1:19/06/12(水)15:04:04 5sC
先生「今日からこのクラスに転校生がくる」

彡(゚)(゚)「誰やろ、やきうの話が出来るやつならええな」

(´・ω・`)「こんにちは」
2:19/06/12(水)15:05:52 5sC
彡(゚)(゚)(はえ~…ってなんやあいつ)

(´・ω・`)「今日からお世話になります」

彡(゚)(゚)(なんであんなに)

(´・ω・`)「よろしくお願いします」

彡(゚)(゚)(右腕が長いんや?)
3:19/06/12(水)15:08:06 5sC
彡(゚)(゚)(普通の体やのに右腕だけだらんと長く垂れとる)

彡(゚)(゚)(床に届きそうなくらい長いやんけ)

クラスメイト「ヒソヒソ…」

(´・ω・`)「……」

彡(゚)(゚)(アイツ……)

彡(^)(^)「おもろそうなやつやな!」
5:19/06/12(水)15:10:58 5sC
彡(゚)(゚)「ワイはやきう言うもんや、お前の右腕なんやそれ。凄いやんけ」

(´・ω・`)「…え? うん、そうだね、長いよね…」

彡(゚)(゚)「せやな、めっちゃ長いな。バット握れへんやろうな」

(´・ω・`)「うん…野球出来ないね…」

彡(゚)(゚)「でも」

彡(^)(^)「めっちゃ便利そうやんけ!」
6:19/06/12(水)15:12:45 5sC
(´・ω・`)(肛門は緩そうだけどいい人そうだな…)

彡(゚)(゚)「遠くのものとかも取れそうやしな、リモコンとかすぐ取れるやろ」

彡(゚)(゚)「特技とかないんか?」

(´・ω・`)「特技?」
8:19/06/12(水)15:15:15 5sC
(´・ω・`)「一応…あるよ」

彡(゚)(゚)「ちょっと見せてくれや」

(´・ω・`)「……えい!」

彡(゚)(゚)「ぎゃああああああああ!!」

彡(゚)(゚)「わいの胸に右腕突っ込んで貫通してもうたやんけ!普通に死ぬやろ!」

(´・ω・`)「大丈夫だよ、痛くないでしょ?」
9:19/06/12(水)15:19:37 5sC
彡(゚)(゚)「……ほんまや、痛くもないし血もでとらん…」(ブリブリュリュリュリュ!!!!!

(´・ω・`)「やっぱり緩かった」(ね?大丈夫でしょ?)

彡(゚)(゚)「せ…せやな…ん、なんやそれ、何持っとるんや?」

(´・ω・`)「うん、君から取り出したんだよ、このバット」
10:19/06/12(水)15:21:28 5sC
彡(゚)(゚)「見覚えのあるバットやな…」

(´・ω・`)「これ、キミにあげるよ」

彡(゚)(゚)「これ…わいが昔使ってたヤツや…」

彡(゚)(゚)「パッパが買ってくれたバットや…」

(´・ω・`)「……」
11:19/06/12(水)15:23:29 5sC
彡(゚)(゚)「やきう選手になりたかったわいにパッパが買ってくれたんや」

彡(゚)(゚)「けど、パッパがわいを少年野球に送ってくれてる時に事故にあって…」

彡(゚)(゚)「その時に折れて…」

(´・ω・`)「うん」

彡(゚)(゚)「……」
12:19/06/12(水)15:25:23 5sC
彡(゚)(゚)「…なにもんや、お前」

(´・ω・`)「……」

彡(゚)(゚)「まぁ……細かいとこはええか。久しぶりにパッパの事思い出したで。ありがとうやで」

(´・ω・`)「それは良かった」

彡(゚)(゚)「今のおもろいな、誰にでも出来るんか?」
13:19/06/12(水)15:28:07 5sC
(´・ω・`)「できるよ」

彡(゚)(゚)「わいはさっき嬉しかったやで。それ使ったらみんなの人気者になれるんちゃうか?」

(´・ω・`)「……そうかな?」

彡(^)(^)「わいが保証するで!」

(´・ω・`)「それなら、やってみよう…かな…」
14:19/06/12(水)15:31:01 5sC
(´・ω・`)「えい!」

「これ…昔なくした筆箱…ありがとう」
「昔書いた友達の絵だ…もう一度見たかったの!」
「転校した友達から貰ったマグカップだ…割ちゃったから捨てたのに…ありがとう!」

彡(^)(^)「ほらな!」
(´・ω・`)「…うん!」
19:19/06/12(水)15:36:14 5sC
彡(^)(^)「人気者になれたみたいやな!」

(´・ω・`)「……」

彡(゚)(゚)「どうしたんや? 浮かない顔して」

(´・ω・`)「ううん…なんでもないよ、僕に良くしてくれてありがとう」

彡(^)(^)「全然や!明日からも楽しく遊ぼうやで!」
22:19/06/12(水)15:38:17 5sC
しばらくして

クラスメイト「ヒソヒソ…」

彡(゚)(゚)「どうしたんや?」

「あ、あの転校生の事なんだけど最近ちょっと調子乗ってない?って噂してたとこだよ」

彡(゚)(゚)「調子?アイツが? どういう事や?」
26:19/06/12(水)15:40:12 5sC
「だって、この前、昔なくしたゲーム出してくれよって頼んでも出してくれなかったし」
「私も頼んだけど断られた事ある」
「俺もあったな、やっぱ調子乗ってるよな」
「そうだよな、あの右腕キモイし」

彡(゚)(゚)(みんな、最初は持て囃してたやんけ……)

彡(゚)(゚)(頼み事断られたら調子乗ってる事になるんか?おかしいやろ)
27:19/06/12(水)15:41:40 5sC
彡(゚)(゚)「あの転校生どこにおるんやろ…あ、あんな所で1人でおった」


彡(゚)(゚)「なぁ…」

(´・ω・`)「なに?」

彡(゚)(゚)「なんか…わいのせいで…すまんかったな…」

(´・ω・`)「ううん、大丈夫だよ」
28:19/06/12(水)15:43:28 5sC
彡(゚)(゚)「それにしてもクラスのやつら、おかしいでほんま」

(´・ω・`)「そんなことないよ、僕から見たらキミの方がおかしいよ」

彡(゚)(゚)「わいが? なんでや?直ぐにクソ漏らすからか?」

(´・ω・`)「そこはおかしいよね」(そこじゃなくって)

(´・ω・`)「僕があの右手使うと、みんな最後はだいたいあんな感じになるんだよ」
30:19/06/12(水)15:45:13 5sC
(´・ω・`)「僕転校してきたでしょ?」

(´・ω・`)「転校した理由もそれなんだ。最初はみんな喜んでくれたんだ」

彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「でも、最後にはあんな感じになって」

(´・ω・`)「それで、いじめられて。だから転校してきたんだ。でもここでも虐められちゃうっぽいね、あはは」
31:19/06/12(水)15:46:49 5sC
彡(゚)(゚)「わいのせいやな」

(´・ω・`)「ううん、僕がやめとけば良かったんだ。でも、キミがいい人そうだったから」

(´・ω・`)「キミかいれば大丈夫かも、って思って……あ、ごめんね、キミを、責めてるわけじゃ――」

彡(゚)(゚)「……」
34:19/06/12(水)15:47:56 5sC
(´・ω・`)「なんでこんな腕なのかな」

(´・ω・`)「なんでこんな力あるのかな」

(´・ω・`)「なんで僕はまたいじめられちゃうの事な」

(´・ω・`)「なんで」

(´・ω・`)「なんで僕はキミを」

彡(゚)(゚)「……った」
35:19/06/12(水)15:49:02 5sC
(´・ω・`)「え?」

彡(゚)(゚)「分かった」

(´・ω・`)「なにが?」

彡(゚)(゚)「わいがなんとかしたる」

(´・ω・`)「……どうやって?」

彡(゚)(゚)「それは分からん」
40:19/06/12(水)15:50:36 5sC
(´・ω・`)「あはは、なんだよそれ」

彡(^)(^)「すまんな」

彡(゚)(゚)(でも、わいがなんとかしたる!)

(´・ω・`)「それじゃまた明日ね」

彡(゚)(゚)「ほなまた明日」
41:19/06/12(水)15:53:17 5sC
彡(゚)(゚)(アイツは悪くないんや)

彡(゚)(゚)(でも、クラスのみんなの気持ちも分からんではない)

彡(゚)(゚)(便利な力があるのに使ってくれないんや)

彡(゚)(゚)(わいに、何が出来るんやろ……)


そして次の日
42:19/06/12(水)15:54:16 5sC
彡(゚)(゚)「おはようやで」

「お、やきうおはよ……なんだそれ……」

彡(゚)(゚)「あぁ、これか?」

彡(゚)(゚)「これはバットや」
43:19/06/12(水)15:55:19 8ej
あっ
45:19/06/12(水)15:55:38 FwT
急に不穏なムードになるのやめろ
46:19/06/12(水)15:56:09 5sC
「朝からそんなも持ってきてどうしたんだ?」

彡(^)(^)「これか?」

彡(^)(^)「これはこうするんや」
ガッシャーン!!!!

「ちょ!いきなり窓ガラス割り出してどうした!バットも折れちゃってるし」

彡(^)(^)「何か問題でもあるんか?」
47:19/06/12(水)15:56:23 Rju
!?
53:19/06/12(水)15:57:35 5sC
「お前、そのバット思い出のバットだったんじゃないのかよ」

彡(^)(^)「せやで」

「せっかくアイツに出してもらったのに勿体無い」

彡(^)(^)「せやな。せっかく出してもらったけど」

彡(^)(^)「このバット、わいはもう要らんのや」
54:19/06/12(水)15:59:05 5sC
彡(^)(^)「だって、このバットは、本当ならパッパと一緒に無くなってしまったんや」

彡(^)(^)「ここにあったらいけないんや」

彡(^)(^)「だからこうや」
ガッシャーン!!!!

「やめろ!読んで来る!」

先生「おいやきう!何やってんだ!やめろ!」

彡(^)(^)「なんでや?」
55:19/06/12(水)16:00:38 5sC
(´・ω・`)「停学1ヶ月か…」

彡(゚)(゚)「退学にならんかっただけええと思わなきゃならんな」

(´・ω・`)「…ねぇ、なんであんなことしたの?」

彡(゚)(゚)「なんでやろ、わいにも分からん」

(´・ω・`)「そっか…」

彡(゚)(゚)「そうや…」
56:19/06/12(水)16:02:34 5sC
(´・ω・`)「あれからね…一応虐められなくなったよ」

彡(゚)(゚)「そうか」

(´・ω・`)「それで、みんな僕が出したヤツを返してきた」

彡(゚)(゚)「それはどうしたんや?」

(´・ω・`)「みんなの胸に戻しといたよ」

彡(゚)(゚)「それがええかもな」
57:19/06/12(水)16:05:54 5sC
彡(゚)(゚)「なぁ、ひとつ頼みがあるんやけど」

(´・ω・`)「なに?」

彡(゚)(゚)「あの力、お前に使ってみたらどうや?何が出てくるか興味ないか?」

(´・ω・`)「僕に? やったことないけど…」
58:19/06/12(水)16:07:16 5sC
彡(゚)(゚)「今までは、あの力を他人に使ったらお前が不幸になってきたんやろ?」

彡(゚)(゚)「せやったら、自分につこうたら幸せになるんちゃうか?」

(´・ω・`)「……どうなんだろ」

彡(゚)(゚)「何が出てくるかも興味ないか?」

(´・ω・`)「……」
59:19/06/12(水)16:08:35 5sC
彡(゚)(゚)「わいは、なんや知らんけどお前が気に入ったんや」

彡(゚)(゚)「お前には楽しくしてて欲しいんや」

(´・ω・`)「分かった、やってみる」

彡(^)(^)「わいが見ててやるで!」

(´・ω・`)「それじゃ行くよ……? えい!」

ぐにゃぁ
60:19/06/12(水)16:09:41 5sC
先生「今日からこのクラスに転校生がくる」

彡(゚)(゚)「誰やろ、やきうの話が出来るやつならええな」

(´・ω・`)「こ……こんにちは……?」(あれ?)


(´・ω・`)(既視感がある……これは、転校初日の……?)
61:19/06/12(水)16:10:47 5sC
(´・ω・`)(僕の力は無くした大切なものが出てくる)

(´・ω・`)(僕にとって無くした大事なものは)

(´・ω・`)(この学校で過ごした虐められたくないっていう時間だったのか……)
62:19/06/12(水)16:12:18 5sC
(´・ω・`)(このまま僕がやきうくんの言う通りにしなければ虐められることもないだろうな)

(´・ω・`)(そしたらみんなは、ちょっと右腕が気持ち悪いだけの普通の生徒として接してくれるんだろうな)

(´・ω・`)(でも)

(´・ω・`)(そうしたらやきうくんとは)

(´・ω・`)(やきうくんとは仲良くなれないのかもしれない)
63:19/06/12(水)16:13:59 5sC
先生「ほら、どうした?自己紹介しなさい」

(´・ω・`)(右腕を僕の腕から引き抜け!いまなら多分!まだ間に合うはず!)

先生「どうした?」

(´・ω・`)(うわあああああああ!間に合えええええ!心の中であの日、やきうくんの前で胸に右うてを差し込んだイメージを逆再生するんだ!)

(´・ω・`)(間に合えええええええ!)
64:19/06/12(水)16:15:22 5sC
(´・ω・`)「……!?」

彡(゚)(゚)「どうした?胸に腕突っ込んだまま途中で固まって。クソでも漏れたか?」

(´・ω・`)「やきうくん」

彡(゚)(゚)「なんや?」

(´・ω・`)「大事なもの、見つけたよ」

彡(゚)(゚)「?」
65:19/06/12(水)16:17:04 5sC
彡(゚)(゚)「なんやそれ。何があったんや?」

(´・ω・`)「でも内緒」

彡(゚)(゚)「おかしなヤツやな、まぁええわ。飯でも食いに行こか、ええ残飯出すレストラン知ってんねん」

(´・ω・`)「あはは、残飯はやきうくんだけで食べてね」

(´・ω・`)(ありがとう)


終わり
67:19/06/12(水)16:19:37 5sC
児童文学が書きたかったんや
すまんな
68:19/06/12(水)16:25:49 vx5
ええやん
69:19/06/12(水)16:28:26 5sC
>>68
サンガツやで
ええ息抜きになったわ
引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1560319444