1:2015/11/22(日) 19:58:47.508
カランカラーン

チノ「初めまして、新しい看護士さんですね?」

チノ「…ラビットハウスへようこそ」

チノ「私は香風智乃、といいます」

チノ「ここは喫茶店、私はここのマスターの娘でバリスタ見習いの中学生」

チノ「…という設定です、ここでは」

チノ「ご存知の通り、本当のラビットハウスは…心に傷を負った方の収容施設なんです」

チノ「え、何を見ているのか…って?」

チノ「これは、この病院の患者さん達のカルテ…診察記録です」

チノ「ふふ、特別です…あなたにも見せてあげます」

チノ「この人なんかどうでしょう?きっと気に入ると思いますよ」



5:2015/11/22(日) 20:01:08.211
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


カルテNo.1 保登心愛


チノ「お父さん、新しく当院に入る患者さんが見えてます」

タカヒロ「そうか、患者の詳細を」

チノ「名前は保登心愛、16歳」

チノ「子供の頃から父親と男兄弟に虐待を加えられ、統合失調症と躁鬱病を併発」

チノ「具体的な症状は、男性恐怖症、精神の幼児退行…」

チノ「そして、年上の家族から虐待を受けていた影響か…」

チノ「自分を姉だと強く思い込み、自分より年下の子供を異常に可愛がる…そうです」

タカヒロ「そうか、では家族の方と本人を呼んできてくれ」

チノ「分かりました」

チノ「行きましょう、おじいちゃん」
7:2015/11/22(日) 20:06:34.669
ココア「嫌!嫌ああああああああああああ!!」ジタバタ

ココア「助けて!助けてええええええええええ!!」ジタバタ

モカ「落ち着いて…大丈夫よ…ココア」ポロポロ

モカ「この人はお医者さんなの、あなたの病気を治してくれるのよ」

ココア「私病気じゃない、病気じゃないよおおおおおおおおおお!!」

タカヒロ「男性恐怖症の影響か…これでは診察にならないな」

モカ「ごめんなさい、普段はとても優しくていい子なんです」ポロポロ

タカヒロ「ええ、分かっています」

タカヒロ「チノ、鎮静剤を…用意してくれ」

チノ「分かりました」
9:2015/11/22(日) 20:11:05.838
ココア「はぁ…はぁ…」

タカヒロ(よくやく落ち着いたか)

タカヒロ「いいかココア君、君は今日からこの喫茶店ラビットハウスで過ごすことになる」

ココア「喫茶…店……」

タカヒロ「君はこの喫茶店での生活を通して、多くの人と触れあい、多くのことを経験するだろう」

タカヒロ「ここでの時間をかけたカウンセリングで君の病気も…良くなって行くはずだ」

ココア「はい…」

タカヒロ「娘のチノだ、彼女と協力してこの喫茶店を盛り上げていって欲しい」

ココア「チノ…ちゃん?」

チノ「…ふつつか者ですがよろしくお願いします」ペコ

ココア「えへへ、チノちゃん可愛いね」ギュ

ココア「私、お姉ちゃんとして頑張るね!」
11:2015/11/22(日) 20:16:18.684
モカ「それでは、妹をよろしくお願いします」

モカ「…ううっ、私が…もっとしっかりしていれば、、ごめんねココア」

タカヒロ「安心してください、きっと妹さんの病気はよくなります」

タカヒロ「それに、うちの娘も気に入られているようで何よりだ」

モカ「はい、あの子のあんな顔…久しぶりに見ました」

タカヒロ「ココア君は姉の貴方には懐いているようだが…」

タカヒロ「貴方を見て他の家族の事を思い出し、フラッシュバックしてしまう可能性がある」

タカヒロ「しばらくは会えないと思ってください」

モカ「分かりました…それでは失礼します」

タカヒロ(これで収容患者は2名…チノの負担が少し重いか)

タカヒロ(甘兎庵に頼んで看護士を派遣してもらうか)

タカヒロ(それと…青山君にも臨時で応援を頼むか)
12:2015/11/22(日) 20:21:38.185
1週間後


タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」

チノ「はい、大分ラビットハウスにも慣れたみたいですね」

チノ「リゼさんとも仲良くやれているようです」

タカヒロ「そうか、それは良かった」

チノ「しかし…放浪癖があるようで」

チノ「数日前、学校に行くと言い出し、一人でここを飛びだして道に迷っています」

チノ「幸い、うさぎと戯れているところを…甘兎庵の看護士に保護されて大事には至っていませんが」

タカヒロ「一人での外出は…まだ無理だな」

チノ「それに、男性恐怖症もやっかいです」

チノ「一度発狂してしまうと、私では手に負えなくなってしまいますし…」

タカヒロ「そうか、引き続きカウンセリングを頼む…チノ」

チノ「分かりました」

チノ「おじいちゃんが居ますし、問題ありません」
16:2015/11/22(日) 20:27:17.917
チノ「ココアさんはパン作りが得意なんですか?」

ココア「うん、そうだよ!ここにも窯があれば皆にご馳走できたのになぁ」

チノ「そうですね、残念です」

ココア「昔はね、お姉ちゃんとかにパンの作り方を教わってね…みんなで、、みんな…」

ココア「…ぁ…ぅ…」

チノ「こ、ココアさん!?」

ココア「ごめんなさい、許してください…ごめんなさい…」ブツブツ

チノ(しまった、昔の事を思い出させて…)

チノ「大丈夫です、怖くないです…お姉ちゃん」ギュ

ココア「はぁ、はぁ……あ、ありがとうチノちゃん」

ココア「私ね、頑張るから… 病気を克服できるように、頑張るから…」
22:2015/11/22(日) 20:32:30.558
3ヵ月後


タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」

チノ「治療は順調です、たまに過去の事を思い出してスイッチが入ってしまうようですが」

チノ「他から派遣された看護士とも上手くやっているようです」

タカヒロ「ああ、彼女らもプロだからな」

タカヒロ「友人や喫茶店の常連客としてココア君と人間関係を作り、彼女が社会的に自立できるよう促す」

タカヒロ「これがうちの方針だ」

タカヒロ「ただ治すだけでは駄目なんだ、将来の事も考えた治療をしなければ」

タカヒロ「引き続き、カウンセリングを頼む」

チノ「分かりました」

チノ「ココアさんが自立できるよう、頑張りましょう…おじいちゃん」
25:2015/11/22(日) 20:38:08.019
夜 ココアの部屋


ガチャ

ココア「………」zzz

チノ(特に…異常はないようですね)

ココア「……んっ」

ココア「……い、いや…助けて……おねえちゃ…」

チノ(ココアさん…昔の夢を……)

チノ「大丈夫です、大丈夫ですよ」ナデナデ

ココア「……えへへ」

ココア「………」スヤスヤ

チノ「おやすみなさい、ココアさん」
27:2015/11/22(日) 20:43:26.308
半年後


タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」

チノ「男性恐怖症も大分改善されてきました」

チノ「街で男性と出くわしても、発狂することはなくなりました」

タカヒロ「自分となら、普通に会話もできているしな」

チノ「ええ、一人で街を出歩いても問題はないでしょう」

チノ「投薬の量も、少し減らしてもいいのでは…」

タカヒロ「チノ、それは俺が判断する事だ」

タカヒロ「お前はあの患者に感情移入している節がある」

タカヒロ「姉妹ごっこはあくまでカウンセリングの為だ、それを忘れるな」

タカヒロ「引き続き、カウンセリングを頼む」

チノ「分かりました」

チノ「私は…普通にしているつもりですが、おじいちゃんはどう思います?」
29:2015/11/22(日) 20:49:48.077
チノ「ココアさんは将来の夢とかあるんですか?」

ココア「えっとね…街の国際バリスタ弁護士!パン屋もいいな…」

チノ「夢を持つことは大切ですが…」

チノ「持ちすぎると、何をしたらいいか分からなくなってしまうかも知れません」

チノ「ある程度絞ったほうが、今やるべき事を見つけられますよ」

ココア「そっか、それじゃあ…」

ココア「チノちゃんのお姉ちゃんになる!」ダキッ

チノ「まったく、ココアさんってば…意味わかんないです」

チノ(でも、悪い気はしない…です)
30:2015/11/22(日) 20:54:51.352
1年後


タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」

チノ「もう、男性に怯えることもなくなりました…」

チノ「日常生活を送るにあたって、なんら問題はないと思います」

タカヒロ「そうか、それは良かった」

タカヒロ「しばらく様子見は必要だろうが…退院の日も近いな」

チノ「ええ、そうですね」

タカヒロ「今度、ココア君のお姉さんがお見舞いに来る」

タカヒロ「元気な彼女の姿が見れるよう、カウンセリングを引き続き頼む」

チノ「分かりました」

チノ「もう一息です、ココアさんの為にも頑張りましょう…おじいちゃん」
33:2015/11/22(日) 21:00:48.549
モカ「ココア…久しぶりね、会いたかったよ」ダキッ

ココア「お姉ちゃん…!」

モカ「本当に…ありがとうございます」

タカヒロ「しばらくは様子見が必要だが、このままいけば無事退院できるでしょう」

モカ「そうですか…!」

タカヒロ「実家のパン屋は貴方と母親しか住んでいないと聞いていますが…」

タカヒロ「実家である以上、嫌な記憶が蘇る可能性がある…そこで暮らすのはおススメできない」

タカヒロ「将来ココア君がどのように生きていくか、考えなければいけない」

タカヒロ「こちらも彼女の意見を汲んでいきたいと思っています」

モカ「分かりました…それでは失礼します」

モカ「またね…ココア」
35:2015/11/22(日) 21:07:04.818
チノ「良かったですねココアさん、お姉さんに会えて」

ココア「うんっ!…えへへ」

チノ「それにあと半年もすれば退院できるでしょう」

ココア「退…院……?」

チノ「そうです、ここを出て…好きなように生きていけるんです」

チノ「ココアさんには無限の可能性があります」

チノ「これから将来について…考えていきましょう」

ココア「う、う…ん」

ココア「………」
36:2015/11/22(日) 21:12:27.761
1年と1ヶ月後


タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」

チノ「…それが、少しおかしいんです」

チノ「最近また、男性を見ると怯えるようになってしまって」

チノ「他の症状も…昔の状況を再現しているようで…」

チノ「病気はもう治っているはずなんです、どうして…」

チノ「このままでは、退院はまだ先になってしまいます」

タカヒロ「………」

タカヒロ「心の病は…身体とは違う」

タカヒロ「色々と彼女にも悩みがあるんだろう…」

タカヒロ「私が直接カウンセリングしよう、ココア君を呼んできてくれ」

チノ「分かりました」
38:2015/11/22(日) 21:17:52.248
タカヒロ「君の心が不安定な原因を探る必要がある…」

ココア「い、嫌……」

チノ「落ち着いて、、大丈夫ですよ、ココアさん」

タカヒロ「いくつか質問をする…答えてくれ」ガシッ

ココア「嫌!触らないで…やめてええええええ!!」

チノ「ちょっとお父さん、あまり手荒な事は…!」

タカヒロ「いいんだ、、これで」

タカヒロ「よく聞けココア君!君の病気はもう治っている!!」

ココア「助けて!助けて!誰かあああああああああ!!」

タカヒロ「君はただ、ここを出たくない、チノと離れ離れになりたくない、そうだろう!?」

ココア「!」

タカヒロ「精神異常のふりをすれば、退院せずにすむと思ったんだろう!?」

ココア「……!!」

タカヒロ「医者を舐めるな、病気を舐めるな!!」

タカヒロ「君がしている事は、他の患者に対する…冒涜だと思え!!」
39:2015/11/22(日) 21:23:10.414
ココア「…ううっ…ぐすっ」

ココア「ごめん…なさい」ポロポロ

チノ「ココア…さん」

ココア「先生の言う…とおりです」

ココア「私…将来が不安で、どうやって生きていけばいいか分からなくって」

ココア「ここに居れば、チノちゃんと一緒に居れる…みんなも私のことを気にしてくれる」

ココア「だから、治ってないふりを、、したんです」

ココア「本当に…ごめんなさい」ポロポロ

タカヒロ「そうか…」

タカヒロ「君の本心が聞けてよかった…荒療治ですまなかったね」
40:2015/11/22(日) 21:29:02.886
1年と2ヵ月後


タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」

チノ「もう、ココアさんに治療は必要ありません、心も身体も健康そのものです」

チノ「…あとは退院を待つだけです」

タカヒロ「長いようで…あっという間だったな」

チノ「これもおじいちゃんのおかげです、ありがとうございます」

ティッピー「………」

タカヒロ「……チノ」

チノ「はい、なんでしょう?」

タカヒロ「前から言わなければと…思っていたんだ」

タカヒロ「お前、『誰』に向かって話しかけているんだ…?」
43:2015/11/22(日) 21:34:15.226
チノ「何を言ってるんですか、お父さん」

チノ「おじいちゃんに決まってるじゃないですか」

タカヒロ「親父が…どこにいるって」

チノ「ティッピーに魂が乗り移って、今もここにいるじゃないですか」

ティッピー「………」

チノ「聞こえないんですか?おじいちゃんの声が」

タカヒロ「チノ…お前…っ」
44:2015/11/22(日) 21:39:59.203
タカヒロ「お前の祖父は、死んだんだ」

タカヒロ「死人がうさぎに乗り移る?そんな馬鹿な話があるか」

タカヒロ「いい加減…目を覚ましてくれ」

ティッピー「………」

チノ「そんな…実の父親に対して、、酷い」

チノ「おじいちゃんもこう言ってるじゃないですか」

タカヒロ「うさぎが…喋るわけないだろう!?」

チノ「……ッ!」

チノ「お父さんなんて、知りません…!」ダッ

タカヒロ「待て、チノ!」

ココア「あれ?チノちゃん走るとあぶな…わわっ」

タカヒロ「糞ッ!」

ココア「チノ…ちゃん?」

ココア「先生、何が…あったんですか」
48:2015/11/22(日) 21:45:02.658
タカヒロ「ココア君、君がここに来る1年ほど前の話だ」

タカヒロ「このラビットハウスの創設者になるチノの祖父が…病気で亡くなった」

タカヒロ「祖父はチノを溺愛していた…それに応えるようにチノも、祖父にとてもなついていた」

タカヒロ「だからこそ、チノは…祖父の死が受け止められずにいる」

タカヒロ「チノの中では、祖父はペットのうさぎに乗り移って今も…生きているんだ」

ココア「そ、そんな…」

タカヒロ「祖父の死の話になると、チノは現実に背を向け…目を合わせようとしない」

タカヒロ「このままでは、チノは…一生、、祖父の死に向き合えなくなってしまう」

ココア「そんなの、、悲しすぎます」

ココア「私、、チノちゃんの事…放っておけません」
51:2015/11/22(日) 21:50:47.458
チノの部屋


チノ「うう…ぐすっ…」

コンコン

ココア「チノちゃん…入るね」

チノ「ココアさん…」

チノ「父に言われて…来たんですか」

ココア「ううん、そうじゃないの 私はチノちゃんの味方だよ」

チノ「ココアさんなら聞こえますよね!おじいちゃんの声が」

ティッピー「………」

ココア「うん、聞こえるよ」

チノ「ほ、ほら!やっぱり…」

ココア「チノちゃんのおじいちゃんが悲しんでる声が…聞こえるよ」
52:2015/11/22(日) 21:54:51.655
チノ「な、何を言って…」

ココア「チノちゃん!」ギュッ

チノ「ココア…さん」

ココア「チノちゃんは、おじいちゃんの事が大好きだったんだよね?」

ココア「チノちゃんがそれだけ好きなんだもん、おじいちゃんだってきっとチノちゃんの事が大好きだよ」

ココア「だから…チノちゃんがいつまでも引きずってたら、おじいちゃんは悲しむよ」

チノ「違うんです…おじいちゃんは……生きて ティッピーの…中で」

ココア「命はね、とっても尊いものなんだよ?」

ココア「どんな命にも限りがあるの…だからこそ皆、精一杯輝くんだよ…最後の瞬間まで」

ココア「私も、チノちゃんも……そしておじいちゃんも」

ココア「だからこそ、失われた命は…戻らないの」
55:2015/11/22(日) 22:00:24.918
チノ「そんな…私……」

ココア「安心して、チノちゃん…」

ココア「おじいちゃんは…遠いところからチノちゃんを見守ってくれてるの」

ココア「チノちゃんの心の中にね、ずっとおじいちゃんは…いるんだよ」

チノ「うう…私、私…ッ」ポロポロ

ココア「今までよく頑張ったね、辛かったね」

チノ「本当は…分かってて……」

チノ「でも、でも…!」ポロポロ

チノ「おじいちゃん…!」

チノ「うっ…うあ”あ”あ”あ”あ”ああああん!!」

ココア「よしよし、大丈夫…大丈夫だよ」
56:2015/11/22(日) 22:05:05.820
夜 チノの部屋


チノ(あれから、あっという間に月日が経ってしまいました)

チノ(明日は、とうとうココアさんが退院する日です)

チノ(とりあえず実家に戻ると聞いていますが…心配です)

チノ(それに…なんでしょう このもやもやする気持ちは)

コンコン

ココア「入るね…チノちゃん」

チノ「どうしたんですか?ココアさん」

ココア「うん…なんだか眠れなくなっちゃって」

チノ(今日で最後ですもんね、ココアさん…)

チノ「今日は…一緒に寝ましょうか」

ココア「うんっ!」
58:2015/11/22(日) 22:10:43.644
ココア「えへへ、チノちゃん…あったかい」ギュ

チノ「…ココアさん」

ココア「うん?」

チノ「私、ココアさんの事…初めはしつこい人だなって、思ってました」

チノ「妹のふりをするのも治療の為、仕事の為だって…」

ココア「チノちゃん…」

チノ「でも、やっと今になって分かったんです」

チノ「このもやもやする気持ちは…ココアさんの事を想う気持ちなんだって」

チノ「私も、ココアさんと離れたくなかったん…ですね」

チノ「私の中では…ココアさんは立派なお姉ちゃんです」
59:2015/11/22(日) 22:16:17.444
ココア「………」ポロポロ

チノ「こ、ココアさん!?」

ココア「ごめんね… 私、嬉しくって」

チノ「私、絶対手紙…書きます」

ココア「うんっ、楽しみにしてるね」

ココア「………」

ココア「チノちゃん…えっとね」

チノ「はい?」

ココア「…何でもない、おやすみっ」

チノ「変なココアさんですね…おやすみなさい」
60:2015/11/22(日) 22:21:14.100
1年と半年後

チノ「退院おめでとうございます、ココアさん」

タカヒロ「おめでとう、ココア君」

ココア「ありがとう…ございます」

チノ「寂しく…なりますね」

タカヒロ「………」

モカ「ココア…おめでとう」

ココア「お姉ちゃん……私ね」

ココア「やりたい事を、見つけたの!」
62:2015/11/22(日) 22:26:15.798
モカ「ええ、先生から…聞いてるわ」

ココア「私ね、この1年半…みんなに支えられて、助けられて…生きてきたの」

ココア「だから…今度は私が支えてあげる側になりたい…」

ココア「だから、だから…」

クルッ

ココア「改めて、よろしくお願いします!」

タカヒロ「ああ、歓迎するよ」

チノ「え!?」

チノ「どういう…ことですか」

タカヒロ「彼女は…看護士という道を選んだ、、ここラビットハウスで働くという道を」

タカヒロ「ココア君はお前を救ってくれた、これくらい安いものさ」

タカヒロ「お前には内緒にして欲しいという二人からのお願いでね、悪かったな」

モカ「ごめんね…ココアが驚かせたいって言うから」
63:2015/11/22(日) 22:29:36.334
チノ「で、でも…資格は……」

タカヒロ「現在勉強中だ、彼女なら問題ないだろう」

ココア「チノちゃん…」

ココア「また一緒に…暮らせるね?」

チノ「まったく…しょうがないココアさんです」

チノ「妹に隠し事をした罰です、しばらく口を聞いてあげません」

ココア「!?」

ココア「うわあああん、チノちゃんが反抗期だよ!」

ココア「先生、チノちゃんを治してくださいっ」

タカヒロ「そればっかりは、無理だな」

チノ「…ふふ」

チノ「また賑やかに…なりそうですね」
64:2015/11/22(日) 22:34:34.814
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


チノ「…いかがでしたか?」

チノ「彼女は、ココアさんは今では立派なうちの看護士です」

チノ「今度貴方にも紹介しますね」

ココア「チノちゃーーん!今日新人さんが来るって…」ドタドタ

ココア「…あ」

ココア「初めまして、保登心愛っていいます!」

ココア「この家に下宿させてもらってる、街の国際バリスタ弁護士志望の高校生」

ココア「…っていう設定です」

ココア「それとね、チノちゃんと毎日一緒にお風呂に入って、毎晩一緒のベッドで寝て、それでね…」

チノ「勝手に設定を増やさないでくださいっ!」


終わり
68:2015/11/22(日) 22:43:26.753 ID:LP/kGfq/0.net
イイハナシダナー
69:2015/11/22(日) 22:43:52.497 ID:MRNqbyu00.net
いちおつ
70:2015/11/22(日) 22:48:19.965 ID:TdWVohhT0.net

今ならみんなに会える気がする