1:2017/03/24(金) 06:09:05.978 ID:i97nyLCY0.net
喪黒「……私の名は、喪黒福造。人呼んで笑ゥせぇるすまん。
   ただのセールスマンじゃございません。
  私の取り扱う品物は『ココロ』。
  人 間 の コ コ ロでございます…。」

喪黒「……この世は老いも若きも、男も女も、ココロの寂しい人ばかり、
   そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
   いいえ、お金は一銭も戴きません。
   お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます…。
   さて、今日のお客様は………。

『白羽・ラフィエル・エインズワース 高校生』

ホーーーーーーホッホッホッホ…」
2:2017/03/24(金) 06:11:16.339 ID:i97nyLCY0.net
ラフィエル「サターニャさん♪」

サターニャ「げっ!ラフィエル」

ラフィエル「一緒に帰りませんか~」

サターニャ「あいにくだけど用事があるのよ」

ラフィエル「そんなこと言わないで下さいよ。ガヴちゃんもヴィーネさんも
      委員長さんのお手伝いで一緒に帰る人がいないんですよ」

サターニャ「また、なにか企んでるんでしょう?」

ラフィエル「フフフ、そんなことないですよ~」

サターニャ「と、とにかく無理なものは無理なんだから」

ラフィエル「そんなこと言わずにぃ~」

サターニャ「あっラフィエルの足元にカエルが!!」

ラフィエル「キャー!!う、嘘!?どこにですか?」

サターニャ「隙あり!」

ラフィエル「ちょっと嘘だったんですか?」

サターニャ「へへ~、騙されてやんの」

ラフィエル「もぉ~サターニャさんったら。
      仕方がないので一人で帰りますか…」
3:2017/03/24(金) 06:13:44.312 ID:i97nyLCY0.net
ポツンポツン(雨が降ってくる)

ラフィエル「困りましたね傘を忘れてしまいました。
      そうだ、そこのバス停で雨宿りしましょう
      予報では降らないって言ってたのに…」

???「ホーホッホッホッ、天気予報もあてになりませんな」

ラフィエル「誰!?」

喪黒「私も傘を忘れてしまいましてね、いやー参った参った」

ラフィエル(あのおじさんいつの間に私の横に居たんだろう)
6:2017/03/24(金) 06:16:13.516 ID:i97nyLCY0.net
喪黒「私が、子供の頃にはこんな雨の日には
   よくカエルを捕まえたりして遊んだものですよ」

ラフィエル「…そ、そうなんですね」

喪黒「最近はめっきり見かけなくなってしまって寂しいものですな」

ラフィエル(早く止まないかな)

喪黒「ちなみに私こういうものと申します」

名刺を渡す

ラフィエル「ココロのスキマ、お埋めします?」

喪黒「私、せぇるすまんをしておりまして人々の悩みを無償で解決して差しあげてるのですよ」

ラフィエル「へぇ~、それは凄いですね」

喪黒「あなた今私のことを怪しいと思いましたね」

ラフィエル「いえ、そんなことは」

喪黒「いえいえ構いませんよ。よく言われますので
   実は私心理学を勉強していましてね。
   人の心を読むことに掛けては少し自信があるのですが
   あなたの心は中々読めませんな」
12:2017/03/24(金) 06:21:12.403 ID:i97nyLCY0.net
ラフィエル「はぁ…」

喪黒「しかし、先ほどカエルの話題を出したときに一瞬嫌な顔をなさいましたね
   さてはあなたカエルが苦手なんですね」

ラフィエル「えっ?よくわかりましたね」

喪黒「ホーホッホッホ、タネを明かせば実に簡単なことです
   あなたが先ほどお友達にイタズラを仕掛けようとして
   返り討ちに遭っていたのを偶然見かけたものでしてね」

ラフィエル「なんだ、そういうことですか。驚かさないで下さいよ」

喪黒「ホッホッホ、この際ですから苦手を克服してみてはいかがですかぁ?」

ラフィエル「と、言いますと?」

喪黒「実は、私大のカエル好きでしてね。ブリーダーとして
   希少なカエルの販売もしているんですが特別にあなたに一匹分けて
   差し上げましょう」

ラフィエル「いえ、結構です。本当私カエル苦手なので…」

喪黒「百聞は一見に如かず、一度ご覧になればきっと考えも変わるでしょう」

ラフィエル「突然言われましても…」

喪黒「ちょうどそこのビルの一室を借りて飼っているんですがね
   雨も止んだことですし、苦手を克服すればお友達を見返すこともできますよ」
14:2017/03/24(金) 06:25:54.297 ID:i97nyLCY0.net
ラフィエル「じゃあ、少しだけなら」

喪黒「こちらです」

ラフィエル「キャッ!カエル~!!やっぱ私には無理です~」

喪黒「それでは、こちらのカエルはいかがでしょうか?」

ラフィエル「だから無理だと言って…うん?うわー、凄く綺麗」

喪黒「ホッホッホ、気に入りましたか?」

ラフィエル「まるで宝石みたいですね」

喪黒「このカエルは市場には滅多に出回らない特別な種類でしてね
   希少価値も高く一匹120万はくだらないですかね」

ラフィエル「そ、そんなに高価なものを頂いてもいいんですか?」

喪黒「ええ構いませんよ、元々売るつもりはなかったですし
   このカエルもお嬢さんのような優しい方に引き取ってもらったほうが幸せでしょうから」

ラフィエル「ありがとうございます!」

喪黒「ただし、どんな事があっても最後まで面倒を見ると約束して下さい」
   
ラフィエル「もちろんですよ最後までお世話して苦手を克服してみせます」

喪黒「ええ、その意気で頑張ってくださいな」
15:2017/03/24(金) 06:29:18.147 ID:i97nyLCY0.net
ラフィエル「あれから1週間が経ち、喪黒さんから貰ったカエル
      のおかげもあってすっかり慣れて来ました」

サターニャ「よし、来たわね。このカエルのおもちゃでラフィエルを…」

ラフィエル「サターニャさん♪何をされてるんですか?」

サターニャ「ぎゃー!おどかさないでよね」

ラフィエル「そのカエルのおもちゃ…」

サターニャ「そうよ、悪魔的行為のために準備して来たかいがあったわ
      食らいなさい!カエル攻撃を!!」

ラフィエル「かわいいですね♪」

サターニャ「え?うそ!?あんたカエルが苦手なんじゃ…」

ラフィエル「ええ、正確には苦手だったですけどね♪
      さぁー早くケロちゃんのお世話しないとですね~
      サターニャさんさようなら~」

サターニャ「ラフィエルの奴いつの間にカエル嫌い克服してたのよ…」
17:2017/03/24(金) 06:31:32.381 ID:i97nyLCY0.net
ラフィエル「ただいま!ケロちゃん寂しかった?今、ご飯あげるからね」

カエル「ゲロゲロ」

翌日

ガヴリール「ラフィエルのカエル嫌いが治ったって本当なのか?」

ラフィエル「あらあら、サターニャさんったらもう皆さんに話してたんですね
      ある人からカエルを貰いましてそのカエルが凄く可愛いんです」

ヴィーネ「あんなに怖がってたのに飼うと愛着が湧くものなのね」

サターニャ「なんだか弱点が無くなったみたいでつまらないわね」

ラフィエル「そうだ!帰りにケロちゃんの餌買って来なくっちゃ」

ガヴリール「ケロちゃんって…」

ヴィーネ「すっかりカエルのとりこになってるわね」
18:2017/03/24(金) 06:35:02.942 ID:i97nyLCY0.net
ペットショップにて

ラフィエル「さてと、これだけ買えばいいわよね。あ、喪黒さん!」

喪黒「これはこれは白羽さんではありませんか。奇遇ですな
   どうです?カエル嫌いは克服出来ましたか?」

ラフィエル「はい!ケロちゃ…じゃなくて喪黒さんから貰ったカエルの
      おかげでむしろ大好きになりましたよ!」

喪黒「それはよかった、くれぐれも約束を守って下さいね」

ラフィエル「もちろんです~」


ラフィエル「そろそろ、ケロちゃんがうちに来てから一か月が経ちますね
      だいぶ大きくなってきましたね…」

テレビ「次のニュースです。警視庁は、希少なカエルを密輸したとして
    35歳の男を逮捕しました。調べに対し男は頼まれてやったなどと…」

ラフィエル「このカエル、ケロちゃんと同じ種類ということはまさか!?」
19:2017/03/24(金) 06:38:25.239 ID:i97nyLCY0.net
翌日
魔の巣

ラフィエル「これはどういうことなんですか!喪黒さん!
      あのカエルは密輸されて来たんですか?」

喪黒「隠すつもりはなかったのですが言い出すタイミングを逃してしまいましてね
   まぁまぁ絶対に足が付かないようにはなってますから」

ラフィエル「あのカエル元の故郷に戻してあげることにします」

喪黒「おやおや、あんなに可愛がっていたのに…」

ラフィエル「違法なことに手を貸すわけにはいきませんから
      それにケロちゃんもだいぶ大きくなってきてるので
      自然に戻してやったほうがノビノビと暮らせて幸せだと思うんです」

喪黒「いけませんねぇー、人との約束を反故にしては」
20:2017/03/24(金) 06:40:26.933 ID:qpJ4HDse0.net
ラフィちゃんはやさしいな
21:2017/03/24(金) 06:43:50.839 ID:i97nyLCY0.net
ラフィエル「あなたに私を止める資格はありません」

喪黒「そこまで強情におっしゃるのなら、あなたにはカエルの気持ちを分かってもらいましょう」

ラフィエル「何をする気ですか!?」

喪黒「ドーーーーーーン!!」

ラフィエル「キャアアアア!!」

ラフィエル「ゲロゲロ」(あれ?喋れない?)
     (まさか、私カエルになっちゃった!?
      こんなところにいきなり放されてもどう生きてけばいいのよ…)

喪黒「あのカエルは元々養殖で育てたカエルです。
   そんなカエルを無責任に自然環境に放ったところで生きていけるはずがありません
   これで彼女も少しはカエルの気持ちがわかったでしょうか?
   ホーホッホッホッホー」

おわり
23:2017/03/24(金) 06:54:59.359 ID:lAvrsbUo0.net
理不尽乙乙
22:2017/03/24(金) 06:51:33.369 ID:faxTG95Kd.net
仕方ないから俺が飼うよ

24:2017/03/24(金) 07:17:25.050 ID:1SWKaVpO0.net
原作にもたまにこういう何も悪いことしてないのにただただ理不尽にひどい結末辿る話あるなぁ
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490303345