1: 2016/03/15(火)00:40:59 
彡(゚)(゚)「また今日もルイーダの酒場で待機やで」

彡(゚)(゚)「勇者は戦士と僧侶と魔法使いとかいう面白味の無いテンプレメンバー連れてった」




2: 2016/03/15(火)00:41:22 ID:mtE
あっ・・・ふーん(察し)

3: 2016/03/15(火)00:41:36 ID:Gpz
近い将来必要とされるやで

4: 2016/03/15(火)00:42:30 ID:wN4
彡(゚)(゚)「あれから結構経っとるけどあんな男女がホンマに魔王なんて倒せるんやろか……」

彡(゚)(゚)「………」

彡(゚)(゚)「ワイは何しとるんや。もう勇者が指名してくれることなんてないのに」

彡(゚)(゚)「故郷に帰って道具屋でも開こか……」

6: 2016/03/15(火)00:42:57 ID:dhF
かなc

8: 2016/03/15(火)00:45:06 ID:wN4
武闘家「おっ、どうしたんだ商人。荷造りなんかして」

彡(゚)(゚)「待っててもどうせ勇者は来ないんや。せやから故郷に帰るんや」

ルイーダ「出て行くのは勝手だが今までの酒代は払えよ」

彡()()

9: 2016/03/15(火)00:47:25 ID:wN4
彡(゚)(゚)「そういやツケが結構たまってたンゴねぇ……」

彡(゚)(゚)「しゃーない、あなほりでゴールド稼ぐやで」

11: 2016/03/15(火)00:49:35 ID:wN4
商人はあなほりをした
なんと5Gを見つけた!

彡(゚)(゚)「イケるやん!」

おおがらす「はい不意打ち」



 ┏━━━━━┓
 ┃ / \ ┃
 ┃/   \┃
 ┃ (゚)(゚)ミ ┃
 ┃ ノ   ミ ┃
 ┃ つ  ( ┃
 ┃  )  ( ┃
 ┗━━━━━┛

13: 2016/03/15(火)00:51:40 ID:wN4
彡(゚)(゚)「えらい目にあったンゴ……ルイーダさん、メシくれや出世払いで」

ルイーダ「勇者に選ばれたら出世払いとか寝言は寝て言え」

ルイーダ「早く今までの金払え」

彡()()

14: 2016/03/15(火)00:53:38 ID:wN4
数日後……

彡(゚)(゚)「あなほりでちまちま稼いでなんとか半分は返せたか……」

彡(^)(^)「さっ、今日も稼ぐやで~」

ルイーダ「穀潰し、勇者がお呼びだぞ」

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

18: 2016/03/15(火)00:55:14 ID:wN4
彡(゚)(゚)「な、なんで今さらワイが呼ばれるんや?」

ルイーダ「知るか。早く降りてこい糞が」

彡(゚)(゚)「……」

彡(;)(;)

23: 2016/03/15(火)00:59:53 ID:wN4
彡(;)(;)「なんで今さら呼ばれたのかは分からんけど……」

彡(;)(;)「でも……でもこれでやっとワイも魔王退治に参加できるんや……」

~~~~~~~~~~~

J( 'ー`)し「商人、大きくなったらきっと勇者様のお役に立てるような立派な男になるんだよ」

彡(^)(^)「わかったで、まっま!」

~~~~~~~~~~~

彡(;)(;)「マッマ……ワイはやったで…」

26: 2016/03/15(火)01:01:49 ID:wN4
ルイーダ「遅いぞ死ね」

彡(゚)(゚)「は、はじめましてやで勇者様」

勇者「はじめまして。そんな畏まらなくていいよ」

彡(゚)(゚)「は、はい」

勇者「それじゃ早速行こうか」

彡(゚)(゚) (魔法使いが預けられとる……あいつなんかやらかしたんかな?)

27: 2016/03/15(火)01:03:33 ID:wN4
彡(゚)(゚)「あ、あの」

勇者「何かな?」

彡(゚)(゚)「見たところみんなは強そうな装備してますけどワイにも何か武器とか防具とかないんですか?」

勇者「必要ないよ」

彡(゚)(゚)「えっ?」

勇者「必要ない」

彡(゚)(゚)「……」

30: 2016/03/15(火)01:04:58 ID:wN4
勇者「さ、乗って」

彡(゚)(゚)「ほげぇぇぇ、船なんか持っとるんですか……」

戦士「さっさとして」

彡(゚)(゚)「あっ、ハイ」

31: 2016/03/15(火)01:06:27 ID:wN4
彡(゚)(゚)「これからどこに?」

勇者「スーっていう村があってね。その近くまで」

僧侶「地図で説明しますね。ここです」

彡(゚)(゚)「えらい辺鄙そうなところやなぁ…」

32: 2016/03/15(火)01:07:52 ID:wN4
しびれくらげがあらわれた!
マーマンダインがあらわれた!

彡(゚)(゚)「ひぇぇぇぇぇ……」

戦士「お前は防御してろ」

彡(゚)(゚)「あっ、ハイ」

36: 2016/03/15(火)01:10:41 ID:wN4
彡(゚)(゚)「さすが勇者様たちやで、あんな魔物を一撃で……」

彡(^)(^)「ワイも経験値もらえて少しレベルアップしたしすぐ戦力になれるな!」

スライムつむり「ヒャド」




 ┏━━━━━┓
 ┃ / \ ┃
 ┃/   \┃
 ┃ (゚)(゚)ミ ┃
 ┃ ノ   ミ ┃
 ┃ つ  ( ┃
 ┃  )  ( ┃
 ┗━━━━━┛

38: 2016/03/15(火)01:12:08 ID:wN4
戦士「手間かけさせるな」

僧侶「ザオラル2回失敗しましたよ」

勇者「しっかりね」

彡(゚)(゚)「すみません……」

41: 2016/03/15(火)01:13:25 ID:wN4
勇者「見えたよ、あそこが目的地だよ」

彡(゚)(゚)「辺鄙どころか空き地やんけ!」

勇者「よし、降りようか」

戦士「さっさとしろ」

彡(゚)(゚)「あっ、はい」

42: 2016/03/15(火)01:15:26 ID:wN4
勇者「連れてきましたよー」

ジジイ「おお! ありがとう!」

彡(゚)(゚)「……? なんやこのオッサン!?」

ジジイ「本当にいいのか? 商人もう戻れない」

彡(゚)(゚)「え?」

勇者「どうぞどうぞ」

43: 2016/03/15(火)01:16:29 ID:wN4
彡(゚)(゚)「あの……勇者様? 話がよく……」

勇者「ああ、ごめん説明してなかったね」

勇者「商人さんはここでお別れ」

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

46: 2016/03/15(火)01:19:39 ID:wN4
彡(゚)(゚)「な、なんでですか!? まだ仲間にしてもらって数日やないですか!」

勇者「ここに町を作りたいから商人を連れてきてほしいって頼まれてね」

彡(゚)(゚)「だ、だからってこんな……!」

勇者「ボクも心苦しいよ。仲間とお別れなんて」

戦士「私もだ」

僧侶「私もです」

彡(゚)(゚)「戦士さんはわろてるやんけ」

47: 2016/03/15(火)01:20:14 ID:dhF
勇者と戦士の畜生さよ

50: 2016/03/15(火)01:22:46 ID:wN4
勇者「商人さん、確かに説明不足でいきなりこんなこと頼まれても困ると思うけど……」

彡(゚)(゚)「その通りですよ! せっかく、せっかく魔王退治にお供できると思ったのに……!」

彡(;)(;)「やっと……やっとこんなワイでも世の中のお役に立てると喜んでたのに……!」

戦士「今さら商人なんてます退治に連れていくわけないだろ」

彡(゚)(゚)「戦士さんのそういうハッキリしたところ嫌いじゃないで」

51: 2016/03/15(火)01:23:33 ID:wN4
戦士「魔王退治だ」

彡(゚)(゚)「噛みました?」

戦士「噛んでない」

52: 2016/03/15(火)01:24:22 ID:Gpz
大根戦士

53: 2016/03/15(火)01:24:37 ID:dhF
いや噛んだやろ
なんやねん鱒退治って

58: 2016/03/15(火)01:26:23 ID:wN4
勇者「商人さん、でもね、ここで町を作ることが世の中のためにもなるんだよ」

彡(゚)(゚)「何言ってるのこの娘」

勇者「人には向き不向きがある」

勇者「ボクは勇者だから魔王退治の宿命を背負ってる」

勇者「戦士は戦いの達人。僧侶も旅には欠かせない。魔法使いの魔法も戦いにおいてとても重要だ」

彡(゚)(゚)「……」

60: 2016/03/15(火)01:29:09 ID:wN4
勇者「商人という職業はとてもじゃないけど戦いには向いてない……だから、戦いではない何かでボクたちをサポートしてほしいんだ」

彡(゚)(゚)「それが町作りだと……?」

勇者「うん」

彡(゚)(゚)「せやろか…?」

戦士「そうだよ」

僧侶「そうですよ」

彡(゚)(゚)「せやな」

63: 2016/03/15(火)01:31:05 ID:wN4
彡(゚)(゚)「わかりました、ワイはきっとここに大きな町を作ります」

彡(゚)(゚)「そんで勇者様をサポートします!」

勇者「ありがとう商人さん!」ダキッ

彡(゚)(゚)「おぅふ」

戦士「チョロい」

彡(゚)(゚)「え?」

戦士「なんでもない」

65: 2016/03/15(火)01:34:21 ID:wN4
勇者「それじゃあ商人さん、またね」

僧侶「ちょこちょこ寄らせてもらいますね」

戦士「強い武器と防具仕入れとけよ」

彡(゚)(゚)「はい! 勇者様たちもお元気で…!」

彡(゚)(゚)「あっ、ここからまたアリアハンに戻るんならまた船旅になりますね」

彡(゚)(゚)「3人になったしお気をつけて…」

勇者「ルーラ」バューンバューン

彡()()

68: 2016/03/15(火)01:37:30 ID:wN4
彡(゚)(゚)「……」

ジジイ「……」

彡(゚)(゚)「とりあえずよらしくやで、ジジイ」

ジジイ「こちらこそよろしく、商人」

彡(゚)(゚)「さて……まずは」

73: 2016/03/15(火)01:41:16 ID:wN4
彡(゚)(゚)「なんか色々あって疲れたな……今日はもう休むンゴ」

彡(゚)(゚)「ジジイ、寝るところあるか?」

ジジイ「ないぞ」

彡()()

彡()()「と、とりあえず続きは明日からにしよか……」

彡(゚)(゚)「………」

彡(゚)(゚)「ジジイと二人っきりで野宿か……」


そして商人の町作りが始まる……

84: 2016/03/15(火)20:19:03 ID:wN4
彡(゚)(゚)「よう寝たな! おはようやでジジイ!」

ジジイ「商人おはよう。うるさい」

彡(゚)(゚)「さて、まず何をするべきか」

彡(゚)(゚)「町造りか……うーん」

85: 2016/03/15(火)20:21:12 ID:wN4
彡(゚)(゚)「とりあえずまずは整地やな! 邪魔な木とか草とかポイーで」

ジジイ「スーの村から借りてきた道具ある」

彡(^)(^)「やるやんけジジイ!」

彡(゚)(゚)「さっ、木を切って草を刈って土地をキレイにするやで~」

ジジイ「ガンバレ」

彡(゚)(゚)「お前も手伝うんやで」

86: 2016/03/15(火)20:23:39 ID:wN4
・・・・・・・・・・・・・

彡(゚)(゚)「あれから数日」

彡(^)(^)「見違えるようにキレイになったで!」

ジジイ「腰痛い」

彡(゚)(゚)「大丈夫か? 休んでおくんやで」

ジジイ「すまない」

彡(゚)(゚)「さて、これからどうするか……」

87: 2016/03/15(火)20:26:30 ID:wN4
彡(゚)(゚)「……町に必要なものって、なんや?」

彡(゚)(゚)「アリアハンなら城があって色々なお店があって教会があって……」

彡(゚)(゚)「国じゃないから城はいらんか。まず何から造ったらええんやろ」

彡(゚)(゚)「うーん………」

彡(^)(^)「まっ、それは置いといてとりあえずメシでも喰うやで!」

88: 2016/03/15(火)20:28:49 ID:wN4
彡(^)(^)「ジジイ、食料採ってきたやで~」

旅人「」

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

89: 2016/03/15(火)20:31:52 ID:wN4
彡(゚)(゚)「どうしたんや! しっかりせぇ!!」

旅人「み、水……水を……」

彡(゚)(゚)「水か!? これを飲むんやで!」

旅人「」ゴクゴクゴクゴク

彡(゚)(゚)「落ち着いたか?」

旅人「はい……ありがとうございます……」

旅人「旅の途中で迷ってしまい……狼煙が上がっているここを頼りに歩いてきたのです……」

彡(゚)(゚) (ワイとジジイの焚き火か……)

90: 2016/03/15(火)20:33:50 ID:wN4
彡(゚)(゚)「まぁとりあえず休むとええで。建物も何もないけどな」

旅人「ありがとうございます……ではお言葉に甘えて……」

彡(゚)(゚)「……」

彡(゚)(゚)「そうか」

彡(゚)(゚)「宿屋、やな」

91: 2016/03/15(火)20:35:40 ID:wN4
彡(゚)(゚)「今の人みたいに訪ねてくる人もいるかもしれん」

彡(゚)(゚)「もてなしや休息のためにも宿屋が必要や」

彡(^)(^)「よっしゃ! まずは宿屋を造るで!」

97: 2016/03/15(火)23:48:31 ID:wN4
彡(゚)(゚)「やるでー!」

98: 2016/03/15(火)23:56:37 ID:wN4
旅人「おはようございます」

彡(゚)(゚)「おはようやで! 体の方は猛大丈夫か?」

旅人「はい、おかげさまで! ところで、商人さんはここで何をしてるんですか?」

彡(゚)(゚)「話せば長くなるで……ワイと勇者様との長い旅、涙の別れ……」

商人は今までのいきさつを旅人に話した

101: 2016/03/16(水)00:02:24 ID:6WW
彡(゚)(゚)「……ということなんや」

旅人「そんなことが……勇者様、いえ世界のために町を造るんですね」

彡(゚)(゚)「旅人はなんで旅をしてるんや?」

旅人「……私はもともとサマンオサで兵士をしていたんです」

彡(゚)(゚)「兵士!? 兵士がなんでこんな辺鄙なところで行き倒れてたんや?」

102: 2016/03/16(水)00:05:39 ID:6WW
旅人「最近、王様が突然独裁者になってしまって……」

旅人「王様の気に入らないことをした者は死刑にされてしまうのです」

彡(゚)(゚)「ヒェッ…」

旅人「私の友人は王様の悪口を言っただけで殺されました」

旅人「私は恐怖と嫌気でサマンオサから逃げてきたのです」

彡(゚)(゚)「……大変だったんやな」

105: 2016/03/16(水)00:08:07 ID:6WW
旅人「逃げたはいいものの、特に行く当てもなく……」

旅人「気がついたらこんなところまで来ていました」

彡(゚)(゚)「そうだったんか……」

旅人「……あの」

彡(゚)(゚)「ん?」

旅人「もし迷惑でなければ、私にも何か手伝いをさせてもらえないでしょうか」

彡(゚)(゚)「おお……」

107: 2016/03/16(水)00:10:56 ID:6WW
旅人「元兵士なので、腕には多少自信があります」

旅人「商人さんは命の恩人です。その恩返しがしたいのです」

彡(゚)(゚)「……ありがとうやで! 願ってもないわ!」

彡(゚)(゚)「正直ジジイと二人っきりは気まずかったんや。作業も捗らんしな」

彡(゚)(゚)「これからよろしくやで旅人!」

旅人「こちらこそよろしくお願いします!」

109: 2016/03/16(水)00:13:46 ID:6WW
・・・・・・・・・・・・・

戦士「おらー商人、来てやったぞー」

勇者「あ、キレイになってる」

魔法使い「なんか建物できてる」

彡(゚)(゚)「勇者様! よ、ようこそやで」

旅人「す……凄い! 本物の勇者様だ!」

110: 2016/03/16(水)00:15:54 ID:6WW
勇者「商人さん、頑張ってるみたいだね」

彡(゚)(゚)「はい! つい先日宿屋もできました!」

僧侶「結構立派な建物ですね」

戦士「武器屋は?」

彡(゚)(゚)「それはまだ……」

魔法使い「使えない」

彡()()

112: 2016/03/16(水)00:19:18 ID:6WW
勇者「まぁまぁ、これからだよ」

僧侶「せっかくですし、宿屋で休んでいきましょう」

・・・・・・・・・・・・・・

勇者「よし、行こうか!」

彡(゚)(゚)「これからどちらへ?」

魔法使い「サマンオサ」

彡(゚)(゚)「!」

旅人「!」

勇者「そこの王様が最近人が変わったようだって噂になっててね。少し気になって」

113: 2016/03/16(水)00:22:43 ID:6WW
彡(゚)(゚)「そうですか……お気をつけて」

勇者「うん」

旅人「あ、あの!」

戦士「ん?」

旅人「……牢屋、がある地下通路には隠し通路がありますので」

勇者「……ありがとう」

戦士「まるでアタシらが牢屋に入れられるみたいじゃねーか」

勇者「とりあえず行ってみよう。じゃあね」

彡(゚)(゚)「お気をつけて!」

旅人「お気をつけて!」

114: 2016/03/16(水)00:30:18 ID:6WW
彡(゚)(゚)「さて、宿屋もできた。あとは……」

旅人「道具屋なんてどうでしょう」

彡(゚)(゚)「せやな! 薬草とかはやっぱり必要や!」

彡(゚)(゚)「となると商品の仕入れを考えなアカンな」

彡(゚)(゚)「ワイはしばらく出るで、ここは任せてもええか?」

旅人「はい! お店も造っておきます」

彡(^)(^)「頼もしいな! 任せたで!」

118: 2016/03/16(水)00:35:52 ID:6WW
数日後 どっかそこらへんの村

彡(゚)(゚)「さて、いい仕入れ先はあるかな」

彡(゚)(゚)「おっ、道具屋がある。ちょっと覗いていくか」

道具屋「おお! あなた私のともだち! よく来てくれた!」

彡(゚)(゚)「と、ともだち?」

119: 2016/03/16(水)00:47:02 ID:6WW
彡(゚)(゚)「うちの店で仕入れるものを探してるんやけどな……」

道具屋「おお! ならば私の知り合いから仕入れるといい」

彡(゚)(゚)「ホンマか!?」

道具屋「薬草、毒消し草、満月草、キメラの翼4点セットで250ゴールドでどうでしょう?」

彡(゚)(゚)「よっしゃ! じゃあ商人の町まで送ってくれや!」

120: 2016/03/16(水)00:49:04 ID:6WW
彡(゚)(゚)「ただいまやで~」

旅人「おかえりなさい、どうでした?」

彡(゚)(゚)「仕入れてもらえるようになったで!」

旅人「おお、それはよかった」

彡(゚)(゚)「おっ、店もええ感じやん!」

旅人「はい、ありがとうございます」

旅人「ところで何を仕入れるんですか?」

121: 2016/03/16(水)00:51:42 ID:6WW
彡(゚)(゚)「とりあえず薬草、毒消し草、満月草、キメラの翼やな」

旅人「基本的な品揃えですね」

彡(゚)(゚)「これら4点を250ゴールドで仕入れてきた。これがさらに50セットやな」

旅人「え?」

彡(゚)(゚)「ゑ?」

旅人「いやそれ騙されてますよね」

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

122: 2016/03/16(水)00:53:55 ID:6WW
旅人「いや、その4点で250ゴールドもいかないでしょう」

彡(゚)(゚)「…………」

旅人「数十ゴールドもあれば買えるはずですけど……」

彡(゚)(゚)「…………」

彡(^)(^)

125: 2016/03/16(水)01:06:32 ID:6WW
彡(゚)(゚)「なんだかんだ道具屋もできた」

彡(゚)(゚)「人もちょこちょこ増えてきた」

ジジイ「素晴らしい、商人」

彡(゚)(゚)「まだや、まだこの町を大きくするで」

彡(゚)(゚)「武器と防具の店に……あとはなんか娯楽施設も造りたい……うーん」

彡(゚)(゚)「旅人には町人が住む家の建築の指揮をとってもらってるしな」

彡(゚)(゚)「まぁ設計図だけでも描いとこか」

126: 2016/03/16(水)01:11:34 ID:6WW
どれくらいか後

旅人「だいぶ町らしくなってきましたね」

ジジイ「もうそこらへんの小さい町よりも町っぽい」

彡(゚)(゚)「せやなぁ……」

彡(゚)(゚)「町も栄えて人も増えて」

彡(゚)(゚)「でもまだや」

彡(゚)(゚)「もっともっと大きくして、みんなが豊かに暮らせる町にするんや!」

127: 2016/03/16(水)01:14:08 ID:6WW
彡(゚)(゚)「ということでみんな、今日もバリバリ働いてや!」

町人たち「ウィース…」

彡(゚)(゚)「勇者様のために、世界のために、みんなのために……」

町人たち「………」

128: 2016/03/16(水)01:16:40 ID:6WW
またどれくらいか後


勇者「うわっ、凄い!」

戦士「もう立派な町じゃねーか!」

僧侶「教会までありますよ!」

彡(゚)(゚)「勇者様! ようこそやで!」

賢者「ずいぶん張ってんしましたね……素晴らしいです」

彡(゚)(゚)「……どちらさま?」

賢者「元魔法使いです」

彡(゚)(゚)「立派になったなぁ……」

129: 2016/03/16(水)01:18:48 ID:6WW
勇者「今、オーブっていうのを集めてるんだ」

彡(゚)(゚)「オーブ?」

僧侶「これです」

彡(゚)(゚)「はぇ~奇麗やなぁ」

勇者「これを6つ集めないといけないみたいでね」

彡(゚)(゚)「大変ですねぇ……」

130: 2016/03/16(水)01:21:36 ID:6WW
またまたどれくらいか後


ジジイ「商人、商人に話があるって人が来てる」

彡(゚)(゚)「なんや?」

旅の商人「どうもどうも! 最近ここらへんで栄えてる町ができたって噂で聞いてきまして……」

旅の商人「もしよろしければ、こちらの商品も見ていただけないでしょうか」

彡(゚)(゚)「要するにセールスか。まぁちょっとだけなら見てみよか」

132: 2016/03/16(水)01:23:35 ID:6WW
これなんかどうでしょう

うーん、これはもうあるしなぁ

ではこちらの……

でもなぁ……

では……

……

……

……

133: 2016/03/16(水)01:26:47 ID:6WW
彡(゚)(゚)「うーん、すまんけどなんかピンとくるようなものはないかなぁ」

旅の商人「そうですか……」キラッ

彡(゚)(゚)「ん?」

彡(゚)(゚)「ちょ、ちょっと待ってや。それ、見せてくれんか?」

旅の商人「これですか? どうぞ」

彡(゚)(゚)「こっ、これは……」

~~~~~~~~~~~~~

勇者「オーブっていうのを集めてるんだ」

僧侶「これです」

~~~~~~~~~~~~~

134: 2016/03/16(水)01:29:17 ID:6WW
彡(゚)(゚) (似とる……勇者様が集めてるオーブとやらに……)

旅の商人「お言葉ですが、それは宝石でもなんでもなく……」

旅の商人「綺麗は綺麗なんですが、価値があるとは思えない代物でして」

彡(゚)(゚)「………」

彡(゚)(゚)「買うで」

旅の商人「え?」

彡(゚)(゚)「これや。これを買う!」

135: 2016/03/16(水)01:31:16 ID:6WW
旅の商人「は、はぁ……」

彡(゚)(゚)「値段は……これでどうや?」

旅の商人「こっ、こんなに!?」

彡(゚)(゚)「ええんや! じゃあ貰ってくで!」

旅の商人「あ、ありがとうございました!」

136: 2016/03/16(水)01:33:11 ID:6WW
彡(゚)(゚) (今ならわかる)

彡(゚)(゚) (ワイはきっとこのオーブのために)

彡(゚)(゚) (このオーブを勇者様に渡すために)

彡(゚)(゚) (ここまで来たんや)

彡(゚)(゚) (きっとこれが、ワイの使命だったんやな)

138: 2016/03/16(水)01:36:06 ID:6WW
町人1「商人ウザくね?」

町人2「働かせすぎだよな」

町人3「そのくせよくわからん玉をかなり高額で買ったみたいだぜ」

町人1「はぁ?」

町人2「もう殺すか?」

町人3「さすがにそこまでは……」

町人1「悪人を入れておく牢屋があっただろ。あそこに監禁するってのはどうだ?」

町人3 「いいね!」

140: 2016/03/16(水)01:38:54 ID:6WW
商人の屋敷


彡(゚)(゚)「ふー、今日も疲れたな」

彡(゚)(゚)「……勇者様、早く来ないやろか」

彡(゚)(゚)「もう町を大きくする必要も無くなったな」

彡(゚)(゚)「思えばこの頃みんな働かせすぎてたかもしれん。ここらで数日休みを与えても……」

町人「町人だ!」バンッ

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

141: 2016/03/16(水)01:41:54 ID:6WW
彡(゚)(゚)「な、なんや!?」

町人1「おとなしくしろ!」

町人2「変なもの高額で買いやがって! 俺たちの給料増やせや殺すぞ!」

彡(゚)(゚)「離せや! なんや!」

町人3「3人に勝てるはずないだろ!」

彡(゚)(゚)「馬鹿野郎、ワイは勝つぞお前!」

彡(゚)(゚)「はなせコラ!」

142: 2016/03/16(水)01:44:15 ID:6WW
彡(゚)(゚)「……牢屋に入れられてもうた」

彡(゚)(゚)「なんでこんなことになったんや……」

彡(゚)(゚)「ジジイと旅人までとばっちり受けてないやろか……」

彡(゚)(゚)「……勇者様、早く来てクレメンス……」

145: 2016/03/16(水)01:49:08 ID:6WW
またどれくらいか後


彡(゚)(゚)「……お風呂入りたいンゴ」

勇者「……商人」

彡(゚)(゚)「! ゆ、勇者様……」

戦士「お前……なんでこんなことになってんだよ……」

僧侶「こんなにやつれて……酷いです」

勇者「待ってて、今鍵を開けるから」

彡(゚)(゚)「ま、待ってください!」

146: 2016/03/16(水)01:51:41 ID:6WW
彡(゚)(゚)「ここに入れられたのはワイの責任です」

彡(゚)(゚)「町人たちが許してくれる時まで、ワイはここに残ります」

勇者「………そっか…」

賢者「この町から出てもいいんですよ?」

彡(゚)(゚)「ここはワイが造った町や……」

彡(゚)(゚)「逃げるなんてことは絶対したくない」

戦士「かっこつけてんじゃねーぞ」

147: 2016/03/16(水)01:53:42 ID:6WW
彡(゚)(゚)「その代わり、お願いがあります」

勇者「何かな?」

彡(゚)(゚)「ワイの屋敷の、ワイの椅子」

彡(゚)(゚)「その周辺を調べてみてください」

勇者「……わかった、行ってみるね」



彡(゚)(゚)「よかった……間に合った……」

150: 2016/03/16(水)01:56:58 ID:6WW
勇者「しょ、商人! これって……!」

彡(゚)(゚)「見つけてくれましたか」

戦士「最後のオーブ、こんなところにあったなんてな……」

彡(゚)(゚)「前に、旅の商人から買ったものです」

彡(゚)(゚)「勇者様が集めてるものに似てると思って……」

勇者「ありがとう……ありがとう……!」

彡(゚)(゚)「さ、ワイのことはもういいでしょう」

彡(゚)(゚)「はよ魔王を退治してきてください!」

153: 2016/03/16(水)02:00:06 ID:6WW
勇者「うん! 行ってくるね!」

戦士「じゃあな!」

僧侶「では」

賢者「お元気で」

彡(゚)(゚)「行ってらっしゃいやで!」


彡(゚)(゚)「………」



彡(-)(-)「………」



彡(-)(-)

155: 2016/03/16(水)02:04:13 ID:6WW
彡(-)(-)「う……う~ん……」

彡(゚)(゚)「はっ!」

ジジイ「気がついた!」

旅人「よかった……!」

彡(゚)(゚)「ここは……ワイの屋敷……?」

旅人「勇者様が、町人たちに話をしてくれたんです」

旅人「勇者様のために、あれをバカみたいな値段で買ったんですね」

彡(゚)(゚)「せや……」

旅人「みんな謝っていましたよ」

156: 2016/03/16(水)02:05:58 ID:6WW
彡(゚)(゚)「そうか……」

旅人「これからまた、商人さんがこの町の指揮をとってください」

旅人「町人たちもそれを望んでいます」

彡(゚)(゚)「………」

彡(゚)(゚)「いや……」

町人「!」

ジジイ「?」

157: 2016/03/16(水)02:09:53 ID:6WW
彡(゚)(゚)「勇者様のためとはいえ、町人たちに不満を与えてしまったのは事実や」

彡(゚)(゚)「ワイは、この町を出るで」

旅人「!? そ、そんな……町人たちも今では納得してくれています! もう誰もあなたを責めてはいません!」

彡(゚)(゚)「それでもや」

彡(゚)(゚)「今じゃない、その時に納得させられなければ意味がないんや」

彡(゚)(゚)「落ち着いたら、ワイは町人に謝って、この町を出る」

158: 2016/03/16(水)02:12:55 ID:6WW
彡(゚)(゚)「そんで旅人。ワイの跡はお前に任せたで」

旅人「そ、そんな大役……」

彡(゚)(゚)「お前ならできるはずやで」

彡(゚)(゚)「頼むわ」

旅人「………わかりました」

彡(゚)(゚)「ありがとうやで」

159: 2016/03/16(水)02:16:51 ID:6WW
それから数日後、商人は町人たちに見送られながら町を後にした
そして商人はアリアハンへと帰ってきた

彡(゚)(゚)「久しぶりやなルイーダさん!」

ルイーダ「穀潰しのお帰りか」

彡(゚)(゚)「これ、今までツケやで!」

ルイーダ「聞いたよ、町を造ったんだってね」

彡(゚)(゚)「まぁ」

ルイーダ「で、また登録していくかい?」

彡(゚)(゚)「いや……」

160: 2016/03/16(水)02:22:18 ID:6WW
彡(゚)(゚)「きっともうじき勇者様が魔王を倒してくれる」

彡(゚)(゚)「ワイみたいなのはもう必要ないやろ」

彡(゚)(゚)「ワイは、もう少し世界を見て回るで」

ルイーダ「ふぅん……それでどこに?」

彡(゚)(゚)「せやなぁ……話に聞いてて前々から行ってみたかったギアガの大穴に行ってみたいな!」

彡(゚)(゚)「自分の目でその大穴を見てみたいんや!」

ルイーダ「そうかい。せいぜい穴に落ちないようにね」

彡(゚)(゚)「そんな鈍臭くないで!」

161: 2016/03/16(水)02:30:32 ID:6WW
・・・・・・・・・・・・・・

彡(^)(^)「いらっしゃい! ここメルキドの武具は最高やで~! 見てってや!」

勇者「………何してんの? こんなところで……」

彡(゚)(゚)「ゆ、勇者様!?」

戦士「ホントだよ」

賢者「ええ」

賢者「まったく」

彡(゚)(゚)「ギアガの大穴から落ちてしまいまして……」

勇者「……鈍臭いね」

戦士「ホントにな」

彡(゚)(゚)「うるさいで戦士さん。まぁそれはともかく……」



彡(゚)(゚)「とりあえず商品、見てってや!」



終わり

162: 2016/03/16(水)02:42:39 ID:XzO
おつやで!

163: 2016/03/16(水)02:47:58 ID:QsY
面白かった
乙やで

引用元: 彡(゚)(゚)「ワイは商人。レベル1や」