1: 2012/06/29(金) 21:16:22.45 ID:N3qW/t7V0
織姫「年に一度しか直接会えない夫婦の、どこがリア充なのよ」

彦星「年に一度、会える人がいるだけマシだって思ってんじゃないの、そういう連中は」

織姫「どこがよ。しかも、勘違いしている人が多いんだけど、私達恋人同士じゃなくて夫婦だからね」

彦星「お見合い結婚だしなあ」

織姫「そもそも、私達結婚するまで恋愛経験一切なかったから」

3: 2012/06/29(金) 21:17:46.90 ID:N3qW/t7V0
織姫「私に関して言えば、父親である天帝が、あまりの喪女っぷりに業を煮やして、無理矢理お見合いさせたわけだし」

彦星「こっちも似たような経緯だな。いつの間にやら見合いの席がセッティングされていた」

織姫「あの時は大変だったわ。今まで機織りしかしたことなくて、男性経験皆無だったし」

彦星「こっちもだ。牛の世話ばっかしで、女性とまともに話したことなんてなかったからなあ」

織姫「思い出すなあ、お見合いのときのこと…」

8: 2012/06/29(金) 21:18:45.95 ID:N3qW/t7V0
――織姫、彦星、初顔合わせ

天帝(神様)「こんにちは。これが私の娘の織姫です」

織姫「…(やばいやばいやばいめちゃくちゃ緊張してきた…!!! 変な汗でまくってる…!!!)」

彦星父「美しいお嬢さんですね。こっちが私の息子です」

彦星「…(いやいやいや、いきなりこんなところに連れて来て、俺にどうしろっていうんだよ!! 胃が痛い…!!!)」

天帝「ほれ、挨拶ぐらいせんか」

織姫「ひゃ、ひゃい!! は、初めまして…!! わ、わ、私は織姫です!!!!!!!!」

織姫(どもりまくってんじゃん!! どうすんのよ、私!!!)

彦星父「ほら、お前もだ」

彦星「は、は、は、初めまして。ぼ、ぼ僕は彦星です…!! きょ、きょ、今日はよろしくお願いします!!!!!」

彦星(まともにしゃべれねえ!! 牛の世話ばっかしてて、女の子とほぼ会話した事の無い男に、
   いきなりお見合いは難易度高すぎるだろ!!!)

11: 2012/06/29(金) 21:20:08.07 ID:N3qW/t7V0
天帝「いやあ、たくましい息子さんのようで、私としては大満足ですよ」

彦星父「おしとやかなお嬢さんですなあ。御宅の家柄の良さが、伝わってきますよ」

HAHAHAHAHAHA

天帝「では、後は若い二人に任せて」

彦星父「私たちは席を立ちましょうか」

織姫(え!? おかしいでしょ!? まともに会話すらできてないのに、それは無理でしょ!!!)

彦星(頼む、親父!!! 行かないでくれ!! この後どうすればいいか、ガチで見当がつかねえ!!!)

スタスタ

織姫「…(うわあ、二人きりじゃん。どうするよ、私!?)」

彦星「…(何!? いったい何の話をすればいいの!? 全然分かんねえ!!)」

14: 2012/06/29(金) 21:21:14.12 ID:N3qW/t7V0
シーン

織姫「…(沈黙が気まずすぎる…!! ここは相手の出方を伺おう。話しかけられれば、それに応じればいいんだ)」

彦星「…(空気が重いけど、向こうが何とかしてくれるよな!? あっちが話せば、こっちも話そう!!!)」

織姫「…」

彦星「…」

織姫「…」

彦星「…」

織姫「…」

彦星「…」

織姫「…」

彦星「…」

織姫「…」

彦星「…」

17: 2012/06/29(金) 21:22:06.04 ID:N3qW/t7V0
彦星「…(向かいの席に座ってるけど、黙ったまま、お互い目を反らしあうってダメだよな!! 早く何とかしてくれ!!)」チラッ

織姫「…(何!? なんで視線向けてくるの!? そんな目をされても、私からは話せないわよ!?)」チラッ

彦星「…(このままじゃ絶対にダメだ!! 頑張って、こっちから口を開いてみるか!?)」ウズウズ

織姫「…(こっちから声をかけてみようか!? そうすれば、状況が変わるかもしれない!!!!)」ソワソワ

彦星「…(お、向こうがちょっとそわそわしてるぞ!! 話しかけてくれるかもしれない!! やっぱりそれまで待とう!!)」

織姫「…(やっぱり自分から話す必要はなさそうね!!! 向こうがうずうずしてる!! 相手がしゃべるまで待とう!!)」

彦星「…」

織姫「…」

彦星「…」

織姫「…」

彦星「…」

織姫「…」

彦星「…」

19: 2012/06/29(金) 21:23:16.44 ID:N3qW/t7V0
織姫「きょ、今日は、いい天気ですね…」

織姫(や、やった!! 何とか声を出せた!!)

彦星「そ、そうですね。ここの食事もおいしいですし…」

彦星(家族以外の女性と話したの、初めてだ…!!)

天帝「おお、無事に会話ができたようですね!!」

彦星父「うちの息子は、他人と接するのが苦手ですから。一言でも喋れたのなら、結婚は大丈夫でしょう!!」

天帝「私の娘も同じです。少しでも会話が成立する相手がいて良かった…!! この縁談、まとまりましたね!!!」

HAHAHAHAHA

彦星(ええ!? ちょっと会話しただけで結婚!?)

織姫(どうなってんのよ、これ!! 天気と食事の当たり障りのない会話で結婚決定とか、どう考えてもおかしいでしょ!!!)

21: 2012/06/29(金) 21:24:20.95 ID:N3qW/t7V0
織姫「いやあ、本当にお見合いは大変だった。私の人生の中で、一番難易度の高いイベントだったわよ」

彦星「俺もそれは同じだ。でも、結婚してから一緒に暮らすようになって、ものすごく仲良くなれたよな」

織姫「元々似たような気質の二人だからね。仲良くできるのは当然なのかも」

彦星「コミュ障治すって意味じゃ、俺の親父の考えは正しかったのかなあ?」

織姫「そりゃそうでしょ。結婚してから、私もコミュ力アップしたし」

彦星「その癖に、お義父さんは俺たちを引き離したんだよなあ…」

織姫「全くよ。余計なことしてくれちゃって」

彦星「サンタクロースさんからもらったパソコンやボイスチャットの機器のおかげで、俺達顔自体はしょっちゅう合わせてるけどな」

織姫「下界の人間は、私たちのこと、ガチで一年に一度しか接することができないって思ってるらしいわよ」

彦星「それはないわw 俺ら普通に携帯電話も持ってるしw」

22: 2012/06/29(金) 21:25:24.60 ID:N3qW/t7V0
織姫「しかし、毎年この季節になると思い出すわね…。私たちが引き離された時のこと…」

彦星「そうだよな…。他のリア充カップルは、引き離されなかったのに…」

織姫「まさかぼっち連中の影響でこうなるとは思っていなかった」

彦星「ぼっちの人たちは、仲間だと思っていたのに…」

織姫「まあ、私たちが引き離されたのは、リア充のせいって面が大きいんだけどね…」

24: 2012/06/29(金) 21:26:32.65 ID:N3qW/t7V0
――蜜月中の二人

彦星「織姫♪」

織姫「なあに?」

彦星「呼んでみただけ♪」

織姫「もう♪」ギュ

彦星「手をつなぐと分かるんだけど、織姫の手って、暖かくて大好き」

織姫「私も、彦星の事が大好き」

彦星「結婚前はどうなるかって思ったけど…」

織姫「いっぱい、いっぱい、貴方の事を愛せるようになれて良かった」

俺達1(何なんだよ、あいつら…!! 場所を考えろよ!!!)イライラ

俺達2(路上であんな、ピンク色のオーラ出しやがって!! むかつく!!)ムカムカ

25: 2012/06/29(金) 21:27:36.21 ID:N3qW/t7V0
織姫「愛してる。すっごく」ダキッ

彦星「こら、人前だぞ。それなのにいきなり腕に抱きついてきて…」

織姫「いいじゃん。あなたも嬉しそうだし」

彦星「そうだけどさ…」

織姫「こっち向いて、私の顔をしっかり見て?」

彦星「なんだよ、いきなり…」

チュッ

彦星「さ、さすがに表でいきなり口づけは…///// 人も見てるのに…/////」

織姫「いいじゃない、見せつけてやれば。私たちはこんなに愛し合ってますって」

俺達3(クソ、クソ、クソ!!!! ぼっちの気持ちも考えろよ、あの夫婦!!!!!)ムカムカムカ

俺達4(帰ったら壁殴り代行を呼ぼう!!! でも俺、あの夫婦の隣家に住んでるわけじゃないから、あまり意味ないよなあ…)

26: 2012/06/29(金) 21:28:38.01 ID:N3qW/t7V0
天帝の居館

天帝「ふむ。織姫と彦星が、場所をわきまえずにいちゃついて困っていると」

俺達1「そうなんです。見ていて非常に腹立たしいです」

俺達2「公序良俗の観点から見ても、路上で堂々とじゃれあうのはまずいでしょう」

俺達3「あなたの娘ともあろう方が、あのようなざまでは悪い見本になってしまいます」

俺達4「ついでにリア充が表でデートをしたり、自虐風自慢を行うことも規制しましょう。リア充に苦しめられるものが多すぎます」

天帝「…君たちの意見だけでは判断できないな。一応、リア充側の話も聞かないと」

28: 2012/06/29(金) 21:29:41.66 ID:N3qW/t7V0
リア充男1「ええ!? 恋人同士でデートや仲良くすることを禁止にする!?」

リア充女1「それはさすがに横暴すぎるでしょう!?」

天帝「しかし、君たちを見て不快な思いをするものがいるのも事実だ」

リア充男2「そんなのぼっちだけでしょwww」

リア充女2「嫉妬かよwww醜すぎでしょwwww」

リア充男3「大体ね、恋人同士でいちゃついたりするのは普通でしょう?」

リア充男4「そういう恋人同士のスキンシップがあって、子供ができ、家族の営みにつながるんでしょう?」

リア充女4「それを否定するってのは神様としてどうなんですか?」

天帝「…一理ある」

30: 2012/06/29(金) 21:30:50.30 ID:N3qW/t7V0
リア充女5「大体、ぼっちとリア充の人口、どっちが多いと思ってるんですか?」

リア充男5「我々の方が多数派ですよ。それを敵に回すような規制をすると、あなたへの信仰が無くなってしまいますよ?」

天帝「しかし、このままでは私はどうすれば…」

リア充女6「だったらさ、織姫と彦星を別れさせたらいいじゃんw」

リア充男6「そうだよな。元々あの二人の問題なのに、俺達にまでとばっちりが来るのはおかしいですよ」

天帝「だが、あれでも一応私の娘夫婦だし…」

リア充男7「早く決断したほうがいいですよ? でないと、リア充みんながあなたへの支持を取りやめますよ?」

リア充女7「織姫うざいしww喪女のくせに最近調子に乗ってるからwwwあいつらが引き離さられるのは、残念でもないし当然だよねww」

天帝「…」

31: 2012/06/29(金) 21:31:54.93 ID:N3qW/t7V0
天帝「お前達夫婦には、別れてもらうことにした。彦星の父には、すでに話を通してある」

織姫「はあ? 意味わかんない? せっかく結婚生活にも慣れたのに…」

彦星「そうですよ、お義父さん。どういうことですか?」

天帝「お前たちのいちゃつきのせいで、私への信仰にも支障が出るようになったからだ。トアァ!!」

ザザザザザザ

織姫「お父様!? いきなり神通力を使うなんて…」

彦星「天の川が増水していく!! このままじゃ会えなくなるぞ!!」

天帝「…これからは二人とも、天の川のそれぞれの岸で暮らすんだ」

32: 2012/06/29(金) 21:32:59.52 ID:N3qW/t7V0
――現在

織姫「お父様が私たちを、天の川を使って隔てさせた理由が、リア充の放言にあると知った時は殺意が沸いたわ…」

彦星「こっちもだぜ。あいつら、数が多いからその他のもののことを、考えようとしない」

織姫「私達みたいに、ぼっち上がりで夫婦になったものは辛いわね…。リア充からは見下され、仲間に入れないし…」

彦星「ぼっちの方々からは、裏切者扱いだもんなあ…」

織姫「けど、なんだかんだで一年に一度直接会えるようになったのはよかったわね」

彦星「まあな。願い事を叶えるという条件を加えられたけど…」

33: 2012/06/29(金) 21:34:04.24 ID:N3qW/t7V0
――織姫と彦星が別れた少し後 天帝の居館――

天帝「織姫よ。私の服が少しくたびれてきたから、修繕してくれないか?」

織姫「なぁにぃ 聞こえんなぁ」

天帝「ど、どうしたんだ、織姫? そんな態度をとるようになって…」

織姫「そりゃ、父親に意味不明な理由で離婚させられたらこうなりますわ。私今サイレントテロ実行中だから。仕事はしないよ」

天帝「そんな…。お前が仕事をしなくなったら、服飾産業はどうなるんだ…」

――彦星の家――

彦星父「どういうことだ、彦星よ!? 勝手に牛たちを全て食肉業者に売る契約を結びおって…」

彦星「もう俺仕事へのやる気なくしたから。離婚させられたし。これ、労働争議の一環だから。契約破棄してほしかったら、
   こっちの要求を呑んでね」

彦星父「な!? お前が牛の世話をやめると、畜産業は壊滅してしまうぞ!?」

彦星「いいんじゃね? それで?」

彦星父「いいわけあるか!! これは少し、天帝殿と会って話をせねば…」

34: 2012/06/29(金) 21:35:14.49 ID:N3qW/t7V0
彦星父「お嬢さんも、仕事をしようとしないんですね…。どおりで服がボロボロなわけだ…」

天帝「そちらの息子さんもですか…。仕方ありません、あの二人を条件付きで再会させましょう。
   ニートを抱えるよりはマシでしょうし…」

――天帝の居館 話し合いの席――

彦星「へえ、一年に一度、七月七日だけは俺たちが会っていいと?」

天帝「そうだ。普段は勤勉に働き、会う時、下界の人間の願いを叶えるという条件付きだがな」

織姫「何でそんなことをしなくちゃいけないわけ? しかも変な条件があるし…」

彦星父「落ち着いて聞け。いいか、叶える願い事は自由だ。もちろん、リア充を破滅させるようなものでもいい」

天帝「その権利をやる代わりに、会えるのは一年に一度だ」

彦星「へえ…。一年に一度会うって約束を守れば、リア充に天誅を下せるんですね…」

織姫「それなら、悪くないわね…」

彦星「いいでしょう。その条件、受け入れましょう」ニッコリ

織姫「年に一度ぐらい、リア充も不幸になるべきだろうしね(ゲス顔)」

35: 2012/06/29(金) 21:36:17.50 ID:N3qW/t7V0
――現在

彦星「そういや、こうやってパソコン使って話すのって、約束違反にはならないの?」

織姫「一度私はお父様に咎められたんだけどね、これをくれたサンタさんが出てきて、お父様を説得してくれたのよ…」

彦星「マジかよ。サンタさんはやっぱりいい人だな!! 俺も最近直接会ってないから、一度顔を見に行くか」

織姫「ところがどっこい、単純ないい話で終わらないのよ…。サンタさんは凄い人でね…」

彦星「え!? サンタさん、何かしでかしたの!?」

織姫「うん…。私がお父様に、叱られて、サンタさんに相談した時――」

36: 2012/06/29(金) 21:36:33.62 ID:34GNL4j80
彦星と織姫の寿命を人間の寿命に置き換えてみると、体感的に二十秒に一度会ってることになるんだぜ
だからどうしたって話だが

37: 2012/06/29(金) 21:37:22.79 ID:lTHTGQnQ0
20秒毎に一瞬だけ会ってるって相当だわ

38: 2012/06/29(金) 21:37:28.38 ID:N3qW/t7V0
――パソコン入手後 天帝の居館――

天帝「織姫よ、直接顔を会わせてはいないが、パソコンで彦星と話すはやはり、約束違反になるぞ!!」

織姫「そんな、ひどい…」

天帝「早急にそれを処分せい!!」

織姫(やばいわね…。これをくれたサンタさんに、一度相談してみるか…)

織姫 自室

織姫(メールを打つか…)カタカタ

織姫(あ、早いわね。もう返事が来た)

織姫(何々…。お父様に会いに直接家に来てくれるの!? やったあ!!)

織姫(しかも処分は無しの方向に説得してくれるって!!)

39: 2012/06/29(金) 21:38:36.07 ID:N3qW/t7V0
サンタ「ほっほっほっ、久しぶりですなあ、天帝殿」

天帝「む。サンタクロースか。何か用でもあるのか? こんな時期に…」

サンタ「ワシが織姫にプレゼントしたものを、捨てようとしているようじゃのう」

天帝「仕方ないのだ。あれを使って、彦星といつも話をされると約束違反になり、他のものへの示しがつかなくなる」

天帝「織姫よ、お前もこのような下らないことでサンタクロースを呼ぶのではない!! パソコン処分は決定事項だ!!」

織姫「うう…。そこを何とか…」

天帝「無理だ。サンタクロース、お前も余計なものを私の娘に与えよって…」

サンタ「余計…!?」ピクッ

天帝「ど、どうした、サンタクロース」

織姫(雰囲気が変わった…?)

サンタ「のう、天帝よ、ワシのプレゼントにケチつける気か?」

天帝「え…?」

サンタ「いつからお前はワシのプレゼントにケチをつけられるほど偉くなったんじゃ!!!!!!!」バンッ!!

42: 2012/06/29(金) 21:40:05.86 ID:N3qW/t7V0
天帝「ひっ…」ビクッ

サンタ「天帝よ、下界の人々の信仰がお前に集まっているのは、誰のおかげだと思っておる!?」

天帝「そ、それは…」

織姫「サ、サンタさんが子供たちにプレゼントを与える事が見返りとなり、神への信仰につながっています」

サンタ「そうじゃ。織姫はよく分かっておる。そのプレゼントを余計だというのなら、ワシはもう子供たちに与えんぞ?」

天帝「そ、そんなことをされたら、私への信仰が…」

サンタ「加えて、天帝のせいでワシがプレゼントを配れなくなると知ったら、子供達は皆、お前を憎むだろうなぁ」

織姫(世界中の子供たちからの支持があるサンタさんに、お父様は絶対に逆らえない…)ワナワナ

天帝「わ、私はどうすればいいんだ…」

サンタ「答えは簡単じゃ。ワシが織姫にやったものを、処分するな」

天帝「しかし、それでは…。約束が…」ブツブツ

サンタ「今すぐはっきり答えを出さんかい!! プレゼントを捨ててワシと世界中の子供たちを敵に回すか、
    捨てずに今まで通りの関係を保つか!! 二つに一つじゃ!!!」

織姫(サンタさん、すさまじい人だわ…。絶対に刃向っちゃちゃいけない…)ガクブル

43: 2012/06/29(金) 21:41:14.38 ID:N3qW/t7V0
――現在

織姫「ってなことがあったのよ」

彦星「怖えええええ!!! サンタさん、マジ半端ねえな」

織姫「私達、季節の行事の業界人の中で、最強なのは間違いなくあのお方よ」

彦星「そういや、最近他の連中とは会ってるか?」

織姫「こいのぼりには今年あったわね。天の川を上ってきてたし」

彦星「あいつらもなかなか大変だよなあ。自由に空を泳げるのは、年に一度だし…」

織姫「まだお雛様たちに比べたらマシじゃない? あの子たち、下手すれば何年も倉庫の中だし…」

彦星「節分の鬼も不憫だよなあ。毎年出てくるたびに、豆で追い払われるんだぜ…」

45: 2012/06/29(金) 21:42:18.18 ID:N3qW/t7V0
織姫「意外と私達って、恵まれているのかもしれないわね」

彦星「俺が会った中で、一番可哀そうなのはジャックランタンだなあ…」

織姫「ジャックランタン? ええと、誰だったけ?」

彦星「あいつだよ。ハロウィンのときにいる、カボチャをくりぬいて顔の形にした奴」

織姫「ああ、思い出したわ」

彦星「去年、そいつが家に訪ねてきたんだけどな――」

46: 2012/06/29(金) 21:43:24.06 ID:N3qW/t7V0
――去年の10月 彦星の家――

ジャックランタン「こんにちは。彦星さんですか?」

彦星「おお、ジャックランタンか。どうした?」

ジャックランタン「実は、あなたにお願いがあってここに来たのです。話を聞いてもらってもいいですか?」

彦星「ああ、構わないぜ」

ジャックランタン「日本における、ハロウィンの普及について、相談したいことがあるんです」

彦星「そういや、日本じゃハロウィンは全然メジャーな行事じゃないよなあ…」

ジャックランタン「それで困ってるんです。私の課せられたノルマとして、あと数年で、
         日本にハロウィンを根付かせねばならないのです」

彦星「なるほど。大変な仕事だな」

ジャックランタン「七夕は元々中国の行事ですよね? それがいつの間にやら日本でも流行っていました。
         今日来たのはズバリ、異国の風習を日本に定着させるためのノウハウを伺いたいんです」

彦星「ノウハウっていってもなあ…。気づいたら日本でも受け入れらてたし…。クリスマスもそう。明確なものなんてないなあ…
   行事ってそんなもんじゃね?」

ジャックランタン「そうですか…。いつの間にか日本の国民的行事になっていたと…」

48: 2012/06/29(金) 21:44:41.11 ID:N3qW/t7V0
ジャックランタン「日本で私は、大手代理業者や、遊園地に頼んで、ハロウィンのイベントが開かれるようにお願いしました」

彦星「実際、そういうところじゃ盛り上がってるよな。しっかり仕事してるんだな」

ジャックランタン「けど、それだけじゃダメなんです。トリックオアトリートが、町内の各家庭で気軽にできるぐらいにならないと…」

彦星「ああ、なかなか厳しいわな、それは…」

ジャックランタン「もしこのノルマが達成できなければ、私は職を失うかもしれません。そうなれば妻と子供は…」

彦星「…かなり、切羽詰まった状況だな」

ジャックランタン「すみません…。あなたにするべき話ではなかったですね」

彦星「いいよ。分かった。俺もできる限り、ハロウィン普及に協力させてもらうよ」

ジャックランタン「ありがとうございます!! 彦星さんにそういってもらえると、千人力です!!」

彦星(とはいえど、成功は保証できないがな…。実際、なんで日本に根付かないんだろう?)

49: 2012/06/29(金) 21:45:53.78 ID:N3qW/t7V0
――現在

織姫「うわあ…。ジャックランタンも大変ねえ…」

彦星「他にもいろいろ話したんだが、上司もかなり厄介みたいだぜ? パワハラは当たり前だとか」

織姫「いわゆるブラック企業ってやつね…。肉親が直接の上司である私達には、分からない苦労だわ…」

織姫「そろそろ、直接会いましょうか」

彦星「願い事の選定作業があるしな」

織姫「天の川の方を見たけど、カササギも集まってきてるわね」

彦星「よし、じゃあ行こうぜ」

51: 2012/06/29(金) 21:47:47.67 ID:N3qW/t7V0
天の川 川岸 彦星側

彦星「毎年毎年、よくやるよお前たちも」

俺達1「ディーフェンスwwwディーフェンスwww」

彦星「なあ、素直に通してくれる気はないのか? 年に一度の機会なんだ」

俺達2「はあ? 年に一度どころか、俺たちなんて永遠に会う人がいないんだけど?」

彦星「まあ、確かにそうだが…」

俺達3「お前はぼっちだったくせに、結婚してからすぐに調子に乗り出したクズだからwwwww」

俺達4「裏切者に容赦はしない」

俺達5「それ、ディーフェンスwwwディーフェンスwww」

52: 2012/06/29(金) 21:50:05.24 ID:N3qW/t7V0
天の川 川岸 織姫側

織姫「素直に通して、って言って、どいてくれる相手じゃないわよね…」

俺達6「よくわかってんじゃん。ディーフェンスwwwディーフェンスwww」

織姫「さて、今年はどうしたものか…」

俺達7「リア充の横暴から、ぼっちを守るのがこのディフェンスだ!!!」

俺達8「我らの目が黒いうちは、ここから一歩も通さんぞ!!!」

織姫「やだ、かっこいい…。って、言ってる場合じゃないわね…。あんた達はどうして、毎年邪魔をするの?」

俺達9「リア充が憎いからだ!!」

織姫「でも、それって嫉妬からくる感情よね? ホントは私たちのことをうらやましいと思ってるじゃないの?」

俺達7「当たり前だ!! だからなおさら憎いんだ!!」

織姫「そっかあ。じゃあ、あんたたちも女性と付き合えれば、こういうことはしないの?」

俺達6「それは…」

俺達8「そんなの無理だからwwwあり得ない仮定はやめろwwww」

俺達9「自分でいうなよ…。むなしくなるだろ…」

53: 2012/06/29(金) 21:51:49.48 ID:N3qW/t7V0
織姫「付き合えるよ? あんた達でも、リア充になれる」

俺達6「え?」

織姫「私が年に一度、彦星と会って願い事を叶えることは知ってるよね? その力を使えば、あんたたちをリア充にできる」

俺達7「本気で言ってるのか?」

織姫「マジよ。そのぐらいのことはできる」

俺達8「おい、この方を通して差し上げろ!! ディフェンスはやめだ!!」

俺達9「ついに、ついに俺達にも春が…!!」

織姫「ありがとう。じゃあ、通してもらうわ。カササギの橋はもうできてるわね。まずは向こうに、彦星を迎えに行きましょう」

54: 2012/06/29(金) 21:53:55.89 ID:N3qW/t7V0
天の川 川岸 彦星側

彦星「よお、久しぶりだな、来てくれたのか」

織姫「ええ。早くあんたもカササギの橋へ来なさい」

俺達1「向こう岸の連中は何してんだ!! あっさりと織姫、彦星を再会させやがって…!!」

俺達2「ディフェンス能力が低すぎるぞ!!」

織姫「ああ、それに関してはね――」

織姫、事情説明中

俺達1「ぜひともお通り下さいませ、彦星様!!」

俺達2「このような暴挙を働き、申し訳ありませんでした!!」

俺達3「これからは全力であなた方に尽くします!!」

俺達4「どうか、我々の愚行を許してください!!」

俺達5「いぃぃぃぃやったあああああ!!! リア充になれるんだ!!!!」

彦星「凄い手のひらの返しようだな…」

織姫「さ、行くわよ」

55: 2012/06/29(金) 21:54:27.11 ID:N3qW/t7V0
織姫「そうそう。確かに私たちにはあんたたちをリア充にできる力があるわ。でも、それを実行するとは一言も言ってない」

俺達1「は?」

織姫「どうして私たちがそんなめんどくさいことしなきゃなんないの? ま、通してくれてありがとう、一生ぼっちのみなさんwwwww」

俺達2「だ、騙しやがったなあ!!!!」

俺達3「野郎!! ぶっ殺してやる!!」

彦星「あ、こら、そんな風に走ってはカササギの橋は渡れないぞ!」

俺達4「うるせえ!!」

カササギ「カチカチ」バサバサ

俺達5「あ、足元のカササギが飛んでいって…」

俺達6「うわあああああぁぁぁぁ!!!」ヒューン ボチャン

織姫「ざまあwww ぼっちの川流れwwww メシウマすぎるわwwww」

彦星「ひでえ…。ひどすぎるわ、織姫…。さすがの俺もこれは引くわ…」

56: 2012/06/29(金) 21:55:03.07 ID:N3qW/t7V0
カササギの橋の上

織姫「何言ってんの。あんたも昔はディフェンス掛けてきた奴に、牛を突進させて蹴散らしてたでしょ」

彦星「そうだけどさあ…。まあ、バファローズがブルーウェーブと合併して、牛の力が弱くなったから、それはもうできないけど…」

織姫「ああいう風に妨害してくるぼっちの連中、近年じゃ増加傾向にあるわね」

彦星「まあな。ネットの掲示板とかでは、七夕織姫彦星再会妨害オフ会とかが企画されてるらしいし…」

織姫「なるほど。今日来たのも、そういうのの参加者かしら」

彦星「でも、本気で妨害者の対策は考えないとなあ。来年は同じ手に引っかからないだろうし…」

織姫「まあ、それは後にして、今は願い事の選定をしましょう」

彦星「今年も、天の川に願い事を書いた短冊がいっぱい流れてきてるな」

57: 2012/06/29(金) 21:56:04.68 ID:N3qW/t7V0
織姫「願い事を書くのはいいけど、7月7日当日に短冊を笹にかけても、間に合わないからね」

彦星「まあな。俺たちも七夕の数日前にはカササギの橋に来て、願い事を選ぶし。叶えるのがあくまで7月7日という話だからな」

織姫「クリスマスもそうよ。サンタさんはたった一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配るという超過酷労働。
   天皇誕生日や、ひどい時には12月24日の昼になってから何が欲しいのかを言う子がいるけど、それじゃあまずもらえないからね」

彦星「サンタさんは12月になってからの労働量が地獄らしいからなあ」

織姫「クリスマスプレゼントは、遅くても11月中に決めるのがベストよ。遅めに頼んで、思い通りのものをもらえなかったといって、
   両親を責める子がいるけど、それは自己責任だからね」

彦星「七夕の願い事も、6月中には短冊に書いて笹に吊るせよ」

織姫「といっても、運が良ければ7月頭に書いたものでも叶う時があるけどね」

彦星「大体、毎年その時期がギリギリだな」

59: 2012/06/29(金) 21:56:40.27 ID:N3qW/t7V0
織姫「さて、願い事の内容だけど…」

彦星「短冊の量が多すぎるからな。基本的に叶うかどうかは運の要素が非常に強い」

織姫「私たちがランダムに天の川に流れている短冊を拾って、気に入った内容が書かれていたら叶えるわ」

彦星「まずはこれからいくか」パシャ

織姫「何々…。『新型のゲーム機が欲しい』か。字から察するに子供の短冊ね。論外」

彦星「こういうものが欲しい系は、俺達じゃなくサンタさんに頼めよな」

織姫「そうね。こういったものはまず叶えないわ」

60: 2012/06/29(金) 21:57:14.80 ID:N3qW/t7V0
彦星「続いての短冊は…。『彼女と結婚して、幸せな家庭が気付けますように』か」

織姫「絶対に叶えてやらない。何で私たちがリア充に与しないといけないわけ」

彦星「大体、年に一度しか会えない夫婦に、恋愛や家庭の願い事を頼む時点で間違ってる。こういうのは、純粋に一番気に入らない」

織姫「さ、次行くわよ。『リア充全滅』か。うーん…。正直、この手の奴も飽きてきてるんだよね」

彦星「俺たちもう何年も願い事を叶える仕事をやってるからな。そりゃ、最初のころは喜んでリア充を滅してたけど、
   今はもう、そんな気になれない」

織姫「相変わらず、下界の人間は似たような願い事ばっかね」

彦星「物欲、恋愛関係が大半だからな」

織姫「続いての願い事は、『将来、パイロットになりたいです』だってさ」

彦星「俺達に頼むことじゃないな。自分で努力しろ」

織姫「結局、流れて来た短冊のほんの一部を選び、私たちが気に入ったやつを叶えるからね。
   下界の人間だって、叶うとは本気で思ってないでしょ」

61: 2012/06/29(金) 21:57:46.90 ID:N3qW/t7V0
彦星「『横浜日本一』『マリナーズワールドチャンピオン』スポーツ系も多いな」

織姫「でも、こんなのは私たちがどうこうする問題じゃなくて、選手やフロントが頑張ることよね」

彦星「待て。同じスポーツ系でも面白いものがあるぞ『ホークスを福岡から大阪に戻せ』」

織姫「こっちは、『バファローズをもう一度分離させろ。藤井寺にまた球場を造れ』だってさ」

彦星「これは確かに、俺達じゃないと実行するのは難しい内容だな」

織姫「けど、実際にやったところで、それを人間たちが維持できるの?」

彦星「また身売りになるのが、目に見えてるんだよなあ…」

織姫「そうなったら、願った人の悲しみは倍増するだろうし…」

彦星「申し訳ないが、今回はご縁が無かったという事で…」

62: 2012/06/29(金) 21:58:21.18 ID:N3qW/t7V0
織姫「『世界征服実現』『人類滅亡を切望する』やっぱ、せっかくだからこういうぶっ飛んだ奴を叶えたいわよね」

彦星「年に一度の七夕だしな」

織姫「けど前に、『世界大飢饉』って願い事を叶えたときはやばっかたわね」

彦星「人々の不満が高まり、天帝への信仰も減少。俺たちが大目玉をくらったよな」

織姫「お父様が、怒鳴り込んできてね」

彦星「結局、なんだかんだで叶える願い事は毎年無難なものになるんだよなあ…」

織姫「髪の毛の量を増やすとか」

彦星「天然パーマを改善するとかな」

63: 2012/06/29(金) 21:58:53.76 ID:N3qW/t7V0
織姫「うん? 珍しい短冊ね。書いてある内容が願い事じゃない」

彦星「どれどれ? 『子供のころ、短冊に書いた通り、プロサッカー選手になれました。ありがとうございます』」

織姫「こんな願い事、叶えた覚えないんだけどなあ…」

彦星「まだ続きがあるぞ『天にいる織姫と彦星には感謝しています。ありがとう。これからも子供たちの願い事を叶えてください』」

織姫「別に私たちがやったわけじゃないんだけどなあ…」

彦星「だよなあ。プロになれたのは、純粋に自分の努力のたまものだろ」

織姫「…けど、こういう風に素直に感謝される事って、まずないわね、私達」

彦星「そうだよな。…不覚にも、少し感傷的な気分になるぜ…」

織姫「…私もよ。だれかにありがとうって言われるって、なかなか素敵よね」

64: 2012/06/29(金) 21:59:26.17 ID:N3qW/t7V0
彦星「思えば俺達、少し歪み過ぎてるよなあ…」

織姫「まあね。今まで、さんざんひねくれたことしてたし…」

彦星「…なあ、年に一度ぐらい、人に感謝されること、してみないか?」

織姫「いいわね、それも。とりあえず、私が騙したぼっちの救済から始めましょうか」

彦星「よくよく考えたら、リア充不幸にするより、ぼっちを幸せにする方がよっぽどいいことだよな」

織姫「よくよく考えなくても分かるでしょ。…まあ、今までは分かってても、してなかったんだけど…」

彦星「じゃあ、今年叶える願い事は、ぼっちをリア充にする、でいいか?」

織姫「決定ね。それ関連の短冊を探しましょう」

彦星「きちんと短冊をチェックすると、結構出てくるな『一人でもいいので、友達が欲しいです』」

織姫「『ぼっちなので、留年しそうです。何とかしてください』『コミュ障治したいです。でないと就活がピンチです』
   …結構深刻なのも多いわね」

彦星「じゃ、願い事を叶えるぞ。力を注いで…」

織姫「天の川から、下界の人間たちへ…。おっと、ディフェンスしてきた天界のぼっちも忘れちゃ駄目ね」

ピカピカピカピカーン

65: 2012/06/29(金) 22:00:11.48 ID:N3qW/t7V0
――翌年 七夕 天の川 川岸――

彦星(今年はディフェンスしてくる奴がいないな。去年来てたやつらは、多分七夕デートでも楽しんでるんだろ)

彦星(…やっぱり、下手に追い払ったりするより、スムーズに行くほうがいいに決まってるよなあ…)

彦星(誰かを幸せにすることは、自分の幸福にもつながる。…そういう気持ちを大事にして、今年も願い事を叶えよう)

俺達「ディーフェンスwwwディーフェンスwww」

彦星「お、なんだ、今年もいるじゃないか」

俺達「ディーフェンスwww ディ、フェンス…。俺、何してるんだろうな…。たった一人で…。ディフェンス…」グスグス

彦星「泣くなよ、おい。どうしたっていうんだ? …お前、見かけない顔だな? 今年初参加か?」

俺達「去年は、俺と同じことしてたやつが一杯いるって聞いたから、初めて来たんだけど…。ここでも、ぼっち…」ウルウル

彦星「大丈夫だ。任せな。俺達のパワーで、お前をぼっちから救ってやる。だから通してくれ」

俺達「本当、ですか…?」

彦星「ああ。今年のディフェンスがお前だけなのは、去年の参加者みんなを、俺達がリア充にしたからだ」

彦星「お前をリア充にしてやるが、その代わり、ぼっちを虐げるような奴にはなるなよ。むしろ、助けてやってくれ」

俺達「…分かりました。ぼっちと積極的にかかわれる、リア充になります。だから、俺を…」

彦星「おお、任せろ。じゃあ、通るぞ。織姫と会わなければ、願い事は叶えられねえ」

66: 2012/06/29(金) 22:00:44.86 ID:N3qW/t7V0
カササギの橋

織姫「今年は、ディフェンス掛けてくる奴はいなかったわ」

彦星「こっちは一人だけいたぜ。願い事の一つは、そいつの救済だ」

織姫「よし。じゃあ、少しでも多くの人に喜んでもらえるように、頑張りましょう」

彦星「ああ。それが俺達の、本当にすべきことだろうからな」


終わり

71: 2012/06/29(金) 22:17:35.46 ID:+NlOjiDY0

引用元: 織姫「私たちのことをリア充だと思ってる奴らがうざい」