2: 2010/10/02(土) 00:57:34.14 ID:BSi1UGqGO
コンコン

魔法使い「……………」

魔法使い「居るんでしょ、入るわよ?」

魔法使い「アバカム!」

ガチャッ

魔法使い「うっわ…きったなーい、よくこんな所で生活できるわね」

男戦士「んぅ~…お父さん張り切って黒胡椒かけちゃうぞ~…」スピースピー

魔法使い「いったいどんな夢見てんだか…」


3: 2010/10/02(土) 00:59:04.62 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「ほらほら、早く起きなさい。じゃないと大事な所に毒針刺しちゃうわよ~?」

戦士「フゴッ…んん………ん…ふわぁ~…」ゴシゴシ

魔法使い「ようやくお目覚めかしら?」

戦士「ん…?……ぬわっ!?なななんでお前が居るんだよ!」

魔法使い「お邪魔してまーす」

戦士「バ、バカ、すぐに着替えるから外で待ってろ!」

魔法使い「寝てる間に見られてるんだから今さら隠さなくても」クスクス

4: 2010/10/02(土) 01:00:20.45 ID:BSi1UGqGO
戦士「それで、わざわざ家まで訪ねてきて何の用だ?」

魔法使い「それがね、僧侶ちゃんが居なくなったから捜してるの」

戦士「僧侶って…あの僧侶か?」

魔法使い「そ、賢者からわざわざ僧侶に戻ったあの娘」

魔法使い「ここ数ヵ月位どこかに通ってるのは知ってたんだけど…」

魔法使い「何日か前から帰ってないってルイーダさんに聞いてね」

戦士「どっかで男でも見つけたんじゃないか?」

魔法使い「あんなに勇者一筋だったあの娘がそんなことすると思う?」

戦士「うーん、確かに考えにくいな…」

魔法使い「なんとなく事件の香りがするのよね」

5: 2010/10/02(土) 01:01:10.04 ID:BSi1UGqGO
戦士「しっかしそれと家に来るのと何の関係があるんだ?」

魔法使い「あの娘がルーラで行ける場所を教えてもらおうと思って」

魔法使い「ほら、私は何度か酒場でお留守番してたじゃない?」

魔法使い「その間にあなた達が旅した場所は知らないのよ」

戦士「なるほどな。んー…だったらランシールとか」

魔法使い「私も行った」

戦士「じゃあ商人の町」

魔法使い「行きました」

戦士「エジンベアは?」

魔法使い「ねぇ、それって遠回しに私の存在感が無いって言いたいのかな?」ニコッ

戦士「わ、わかったから待て、待ってくれ!毒針はしまってくれ!?」

6: 2010/10/02(土) 01:02:11.04 ID:BSi1UGqGO
戦士「えーと、ダーマで転職して…船で…そっから…」

戦士「…スーとサマンオサとムオル、それからジパングだな」

魔法使い「良い子ね、良くできました」ナデナデ

戦士「う、うるせー!…それで一人で探すつもりなのか?」

魔法使い「か弱い私を心配してくれるのね。それじゃあ一緒に来てくれるのかしら?」

戦士「武闘家経験者が何言ってんだ。それに俺は…」

魔法使い「冗談よ、忙しいんでしょ?兵士長さん」

戦士「悪いな。…だが僧侶だって子供じゃないんだ、きっとどこかで…」

魔法使い「…勇者が帰ってきた時にあの娘がいないと悲しむじゃない」

戦士「お前…まだアイツが帰ってくるって…」

魔法使い「勝手に一人で魔王を倒すなんて私のプライドが許さないの」

魔法使い「絶対に一発ぶん殴ってやるんだから!」

8: 2010/10/02(土) 01:04:50.98 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「さてと…まずはサマンオサでも行ってみますか」

魔法使い「たしかロマリア北西のほこらって言ってたわね」

魔法使い「ルーラ!」

バヒューンバヒューン

―ロマリア城下町―

????「ちょっと離しなさい!イオナズン使うわよ!!」

魔法使い「あら?」

????「だいたいスロットも置いてないのに威張ってんじゃないわよ!?」

魔法使い「何の騒ぎかしら…」

9: 2010/10/02(土) 01:06:03.01 ID:BSi1UGqGO
大男「ここはあなたのような方がくる所ではございません!」

????「イカサマ!八百長!金返せー!!」

大男「お引き取りください」

????「フンッ、こんなトコ頼まれたって二度と来ないわよ」

魔法使い「こんにちわ」

????「ん?」

魔法使い「あ、心配しないで。怪しい者じゃないから」

魔法使い「私は魔法使い、通りすがりの旅人よ。あなたは?」

????「ふふん、聞いて驚きなさい」

????「モンバーバラにこの人ありと言われた伝説の踊り子マーニャちゃんよ!」

魔法使い「…………え?」

10: 2010/10/02(土) 01:07:06.35 ID:BSi1UGqGO
マーニャ「反応薄いわね、もっと喜んでも良いのよ?」

魔法使い「ごめんなさい、聞いた事なかったから」

マーニャ「このマーニャちゃんを知らない…?」

マーニャ「あー、そっかそっか田舎が嫌になって旅してるのね」

マーニャ「その気持ち分かるわ~あたしもコーミズ村に居た頃は―」

魔法使い(何かしらこの田舎者扱い…エジンベアの人?)

11: 2010/10/02(土) 01:08:18.11 ID:BSi1UGqGO
マーニャ「―でもね、結局その時は牛のカルビン号が気になっちゃって―」

魔法使い「えーっと…何か困ってたんじゃない?」

マーニャ「そうだった!?聞いてよ、ここの闘技場酷いイカサマなのよ!」

マーニャ「今まであんなモンスター見たこと無いし絶対中に人が入ってるわ!」

魔法使い(さっきから微妙に話がおかしいけど…本人は本気みたいね)

マーニャ「どうせ町の人はモンスターを知らないと思って舐めてるのね、きっとそうよ」

魔法使い「マーニャさん良かったら詳しい話を聞かせてもらえないかしら?」

12: 2010/10/02(土) 01:09:28.12 ID:BSi1UGqGO
―ロマリア・宿屋―

魔法使い「つまり旅の扉を使ったら知らない場所にいた、と?」

マーニャ「まぁ、そんなとこね」

魔法使い「旅の扉が違う世界の入り口になったってことかしら?」

マーニャ「そうなんじゃない?現にあたしが居るわけだし」

マーニャ「そう考えたらお互い話が食い違うのも納得できるしね」

魔法使い(もし本当にそうだとしたら…サマンオサまで辿り着けるか怪しいわね…)

13: 2010/10/02(土) 01:10:11.54 ID:BSi1UGqGO
マーニャ「ま、あなたのお陰でここが違う世界だって分かったから旅の扉に戻ってみるわ」

魔法使い「それなら私もご一緒して良いかしら?」

魔法使い「これから旅の扉を使わないといけないから調べてみたいの」

マーニャ「あたしは別に構わないわよ」

魔法使い「良かった、ありがとう」

魔法使い(それにもしかしたらあの娘も…)

マーニャ「それじゃ改めてよろしく」

魔法使い「こちらこそ」

マーニャが 仲間に 加わった!

14: 2010/10/02(土) 01:13:36.53 ID:BSi1UGqGO
―ロマリア北西のほこら―

魔法使い「…まさかとは思ったけど本当にここだったなんて…」

マーニャ「それじゃ準備は良い?」

魔法使い「ええ、いつでもどうぞ」

マーニャ「エンドールに着いたらカジノの醍醐味を教えてあげる♪」

魔法使い「ふふっ、それは楽しみね」

マーニャ「いざエンドールへ!」

魔法使い達は 旅の扉に 飛び込んだ…!

15: 2010/10/02(土) 01:15:29.19 ID:BSi1UGqGO
―????????ほこら―

爺「やれやれ、わざわざお二人を呼んで逃げられてしまうとはお恥ずかしい…」

神官「姫さまはいったいどこに消えたんでしょうか?」

爺「ここで考えても仕方ない、一旦城に戻って作戦を練り直すぞ」

神官「はい、分かりました」

爺「ルーラ!」

バヒューンバヒューン

16: 2010/10/02(土) 01:17:14.18 ID:BSi1UGqGO
―サントハイムへのほこら―

マーニャ「ビンゴー!無事に帰ってきたわよ」

魔法使い「…と、いう事は帰るときはここで良さそうね」

マーニャ「さぁ、スロットがあたし達を待ってるわ!」

魔法使い「その前に聞きたいんだけど、あなた闘技場で全額スッたんじゃないの?」

マーニャ「フフーン!実はあっちの世界に行く前に…高く売れそうな…ルビーを拾って…」ゴソゴソ

マーニャ「あ、あれ?無い…ルビーが無い!?」

マーニャ「うそ~!どっかで落としちゃったの?」ウルウル

魔法使い「まぁまぁ、それなら案内してくれたらその分お礼をするから、ね?」

マーニャ「おぉ、あなたが神か!」

17: 2010/10/02(土) 01:18:49.02 ID:BSi1UGqGO
―エンドール・カジノ―

マーニャ「あぁん、おしい~!」

トントン

マーニャ「なに?じゃましないでよ!」

???「……姉さん!やっぱりここだったのね」

マーニャ「あ、あらミネアじゃない…元気だった?」

ミネア「何言ってるのよ、なかなか帰ってこないと思ったらこれだもの…」

マーニャ「えーん!ごめんなさい」

ミネア「嘘泣きしてもダメです」

18: 2010/10/02(土) 01:20:01.49 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「マーニャさん、カジノって楽しいわね。見て、景品をこんなに…あら?」

マーニャ「助けて~!怖い妹がいじめるの~」

ミネア「姉さん!人聞きの悪いこと言わないでちょうだい!」

魔法使い「あなたが妹…さん?」

ミネア「あ…はい、ミネアといいます。あなたは…?」

20: 2010/10/02(土) 01:26:31.24 ID:BSi1UGqGO
―エンドール・酒場―

ミネア「別の世界…ですか?」

魔法使い「ええ、信じられないでしょうけど」

マーニャ「マスター、おかわり!」

マスター「おっ?マーニャちゃん珍しく景気良いねぇ」

マーニャ「今日はこの娘の奢りなの♪ジャンジャン持ってきて!」

ミネア「ごめんなさい、姉さんが色々と迷惑かけて…」

魔法使い「良いのよ、気にしないで。それよりミネアさんは占い師なのよね?」

ミネア「わたしで良ければ何か占いましょうか?」

21: 2010/10/02(土) 01:29:48.21 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「ちょっと人を捜してるの、僧侶ちゃんっていうんだけど…」

ミネア「分かりました、占ってみましょう」

ミネアは 水晶に手をかざし 静かに目を閉じた

ミネア「…………」

ミネア「どうやらここから近いところに居たようです」

魔法使い「本当に!?」

ミネア「……でもそこから先が何も見えません…ごめんなさい」

魔法使い「そう、残念ね……」

魔法使い(だけどこの世界に来てたのは間違いない…か)

ミネア「これからどうなさるおつもりですか?」

魔法使い「そうね…一度元の世界に戻ってもうちょっと旅の扉について調べてみるわ」

マーニャ「えー?もう帰っちゃうの?もっと遊んでいけば良いのにー」

22: 2010/10/02(土) 01:32:55.10 ID:BSi1UGqGO
―サントハイムへのほこら―

マーニャ「また遊びに来てね」

ミネア「姉さんはタダ酒を飲みたいだけでしょ?」

マーニャ「な、何言ってんのよ!あんたの居ない所で二人の間にはちゃんとした友情が……」

ミネア「はいはい、そういう事にしておくわ」

マーニャ「ちょっと待ってよ!それじゃまるであたしが―」

ギャーギャーワーワー

魔法使い「ふふふっ」

23: 2010/10/02(土) 01:36:20.31 ID:BSi1UGqGO
ミネア「姉さんの面倒をみていただいてありがとうございました」

魔法使い「こちらこそ楽しかったわ。それじゃ、さよなら」

ミネア「……!?」

マーニャ「いつでも歓迎するからねー」

ミネア「…魔力の流れが変わった……待って!」ダッ

マーニャ「あっ、ちょっとミネア!」

ミネア達は 旅の扉に 吸い込まれるように 消えていった…!

マーニャ「あ~らら……ま、そのうち帰ってくるでしょ」

ヒラッヒラッ

マーニャ「ん?ミネアのタロットカード…」

マーニャ「運命の輪ねぇ…」

25: 2010/10/02(土) 01:40:33.42 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「ほこらが無い…?ここは何処かしら…」

ミネア「きゃあッ」ドサッ

魔法使い「ミ、ミネアさん!?」

ミネア「いたたぁ…」

魔法使い「大丈夫?」

ミネア「ええ、なんとか」

魔法使い「でもどうしてミネアさんまで?」

ミネア「嫌な予感がしたから引き止めようとしたんです」

ミネア「それでそのまま一緒に…」

魔法使い「待って、何か来るッ!」

26: 2010/10/02(土) 01:43:40.50 ID:BSi1UGqGO
スライムナイトが現れた!

魔法使い「魔物…?」

ミネア「敵意を持ってるようです、気を付けてください」

魔法使い「だったら先手必勝ね、急所を狙って…!」

魔法使いの攻撃!

魔法使い「ほあたぁッ!」

スライムナイト「!?」ドグシャー

スライムナイトを 倒した!

ミネア(…蹴り飛ばすのに毒針は必要なのかしら?)

27: 2010/10/02(土) 01:46:11.98 ID:BSi1UGqGO
ミネア「それにしても今の魔物はいったい…?」

魔法使い「どうやらミネアさんの嫌な予感が的中しちゃったみたい」

ミネア「どういう事ですか?」

魔法使い「今のは知らない魔物だったし、ここも知らない場所よ」

ミネア「それじゃあ、ここはもうひとつの違う世界……?」

魔法使い「たぶん…ね」

ミネア「そ、そんな…」

魔法使い「向こうに明かりが見えるわ。とにかく行ってみましょ」

28: 2010/10/02(土) 01:49:14.26 ID:BSi1UGqGO
―???????―

ミネア「夜なのに随分と賑やかな町ですね」

魔法使い「あの大きな建物カジノみたいよ。ねぇ、ちょっとだけ…」

ミネア「駄目です」

魔法使い「ほら、カジノって色んな人が…」

ミネア「ダ メ で す !」

魔法使い「でも、情報収集の為に…」

ミネア「ダメったらダメです!もう、姉さんみたいな事言わないで下さい!」

魔法使い(ひぇ~…こんなに怒られるなんて…恨むわよ、マーニャさん)

29: 2010/10/02(土) 01:52:09.25 ID:BSi1UGqGO
―オラクルベリー―

魔法使い「これといった情報は無さそうね」

ミネア「そうですね」

魔法使い「残すはカジ…」

ミネア「…………」ジー

魔法使い「な、何でもない、何でもないから気にしないで」

ミネア「これからどうしましょう?」

魔法使い「うーん……そうだ!?ミネアさんの占いで何か分からない?」

ミネア「実は…既に何度か試してみたんですが何も…」

魔法使い「困ったわね…」

????「お嬢さんたち何かお困りのようじゃな」

30: 2010/10/02(土) 01:55:12.81 ID:BSi1UGqGO
????「わしはこの町ではちょっと名の知れた占いババじゃ」

占いババ「どんな事でも占って…おや?そちらのおなごも占い師じゃったか」

ミネア「えぇ…まぁ」

占いババ「それは失礼したのう」

ミネア「いえ、お気になさらずに」

ミネア「それに…ここに来てから全く占えなくなってしまって…」

占いババ「ふむ…わしなんぞよりよっぽど力を秘めているようじゃがの」

占いババ「そうじゃ、ちょっと待っておれ」ガサゴソ

ミネア「はぁ…?」

占いババ「これを持って行くが良い」

ミネアは 水晶玉を 受け取った!

31: 2010/10/02(土) 01:58:11.90 ID:BSi1UGqGO
ミネア「これは…?」

占いババ「こないだ拾った物でな、若干ヒビが入っておったから誰かが捨てたんじゃろ」

占いババ「ヒビを直してみたがわしには扱えんでのう、じゃがおぬしならきっと扱えるはずじゃ」

魔法使い「ミネアさん、やってみて」

ミネア「…分かりました」

ミネアは ゆっくりと 水晶に手をかざした…!

ミネア「これは!?」

魔法使い「何が見えたの?」

ミネア「あの…『あほう』って書いてあります…」

魔法使い「……………えっ?」

占いババ「そうじゃそうじゃ、その落書きを消し忘れておったわ」

32: 2010/10/02(土) 02:01:10.55 ID:BSi1UGqGO
ミネア「それでは気を取り直して…」コホン

ミネアは 水晶に手をかざし 静かに目を閉じた…!

ミネア「…ホイミスライムが…三匹並んでます…」

魔法使い「ホイミスライム?倒せば良いの?」

ミネア「どうやら看板の様です。これは…どこかのお店でしょうか?」

占いババ「それならおそらくオラクル屋じゃな」

魔法使い「オラクル屋って?」

占いババ「この町の隅にある店じゃよ。この時間ならやっておるはずじゃ」

魔法使い「さっそく行ってみましょう」

ミネア「おばあさん、色々とお世話になりました」

占いババ「達者でな」

魔法使い「おばあさんもお元気で」

34: 2010/10/02(土) 02:04:35.96 ID:BSi1UGqGO
―オラクルベリー・オラクル屋―

オラクル屋店主「いらっしゃい、お前さん達旅の人かい?」

魔法使い「ええ、そんなとこよ」

店主「うちは色んな掘り出し物が揃ってるぜ」

店主「…と言いたいところだが生憎今は商品がなくてなぁ」

ミネア「何かあったんですか?」

店主「つい先日、珍しい商品を大量に仕入れたんだが…」

店主「帰る途中で魔物に襲われてな」

店主「恥ずかしながら荷物を置いて逃げちまったんだ」

ミネア「もしかしたら…その荷物の中に手がかりがあるのかも?」

魔法使い「その可能性はありそうね」

36: 2010/10/02(土) 02:07:13.88 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「ねぇおじさん、その襲われた場所って何処なの?」

店主「あんた達、荷物を取り返してくれるってのかい?」

魔法使い「ええ、これも何かの縁だしね」

店主「実は既に常連さんが取りに行ってはいるんだが…」

店主「一人じゃ心配だし良かったら様子を見に行ってやってくれないか?」

ミネア「分かりました。それで何処に向かえば良いんですか?」

店主「まずは海を渡ってポートセルミに行ってくれ。そこから南にあるカボチ村の近くだ」

魔法使い「あ、あと魔物の特徴は?」

店主「暗くて姿はよく分からなかったが馬みたいな鳴き声だったぜ」

37: 2010/10/02(土) 02:09:47.70 ID:BSi1UGqGO
―ビスタ港―

魔法使い「馬の鳴き声だけで魔物探せってのも結構無茶な話よねぇ」

ミネア「大丈夫ですよ、いざとなったらこの水晶で…」

おばさん「大変だ!!誰か助けとくれ!」

魔法使い・ミネア「!?」

おばさん「あんた達回復呪文は使えるかい?」

ミネア「あ、はい、わたしは使えますけど…」

おばさん「ちょうど良かった、ちょいとこっちにきとくれよ!」

40: 2010/10/02(土) 02:14:55.73 ID:BSi1UGqGO
おばさん「この人が船着き場に倒れてたんだ」

ミネア「大変…ベホマ!」

ミネアは ベホマを 唱えた!

ミネア「これでもう大丈夫です」

おばさん「良かったよ…」

???「うぅ~…ッ…」

魔法使い「気が付いたみたい」

???「……ここは?」

おばさん「あんたが倒れてたのをこの娘達が助けてくれたんだよ」

???「そうでしたか…どなたかは知りませんがありがとうございました」

???「あっ、申しおくれました私はプサン…」

42: 2010/10/02(土) 02:19:02.84 ID:BSi1UGqGO
プサン「あれ?……私は何者で何をしていたんでしょうか?」

魔法使い「まさか記憶喪失!?」

プサン「どうやらその様です。いや~、まいったまいった」

魔法使い「随分とお気楽ね」

プサン「お見うけしたところあなたがたは旅人ですね?」

ミネア「ええ、そうですけど…」

プサン「よろしい!私もおともしましょう!」

43: 2010/10/02(土) 02:21:22.72 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「ちょ、ちょっと待ってよ。何でそうなるの?」

プサン「色々と旅をすれば何か思い出せるかも知れないじゃないですか」

ミネア「それは…まぁ確かに…」

プサン「それに…何となくですがあなた方を知ってるような気がするんです」

魔法使い「そんな事言われても私達は知らないわよ。ねえ?」

ミネア「え、えぇ…」

ミネア(何だろう、この不思議な感覚…前にも何処かで…?)

プサン「まぁまぁ、旅は道連れと言いますし人数が多い方が心強いでしょう?」

プサンが むりやり仲間に 加わった!

プサン「では参りましょうか」

魔法使い「そっちじゃなくてこれから船に乗るんだけど…」

45: 2010/10/02(土) 02:24:45.18 ID:BSi1UGqGO
―船上―

プサン「いやぁ、船旅って良いですねぇ」

魔法使い「船がそんなに珍しい?まぁ、記憶がないんじゃそれもそうか」

プサン「それもありますが…昔はもっと遠くから海を眺めていた気がするんです」

ミネア「気球か何かでしょうか?」

プサン「うーん…それはちょっと違いますね」

魔法使い「じゃあ鳥の背中にでも乗ってた?」

プサン「…言われてみればそんな感じだったかもしれません」

魔法使い「まさかラーミアに…ううん、世界が違うんだからそれはないか…」

プサン(鳥ではない…飛んでいるのは…私自身?いやいや、まさかそんなはずは…)

46: 2010/10/02(土) 02:27:45.72 ID:BSi1UGqGO
―ポートセルミ周辺―

魔法使い「たしかここから南の方って言ってたわね」

プサン「あっ、言い忘れてましたが戦闘はお二人にお任せします」

プサン「素人がでしゃばっても邪魔なだけですしね」

ミネア「それなら先頭に立って歩くのをやめませんか?」

プサン「これは失礼、見るものすべてが真新しいとつい楽しくて。わっはっはっ」

魔法使い「なんだかこの人といると疲れるわ…」

ミネア「この能天気な感じ、姉さんを思い出します…はぁ…」

47: 2010/10/02(土) 02:30:09.46 ID:BSi1UGqGO
―カボチ村周辺―

プサン「あれは…?」

魔法使い「もう、また一人で勝手に先にいく!」

ミネア「何度も魔物に襲われかけてるのに懲りない人ですね…」

プサン「まぁまぁ、それより探してる荷物ってあれじゃないですか?」

魔法使い「ん…?ホントだ、これよきっと」

ミネア「先に出発してた常連さんは…?」

魔法使い「ポートセルミ辺りで追い抜いたのかしら?」

ミネア「でも荷物が簡単に見つかって良かったですね」

魔法使い「そうね、早いとこ届けてあげましょ」

プサン「おや…何の音でしょうか?」

48: 2010/10/02(土) 02:32:40.50 ID:BSi1UGqGO
?「ヒヒーン!!」パカラッパカラッ

プサン「ぬわーーーーっっ!!」

プサン「で、でっかい馬がこっちに向かってきますよ!?」

???「誰かその子を止めて~~!」

魔法使い「ボミオス!」

馬「ヒ…ヒ…ー…ン…!」

ミネア「よしよし、良い子だからおとなしくして」

???「はぁはぁ、あり、がとう、お姉ちゃん、たち…はぁはぁ」

魔法使い「もしかして魔物じゃなくて只の馬だったの?」

ミネア「どうやらそうだったみたいですね」

プサン「大丈夫ですか、お嬢ちゃん?」

49: 2010/10/02(土) 02:35:13.39 ID:BSi1UGqGO
???「えっ!?プサンさん?」

プサン「お嬢ちゃん私の事を知ってるんですか!?」

???「そんな…プサンさん忘れちゃったの?わたしだよ、タバサだよ?」

プサン「すいません、実は私記憶喪失なんです」

タバサ「でも…だって……プサンさんはマスタードラゴンなんだよ?」

ミネア「マスタードラゴン!?」

プサン「私が?またまたご冗談を……冗談ですよね?」

50: 2010/10/02(土) 02:37:27.57 ID:BSi1UGqGO
―カボチ村―

魔法使い「えっと、タバサちゃんがオラクル屋の常連さんって事?」

タバサ「はい、あっ、でもわたしと言うよりはお父さんですけど」

ミネア「こんな小さな子が…」

魔法使い「それで…おじさんを襲ったのがこの馬ね」

タバサ「この子は悪くないよ!荷物を魔物から守ってたみたいだもん」

ミネア「この荷物の中に何か大切な物でも混ざっていたんでしょうか?」

プサン「もしかしてこの手綱の事ですか?」ゴソゴソ

馬「ヒヒーン、ブルルルッ!」

プサン「名前が書いてあるようです。ファルシオンですか…良い名前ですね」

51: 2010/10/02(土) 02:40:12.98 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「さて、残る問題は…」チラッ

ミネア「ホントにあなたがマスタードラゴンなんですか?」

プサン「そう言われましても記憶がないので何とも…」

ミネア「どう見てもただのおっさんですよねぇ…?」

タバサ「嘘じゃないもん!」

ミネア「ごめんなさい、そんなつもりで言ったんじゃないの」

魔法使い「どうにかして記憶を取り戻して貰うしかないか」

ミネア「じゃあこの水晶で殴ってみます?」

プサン「待ってください!そんなもので殴られたら死んでしまいますよ!?」

ミネア「冗談に決まってるじゃないですか、うふふ…」

魔法使い(ミネアさん…目が笑ってない……)

52: 2010/10/02(土) 02:42:57.07 ID:BSi1UGqGO
タバサ「どうしよう…」

プサン「もっと平和で安全な解決法はないんでしょうか」

魔法使い「ミネアさん、その水晶を正しい方法で使えば良いんじゃない?」

ミネア「えっ?あぁ、そう言えばそうですね。すっかり忘れてました」

ミネア「それでは…」

ミネアは 水晶に手をかざし 静かに目を閉じた…!

ミネア「とても深い森が見えます…まるで木々が生きているかのような…」

53: 2010/10/02(土) 02:45:36.51 ID:BSi1UGqGO
―迷いの森―

タバサ「ミネアお姉ちゃんここであってる?」

ミネア「ええ、間違いないです」

魔法使い「暗くて気味が悪いわね」

ミネア「そうですか?わたしこういう暗くてひっそり静かな所が大好きなんです、うふふ……」

タバサ「ミネアお姉ちゃん時々怖いよ…」

プサン「あんまり見ちゃダメですよ、トラウマになっちゃいますから」

魔法使い「ところでここには何があるの?」

タバサ「この森は妖精さんの村に繋がってるの。きっとポワンさまが記憶を戻してくれるんだよ!」

魔法使い「妖精かぁ…あんまり良い思い出が無いのよねぇ」

タバサ「大丈夫、すっごく綺麗な所だし皆とっても優しいよ」

54: 2010/10/02(土) 02:48:11.21 ID:BSi1UGqGO
タバサ「あっ、妖精さんこんにちわ」

妖精「まあ、あなたは……」

魔法使い「えっ、どこに妖精が?」

妖精「またポワンさまに会いたいのね」

妖精「だったら奥の神殿へお行きなさい。神殿の泉には葉を浮かべてあるわ」

プサン「そうですか、ありがとうございます」

ミネア「プサンさんにも見えるんですか?」

プサン「そりゃもうバッチリくっきりまるっと見えてますよ」

魔法使い「腐っても神さまね」

ミネア「なんだか凄く負けたような気がします…」

55: 2010/10/02(土) 02:51:05.32 ID:BSi1UGqGO
―迷いの森・神殿―

タバサ「この先の旅の扉が入り口になってるの」

魔法使い「旅の…扉!?」

プサン「いやぁ、妖精の村なんて楽しみですねぇ。ではさっそく」

ミネア「あ、ちょっと待って!」

魔法使い「遅かったか…」

タバサ「お姉ちゃんたちどうしたの?早く行こ?」

ミネア「行くしかないみたいですね」

魔法使い「そうね、追いかけましょう」

魔法使い(無事に着けば良いんだけど…)

魔法使いたちは 旅の扉に 飛び込んだ…!

56: 2010/10/02(土) 02:54:15.34 ID:BSi1UGqGO
―???―

ヒューン

ボフボフッ

魔法使い「…あれ、痛くない?タバサちゃん大丈夫?」

タバサ「うん、わたしは平気」

魔法使い「ここは…雲の上!?」

タバサ「あれ?…天空城……なんで?」

ミネア「キャーーーッ!!!」

魔法使い「ミネアさん!?」

57: 2010/10/02(土) 02:56:31.11 ID:BSi1UGqGO
―天空城―

プサン「ここが妖精の村ですか…随分と暗いところですねぇ」

ミネア「な、な、なんてところに顔突っ込んでるんですか!?早くどいてください!!」

プサン「いやいや失礼、これは不可抗力ってやつです」

プサン「…しかし驚きでしたよ。清楚な純白かと思いきや意外にも派手な…」

ミネア「な、何を…ッ!!」カァッ

ミネアは 水晶玉を 力一杯投げつけた!

プサン「あぶぁッ」ベキャッ

魔法使い「……子供は見ちゃダメよ」サッ

58: 2010/10/02(土) 02:59:06.26 ID:BSi1UGqGO
兵士「何の騒ぎだ?」ゾロゾロ

タバサ「えっ?」

兵士「なッ!?マスタードラゴンさまが血まみれに!!」

魔法使い「…この状況ヤバいんじゃない?」

兵士「お前たちがやったのか!?」

魔法使い「ま、待って落ち着いて!」

ミネア「違うんです、これにはワケが…」

兵士「問答無用!」

タバサ「そんなぁ…」

59: 2010/10/02(土) 03:01:17.78 ID:BSi1UGqGO
プサン「いたたたた…私は大丈夫です、皆さん退いてください」

兵士「し、しかし…」

プサン「これは命令です」

兵士「……そう仰るのでしたら」

プサン「ミネアさんのおかげで全部思い出しましたよ」

魔法使い「思い出したって…今ので記憶が!?」

プサン「何がきっかけになるか分からないものですね」

ミネア「…やっぱりあの時殴っておくべきでした…」ブツブツ

プサン「ここではなんですから取り敢えず中へどうぞ」

60: 2010/10/02(土) 03:03:25.86 ID:BSi1UGqGO
―天空城・玉座の間―

プサン「やはりここが一番落ち着きますね」

プサンは ドラゴンオーブを取り出し 瞑想を始めた…!

魔法使い「す、凄い…!」

ミネア「本当にマスタードラゴンだったの…」

マスタードラゴン「わが名はマスタードラゴン。世界のすべてを統治する者なり」

Mドラゴン「そなたたちの助けがなければ私は非力な人間のままであっただろう。礼を言うぞ!」

タバサ「でも、どうしてまた人間になっちゃったの?」

Mドラゴン「各地の異変を調べていたのだ。この姿では何かと目立ってしまうのでな」

魔法使い「異変って…もしかして私達がこの世界に来た事と何か関係が?」

Mドラゴン「確証はないがおそらくは…」

61: 2010/10/02(土) 03:06:11.16 ID:BSi1UGqGO
Mドラゴン「ここ最近、各地で見慣れぬ魔物が目撃されているのだが…」

Mドラゴン「どうやら異世界から召喚されているようだ」

魔法使い「そんな…!?」

Mドラゴン「…このままでは近い将来、夥しい数の魔物で溢れかえるだろう」

ミネア「何か止める方法は無いんですか!?」

Mドラゴン「魔物を召喚している者を止めるしかない」

タバサ「だけど…どこにいるかも分からないのに…」

Mドラゴン「場所なら既に突き止めている。…その際に不意をつかれ記憶を失っていたがな」

魔法使い「その場所は何処なの?」

Mドラゴン「魔界…エビルマウンテンだ」

62: 2010/10/02(土) 03:10:45.90 ID:BSi1UGqGO
Mドラゴン「それと…魔界に新たな魔王が現れたという噂もある」

ミネア「それじゃ、その魔王が?」

タバサ「せっかく平和になったのに…」

兵士「マスタードラゴンさま、大変です!」

Mドラゴン「どうした騒々しい」

兵士「ま、魔物の大群が現れました!」

兵士「現在グランバニアに向けて進軍中とのこと!」

タバサ「!?」

Mドラゴン「先手を打たれたか…こうしてはおれん、急ぎ魔界へと向かわねば」

兵士「それが…エルヘブンからの連絡によると魔界の入り口に結界が張られたそうです!」

Mドラゴン「なん…だと…!?」

タバサ「このままじゃお城が…皆が……!」

63: 2010/10/02(土) 03:15:03.25 ID:BSi1UGqGO
兵士「マ、マスタードラゴンさま!」

Mドラゴン「次は何だ!!」

兵士「外に繋いでいた馬が突然…うわっ!?」

ファルシオン「ヒヒヒーン!!!」

魔法使い「まって!ファルシオンの様子が……!」

ファルシオン「ブルルルッ」バサッバサッ

なんと ファルシオンは ペガサスだった!

64: 2010/10/02(土) 03:17:11.07 ID:BSi1UGqGO
ミネア「わたし達に乗れって言ってるの?」

ファルシオン「ヒヒーン!」

Mドラゴン「そうか、伝説通りであればペガサスには結界を打ち破る力があるはず」

魔法使い「それなら私達が魔界に行きます」

タバサ「わたしも…わたしも連れていって下さい!」

ミネア「でもあなたのお城が…」

タバサ「お城にはお父さんやお母さん、それにお兄ちゃんもいるからきっと大丈夫!」

Mドラゴン「よかろう、ならばグランバニアへは私が向かう」

Mドラゴン「ファルシオンよ、三人を頼んだぞ」

タバサが 仲間に 加わった!

65: 2010/10/02(土) 03:19:23.77 ID:BSi1UGqGO
―魔界―

ミネア「ここが魔界ですか…」

魔法使い「いかにもって場所ね」

タバサ「魔物さん達の気が立ってるみたい…ミルドラースを倒したあとはおとなしかったのに…」

魔法使い「ゆっくりしてる暇はないわ、急ぎましょう!」

―エビルマウンテン・入口―

???「てやーッ!」ズバッ ザシュッ

ミネア「こんな所に人が!?」

なんと! 一人の女性が 魔物と戦っている!

66: 2010/10/02(土) 03:21:26.95 ID:BSi1UGqGO
???「次から次へとキリがない…これじゃ回復が追い付かないわ!」

エビルスピリッツの体から 黒い霧が吹き出し 辺りを包んだ!

???「しまった!?」

エビルスピリッツの攻撃!

???「くうっ、ここまで…なの…?」

ミネア「大丈夫ですか」

ミネアは 世界樹のしずくを 使った!

???「あ…あなた達は?」

魔法使い「話は後よ、まずはコイツをどうにかしないと」

???「そうね、助かったわ!」

67: 2010/10/02(土) 03:23:36.26 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「なんとか片付いたみたいね」

???「わたしはユバール一族のアイラ。助けてくれてありがとう」

ミネア「どうしてこんな場所に一人で…?」

アイラ「過去と現在を繋ぐ大事な石版が盗まれてしまったの」

アイラ「それで取り返すために神さまに送ってもらったんだけど…」

アイラ「他の皆は違う所に跳ばされちゃったみたい」

タバサ「過去と現在…?」

ミネア「まさかその力を使って魔物を集めているのでは…」

魔法使い「…どうやら目的は同じみたいね。アイラさん力を貸してもらる?」

アイラ「ええ、よろこんで」

アイラが 仲間に 加わった!

アイラ「さあ、行きましょう!」

68: 2010/10/02(土) 03:27:33.81 ID:BSi1UGqGO
―ルイーダの酒場―

ルイーダ「魔法使いさん、勇者さんがお呼びよ~」

魔法使い「ここはルイーダの酒場…?」

戦士「おいおい、何を寝惚けてんだよ」

僧侶「いよいよ旅立つ日が来たんですね!」

戦士「これからバラモスを倒さなきゃならないんだから、もうちっとシャキッとしろ!」パシッ

魔法使い「ちょっと、どさくさに紛れてどこ触ってんのよ!」

僧侶「女性のお尻を気軽に触るなんて…戦士さん最低ですッ!」

戦士「待ってくれよ、今のはちょっとしたスキンシップでだな――」

魔法使い(…今までの事は……夢…だったの?)

69: 2010/10/02(土) 03:30:10.43 ID:BSi1UGqGO
―コーミズ村―

犬「わんわんわん!」

ミネア「ペスタ…!?それに…ここはコーミズ?」

マーニャ「どうしたのミネア、ボーッとしちゃって?」

ミネア「姉さん!」

マーニャ「なに?あたしの顔に何かついてる?」

ミネア「…だって、たった今エビルマウンテンに入って……」

マーニャ「ミネアが寝ぼけるなんて珍しいわね。夜更かしでもしてた?」

ミネア「…………」

マーニャ「それより早く準備しなさいよ、今日は父さんと一緒にバルザックの墓参りに行くんだから」

ミネア「!?」

70: 2010/10/02(土) 03:32:32.00 ID:BSi1UGqGO
―グランバニア城―

レックス「朝だよ、起きてよタバサ!」

タバサ「えっ…お兄ちゃん!?」

タバサ「お城は大丈夫なの?魔物は!」

パパス「おうタバサ、目が覚めたようだな」

タバサ「パパス…おじい…ちゃん?」

パパス「わはは、寝惚けているな。眠気覚ましに外にでもいって風にあたってきたらどうだ」

マーサ「あらあら遅いお目覚めね」

タバサ「おばあちゃんも…!」ウルウル

71: 2010/10/02(土) 03:35:09.22 ID:BSi1UGqGO
―グランエスタード城―

アイラ「ここは…グランエスタード?」

リーサ「こんな所に居たのね、大変よアイラ!」

アイラ「リーサ姫!……これは一体…」

リーサ「お兄さまが帰ってきたのよ!」

アイラ「えっ!?」

バーンズ「よくぞ…よくぞ無事に帰ってきてくれた…!」

キーファ「へへっ、今帰ったぜ親父」

リーサ「お兄さま…本当にお兄さまなのね?」グスッ

キーファ「心配かけて悪かったなリーサ」

アイラ(あれが…キーファ王子?)

72: 2010/10/02(土) 03:36:18.69 ID:BSi1UGqGO
アイラ「でも…何かがおかしい……まさか!」

アイラは ラーの鏡を 覗き込んだ

なんと鏡には魔物の姿が写し出されている!

アイラ「やっぱりそういうことだったのね」

アイラ「みんな目を覚まして!」

アイラの指から 凍てつく波動が ほとばしる!

*「ルイーダ…酒場…ようこそ………」

*「ここは………グランバ……城……」

ミネア「これは…!?」

アイラ「すべて幻だったのよ」

タバサ「おじいちゃん…おばあちゃん…!!」グスッ

73: 2010/10/02(土) 03:39:11.84 ID:BSi1UGqGO
魔物「おとなしく騙されていれば良いものを…」

魔法使い「あれは…バラモス!?」

魔物「フンッ!このバラモスエビル様をあのような小物と一緒にされては困るな」

アイラ「あなたが石版を盗んだの?」

バラモスエビル「石版?なんだそれは?」

ミネア「魔王はまだ他にいると言うの…」

バラモスエビル「あの方の儀式を邪魔されるわけにはいかぬ、そなたらの腸を食らい尽くしてくれるわ!」

バラモスエビルが現れた!

エビルフランケンが現れた!

エビルエスタークが現れた!

アイラ「こんなヤツらまで手下にしてるなんて…」

魔法使い「とにかくここを突破するしかないわ!」

74: 2010/10/02(土) 03:49:08.11 ID:BSi1UGqGO


アイラ「はぁはぁ、随分と奥まで来たみたいだけど…」

タバサ「残るはこの部屋だけです」

魔法使い「いよいよ黒幕とご対面ね」

ミネア「行きましょう!」

―魔王の間―

魔王「ほう、ここまで辿り着ける者がいるとは…」

ミネア「エ、エビルプリースト!」

魔王エビルプリースト「むっ!お前はどこかで見た顔だな…」

魔王「そうか…思い出したぞ!数百年の昔、我が野望を打ち砕いた勇者の一味だな」

ミネア「なぜ…?あの時確かに倒したはずなのに…」

75: 2010/10/02(土) 03:52:06.79 ID:BSi1UGqGO
魔王「冥土の土産に教えてやろう。そう、確かに一度は貴様達に敗れた…」

魔王「しかし究極の進化を遂げたわたしは何百年もの間、自らの体を再生し続けたのだ」

魔王「そしてその間に現れた世界の歪みに目をつけた」

魔王「結果はご覧の通り、さらには石版の力を得て時間さえも超越した存在、すなわち神となったのだ!」

魔法使い「なんてヤツなの…!?」

アイラ「こいつだけは…絶対に止めないと!」

タバサ「頑張らなくちゃ…わたしだって勇者の妹だもん…!」

ミネア「今度こそあなたに止めをさしてみせます!」

魔王「わっはっは、そう死に急ぐ事もあるまい。ちょうど良い、お前達に遊び相手を用意してやろう」

魔王「地の底深くに潜む悪魔の魂よ」

魔王「伝説の魔法陣の力によりて我々の前に現れその力を示すべし」

魔王「マハトラーナ ソテミシア レキダントラン ヒガンテ パラシコロヒーア!」

魔王「破壊と殺戮の神よ!降臨するがいい!!」

76: 2010/10/02(土) 03:56:07.39 ID:BSi1UGqGO
魔法使い「みんな気をつけて!何が来るか分からないわ!!」


魔王「……なぜだ?なぜ何も起きぬ!?」

魔王「儀式が間違っていたとでも…ぐふッ!」ドスッ

魔王「ば…ばかな……なぜ…シ…ドー………」

魔王「我こそは……全ての世界を…支配する……魔族の神…エビルプリースト…だ……ぞ」

ズ…ッ ガプ… ギュウウ… ナポ… モニュ… モグ… モニュ… モニュ…

ミネア「エビルプリーストを…取り込んでる!?」

魔法使い「…さすがにコレは洒落にならないんじゃない?」

アイラ「神さま!わたしたちにチカラをお貸しください!!」

タバサ「わたしがお城を…皆の世界を守る……ッ!」

シドー「グワァァァァァァッ!!」

破壊神シドーが現れた!

77: 2010/10/02(土) 03:59:02.71 ID:BSi1UGqGO
―グランバニア―

ピピン「報告します!魔物の軍勢が引き上げているようです」

レックス「お父さん、きっとタバサたちがやってくれたんだよ!」

ヘンリー「さすがはお前の娘だ。レックスもよく頑張ったな」

レックス「えへへ、ヘンリーさんが助けに来てくれたおかげだよ」

ヘンリー「そりゃあ親友の一大事となれば当然だ。それに…」

ヘンリー「親分は子分を守らなくちゃいけないからな、そうだろ国王様?」

サンチョ「ううっ、坊っちゃ…国王は本当に良い友達を持ったようで…」グスッ

モンスターじいさん「おーい、こんなに大勢の魔物はさすがに面倒見きれんぞ~」

78: 2010/10/02(土) 04:01:11.09 ID:BSi1UGqGO
―天空城―

Mドラゴン「そなたらのはたらきで世界に再び平和が訪れた。心から礼を言うぞ」

Mドラゴン「元の世界ではなつかしい人々がそなたらの帰りを待っていることだろう」

Mドラゴン「ファルシオンよ!この者達を送り届けてやってくれ」

ファルシオン「ヒヒーン!」

アイラ「それじゃ、タバサちゃんさようなら」

タバサ「お姉ちゃん達、元気でね~」

魔法使い「そうだ!オラクル屋のおじさんによろしく伝えといて」

タバサ「うん、荷物もちゃんと届けておくね」

ミネア「そういえば手綱の他にはどんな物が入ってたんでしょうか?」

タバサ「えっと~…」ゴソゴソ

タバサは 危ない水着 エッチな下着 危ないビスチェ エッチな本を 取り出した

ミネア「こ、子供は見ちゃダメです!!」

79: 2010/10/02(土) 04:03:15.41 ID:BSi1UGqGO
―グランエスタード―

アイラ「あなた達のおかげで石版を取り返す事ができたわ、ありがとう」

魔法使い「ううん、私達の方こそアイラさんが居なかったら今頃は…」

ミネア「こうして出会えたのは運命だったのかもしれませんね」

魔法使い「それじゃ、お元気で」バサッバサッ


ガボ「お~い、アイラ~無事だったか~!」

アイラ「ガボ!それに皆も!!」

リーサ「お帰りなさいアイラ」ニコッ

アイラ「リーサ姫!?……ただいま戻りました!」

80: 2010/10/02(土) 04:08:16.08 ID:BSi1UGqGO
―コーミズ―

犬「わんわんわん!」

ミネア「ただいま、ペスタ」

ペスタ「くぅ~ん、くぅ~ん…」

魔法使い「マーニャさんは居ないのかしら?」

ミネア「どうせカジノですよ、きっと!」

魔法使い「ふふっ、マーニャさんらしいわね」

ミネア「ところで…元の世界に戻ったらまた僧侶さんを探すんですよね?」

魔法使い「ええ、これでまた振り出しに戻ったけどね…」

ミネア「それでしたらコレで探してはどうでしょう?」

魔法使い「そうか、その水晶を使えば…!」

ミネアは 水晶に手をかざし 静かに目を閉じた

ミネア「これを見てください…」

魔法使いは 水晶を 覗きこんだ…!

81: 2010/10/02(土) 04:11:29.33 ID:BSi1UGqGO
―アレフガルド―

僧侶「ゆーしゃさま~~」

勇者「!?」

僧侶「今度は置いてかないでくださーい!!」タッタッタッタッ

僧侶「キャッ!?」バタッ

僧侶は足元の石につまずいて転んだ!

持っていた棍棒が 袋から飛び出し 勇者の頭に 直撃した!

会心の一撃!

僧侶「きゃ~!勇者様大丈夫ですか!?」

僧侶「そうだ、マリベルさんに教わったあれを使えば!!」

僧侶「そ~れ!ハッスル ハッスル!」

僧侶「あ、あれ?もう一回、そ~れ!ハッスルハッスル!」

船員「…一体何が起きてるんすかね?」

船長「……俺に聞かれても困る」

82: 2010/10/02(土) 04:13:29.08 ID:BSi1UGqGO
―アリアハン・戦士の家―

魔法使い「アバカム!」

魔法使い「お邪魔しまー……すッ!?」

魔法使い「部屋が片付いてる!」

戦士「よう、いらっしゃい」

魔法使い「しかも、起きてる!?」

戦士「はっはっは、お前がいつ来ても良いようにと思ってな」

83: 2010/10/02(土) 04:18:05.87 ID:BSi1UGqGO
戦士「それで僧侶は見つかったのか?」

魔法使い「ええ、男作って楽しそうにやってるわ」

戦士「おいおい、それ本当か!?」

戦士「勇者がかすり傷を負うだけでメガザル使おうとしてた僧侶だぞ?」

魔法使い「その辺は大丈夫よ、今は何か踊ってたし」

戦士「なんだ?どういう意味で大丈夫なんだ??」

魔法使い「ふふふっ、さあね?」

戦士「なんだよそれ、教えろよ!」

魔法使い「やーよ」クスクス

魔法使い(僧侶ちゃんの一撃で許してあげるわ。……二人ともお幸せに)


おしまい

84: 2010/10/02(土) 04:23:50.25 ID:BSi1UGqGO
改めて見ると後半のやっつけ具合が半端ないww
戦闘描写はめんどくさいうえにつまらないので
キングクリムゾンで勘弁してください
その他、ご都合主義なのは仕様です
おやすみなさい

86: 2010/10/02(土) 07:49:20.78 ID:GoF7RMNg0
おつ


前作:女僧侶「たのもー」

引用元: 女魔法使い「たのもー」