両津「…中川！！　お前が話しかけるからこうなったなんだ！」
中川「だって先輩、部ｔ」
両津「やかましい！そうやって口答えする奴には先輩直々に教育を」
中川（！！　先輩、後ろ！）ﾋｿﾋｿ
両津「なんだ一体」ｼﾞﾛｯ
部長「おやおや両津くん、朝からずいぶんと威勢が良いじゃないか」
両津「げっ部長！これには理由がありまして、間違った後輩に対して先輩であるわたくしがですね」
部長「ばっかもーーーーーん！！！！」

部長「あれほど勤務中にギャンブルをするなと言ってあるはずだ！」
両津「…」
部長「市民に見られたらどうするつもりだ！大馬鹿もの！」
両津「…」

麗子「あれから1時間も怒られてるけど大丈夫かしら・・」
中川「部長は大変だろうけど先輩は・・・ほら、立ったまま寝てる」

両津「…」

部長「おっと、もうこんな時間か。わしは署まで行って来るからな、しっかり仕事するんだぞ！」

中川「先輩！先輩！」ﾕｻﾕｻ
両津「…ん、人が気持ちよく寝てるっていうのに一体なんだ！？」ｺﾞｼｺﾞｼ
麗子「なんだじゃないわよ、さっきまで部長にこっぴどく叱られてたんじゃない」
両津「おっとそうだった…ところで部長は？」
中川「部長は署に行きましたよ」
両津「そうかそうか。へへへ、じゃあ鬼のいぬ間にパチンコでも」
麗子「逃がさないわよ両ちゃん！しっかり見張っておくように言われてるんだから！」
両津「ったく、お前ら金持ちと違ってわしは少しでも金を稼がねばならんというのに」
麗子「じゃあ仕事なさい！」

両津（…ったくいつもいつもうるさい女だ、どうにかして抜け出す方法は）

通行人「」ﾄｺﾄｺ

両津「おっとそこのあなた！何かお困りでも？駅までの道がわからない？ならば本官が付き添って差し上げましょう！」
通行人「！？」
両津「ということだ！中川、麗子、あとは頼んだぞ！ワハハハ」ｽﾀﾀﾀﾀﾀ
麗子「んもう！両ちゃんったら！」

両津「さぁて抜け出せたのはいいが、よくよく考えりゃ競馬で全財産すっちまったんだ…」
両津「動くと腹が減る、昼寝でもして時間を潰すか」

両津「Zzzz…」

ｶｷｰﾝ！
野球少年「あ！おじさん危ない！」

ｺﾞﾂﾝ！
両津「痛ててて…」
野球少年ら「うわー逃げろー！」
両津「この悪がきどもめ！ったくわしじゃなかったら大惨事だぞ」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

？？？「おやおや大丈夫ですかぁ？」

セリフ回しがかなり初期っぽいなｗｗ

両津「うわっ！？なんだ急に！？」
喪黒「先ほどの光景を見て心配になって声をかけたのですが、お元気そうで何よりです」
両津「当たり前だ！　どこの誰だか知らんがわしは今」
喪黒「機嫌が悪いんだ。でしょうか」
両津「！？」
喪黒「あなたが今何を考えているか当ててみましょう
　　　ギャンブルには負け、上司には怒られ、挙句の果てにはボールがあたり、今日はなんてついていないんだ。そうお考えですね？」
両津（なんだこいつは…この身なりはマジシャンか何かか！？）ｼﾞｰｯ
喪黒「ホーホッホッホ　マジシャンなんてとんでもない、わたしはただのセールスマンです」

両津「セールスマンだぁ！？何か売りつけようったって無駄だぞ、わしは今無一文だ」
喪黒「ご心配なく、何も物をお金で売る事だけがセールマンの仕事ではございません。
　　　申し遅れました、わたくしこういうものです」
両津「なになに『ココロのスキマ…お埋めします』？」
喪黒「どうです？ちょっとわたしに付き合ってはもらえませんか？」
両津「くだらん、本官は忙しいんだ、帰る」ｸﾙｯ
喪黒「おやおやそれは残念です。お時間があればお酒でも飲みながらお話がしたかったのですが」
両津「さ…酒！？」ﾋﾟｸｯ!!
喪黒「ええ、でもお忙しいなら仕方が無い、他をあたりたいと思います」
両津「おっとたしか今日は非番の日だったような、おともさせて頂こうかしら♪」ｽﾘｽﾘ
喪黒「制服のままお酒というのもなんなので着替えてきてはいかがですか」

さすがの喪黒も両さんが相手では苦笑い

子供時代のトラウマだわ笑ゥせぇるすまん

ＢＡＲ　魔の巣

両津「ほぅ、なかなか洒落た店じゃないか」
喪黒「どうぞ、お座りください」
両津「マスター、ありったけの酒を持ってきてくれ」ｺﾞｸｺﾞｸｯ
喪黒「ホーッホッホッホ　すごい飲みっぷりですなぁ、両津さん」
両津「ぶはっ！　ゴホッゴホッ！…なぜわしの名前を知ってるんだ？」
喪黒「あなたココロにスキマをお持ちではありませんか？」
両津「ココロのスキマだぁ？ワシはいたって健康だぞ
　　　しいて言えば酔った勢いで寮のドアを壊しちまって、スキマ風がひどいくらいだな　ワハハハ」
喪黒「そうごまかさなくてもわたしにはわかりますよ。
　　　あなたお金にお困りですね。常にお金が欲しいお金が欲しいと願っています」

両津「金が欲しいのは誰だって一緒だろ！」ｺﾞｸｺﾞｸｯ
喪黒「ええ、もちろんそうなのですが、ただあなたの場合は少し違います。
　　　例えば、ちょいとばかしまとまったお金が転がり込んできたとしましょう。
　　　あなたはどうされますか？」」　　　
両津「へっへっへ、そりゃあその金で競馬をしようかパチンコをしようかあるいは株をだな」
喪黒「普通の方ならそのお金で何を買おうか、はたまた美味しい物でも食べようかしら、そんな事を考えるものです。
　　　しかしあなたは真逆の考えをお持ちでいらっしゃる。
　　　つまりあなたはお金を使う事よりも、増やすことに喜びを感じてしまっています」

両津「それの何が悪い」ｺﾞｸｺﾞｸｯ
喪黒「手にしたお金をただただ使えば良い方々とは違い、
　　　あなたの場合は増やさねば満足できない。この増やすという条件が厄介なのですよ。
　　　１を１０にしたところで、次は１０を１００にしたくなる。１００の次は１０００、１００００
　　　ホーッホッホッホッ、上を見ればキリがないですなぁ」
両津「大きなお世話だ」ｺﾞｸｺﾞｸｯ　　　
喪黒「増やすことに執着するあまり、警察官という本来の仕事を全うできていない、それではいけません。」
両津「で、あんたが美味しい話でも紹介してくれるってのか？」ｺﾞｸｺﾞｸｯ
喪黒「さてどうでしょう、ただ悪い話ではないと思います。わたしについてきていただけますか？」　

雑居ビル

喪黒「このビルです」
両津「なんだぁここは、汚ねぇビルじゃないか」
喪黒「きっと満足していただけるはずです。さぁさぁ中へどうぞ」
両津「うわ！中はまるっきりパチンコ屋じゃないかっ！
　　　こりゃぁなんとも怪しい場所に連れて来られちまった…」
喪黒「ホーッホッホッホ、まぁそう言わず。　軍資金をお貸ししますのでためしに遊んでみてはいかがです」
両津「へっへっへ、いやー悪いねぇ…ってたったの1000円じゃないか！
　　　1000円で当たりゃあ苦労しないってーの」ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ

1時間後

両津「ひぃふぅみぃ…20箱も出してやったぞ！ワハハハ」
喪黒「実はですね、このお店は大のお金持ちが趣味の一環として経営しているお店なんです。
　　　遊びに来てくれる客、つまりは共通の趣味を持っている方々にはこのように大還元しているんですよ」
両津「中川や麗子もそうだが、金持ちの考えることはさっぱりわからん…」
喪黒「あなたが今までなさってきたギャンブルとは違い、ここに来れば100%お金を増やす事ができます」
両津「それはすごい！やはり持つべき物は友だな、ワハハハ！さっそくまた明日も来させてもらうよ」

両津は破滅するところがイメージできない

部長はガチで破滅しそうだけど

喪黒「ホーッホッホッホッ、喜んでもらえて何よりです。ぜひ遊びに来てあげてください。
　　　ただし、お約束してほしいことがひとつあります」
両津「約束？」
喪黒「ここへ来る時は必ず仕事を終えてから来るようにしてください
　　　あなたは確実にお金を増やせる方法を知りました
　　　今まで蔑ろにしてきた分、仕事を全うしてください
　　　万が一にも仕事を抜け出して来るような真似をしてはいけません」
両津「もし破ったら？」
喪黒「何が起きても知りませんよ」
両津「な…何が起きても！？わしを脅そうとはいい度胸だ！…と言いたい所だが、
　　　こんな良い話は他にない、約束しようじゃないかワハハハ」

翌朝


両津「うおっす」
中川「先輩、おはようございます」
麗子「両ちゃん！昨日はどこ行ってたのよ、部長に言い訳するの大変だったんだからね！」
両津「いやーすまんすまん、パチンコの大当たりが止まらなくってなワハハハ」
中川「先輩…後ろ…」
部長「競馬の後にパチンコとはいい身分じゃないか」
両津「げっ部長！パチンコなんてとんでもない！私はお新香の食あたりが止まらなくてと言ったんです！」
部長「見苦しいぞ！両津！！！！」
両津「痛たたたた！やめてくださいよぉ部長ー
　　　今日からわたくし両津勘吉、市民の平和を守るため、仕事に全力を尽くす所存であります！」ｷﾘｯ
部長「お前の言葉は信用ならん！
　　　今日一日の勤務態度を見させてもらおうじゃないか」
両津「なぁ中川、わしってそんなに信用ないか？」
中川「先輩より政治家の方が信用できますよ」

両津「部長、ここの報告書に判子をお願いします」
部長「あぁ、今日はずいぶんと真面目じゃないか」
両津「いやぁーそれほどでもワハハハ」

ﾋﾗｯ

部長「おや、何か落ちたぞ…
　　　こ…これは何かね両津くん？」
両津「何ってただの紙くず…げっ！！」
部長「わたしにはパチンコ屋のレシートに見えるがね、
　　　それも昨日の日付が書かれた……これはどういうことだ！！」
両津「えっとそれはですねぇ、
　　　あ、痛たたたた！やっぱりまだ食あたり治ってないみたいなので早退させて頂きます！」ｽﾀﾀﾀ
部長「おいコラ待つんだ！両津ーーーー！！！！！」

両津「ハァハァ…ったく昨日の今日であの説教は聞いてられんからな
　　　さぁて、また今日も暇になっちまった…ということでさっそく♪」

（ただし、お約束してほしいことがひとつあります
　　万が一にも仕事を抜け出して来るような真似をしてはいけません
　　　何が起きても知りませんよ…）

両津「知るか！そんなもん！」

雑居ビル
両津「おっとここだここだ！今日も稼がせていただきますよーっと」ﾄﾞｽ!

ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ

両津「ワーッハッハ、今までやってたギャンブルがバカみたいだな！
　　　こんだけありゃＧ.Ｉ.ジョーにデン助人形に…ガハハ夢が広がるぜまったく！」
喪黒「両津さん」ﾄﾝﾄﾝ
両津「うわっ！」
喪黒「おやおや、まだお仕事をされてる時間のはずでは？
　　　まさかわたしとの約束を忘れたわけではありませんよねぇ？」
両津「いやーこれには理由がありましてねぇ、これも一種のパトロールと言いますかぁ…ハハハハ」
喪黒「ホーッホッホッホッ、わたしはあなたの上司ではありません。言い訳はなさらなくて結構ですよ
　　　仕事さえ全うしていれば、今後お金の心配がない人生が待っていたというのに、あなたは実に欲深い人間だ。
　　　約束を破ったらどうなるか思い知っていただきましょう」

くるぞ…

展開早すぎﾜﾛﾀ

次の日に約束破るとか

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テレビ「次のニュースです　
　　　　本日、都内某所にて違法賭博の一斉検挙が行われました。
　　　　容疑者の中には自称警察官・両津勘吉と名乗る者もおり「遊技場の平和を守る為のパトロールをしていた」等と意味不明な供述を…」


部長「あ…あの大ばかものめっ！」
中川「ギャンブル狂いの果てに人生まで狂わせてしまうとは…」




喪黒「お金に執着するあまり、使うことも増やすこともできない牢屋の中に行き着いてしまったようです。
　　　そこでの呼び名は777番だとか。皮肉なものですねぇ。ホーッホッホッホッ」


おしまい

いつものことか

よくみるこち亀のオチだけど次の週には働いてるよなw

笑うせぇるすまんのオチだと思うとかなり後味悪いけど、
こち亀のオチだと思うとただの日常としか思えない不思議