって」
魔法使い「……なんか変ね」
老兵「あぁ。ただ祝うにしてはなにか……む? 何かを囲んでいるのか?」
遊び人「遠くからじゃ見えねぇや、行ってみようぜ」
勇者「あ、ちょっと、誰か肩貸して……あぁぁぁぁ」 バタンッ
カザーブの村人B「救世主勇者殿、バンザーイ!」
カザーブの村人C「ゆかりの地、カザーブに栄光あれ!」
勇者「あぁ、皆ありがとう……ありがとう……」
遊び人「だからお前じゃないって」
魔法使い「……なんか変ね」
老兵「あぁ。ただ祝うにしてはなにか……む? 何かを囲んでいるのか?」
遊び人「遠くからじゃ見えねぇや、行ってみようぜ」
勇者「あ、ちょっと、誰か肩貸して……あぁぁぁぁ」 バタンッ
82: 2009/04/05(日) 02:37:17.36 ID:3xH28I4G0
老兵「む――これは!?」
遊び人「おいおいこりゃ……悪趣味だぜ」
魔法使い「……っ!?」
勇者「ちょ、ちょっと、置いてかないでよ……僕にも見せて」
勇者「!?」
カンダタ「――――」
勇者「な、なんで……」
勇者「なんで死体を飾ってるの……?」
遊び人「おいおいこりゃ……悪趣味だぜ」
魔法使い「……っ!?」
勇者「ちょ、ちょっと、置いてかないでよ……僕にも見せて」
勇者「!?」
カンダタ「――――」
勇者「な、なんで……」
勇者「なんで死体を飾ってるの……?」
84: 2009/04/05(日) 02:43:38.66 ID:3xH28I4G0
カザーブ村人A「さぁ酒を酌み交わそう!」
カザーブ村人B「それもこれも勇者殿のおかげだ!」
カザーブ村人C「カンダタ、お前も飲むかぁ!?」
カンダタ「――――」
カザーブ村人D「お前を見上げるのは気分がいいなぁ、わぁはははは!」
× × ×
遊び人「マジかよ。カンダタとかいう死体囲って酒飲み始めてるぜ」
老兵「さらし首か……死体を囲ってお祝いとはおだやかでないな」
カザーブ村人B「それもこれも勇者殿のおかげだ!」
カザーブ村人C「カンダタ、お前も飲むかぁ!?」
カンダタ「――――」
カザーブ村人D「お前を見上げるのは気分がいいなぁ、わぁはははは!」
× × ×
遊び人「マジかよ。カンダタとかいう死体囲って酒飲み始めてるぜ」
老兵「さらし首か……死体を囲ってお祝いとはおだやかでないな」
85: 2009/04/05(日) 02:45:14.27 ID:3xH28I4G0
勇者「なんでこんな事を……」
魔法使い「……」
× × ×
カザーブ子供「うわーん! こわーい! こわいよーわーん!」
その親「だめよ、ちゃんと見なさい!」
カザーブ子供「いやだぁ! やだぁ! わー!」
その親「しっかりしなさい! 男の子でしょ! この男はね、殺されて当然の男なの!」
× × ×
遊び人「おいおい……」
魔法使い「……」
勇者「あ、魔法使い!」
× × ×
魔法使い「やめなさい」
親「? あなた誰です?」
魔法使い「誰だっていいでしょ。その子から手を離しなさい。嫌がってるじゃない」
86: 2009/04/05(日) 02:52:56.07 ID:3xH28I4G0
親「あなたには関係ないでしょう? この子には必要な教育なんです」
魔法使い「死体つるしてるのを見るののどこが教育なのよ?」
遊び人「すげぇ、魔法使いが正論言ってる……」
勇者「そ、そうだ! 怖がってるだろ、やめろよ!」
親「なんなんですかあなた達は――まさか、勇者様にあだなす者の一味か何か!?」
魔法使い「なんで勇者がでてくんのよそこで」
カザーブ村人A「おいどうした!?」
カザーブ村人B「なんだぁ、てめぇら」
カザーブ村人C「女子供に手ぇ出す奴はゆるさんぞ……!」
遊び人「穏やかじゃねぇなぁ」
老兵「囲まれたぞ……」
魔法使い「ふん、関係ないね! まともじゃない教育のために勇者の名を語るなんて生意気
なのよ!」
カザーブ村人A「何言ってんだお前ぇ……」
カザーブ村人B「そうだそうだぁ! 何言ってんだお前は!」
カザーブ村人C「勇者様のやり方にけちつけようってのか!?」
勇者「勇者様のやり方……?」
親「そ、そうです!」
魔法使い「死体つるしてるのを見るののどこが教育なのよ?」
遊び人「すげぇ、魔法使いが正論言ってる……」
勇者「そ、そうだ! 怖がってるだろ、やめろよ!」
親「なんなんですかあなた達は――まさか、勇者様にあだなす者の一味か何か!?」
魔法使い「なんで勇者がでてくんのよそこで」
カザーブ村人A「おいどうした!?」
カザーブ村人B「なんだぁ、てめぇら」
カザーブ村人C「女子供に手ぇ出す奴はゆるさんぞ……!」
遊び人「穏やかじゃねぇなぁ」
老兵「囲まれたぞ……」
魔法使い「ふん、関係ないね! まともじゃない教育のために勇者の名を語るなんて生意気
なのよ!」
カザーブ村人A「何言ってんだお前ぇ……」
カザーブ村人B「そうだそうだぁ! 何言ってんだお前は!」
カザーブ村人C「勇者様のやり方にけちつけようってのか!?」
勇者「勇者様のやり方……?」
親「そ、そうです!」
90: 2009/04/05(日) 02:59:33.91 ID:3xH28I4G0
親「カンダタを成敗し、浅ましくも命乞いをするこの男を、一突きに殺したのは勇者様の
勇気のなさるところ!」
遊び人「は、はぁ?」
老兵「勇者が……人間を殺した?」
カザーブ村人A「吊るしてさらしもんにしたのも勇者様だ!」
カザーブ村人B「あぁそうだ! 人間はこんなにも醜くなるってな!」
カザーブ村人C「それをわしらに教えてくださったんだ!」
カザーブ村人D「子供にそれを教えるののどこが悪い!?」
勇者「ちょっと待ってよ! そんなのおかしいよ!」
親「何がおかしいって言うんです!?」
勇者「何がって、それは……」
魔法使い「……もういいよ、帰ろう」
勇者「魔法使い!?」
カザーブ村人A「そぉだ! けぇれけぇれ!」
魔法使い「行くわよ」
勇者「ま、魔法使い! まってよ!」
93: 2009/04/05(日) 03:10:19.83 ID:3xH28I4G0
〈ワールドマップへ……〉
勇者「ま、待ってよ魔法使い」
魔法使い「…………」
遊び人「なんだよ、すげぇやばい村だったな。世界にはあんなやばい村があんのかよ……」
老兵「いや、あの村の人々は元来純朴であんな真似をするような輩ではなかった」
勇者「どうなってるんだよ……勇者って、魔王を倒したあの『勇者』だよね」
魔法使い「『勇者』……」
遊び人「……ま、なんにせよ、そろそろ日が暮れちまうぜ。あの村に泊まるのはごめんだ
し、どっかでテント張る準備しないと」
勇者「え、もうそんな時間なの?」
遊び人「あ? 俺のPSPはだいぶ遅い時間さしてるけど?」
勇者「そうなの、なんか明るいから気づかなかった」
遊び人「……そういやなんか明るいな。なんだこの明るさ。夕方みたいな――」
老兵「……!? お、おいアレを見ろ!」
勇者「!?」
勇者「ま、待ってよ魔法使い」
魔法使い「…………」
遊び人「なんだよ、すげぇやばい村だったな。世界にはあんなやばい村があんのかよ……」
老兵「いや、あの村の人々は元来純朴であんな真似をするような輩ではなかった」
勇者「どうなってるんだよ……勇者って、魔王を倒したあの『勇者』だよね」
魔法使い「『勇者』……」
遊び人「……ま、なんにせよ、そろそろ日が暮れちまうぜ。あの村に泊まるのはごめんだ
し、どっかでテント張る準備しないと」
勇者「え、もうそんな時間なの?」
遊び人「あ? 俺のPSPはだいぶ遅い時間さしてるけど?」
勇者「そうなの、なんか明るいから気づかなかった」
遊び人「……そういやなんか明るいな。なんだこの明るさ。夕方みたいな――」
老兵「……!? お、おいアレを見ろ!」
勇者「!?」
97: 2009/04/05(日) 03:13:50.79 ID:3xH28I4G0
遊び人「な、ありゃ――」
勇者「燃えてる――森が燃えてる!」
老兵「なんて事だ、燃え広がってるぞ――!?」
魔法使い「――っ!? エルフ達が!」
老兵「そ、そうか! まずいあそこにはエルフの隠れ里が――火を消せ!」
勇者「行こう!!」
勇者「燃えてる――森が燃えてる!」
老兵「なんて事だ、燃え広がってるぞ――!?」
魔法使い「――っ!? エルフ達が!」
老兵「そ、そうか! まずいあそこにはエルフの隠れ里が――火を消せ!」
勇者「行こう!!」
142: 2009/04/05(日) 12:04:48.47 ID:3xH28I4G0
〈一晩経って……〉
勇者「……はぁ、はぁ」
遊び人「くっそ……結局なんにも間に合わなかった」
老兵「一面消し炭か……なぜこんな事に」
魔法使い「……」
勇者「隠れ里のエルフたちは」
魔法使い「見に行く気力もないね」
老兵「むごい事を……」
勇者「……はぁ、はぁ」
遊び人「くっそ……結局なんにも間に合わなかった」
老兵「一面消し炭か……なぜこんな事に」
魔法使い「……」
勇者「隠れ里のエルフたちは」
魔法使い「見に行く気力もないね」
老兵「むごい事を……」
144: 2009/04/05(日) 12:11:22.38 ID:3xH28I4G0
勇者「……」
魔法使い「……行くよ」
遊び人「え? おい行くよって……」
勇者「隠れ里には行かないの!?」
魔法使い「これじゃ誰も助かってないわ」
勇者「でも、もしかしたら一人くらい」
魔法使い「生きてる奴は逃げてるわ。エルフ達はバカじゃないんだから」
魔法使い「それより、今向かったら犯人扱いされるわ。やれるだけのことはやった。
これ以上はエルフ達にとっても迷惑よ」
勇者「でも……」
遊び人「んだよ……ったく」
老兵「魔法使いの言う事はあながち間違いではない。……ここで手を引こう」
勇者「は、はい――」
老兵「(だが冷静すぎる判断だな……)」
魔法使い「……行くよ」
遊び人「え? おい行くよって……」
勇者「隠れ里には行かないの!?」
魔法使い「これじゃ誰も助かってないわ」
勇者「でも、もしかしたら一人くらい」
魔法使い「生きてる奴は逃げてるわ。エルフ達はバカじゃないんだから」
魔法使い「それより、今向かったら犯人扱いされるわ。やれるだけのことはやった。
これ以上はエルフ達にとっても迷惑よ」
勇者「でも……」
遊び人「んだよ……ったく」
老兵「魔法使いの言う事はあながち間違いではない。……ここで手を引こう」
勇者「は、はい――」
老兵「(だが冷静すぎる判断だな……)」
147: 2009/04/05(日) 12:22:53.21 ID:3xH28I4G0
〈ワールドマップへ……南下中〉
遊び人「つか、休みなしで歩くのかよ」
魔法使い「若いんだから大丈夫でしょ」
勇者「老兵さんもいるんだけど……」
魔法使い「男だったら行けるでしょ」
遊び人「(コイツ……)」
老兵「私の事は気にしないでくれ。かたじけない――む」
じごくのきし が あらわれた!
魔法使い「ほら、出番よあんた達。きりきり働きなさい!」
勇者「いいかげん自分も働いてよ!」
じごくのきしB があらわれた!
じごくのきしC があらわれた!
じごくのきしD があらわれた!
老兵「右翼・左翼双方から襲撃だ勇者! 左翼はまかせたぞ!」
遊び人「しゃぁねぇ俺も働くか……」
遊び人「つか、休みなしで歩くのかよ」
魔法使い「若いんだから大丈夫でしょ」
勇者「老兵さんもいるんだけど……」
魔法使い「男だったら行けるでしょ」
遊び人「(コイツ……)」
老兵「私の事は気にしないでくれ。かたじけない――む」
じごくのきし が あらわれた!
魔法使い「ほら、出番よあんた達。きりきり働きなさい!」
勇者「いいかげん自分も働いてよ!」
じごくのきしB があらわれた!
じごくのきしC があらわれた!
じごくのきしD があらわれた!
老兵「右翼・左翼双方から襲撃だ勇者! 左翼はまかせたぞ!」
遊び人「しゃぁねぇ俺も働くか……」
150: 2009/04/05(日) 12:30:19.89 ID:3xH28I4G0
じごくのきし のこうげき!
勇者「うわっ!?」
ゆうしゃは あわてて すっころんだ!
じごくのきし のこうげきがかすった!
つうこんのいちげき! ゆうしゃは ひんし になった
勇者「いたいいたい! ちょ――なんか強い! 強すぎだよこれ!」
遊び人「ゲームバランスやべぇwwww」
勇者「笑い事じゃないでしょ!」
152: 2009/04/05(日) 12:34:46.98 ID:3xH28I4G0
老兵「慌てるな若造共! 数が多いだけの敵の剣に惑わされるなッ」
勇者「んなこといったって」
じごくのきし が ゆうしゃに とびかかった!
勇者「こ、こいつ!」
ゆうしゃ の こうげき!
しかし、大振りのこうげきは はずれた!
じごくのきし の カウンター!
じごくのきし の ひざ蹴り!
勇者「ぐ!?」
ゆうしゃ の たいせい が くずれた!
じごくのきし の れんぞく こうげき!
遊び人「勇者!」
あそびにん が わってはいった!
153: 2009/04/05(日) 12:38:59.98 ID:3xH28I4G0
あそびにん の こうげき!
あそびにん は とっさに PSP を 投げつけた!
遊び人「PSPビーム!」
じごくのきし「ぐが!?」
PSPが ちょくげき!
じごくのきし は こんらん している!
遊び人「よし! 持っててよかったPSP!!」
魔法使い「……」
遊び人「おいなんて目で見てんだ!? 任豚乙!!」
まほうつかい は 任娠 あつかい された!
156: 2009/04/05(日) 12:46:06.97 ID:3xH28I4G0
勇者「この! この!」
じごくのきしB に 40 のダメージ!
じごくのきしB は たおれた!
遊び人「おらおらPSPキック! PSPパァンチ! とどめのDSアッパー!!」
じごくのきしC に 45 のダメージ!
じごくのきしC は たおれた!
老兵「見えたぞ!! せい、でりゃあ!」
じごくのきしA に 128 のダメージ
じごくのきしA は たおれた!
勇者「ふぅ、ふぅ……」
遊び人「はぁ、はぁ、はぁ……」
老兵「全員生きておるか!」
157: 2009/04/05(日) 12:49:25.36 ID:3xH28I4G0
遊び人「じじいほど元気じゃねえけどな……ぜいぜい」
勇者「な、なんとか……」
老兵「油断するな! 伏兵がひそんどるやもしれん!」
遊び人「じじいは用心深いな」
勇者「たぶんもう大丈夫だと――」
じごくのきしD「ケケ――ッ!!」
勇者「!?」
ゆうしゃの はいご の じめんから じごくのきしが とびだした!
はいご からの こうげき!
遊び人「勇者!」
老兵「しまった!?」
勇者「く――」
じごくのきし の つうこんの いちげき!
160: 2009/04/05(日) 12:57:35.25 ID:3xH28I4G0
魔法使い「メラゾーマッ!」
じごくのきしD「けぇ!?」
しゃくねつ の だくりゅう が じごくのきしを のみこんだ!
じごくのきし に 350 の ダメージ!
じごくのきしD「け…けけ……」 ばたっ
じごくのきし は たおれた!
敵をぜんめつ させた!
ゆうしゃ は レベルがあがった! ちからが7あがった! すばやさが……
あそびにん は レベルがあがった! ちからが4あがった! すばやさが……
162: 2009/04/05(日) 13:00:08.08 ID:3xH28I4G0
勇者「――……し、しぬかと……」
魔法使い「――ほんっとあんたら使えないわね。三人そろって女一人守れないの?」
遊び人「お、おいしいとこだけ持っててこのくそ女……」
魔法使い「文句言うなら弱い自分に言うのね。さ、行くわよ」
老兵「……」
勇者「あ、魔法使い!」
×××
勇者「魔法使い」
魔法使い「なによ」
勇者「あ、ありがと」
魔法使い「……お礼なんていいから、もっと強くなりなさい」
勇者「……うん! ありがと!」
魔法使い「いらないって言ってんのに……」
× × ×
164: 2009/04/05(日) 13:05:37.47 ID:3xH28I4G0
遊び人「性格のひねくれ曲がった びっち がこの……」
老兵「ふむ……」
遊び人「なんだよ、じいさん」
老兵「どこかで見た事があるような……」
遊び人「あぁん?」
老兵「――いや、なんでもない」
勇者「誰かケガしてる人ーアモールの水あるけどー」
魔法使い「あ、あたしに頂戴」
勇者「なんでだよ! ケガなんてしてないだろ!?」
遊び人「あぁうるせえパーティーだなぁ……」
老兵「ふむ……」
166: 2009/04/05(日) 13:12:41.95 ID:3xH28I4G0
〈さらに南下へ……〉
遊び人「あぁ眠ぃー疲れたぁー……」
魔法使い「あんたねぇ、やめなさいよ周りに人がいるときにそういう態度とるの」
遊び人「んだとテメェろくに働いてないくせしてこの くそ女……」
× × ×
老兵「おい勇者、これを持て」
勇者「え?」
ろうへい は ゆうしゃ に ひのきのぼう を てわたした
勇者「なにこれ。ひのきのぼう?」
老兵「研いで手入れをしておいた。しばらくそれを使って戦え」
勇者「え?んな、なんで?」
老兵「大振りのくせをなおすまで、これはおあずけだ」
勇者「あ!?」
ゆうしゃ は けん を うばわれた!
勇者「か、返してくださいよ!」
遊び人「あぁ眠ぃー疲れたぁー……」
魔法使い「あんたねぇ、やめなさいよ周りに人がいるときにそういう態度とるの」
遊び人「んだとテメェろくに働いてないくせしてこの くそ女……」
× × ×
老兵「おい勇者、これを持て」
勇者「え?」
ろうへい は ゆうしゃ に ひのきのぼう を てわたした
勇者「なにこれ。ひのきのぼう?」
老兵「研いで手入れをしておいた。しばらくそれを使って戦え」
勇者「え?んな、なんで?」
老兵「大振りのくせをなおすまで、これはおあずけだ」
勇者「あ!?」
ゆうしゃ は けん を うばわれた!
勇者「か、返してくださいよ!」
172: 2009/04/05(日) 13:19:19.86 ID:3xH28I4G0
老兵「ダメだ。ひらめき が見えないお前は力の半分も出し切れてないのだからな」
勇者「だからひらめきってなんですか!? か、返してくださいってぇー」
ろうへい は ひらり と よける! よける! よける!
老兵「ひらめき に目を凝らせば私から剣をうばうのも容易なはずだ!」
勇者「そんな無茶な……」
老兵「無茶じゃない!」
× × ×
遊び人「男同士でなにじゃれあってんだあいつら」
魔法使い「……地図見せない」
遊び人「え?」
魔法使い「地図よ」
遊び人「おいおい、まさか迷ったんじゃねぇだろうな」
魔法使い「……いいえ」
魔法使い「ここで合ってるわ――残念な事にね」
勇者「だからひらめきってなんですか!? か、返してくださいってぇー」
ろうへい は ひらり と よける! よける! よける!
老兵「ひらめき に目を凝らせば私から剣をうばうのも容易なはずだ!」
勇者「そんな無茶な……」
老兵「無茶じゃない!」
× × ×
遊び人「男同士でなにじゃれあってんだあいつら」
魔法使い「……地図見せない」
遊び人「え?」
魔法使い「地図よ」
遊び人「おいおい、まさか迷ったんじゃねぇだろうな」
魔法使い「……いいえ」
魔法使い「ここで合ってるわ――残念な事にね」
174: 2009/04/05(日) 13:23:42.28 ID:3xH28I4G0
〈ポルトガム入城……〉
魔法使い「……」
勇者「ど、どうなってんのコレ」
遊び人「いつものやかましいお祝いも無しだぜ」
老兵「まるで……」
魔法使い「廃墟だわ」
魔法使い「……」
勇者「ど、どうなってんのコレ」
遊び人「いつものやかましいお祝いも無しだぜ」
老兵「まるで……」
魔法使い「廃墟だわ」
175: 2009/04/05(日) 13:28:36.11 ID:3xH28I4G0
勇者「人っ子一人いない……」
遊び人「見ろよ、建物がぶっ壊されてるぜ」
老兵「何かから襲撃を受けたようだな」
魔法使い「……」
老兵「む――あれは」
× × ×
老兵「おい、こっちに来てくれ!」
遊び人「なんだなんだ?」
勇者「あ……馬が死んでる」
老兵「ロマリア軍のものだ」
魔法使い「あんたのトコの伝兵ってわけ」
老兵「だが兵はいない……」
勇者「ほんとに……どうなって……?」
205: 2009/04/05(日) 14:17:30.72 ID:3xH28I4G0
〈夜……〉
遊び人「街のど真ん中で野営とはな……。あぁ焚き火あったけー」
魔法使い「……」
遊び人「……おい、何黙ってんだよきもちわりぃな」
魔法使い「え? なにがよ」
遊び人「……」
魔法使い「……?」
遊び人「いや、いいや。なんでもない」
魔法使い「なによ……」
遊び人「(張り合いがねぇぜ……)」
遊び人「街のど真ん中で野営とはな……。あぁ焚き火あったけー」
魔法使い「……」
遊び人「……おい、何黙ってんだよきもちわりぃな」
魔法使い「え? なにがよ」
遊び人「……」
魔法使い「……?」
遊び人「いや、いいや。なんでもない」
魔法使い「なによ……」
遊び人「(張り合いがねぇぜ……)」
207: 2009/04/05(日) 14:20:01.13 ID:3xH28I4G0
老兵「そうだ、もう一本打って来い!」
勇者「せぇい!」
老兵「そぅらまた大振りになっとるぞ! 剣先を押さえ、鋭くふるんだ!」
勇者「ぜい、ぜい……」
老兵「何を休んどるかぁ!?」
勇者「は、はぃぃぃ――!」
× × ×
遊び人「(なにやってんだか……)」
勇者「せぇい!」
老兵「そぅらまた大振りになっとるぞ! 剣先を押さえ、鋭くふるんだ!」
勇者「ぜい、ぜい……」
老兵「何を休んどるかぁ!?」
勇者「は、はぃぃぃ――!」
× × ×
遊び人「(なにやってんだか……)」
208: 2009/04/05(日) 14:21:54.56 ID:3xH28I4G0
魔法使い「……」
遊び人「(あ、寝てる)」
遊び人「……」
遊び人「……はぁ」
魔法使い「エロい事しようとしたらぶっ殺すからね」
遊び人「な、し、し、して――してねぇよ!」
魔法使い「……むにゃむにゃ」
遊び人「マジかよ……今の寝言かよ」
勇者「はぁ、はぁ、やっと休めれる……」
老兵「まだまだだな。だが筋は良い」
勇者「さいですか……」
勇者「あ……魔法使い寝てる」
212: 2009/04/05(日) 14:28:55.01 ID:3xH28I4G0
遊び人「エロい事しようとしたらぶっ殺されるぞ」
勇者「は、な――してないし!」
遊び人「(やはりお前はココロの友だよ勇者……)」
老兵「ふむ……」
遊び人「おいおい、なんで魔法使いの顔見つめてんだじいさん。まさか爺さんまで性欲持て
余してんじゃないだろうな」
老兵「ふーむ……やはり一度見た事がある」
勇者「は、な――してないし!」
遊び人「(やはりお前はココロの友だよ勇者……)」
老兵「ふむ……」
遊び人「おいおい、なんで魔法使いの顔見つめてんだじいさん。まさか爺さんまで性欲持て
余してんじゃないだろうな」
老兵「ふーむ……やはり一度見た事がある」
213: 2009/04/05(日) 14:31:50.89 ID:3xH28I4G0
勇者「え?」
老兵「いつだったか……。ずいぶんと精悍な顔つきなったからわからなかった。もっと子供の
ような顔だったからな」
遊び人「マジか? 今でもだいぶ子供みたいな顔してっぜ」
勇者「老兵が知ってるって事は、魔法使いはロマリアに来てたって事かな」
老兵「ふーむ……なんにせよ、とりあえず言えることは」
遊び人「言えることは?」
老兵「まず、私の事は師匠と呼べ勇者」
勇者「……さいですか」
遊び人「じじいふざけてんなぁ」
勇者「こいつジジイって言ってますけどいいんですか!」
215: 2009/04/05(日) 14:38:41.26 ID:3xH28I4G0
老兵「ところで、お前達はなぜ旅をしているんだ?」
勇者「あぁそれは、その……」
遊び人「こいつが『勇者』のおこぼれをもらうためです」
勇者「そういう言い方すんなよ!」
老兵「……?」
× × ×
老兵「なるほどな……」
遊び人「情けない理由だろ、こいつ」
勇者「情けないとか言うな」
遊び人「どこが情けないってのか言ってみろよ」
老兵「まぁ、なんにせよ、旅立ちには各々にしかわからない理由があるはずだ。それにケチは
つけられん。勇者にせよ、魔法使いにせよ――」
魔法使い「……すぅ……すぅ……」
勇者「……」
遊び人「……。言っとくけど、俺には旅に出る理由なんてなかったんだからな」
勇者「あぁそれは、その……」
遊び人「こいつが『勇者』のおこぼれをもらうためです」
勇者「そういう言い方すんなよ!」
老兵「……?」
× × ×
老兵「なるほどな……」
遊び人「情けない理由だろ、こいつ」
勇者「情けないとか言うな」
遊び人「どこが情けないってのか言ってみろよ」
老兵「まぁ、なんにせよ、旅立ちには各々にしかわからない理由があるはずだ。それにケチは
つけられん。勇者にせよ、魔法使いにせよ――」
魔法使い「……すぅ……すぅ……」
勇者「……」
遊び人「……。言っとくけど、俺には旅に出る理由なんてなかったんだからな」
219: 2009/04/05(日) 14:45:08.37 ID:3xH28I4G0
遊び人「俺はな、家でずっとゲームしてたかったんだよ。旅に出るとかどうとか、魔王が
何だとか、どうでもよかったの」
勇者「……」
老兵「そうかね?」
遊び人「あぁそうさ。16になったら村を出るとか、そんなの俺だったら鼻からお断りするね。
こいつはバカだから、行く気満々な顔して、いざとなったら引きこもったけど」
勇者「バカって言うなよ!」
遊び人「バカはバカだろ」
勇者「九九の段言ってみろよ!」
遊び人「あぁ? 9×1が9 9×2 18 9×3が……9×3が……」
勇者「ほら言えない! そら言えない! 全然言えてない! ばーかばーか!」
遊び人「てめマジ殺す!」
老兵「私は旅をしたことがない」
何だとか、どうでもよかったの」
勇者「……」
老兵「そうかね?」
遊び人「あぁそうさ。16になったら村を出るとか、そんなの俺だったら鼻からお断りするね。
こいつはバカだから、行く気満々な顔して、いざとなったら引きこもったけど」
勇者「バカって言うなよ!」
遊び人「バカはバカだろ」
勇者「九九の段言ってみろよ!」
遊び人「あぁ? 9×1が9 9×2 18 9×3が……9×3が……」
勇者「ほら言えない! そら言えない! 全然言えてない! ばーかばーか!」
遊び人「てめマジ殺す!」
老兵「私は旅をしたことがない」
222: 2009/04/05(日) 14:54:09.64 ID:3xH28I4G0
遊び人「あぁ?」
老兵「だから君達がうらやましい。若い頃、私はずっと旅をしたかった」
勇者「……」
老兵「だが家柄がな。没落貴族である私には、ロマリア護国が絶対の責務だった。それ以外に、
道はなかった」
遊び人「それもバカみたいな話だぜ」
老兵「まったくだ。だが、それしか道は見えなかった。――そして老いぼれ、今私の剣は錆びようとし
ている」
遊び人「……」
老兵「情けない旅立ち結構。旅に出たのなら、それでいい。長い旅の中で、自分が納得できる
答えを見つけなさい」
勇者「師匠……」
遊び人「……」
勇者「なんか……師匠っぽい……」
老兵「……」
遊び人「……こいつ、バカだから空気よめないから」
老兵「だから君達がうらやましい。若い頃、私はずっと旅をしたかった」
勇者「……」
老兵「だが家柄がな。没落貴族である私には、ロマリア護国が絶対の責務だった。それ以外に、
道はなかった」
遊び人「それもバカみたいな話だぜ」
老兵「まったくだ。だが、それしか道は見えなかった。――そして老いぼれ、今私の剣は錆びようとし
ている」
遊び人「……」
老兵「情けない旅立ち結構。旅に出たのなら、それでいい。長い旅の中で、自分が納得できる
答えを見つけなさい」
勇者「師匠……」
遊び人「……」
勇者「なんか……師匠っぽい……」
老兵「……」
遊び人「……こいつ、バカだから空気よめないから」
223: 2009/04/05(日) 14:55:22.35 ID:3xH28I4G0
魔法使い「…………」
227: 2009/04/05(日) 15:02:09.01 ID:3xH28I4G0
〈翌日……〉
遊び人「さぁて、行きますかぁ」
老兵「次はどこに向かうか」
勇者「ていうか、師匠はまだ帰らなくていいの?」
老兵「国に報告するのならもう少し証拠が欲しい。せめて誰に襲撃されたのかわからなけれ
ば、あの石頭の大臣は動かせんだろう」
魔法使い「お次は……アッサラームね」
勇者「よし! 出発するぞ、おー!」
魔法使い「あんた何よその棒っきれ」
勇者「鍛錬用の剣!」
魔法使い「(……なんかホントにちびっ子に見えてくるわ)」
遊び人「さぁて、行きますかぁ」
老兵「次はどこに向かうか」
勇者「ていうか、師匠はまだ帰らなくていいの?」
老兵「国に報告するのならもう少し証拠が欲しい。せめて誰に襲撃されたのかわからなけれ
ば、あの石頭の大臣は動かせんだろう」
魔法使い「お次は……アッサラームね」
勇者「よし! 出発するぞ、おー!」
魔法使い「あんた何よその棒っきれ」
勇者「鍛錬用の剣!」
魔法使い「(……なんかホントにちびっ子に見えてくるわ)」
229: 2009/04/05(日) 15:13:04.74 ID:3xH28I4G0
〈アッサラーム近郊へ……〉
勇者「でや!」
ドルイド に 70のダメージ!
ドルイド は たおれた!
ゆうしゃ は レベルがあがった! ちから が8あがった! すばやさ が……
老兵「よぉしよくやった! だがまだまだ!」
勇者「は、はい!」
× × ×
魔法使い「なぁんか使えるようになってきたじゃない」
遊び人「そうか? 一晩しかたってないんだぜ?」
勇者「でや!」
ドルイド に 70のダメージ!
ドルイド は たおれた!
ゆうしゃ は レベルがあがった! ちから が8あがった! すばやさ が……
老兵「よぉしよくやった! だがまだまだ!」
勇者「は、はい!」
× × ×
魔法使い「なぁんか使えるようになってきたじゃない」
遊び人「そうか? 一晩しかたってないんだぜ?」
230: 2009/04/05(日) 15:14:17.03 ID:3xH28I4G0
魔法使い「……全然ちがうわよ。あんたゲームばっかやってるから目が悪くなるのよ」
遊び人「視力1.5あんだけど」
魔法使い「あたしは2.5よ」
遊び人「うそだぁ」
魔法使い「ホントよ。――ちょっとあんた達! もうアッサラームにつくわよ」
遊び人「は? どこにアッサラームがあるんだよ」
魔法使い「あそこにあるじゃない。――ほらほら! さっさと前に出てよ! 後衛につけないでしょ!」
遊び人「(ん? あの砂粒みたいなのか……!? まじかよ、見えねぇ!?)」
233: 2009/04/05(日) 15:20:28.95 ID:3xH28I4G0
〈アッサラームへ……〉
老兵「……ここも、か」
勇者「誰もいない……」
遊び人「だんだん人恋しくなってきたぜ」
魔法使い「……廃墟ね」
老兵「旅人であふれ返って、夜まで大騒ぎを続ける村だったのだが」
遊び人「じいさん、十年前の話してんじゃないだろうな。廃墟しかねぇぞ」
勇者「おーい皆ぁ! こっち来て!」
老兵「……ここも、か」
勇者「誰もいない……」
遊び人「だんだん人恋しくなってきたぜ」
魔法使い「……廃墟ね」
老兵「旅人であふれ返って、夜まで大騒ぎを続ける村だったのだが」
遊び人「じいさん、十年前の話してんじゃないだろうな。廃墟しかねぇぞ」
勇者「おーい皆ぁ! こっち来て!」
237: 2009/04/05(日) 15:26:38.35 ID:3xH28I4G0
魔法使い「あんた勝手に人の家上がりこんで……」
遊び人「お、テーブルに飯があるぜ?」
勇者「すっかり冷えてるけど、まだ埃もかぶってないし、食べれた」
魔法使い「食べ……食べたのあんた!? これを!?」
勇者「おいしいシチューでした」
魔法使い「バカ! 吐きなさい!」
勇者「ちょ、な、なん――ぐえあsdfghjkl;」
239: 2009/04/05(日) 15:30:15.20 ID:3xH28I4G0
老兵「……ふむ」
遊び人「あ! じじいまで食ってる!」
老兵「大丈夫だ。昨晩かそこらに作られた物だろう」
魔法使い「え? 昨晩?」
勇者「う、う、ノド……」
遊び人「酷い。どMじゃなかったら死んでたな」
勇者「どMじゃないし……う、う、うぇ」
242: 2009/04/05(日) 15:39:02.51 ID:3xH28I4G0
遊び人「どっかに電源ねぇかなぁ……充電したいんだけど」
魔法使い「あんた何してんのよ」
遊び人「あ、あった」
勇者「(あったんだ……)」
遊び人「充電してるから一時間くらい待ってて」
魔法使い「はぁ? 何言ってんのよあんたは」
老兵「いや、いい考えだ。物資を色々と補給したほうがいい」
勇者「なんか火事場どろぼうみたいだね」
魔法使い「みたいっていうかそれよ」
勇者「え? そうなの!?」
遊び人「あ、このプラグ冷蔵庫のか。抜いていいかな……抜いちまえ。ぶちっとな」
遊び人「充電、オーン」 カチ
遊び人「(こんな事してもかあちゃんに怒られない……俺は今自由だ)」 しみじみ
247: 2009/04/05(日) 16:00:24.01 ID:3xH28I4G0
勇者「じゃぁ僕こっち回ります」
老兵「たのんだぞ」
× × ×
勇者「とりあえず……この家に入ってみるか」
× × ×
勇者「なんだろこの部屋……せまいなぁ」
勇者「ん? 何だコレ。壁に落書きが……」
勇者「『性欲に負けました。ぱふぱふ。ゆうしゃ』」
勇者「……らく、がき……?」
勇者「(ダイイングメッセージみたいなおどろおどろしい字で書いてある……)」
249: 2009/04/05(日) 16:08:27.63 ID:3xH28I4G0
資料探してたらちょっとおくれたぜ スマソ
× × ×
勇者「うーんこの部屋にはなにもないのか……」
勇者「ん?」
勇者「棚の後ろになんかあるな……」
勇者「よ、よ……」
勇者「く、手が届かない」
E・ひのきのぼう
勇者「……」
勇者「孫の手みたいに使えば――」
勇者「(――いや、やめよう。もっと強くなるためにはこれをしちゃいけない気がする)」
勇者「よ、よ、よぉぉぉ……!」
勇者「あ、届きそう……届きそ……と、どいた!」
× × ×
勇者「うーんこの部屋にはなにもないのか……」
勇者「ん?」
勇者「棚の後ろになんかあるな……」
勇者「よ、よ……」
勇者「く、手が届かない」
E・ひのきのぼう
勇者「……」
勇者「孫の手みたいに使えば――」
勇者「(――いや、やめよう。もっと強くなるためにはこれをしちゃいけない気がする)」
勇者「よ、よ、よぉぉぉ……!」
勇者「あ、届きそう……届きそ……と、どいた!」
253: 2009/04/05(日) 16:17:10.35 ID:3xH28I4G0
勇者「はぁ、よかった。とれたとれた。何だコレ、指輪?」
めがみのゆびわ を てにいれた!
勇者「なんかすごく高そうな気がするな!」
勇者「……はっでもこれを魔法使いに見せたら」
× × ×
魔法使い「ちょっとなによそれ。うわ、すっごーい! きれー!」
魔法使い「あんたにはもったいないわよ」
魔法使い「いいから貸しなさいよ。さっさと貸しなさいって!」
魔法使い「うわぁ似合ーう! 私似合ーう! 魅力30パーセントアップ!」
魔法使い「え? もうつけちゃったし、とーれなーい^^」
めがみのゆびわ を てにいれた!
勇者「なんかすごく高そうな気がするな!」
勇者「……はっでもこれを魔法使いに見せたら」
× × ×
魔法使い「ちょっとなによそれ。うわ、すっごーい! きれー!」
魔法使い「あんたにはもったいないわよ」
魔法使い「いいから貸しなさいよ。さっさと貸しなさいって!」
魔法使い「うわぁ似合ーう! 私似合ーう! 魅力30パーセントアップ!」
魔法使い「え? もうつけちゃったし、とーれなーい^^」
254: 2009/04/05(日) 16:18:31.86 ID:3xH28I4G0
× × ×
勇者「結果は目に見えている……」
勇者「しまっておこう……。魔法使いの目の届かない場所に」 ごそごそ
255: 2009/04/05(日) 16:20:17.95 ID:3xH28I4G0
勇者「よっし、じゃぁ次の空き家に行くか!」
マミー「……」
勇者「……」
マミー「……」
勇者「(あ、ありのままに今起こったことを説明するぜ……!
『部屋を出ようとしたらいつの間にかマミーに入り口ふさがれてた』
何を言ってるかわからないと思うが俺にも意味が)」
マミー「ぎしゃあああああああああああああああ!!」
勇者「ぎゃああああああああああああああああああ!!」
257: 2009/04/05(日) 16:24:03.20 ID:3xH28I4G0
勇者「ま、待って待ったストッ――ストップっつってんだろ!?」
マミー「ぎしゃああああああああああ!」
勇者「わああ!?」
マミー と ゆうしゃ は もみあいになった!
上をとりあう はげしい こうぼうせん!
勇者「はなせこの……! はなせよ!」
マミー「しゃああああああああ!」
勇者「うわああああああ!」
マミー の かみつく こうげき!
ゆうしゃ に 30 の ダメージ!
勇者「うわぁぁぁぁアパーム! アパーム! うわああああああああ!?」
ゆうしゃ は こんらん している!
マミー「ぎしゃああああああああああ!」
勇者「わああ!?」
マミー と ゆうしゃ は もみあいになった!
上をとりあう はげしい こうぼうせん!
勇者「はなせこの……! はなせよ!」
マミー「しゃああああああああ!」
勇者「うわああああああ!」
マミー の かみつく こうげき!
ゆうしゃ に 30 の ダメージ!
勇者「うわぁぁぁぁアパーム! アパーム! うわああああああああ!?」
ゆうしゃ は こんらん している!
262: 2009/04/05(日) 16:36:07.85 ID:3xH28I4G0
勇者「(く……ひのきのぼうを……!)」
マミー「しゃああああああああああああ!!」
勇者「(だめだ! 今手を離したらやられる!)」
マミー「ギシャアアッ!」
マミー は ふたたび かみつく こうげき!
勇者「く、このッ!」
ゆうしゃ は マミーの ひらいた口 に ずつき を かました!
マミー「ギャッ!?」
マミーはひるんだ!
マミー の 手 から ちから が ぬけた!
勇者「今だ!」
ゆうしゃ は マミー を ふりほどいた!
ゆうしゃ は あわてて かけだす!
まど の そと に さけんだ!
勇者「みんなぁぁぁぁ――!!」
マミー「しゃああああああああああああ!!」
勇者「(だめだ! 今手を離したらやられる!)」
マミー「ギシャアアッ!」
マミー は ふたたび かみつく こうげき!
勇者「く、このッ!」
ゆうしゃ は マミーの ひらいた口 に ずつき を かました!
マミー「ギャッ!?」
マミーはひるんだ!
マミー の 手 から ちから が ぬけた!
勇者「今だ!」
ゆうしゃ は マミー を ふりほどいた!
ゆうしゃ は あわてて かけだす!
まど の そと に さけんだ!
勇者「みんなぁぁぁぁ――!!」
263: 2009/04/05(日) 16:39:34.65 ID:3xH28I4G0
× × ×
遊び人「PSPって映画見れるからいいわぁ……」
遊び人「iPodのイヤフォン使えるな。音質すげー」
× × ×
魔法使い「zzz...zzz....」
魔法使い「(このベッドさいこー……むにゃむにゃ)」
× × ×
老兵「む!? この声は――!」
老兵「……空耳か。歳はとりたくないのぉ」
266: 2009/04/05(日) 16:45:38.05 ID:3xH28I4G0
× × ×
というわけで 「しかし だれも こなかった!」 だった!
勇者「うわぁなんでだよこのパーティーひでぇー!!」
マミー「しゃあああ!」
勇者「あ!」
マミー は ひのきのぼう を ふみつけた!
ひのきのぼう は おれてしまった!
勇者「なんて事を!」
マミー「しゃああああ!」
マミーは勇者にとびかかった!
勇者「わぁ!?」
マミー は ゆうしゃに てあしを からめる!
ゆうしゃ は にげられない!
勇者「うわうわうわ! 素手じゃどうしようも――」
マミー「しゃああああああ!」
というわけで 「しかし だれも こなかった!」 だった!
勇者「うわぁなんでだよこのパーティーひでぇー!!」
マミー「しゃあああ!」
勇者「あ!」
マミー は ひのきのぼう を ふみつけた!
ひのきのぼう は おれてしまった!
勇者「なんて事を!」
マミー「しゃああああ!」
マミーは勇者にとびかかった!
勇者「わぁ!?」
マミー は ゆうしゃに てあしを からめる!
ゆうしゃ は にげられない!
勇者「うわうわうわ! 素手じゃどうしようも――」
マミー「しゃああああああ!」
268: 2009/04/05(日) 16:48:46.83 ID:3xH28I4G0
勇者「この、くそ――なんか出ろ!」
ゆうしゃ は じゅもん を となえた!
しかし なにもでなかった!
マミー「しゃあああああああああ!」
マミー の かみつき こうげき!
くびすじ に くらいついた!
勇者「ぐあああああああああ!?」
つうこん の いちげき!
ゆうしゃ は ひんし になった!
勇者「こんの……この、こいつ……!!」
ゆうしゃ は りょうて を ふりかぶった!
勇者「しんで、たまるかああああああああああ!」
りょうて を マミー の はら に たたきつけた!
せんこう が はしった!
ゆうしゃ は じゅもん を となえた!
しかし なにもでなかった!
マミー「しゃあああああああああ!」
マミー の かみつき こうげき!
くびすじ に くらいついた!
勇者「ぐあああああああああ!?」
つうこん の いちげき!
ゆうしゃ は ひんし になった!
勇者「こんの……この、こいつ……!!」
ゆうしゃ は りょうて を ふりかぶった!
勇者「しんで、たまるかああああああああああ!」
りょうて を マミー の はら に たたきつけた!
せんこう が はしった!
270: 2009/04/05(日) 16:53:47.75 ID:3xH28I4G0
そら を らいうん が おおう
くらい くも の なか から あおじろく かがやく まばゆい 閃光 が はしった
× × ×
魔法使い「……!?」
がばっ
魔法使い「あれ、は……!」
× × ×
勇者「うわあああああああああああああああ!!」
マミー「!?」
ゆうしゃ の りょうて から ふきだす 閃光 の あらし
ゆうしゃの ギガデイン!!
271: 2009/04/05(日) 16:55:01.14 ID:3xH28I4G0
マミーに480のダメージ!
マミー「しゃ――」
マミーは けしずみ に なった
勇者「――――」
ゆうしゃ は きぜつ した
272: 2009/04/05(日) 16:57:08.89 ID:Nh/6GsA8O
いきなりのギガディンWWW
275: 2009/04/05(日) 16:58:37.78 ID:3xH28I4G0
……
…………
………………
……おーい、ゆうしゃー」
勇者「……」
遊び人「おーい、ゆうしゃーゆうしゃー」
勇者「…………」
遊び人「ダメだこりゃ。おきねーわ」
277: 2009/04/05(日) 16:59:51.04 ID:3xH28I4G0
魔法使い「今すぐ起こすのよ」
老兵「乱暴にあつかっていいのか? 重態かもしれんぞ」
魔法使い「だったらどうせ助からないんだからいいでしょ」
魔法使い「ほら、起きなさい!」
ばしゃ!
勇者「うぇ――ぷっは!」
遊び人「あ、起きたぜ」
280: 2009/04/05(日) 17:03:20.48 ID:3xH28I4G0
勇者「うぇ……びしょびしょ」
遊び人「よぉ、生きてるみたいでうれしいぜ」
老兵「大丈夫か? 雷の音がしたと思ったらお前の悲鳴が聞こえて、何事かと思ったぞ」
勇者「雷……?」
勇者「はっ」
勇者「ちょ、ね、ねぇ 聞いてよ聞いて!」
遊び人「嫌だ」
老兵「聞いてやろう」
勇者「なんか、手からぶああああって! 手からぶあああああああって出た!」
遊び人「……」
勇者「なんて目で見てんだよ遊び人! ホントだって!」
遊び人「よぉ、生きてるみたいでうれしいぜ」
老兵「大丈夫か? 雷の音がしたと思ったらお前の悲鳴が聞こえて、何事かと思ったぞ」
勇者「雷……?」
勇者「はっ」
勇者「ちょ、ね、ねぇ 聞いてよ聞いて!」
遊び人「嫌だ」
老兵「聞いてやろう」
勇者「なんか、手からぶああああって! 手からぶあああああああって出た!」
遊び人「……」
勇者「なんて目で見てんだよ遊び人! ホントだって!」
282: 2009/04/05(日) 17:08:08.77 ID:3xH28I4G0
遊び人「かわいそうに。親御さんにはどう伝えれば……」
勇者「いやホントだって! 信じてよ」
老兵「あぁわかる。わかるぞ。大丈夫だ。私にはわかる」
勇者「そういう目で言うのをやめて!!」
魔法使い「……」
勇者「魔法使いならわかるよね! なんか呪文……みたいなよくわかんないような……」
魔法使い「……あんた、夢でも見てたんじゃない」
勇者「いやホントだって! 信じてよ」
老兵「あぁわかる。わかるぞ。大丈夫だ。私にはわかる」
勇者「そういう目で言うのをやめて!!」
魔法使い「……」
勇者「魔法使いならわかるよね! なんか呪文……みたいなよくわかんないような……」
魔法使い「……あんた、夢でも見てたんじゃない」
286: 2009/04/05(日) 17:09:45.53 ID:3xH28I4G0
勇者「え?」
魔法使い「MPなんてほとんどないくせに何が呪文よ。あんたは倒れた本棚に頭ぶつけて
ぶったおれたのよ」
勇者「ち、ちがうって! ほんとに――」
魔法使い「ちがうって、証明できるものはあんの?」
勇者「しょ、証明って……」
魔法使い「ないんでしょ? だったら寝ぼけてないで、さっさと起きなさいよ。今日はここに野
営するんだから」
遊び人「お前のせいだぜ勇者。一日ぶったおれやがって。お前が薪拾って来いよな」
勇者「そ、そんな……」
288: 2009/04/05(日) 17:14:04.36 ID:G3qyEU/+O
ぶあああwww
289: 2009/04/05(日) 17:15:04.60 ID:3xH28I4G0
〈夜……〉
勇者「う、なんで誰も信じてくれないんだ……」
老兵「私は信じてるぞ、うむ」
勇者「それ死にそうな兵隊に『お前は助かる!』って言ってるのと同じように聞こえるんで
すけど……」
老兵「何を言っておるか! さぁ! 薪拾いにはげもう!」
勇者「(全然信じてない……)」
× × ×
老兵「やれやれ、そろそろ腰が痛くなってきたの」
勇者「老兵さん、手伝ってくれてありがとう。もういいですよ。後は僕がやりますから」
老兵「そうか? ならばしっかりやれよ!」
勇者「はい!」
勇者「(……もう一ふんばりくらいしないと、魔法使いの機嫌直らないだろうなぁ)」
勇者「さて、やるしかないか!」
× × ×
勇者「う、なんで誰も信じてくれないんだ……」
老兵「私は信じてるぞ、うむ」
勇者「それ死にそうな兵隊に『お前は助かる!』って言ってるのと同じように聞こえるんで
すけど……」
老兵「何を言っておるか! さぁ! 薪拾いにはげもう!」
勇者「(全然信じてない……)」
× × ×
老兵「やれやれ、そろそろ腰が痛くなってきたの」
勇者「老兵さん、手伝ってくれてありがとう。もういいですよ。後は僕がやりますから」
老兵「そうか? ならばしっかりやれよ!」
勇者「はい!」
勇者「(……もう一ふんばりくらいしないと、魔法使いの機嫌直らないだろうなぁ)」
勇者「さて、やるしかないか!」
× × ×
292: 2009/04/05(日) 17:18:52.85 ID:3xH28I4G0
勇者「も、もういいだろ、これくらいで……お、重い……」
勇者「あ、しかもちょっと道に迷ったぞ……」
勇者「あれ? こっちかな?」
勇者「あ、ちがったあっちだった……」
勇者「……さっき通った道じゃないんだけど……」
勇者「あ、しかもちょっと道に迷ったぞ……」
勇者「あれ? こっちかな?」
勇者「あ、ちがったあっちだった……」
勇者「……さっき通った道じゃないんだけど……」
295: 2009/04/05(日) 17:22:59.61 ID:3xH28I4G0
× × ×
勇者「く……結局二時間くらい迷っちゃったよ」
勇者「もう夜中だよ……ダメだ、完全にしかられる。怒られる……はぁ……」
勇者「ここはアッサラームの裏手かな? あ、昼間の建物だ……」
勇者「あっちこっち壊れてる……やっぱり雷ドカーン(←自分で考えた技名)はあったんだよ」
勇者「あ、でも周りの建物も壊れてるから証明できないな……」
勇者「うーん、どうしたものか」
勇者「(ん……?)」
勇者「魔法使いが建物に入っていく……?」
298: 2009/04/05(日) 17:29:19.98 ID:3xH28I4G0
魔法使い「……」
『性欲に負けました。ぱふぱふ。ゆうしゃ』
魔法使い「……」
× × ×
勇者「魔法使い……?」
魔法使い「!?」
301: 2009/04/05(日) 17:33:24.03 ID:3xH28I4G0
勇者「うわっ、ご、ごめんなさい!」
魔法使い「勇者……」
勇者「お詫びにいっぱい拾って帰ろうと思ったら道に迷っちゃって、いそいで帰ろうと
したんだけどどうしても帰る道が――」
魔法使い「……」
勇者「――魔法使い、泣いてるの?」
魔法使い「だったらなんだっての」 ぐしぐし
勇者「いや、だったらって――」
魔法使い「なぐさめてくれる? おあいにく様、そんなのいらないわ」
勇者「魔法使い――」
魔法使い「言ったでしょ。私はあんたのパーティーじゃない。ただ向かう方向が同じだから
いっしょに歩いてるだけの付添い人なのよ」
魔法使い「やさしくしようとなんて、しないで」
303: 2009/04/05(日) 17:36:12.03 ID:3xH28I4G0
勇者「あ、待って魔法使い!」
魔法使い「手ぇ離しなさいよ!」
勇者「そんなにどならないでよ、ねぇ、急にどうしたんだよ?」
魔法使い「あんたに関係ないでしょ!」
勇者「そうかも……しれないけど、でもさ」
魔法使い「……」
勇者「……」
魔法使い「……怒鳴って悪かったわね」
魔法使い「手、離して」
306: 2009/04/05(日) 17:39:33.47 ID:3xH28I4G0
勇者「あ……」
勇者「あ、ちょ、ちょっと待って魔法使い!」
魔法使い「何よ。あんた早く薪運ばないと、夕飯食べれないわよ」
勇者「ちゃんと運ぶから……あのさ、これ、あげるよ」
めがみのゆびわ
魔法使い「……」
勇者「あの……だからなんだって、わけじゃないんだけど」
魔法使い「……」
勇者「僕、強くなるから。魔法使いのパーティーになれるくらい! だから……」
魔法使い「……いらない」
カラン
勇者「!」
魔法使い「こんなの、いらない」
勇者「あ、ちょ、ちょっと待って魔法使い!」
魔法使い「何よ。あんた早く薪運ばないと、夕飯食べれないわよ」
勇者「ちゃんと運ぶから……あのさ、これ、あげるよ」
めがみのゆびわ
魔法使い「……」
勇者「あの……だからなんだって、わけじゃないんだけど」
魔法使い「……」
勇者「僕、強くなるから。魔法使いのパーティーになれるくらい! だから……」
魔法使い「……いらない」
カラン
勇者「!」
魔法使い「こんなの、いらない」
309: 2009/04/05(日) 17:45:26.14 ID:3xH28I4G0
〈翌朝……〉
遊び人「あーんだよ目覚めわりぃ……」
老兵「どこかの誰かと同じように夜遅く食事をとったから胃がもつれるな……」
俺「……」
遊び人「ん!?」
老兵「? どうした?」
遊び人「あれ、いや……うん……?」
× × ×
魔法使い「さ、出発するわよ。老兵、あんたまだこのパーティーにいていいの?」
老兵「一度イシスまで向かおう。あそこは大国だから、さすがに落ちている事はないだろう。
そこから伝兵をだしてもらう。イシス王は話のわかるお方だ」
遊び人「魔法使いにつめの垢煎じて飲ましてやろうぜ」
勇者「……」
遊び人「おい、勇者」
勇者「え?」
遊び人「あーんだよ目覚めわりぃ……」
老兵「どこかの誰かと同じように夜遅く食事をとったから胃がもつれるな……」
俺「……」
遊び人「ん!?」
老兵「? どうした?」
遊び人「あれ、いや……うん……?」
× × ×
魔法使い「さ、出発するわよ。老兵、あんたまだこのパーティーにいていいの?」
老兵「一度イシスまで向かおう。あそこは大国だから、さすがに落ちている事はないだろう。
そこから伝兵をだしてもらう。イシス王は話のわかるお方だ」
遊び人「魔法使いにつめの垢煎じて飲ましてやろうぜ」
勇者「……」
遊び人「おい、勇者」
勇者「え?」
312: 2009/04/05(日) 17:51:22.56 ID:3xH28I4G0
遊び人「大丈夫かよお前……マジで雷にやられちまったんじゃねぇの?」
勇者「だ、大丈夫だよ。元気だし」
遊び人「ホントか? なんかあったら恥ずかしがらずにちゃんと言えよ」
勇者「う、うん。ありがとう」
勇者「(……なんて言えばいいんだ?)」
× × ×
魔法使い「こんなの、いらない」
× × ×
勇者「(僕が魔法使いを悪く思ったから罰が当たったんだろうか……)」
遊び人「おい、じいさん。勇者黙ってるぜキモチワリィ……」
老兵「若者は悩め悩め。悩みが歩みを軽くする!」
魔法使い「ちょっとあんた達、ちんたら歩いてんじゃないわよ!」
遊び人「(あぁ……今このパーティーに俺の心安らぐ場所はない……)」
314: 2009/04/05(日) 17:59:51.04 ID:3xH28I4G0
〈イシス近郊の砂漠へ……〉
ギラギラ……
ジリジリ……
遊び人「やばいパない……砂漠さんぱないっす……」
勇者「み、水……」
遊び人「最後のアモールの水はあの女が飲んじまったし……」
魔法使い「ちょっとほんと暑いわねここ! どうにかなんないの!?」
遊び人「く、元気じゃねぇかくそ女……!」
老兵「疲れたからといって警戒を怠るな! いつどこで敵が襲い掛かってくるかわからんぞ!」
勇者「師匠も元気だね……」
遊び人「だぁぁぁぁぁどいつもこいつも暑苦しい!」
遊び人「もう疲れた! おれは休む」 どっかり
遊び人「……あれ、なんだここ、冷たい」
ギラギラ……
ジリジリ……
遊び人「やばいパない……砂漠さんぱないっす……」
勇者「み、水……」
遊び人「最後のアモールの水はあの女が飲んじまったし……」
魔法使い「ちょっとほんと暑いわねここ! どうにかなんないの!?」
遊び人「く、元気じゃねぇかくそ女……!」
老兵「疲れたからといって警戒を怠るな! いつどこで敵が襲い掛かってくるかわからんぞ!」
勇者「師匠も元気だね……」
遊び人「だぁぁぁぁぁどいつもこいつも暑苦しい!」
遊び人「もう疲れた! おれは休む」 どっかり
遊び人「……あれ、なんだここ、冷たい」
317: 2009/04/05(日) 18:10:56.67 ID:3xH28I4G0
遊び人「……ん?」
×××
勇者「……」
老兵「……」
×××
遊び人「なぜじりじりと下がる」
×××
魔法使い「ほら、あんた達出番よ。一人ピンチじゃない」
×××
遊び人「……おい、ピンチって誰だよ」
ひょうがまじん「……」
遊び人「ぁぁ――やっぱ俺k」
ひょうがまじん「ひゅうおおおおおおおおおおおおおおお!!」
遊び人「ぎゃあああああああああああ!」
318: 2009/04/05(日) 18:16:12.37 ID:3xH28I4G0
ひょうがまじん の こうげき
あそびにん は 70 のダメージ!
あそびにん は ひんし になった!
遊び人「ぎゃあああああああ!」
勇者「遊び人がひょうがまじんにつかまれた!」
老兵「いかん! 奴の気を逸らせ!」
ひょうがまじん「おおおおおおおおお!」
ひょうがまじん の ぜったいれいど の 手が あそびにん に くいこむ!
遊び人「冷た! うわ冷た! 冷た! 冷たい! 焼ける! しも焼ける!!」
魔法使い「あらうらやましい」
勇者「言ってる場合か!」
老兵「私が正面から突貫する! 勇者は私の後に続け!」
勇者「はい!!」
319: 2009/04/05(日) 18:22:12.88 ID:3xH28I4G0
ろうへい が とつげき する!
ひょうがまじん「ゴアアアアアアア!」
ひょうがまじんは あそびにん を なげすてた!
遊び人「うをぅおぅおぅお――!?」
老兵「でやああ!」
ろうへいの とつげき!
しかし ひょうがまじん は あいた 手で こうげき を うけとめた!
老兵「むぉ――!」
323: 2009/04/05(日) 18:24:34.59 ID:3xH28I4G0
老兵「く……」
勇者「僕が行きます! うぉぉぉおおおおおおお!!」
ひょうがまじん「!?」
ゆうしゃ は ろうへい を とびこえ、 ひょうがまじん に とびかかった!
勇者「でりゃあああああ!」
かいしん の いちげき!!
ひょうがまじんに 120のダメージ!
ひょうがまじん は たおれた!
老兵「よし!」
遊び人「なにが『よし!』だバカ野郎――!」
敵は ぜんめつ した!
326: 2009/04/05(日) 18:30:09.96 ID:3xH28I4G0
〈イシスへ……〉
老兵「動きがずいぶんよくなったな! 良い成長をしているぞ勇者!」
勇者「あ、ありがとうございます……」
遊び人「俺という多大な犠牲を払ったんだがな」
勇者「ありがとうございます」
遊び人「棒読みじゃねーか!」
魔法使い「……人の声が聞こえる」
老兵「動きがずいぶんよくなったな! 良い成長をしているぞ勇者!」
勇者「あ、ありがとうございます……」
遊び人「俺という多大な犠牲を払ったんだがな」
勇者「ありがとうございます」
遊び人「棒読みじゃねーか!」
魔法使い「……人の声が聞こえる」
329: 2009/04/05(日) 18:38:12.55 ID:3xH28I4G0
遊び人「お、ホントだ!」
老兵「ようやく人に会えそうだな。今日はゆっくりと休められそうだ」
勇者「あの門を抜けた先かぁ」
遊び人「でっかい門だなぁ」
老兵「……? 門番がいないな……」
勇者「あれ、ほんとだ……?
……!? ちょっと待って」
老兵「ようやく人に会えそうだな。今日はゆっくりと休められそうだ」
勇者「あの門を抜けた先かぁ」
遊び人「でっかい門だなぁ」
老兵「……? 門番がいないな……」
勇者「あれ、ほんとだ……?
……!? ちょっと待って」
330: 2009/04/05(日) 18:39:33.09 ID:3xH28I4G0
遊び人「あ? なんだ、どうした」
勇者「……聞こえてくる声が変だ!」
老兵「何?」
× × ×
イシス市民の声A「早く逃げて! 逃げてぇ!」
イシス市民の声B「ぐわあああああ!?」
イシス市民の声C「きゃああああああ!」
× × ×
魔法使い「――やっと襲撃犯に会えたみたいね!」
勇者「急いで中に!!」
遊び人「おいおいまた急展開過ぎるぜ……」
老兵「走らんかバカもん!」
335: 2009/04/05(日) 18:43:52.34 ID:3xH28I4G0
遊び人「おい来たのはいいけどこの門はどうやって開けんだよ!?」
勇者「押して押して!」
老兵「違うこの門は引き戸だ!」
336: 2009/04/05(日) 18:45:08.44 ID:3xH28I4G0
魔法使い「どっちにしろそんなんじゃ開かないわよ!」
遊び人「じゃどうすんだよ!?」
魔法使い「ない知恵使って考えなさい!!」
ぐぉぉぉぉん――
勇者「!?」
遊び人「お前こそ考えろよたまには!」
魔法使い「あんたに言われるまでもないわよ!」
ぐぉぉぉぉぉぉぉぉん――
勇者「これ……これまさか足音!?」
遊び人「ぁあ!?」
ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
337: 2009/04/05(日) 18:48:07.35 ID:3xH28I4G0
勇者「まずい逃げて!!」
魔法使い「きゃぁ!?」
遊び人「うぉお!?」
老兵「ぬ――!?」
トロル「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
じょうもん が ふきとぶ!
トロル が じょうもん を つきやぶり あらわれた!
340: 2009/04/05(日) 18:54:23.86 ID:3xH28I4G0
遊び人「で、ででででで」
勇者「大きい!!」
老兵「なんだこの大きさは――!?」
魔法使い「城門なんかへじゃないって感じね」
トロル「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
魔法使い「しかも怒ってるみたいよ」
老兵「まずい来るぞ!!」
トロル は あし を ふりあげた!
たたきつける!
勇者「うわぁ!」
じしん と じわれ が ゆうしゃたち を おそう!
ゆうしゃたち は あしもと を すくわれた!
遊び人「うわぁわぁわぁ――また来るぞ!」
トロル は こんぼう を ふりあげた!
勇者「大きい!!」
老兵「なんだこの大きさは――!?」
魔法使い「城門なんかへじゃないって感じね」
トロル「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
魔法使い「しかも怒ってるみたいよ」
老兵「まずい来るぞ!!」
トロル は あし を ふりあげた!
たたきつける!
勇者「うわぁ!」
じしん と じわれ が ゆうしゃたち を おそう!
ゆうしゃたち は あしもと を すくわれた!
遊び人「うわぁわぁわぁ――また来るぞ!」
トロル は こんぼう を ふりあげた!
343: 2009/04/05(日) 19:00:56.98 ID:3xH28I4G0
老兵「あっちだ避けろ!」
ゆうしゃたち は ばらばらに よけた!
すんで の ところ で かいひ した!
しかし トロール は また こんぼう を ふりかぶっている!
勇者「これじゃダメだ! ラチが開かない!」
老兵「こいつは足が遅い! このまま置いて中に入ろう! 市民の救出を優先するんだ!!」
魔法使い「あたし達は王軍じゃないわよ!」
345: 2009/04/05(日) 19:02:31.27 ID:3xH28I4G0
老兵「君も人の子だろう!」
魔法使い「人の子じゃない人間がどこにいるってのよ……!」
遊び人「だぁぁぁ――何でもいいから逃げるんだよ!」
トロル「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
勇者「門の中へ!」
ダダダ!
ゆうしゃたち は にげだした !
351: 2009/04/05(日) 19:12:29.76 ID:3xH28I4G0
イシス市民A「うわあああ! 東門だ、東門ににげろ!」
イシス市民B「あっちはダメだ塞がれてる!」
イシス市民C「手を離しちゃだめよ! 離れないで!」
プテラノドン「ギャヒャアアアアアアアアア!」
イシス市民D「私の子が! 私の子がぁ!」
グリズリー「グオオオオ!」
イシス市民E「ぐあああああ!?」
老兵「なんて事だ魔物に襲われてるのか!」
魔法使い「あの子供をさらった魔物は何? 見た事ない――」
遊び人「どうだっていいよんなもん! つかこれじゃ俺達も逃げらんねぇだろ」
勇者「どうにかして誘導しないと――!」
??「逃げるな人民! 聞けよ民よ!」
勇者「!?」
イシス市民B「あっちはダメだ塞がれてる!」
イシス市民C「手を離しちゃだめよ! 離れないで!」
プテラノドン「ギャヒャアアアアアアアアア!」
イシス市民D「私の子が! 私の子がぁ!」
グリズリー「グオオオオ!」
イシス市民E「ぐあああああ!?」
老兵「なんて事だ魔物に襲われてるのか!」
魔法使い「あの子供をさらった魔物は何? 見た事ない――」
遊び人「どうだっていいよんなもん! つかこれじゃ俺達も逃げらんねぇだろ」
勇者「どうにかして誘導しないと――!」
??「逃げるな人民! 聞けよ民よ!」
勇者「!?」
353: 2009/04/05(日) 19:14:45.53 ID:3xH28I4G0
ちょっくら休憩するわ。
ディスプレイ見っぱなしつかれるぜ……
ディスプレイ見っぱなしつかれるぜ……
404: 2009/04/05(日) 22:15:28.00 ID:3xH28I4G0
遊び人「おいあそこだ! 城の最上階!」
イシス王「民よ、人民よ! 慌てる事はない! これは洗礼である!」
勇者「イシス王……!?」
老兵「なぜあのお方が……」
イシス王「誇り高き勇者殿による、民の選り分けである! 正しきものは恐れず、我らがイシス
軍の指示に従え!」
イシス王「しかし過ちを犯した者! 恐慌せよ! 過ちを犯そうとする者! 血を流せ! そなたら
の罪は、今ここで、われらが勇者殿の手によって洗い流される!」
老兵「何を言ってる……!?」
遊び人「あのおっさん頭おかしくなってんじゃねぇの?」
勇者「魔物に脅されてるのかも!」
魔法使い「んなわけないでしょ」
イシス王「民よ、人民よ! 慌てる事はない! これは洗礼である!」
勇者「イシス王……!?」
老兵「なぜあのお方が……」
イシス王「誇り高き勇者殿による、民の選り分けである! 正しきものは恐れず、我らがイシス
軍の指示に従え!」
イシス王「しかし過ちを犯した者! 恐慌せよ! 過ちを犯そうとする者! 血を流せ! そなたら
の罪は、今ここで、われらが勇者殿の手によって洗い流される!」
老兵「何を言ってる……!?」
遊び人「あのおっさん頭おかしくなってんじゃねぇの?」
勇者「魔物に脅されてるのかも!」
魔法使い「んなわけないでしょ」
410: 2009/04/05(日) 22:26:55.46 ID:3xH28I4G0
魔法使い「人間の声があんな所からここまでとどくわけない」
老兵「なんと……ではあれは魔物が化けた姿というのか――!?」
魔法使い「やまたのおろちよ。たぶんね。前に見た事があるから」
勇者「なんであんな事――」
魔法使い「知らないわよ。ずる賢い奴だから、なにか考えてんでしょうけど」
× × ×
ザ、ザ、ザ、ザ、ザ、ザ……
兵士「おとなしく跪け。抵抗するな。抵抗しなければ命は取らない」
× × ×
遊び人「おいおいマジで人間が人間捕まえに来たぜ……」
411: 2009/04/05(日) 22:32:15.41 ID:3xH28I4G0
魔法使い「魔王が倒されて以来最悪の光景ね――」
勇者「あの人たち、イシス王に従ってるだけなんじゃないか? イシス王が偽者だって気づ
かずに」
老兵「なんとバカな事を――説得してくる!」
勇者「あ! 師匠だめだよ!」
老兵「大丈夫だ、剣は帯刀しない。話をしてくるだけだ」
勇者「師匠!」
老兵「安心しろ、彼らも軍人だ。一緒に訓練もした事がある。けっして無抵抗の人間を
襲ったりはしない」
× × ×
兵士「抵抗はするな。おとなしく跪け。抵抗は――」
老兵「おいお前達!」
414: 2009/04/05(日) 22:35:30.09 ID:3xH28I4G0
兵士「……?」
老兵「私はロマリア軍騎士団長の『老兵』という者だ。合同訓練を覚えているだろう!」
兵士「ロマリアの……」
老兵「話がある! このように武器はない、そちらの長と話がしたい!」
兵士「ダメだダメだ。おとなしくお前も――」
??「待て」
416: 2009/04/05(日) 22:41:54.29 ID:3xH28I4G0
黒鎧の男「ロマリア軍の兵士という肩書き、本当か」
老兵「もちろんだ。お前は何者だ」
黒鎧の男「……この部隊を束ねるものだ。一、イシス軍将校である」
老兵「私はもう名乗りをあげた。話をしたい。この国の王について」
黒鎧の男「イシス王にいか用か」
老兵「話をする前にまずは軍を退いていただきたい。私も剣を置いた」
黒鎧の男「……いいだろう。おい、退け」
兵士「で、ですが今ここで退くと兵の士気に――」
黒鎧の男「さっさとしろ」
兵士「……は、は!」
黒鎧の男「さて、これでいいか」
422: 2009/04/05(日) 22:51:22.20 ID:3xH28I4G0
黒鎧の男「話とは?」
老兵「信じがたいだろうが、現イシス王はご本人ではない。やまたのおろちという魔物がその
皮をかぶっているに過ぎない」
黒鎧の男「……」
老兵「このような任務、承服しかねる所が多々あったはず。証拠はそちらに芽生えているはずの
反抗心ととっていただきたい」
× × ×
遊び人「……あれ、なんか上手くいきそうな流れだな」
勇者「あれってなんだよ!」
遊び人「いやだってさぁ」
魔法使い「……」
魔法使い「(あの黒鎧……どこかで)」
× × ×
黒鎧の男「……了解した、老兵殿。私は長話が好きではない。今ここで決断しよう。我々は
これより、直ちに王宮へ帰還し、イシス王に承服しかねる旨お伝えする」
老兵「――そうですか! かたじけない、恩に着る」
428: 2009/04/05(日) 22:58:57.02 ID:3xH28I4G0
すまぬ、イシス王として強行突破しますorz
× × ×
黒鎧の男「いえ、礼をいうのはこちらの方だ。最後の決断を迷いつつ、流されるままに断じた事に
後悔はあったのだ。あなたの言葉に目が覚めた」
老兵「お互い迷いの多い職柄。わかりあえただけでも良しとしましょう」
黒鎧の男「最後に握手を」
老兵「ええ」
× × ×
勇者「わ、握手してる!」
× × ×
黒鎧の男「いえ、礼をいうのはこちらの方だ。最後の決断を迷いつつ、流されるままに断じた事に
後悔はあったのだ。あなたの言葉に目が覚めた」
老兵「お互い迷いの多い職柄。わかりあえただけでも良しとしましょう」
黒鎧の男「最後に握手を」
老兵「ええ」
× × ×
勇者「わ、握手してる!」
430: 2009/04/05(日) 23:02:30.99 ID:3xH28I4G0
遊び人「すげぇなじいさん。マジで説得しちまったよ」
勇者「さすが師匠!」
遊び人「お前がすごいわけじゃないけどね」
勇者「わかってるよ!」
魔法使い「(鉄仮面が邪魔で顔が……)」
魔法使い「(……、あれは!?)」
勇者「さすが師匠!」
遊び人「お前がすごいわけじゃないけどね」
勇者「わかってるよ!」
魔法使い「(鉄仮面が邪魔で顔が……)」
魔法使い「(……、あれは!?)」
432: 2009/04/05(日) 23:04:59.91 ID:3xH28I4G0
まほうつかい は そら を みあげた
そらは らいごう を ひきつれた しっこく の くも で いっぱいに なっている
魔法使い「まさか――!?」
× × ×
老兵「お名前をお聞きしてもよろしいか? 今後の友好のために、顔も見ておきたい」
黒鎧の男「――よろこんで」
かしゃ……
老兵「……どこかでお会いした事は?」
黒鎧の男「ええ――お会いしてますよ」
魔法使い「老兵!」
老兵「む。なんだ魔法使い、おとなしく待って――」
魔法使い「そいつから離れてッ!!」
老兵「何?」
黒鎧の男「ご紹介がおくれましたな」
437: 2009/04/05(日) 23:07:34.46 ID:3xH28I4G0
ロト「私の名前はロト――勇者ロトです」
438: 2009/04/05(日) 23:08:21.00 ID:jJkwjkRnO
なん…だと……
441: 2009/04/05(日) 23:09:11.00 ID:3xH28I4G0
ロト の 手 から 閃光 が ふきだした!
ふきあれる 閃光 の あらし!
らいめい と らいげき が ろうへい を のみこむ!
444: 2009/04/05(日) 23:10:40.12 ID:3xH28I4G0
ロト の ギ ガ デ イ ン !!
447: 2009/04/05(日) 23:14:23.13 ID:3xH28I4G0
老兵「――――――がああああああああああああああああああああ!?」
魔法使い「く――ッ!」
勇者「師匠!」
遊び人「じじい!!」
ろうへい に 999 のダメージ!
ろうへい は たおれた!
ロト「……よろしく、そしてさようなら。というわけだ」
老兵「――――」 どさっ
454: 2009/04/05(日) 23:21:59.28 ID:3xH28I4G0
勇者「――――師匠ぉぉぉぉおおお!」
ゆうしゃ は いかりのまま に ロト に とっしん した!
魔法使い「やめなさい勇者!」
勇者「うわあああああああああああ――! ぐあッ!?」
かなた から あらわれた どくばり が ゆうしゃ の かた に つきささった!
ゆうしゃ は たおれこんだ!
勇者「ぐ――く、なんだよこれ!?」
盗賊「どくばりだよ見てわかんねーのか?」
屋根 から とうぞく が とびおりてきた!
459: 2009/04/05(日) 23:30:17.72 ID:3xH28I4G0
遊び人「なんだテメェは!」
盗賊「とうぞくだよ 見て わかんねーのか?」
ロト「片付けておけ」
盗賊「ひひ、ひひ」
魔法使い「待ちなさいロト!」
まほうつかい が つえ を かまえる!
しかし かなた から まほうつかい に メラゾーマが はなたれた!
魔法使い「!? マホカンタッ!」
マホカンタ と メラゾーマ が げきとつ!
魔法使い「ぐ――!」
マホカンタ が やぶられた!
まほうつかい を しゃくねつ の ほのお が おそう!
魔法使い「きゃぁぁ!?」
??「あーらダメじゃない。教えたとおりにしなきゃ」
461: 2009/04/05(日) 23:31:47.54 ID:3xH28I4G0
>>457
とりやま先生 ノートの裏になに書いてるんすか。
とりやま先生 ノートの裏になに書いてるんすか。
465: 2009/04/05(日) 23:36:11.78 ID:3xH28I4G0
魔法使い「く、あんた……ッ!?」
賢者「あーらあーら。情けないわねぇ。あれから胸も魔法も上達してないなんて……」
勇者「く……!」
遊び人「なんなんだよこいつら――!」
盗賊「ひひ、ひひw」
470: 2009/04/05(日) 23:44:28.90 ID:3xH28I4G0
勇者「よくも師匠を――!」
賢者「あら、かわいい勇者さん。魔法使い、あんたこんな子供を囲っちゃってんの?」
魔法使い「だまりなさいよ……!」
賢者「笑えて笑えて、悲しいわ……こんなお人形さんを代わりに抱いてるなんて」
魔法使い「だまれっつってんのよ!!」
まほうつかい は ベギラゴン を となえた!
ごうか が じめんを かけぬけ けんじゃ を おそう!!
賢者「選ばれない女ってかなしいわぁ」
けんじゃ の ヒャダルコ!
ベギラゴン を つきぬけ まほうつかい を おそう!
魔法使い「く――!」
勇者「魔法使い危ない!」
賢者「そうそう、勇者君! そうやってお姫様みたいに守ってあげなさいな」
475: 2009/04/05(日) 23:59:03.65 ID:3xH28I4G0
勇者「こいつ、ふざけやがって……!」
老兵「……しゃ」
老兵「……ゅしゃ……」
勇者「! 師匠!? 魔法使い、まだ息がある!」
賢者「あらぁダメじゃないロト。あの男しぶといわよぉ」
魔法使い「……あのバカは私が相手するから、あんたは老兵見てなさい!」
勇者「でも一人じゃ――」
魔法使い「やるのよ!」
まほうつかい は けんじゃ に とっしん する!
× × ×
勇者「く、魔法使い……」
老兵「……ゅ……う……」
勇者「師匠、しっかりしてください! すぐにケガを――」
老兵「わたし……は、…もう…メだ……」
老兵「……しゃ」
老兵「……ゅしゃ……」
勇者「! 師匠!? 魔法使い、まだ息がある!」
賢者「あらぁダメじゃないロト。あの男しぶといわよぉ」
魔法使い「……あのバカは私が相手するから、あんたは老兵見てなさい!」
勇者「でも一人じゃ――」
魔法使い「やるのよ!」
まほうつかい は けんじゃ に とっしん する!
× × ×
勇者「く、魔法使い……」
老兵「……ゅ……う……」
勇者「師匠、しっかりしてください! すぐにケガを――」
老兵「わたし……は、…もう…メだ……」
480: 2009/04/06(月) 00:04:10.71 ID:fxYQW0hk0
勇者「バカな事言わないでください! すぐに治療しますから……!」
老兵「ロト……を、追……ゅぅしゃ……」
勇者「ダメだ、やくそうなんかじゃ足りない――」
老兵「追、え……ゆぅしゃ……!」
勇者「できません! 置いてはいけない……!!」
老兵「……ぅ……い、け……にが……な」
勇者「(このままじゃダメだ、助からない――!)」
老兵「ロト……を、追……ゅぅしゃ……」
勇者「ダメだ、やくそうなんかじゃ足りない――」
老兵「追、え……ゆぅしゃ……!」
勇者「できません! 置いてはいけない……!!」
老兵「……ぅ……い、け……にが……な」
勇者「(このままじゃダメだ、助からない――!)」
487: 2009/04/06(月) 00:14:36.24 ID:fxYQW0hk0
盗賊「ひひ、ひひひw」
遊び人「なんだぁこのキチxイは! 俺とやるってのか!?」
盗賊「ひひひ、ひひww」
とうぞく は じわじわ と きょり を つめる!
遊び人「(く、啖呵きったけど、正直自信ねぇ……)」
遊び人「ぴ、PSPビーム!!」
盗賊「ひひッ!」
とうぞく は ナイフ で PSP を くしざし に した!
遊び人「マジかよ効かねぇ!」
遊び人「なんだぁこのキチxイは! 俺とやるってのか!?」
盗賊「ひひひ、ひひww」
とうぞく は じわじわ と きょり を つめる!
遊び人「(く、啖呵きったけど、正直自信ねぇ……)」
遊び人「ぴ、PSPビーム!!」
盗賊「ひひッ!」
とうぞく は ナイフ で PSP を くしざし に した!
遊び人「マジかよ効かねぇ!」
488: 2009/04/06(月) 00:16:18.88 ID:z3XNApg5O
何個ストックあるんだよwwwww
492: 2009/04/06(月) 00:18:45.35 ID:fxYQW0hk0
盗賊「ひひひ、一番よわそうなの から いこう」
遊び人「こ、この野郎……!」
勇者「遊び人! このままじゃ師匠は助からない!」
遊び人「あ、な、なんだと!?」
盗賊「ひひひひひひひひひひッ!!」
遊び人「!?」
とうぞく は いっしゅんで きょり を つめる!
遊び人「くそ!?」
あそびにん は ステッキ で ぼうぎょ!
しかし、まにあわない!
盗賊「ひひひひひひひひひ――!!」
遊び人「ぐぅあ!?」
あそびにん の むね に ナイフ が つきささった!
494: 2009/04/06(月) 00:20:20.84 ID:hK/RKWkY0
遊び人 リタイア
496: 2009/04/06(月) 00:27:21.01 ID:fxYQW0hk0
遊び人「ぐぅあああああああああ!?」
勇者「遊び人!? ――お前、よくも!」
ゆうしゃ の とっしん!
盗賊「ひひひひ!」
しかし とうぞく は すばやく とびすさった!
ゆうしゃ の こうげき は はずれた!
盗賊「たのしいな、たのしいな、たのしいゲームだ……ひひひひひひひwwww」
遊び人「ぐあああああああああ!」
勇者「遊び人しっかり!? ――大丈夫! なんとか骨で止まってる!」
遊び人「それのどこが大丈夫だってんだよ……! うぐぁぁぁ……!!」
勇者「くそ……魔法使い!」
502: 2009/04/06(月) 00:32:53.67 ID:fxYQW0hk0
魔法使い「はぁ、はぁ、はぁ……」
賢者「あぁら、もうMP切れちゃったのかしら? バカみたいに撃ちまくるからねぇ」
魔法使い「んなわけないでしょ……少しは黙りなさいよアンタ……!」
賢者「せっかくの再会なんだからぁ、楽しく話し合いましょうよ」
魔法使い「アンタなんかには二度と会いたくなかったわよ!」
賢者「でも追いかけてきたじゃない? そうなんでしょ? ミニ勇者様まで連れて……」
魔法使い「…………」
賢者「だんまりかぁ……」
賢者「――やっぱり私、あんたの事嫌いだわ」
504: 2009/04/06(月) 00:38:24.29 ID:fxYQW0hk0
勇者「魔法使い! 魔法使い!!」
賢者「大事な勇者様が呼んでるわよ」
魔法使い「……関係ないわよ!」
勇者「魔法使い! このままじゃダメだ、撤退しよう!」
賢者「あぁら、逃げちゃうの? ざぁんねーん」
魔法使い「……バカじゃないの勇者! ここで逃げたりしたらロトを逃がす事になんのよ!?」
勇者「でもこのままじゃ老兵と遊び人が……」
魔法使い「勇者、あんた『勇者』になりたいんじゃないの!?」
勇者「……!?」
賢者「大事な勇者様が呼んでるわよ」
魔法使い「……関係ないわよ!」
勇者「魔法使い! このままじゃダメだ、撤退しよう!」
賢者「あぁら、逃げちゃうの? ざぁんねーん」
魔法使い「……バカじゃないの勇者! ここで逃げたりしたらロトを逃がす事になんのよ!?」
勇者「でもこのままじゃ老兵と遊び人が……」
魔法使い「勇者、あんた『勇者』になりたいんじゃないの!?」
勇者「……!?」
509: 2009/04/06(月) 00:44:01.65 ID:fxYQW0hk0
魔法使い「あいつが何しようとしてるか知らないけど、今ここで逃がしたらどうせまた犠牲になる
人が出てくんのよ! あんた責任持てんの!?」
勇者「――そんなの」
魔法使い「今ここで『勇者』を倒すのよ! じゃなきゃあんたは一生背負いきれない罪を背負う
事になる!」
勇者「――――っ」
賢者「あらぁ、言うじゃない? まるで人事みたいに――」
魔法使い「黙れ!!」
× × ×
老兵「……ゅ……しゃ……い、け……」
遊び人「ぐ、ぐあ……!」
盗賊「ひひひ……ひひひひひひwww」
勇者「――――、く、それでも……!」
514: 2009/04/06(月) 00:48:40.84 ID:fxYQW0hk0
賢者「さぁて、そろそろあなたの顔も見飽きてきたし、みーんなまとめて殺すわ」
魔法使い「バカいってんじゃないわよ……なんで人殺しなんてしてんのよあんた達!」
賢者「ロトがそうしようって言ったからよ。魔王を倒そうって言ったときもそう。だって私達『は』
パーティーだから」
魔法使い「……やっぱり狂ってる、狂ってるわよあんた達」
賢者「そう言い続けてなさい――メラゾ」
勇者「メラゾーマ!!」
賢者「!?」
けんじゃ に ちいさな ひのたま が あたった!
魔法使い「勇者!」
勇者「こっちだ、さぁ!」
ダダダダダ……!
515: 2009/04/06(月) 00:51:00.80 ID:fxYQW0hk0
ゆうしゃ たち は にげだした!!
賢者「あらあら……服がちょっと焦げちゃったわ……」
× × ×
盗賊「ひひひ、ひひひひひ……にげろ にげろwww」
× × ×
けんじゃ たち が おいかける!
521: 2009/04/06(月) 00:58:17.41 ID:fxYQW0hk0
魔法使い「なにがメラゾーマよバカ! あんなのメラにもなんないじゃない!」
勇者「それしか呪文知らなかったんだよ!」
遊び人「お前らこんな時くらい仲良くしろよ……く、くそ、いてぇ、いてぇよ……」
魔法使い「手ぇ離しなさいよ! あたしは逃げる気ないわよ!」
老兵「……そ、うだ……ぉぇ…ゆ……しゃ」
勇者「嫌だ!」
魔法使い「な、だ、駄々こねてんじゃないわよ!」
勇者「絶対に嫌だ! 離さないぞ、誰の手も!!」
× × ×
盗賊「ひひひ、ひひwwww」
賢者「足元にご注意」
けんじゃ は ベギラゴン を はなった!
523: 2009/04/06(月) 01:03:43.53 ID:fxYQW0hk0
勇者「う、うわぁ!?」
魔法使い「く――ッ!?」
遊び人「つぉお!? あっつ、あつ!?」
ゆうしゃ たち の まえに しゃくねつ の だくりゅう が ひろがった!
勇者「く、前に……進めない!」
魔法使い「賢者お得意の手よ! 退路を焼き払って追い込むのよ!」
遊び人「説明はいいからなんとかしろよ!」
× × ×
賢者「レディに手を上げるなんてよくないわぼうや」
盗賊「ひひ、ひひひw」
× × ×
勇者「く、追いつかれた……!」
魔法使い「戦うしかないわ!」
勇者「ダメだ! 老兵が間に合わなくなる!」
遊び人「俺も間に合わなさそうだぜ……」
531: 2009/04/06(月) 01:11:32.78 ID:fxYQW0hk0
魔法使い「あんたいつまで逃げる気よ!? この世の中はね、犠牲を払わないとなに一つ手に
入んないのよ!」
勇者「こんな犠牲見過ごせない! なんであろうと絶対に嫌だ!」
魔法使い「手を……離しなさい――離せッ!」
勇者「嫌だッ! 今度は離さない! 絶対にだ!!」
× × ×
賢者「なんだかロマンあふれるやりとりだわぁ」
盗賊「ひひ、わらえる、ひひ、ひひひひwww」
賢者「そうかしら? 私は……笑えないわ」
けんじゃ は つえを かまえた!
× × ×
535: 2009/04/06(月) 01:18:52.01 ID:fxYQW0hk0
魔法使い「く――ほんっとどうしようもないわね!」
まほうつかい は つえ を かまえた!
まほうつかい の トラマナ!
魔法使い「これで地面は熱くない! 行くわよ!」
勇者「魔法使い……」
魔法使い「死にたいの!? 急ぎなさい!」
遊び人「死にたくないない! 急げ急げ!!」
× × ×
賢者「あら? あの娘たち逃げちゃうわ」
盗賊「ひひ、ひひひひひwww」 シュバ!
とうぞく は やねのうえ から とびおり て かけだした!
538: 2009/04/06(月) 01:25:32.36 ID:fxYQW0hk0
魔法使い「急いで! 盗賊がこっちに来た!」
勇者「く……!」
老兵「ゎたしを……おいて、……」
勇者「嫌だ! それはできない!」
盗賊「ひひひひひひひひぃ――!!」
とうぞく は ナイフ を なげつけた!
あめ の よう に ふりそそぐ ナイフ が ゆうしゃたち を おそう!
遊び人「うおぅおぅお!? ――うおおおおおお!?」
勇者「う、くぁ……!?」
遊び人「勇者あぶねぇ!?」
あそびにん は とっさに 手 を のばした!
あそびにん の ミラクル!
遊び人「うわぁあ! なんでか知らんけど一個キャッチしたキャッチ!」
540: 2009/04/06(月) 01:29:25.11 ID:fxYQW0hk0
勇者「それ貸して!」
遊び人「おうやるやる!」
あそびにん の トス!
ゆうしゃ の キャッチ!
勇者「せりゃあああああああああ!」
ゆうしゃ は ナイフ を なげかえした!
ゆうしゃ の レーザービーム!!
盗賊「ひひ!?」
とうぞく は とっさ に ひるんだ!
× × ×
勇者「よし! やった!」
遊び人「ナイスバックホーム!」
魔法使い「……ち、やってる場合じゃないわよ! こんどはこっち!」
544: 2009/04/06(月) 01:34:08.59 ID:fxYQW0hk0
トロル「グオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
遊び人「だぁくそ、コイツいたの忘れてた!」
トロル が あばれる!
しゅうい の たてもの が はかいされ、 はへんが ゆうしゃたち を おそう!
勇者「うわぁぁぁ!?」
魔法使い「メダパニ!」
トロル「!?」
トロル は こんらん した!
トロル の あしもと が ふらつく!
魔法使い「今よ!」
遊び人「よ、よし行ける――!?」
賢者「あーら逃がさないわよん!」
546: 2009/04/06(月) 01:39:09.24 ID:fxYQW0hk0
賢者「バギ、クロス!!」
魔法使い「イオナズン!!」
せんぷう と ばくはつ が しょうとつ する!
あたりが せんこう に つつまれた!
548: 2009/04/06(月) 01:41:57.68 ID:fxYQW0hk0
……
…………
………………
賢者「あらあら」
けむり が きえる
賢者「にげられちゃったわね……」
盗賊「ぐぐ、にげ、にげ、にげられた……ぐぐぐ」
賢者「まぁいいわ。すぐにまた会うことになるもの――ね、ロト!」
ロト「……ぁあ」
550: 2009/04/06(月) 01:45:39.05 ID:fxYQW0hk0
ロト「船の準備をしろ。カザーブに立ち寄った後、捕虜を連れてバラモス城へ戻る」
賢者「あいあいさー!」
盗賊「ぐぐぐ……ぐぐぐ……」
賢者「いつまで悔しがってるの? いくわよ」
ロト「(勇者……? アリアハンの……)」
662: 2009/04/06(月) 14:08:26.33 ID:fxYQW0hk0
〈ワールドマップへ……〉
遊び人「はぁ、はぁ、くそ……なんか目の前がかすんできやがった……」
勇者「肩貸すよ、遊び人」
遊び人「じじいも背負って何言ってんだ……一人で歩けるぜ……」
魔法使い「――肩貸すわよ、ほら――く」
遊び人「いいから……お前はルーラを早く使ってくれよ」
魔法使い「賢者が妨害してんのよ。あいつの魔法が届かない範囲まで移動しないと」
遊び人「くそ、あのクソ女……――っ!? おい勇者、じじいおかしくないか!?」
勇者「え! 師匠! 師匠!?」
老兵「…………」
勇者「意識がないよ! なんとかならないの魔法使い!」
魔法使い「急ぐしかないわよ……! 早く移動して!」
遊び人「はぁ、はぁ、くそ……なんか目の前がかすんできやがった……」
勇者「肩貸すよ、遊び人」
遊び人「じじいも背負って何言ってんだ……一人で歩けるぜ……」
魔法使い「――肩貸すわよ、ほら――く」
遊び人「いいから……お前はルーラを早く使ってくれよ」
魔法使い「賢者が妨害してんのよ。あいつの魔法が届かない範囲まで移動しないと」
遊び人「くそ、あのクソ女……――っ!? おい勇者、じじいおかしくないか!?」
勇者「え! 師匠! 師匠!?」
老兵「…………」
勇者「意識がないよ! なんとかならないの魔法使い!」
魔法使い「急ぐしかないわよ……! 早く移動して!」
664: 2009/04/06(月) 14:13:24.96 ID:fxYQW0hk0
× × ×
魔法使い「どこまで結界張ってんのよあいつは……!」
勇者「師匠! 師匠、しっかりしてください! 師匠!」
老兵「…………」
遊び人「ぅ――…………」 どさ
勇者「遊び人!?」
魔法使い「しっかりしなさい――遊び人!」
遊び人「…………」
魔法使い「く――」
勇者「早く――早く! なんでもっと早く歩けないんだ僕は!? くそぉ!!」
× × ×
魔法使い「はぁ、はぁ、はぁ――」
勇者「……っ、はぁ……っ」
魔法使い「く、やっと――ここでルーラするわよ」
魔法使い「どこまで結界張ってんのよあいつは……!」
勇者「師匠! 師匠、しっかりしてください! 師匠!」
老兵「…………」
遊び人「ぅ――…………」 どさ
勇者「遊び人!?」
魔法使い「しっかりしなさい――遊び人!」
遊び人「…………」
魔法使い「く――」
勇者「早く――早く! なんでもっと早く歩けないんだ僕は!? くそぉ!!」
× × ×
魔法使い「はぁ、はぁ、はぁ――」
勇者「……っ、はぁ……っ」
魔法使い「く、やっと――ここでルーラするわよ」
665: 2009/04/06(月) 14:17:02.64 ID:fxYQW0hk0
勇者「早くしてくれ……早くしないと、もう……!」
魔法使い「わかってるわよ――」
まほうつかい は つえ を かまえた!
老兵「ゅ……ぅ、しゃ……」
勇者「――師匠!? 師匠、もうすぐ帰れますからね! すぐに治療しますから!」
老兵「……僧侶……むすめ……」
勇者「師匠!」
老兵「せかいを……たのむ……」
668: 2009/04/06(月) 14:20:24.41 ID:fxYQW0hk0
まほうつかい は ルーラ を となえた!
669: 2009/04/06(月) 14:24:21.20 ID:fxYQW0hk0
× × ×
〈ロマリアへ……〉
勇者「誰か! 僧侶を呼んでくさい! お願いします!」
ロマリア市民A「お、おいなんだ? どうした――」
魔法使い「早くしなさい!」
ロマリア市民B「これはひどいわ……すぐに僧侶をよんで来ないと」
ロマリア市民C「おい、早く呼んで来い!」
ロマリア市民D「お、おぅ!」
× × ×
僧侶「あれは……?」
× × ×
〈ロマリアへ……〉
勇者「誰か! 僧侶を呼んでくさい! お願いします!」
ロマリア市民A「お、おいなんだ? どうした――」
魔法使い「早くしなさい!」
ロマリア市民B「これはひどいわ……すぐに僧侶をよんで来ないと」
ロマリア市民C「おい、早く呼んで来い!」
ロマリア市民D「お、おぅ!」
× × ×
僧侶「あれは……?」
× × ×
672: 2009/04/06(月) 14:28:54.80 ID:fxYQW0hk0
僧侶「嘘……お父さん……!?」
勇者「あ、僧侶さん! 師匠を――」
僧侶「どいて!」 どん!
僧侶「お父さん――嘘でしょ? しっかりして!」
そうりょ は ベホマ を となえた!
老兵「――――」
僧侶「お父さん! お父さん!!」
そうりょ は ベホマ を となえた!
僧侶「お父さん――お父さん……! 起きてよ……お父さん……!」
そうりょ は ベホマ を となえた!
×××
遊び人「ぅ……」
魔法使い「遊び人、動いちゃダメよ。今治療してるから――」
674: 2009/04/06(月) 14:32:59.42 ID:fxYQW0hk0
× × ×
僧侶「お父さん……お父さん! ねぇ! 起きてよ! おとうさん!!」
そうりょ は ベホマ を となえた!
そうりょ は ザオリク を となえた!
ろうへい は いきかえ らない
× × ×
遊び人「…………クソ……クソ……くそったれだ……こんなの……っ」
魔法使い「……」
遊び人「こんなの……くそったれだ…………」
僧侶「お父さん……お父さん! ねぇ! 起きてよ! おとうさん!!」
そうりょ は ベホマ を となえた!
そうりょ は ザオリク を となえた!
ろうへい は いきかえ らない
× × ×
遊び人「…………クソ……クソ……くそったれだ……こんなの……っ」
魔法使い「……」
遊び人「こんなの……くそったれだ…………」
681: 2009/04/06(月) 14:39:18.31 ID:fxYQW0hk0
勇者「……僧侶、さん。師匠は……」
僧侶「どいてよ! 近寄らないで!」
ロマリア市民A「僧侶さん、お気の毒だがこのご老人はもう……」
僧侶「触らないで! 黙っててよ!! 今、治療してるんだから!!」
× × ×
僧侶「…………」
ろうへい は いきかえ らない!
勇者「……そうりょ、さん。師匠――」
僧侶「……っ、あなた、どういうつもりよ……!?」
勇者「え……」
僧侶「あなたに連れられていって、お父さんは死んだッ」
684: 2009/04/06(月) 14:48:17.35 ID:fxYQW0hk0
勇者「……」
僧侶「何があったのよ――!? 何をしたらこんな事になるのよ!? お父さんに何したのよ!?」
勇者「それは……」
僧侶「答えなさいよ――答えてよ!」
勇者「……」
× × ×
ロマリア市民A「そんなバカな……」
ロマリア市民B「勇者様がそんな事――」
ロマリア市民C「で、でたらめ言うな!」
ロマリア市民D「そうだ! この人殺しが!」
勇者「嘘じゃない! 本当なんです!」
僧侶「……」
勇者「――信じてください、本当の話なんです!」
僧侶「……信じるわ」
僧侶「それで――あなたは逃げ帰ってきたっていうのね。私の父が殺されたのに、一矢も
報いることなく、おめおめと……!」
僧侶「何があったのよ――!? 何をしたらこんな事になるのよ!? お父さんに何したのよ!?」
勇者「それは……」
僧侶「答えなさいよ――答えてよ!」
勇者「……」
× × ×
ロマリア市民A「そんなバカな……」
ロマリア市民B「勇者様がそんな事――」
ロマリア市民C「で、でたらめ言うな!」
ロマリア市民D「そうだ! この人殺しが!」
勇者「嘘じゃない! 本当なんです!」
僧侶「……」
勇者「――信じてください、本当の話なんです!」
僧侶「……信じるわ」
僧侶「それで――あなたは逃げ帰ってきたっていうのね。私の父が殺されたのに、一矢も
報いることなく、おめおめと……!」
688: 2009/04/06(月) 14:58:36.21 ID:fxYQW0hk0
勇者「そ、それは……」
僧侶「よくも私の父を師匠なんて呼べるわね。父の死には何の意味もない――無駄死にじゃ
ない……!」
勇者「無駄死にだなんて――!」
僧侶「無駄死によ!!」
僧侶「お父さんはね、生まれてからずっと、ずっと兵隊だったの。私が生まれてからも、ずっと
ずっと、ずっと、お母さんが死んでも、お父さんは門の番についてたのよ……!?」
僧侶「このあいだ――ついこのあいだ、『軍を辞める』って言ってくれたのよ――?」
僧侶「うれしかったのに……やっと、やっと本当に『お父さん』って呼べるって――やっと――」
僧侶「――なのに、その結果がこれ!?」
693: 2009/04/06(月) 15:05:58.05 ID:fxYQW0hk0
僧侶「返してよ……お父さんを返して!」
勇者「……」
僧侶「黙ってないで返してよ!」
ロマリア市民「娘さん、もうやめなさい」
僧侶「返して! お父さん返して!」
ロマリア市民「さぁこっちへ来て……落ち着きましょう? ね――」
僧侶「嫌! お父さん! お父さん!!」
僧侶「お父さん!!」
695: 2009/04/06(月) 15:07:36.49 ID:fxYQW0hk0
× × ×
ロマリア市民「あんた達も、何があったが知らんが、いい加減な事を言ってあの娘を
悲しませるのはやめてくれ」
勇者「……」
ロマリア市民「今日一晩はここに滞在してもいい。だが明日になったら、出てってくれんか」
魔法使い「……そうね。そうするわ」
遊び人「……クソ、たれ……」
698: 2009/04/06(月) 15:26:03.73 ID:fxYQW0hk0
〈宿屋へ……夜〉
× × ×
「嫌! お父さん! お父さん!」
「お父さん返してよ! 返して!」
「お父さん!!」
× × ×
勇者「……」
コンコン――ガチャ
遊び人「よう、勇者」
勇者「あ、遊び人……」
遊び人「ちょっと痛ぇけど、なんとか復活だぜ、俺」
勇者「よかった……本当に」
遊び人「なんだよキモチワリィな、素直に喜びやがって」
× × ×
「嫌! お父さん! お父さん!」
「お父さん返してよ! 返して!」
「お父さん!!」
× × ×
勇者「……」
コンコン――ガチャ
遊び人「よう、勇者」
勇者「あ、遊び人……」
遊び人「ちょっと痛ぇけど、なんとか復活だぜ、俺」
勇者「よかった……本当に」
遊び人「なんだよキモチワリィな、素直に喜びやがって」
699: 2009/04/06(月) 15:30:07.72 ID:fxYQW0hk0
遊び人「……あの僧侶さん、元軍人なんだってよ。軍に顔が利くから、爺さんの死体を献上
して軍の派遣を促すんだと」
勇者「そっか」
遊び人「……終わったなぁ、俺達の旅も」
勇者「……うん」
遊び人「こんなんなってまで、旅続けたいとか思えないもんな……」
勇者「……うん」
遊び人「少しは面白いと思ってきてたのにな……」
遊び人「あぁ、どうして俺達は旅立つんだろうな。こんな目にあってまで……仲間失ってまでさ」
700: 2009/04/06(月) 15:35:51.34 ID:fxYQW0hk0
遊び人「お前だってさ、おかしいじゃねぇか。16になったら旅立たなくちゃいけないなんてよ」
遊び人「ずっと家でゲームしときてぇよ。外になんて出たくねぇよ。さみぃし、あついし、ろくな事
がねぇ」
遊び人「なんでわざわざ、苦しめるような事させるんだよ」
勇者「……」
遊び人「旅立ちたくなんかなかったぜ……ほんと」
遊び人「どうしてあのままで、いさせてくれなかったんだ……」
勇者「……僕が旅立たなかったら、誰も傷つかなかったのかな」
遊び人「僕『達』だろ」
遊び人「……それは俺も考えてるけど、わかんねぇ」
どたどたどたどた――――!
バタン!
魔法使い「入るわよ!」
703: 2009/04/06(月) 15:40:59.04 ID:fxYQW0hk0
遊び人「おいコラァ! 何勝手に入ってんだ! お前わがまま言って自分だけの個室と
っただろうが!」
魔法使い「どきなさいよ!」 どん!
遊び人「うお!?」
勇者「ちょ――ちょっと魔法使い、どうしたの!?」
魔法使い「窓の外よ!」
遊び人「ま、まどのそとぉ?」
勇者「なにが――」
勇者「……なんだろう、北の方が明るい……?」
遊び人「なんだありゃぁ。花火でもやってんのか?」
魔法使い「……てんのよ」
勇者「え?」
遊び人「何?」
魔法使い「燃えてんのよ――カザーブの村が!」
っただろうが!」
魔法使い「どきなさいよ!」 どん!
遊び人「うお!?」
勇者「ちょ――ちょっと魔法使い、どうしたの!?」
魔法使い「窓の外よ!」
遊び人「ま、まどのそとぉ?」
勇者「なにが――」
勇者「……なんだろう、北の方が明るい……?」
遊び人「なんだありゃぁ。花火でもやってんのか?」
魔法使い「……てんのよ」
勇者「え?」
遊び人「何?」
魔法使い「燃えてんのよ――カザーブの村が!」
710: 2009/04/06(月) 15:50:57.77 ID:fxYQW0hk0
〈カザーブへ……〉
まほうつかい は ルーラ を となえた!
魔法使い「――よ、と」
魔法使い「く、一歩遅かった……!」
勇者「なんで……村が焼き払われてる……!」
遊び人「誰かいねぇかぁ!?」
魔法使い「無駄よ。もう全部終わった後よ、これは」
遊び人「あいつらの仕業だってのか――!」
魔法使い「エルフの隠れ里も同じ手口だったわ。思えばあれも、ロトたちの仕業で――」
遊び人「おいぃ!」
あそびにん は まほうつかい の むなぐら を つかんだ!
遊び人「お前何冷静に語ってんだよぇえ!? 何か知ってんだろお前! お前が隠してる事
のせいで皆おっ死んまってんだぞわかってんのか!?」
魔法使い「あたしが知ってる事なんてほとんどないわよ!? あたしだってなんでこんな事に
なってんのかわかんないのよ!?」
まほうつかい は ルーラ を となえた!
魔法使い「――よ、と」
魔法使い「く、一歩遅かった……!」
勇者「なんで……村が焼き払われてる……!」
遊び人「誰かいねぇかぁ!?」
魔法使い「無駄よ。もう全部終わった後よ、これは」
遊び人「あいつらの仕業だってのか――!」
魔法使い「エルフの隠れ里も同じ手口だったわ。思えばあれも、ロトたちの仕業で――」
遊び人「おいぃ!」
あそびにん は まほうつかい の むなぐら を つかんだ!
遊び人「お前何冷静に語ってんだよぇえ!? 何か知ってんだろお前! お前が隠してる事
のせいで皆おっ死んまってんだぞわかってんのか!?」
魔法使い「あたしが知ってる事なんてほとんどないわよ!? あたしだってなんでこんな事に
なってんのかわかんないのよ!?」
712: 2009/04/06(月) 15:54:32.21 ID:fxYQW0hk0
遊び人「被害者づらしてんじゃねーよテメェ!」
魔法使い「そんなつもりなわけないでしょ!? あたしだって精一杯やってるわよ!!」
勇者「(あれは……)」
× × ×
カザーブ子供「――――」
勇者「……」
へんじが ない ただ の しかばね の ようだ
勇者「……逃げたから、なのか」
勇者「僕が逃げたから、こんな事に……!?」
魔法使い「そんなつもりなわけないでしょ!? あたしだって精一杯やってるわよ!!」
勇者「(あれは……)」
× × ×
カザーブ子供「――――」
勇者「……」
へんじが ない ただ の しかばね の ようだ
勇者「……逃げたから、なのか」
勇者「僕が逃げたから、こんな事に……!?」
714: 2009/04/06(月) 16:00:43.25 ID:fxYQW0hk0
× × ×
老兵「ロト……を、追……ゅぅしゃ……」
老兵「追、え……ゆぅしゃ……!」
× × ×
魔法使い「……バカじゃないの勇者! ここで逃げたりしたらロトを逃がす事になんのよ!?」
魔法使い「あいつが何しようとしてるか知らないけど、今ここで逃がしたらどうせまた犠牲になる
人が出てくんのよ! あんた責任持てんの!?」
魔法使い「今ここで『勇者』を倒すのよ! じゃなきゃあんたは一生背負いきれない罪を背負う
事になる!」
× × ×
僧侶「それで――あなたは逃げ帰ってきたっていうのね。私の父が殺されたのに、一矢も
報いることなく、おめおめと……!」
僧侶「返してよ……お父さんを返して!」
僧侶「嫌! お父さん! お父さん!!」
――――僧侶「お父さん!!」
老兵「ロト……を、追……ゅぅしゃ……」
老兵「追、え……ゆぅしゃ……!」
× × ×
魔法使い「……バカじゃないの勇者! ここで逃げたりしたらロトを逃がす事になんのよ!?」
魔法使い「あいつが何しようとしてるか知らないけど、今ここで逃がしたらどうせまた犠牲になる
人が出てくんのよ! あんた責任持てんの!?」
魔法使い「今ここで『勇者』を倒すのよ! じゃなきゃあんたは一生背負いきれない罪を背負う
事になる!」
× × ×
僧侶「それで――あなたは逃げ帰ってきたっていうのね。私の父が殺されたのに、一矢も
報いることなく、おめおめと……!」
僧侶「返してよ……お父さんを返して!」
僧侶「嫌! お父さん! お父さん!!」
――――僧侶「お父さん!!」
720: 2009/04/06(月) 16:11:56.43 ID:fxYQW0hk0
大臣「い、一体これはどういう事だ!?」
勇者「!?」
兵士「そこのお前達! 動くな!」
ザザザザ――ッ
遊び人「おい取り囲んでんじゃねぇよ! 俺達は犯人じゃねぇ!」
大臣「貴様ら一体何者だ! ここで何をしておる!」
魔法使い「ちんたらしてるあんた達より先に救助に来たのよ。手遅れだったけど」
大臣「貴様恐れ多くもロマリア皇軍を愚弄する気か!?」
僧侶「大臣! 今は人命救助を先に――」
遊び人「あ! アンタは!」
僧侶「……? あ、あなた達、また!」
大臣「知り合いなのかね僧侶くん? まさか――彼らが勇者ロトの!?」
724: 2009/04/06(月) 16:21:52.67 ID:fxYQW0hk0
僧侶「は、はい。彼らの報告で勇者ロトの横暴が――」
大臣「バカな! こんな者共の話を鵜呑みにしていたのか!?」
僧侶「ですが実際に私の父は死に――」
大臣「僧侶君、彼の死は大変痛ましいが、これは大変な過ちだぞ! 君の軽率な言動が
軍を無駄に動かし、民に不安を与えてしまった!」
魔法使い「この村はどう説明すんのよ」
大臣「黙れ魔物め!」
勇者「ま、魔物!?」
遊び人「んだとこの耳毛ジジイ! テメェの方が化け物みたいなぶっさいくな顔してんだろが!」
大臣「貴様ら各地で人に化けて国を荒らすと聞く魔物の生き残りであろう! おい、ひっとらえい!!」
兵士長(戦士♀)「はっ! おい、捕らえるぞ!」
遊び人「あぁ――! てめジジイの!」
兵士A「黙れ黙れ!」
兵士B「抵抗するな!」
兵士C「捕らえろ!」
726: 2009/04/06(月) 16:26:29.41 ID:fxYQW0hk0
遊び人「うわっんだよ離せ!」
兵士「眠れッ」
へいし は あそびにん の はら を なぐりつけた!
あそびにん は きぜつ してしまった!
遊び人「ぐ――」
勇者「遊び人!」
兵士「貴様も動くな!」 シャキンッ
勇者「く――!」
兵士長「あきらめろ! お前達に逃げ場はない!」
魔法使い「……勇者」
勇者「え?」
兵士長「杖を捨てろ!」
魔法使い「待ってて。必ず迎えに行くから」
730: 2009/04/06(月) 16:32:12.46 ID:fxYQW0hk0
勇者「な、何言って――どうする気!?」
兵士長「貴様杖を――えぇい奴を斬れぃ!!」
兵士「でぇい!」
魔法使い「ラナルータ!!」
まほうつかい は ラナルータ を となえた!
まほうつかい の つえ から まばゆい ひかり が あふれだす
兵士長「貴様杖を――えぇい奴を斬れぃ!!」
兵士「でぇい!」
魔法使い「ラナルータ!!」
まほうつかい は ラナルータ を となえた!
まほうつかい の つえ から まばゆい ひかり が あふれだす
743: 2009/04/06(月) 16:54:16.71 ID:fxYQW0hk0
大臣「な、なんだ!?」
大臣「前が見えません!」
兵士長「く、怯むな――」
勇者「魔法使い! 魔法使い どこ!?」
× × ×
大臣「おのれ――あの女一人逃げたか」
兵士長「残りの者をひっとらえろ! 急げ」
勇者「魔法使い! 魔法使い!」
兵士「黙れ!」 ガッ
勇者「うっ――」 どさっ
大臣「この者共を地下に放り込んでおけ!」
僧侶「……」
大臣「前が見えません!」
兵士長「く、怯むな――」
勇者「魔法使い! 魔法使い どこ!?」
× × ×
大臣「おのれ――あの女一人逃げたか」
兵士長「残りの者をひっとらえろ! 急げ」
勇者「魔法使い! 魔法使い!」
兵士「黙れ!」 ガッ
勇者「うっ――」 どさっ
大臣「この者共を地下に放り込んでおけ!」
僧侶「……」
750: 2009/04/06(月) 16:59:15.46 ID:fxYQW0hk0
〈ロマリアへ……〉
兵士長「先程の二名、収容完了しました」
大臣「ご苦労だった。まったく、勇者殿をお迎えする前に騒動ばかりおこしおって……魔王が
倒れる前のほうが平和だった」
兵士長「……お聞きしてもよろしいでしょうか」
大臣「なんだね。私は忙しいのだが」
兵士長「もし、仮に本当に勇者ロトが蛮行を働いていたら――」
大臣「兵士長、君もかね……」
兵士長「大臣」
大臣「わかったわかった。先遣隊を派遣したまえ。様子を確認したら本隊を送る。これで
いいだろう」
兵士長「はっ! ありがとうございます!」
大臣「やれやれまったく、どいつもこいつも……」
兵士長「先程の二名、収容完了しました」
大臣「ご苦労だった。まったく、勇者殿をお迎えする前に騒動ばかりおこしおって……魔王が
倒れる前のほうが平和だった」
兵士長「……お聞きしてもよろしいでしょうか」
大臣「なんだね。私は忙しいのだが」
兵士長「もし、仮に本当に勇者ロトが蛮行を働いていたら――」
大臣「兵士長、君もかね……」
兵士長「大臣」
大臣「わかったわかった。先遣隊を派遣したまえ。様子を確認したら本隊を送る。これで
いいだろう」
兵士長「はっ! ありがとうございます!」
大臣「やれやれまったく、どいつもこいつも……」
753: 2009/04/06(月) 17:06:23.31 ID:fxYQW0hk0
〈ロマリア地下牢……〉
ぴちょーん……ぴちょーん……
遊び人「でぁぁ寒い、クソ……」
勇者「……」
遊び人「エアコンもねぇのかよくそぉ……」
勇者「……」
遊び人「くそ、あの女あっさり見捨てて裏切りやがって……!」
勇者「魔法使い……迎えに来るって言ってた」
遊び人「お前、お人よしにも程があんだろ。マジでくるわけねぇだろ。あいつは俺達をパー
ティーとも仲間とも思ってねぇんだからよ」
勇者「そんな事……」
遊び人「あるに決まってんだろ。自分の口で言ってたんだから」
ぴちょーん……ぴちょーん……
遊び人「でぁぁ寒い、クソ……」
勇者「……」
遊び人「エアコンもねぇのかよくそぉ……」
勇者「……」
遊び人「くそ、あの女あっさり見捨てて裏切りやがって……!」
勇者「魔法使い……迎えに来るって言ってた」
遊び人「お前、お人よしにも程があんだろ。マジでくるわけねぇだろ。あいつは俺達をパー
ティーとも仲間とも思ってねぇんだからよ」
勇者「そんな事……」
遊び人「あるに決まってんだろ。自分の口で言ってたんだから」
756: 2009/04/06(月) 17:15:58.13 ID:fxYQW0hk0
遊び人「もう何がなんだかわかんねぇよ。あの女に振り回されて、俺たちゃ脇役か?」
勇者「魔法使いには魔法使いの事情があるんだよ」
遊び人「なんで俺達がそんなのに付き合わなくちゃいけねぇんだよ!」 ダンッ
勇者「……」
遊び人「ふん……なんでもいいさ。俺たちゃ終わりだ。内乱罪だとよ、とんでもない罪だぜ。
死罪か一生牢獄だ」
勇者「さっき兵士長さんが言ってたろ。刑はできるだけ軽く、短くするって」
遊び人「真に受けてんじゃねぇよバーカ。あいつ先遣隊だかなんだか知らないけど、もうす
ぐここを出てくんだろ? そしたら誰がその約束守るってんだよ」
勇者「それは――」
遊び人「……もうどうだっていいさ」
遊び人「ロトがどーだとか、魔法使いの事情がどーだとか、もう知らねぇ。考えねぇ。どうとで
もなっちまえよ」
勇者「…………」
758: 2009/04/06(月) 17:22:43.03 ID:fxYQW0hk0
× × ×
遊び人「…………」
勇者「…………」
遊び人「…………」
勇者「……魔法使いは」
遊び人「その名前を出すなっつってんだろ!」
勇者「でもおかしいじゃないか! 彼女だって言ってた! 『あたしだってなんでこんな事
になってんのかわかんない』って」
遊び人「んなもん演技に決まってんだろ!」
勇者「演技なんかじゃない!」
遊び人「いい加減にしろッ!」 バキッ
勇者「ぅ!」
遊び人「……く」
遊び人「いい加減、だまされてるって事に気づけよ……!」
762: 2009/04/06(月) 17:25:46.28 ID:fxYQW0hk0
遊び人「……」
勇者「……」
遊び人「……おい、大丈夫か」
勇者「触るな!」バシッ
遊び人「――、てめぇ」
勇者「……」
遊び人「……くそ、勝手にしろ」
勇者「…………」
遊び人「…………」
勇者「……」
遊び人「……」
遊び人「俺達は……仲たがいするためにこんなトコまで来たのかよ……」
勇者「……」
遊び人「……おい、大丈夫か」
勇者「触るな!」バシッ
遊び人「――、てめぇ」
勇者「……」
遊び人「……くそ、勝手にしろ」
勇者「…………」
遊び人「…………」
勇者「……」
遊び人「……」
遊び人「俺達は……仲たがいするためにこんなトコまで来たのかよ……」
763: 2009/04/06(月) 17:27:26.47 ID:5rjaeKOx0
これは遊び人の反応が普通だな
770: 2009/04/06(月) 17:36:41.25 ID:fxYQW0hk0
遊び人「ガキの頃はもっと冒険ってのが楽しくていいもんだと思ってたのによ」
勇者「……」
遊び人「くそ、お前と一緒にパーティーごっこしてたのが馬鹿らしいぜ」
勇者「……」
遊び人「笑える事に俺が勇者だった。お前は魔法使いで、あと僧侶と、戦士がいたな。あ、なんか
女の盗賊もいた気がする……」
771: 2009/04/06(月) 17:38:35.97 ID:fxYQW0hk0
遊び人「俺と戦士がお前から勇者の役かっぱらったんだよな。んで、俺と戦士でいっつも喧嘩
してた」
遊び人「でも喧嘩しながらいく森はさ、いつもワクワクドキドキの冒険譚だったな……」
遊び人「なのに――現実はこれだもんな。笑っちまうよ」
遊び人「もっとすげぇもんじゃないのか? 冒険って」
遊び人「たった一人の女に振り回されて、俺たちゃあの頃の勇者とは程遠いじゃねぇか」
遊び人「こんなトコでゲームオーバーだぜ。脇役の脇役もいいとこだ」
遊び人「なんにもわかんねぇまま、こんなトコで」
遊び人「おい勇者、聞いてんのか?」
勇者「……」 ザッザッザッ
遊び人「おい、勇者?」
ゆうしゃ は じめん を ほっている!
遊び人「おい素手で何してんだ! 血だらけだろ!」
勇者「もう脇役でいい……!」
774: 2009/04/06(月) 17:47:54.50 ID:fxYQW0hk0
遊び人「お前何泣いてんだよ……情けねぇ、いっぱつ殴ったくらいで――」
勇者「もう勇者になんかならなくていい……!」
勇者「僕は守りたい、魔法使いを、僧侶を、世界を――皆を……!」
勇者「師匠が言ったんだ、『頼む』って――」
勇者「僕に言ったんだ。こんな僕に……!」
勇者「もう誰も、失いたくないよ……遊び人……!」
遊び人「……くせぇ事言ってんじゃねぇよ勇者」
勇者「もう勇者になんかならなくていい……!」
勇者「僕は守りたい、魔法使いを、僧侶を、世界を――皆を……!」
勇者「師匠が言ったんだ、『頼む』って――」
勇者「僕に言ったんだ。こんな僕に……!」
勇者「もう誰も、失いたくないよ……遊び人……!」
遊び人「……くせぇ事言ってんじゃねぇよ勇者」
775: 2009/04/06(月) 17:49:28.17 ID:fxYQW0hk0
遊び人「そんな事やめろ。地面なんか掘ったって、血が出るだけだぜ」
遊び人「ほら、もっと効率のいい方法考えてやっから……」
勇者「やめろよ!」 バッ
遊び人「勇者……」
勇者「もうそんな事言ってる場合じゃないんだ! 『効率が悪い』とか、『これじゃ難しすぎる』とか
いつまでもそんな事ばかり言って、結局行動しないから!」
遊び人「……」
勇者「そんな事だから、大事なものを失ってるのに気づけなくて、全部失ってから後悔することになるんだ!!」
勇者「もう僕は恐れないぞ! 何があろうと戦ってやる! 必要なら何だってしてやる――僕は
勇者じゃない、ただの人間なんだから!」
782: 2009/04/06(月) 18:01:08.46 ID:fxYQW0hk0
遊び人「……くそ、たく、マジで、めんどくせぇなぁ……もぉ!」
あそびにん も じめん を ほりはじめた!
勇者「この! この!」
遊び人「くそ! このやろ!」
勇者「この、この……あーなんか思い出してきたぞ!」
遊び人「あぁ!? 何がだよ!? つか超いてぇ! くそが!」
勇者「遊び人と、あと誰だったか年上の戦士に、いっつも役奪われてた! すっげぇむかついた
けど、二人がかりだったから――くっそー思い出したらすっごい腹立ってきた!」
遊び人「時効だ、んなもん! 時効時効! ――なんだこりゃ空き缶か! 分別しろ!!」
786: 2009/04/06(月) 18:04:19.57 ID:fxYQW0hk0
勇者「遊び人は勇者役のときはいっつもふざけてたし! あーなんか女盗賊がすっげぇムカつく
奴だった気が――」
遊び人「あーそういやそうだったな! あいつ女盗賊って意地悪でドSだって勘違いしてやがったもんな!」
勇者「なんか名言があったよな! 名言がえーと……いた!電池捨てたの誰だよ! 分別しろ!!」
遊び人「名言あったなあったな! 確かえーと、なんだったっけ……」
勇者「のどまで出掛かってて、たしか――」
× × ×
こども盗賊(♀)「ほらほらぁ ちびっこたち! さっさとまえあるきなたい!」
× × ×
勇者「って感じだったよな!」
遊び人「そうそう! それだ! いっつも俺達に働かせやがってあのくそ女」
勇者&遊び人『……ん?』
789: 2009/04/06(月) 18:07:21.79 ID:fxYQW0hk0
勇者・遊び人『あーーーーーーーーーーーー!』
衛兵「うるっさい!!」
遊び人「お前がうるせえよ死ね!」
勇者「どっか消えろ!!」
衛兵「え……」
791: 2009/04/06(月) 18:09:20.90 ID:RnsPzD8N0
えっ
792: 2009/04/06(月) 18:10:53.60 ID:HxX6cFThO
wwwwww
796: 2009/04/06(月) 18:13:12.66 ID:fxYQW0hk0
遊び人「魔法使いじゃねぇか!」
勇者「なんで魔法使いになってだよ!?」
遊び人「知るか! 知らんが性格が変わってないのが残念極まりない!!」
衛兵「あー……コホン、お前達いい加減にしないか! ここは牢獄だぞ!」
遊び人「うるせえ! 死 ね ッ!!」
勇者「消えろ!! イ ○ ポ や ろ う ッ!!」
衛兵「や、やめろおおおおおおおおおおおおお!」
??「何を大騒ぎしてるんですか!」
805: 2009/04/06(月) 18:19:16.16 ID:fxYQW0hk0
僧侶「ここは城内ですよ! 静かにっ」
衛兵「これが黙っていられるか! 男の尊厳の問題だ!」
勇者「そこうるさい!!」
遊び人「何が男の尊厳だくそが! 男になってすらねぇだろてめぇ!!」
衛兵「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお(二回目)」
僧侶「 し ず か に ! (二回目)」
807: 2009/04/06(月) 18:24:59.05 ID:fxYQW0hk0
× × ×
遊び人「で何しに来たんだよアンタ」
衛兵「わきまえんか! このお方のご好意でお前達は釈放されることになったのだ」
遊び人「お前に聞いてねぇよど」
衛兵「やめろおおおおおお」
勇者「もうやめようよ! 悪乗りが過ぎたよ!」
遊び人「で何しに来たんだよアンタ」
衛兵「わきまえんか! このお方のご好意でお前達は釈放されることになったのだ」
遊び人「お前に聞いてねぇよど」
衛兵「やめろおおおおおお」
勇者「もうやめようよ! 悪乗りが過ぎたよ!」
809: 2009/04/06(月) 18:26:48.92 ID:fxYQW0hk0
僧侶「そういう事ですから、穴掘りなんてやめて私についてきてください。すぐに」
勇者「……いいんですか、本当に」
僧侶「……わだかまりはありますが、今は時間がありません。すぐに出ましょう」
× × ×
830: 2009/04/06(月) 19:11:59.26 ID:fxYQW0hk0
僧侶「大臣は私の言う事に耳を貸そうとしません。あなた方の話が本当なら、ロマリアは落ち
てしまいます」
勇者「僕達の話を信じるんですか?」
僧侶「前に一度、信じると言いました」
僧侶「それに、私の父ならきっとこうしたでしょうから」
遊び人「いやぁ美人のお姉さんと旅ができるなんて最高だな! 地獄から天国だ!」
勇者「(現金な奴……)」
僧侶「……? ところで、この方は誰ですか?」
遊び人「え?」
遊び人「あそびにん……ですけど……」
僧侶「あぁ、そういえばそういえば、いましたねっ」
遊び人「……」
僧侶「す、すみません。私少し抜けてるところがありますから……」
遊び人「もうやる気なくなったぁ」
勇者「早っ」
832: 2009/04/06(月) 19:20:45.55 ID:fxYQW0hk0
僧侶「あ、それと言い忘れていましたが――あの衛兵にはあなた達の釈放命令書を渡しま
したが、あれは偽者です」
遊び人「え、マジで?」
勇者「それはまずいんじゃぁ……」
僧侶「えぇ、すっごくマズイです。それにすぐにばれてしまうでしょう」
したが、あれは偽者です」
遊び人「え、マジで?」
勇者「それはまずいんじゃぁ……」
僧侶「えぇ、すっごくマズイです。それにすぐにばれてしまうでしょう」
834: 2009/04/06(月) 19:25:29.92 ID:fxYQW0hk0
遊び人「だ、大丈夫かよ……」
僧侶「不審な行動をしなければ大丈夫です。ですから城を抜けるまで、皆さん慎重に行動
してくださいね。まちがっても大きな音を立てたり、騒ぎ立てたりしちゃ――ぁっ」 こけ
バタンッ
勇者「あ」
遊び人「あ」
835: 2009/04/06(月) 19:26:55.89 ID:fxYQW0hk0
ガチャ
兵士長「誰かいるのか……? おや、僧侶さんと――」
勇者「……」
遊び人「……」
兵士長「……」
兵士長「者共ぉぉぉ――! 出あえっ出あえぇ!!」
どたどたどたどたどたどたどた――!!
837: 2009/04/06(月) 19:28:08.87 ID:fxYQW0hk0
兵士A「なんだぁどうした!?」
兵士B「あぁ! 脱走だ! 脱走者がいるぞ!」
兵士C「ひっ捕らえろ!」
僧侶「な、なにやってるんですかぁ!?」
遊び人「お前だよ!!」
勇者「結局こうなるのかー! 逃げよう!!」
ダダダッ
ゆうしゃ たち は にげだした!
兵士長「待てぇ! またんかぁ!!」
どたどたどたどたどたどたどた――!!
へいしちょう たち は おいかける!
844: 2009/04/06(月) 19:37:55.65 ID:fxYQW0hk0
〈ロマリアの軍港……〉
海兵A「よし。船の固定は完了したぞ!」
海兵B「さぁ飯だ飯だ」
海兵C「もうすぐこの船も引退か……」
海兵A「魔王がいないってんじゃぁな……」
海兵A「よし。船の固定は完了したぞ!」
海兵B「さぁ飯だ飯だ」
海兵C「もうすぐこの船も引退か……」
海兵A「魔王がいないってんじゃぁな……」
846: 2009/04/06(月) 19:40:38.71 ID:fxYQW0hk0
海兵B「でも魔物って最近増えてるような気がしないか? この辺りの魔物も危険なのが多くなって……」
海兵C「あぁそりゃ俺も思ってたぜ!」
海兵A「なんにせよ大臣の命令じゃあどうしようもないぜ……」
魔法使い「(……)」
魔法使い「(悪いけど、用なしならいただくわよ……)」
魔法使い「(――今だ!)」
魔法使い「ん!?」
848: 2009/04/06(月) 19:44:17.15 ID:fxYQW0hk0
× × ×
勇者「うわぁぁぁぁああああ――!!」
遊び人「あ、やばい! 古傷開いてる! 開いちゃってる!」
僧侶「ホイミ! ホイミ! ホイミ! ホイミ!」
遊び人「もっと効率よくやれよ!!」
兵士長「またんかキサマらぁぁぁぁぁ――!!」
兵士達「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
× × ×
魔法使い「なぁ――!?」
勇者「うわぁぁぁぁああああ――!!」
遊び人「あ、やばい! 古傷開いてる! 開いちゃってる!」
僧侶「ホイミ! ホイミ! ホイミ! ホイミ!」
遊び人「もっと効率よくやれよ!!」
兵士長「またんかキサマらぁぁぁぁぁ――!!」
兵士達「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
× × ×
魔法使い「なぁ――!?」
852: 2009/04/06(月) 19:46:52.02 ID:fxYQW0hk0
遊び人「あぁ! 魔法使いじゃねぇか!!」
勇者「ホントだ! 魔法つかぁ――い! おーい! おーい!」
兵士長「ああ!? おい! もう一人いたぞ!」
兵士「合流する気か! 許せん!!」
海兵A「な、何事だ!?」
海兵B「お、お前俺達のかわいい船に何する気だ!」
魔法使い「いぃ……ちょ、ちょっと計画がむちゃくちゃ――!?」
勇者「早く入って魔法使い! 早く早く!!」
魔法使い「ちょ、ちょっと!?」
兵士長「船の中に入ったぞ!」
海兵B「俺達のお船ちゃんになんて事を!?」
兵士「とっ捕まえろ!!」
854: 2009/04/06(月) 19:54:18.68 ID:fxYQW0hk0
魔法使い「あんた達どういうつもりよ!?」
勇者「助けに来たよ魔法使い!」
魔法使い「邪魔しに来てんでしょ!?」
僧侶「私が操舵します! あなた達は敵を抑えて!」
魔法使い「あんた誰よ!?」
遊び人「僧侶大丈夫なんだろうな! 操作ミスって陸上がったりしないだろうな!?」
僧侶「失礼な!!」
855: 2009/04/06(月) 19:55:31.23 ID:fxYQW0hk0
× × ×
海兵A「おらぁ! 船に橋をかけろぉ!」
ばたんばたんばたん!
兵士長「船に移るぞ!」
× × ×
勇者「話してる暇ないよ! 応戦しないと!!」
魔法使い「あぁもう! あんた達ってば本当につかえない――」
遊び人「『幼なじみ』だろ!?」
魔法使い「!」
勇者「さぁ、応戦するぞ!!」
872: 2009/04/06(月) 20:14:07.08 ID:fxYQW0hk0
× × ×
戦士長「貴様見つけたぞ、逃がさん!」 シャキンッ
勇者「悪いけど、降りてもらうよ!」 シャキンッ
× × ×
海兵A「船から下りろ女ぁ!」
海兵B「乳臭ぇ船になっちまうだろうが!!」
魔法使い「んですってこの筋肉共が……!!」
× × ×
兵士A「なんか弱そうなのいるぞ!」
兵士B「こいつから先にやっちまおう!!」
遊び人「言ってろクソ共が――ついに俺の真骨頂を見せるときが来たようだな……」スチャ
⊃XBOX360
兵士C「く……なんだと、奴からの気迫が変わった……!」
兵士D「あぁ! スカウターの数値がどんどんあがっていく!」
兵士D「戦闘力……360だと……!?」 ボンッ
戦士長「貴様見つけたぞ、逃がさん!」 シャキンッ
勇者「悪いけど、降りてもらうよ!」 シャキンッ
× × ×
海兵A「船から下りろ女ぁ!」
海兵B「乳臭ぇ船になっちまうだろうが!!」
魔法使い「んですってこの筋肉共が……!!」
× × ×
兵士A「なんか弱そうなのいるぞ!」
兵士B「こいつから先にやっちまおう!!」
遊び人「言ってろクソ共が――ついに俺の真骨頂を見せるときが来たようだな……」スチャ
⊃XBOX360
兵士C「く……なんだと、奴からの気迫が変わった……!」
兵士D「あぁ! スカウターの数値がどんどんあがっていく!」
兵士D「戦闘力……360だと……!?」 ボンッ
885: 2009/04/06(月) 20:26:44.19 ID:fxYQW0hk0
兵士長「ぜりゃぁああ!」
へいしちょう の とっしん こうげき!
勇者「ふッ!」
ゆうしゃ は ひのきのぼう で それを いなす!
へいしちょう の たいせい が くずれた!
へいしちょう は ゆうしゃ に たおれこむ!
兵士長「う――!?」
勇者「ぜりゃあ!」
ゆうしゃ の ひざげり!
へいしちょう の はら に ひざ が たたき つけられる!
兵士長「く――!」
へいしちょう が とびすさり きょり を とる!
勇者「まだッ!」
しかし ゆうしゃ が おいうち を かける!
へいしちょう は なんとか ぼうぎょ! しかし たいせい が くずれる!
兵士長「こいつ――!?」
勇者「この船から――降りろ!!」
へいしちょう の とっしん こうげき!
勇者「ふッ!」
ゆうしゃ は ひのきのぼう で それを いなす!
へいしちょう の たいせい が くずれた!
へいしちょう は ゆうしゃ に たおれこむ!
兵士長「う――!?」
勇者「ぜりゃあ!」
ゆうしゃ の ひざげり!
へいしちょう の はら に ひざ が たたき つけられる!
兵士長「く――!」
へいしちょう が とびすさり きょり を とる!
勇者「まだッ!」
しかし ゆうしゃ が おいうち を かける!
へいしちょう は なんとか ぼうぎょ! しかし たいせい が くずれる!
兵士長「こいつ――!?」
勇者「この船から――降りろ!!」
893: 2009/04/06(月) 20:35:19.19 ID:fxYQW0hk0
海兵A「こいつ! この!!」
海兵B「こんの女ぁ!!」
海兵C「降りろ!!」
かいへい たち が いっせい に おそいかかる!
さんぼん の けん が せまる!
魔法使い「はぁ――!!」
まほうつかい は あざやか に つぎつぎ と つえで はねかえした!
魔法使い「おかえし、よ!」
海兵A「はぅ!」
まほうつかい の つえ が きゅうしょ に あたった!
きゅうしょ に あたった!!
『男の』 きゅうしょ に あたった!!!!
これは いたい!!!!
海兵B「海兵Aぇぇ――!!」
海兵C「なんてことをぉ!?」
魔法使い「あんた達倒すのに魔法なんていらないわよ――一分で蹴落としてやるわ」
901: 2009/04/06(月) 20:43:15.82 ID:fxYQW0hk0
遊び人「マイクロソフト パァァァンチ!!」
兵士A「ぐぁ!?」
遊び人「回転音が騒音レベル キィィィィィク!!」
兵士B「ぬあああ!?」
遊び人「ゲハ厨に相手にされない 波動拳!!」
兵士C・D・E「わぁあああああ!?」
遊び人「FPS以外にもあるわ 竜巻旋風脚!!!!」
兵士F・G・H「うわあああああああ!?」
遊び人「レッドリンク対策しました ドリル!!!!」
兵士I・J・KL・M「ぬおおおおおおおおおおお!?」
兵士a「く……こいつ、強い!」
74: 2009/04/06(月) 22:46:52.77 ID:fxYQW0hk0
兵士a「な、何なんだこの強さは……!?」
遊び人「くくく……貴様らにはわかるまい」
遊び人「任天堂に辛酸をなめさせられ続けた洋ゲーのつらさがな!!」
兵士b「バカな……奴の力の源は欧米ゲーオタの苦しみなのか!」
兵士c「リンクが国産でない恨み……!?」
76: 2009/04/06(月) 22:48:08.48 ID:fxYQW0hk0
遊び人「わーはははは! これくらいでは欧米ゲーオタは満足せんぞ!」
兵士d「わぁやめろぉぉぉ――!」
遊び人「食らえ! COD4 1000万本発売記念――」
遊び人「オンラインで話してるの外人ばっかでマイク買った意味ねぇ 空中モトヤキィィィィィィィク!!」
兵士達「うわああああああああ!?」
ボン!
遊び人「!?」
遊び人「フリーズ……だと……!?」
87: 2009/04/06(月) 22:58:33.15 ID:fxYQW0hk0
遊び人「なんてこったサポセンに電話しないと……」
遊び人「土日はつながらない……だと……!?」
兵士a「……おい、そこの弱そうなの」
遊び人「は!?」
兵士b「死ねやああああああああああ!!」
遊び人「ぎゃああああああああああ――!?」
……
…………
………………
遊び人「ぁぁ……俺はもうダメだ……」
遊び人「なんてこった……まだクリアしてないゲームがいっぱいあるぜ……」
遊び人「PSPのアイマス……みっつもあったからクリアしてない……」
遊び人「DSのポケモン……一人プレイでまだ200匹しかいってない……」
遊び人「PS3…………はゲーム出てなさ過ぎてなんも……あ、MGSあんまやりこんでないかな……」
89: 2009/04/06(月) 23:02:08.93 ID:fxYQW0hk0
遊び人「Wiiスポ……しんせきの子達のキャラデータが……」
遊び人「箱○……外人のオン友が……」
遊び人「あぁもうだめだ……俺のゲーム人生はわずかここ、まで……」
??「あきらめたらあかんでー」
遊び人「!? ――こ、この声はまさか!?」
91: 2009/04/06(月) 23:05:37.54 ID:fxYQW0hk0
ありのCEO「まだあきらめるのはやいでー」
遊び人「ゲ、ゲーム神――○りの課長!?」
ありのCEO「課長ちがうてwwwCEOやてwwww」
ありのCEO「あ、なんかCODとかぶるなwwwww」
*ゲームセンターCXとは一切関係ないありの『CEO』です
96: 2009/04/06(月) 23:17:53.36 ID:fxYQW0hk0
遊び人「ありのCEO! 出世ですか!?」
ありのCEO「うん。出世したwwww」
遊び人「おめでとうございます! 課長から大出世! ゲーム会の島工作!!」
ありのCEO「やめぇやーおれ課長だった頃とかないしwww」
*ゲームセンターCXとは一切関係ないありの『CEO』です
97: 2009/04/06(月) 23:20:59.32 ID:fxYQW0hk0
ありのCEO「あ、ほんでな? 今日は遊び人くんにプレゼントがあんねん」
遊び人「プレゼントですか!?」
ありのCEO「うんプレゼントwww」
ふしぎなあめ
ありのCEO「じぶんな、今レベル19やん」
遊び人「いや、知らんすけど」
ありのCEO「なんや しらんのかいwww」
ありのCEO「まぁええや。これ食べるとな、なんかレベル20になって、賢者になれるらしいで」
遊び人「プレゼントですか!?」
ありのCEO「うんプレゼントwww」
ふしぎなあめ
ありのCEO「じぶんな、今レベル19やん」
遊び人「いや、知らんすけど」
ありのCEO「なんや しらんのかいwww」
ありのCEO「まぁええや。これ食べるとな、なんかレベル20になって、賢者になれるらしいで」
100: 2009/04/06(月) 23:23:04.06 ID:fxYQW0hk0
遊び人「まじっすか!?」
ありのCEO「うん、うちの中山がゆうてたw」
AD中山「(ぺこっ)」
ありのCEO「あいっつめっちゃ人見知りやでなwww全然しゃべらんねんw」
遊び人「知ってます! いつも見てます!」
ありのCEO「あ、なんや 知っとるんかいwww」
AD東島「あ、ありのさん……」
ありのCEO「お、東島どうしたー? おまえ今日も坊主やなぁwww」
AD東島「あ、どうも……その ふしぎのあめ ――なんですけど、それ、べつのゲームのアイテ
ムだったんで……」
ありのCEO「えぇwwwまじでぇ? ちゃんと調べなあかんやんwwww」
ありのCEO「ええやんもうあげよwwwあげちゃおww」
AD東島「ええwww」
ありのCEO「あげるwwもうあげるよwww」
遊び人「いいんすか!?」
ありのCEO「あげるあげるwww」
ありのCEO「うん、うちの中山がゆうてたw」
AD中山「(ぺこっ)」
ありのCEO「あいっつめっちゃ人見知りやでなwww全然しゃべらんねんw」
遊び人「知ってます! いつも見てます!」
ありのCEO「あ、なんや 知っとるんかいwww」
AD東島「あ、ありのさん……」
ありのCEO「お、東島どうしたー? おまえ今日も坊主やなぁwww」
AD東島「あ、どうも……その ふしぎのあめ ――なんですけど、それ、べつのゲームのアイテ
ムだったんで……」
ありのCEO「えぇwwwまじでぇ? ちゃんと調べなあかんやんwwww」
ありのCEO「ええやんもうあげよwwwあげちゃおww」
AD東島「ええwww」
ありのCEO「あげるwwもうあげるよwww」
遊び人「いいんすか!?」
ありのCEO「あげるあげるwww」
105: 2009/04/06(月) 23:30:09.42 ID:fxYQW0hk0
遊び人「あざーす!」
ありのCEO「えーよえーよー」
管P「ありのさんっ よろしいでしょうか……」
⊃時計
ありのCEO「あっもう12時越えてるやんw今日も電車ないかぁ……www」
ありのCEO「もう時間ないから。ほながんばってな!」
遊び人「はい! ありがとうございます!」
ありのCEO「ほなぁ!」
ほななぁ
ほななぁ……
ほな…………
ほ………………
……………………
遊び人「はっ!?」
115: 2009/04/06(月) 23:43:20.63 ID:fxYQW0hk0
遊び人「な、なんだ、今ありの神にお会いした気がする……!?」
*遊び人が言っているのはゲームセンターCXと一切関係ないありの『CEO』の事です
*あ、オリジナルキャラクターです
116: 2009/04/06(月) 23:44:55.14 ID:fxYQW0hk0
兵士b「死ねやあああああああああああああああ!!」
遊び人「はっ……」
遊び人「(今なら――今ならなんでもできる気がする――俺!!)」
遊び人「バギマCX! オーン!!」
あそびにん の て から せんぷう が ふきだした!
兵士b「ぅぉ!?」
へいしb は ふきとばされた!
うみ に おちる!
兵士a「兵士bぃぃぃぃ――!!」
兵士c「て、てめぇ、よくも!!」
遊び人「お、おお! なんかすげぇ! 俺すっげぇ!!」
遊び人「よっしゃあ! まとめててめぇらかかって来い!! 遊び人、おーん!!」
119: 2009/04/06(月) 23:53:00.67 ID:fxYQW0hk0
× × ×
僧侶「よし! ここをこうして、こうして、こうすれば――えぃ!」
バキッ
僧侶「……」
僧侶「よ、よし! マニュアル通り!」
× × ×
魔法使い「はい、さよう――ならッ!」
海兵C「うわぁ――!?」
どっぼーん
魔法使い「また来たら今度こそ金○ま無くなるからねー!」
僧侶「出発しますよっ、いいですか!?」
魔法使い「いいわよ! さっさと出しなさい!」
僧侶「はい!」
僧侶「勇者ロトへむけ――出発!!」
僧侶「よし! ここをこうして、こうして、こうすれば――えぃ!」
バキッ
僧侶「……」
僧侶「よ、よし! マニュアル通り!」
× × ×
魔法使い「はい、さよう――ならッ!」
海兵C「うわぁ――!?」
どっぼーん
魔法使い「また来たら今度こそ金○ま無くなるからねー!」
僧侶「出発しますよっ、いいですか!?」
魔法使い「いいわよ! さっさと出しなさい!」
僧侶「はい!」
僧侶「勇者ロトへむけ――出発!!」
120: 2009/04/06(月) 23:58:28.46 ID:fxYQW0hk0
遊び人「おらおらぁ! ヒャダルコCX オーン!」
兵士a「う、うぉぉ!?」
兵士b「おい、船が陸離れだしたぞ!」
兵士c「ダメだ、撤退しろ、撤退だ!」
× × ×
兵士長「はっ! でやあ!!」
勇者「ふ、せぃ!!」
兵士長「(く――剣の振りが鋭い)」
兵士長「(似てる……あの人の剣に!)」
124: 2009/04/07(火) 00:02:06.42 ID:0gLukWXB0
兵士長「私より――似てるなんてッ!」
へいしちょう の こうげき!
しかし その けん は おおぶり だった
勇者「今ッ!」
兵士長「ッ!? しま――」
ゆうしゃ の かいしんのいちげき!
へいしちょう の けん を はじきとばした!
兵士長「くっ」
勇者「落ちろ!!」
ゆうしゃ の タックル!
兵士長「あ、うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ――!?」
へいしちょう は うみ に すいこまれて いった!
てき は ぜんめつ した!
125: 2009/04/07(火) 00:03:09.42 ID:L83gM83i0
勇者つえぇw
127: 2009/04/07(火) 00:04:40.69 ID:Tm2sbJ+X0
兵士長って事はやっぱり鎧装備してるわけで・・・海に落ちてるわけで・・・
136: 2009/04/07(火) 00:23:43.37 ID:0gLukWXB0
× × ×
数時間後……
× × ×
数時間後……
× × ×
137: 2009/04/07(火) 00:25:13.06 ID:0gLukWXB0
〈ワールドマップへ……船上にて〉
遊び人「ほんとなんだって ありの神が俺の前に現れてさ! こう! 俺に飴を……」
僧侶「神なのにくれるのは飴ちゃんなんですか……」
遊び人「ちげぇよ! 神だけどCEOなんだよ! つか課長なの! 課長代理だったこともあったけど!」
僧侶「はぁ……?」
僧侶「よくわからないけど、あなたの存在が操縦の邪魔です」
遊び人「……」
× × ×
勇者「なんだろ、早くも打ち解けてるなぁあの二人」
魔法使い「……」
勇者「あ、魔法使いこれたべる? こしょう。超高いらしいよ。まずいけど」
魔法使い「……よかったの?」
勇者「え?」
魔法使い「私の所なんかに来て」
143: 2009/04/07(火) 00:31:09.13 ID:0gLukWXB0
魔法使い「もうこりごりだったでしょ? 振り回されて」
勇者「……」
魔法使い「あたしね、自分の事きらい。皆がきらってるから。だから、きらい」
魔法使い「小さい頃からそうだったでしょ? 皆から嫌がられて、きらわれてた」
魔法使い「ロトについてったのはね、いい子になろうって思ったから。『勇者』についていって、
いい事たくさんすれば、きっと皆に好きになってもらえるって思ってた」
魔法使い「まぁ、実際アイツは、勇者に憧れた偽者だったわけだけどさ」
勇者「勇者ロト――戦士のことだよね」
魔法使い「……そうよ。思い出したのね」
147: 2009/04/07(火) 00:35:48.58 ID:0gLukWXB0
魔法使い「アンタが出発しないから、その代わりにって出発したのよ。あたしも、勇者がいない
なら別に代わりでもなんでもいいやって思ってた」
魔法使い「ロトは猪突猛進な所はあったけど、根はいい奴だった。世界中回って、たくさんの
人を助けたわ。私も、いろんな人に感謝されて、うれしかった……すごく」
魔法使い「でも途中からおかしくなっていった」
149: 2009/04/07(火) 00:41:01.01 ID:0gLukWXB0
魔法使い「ロトはね、道中で出会った女の子をね、好きになってたの」
魔法使い「商人だったわ。すごくやる気のある子でね、元気いっぱいって感じ。ロトは単純
だから、そういう娘好きなるのよね」
魔法使い「隠そうとしてるんだけど、もうバレバレ。悲しいくらいバレバレ。彼女を連れて行きたそう
だったけど、まだ若くて危険だからって断ってた」
魔法使い「目に涙浮かべてねw 笑えるわww」
魔法使い「……ある日島についたわ。お爺さんがいて、そこをおっきな街にしたいって言ってた」
166: 2009/04/07(火) 00:57:04.96 ID:0gLukWXB0
魔法使い「そこをおっきな街にしたいって言ってた。そのために、商人を一人連れてきてほし
いって。交易の手伝いをして欲しいって」
魔法使い「笑顔で別れたのよ……笑顔で」
魔法使い「なのに……」
魔法使い「旅が長くなると、だんだん私達は疲弊してきた……」
魔法使い「私達、みんなのために一生懸命戦ったわ。戦ったつもりだった。だけど、皆感謝
はしても、私達に報いる事はしなかった」
魔法使い「厳しい戦いが続いたわ。魔物に苦しめられている人を、救えなくなる事も多くなっ
た」
魔法使い「ある日、パーティーの仲間が手遅れになった」
177: 2009/04/07(火) 01:09:05.84 ID:0gLukWXB0
× × ×
魔法使い「女の僧侶だった。毒にやられてたわ。洞窟の奥地で、MPもどくけしそうもなかった」
魔法使い「最初はただの毒の症状だと思ってて、本人もそう思ってるみたいだった。もう少しで外
に出れそうだったから、外の町につくまで我慢するって言って……」
魔法使い「半分冗談みたいなものだったのよ。誰があの娘をおんぶするかで、笑ってた記憶
がある」
魔法使い「でも途中で、突然しゃべらなくなった。笑い声が聞こえなくなった。私がおぶってる
時だったわ」
魔法使い「私、ずっと気づいてなかった。彼女が意識を失ってるのに」
魔法使い「手遅れだったわ。必死に次の街に走ったけど。彼女になんどザオリクをかけても
ダメだった」
179: 2009/04/07(火) 01:16:10.35 ID:0gLukWXB0
魔法使い「その時が、もう限界だった。私達はもう世界を旅する事にも、誰かを助ける事にも
疲れてた。誰かを責めようにも、誰を責めればいいのかわからなかった」
魔法使い「毎日傷ついたり、喧嘩したり、救えなかった人々が死んでいくのを目の当たりにしたりして、
すこしづつすこしづつ壊れていってた私達の気持ちが、あの時完全に折れた」
魔法使い「その町でずっと、何日も過ごしてた。ほんとは一週間くらいだったかもしれないけ
ど、何年もいたような気がした。ずっと時間が止まってて――」
魔法使い「――私が言ったの」
魔法使い「あの島に行こう」
魔法使い「商人がいる、あの島に」
181: 2009/04/07(火) 01:22:58.69 ID:0gLukWXB0
魔法使い「商人とは笑顔で別れた。あの時、私達は笑ってた。楽しかった。悲しい別れですら、
夢と希望に満ちてた。きっと会えるって」
魔法使い「――あの頃に戻りたかったの。あの頃を、思い出したかった」
魔法使い「夜、みんなで笑って、ご飯食べたかった。朝起きて、『おはよう』って言い合いたかった。
夕方、疲れたねって言い合いながら、みんなで手をつないで寝っころがりたかった」
魔法使い「喧嘩しても、また明日になったら笑って肩を抱き合える――そう信じてた頃の私達に」
魔法使い「だけど、島に行ったのは間違いだった」
188: 2009/04/07(火) 01:33:11.08 ID:0gLukWXB0
魔法使い「島は、魔物に襲撃されてたの」
魔法使い「助けを求められた私達は、傾けた皿から水がこぼれるみたいに、ただ淡々と魔物を倒した」
魔法使い「求められるままに――商人に会いたいって、ただそれだけで」
魔法使い「みんないつのまにか、商人のあの底抜けの明るさに、会いたくて会いたくて、しかた
なくなってた」
魔法使い「特にロトはそうだったと思う。最後の敵を倒したとき、冗談飛ばしてたもの。『ここに
ぜったい、俺と商人の銅像をつくるぞ!』って。『お前らはなしだー』って――」
魔法使い「……」
魔法使い「……魔物を全部倒してから、意気揚々と私達はあの時のお爺さんに会いにいったわ」
魔法使い「なんでか土下座して待ってた。笑っちゃって、ロトが『そんなに感謝することじゃない』って
胸張りながら謙遜してたわ」
魔法使い「お爺さんは、『そうじゃない』って言った」
192: 2009/04/07(火) 01:42:42.39 ID:0gLukWXB0
魔法使い「もうね、ずっと前にね――」
魔法使い「…………」
魔法使い「……ずっと前に、魔物に脅されて供物に差し出しちゃったんだって」
魔法使い「……ずっと、ずっと前に」
魔法使い「…………」
魔法使い「…………」
魔法使い「……冗談でしょって、言えなかった」
魔法使い「私――見てたから、女の子が一人、食べられてるの」
194: 2009/04/07(火) 01:44:02.11 ID:0gLukWXB0
魔法使い「私、あの時なんにも感じてなかった」
魔法使い「麻痺してた。『あぁ、また不幸な子が一人いるわ』って、思っただけ」
魔法使い「ロトが倒したの……食べてた魔物」
魔法使い「誰も……」
魔法使い「…………」
魔法使い「…………誰も、気づいてなかった。仲間がまた一人、死んでたのに」
198: 2009/04/07(火) 01:51:11.70 ID:0gLukWXB0
魔法使い「ロトは何にも言わなかった」
魔法使い「あの頃から少しおかしくなってた盗賊も、新参者だった賢者も、誰も何も言わなかった」
魔法使い「私が一人だけ、つっかかってた。大声上げて、自分でも信じられないくらい。ほとん
ど覚えてないくらい、ずっと怒鳴ってた思う」
魔法使い「怒鳴りつかれたとき、ロトが私の肩をつかんだ」
魔法使い「あぁ止めてくれるんだって思った」
魔法使い「私はロトが猪突猛進のバカな奴だと思ってたけど、心の底では頼ってたんだって、
あの時気づいた」
魔法使い「私の前にロトが出たとき、『ロトがなんとかしてくれる』って、そう思った」
魔法使い「もう、ロトが全部解決してくれる事を祈ってた」
魔法使い「ロトは……」
魔法使い「…………」
魔法使い「…………」
魔法使い「……ロトは、剣を抜いた」
202: 2009/04/07(火) 02:00:16.84 ID:0gLukWXB0
魔法使い「人間が人間を殺すのを初めて見たわ」
魔法使い「自分の体の一部みたいに思ってたパーティーの一人が、人を殺したのを見た時
、私はもう何も考えられなくなった」
魔法使い「ロトはみんなに言った『旅を続けるぞ』って」
魔法使い「『魔王を殺す』って」
魔法使い「私は頷くしかなかった」
魔法使い「翌日から旅は再開したけど、私は頭の芯が凍ってるみたいに何も考えられなか
った」
魔法使い「だんだん賢者がロトに接近して、おもちゃみたいにロトを愛し始めてたけど、私は
なんとも思わなかった」
魔法使い「賢者の加入で後衛の私の存在価値は薄くなってた」
魔法使い「ある日私はパーティーを抜けた。私がいる意味、なかったから」
208: 2009/04/07(火) 02:08:22.83 ID:0gLukWXB0
魔法使い「ロトが魔王を倒したって話を聞いたとき、少し期待したてたの。ロトが元に戻って
るんじゃないかって」
魔法使い「だから一番人がよさそうなアンタをパーティーに誘い込んで、アリアハンを出たの」
魔法使い「……一人で行く勇気が、なかったから」
× × ×
勇者「……」
魔法使い「……私の話は、これでおしまい。後はアーリアに帰ったら、誰も私って気がつかなか
ったくらいかな」
勇者「……」
魔法使い「ごめん、同情を引くような話して」
魔法使い「……」
魔法使い「……なんで話したんだろ。でも、話せてよかった。ずっと引っかかってたから」
勇者「そっか……」
るんじゃないかって」
魔法使い「だから一番人がよさそうなアンタをパーティーに誘い込んで、アリアハンを出たの」
魔法使い「……一人で行く勇気が、なかったから」
× × ×
勇者「……」
魔法使い「……私の話は、これでおしまい。後はアーリアに帰ったら、誰も私って気がつかなか
ったくらいかな」
勇者「……」
魔法使い「ごめん、同情を引くような話して」
魔法使い「……」
魔法使い「……なんで話したんだろ。でも、話せてよかった。ずっと引っかかってたから」
勇者「そっか……」
211: 2009/04/07(火) 02:17:26.33 ID:0gLukWXB0
勇者「……魔法使い」
魔法使い「何よ……」
勇者「こしょう、食べようよ」
魔法使い「……」
魔法使い「……まずいんでしょ、それ」
勇者「でも高いらしいよ」
魔法使い「…………」
魔法使い「……しょうがないわね!」
サラサラー
勇者「あ――魔法使い」
魔法使い「はによ」
魔法使い「……――っ!?!?」
215: 2009/04/07(火) 02:22:21.33 ID:0gLukWXB0
魔法使い「けっほ! けっへ、けっへ!」
勇者「まずいって言ったじゃん。なんで全部食べるのさ」
魔法使い「あんたが食べろって言ったんでしょ……!?」
勇者「全部とは言ってないじゃん。はい、水」
魔法使い「ほんっとあんた――けっほ、けっほ!」
勇者「……」
魔法使い「これ……けっへ! これ、調味料じゃないの? 単品で食べるもんじゃないでしょこれは……」
勇者「……魔法使い」
217: 2009/04/07(火) 02:25:56.25 ID:0gLukWXB0
魔法使い「んぐ、んぐ――なによ?」
勇者「これ……」
ゆうしゃ は めがみのゆびわ を てにした!
魔法使い「あ――」
魔法使い「……」
魔法使い「わるかったわね、あの時は。ロトがふざけて書いた落書き見て、動揺してて……」
魔法使い「……とにかく! あやまるのは謝ったから! 素直にもらってあげるわよ!」
勇者「いや、あげるなんて誰も言ってないけど」
勇者「これ……」
ゆうしゃ は めがみのゆびわ を てにした!
魔法使い「あ――」
魔法使い「……」
魔法使い「わるかったわね、あの時は。ロトがふざけて書いた落書き見て、動揺してて……」
魔法使い「……とにかく! あやまるのは謝ったから! 素直にもらってあげるわよ!」
勇者「いや、あげるなんて誰も言ってないけど」
218: 2009/04/07(火) 02:29:58.27 ID:0gLukWXB0
魔法使い「……は?」
勇者「ロトに勝ったらあげるよ。記念に」
魔法使い「はぁ?」
勇者「ただであげるなんておかしいじゃん。対等の仲間なんだし」
魔法使い「――――」
魔法使い「……そうね、おかしいかもね」
勇者「うん、おかしいよ」
魔法使い「(対等ね……ま、少しは認めてあげてもいいかもね)」
勇者「おかしい、おかしい」
魔法使い「そうね、おかしいおかしい……ふふ」
遊び人「おかしいのはお前らだ、気色悪ぃ」
勇者「ロトに勝ったらあげるよ。記念に」
魔法使い「はぁ?」
勇者「ただであげるなんておかしいじゃん。対等の仲間なんだし」
魔法使い「――――」
魔法使い「……そうね、おかしいかもね」
勇者「うん、おかしいよ」
魔法使い「(対等ね……ま、少しは認めてあげてもいいかもね)」
勇者「おかしい、おかしい」
魔法使い「そうね、おかしいおかしい……ふふ」
遊び人「おかしいのはお前らだ、気色悪ぃ」
223: 2009/04/07(火) 02:37:27.20 ID:0gLukWXB0
勇者「ぅわ! 遊び人!?」
魔法使い「ちょ、ちょっと後ろにいるなら言いなさいよ!」
遊び人「んだとてめぇ、まず最初に口にすべきは俺への謝罪だろがクソが」
魔法使い「なんでアンタにあやまんなきゃいけないのよ悪ガキ」
遊び人「寒い牢獄の中でなぁ、勇者がお前を見限る中、俺は最後までお前を信じて待って
たんだぞ! お前を、信じて!」
勇者「(うそっぱちじゃん……)」
魔法使い「あんたが人を信じるとかちゃんちゃらおかしいわよ」
僧侶「衛兵とやり取りしてる間話を聞いてましたけど、あなた最初から魔法使いって人を
ボロッカスに言ってましたけど」
遊び人「……」
勇者「(しかもすぐばれてる……)」
225: 2009/04/07(火) 02:41:03.61 ID:0gLukWXB0
僧侶「あら、こしょうじゃないですか! とってもおいしいんですよね、これ」
勇者「うそだぁ、すっごいまずかったし」
僧侶「あら、おいしいのに」
遊び人「何だそれ。ちょっと食わせてみ」
僧侶「はい、どうぞ」
遊び人「あーん」
サラサラサラサラサラ――
魔法使い「……」
勇者「……」
魔法使い「……さ、今後の方針立てるわよ」
229: 2009/04/07(火) 02:55:57.13 ID:0gLukWXB0
僧侶「とりあえず船の行く先を聞きたいのですが……」
魔法使い「イシスを離れるときロトが言ってるのを聞いたわ。カザーブを経由してから、バラ
モス城へ行くって」
勇者「バラモス城?」
魔法使い「魔王バラモスがすんでた城よ。ホントは船ではいけないけど、勇者達が船で移動
してるトコみると、行けるんでしょうね」
僧侶「地図では……この辺ですか。半日もかからずつくと思いますよ、小型の高速艇ですか
ら、この船」
230: 2009/04/07(火) 02:57:12.29 ID:0gLukWXB0
勇者「夕方ごろに到着、かぁ」
魔法使い「雲行きが怪しくなってるから、早く向かいたいところね」
遊び人「――!?!? ――!? ――!?!?!?」
魔法使い「さっきからドタバタ走ってうるさいわねコイツ……」
勇者「たぶん水って言ってるんだと思う」
僧侶「あ、そこのバケツに……」
遊び人「ん――!!!!」
カバッ ゴク、ゴク、ゴク――――
僧侶「海水が……」
遊び人「ぶ――――ッ!!」
235: 2009/04/07(火) 03:10:25.69 ID:0gLukWXB0
〈バラモス城――〉
群集A「どこなんだここは……」
群集B「どうなるの私たち……」
群集C「大丈夫私がついてる……」
群集D「おとーさーんおかーさーん あー!」
群集E「魔物が空を飛んでるぞ――」
群集F「こんな所まで連れてきてどうするつもりなんだ……!?」
× × ×
賢者「ロト! 言われたとおり中庭に人間集めておいたわよ!」
盗賊「ひひ、ひひひw」
ロト「よくやった――向かおう」
賢者「ねぇ、あいつらどうすんの? 殺すの?」
ロト「ただ殺すわけじゃない」
ロト「私がこの城の新しい主であると知らしめる磔となってもらおう」
群集A「どこなんだここは……」
群集B「どうなるの私たち……」
群集C「大丈夫私がついてる……」
群集D「おとーさーんおかーさーん あー!」
群集E「魔物が空を飛んでるぞ――」
群集F「こんな所まで連れてきてどうするつもりなんだ……!?」
× × ×
賢者「ロト! 言われたとおり中庭に人間集めておいたわよ!」
盗賊「ひひ、ひひひw」
ロト「よくやった――向かおう」
賢者「ねぇ、あいつらどうすんの? 殺すの?」
ロト「ただ殺すわけじゃない」
ロト「私がこの城の新しい主であると知らしめる磔となってもらおう」
324: 2009/04/07(火) 13:28:13.48 ID:0gLukWXB0
× × ×
数時間後……
× × ×
遊び人「うおおおお! 船揺れるぅぅぅ!!」
魔法使い「く――やっぱり嵐に巻き込まれちゃったか……!」
勇者「うわっうわっ落ちる……!?」
僧侶「しっかりつかまってて下さい! 目的地までもうすぐですから!!」
遊び人「何時間も前から同じ事言ってんじゃねぇかお前! あっちこっちグルグル回りやが
って!!」
僧侶「そ、それは地図が間違ってたからで……」
勇者「うそだ! 絶対うそだ!」
僧侶「と、とにかく今度こそもうすぐですから!」
魔法使い「船がばらばらになる前にバラモス城に向かうのよ! 急ぎなさい!」
数時間後……
× × ×
遊び人「うおおおお! 船揺れるぅぅぅ!!」
魔法使い「く――やっぱり嵐に巻き込まれちゃったか……!」
勇者「うわっうわっ落ちる……!?」
僧侶「しっかりつかまってて下さい! 目的地までもうすぐですから!!」
遊び人「何時間も前から同じ事言ってんじゃねぇかお前! あっちこっちグルグル回りやが
って!!」
僧侶「そ、それは地図が間違ってたからで……」
勇者「うそだ! 絶対うそだ!」
僧侶「と、とにかく今度こそもうすぐですから!」
魔法使い「船がばらばらになる前にバラモス城に向かうのよ! 急ぎなさい!」
327: 2009/04/07(火) 13:37:46.32 ID:0gLukWXB0
みし……みしみし……
遊び人「うぉい! マストがなんかやばい音立てってぞ!!」
勇者「帆をたとまないと折れちゃうよ!」
魔法使い「ダメよ! たとまずにこのまま行くの!!」
遊び人「ふざけんなよ海の上で殺す気か!?」
魔法使い「ロトはイシスから人々を連れ去ってた! 彼らをどうにかする気なのよ! 急がな
いと手遅れになるかもしれない!」
遊び人「俺達が先にくたばっちまうぜ……」
328: 2009/04/07(火) 13:41:25.92 ID:0gLukWXB0
僧侶「く……舵が上手く……!」
勇者「僧侶大丈夫!?」
僧侶「ごめんなさい、手伝ってもらえますか!?」
勇者「わかった! どうすればいい!?」
僧侶「舵が重くて―― 一緒に引いてください!」
勇者「よし、せーのッ!」
ぎぎぎ……ぎぎぎぎ……
僧侶「やった……動きました!」
勇者「よし! この調子で――」
魔法使い「正面からキラーウェーブ!!」
勇者・僧侶「!?」
330: 2009/04/07(火) 13:48:08.14 ID:0gLukWXB0
キラーウェーブA・B・C・D・E『ボオオオオオオオオオオオオオオオ――!!』
遊び人「何匹いんだよありゃぁ!?」
魔法使い「このままじゃ正面衝突するわよ!」
僧侶「く……舵が上手く効かないっていうのに――!」
勇者「あきらめちゃダメだ! 上手く舵取りしてあいつらを避けるしかない!」
遊び人「ま、マジかよ! 一列に来てんのにどうやって避けんだよ!? 直角に曲がっても
避けらんねぇって!!」
魔法使い「だからあたし達で突破口つくんのよ――こっち来なさい!!」
332: 2009/04/07(火) 14:01:55.65 ID:0gLukWXB0
魔法使い「ありったけの魔法叩き込みなさい! あいつらの隊列を乱すのよ!」
まほうつかい は へさき に たち つえ を かまえた!
遊び人「わ、バカ落ちるってんなトコ!?」
魔法使い「あんたも来んのよ!!」
遊び人「ウソぉ!?」
334: 2009/04/07(火) 14:03:11.93 ID:0gLukWXB0
魔法使い「いくわよ! マヒャd――」
ぐらぁ
魔法使い「!?」
遊び人「うわっ! イテッ! すっげぇ揺れた!! 落ちる!」
あそびにん は あし を すべらせた!
遊び人「うぉッ!?」
魔法使い「遊び人!」
まほうつかい は すんで の ところ で て を つかんだ!
しかし ふね が ゆれる!!
遊び人「落ちる! 落ちる!!」
魔法使い「ちょっと何してんのよ僧侶達! しっかり舵取りしなさい!!」
× × ×
僧侶「そ、そんな事言われても――くぅぅ!」
339: 2009/04/07(火) 14:06:35.11 ID:0gLukWXB0
勇者「何もしなくても舵が乱れる――」
みしみし……みしみしみし……
僧侶「ま、マストが――」
勇者「正面だけを見て! 今は考えちゃダメだ!!」
みしみし……みし……
× × ×
魔法使い「ほらしっかりしなさい!」
遊び人「く、くそぉ……!」
あそびにん は なんとか へさき に のぼった!
キラーウェーブ『ズオオオオ大オオオオオオオオオオオオオオオオ――!!』
遊び人「くそ! ますます近づいてやがる!!」
魔法使い「迎撃するわよ! マヒャド!!」
遊び人「め、メラミ オーン!!」
344: 2009/04/07(火) 14:14:14.95 ID:0gLukWXB0
かきゅう と ふぶき が キラーウェーブ たち に おそいかかる!
キラーウェーブB に 80 の ダメージ!
キラーウェーブABCDE に 108 の ダメージ!
キラーウェーブB「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ……」
キラーウェーブB が かいちゅう に 沈む!
346: 2009/04/07(火) 14:16:37.07 ID:0gLukWXB0
遊び人「よっしゃあ!」
魔法使い「ダメよ! 海中に隠れただけ!!」
遊び人「マジかよ!? やっただろ今のは――」
キラーウェーブB「ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
魔法使い「!?」
遊び人「うぉわ!?」
勇者「僧侶伏せて!」
僧侶「きゃああ!?」
キラーウェーブ の こうげき!
おおつなみ が だくりゅう と なって ふね を のみこむ!
ふね に 170 の ダメージ!
ふね の マスト が おおきく かたむく!
僧侶「だめ! 折れちゃう!」
みしみしみしみしみし――!
349: 2009/04/07(火) 14:22:49.07 ID:0gLukWXB0
遊び人「大丈夫か!?」
勇者「――まだだ! まだ行ける!」
僧侶「迎撃を続けてください!」
魔法使い「く――あと一発でも食らったらばらばらになるわよこのオンボロ船!」
遊び人「や、やるしかねぇ!!」
350: 2009/04/07(火) 14:24:01.82 ID:0gLukWXB0
魔法使い「ばらばらに攻撃してちゃダメよ! 一斉に同じ敵に攻撃するの!」
遊び人「よっしゃわかった! 任せろ!!」
魔法使い「いくわよ――――左から三番目!!」
遊び人「メラミ オーン!!」
魔法使い「メラ――ゾーマ!!」
だいしょう ふたつ の かきゅう が いっせい に とびだした!
352: 2009/04/07(火) 14:28:03.84 ID:0gLukWXB0
キラーウェーブC「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
キラーウェーブC に 82 の ダメージ!
キラーウェーブD「ゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?」
キラーウェーブD に 187 の ダメージ!
魔法使い「ちょっとバラバラじゃない!?」
遊び人「お前が左から三番目っつったんだろが!!」
魔法使い「あれは右から四番目よ!!」
353: 2009/04/07(火) 14:31:31.42 ID:0gLukWXB0
キラーウェーブA「オオオオオオオオオォォォォォォォ……」
遊び人「お前の指示がむちゃくちゃなんだよ!」
魔法使い「あんたに指示されるよかマシだってのよ!!」
勇者「――なにやってんの二人とも!? 一匹海にもぐったよ!」
遊び人「何!? どこだ! どこに行った!」
魔法使い「あんた達船につかまっ――」
キラーウェーブA・B『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
魔法使い・遊び人「!?」
勇者「うわぁ!?」
僧侶「きゃああ――!」
355: 2009/04/07(火) 14:34:32.14 ID:0gLukWXB0
魔法使い「バギクロス!」
遊び人「イオラ オーン!」
キラウェーブA「グオオオオオオオオオオオオオオオオ!?」
キラーウェーブA に 97 の ダメージ!
キラーウェーブB「オオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」
キラーウェーブB に 54 の ダメージ!
キラーウェーブ たち は かいちゅう に もぐった!
魔法使い「やっぱあたし達バラバラの方が息合うわ!」
遊び人「まったくだ――メラミだコラー!!」
魔法使い「イオナズン!!」
362: 2009/04/07(火) 14:55:05.80 ID:0gLukWXB0
勇者「よし! 隊列が少しずつ乱れてきてる! 舵取りで間をすりぬけよう!」
僧侶「――勇者さん!」
勇者「何!? く――やっぱり舵が重い……!」
僧侶「これを……」
そうりょ は くさなぎのけん を さしだした!
367: 2009/04/07(火) 15:04:23.07 ID:0gLukWXB0
勇者「これ……?」
僧侶「父の剣です。本当は形見として持っておこうかと思っていたんですが……」
僧侶「……このまま船が沈んだら皆バラバラになります。私が持つより、あなたが持っていた方がお役に
立てると思いますから」
勇者「これ……ありがとう――でも、それは持ってて」
僧侶「え! だって――;」
勇者「僕にはこれがあるから」
ひのきのぼう
僧侶「だけど今後そんな武器じゃ――」
勇者「僕は師匠から、その剣よりももっと大事な『剣』を受けついだ――と思う。だからこれ以
上はもらえない」
遊び人「おいコラァ! 何してんだまた船がゆれてっぞ!!」
勇者「わかってる! ――やろう! ここを抜けるんだ!!」
僧侶「は――はい!」
383: 2009/04/07(火) 16:08:38.78 ID:0gLukWXB0
〈バラモス城〉
群集A「嵐だどうなるんだ俺達は……」
群集B「もう嫌……家に帰りたい!」
群集C「落ち着くんだ、すぐに雨はやむ」
群集D「雷が落ちてきそうだ……」
群集E「空を飛んでる魔物が喜んでるぜ」
群集F「……あ! おい! あれは!」
群集G「エントランスから人が……!?」
× × ×
ロト「聞け、民よ。人の子よ」
× × ×
群集A「ロトだ……勇者ロトだぞ!!」
群集B「勇者様だわ! 勇者様が助けに来てくれた!」
群集C「勇者殿! どうかこの子を! この子をお助けください!!」
群集D「勇者様ー!」
群集E「助けてくれー!」
群集F「勇者ぁ――!」
× × ×
賢者「あらあら……」
盗賊「きひ……きひひ……www」
群集A「嵐だどうなるんだ俺達は……」
群集B「もう嫌……家に帰りたい!」
群集C「落ち着くんだ、すぐに雨はやむ」
群集D「雷が落ちてきそうだ……」
群集E「空を飛んでる魔物が喜んでるぜ」
群集F「……あ! おい! あれは!」
群集G「エントランスから人が……!?」
× × ×
ロト「聞け、民よ。人の子よ」
× × ×
群集A「ロトだ……勇者ロトだぞ!!」
群集B「勇者様だわ! 勇者様が助けに来てくれた!」
群集C「勇者殿! どうかこの子を! この子をお助けください!!」
群集D「勇者様ー!」
群集E「助けてくれー!」
群集F「勇者ぁ――!」
× × ×
賢者「あらあら……」
盗賊「きひ……きひひ……www」
388: 2009/04/07(火) 16:17:20.30 ID:0gLukWXB0
群集「勇者! 勇者! 勇者! 勇者!」
× × ×
ロト「諸君。……哀れだな」
× × ×
群集「勇者! 勇者! 勇者! 勇者!」
× × ×
ロト「お前達はそうやって、餌を求めて口を開くことしか知らない」
ロト「お前達は俺達の善意を食うだけの能力しかない。与えられるだけの道徳心しか持たない」
390: 2009/04/07(火) 16:24:04.35 ID:0gLukWXB0
× × ×
群集A「勇者! 勇者……?」
群集B「な、なんだか様子が変だわ……」
群集C「おい! 御託はいいから早く助けてくれよ!」
群集D「そうだそうだ!!」
群集E「見てないで助けてー!」
群集F「この子を! この子を先に助けてくれ!」
×××
ロト「……」
ロト「最後の審判の時は来た」
ゆうしゃ は ぶき を てにした
ロト「死して悔い改めろ。この地で朽ちた他の人間どもと同じようにな」
そらたかく に その けん を かかげる
ルビスのけん を
群集A「勇者! 勇者……?」
群集B「な、なんだか様子が変だわ……」
群集C「おい! 御託はいいから早く助けてくれよ!」
群集D「そうだそうだ!!」
群集E「見てないで助けてー!」
群集F「この子を! この子を先に助けてくれ!」
×××
ロト「……」
ロト「最後の審判の時は来た」
ゆうしゃ は ぶき を てにした
ロト「死して悔い改めろ。この地で朽ちた他の人間どもと同じようにな」
そらたかく に その けん を かかげる
ルビスのけん を
399: 2009/04/07(火) 16:32:53.75 ID:0gLukWXB0
× × ×
ルビスのけん が まっか な かがやき を はなつ!
あんこく の そら に らいごう とどろく!
群集B「きゃああ――!?」
群集A「な、なんだ!?」
ロト「正義の光に飲まれ、消しくずとなれ人間ども」
そら が かがやく!
ひかり が しゅうそく する!
うずまく ひかり のはしら が せんこう を はなつ!
ロト「ギガデインッ!!」
ルビスのけん の ちから が ぼうそう する!
ロト の ギ ガ デ イ ン
401: 2009/04/07(火) 16:41:18.98 ID:0gLukWXB0
じめん を つらぬく ひかり の やり!
ぐんしゅう を のみこむ!
群集A「ぐあああああああああ!!」
群集B「きゃああああああああああ!!」
群集C「わ、わああああああああああああ!?」
群集D「に、逃げて――きゃああああああああ!?」
群集E「ママーママーぁぁぁぁ――…………」
群集F「や、やめろ――うわあああああああ!?」
群集a「な、なんだ!? どうなってんだ!?」
群集b「ゆ、勇者が……勇者がやったのか!?」
群集c「そんな……なぜ勇者様が――」
群集d「や、やめろぉ! やめてくれえ!」
群集e「お願いだ! まだ死にたくない!!」
404: 2009/04/07(火) 16:50:27.14 ID:0gLukWXB0
× × ×
賢者「あっははw 命乞いしてるわ!」
盗賊「キヒ――! ひひ! ひひひひwww!」
ロト「……」
ロト「(――あの娘が命を命を乞いた時、お前達は一片の慈悲でも見せたか……!?)」
ロト「(自らを哀れむことをやめ、人の命を奪う意味を考えたか……!?)」
ロト「(商人……)」
賢者「あっははw 命乞いしてるわ!」
盗賊「キヒ――! ひひ! ひひひひwww!」
ロト「……」
ロト「(――あの娘が命を命を乞いた時、お前達は一片の慈悲でも見せたか……!?)」
ロト「(自らを哀れむことをやめ、人の命を奪う意味を考えたか……!?)」
ロト「(商人……)」
405: 2009/04/07(火) 16:52:32.71 ID:0gLukWXB0
ロト「――これは断罪であるッ!!」
ロト「――これは死した仲間の断末魔である!!」
ロト「――そしてこれは、我が復讐である!!」
ロト「ここに逃げ場は無く――
――――私に、慈悲は無いッ!!」
406: 2009/04/07(火) 16:54:42.17 ID:0gLukWXB0
ロト「罪を贖え! ギガ――!!」
407: 2009/04/07(火) 16:55:56.07 ID:0gLukWXB0
??「やめろおおお――!!」
409: 2009/04/07(火) 16:59:11.92 ID:0gLukWXB0
ロト「!?」
勇者「勇者ロト! お前の好きにはさせないぞッ!!」
遊び人「あぁ! それ俺が言いたかったのにー!」
魔法使い「ロト! こんな事やめなさい!!」
僧侶「我父の仇ッ!」
× × ×
賢者「あーらあら――」
盗賊「きた――きた――www!」
賢者「思ったより早く来ちゃった」
ロト「(来たか、勇者……!)」
ろと は えみ を うかべた!
410: 2009/04/07(火) 17:05:38.26 ID:0gLukWXB0
魔法使い「ロト! いい加減バカな事やめてアリアハンに帰るのよ!」
遊び人「そうだそうだ! こっちはお前のせいで船ごと沈むところだったんだぞコラァ! クソしょっぺえ!!」
勇者「こんな復讐に意味は無い! やめるんだ!!」
僧侶「まず自分の罪を贖いなさい! 勇者ロト!!」
× × ×
ロト「丁重に断ろう、アリアハンの勇者、そしてそのパーティーよ!」
賢者「はぁい。高いところから見下ろすってとっても気持ちいいわぁ」
盗賊「きひw! きひw! ころす! ころす!!」
ロト「私に人の言葉など通じない。止めれるものなら、止めてみろ勇者」
ロト は ルビスのけん を かかげた!
418: 2009/04/07(火) 17:11:24.62 ID:0gLukWXB0
魔法使い「ルビスの剣――!?」
遊び人「なんだありゃ、やばいのか?」
魔法使い「やばいなんてもんじゃないわよ! アレ使われたら私達も一発で消し炭よ!」
勇者「だったら、なんとしても止めないと!」
僧侶「でもバルコニーまでどうやって行くんです!?」
魔法使い「――っ、勇者!」
勇者「うん!」
魔法使い「一か八か賭けるわよ! 失敗したら、アンタ死ぬ!」
遊び人「お、おいおいおい!」
勇者「――任せて!」
遊び人「お前もおいおい!!」
魔法使い「やるしかないのよ! 腹ぁくくりなさい――世界を救う、これが最後のチャンスよ!」
420: 2009/04/07(火) 17:18:08.98 ID:0gLukWXB0
ロト「勇者……今お前と私の前には、努力や実力だけでは超えられない、高すぎる壁があるぞ」
ロト「どうする……勇者!?」
ルビスのけん が かがやき を はなつ!
× × ×
魔法使い「いいわね! タイミング合わせなさいよ!」
僧侶「はい!」
遊び人「お、おう!!」
勇者「うん!」
勇者「いくぞ――!!」
427: 2009/04/07(火) 17:32:14.75 ID:0gLukWXB0
ゆうしゃ が ぜんりょく で かけだした!
勇者「うわああああああああああああ――!!」
魔法使い「僧侶!」
僧侶「はいっ! ピオリム!!」
ゆうしゃ の からだ が かるくなる!
すばやさ が あがった!
428: 2009/04/07(火) 17:36:55.89 ID:0gLukWXB0
勇者「とと――このおおおおおおおおおお!!」
遊び人「つまずきそうになってんぞ大丈夫かあいつ……」
魔法使い「ちょっとあんたと私の番よ!?」
遊び人「あやっべぇ!」
魔法使い「今度こそ同時にいくわよ!」
遊び人「よっしゃあ!」
魔法使い・遊び人『せーの――!!』
431: 2009/04/07(火) 17:41:59.14 ID:0gLukWXB0
賢者「あーらッ、させないわよ!」
遊び人「げぇ!」
魔法使い「来たわねバカ女!」
賢者「イオナズン!」
けんじゃ が はじき だした ひかり の たま が はじける!
むすう の ひかり が まほうつかい たち を おそう!
魔法使い「マホカンタ!」
まほうつかい は ひかり の たて を てんかい する!!
434: 2009/04/07(火) 17:45:00.93 ID:0gLukWXB0
賢者「それは無駄ってわからないかしら!?」
魔法使い「わかってるからこっちは囮よバカ女!!」
賢者「!?」
僧侶「こっちです! ――バシルーラ!!」
とっぷう が けんじゃ を おそう!
賢者「きゃ――!?」
けんじゃ は ふきとばされた!!
437: 2009/04/07(火) 17:52:08.90 ID:0gLukWXB0
僧侶「ざまあみろです!」
遊び人「よっしゃあ行くぜ魔法使い、勇者!」
魔法使い「わかってるわよ!!」
勇者「ちょ、ちょっと待った!!」
遊び人「!?」
× × ×
盗賊「きひひひひひひひひひひひひひぃぃぃぃ――――!!」
勇者「うわぁ!」
とうぞく が そら から ふりかかって きた!
とうぞく の ナイフ を ふりおとす こうげき!
440: 2009/04/07(火) 17:58:43.19 ID:0gLukWXB0
勇者「と、止まれるかぁあああああああああ!!」
ゆうしゃ は 走る!
すんで の ところ で かいひ!
とうぞく の わき を くぐり ぬけ かける!!
盗賊「キヒヒヒヒヒにがさないッ!!」
とうぞく が おう!
あし が はやい!
勇者「(追いつかれる――!?)」
442: 2009/04/07(火) 18:03:54.79 ID:0gLukWXB0
盗賊「ひひひひひひ! つかまえ――」
勇者「こ、これでも――食らえ!!」
ゆうしゃ は 『こしょう』 を なげつけた!!
バフッ
盗賊「!? けほ! ひひ――!? くしゅっ! くしゅ!?」
勇者「今だ!!」
× × ×
遊び人「おぅ!」
魔法使い「いっくわよ――!!」
遊び人・魔法使い『せ――のッ』
遊び人・魔法使い『バギクロス!!』
444: 2009/04/07(火) 18:10:39.65 ID:0gLukWXB0
ふきあれる ぼうふう が ゆうしゃ の せ を おしあげる!
ゆうしゃ は ひのきの ぼう を ひきぬいた! かまえる!!
勇者「ぅわあああああああああああああああ――――!!」
ゆうしゃ は てんたかく まいあがった!!
× × ×
ロト「間に合わなかったな勇者! ギガ――」
階下 から とつじょ あらわれる ゆうしゃ!
ロト「! 来たか!」
ろと に とびかかる!!
445: 2009/04/07(火) 18:12:00.41 ID:0gLukWXB0
勇者「ロトおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――!!」
ロト「ハッ――ハハハハハハハハハ――――!!!!」
ロト は ルビスのけん を かまえた !
ぶつかりあう ふたつの 『けん』 !!
592: 2009/04/08(水) 00:19:16.36 ID:ra5qMFEr0
うちあう ちから が きっこう する!
はげしい つばぜりあい!
ロト「よく来たな! それでこそ我が前に立ちふさがるにふさわしい!!」
勇者「黙れッ!」
ロト「お前の顔を見ると憎しみが歪んだ笑みに転じる! お前を叩き潰す事、どれだけ心待ちにしたか――!!」
勇者「やれるもんなら、やってみろ!!」
ゆうしゃ の まわしげり!
ロト は すばやく とびすさる!
ゆがんだ えみ を うかべる ロト!
おくば を かみしめる ゆうしゃ!
ロト「俺とお前、どちらが死ぬかで世界の命運は決まる!」
ロト「――ガキの頃の復讐をしてみろよ……勇者!!」
勇者「――っ!」
どうじ に じめん を ける!!
600: 2009/04/08(水) 00:31:13.40 ID:ra5qMFEr0
ふたり の けん が はげしく こうさく する!
とびちる ひばな と き の はへん!
とどろく けんげき の ひめい!
ロト「ハッ! セェアッ!!」
勇者「ぅ――く、この――ゼェアアアア!!」
たがい に けん を はじきあう こうぼうせん!
604: 2009/04/08(水) 00:33:04.08 ID:ra5qMFEr0
ロト の すばやい ふみこみ!
勇者「く――!?」
まあい を つめられ こうたい する ゆうしゃ!
ロト「どうした勇者ッ!? バルコニーにはッ! そんなッ! 距離をッ! とるようなスペースは――無いぞッ!!」
勇者「だまッ――れいッ!!」
ロト「ほぅらもう一歩ッ!!」
ロト の すばやい つき!
ゆうしゃ は おもわず いっぽ こうたい!
しかし はいご を さく が ふさぐ!
607: 2009/04/08(水) 00:39:17.10 ID:ra5qMFEr0
ロト「ハァ! ゼイ!!」
勇者「ぅ、く――!?」
ロト の けんげき が さらに おもく なった!
ゆうしゃ を おそう おもい しょうげき!!
ロト「いっそッ! そこからッ! 飛び降りたらッ! 楽に、慣れるぞ!!」
勇者「黙――れぇぇぇッ!!」
ゆうしゃ の すき を つく まわしげり!
ロト「愚か者がぁ!!」
しかし ロト は その あし を とった!
608: 2009/04/08(水) 00:40:36.74 ID:ra5qMFEr0
勇者「!?」
ロト「ゼリャアアアアア!!」
勇者「うわあああ――!?」
ゆうしゃ の あし を つかみ なげとばす ロト!
じょうへき に たたきつけられる!
ゆうしゃ に かいしん の いちげき!!
611: 2009/04/08(水) 00:48:21.29 ID:ra5qMFEr0
ゆうしゃ の ろっこつ が へし おれる!
勇者「ぐ、く……」
ロト「二度同じ手で攻めるのは下策もいいところだろ、勇者?」
ゆか に おちた ゆうしゃ に ロト が あゆみ よる!
しかし ゆうしゃ は くつう に うめき たてない!
勇者「ぅ、く――」
ロト「由緒ある家柄といえどこの程度か、勇者。偽者の俺にも勝てないか?」
ロト が ルビスのけん を かまえる!
613: 2009/04/08(水) 00:49:35.58 ID:ra5qMFEr0
ロト「あのまま家に閉じこもっていればいいものを――お前の大嫌いな世界が俺に焼き滅ぼ
される様を、暗い部屋で震えてみていればよかったのにな」
勇者「……ッ!」
ロト「くやしくても立てないだろう? ぬるま湯に長くつかりすぎたお前の体ではそれが限界なんだよ」
ふした ゆうしゃ に けん を 向ける!
わずか に かお を あげる ゆうしゃ!
ロト「この地でゴミのように果てろ、勇者」
ロト が けん を ふりおろす!!
619: 2009/04/08(水) 00:55:53.49 ID:ra5qMFEr0
勇者「く……おおおおおおおおおおおお――!!」
ゆうしゃ が からだ を はねおこす!
ロト「む――!?」
勇者「落ちろぉぉぉぉぉぉ――!!」
ゆうしゃ の かいしん の タックル!
ロト に からだ ごと つっこむ!!
ロト「ぬぉ――ぐおおおおおおおおおおおおお――!?」
勇者「うわああああああああああああああ――!?」
もみあう ふたり!
そのまま さく を こえ はるか とおくはなれた ちじょう へ きゅうこうか!!
629: 2009/04/08(水) 01:04:58.80 ID:ra5qMFEr0
勇者「うわああああああああああああ――!?」
ロト「ぬおおおおおおおおおおおおおお――!?」
× × ×
魔法使い「!? ――勇者!?」
賢者「ロト!」
魔法使い「く――僧侶!」
僧侶「は、はいっ――バシルーラッ!」
賢者「バシルーラッ!」
× × ×
649: 2009/04/08(水) 01:16:24.22 ID:ra5qMFEr0
バシルーラ の こうか で ちじょう から とっぷう が ふきあがる!
ゆうしゃ と ロト が ちじょう に ころがり おちる!
勇者「く――うわあああああああああ!!」
ロト「っ――おおおおおおおおおおお!!」
たがい に かけより ふたたび うちあい を はじめる!
658: 2009/04/08(水) 01:22:14.88 ID:ra5qMFEr0
× × ×
盗賊「きひひひひ! ゆうしゃ! ゆうしゃ! にがさ、ないッ!」
遊び人「おーと行かせるかキティガイッ!」
あそびにん が あらわれた!
盗賊「きひひひ! ゲーム、ゲームの! 邪魔するな!!」
遊び人「ゲームぅ? 何がゲームだクソてんす野郎。ゲームなめんてんじゃねぇよ」
盗賊「ころすころす! じゃまするの殺す!!」
遊び人「おぅ上等だやってみろ。本当のゲームって奴を教えてやるってんだよッ!」
とうぞく が あそびにん に おそいかかる!
662: 2009/04/08(水) 01:27:26.17 ID:ra5qMFEr0
遊び人「おらぁメラミ オーン!!」
とうぞく に おそいかかる かきゅう!
盗賊「キヒヒヒヒヒッ!!」
しかし とうぞく は すばやく かいひ!
あそびにん に にくはく する!
遊び人「んじゃこいつはどうだ!? イオラ オーン!!」
とうぞく の あしもと を おそう れんぞく ばくはつ!
しかし とうぞく は ばくてん で よける! よける! よける!
遊び人「クソ猿がぁ――」
盗賊「キヒヒヒヒヒヒ――ゲームゲーム! ころす!!」
とうぞく が ふたたび かけだした!
665: 2009/04/08(水) 01:32:27.52 ID:ra5qMFEr0
遊び人「だぁクソやっべぇ! 最終奥義だキティガイ野郎!」
遊び人「バギクロスッ!!」
ぷすん
667: 2009/04/08(水) 01:36:17.24 ID:ra5qMFEr0
遊び人「あ……?」
ぷすんぷすん
盗賊「ひひひひひひひひひひひ――!!」
遊び人「マジかよMP切れ!?」
盗賊「ヒヒヒヒヒヒヒヒ――殺すッ!!」
遊び人「だぁクソ今度こそ最後の最後の最終奥義ぃ――」
遊び人「――うぉぉぉぉおおおおお――!!
―― オ レ の こ の 手 が 光 っ て う な る ぅ ! ! 」
ぷすんぷすん
盗賊「ひひひひひひひひひひひ――!!」
遊び人「マジかよMP切れ!?」
盗賊「ヒヒヒヒヒヒヒヒ――殺すッ!!」
遊び人「だぁクソ今度こそ最後の最後の最終奥義ぃ――」
遊び人「――うぉぉぉぉおおおおお――!!
―― オ レ の こ の 手 が 光 っ て う な る ぅ ! ! 」
669: 2009/04/08(水) 01:40:36.16 ID:ra5qMFEr0
遊び人「 お ま え を た お せ と か が や き さ け ぶ ぅ !! 」
遊び人「 く ら え! あい と いかり と かなしみ の ぉ ! 」
遊び人「 必 さぁつ!!――
――――(PSP改め) P S 3 ビィィィィィィィィィィィィィィ――――ム !!」
672: 2009/04/08(水) 01:43:26.91 ID:ra5qMFEr0
あそびにん の かがやく ゆび (ごっとふぃんがー) が PS3 を うみだす!!
あそびにん の かいしんのいちげき!!
遊び人「だりゃあああああああああああああ!!」
遊び人「……」
遊び人「……すっぽ抜けちゃった」
PS3 は はるか じょうくう へ きえた!
677: 2009/04/08(水) 01:50:18.48 ID:ra5qMFEr0
盗賊「ヒヒヒヒヒヒヒヒ――ッ!!」
遊び人「ぎゃあああああやめろおおおおおおおおお!!」
とうぞく は あそびにん に とびかかった!
ひきずり たおされる あそびにん!
盗賊「げーむ、げーむ――」
盗賊「ひひ……げーむ、おーばー」
とうぞく が ナイフ を ふりあげる!
678: 2009/04/08(水) 01:52:20.45 ID:ra5qMFEr0
遊び人「うわぁあやめろ! やめろ!!」
盗賊「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ――!!」
遊び人「やめろって やめ――
――――やめろおおおおおおおおおおおお!?」
遊び人「――とか なああんちゃってぇぇぇぇぇ!!」
盗賊「!?」
ごごごごごごごごごご…………
681: 2009/04/08(水) 01:57:21.01 ID:ra5qMFEr0
盗賊「!?」
遊び人「ダルビッシュじゃあるまいしいいトコでポカするかよ! てんす野郎!!」
うちゅう の かなた から ひらいする ぶったい――!!
その名も P S 3 ! ! !
遊び人「総重量7kgの次世代機の威力――ひっさぁぁぁぁぁつ!!」
遊び人「 時 間 差 !!
P S 3 ビィィィィィィィィィィィィィィ――――ム !!」
682: 2009/04/08(水) 01:59:23.79 ID:ra5qMFEr0
あそびにん の こうとうぶ に PS3 が ちょくげき!
あそびにん の かいしん の いちげき!!
盗賊「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――!?」
あたり が ばくふう に おおわれる!!
683: 2009/04/08(水) 02:01:04.28 ID:qoobOAqHO
遊び人が死んだろこれwwwwwww
687: 2009/04/08(水) 02:01:28.48 ID:ra5qMFEr0
>>682
あそびにん の こうとうぶに → ×
とうぞく の こうとうぶに →○
ふぅ、肩の力入れすぎちまったぜ……まるで命を削っているかのようなシーンだ……!
あそびにん の こうとうぶに → ×
とうぞく の こうとうぶに →○
ふぅ、肩の力入れすぎちまったぜ……まるで命を削っているかのようなシーンだ……!
696: 2009/04/08(水) 02:08:18.46 ID:ra5qMFEr0
まぁいいや、遊び人の後頭部に当たったことにしちまおう
× × ×
遊び人「……は――はははははははは!!」
遊び人「見たか俺の自爆攻撃を!」
遊び人「瞬時に後頭部をアストロンしたのさ!」
遊び人「……あれ? 俺MPなかったんじゃ……?」
俺⊃いのりのゆびわ
ス……
遊び人「……あれ? ポケットになんか入ってる」
いのりのゆびわ
遊び人「あ、そうそう! この いのりのゆびわ を一瞬で使って一時的にMPも回復したのさ!!」
遊び人「……」
遊び人「…………たしか」
699: 2009/04/08(水) 02:15:56.71 ID:ra5qMFEr0
遊び人「ふぅ……」
遊び人「ま、釈然としないところもあるがすっげぇ威力だったなPS3」
遊び人「箱○は修理出したらコントローラーしか手元に残らない悲惨な状態だったかったか
らな。どうなることかと思ったが……」
遊び人「これで奴も……ん?」
ぱらぱらぱら……
盗賊「……ひ、ひひ……」
盗賊「あそびにん……殺すッ!!」
706: 2009/04/08(水) 02:21:20.20 ID:ra5qMFEr0
遊び人「……」
遊び人「……ま、やっぱりちゃんと倒さないとダメだよな」
盗賊「ひひ――殺すッ! 殺すッ! 殺すッ! 殺すッ!」
遊び人「いいぜてんす野郎。そろそろ真面目にいこうや」
あそびにん は つえ を かまえた!
遊び人「男なら一番のゲームはマジな殴り合いってな……」
盗賊「あそびにん――げーむおーばああああああああああああ!!」
遊び人「うらぁぁぁあああ――こいやああああああああああああ!!!」
とうぞく と あそびにん が げきとつ する!
709: 2009/04/08(水) 02:27:37.29 ID:ra5qMFEr0
賢者「そろそろお互いの過去に決着をつけなぁい?」
賢者「あんたの顔見てるとなんだかイライラ来ちゃうのよん」
魔法使い「あたしはアンタと同じ空気吸ってるってだけで嫌になるわよ――」
魔法使い「いい加減悪女っぽい立ち回りやめたら、おばさん」
まほうつかい は つえ を かまえる
賢者「……」
賢者「……もう殺すしかないって感じねっ」
けんじゃ は つえ を まほうつかい に むける!
遊び人「やれるもんならやってみろってのよ!!」
賢者「後悔しないでよ――!!」
たがい に かけだした!
720: 2009/04/08(水) 02:38:43.07 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「メラゾーマ!」
賢者「イオナズン!!」
たがい の つえ から はじき だされる かきゅう!
ふたつ は ぶつかりあい ねじくれあって むさん する!
賢者「……!」
賢者「あーら短い間に腕をあげたじゃなーい!?」
魔法使い「あんたに認められたってうれしかないわよ」
魔法使い「ベギラゴン!」
賢者「バギクロス!」
しゃくねつ の ほのお が じめん を かけ
さじん まきちらす せんぷう が ちゅう を かける!
げきとつ!
賢者「!?」
賢者「――きゃあああ!?」
まざりあった ほのお の たつまき が けんじゃ を おそう!
722: 2009/04/08(水) 02:45:34.64 ID:ra5qMFEr0
賢者「なんで……!?」
魔法使い「……」
賢者「(技に迷いがなくなった……!?)」
賢者「あのフニャフニャな気持ちで撃たれた魔法はどうしたのかしらね!」
賢者「もしかして――あのお人形くんと寝たりしたのかしら?」
魔法使い「メラゾーマッ!」
賢者「! マホカンタ!!」
まほうつかい が はじきだした ごうか の はしら!
けんじゃ の マホカンタ が むかえうつ!
しかし、マホカンタ は やぶられた!
賢者「!?」
賢者「きゃあああああ!!」
728: 2009/04/08(水) 02:54:57.03 ID:ra5qMFEr0
けんじゃ は はじき とばされた!
賢者「くっ――」
ちゃきん
賢者「!」
魔法使い「次はどうすんの、性悪女」
賢者「――っ」
賢者「――……あのお人形さんとの相性がそんなによかったのかしら?」
魔法使い「アンタ自分の置かれてる立場を理解してないようね」
魔法使い「今追い詰めてるのはあたし。追い詰められてんのはアンタよ」
賢者「……っ」
魔法使い「それと人のプライベートに口出ししないでくれる?」
魔法使い「――自分の『プライベート』が上手くいかないからって。ね、おばさん?」
732: 2009/04/08(水) 02:59:33.52 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「あんたがどう思ってるか知らないけど、ロトはアンタの事道具としてしか見て――」
賢者「やめてよ!!」
魔法使い「……」
魔法使い「……いいわ。やめてあげる。これで満足?」
賢者「――――」
賢者「――――いいえ、まだよ」
けんじゃ は つえ を て にした!
734: 2009/04/08(水) 03:00:47.44 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「抵抗するな!」
賢者「殺したければ殺しなさい! どうせあなたなんかにはできない!」
魔法使い「!」
賢者「怖いものね、人殺しが!!」
賢者「逃げ出したあなたとは違う――」
賢者「私は、あの人の『一番の』道具!!」
魔法使い「やめなさい!!」
賢者「ドラコラムッ!」
799: 2009/04/08(水) 11:05:38.31 ID:ra5qMFEr0
× × ×
僧侶「ケガをなさった方はこちらに来てください! 早く!」
怪我人「う、ぅぅ……」
僧侶「大丈夫ですか!? さ、肩を貸して……」
ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
僧侶「ッ!?」
僧侶「――ど、ドラゴン……!?」
800: 2009/04/08(水) 11:10:13.12 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「僧侶逃げなさい! ドラゴラムした賢者よ!」
僧侶「け、賢者……これが――!? 大きい――」
怪我人「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」 ドンッ
僧侶「きゃ――あ! いけません!!」
怪我人「うわぁぁぁぁ来るなぁぁぁぁ――!!」
ドラゴン「グゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ドラゴン が はきだす かえん の いき!
怪我人「う、うわああああああ――――」
群集A「ぐあああああああああ!!」
群集B「きゃああああああああああ!!」
群集C「に、逃げろ――うわああああああ!?」
ぐんしゅう を のみこむ!
803: 2009/04/08(水) 11:16:52.58 ID:ra5qMFEr0
怪我人B「ぅぅ……」
怪我人C「ママ……ママぁ……」
僧侶「(怪我人を誘導しないとここから逃げるわけにはいかない……!)」
怪我人D「お嬢さん……」
僧侶「大丈夫です、私がみなさんをお連れしますから!」
怪我人D「いいや……お逃げなさい……あなただけでも……」
僧侶「……!」
806: 2009/04/08(水) 11:19:04.33 ID:ra5qMFEr0
ドラゴン「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ドラゴン が あばれ まわる!
しほう に はきだす かえん の いき!
ひとびと を のみこむ!
群集A「あああああああああ!!」
群集B「あつい! あづいぃぃぃぃ――!」
群集C「こっちはだめだ! あっちに――ぐああああああああ!?」
僧侶「(このままじゃ私も――)」
僧侶「(逃げてしまえば……)」
僧侶「(こんなに大勢を助けることはできない――私だけでも……)」 かちゃ……
808: 2009/04/08(水) 11:24:57.46 ID:ra5qMFEr0
くさなぎのつるぎ
僧侶「――……!」
僧侶「私は……」
怪我人「お嬢さん……おにげなさい……!」
僧侶「私は……」
僧侶「私は……逃げません!」
僧侶「ベホマ!」
そうりょ は ベホマ を となえた!
しかし けがにん の けが は なおらない!
809: 2009/04/08(水) 11:28:03.36 ID:ra5qMFEr0
怪我人「もう私の足はダメなんだ……! はやく逃げなさい――!」
僧侶「いいえ逃げません!」
僧侶「恐怖を制した者が戦いを制すのです!」
僧侶「最後まであきらめず、ひらめきを見逃さなかった者だけが栄光の勝利を掴み取れる!!」
ドラゴン「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
魔法使い「僧侶! あいつは抑えられない! 逃げなさい!!」
僧侶「できません!」
僧侶「ここは任せてください! 自分の事は自分でできます!!」
魔法使い「……!」
魔法使い「言ったわね! その言葉責任取りなさいよ!!」
僧侶「当たり前です! ――さ、行って!!」
811: 2009/04/08(水) 11:38:16.82 ID:ra5qMFEr0
× × ×
がいこつ剣士A「かかかかかかかか……」 ボコッ
がいこつ剣士B「くか、くかかかかかかか!」 ボコボコッ
がいこつ剣士C「けけ――けけけけけけ!!」 ボコボコボコッ
じめん から つぎつぎ と がいこつけんし が あらわれた!
群集A「ま、魔物だぁぁぁぁ――!!」
群集B「きゃあああああ――ああっ!?」
群集C「こっちの出口はだめだ、あっちへ――」
群集C「う、うわああああ!?」
がいこつ剣士D「かかかかか!」 ボコッ
群集C「ぎゃッ!?」
がいこつ剣士A「かかかかかかかか……」 ボコッ
がいこつ剣士B「くか、くかかかかかかか!」 ボコボコッ
がいこつ剣士C「けけ――けけけけけけ!!」 ボコボコボコッ
じめん から つぎつぎ と がいこつけんし が あらわれた!
群集A「ま、魔物だぁぁぁぁ――!!」
群集B「きゃあああああ――ああっ!?」
群集C「こっちの出口はだめだ、あっちへ――」
群集C「う、うわああああ!?」
がいこつ剣士D「かかかかか!」 ボコッ
群集C「ぎゃッ!?」
812: 2009/04/08(水) 11:46:57.35 ID:ra5qMFEr0
群集D「か、かこまれたぞ!」
群集E「きゃああああああ!」
がいこつ剣士E「カーカカカカカカ!!」 ボコッ
がいこつ剣士F「ケケケケケケケケー!」 ボコッ
がいこつ剣士G「カカカカカカカカカ!」 ボコッ
× × ×
僧侶「!」
僧侶「地面から魔物が――」
がいこつ剣士「カーッカカカカカカカカァァァ――!!」
僧侶「!」
怪我人D「お嬢さんあぶない……!」
怪我人D「ぐあああああ!」
僧侶「おじいさん!?」
813: 2009/04/08(水) 11:49:06.12 ID:ra5qMFEr0
がいこつ剣士「ケケケケケケケ――!!」
僧侶「よくも――ニフラム!」
がいこつ剣士「!? ケケ……ケケケ――!?」
そうりょ が はなった ひかり の しょうげきは!
がいこつけんし は まっしろ に ひかり ばらばら に なって くずれた!
しかし つぎつぎ と がいこつけんし は あらわれる!!
がいこつ剣士A「カーカカカカカカ!!」 ボコッ
がいこつ剣士B「ケケケケケケケケー!」 ボコッ
がいこつ剣士C「カカカカカカカカカ!」 ボコッ
僧侶「くっ――!?」
814: 2009/04/08(水) 11:50:21.18 ID:ra5qMFEr0
がいこつ剣士A「ケケケケケ――!!」
がいこつけんし は けん を ふりおろす!
僧侶「くぅ――!」
そうりょ は つえ で うけとめた!
はげしい しょうげき!
僧侶「く――ニフラム!」
がいこつ剣士A「カカカカ――ッ!?」
がいこつ剣士B「ケケ――!!」
すぐさま がいこつけんしB が おそい かかって くる!
そうりょ は がいこつけんしA を はじきとばし つえ を つきだした!
僧侶「に、ニフラム!!」
がいこつ剣士B「ケッ――!?」
がいこつ剣士C「カカカカカカ!」
がいこつけんしC の こうげき!
817: 2009/04/08(水) 12:07:27.10 ID:ra5qMFEr0
そうりょ は つえ で けん を はじく!
僧侶「ニフラム!!!!」
がいこつ剣士C「カカカカ――ッ!?」
僧侶「はぁっはぁっはぁっ……!!」
がいこつ剣士A「カカカカカカ……」 ボコッ
がいこつ剣士B「クケ、ケケケケケケ……」 ボコボコッ
がいこつ剣士C「カァーカカカカカカカ……」 ボコボコボコッ
僧侶「く……」
僧侶「数が多すぎる……!!」
??「これは一体どういう事だ!!」
僧侶「ニフラム!!!!」
がいこつ剣士C「カカカカ――ッ!?」
僧侶「はぁっはぁっはぁっ……!!」
がいこつ剣士A「カカカカカカ……」 ボコッ
がいこつ剣士B「クケ、ケケケケケケ……」 ボコボコッ
がいこつ剣士C「カァーカカカカカカカ……」 ボコボコボコッ
僧侶「く……」
僧侶「数が多すぎる……!!」
??「これは一体どういう事だ!!」
826: 2009/04/08(水) 12:23:12.24 ID:ra5qMFEr0
兵士長「一体何がどうなっている!」
兵士A「兵士長! 民が襲われていますッ!」
兵士長「そんなものは見ればわかる!」
僧侶「兵士長!」
兵士長「僧侶!? あなたがなぜここに!」
僧侶「お願いします! 説明している暇はありません! 私達を信じて加勢してください!」
827: 2009/04/08(水) 12:25:49.51 ID:ra5qMFEr0
兵士長「なんだと……!? 我々はお前達を捕らえに――!」
兵士A「兵士長!」
兵士B「応戦許可をお願いします!」
兵士C「目の前で民が攻撃を受けています! 戦わせてください!!」
兵士長「――」
兵士A「兵士長!!」
兵士長「――っ、わかっているッ! 民を守らずしてなにが兵士か! 全員抜剣ッ!!」
831: 2009/04/08(水) 12:28:55.74 ID:ra5qMFEr0
兵士達『オオッ!』 ジャキンッ
僧侶「兵士長さん……皆さん……!」
兵士長「戦いが終わったら全て説明してもらうぞ! いいな!」
僧侶「はい!」
へいしちょう は けん を ぬいた!
兵士長「総員、かかかれええええええええええええええ――――ッ!!」
兵士達『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』
834: 2009/04/08(水) 12:40:36.84 ID:ra5qMFEr0
× × ×
ロト「ふ、は、ふ、は――」
勇者「はぁ……はぁ……っ……はぁ……」
× × ×
がいこつ剣士A「ケケケケケケ!」
群集A「いやぁぁぁぁ!」
兵士A「でやぁ!!」
がいこつ剣士A「ケケッ!?」
群集A「あ、ありがとうございます……ありがとうございます……!」
兵士A「あちらに我々の船が用意してあります! 避難を!」
群集A「はいっありがとうございます……!」
兵士B「おい危ない!!」
ロト「ふ、は、ふ、は――」
勇者「はぁ……はぁ……っ……はぁ……」
× × ×
がいこつ剣士A「ケケケケケケ!」
群集A「いやぁぁぁぁ!」
兵士A「でやぁ!!」
がいこつ剣士A「ケケッ!?」
群集A「あ、ありがとうございます……ありがとうございます……!」
兵士A「あちらに我々の船が用意してあります! 避難を!」
群集A「はいっありがとうございます……!」
兵士B「おい危ない!!」
836: 2009/04/08(水) 12:42:04.53 ID:ra5qMFEr0
兵士A「!?」
がいこつ剣士B「ケケケケケケ――!!」
兵士A「ぐあああああああ!?」
兵士B「兵士A――!!」
兵士B「よくも貴様ぁ!!」
がいこつ剣士B「ケケケケケケケケ!!」
838: 2009/04/08(水) 12:45:01.94 ID:ra5qMFEr0
× × ×
兵士C「でやあ! せりああ!」
がいこつ剣士C「ケケ! ケケケケケッ!!」
兵士D「でやああ! せい!」
がいこつ剣士D「ケァァアア――!?」
がいこつ剣士E「ケケケケケ――!!」
兵士E「ぐあ――うわああああ!?」
× × ×
ロト「ふ、は、ふ……総力戦になってきたじゃないか……!」
勇者「なんで魔物が……はぁはぁ……っ、お前の言う事、聞くんだよ――!?」
ロト「当たり前だろう……ふ、は……俺は勇者……勇者ロト!」
ロト「魔王を倒し――この城の新しい王となる男だぞ……!」
842: 2009/04/08(水) 12:54:16.31 ID:ra5qMFEr0
勇者「……っ、うわああああああああああ!!」
ロト「来いッ!」
ぶつかりあう たがい の 『けん』!
勇者「バカな事を――こんなことまでして、もう引き返せないぞ!!」
ロト「どこに引き返すというのだ!? アリアハンか! あんな田舎の小国に未練などない!!」
ロト が けん を ふるう!
はじかれる ゆうしゃ! あし を すべらせ ながら ふみとどまる!
勇者「僕達がすごした故郷だろ!」
ロト「なにが――故郷だッ!」
ロト の とっしん!
ゆうしゃ は しょうめん から うけとめる!
ロト「『一生をゆりかごで過ごす者はいない』――ッ! 世界を恐れるお前にはあそこが、お似合いだがな!!」
ロト の ずつき!
勇者「が――っ!」
ゆうしゃ の はな が おれた!
がんめん に ち が とびちる!
844: 2009/04/08(水) 13:02:20.65 ID:ra5qMFEr0
ロト「しょせんお前は汚れを知らない卑怯者だッ!」
ロト の よこ いっせん の けんげき!
勇者「ぐ――」
なんとか うけとめる ゆうしゃ!
しかし て に ちから が はいらない!!
ロト「与えられた義務を放り投げ! 安寧とした小さな部屋で丸まっていたお前がッ!!」
ロト の ひざげり!
つうこん の いちげき!
ゆうしゃ の おれた ろっこつ に ちょくげき!!
勇者「――っ、ぐああああああああああああああ!!」
ロト「俺に綺麗ごとを――ぬかすなぁあああああ!!」
ロト の よこ いっせん!
846: 2009/04/08(水) 13:05:04.82 ID:ra5qMFEr0
ゆうしゃ の がんめん を とらえた!
つうこん の いちげき!!
ふきだす ち の ふんすい!
ふきとぶ ゆうしゃ!
勇者「ぐぁ……が……目が――」
ロト「これが義務を果たした俺と、放棄したお前の差だ」
ロト が あゆみ よる!
ルビスのけん から まっか な ち が したたる!
848: 2009/04/08(水) 13:09:45.91 ID:ra5qMFEr0
ゆうしゃ の かため が つぶれた!
げきつう!
みえない!
勇者「僕は……まだ……く、そぉぉぉぉ――!」
「ひひひひひひひひひひひ!!」
勇者「!」
ゆうしゃ に なげつけられる 『なにか』!
おもい それ を うけとめられず ふたたび たおれる!
盗賊「ひひw ひひひひひwww げーむ、おーばー」
勇者「! 遊び人!!」
遊び人「――――」
850: 2009/04/08(水) 13:12:30.89 ID:ra5qMFEr0
「ほぅーらこれもあげるわっ」
勇者「!」
ゆうしゃ の まえ に ころがる ちからない からだ!
勇者「魔法使い――僧侶ぉ!?」
魔法使い「――――」
僧侶「――――」
賢者「感動のご対面でしょぉ? うふふ……」
852: 2009/04/08(水) 13:16:16.73 ID:ra5qMFEr0
勇者「よくも……よくもぉおおおおおお!!」
ロト「だが立つことは――できないッ!」
勇者「!」
ひざたち の ゆうしゃ の がんめん を ロト が けりとばす!
ふたたび まきちる
ち!
ち!
ち!!
勇者「ぐ……ぁ……」
ロト「怒りなんてそんなものだ勇者。愛や友愛と同じくらい、こんな場所では意味がない」
賢者「……」
857: 2009/04/08(水) 13:22:03.33 ID:ra5qMFEr0
× × ×
兵士C「く、おお!?」
がいこつ剣士C「ケケケケケッ!!」
兵士C「ぁあ――ぐあああ!」
兵士D「まだだ! まだ避難の完了が――」
がいこつ剣士C「ケケ! ケケケケケッ!!」
兵士D「がぁ!?」
兵士E「しっかりしろ! あきらめるな!」
兵士F「――――」
兵士E「目を覚ませ! 目を覚ませよぉ!!」
がいこつ剣士E「ケケケケケ――!!」
兵士E「やめ、やめろ――ぐああああああああ!?」
× × ×
兵士C「く、おお!?」
がいこつ剣士C「ケケケケケッ!!」
兵士C「ぁあ――ぐあああ!」
兵士D「まだだ! まだ避難の完了が――」
がいこつ剣士C「ケケ! ケケケケケッ!!」
兵士D「がぁ!?」
兵士E「しっかりしろ! あきらめるな!」
兵士F「――――」
兵士E「目を覚ませ! 目を覚ませよぉ!!」
がいこつ剣士E「ケケケケケ――!!」
兵士E「やめ、やめろ――ぐああああああああ!?」
× × ×
858: 2009/04/08(水) 13:26:57.13 ID:ra5qMFEr0
ロト「……決着はついたな、勇者」
勇者「ぅ……ぁ……」
ロト「痛いか? 苦しいか?」
ロト が あゆみ よる!
ルビスのけん を ぶらり と さげて!
ロト「俺はお前の何倍も痛くて、苦しい思いをした――」
ロト「――お前の代わりにな」
兵士長「や……めろ……!」
ロト「……!」 がしっ
ロト の あし を たおれた へいしちょう が つかむ!
861: 2009/04/08(水) 13:30:20.21 ID:ra5qMFEr0
兵士長「よ……くも……民を……兵士た、ち……を……!」
兵士長「あの方を……よくも…………ッ!!」
ロト「……」
ロト は けん を さかて に にぎった!
勇者「……!? や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ロト の ふりおろす こうげき!
かいしんのいちげき!!
兵士長「か――ッ」
へいしちょう の むね を ルビスのけん が つらぬいた!
へいしちょう に 422 の ダメージ!
へいしちょう は たおれた!
勇者「――――っうわああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
863: 2009/04/08(水) 13:32:53.11 ID:xgTRnu+R0
兵士長おおおおおおおおおおおおおお
869: 2009/04/08(水) 13:38:37.63 ID:ra5qMFEr0
ロト「……これで少しは義務を果たすつらさがわかったか?」
勇者「お前……よくも……!」
ロト「……お前にもひかりのない世界を教えてやろう」
ロト の て が ゆうしゃ の つぶれた め に おしこまれる!
げきつう!
勇者「ぐあああああああああああああああ!」
ロト「これはもういらないだろう?」
め を ひきずり だす!
874: 2009/04/08(水) 13:43:16.88 ID:ra5qMFEr0
勇者「あああああああああああああああああああああああああああ!!」
ロト「お前の叫び声は気持ちがいいよ」
ロト が たちあがった!
ルビスのけん を てんたかく かかげる!
ロト「……でも聞き飽きた」
ルビスのけん に らいこう が おちる!
まっかな らいげき が ルビスのけん から せんこう を はなつ!
ロト「もう二度と俺の前に立ちふさがらないよう、一刀の下に切り伏せてやろう」
ロト「真の勇者の証――ギガスラッシュでな」
勇者「く……ぁ……」
勇者「…………!?」
ゆうしゃ の はんぶん の しかい が 『それ』 を とらえた!
875: 2009/04/08(水) 13:46:02.11 ID:ra5qMFEr0
くさなぎのけん
878: 2009/04/08(水) 13:50:14.51 ID:ra5qMFEr0
勇者「……!」
ロト「お前の影に苦しめられた俺の旅が、いまここでようやく終わる」
勇者「く……」
ゆうしゃ は くさなぎ の けん に て を のばす!
賢者「……!」
盗賊「キヒヒヒ! アブナイアブナイ!」
賢者「ロト! 勇者が剣に手をかけてるわ!」
けんじゃ が つえ を て に する
ロト「お前達は手を出すなッ!!」
賢者「!」
880: 2009/04/08(水) 13:57:24.53 ID:ra5qMFEr0
ロト「ははははははははははは――!!」
ロト「いいぞ勇者! 俺とお前、どちらが本物の勇者か見極める時が来た!!」
勇者「……っ、――っ!」
ゆうしゃ は けん を ついて たちあがる!
ロト「義務を果たした俺か――!」
勇者「――――ッ!」
けん を かまえる!!
ロト「今俺に立ちふさがるお前かぁ――ッ!!」
ロト「ギガ――ッ!!!!」
勇者「――――ギガッ!!!!」
882: 2009/04/08(水) 13:59:43.19 ID:ra5qMFEr0
『 スラぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ――――シュ!!!!! 』
883: 2009/04/08(水) 14:01:19.48 ID:ra5qMFEr0
ふきあれる せんぷう !
くうき を さく らいごう の さけび !
あか と あお の せんこう が ぶつかりあう!!!!
886: 2009/04/08(水) 14:04:30.43 ID:ra5qMFEr0
ロト「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
勇者「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
たがい の ひかり が ぶつかり あい! ねじくれあい! まざりあい!
ひかり が はじけた!!!!
888: 2009/04/08(水) 14:07:29.73 ID:ra5qMFEr0
……
…………
………………
賢者「ぅ……く」
盗賊「ひひ! みえない! みえない!!」
魔法使い「――――」
魔法使い「――…………」
魔法使い「……、ぅ…………」
魔法使い「………………ゆ、うしゃ……?」
勇者「――――――」
ロト「――――――」
890: 2009/04/08(水) 14:09:45.49 ID:ra5qMFEr0
ふたり は せ を むけあい
きりあった しせい で たっている
魔法使い「――――勇者!!」
勇者「――…………」
ロト「――…………」
どうじ に たおれた!
892: 2009/04/08(水) 14:11:57.70 ID:pETfj2Tv0
だれか カウント を !
893: 2009/04/08(水) 14:16:28.87 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「勇者――しっかり前歩きなさいよ!!」
勇者「…………――」
勇者「――とわ、と、と……!?」
ゆうしゃ は たおれそう に なった が おもわず まえ に あるき だした!
895: 2009/04/08(水) 14:17:55.93 ID:ra5qMFEr0
勇者「うわっ、わ、わ、――――わあ!」
つまずき ながら まほうつかい に あゆみ よる!
まほうつかい の むね に とびこんだ!
魔法使い「――――おかえり!」
勇者「た、ただい……ま……はぅ」
しっかり と だきあった!
897: 2009/04/08(水) 14:20:44.86 ID:ra5qMFEr0
賢者「……」
賢者「……そんな」
ロト「――――」
賢者「ロト……」
ロト「――――……」
ロト「…………むかえに……きてくれたのか……」
賢者「……! ロト!」
ロト「しょう……にん……」
賢者「……っ」
ロト「……ありがとう……すまない…………」
ロト は たおれた!
898: 2009/04/08(水) 14:28:30.23 ID:ra5qMFEr0
盗賊「…………しんだ、しんだ……ろと……」
賢者「――ッ、よくも!」
けんじゃ は つえ を ゆうしゃ に むけた!
魔法使い「やめなさい! もうアンタの戦いは終わった!」
賢者「終わってないわよ!!」
賢者「あんた達も殺して、今度こそ終わらせてやる! 今、ここで!!」
??「あ、まてーいまてーい!」
902: 2009/04/08(水) 14:36:15.97 ID:ra5qMFEr0
??「そなたらの悪行しかとこの目で見届けた! 神妙にお縄につけぇい!」
賢者「あんた誰よこのデブ!!」
大臣「んな! なんだと!!」
(あの)衛兵「ええい! ここにおられるお方をどなたと心得る!!」
大臣「この紋所が目に入らぬかぁぁ――!」
⊃ろまりあ
大臣「おそれおおくもロマリアの国王、ロマリア王にあらせられるぞ!!」
(あの)衛兵「ええい! 頭が高ぁい! ひかえおろう! ひかえおろ――う!!」
ロマリア王「ほっほっほっほっ――」
905: 2009/04/08(水) 14:39:26.27 ID:ra5qMFEr0
賢者「……」
魔法使い「……」
勇者「(ひらがな……)」
ロマリア王「わが十万の本隊をつれてまいったぞ。観念せい! ほっほっほ――」
俺「ええいこのジジイ戯言をぉ!!」
遊び人「助さん格さんやっ――」
勇者「!」
遊び人「――――」
勇者「……?」
(あの)衛兵「はっ! なにか神々しい(ry」
910: 2009/04/08(水) 14:50:38.41 ID:ra5qMFEr0
ロマリア兵A「観念しろ」 チャキンッ
ロマリア兵B「貴様を逮捕する!」 チャキンッ
ロマリア兵C「武器を捨てろ!!」 チャキンッ
賢者「くっ……」
盗賊「ひひ! こうさん! ひひ!!」
× × ×
ロマリア僧侶「大丈夫、これでしばらくは無事です」
僧侶「ぅ……ありがとうございます」
遊び人「いやぁ激戦だったなマジで! ファミコンまでぶっ壊しちまったぜぇ――」
魔法使い「あんた元気過ぎでしょ! 死んだ振りしてたんじゃないでしょうね!?」
勇者「なんか途中で生き返ってなかった?」
遊び人「何言ってんのお前?」
勇者「(真顔……)」
911: 2009/04/08(水) 14:51:52.25 ID:ra5qMFEr0
兵士A「兵士長!」
兵士B「兵士長!」
兵士長「……」
ロマリア僧侶B「大丈夫です。これならなんとか持つでしょう」
兵士C「おい本当だろうなお前!」
兵士D「ウソだったらお前木から吊るすぞ!」
兵士長「……ぅる……さい……」
兵士A「ああ! 兵士長殿が目を覚まされたあ!」
兵士B「兵士長お!」
兵士C「兵士長!」
兵士D「兵士長殿おおおおおおおおおおおおおお!!」
兵士長「うるっっさい!!!!」
912: 2009/04/08(水) 14:51:59.22 ID:iiL57vbiO
ついに大団円か…
913: 2009/04/08(水) 14:54:51.95 ID:A72oSMxs0
この間も勇者の片目からは血がドクドクと…
914: 2009/04/08(水) 14:56:00.38 ID:ra5qMFEr0
ロマリア王「ほっほっほ! あっぱれあっぱれ、快晴じゃ!」
大臣「はぁ……」
ロマリア王「して、大臣よ。なぜお主はわしにこんなおもしろそうな話を報告せんかったのじゃ」
大臣「そ、それは……」
ロマリア王「いかんなぁ、そのような反国家的行為はきっちりと断罪して……」
ロマリア王「あ! 勇者君! 実は君にいい話があってのう! ワシの代わりに王様にな――」
大臣「ほらそのくせ始まった! そうなるから嫌だったんです!!」
919: 2009/04/08(水) 15:04:39.51 ID:ra5qMFEr0
僧侶「目が痛々しい事に……ベホマ」
ゆうしゃ の め が かいふく した!
しかし め は もとにもどらない!
僧侶「やはり……」
勇者「いいさ、もう。片目でも十分だよ」
僧侶「でも……こちらの方の目は大丈夫なんですk――あ!」こけ!
がり!
勇者「ぃいっっって――――!?」
920: 2009/04/08(水) 15:08:05.36 ID:ra5qMFEr0
遊び人「何やってんだよあんたは……」
僧侶「あはは……すみません、上手く立たなくて」
遊び人「ほら、肩貸してやるよ」
僧侶「あ、ありがとうござます……」
勇者「遊び人……僕も目が見えなくて倒れそうです……」
遊び人「かわいそうな奴め……あれ程どじっ娘には耳かき系の事はさせちゃいかんと言ったのに」
勇者「言ってねぇよ……」
遊び人「ほら、肩貸してやっから……」
魔法使い「…………」
921: 2009/04/08(水) 15:10:38.45 ID:ra5qMFEr0
勇者「魔法使いも見てないで肩貸してよ……」
魔法使い「――はぁ? なんであたしがそんな事しなくちゃいけないのよ!」
遊び人「何言ってんだテメコラぁ。俺一人負担が大きいだろうが!」
僧侶「魔法使いさん――」
魔法使い「…………」
魔法使い「…………しょうがないわね!」
924: 2009/04/08(水) 15:22:01.79 ID:ra5qMFEr0
〈バラモス城の海岸……船接岸所へ……〉
ロマリア兵A「これで全住民の収容は完了したか?」
ロマリア兵B「全員完了しただろ。うちの兵隊が乗るスペースがないけどよ」
ロマリア兵C「どーせまた雑魚寝だろ?」
ロマリア兵D「兵隊さんはつらいぜ……」
ロマリア兵E「お! あれ見てみろよ」
ロマリア兵A「あぁん?」
× × ×
魔法使い「ちょっとこっちに体重かけないでよ!」
遊び人「バカ! 俺の方が重くなんだろ!!」
勇者「ちょっと僕を挟んで喧嘩しないでよ!」
僧侶「まぁまぁ、皆さん仲良く――あ」 こけっ
全員『わぁ!?』
ロマリア兵A「これで全住民の収容は完了したか?」
ロマリア兵B「全員完了しただろ。うちの兵隊が乗るスペースがないけどよ」
ロマリア兵C「どーせまた雑魚寝だろ?」
ロマリア兵D「兵隊さんはつらいぜ……」
ロマリア兵E「お! あれ見てみろよ」
ロマリア兵A「あぁん?」
× × ×
魔法使い「ちょっとこっちに体重かけないでよ!」
遊び人「バカ! 俺の方が重くなんだろ!!」
勇者「ちょっと僕を挟んで喧嘩しないでよ!」
僧侶「まぁまぁ、皆さん仲良く――あ」 こけっ
全員『わぁ!?』
925: 2009/04/08(水) 15:23:59.73 ID:ra5qMFEr0
× × ×
ロマリア兵A「ははははw 今回の英雄達だぜ」
ロマリア兵B「あれが? しまらねぇなぁ――w」
ロマリア兵C「いいぞ勇者! ずっこけながら凱旋帰国だ!」
ロマリア兵D「拍手しろはくしゅ!」 パチパチパチ――
ロマリア兵E「いいぞいいぞ!」 パチパチパチ――
群集A「あ! 帰ってきたか!」 パチパチパチ――
群集B「ありがとう勇者! ありがとお――!」 パチパチパチ――
群集C「ほら、勇者様にありがとうって言ってごらん?」
群集C「あちがとぉーあちがとぉーゆうしゃしゃまー」 ペチペチペチ――
群集D「ありがとうー! ありがとう勇者ぁ!!」 パチパチパチ――
パチパチパチ――パチパチパチ――パチパチパチ――
ありがとーゆうしゃーパチパチパチ――ピューピュー――
パチパチパチ――よくやった!――いいぞゆうしゃあ!パチパチパチ…………
929: 2009/04/08(水) 15:28:07.26 ID:ra5qMFEr0
× × ×
遊び人「ったく何してんだよあんたはもぉー」
僧侶「ご、ごめんなさい、わたし少し抜けてるところが――」
遊び人「それこないだ聞いたよ!」
魔法使い「――すごいお出迎えじゃない」
勇者「うわぁ――あ、なんかこれ、勇者っぽい」
魔法使い「――」
魔法使い「――っぽいんじゃないわよ」
魔法使い「勇者なのよ、あんたが」
勇者「――――」
ゆうしゃ は えみ を うかべる!
かがやくたいよう と むかえる ぐんしゅう の はくしゅ が かれ の えがお を てらした!
遊び人「ったく何してんだよあんたはもぉー」
僧侶「ご、ごめんなさい、わたし少し抜けてるところが――」
遊び人「それこないだ聞いたよ!」
魔法使い「――すごいお出迎えじゃない」
勇者「うわぁ――あ、なんかこれ、勇者っぽい」
魔法使い「――」
魔法使い「――っぽいんじゃないわよ」
魔法使い「勇者なのよ、あんたが」
勇者「――――」
ゆうしゃ は えみ を うかべる!
かがやくたいよう と むかえる ぐんしゅう の はくしゅ が かれ の えがお を てらした!
930: 2009/04/08(水) 15:30:59.23 ID:ra5qMFEr0
遊び人「おぉ! すっげぇ! 俺にはくしゅしてんぞみんな!」
僧侶「パーティーみんなにしてると思うんですけど……」
遊び人「そんなのどうだっていいや! ははは! 遊び人のここ、空いてますよ! はははは!!」
勇者「魔法使い」
魔法使い「何よ」
勇者「これ――」
めがみのゆびわ
魔法使い「あ……」
勇者「あげるよ。バラモス倒した記念に」
932: 2009/04/08(水) 15:33:40.35 ID:dhU3tMmhO
いつバラモス倒したよ
935: 2009/04/08(水) 15:35:42.89 ID:ra5qMFEr0
× × ×
ロマリア兵「おお! 指輪やってるぞ指輪!!」
群集「プロポーズだプロポーズ!!」
衛兵「なんとぉ!?」
兵士「キスしろキス!」
ロマリア王「そうじゃキスをせい! キスを!」
大臣「ロマリア王……」
× × ×
ロマリア兵「おお! 指輪やってるぞ指輪!!」
群集「プロポーズだプロポーズ!!」
衛兵「なんとぉ!?」
兵士「キスしろキス!」
ロマリア王「そうじゃキスをせい! キスを!」
大臣「ロマリア王……」
× × ×
936: 2009/04/08(水) 15:36:35.21 ID:r4p3vmnw0
忘れ去られたヤマタノオロチ
939: 2009/04/08(水) 15:40:20.99 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「……」
勇者「…………」
魔法使い「ちょっと! なんてトコで渡してんのよあんたは……!勘違いされっちゃってん
でしょ!」
勇者「だ、だってこんな事になるとは思わなかったし……!」
魔法使い「……」
勇者「……ご、ごめ」
魔法使い「……いいわよ」
勇者「え?」
940: 2009/04/08(水) 15:41:35.38 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「今からキスするから! よぉく見ときなさいよバカ共!!」
ロマリア兵「ぉぉおおお! いいぞ姉ちゃーん!!」
群集「きゃああああ どうしましょう!!」
衛兵「な、生キス!? ねぇ生キス!?」
兵士「キィス! キィス!!」
ロマリア王「うらやましい!!」
大臣「ロマリア王……」
勇者「ちょ、ちょっと何言って――」
943: 2009/04/08(水) 15:42:57.42 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「――――――」
勇者「――――――」
947: 2009/04/08(水) 15:47:10.86 ID:ra5qMFEr0
遊び人「……」
僧侶「(うらやましい……)」
遊び人「……あのさぁ僧侶」
僧侶「え!? な、ダメですよ私は!」
遊び人「俺、むかつくからゲーム作るわ」
僧侶「は……?」
遊び人「ドラゴンクエストっていう壮大なRPG」
僧侶「どらご……?」
遊び人「1、2、3、まで盛大に引っ張ってさ」
僧侶「はぁ……」
遊び人「……ずぇえっったい!!」
遊び人「バッドエンドにしてやるうううううううううううううううううううううううううううううううううう――――!!!!!」
948: 2009/04/08(水) 15:48:04.67 ID:mevcf5vnO
ドラクエwwww
949: 2009/04/08(水) 15:48:39.54 ID:+WjLo/aSO
遊び人は堀井さんだったのかっ!!!!
951: 2009/04/08(水) 15:49:41.13 ID:ra5qMFEr0
魔法使い「――――ぷっは」
勇者「ぶっは! けっほけほ! ――い、いきなり何すんだよ!」
魔法使い「どうよ勇者?」
勇者「え?」
まほうつかい が ほほえむ
魔法使い「勇者になった気分は?」
勇者「――――」
954: 2009/04/08(水) 15:51:22.43 ID:ra5qMFEr0
勇者「――――さいっっっっっっこうだよ!!」
956: 2009/04/08(水) 15:53:33.39 ID:ra5qMFEr0
『今頃勇者ってのもないようです』
.......THE END
958: 2009/04/08(水) 15:54:40.60 ID:jm6DN2XGO
いいねぇ
いいよぉ
いいよぉ
960: 2009/04/08(水) 15:55:11.62 ID:0NGNvpFp0
非常に良かった
962: 2009/04/08(水) 15:55:28.32 ID:r4p3vmnw0
お疲れさん
996: 2009/04/08(水) 16:07:04.83 ID:A72oSMxs0
面白かったぜ!
引用元: 今頃勇者ってのもないようです
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