1: 2010/09/25(土) 00:34:40.84 ID:tq6sLSPWO
大学に落ちてから一年
私とりっちゃんはここボロアパートで二人暮らしをしている。いわゆるルームシェア。というやつだ
そして生計をたてる為、内職やバイトを繰り返し、時間の空きを見つけては二人でストリートライブを行い実力を磨き続けていた
私とりっちゃんはここボロアパートで二人暮らしをしている。いわゆるルームシェア。というやつだ
そして生計をたてる為、内職やバイトを繰り返し、時間の空きを見つけては二人でストリートライブを行い実力を磨き続けていた
23: 2010/09/25(土) 01:13:59.77 ID:tq6sLSPWO
唯「ただいま~」
律「おかえり」
玄関をくぐるとりっちゃんの声といい匂いが私を迎えてくれた。この匂いは…
唯「今日はシチューだね!?」
律「隠し味は愛情ですわよ奥さん」
唯「わ~い」
日に日に上達するりっちゃん。イイ奥さんになれそうだなぁ
唯「りっちゃんホント凄いよ。イイお嫁さんになれるね」
律「よせやい。…まぁ何だ、本気でミュージシャンを目指そうって言い出したのは私だし。…責任感じてんだぜこれでも」
唯「りっちゃん…」
律「だから、さ。私に出来る事は可能な限りやりたいんだよ」
唯「…だめ!」
律「…え?」
唯「一人で背負い込んじゃ駄目だよ!りっちゃん!」
律「唯……へへ。ありがと」
律「おかえり」
玄関をくぐるとりっちゃんの声といい匂いが私を迎えてくれた。この匂いは…
唯「今日はシチューだね!?」
律「隠し味は愛情ですわよ奥さん」
唯「わ~い」
日に日に上達するりっちゃん。イイ奥さんになれそうだなぁ
唯「りっちゃんホント凄いよ。イイお嫁さんになれるね」
律「よせやい。…まぁ何だ、本気でミュージシャンを目指そうって言い出したのは私だし。…責任感じてんだぜこれでも」
唯「りっちゃん…」
律「だから、さ。私に出来る事は可能な限りやりたいんだよ」
唯「…だめ!」
律「…え?」
唯「一人で背負い込んじゃ駄目だよ!りっちゃん!」
律「唯……へへ。ありがと」
24: 2010/09/25(土) 01:19:33.20 ID:tq6sLSPWO
唯「あわわ」
居間の中心に寂しく置かれたちゃぶ台。その上には恐らく内職の物であろう何かが乱雑に放置されていた
唯「りっちゃーん。これ、腕の関節を繋げばいいのぉ?」
右腕の無いお人形を掴み取る
律「そだよー」
唯「ふふん。簡単だね」
パキッ
唯「……」
律「ふー。出来たぞ」
二人分のシチューを持ちながらりっちゃんが居間までやってきた
律「唯、その人形が入ったダンボールどかして」
唯「…」
律「唯?」
唯「はっ!あ、アイアイサー!」
居間の中心に寂しく置かれたちゃぶ台。その上には恐らく内職の物であろう何かが乱雑に放置されていた
唯「りっちゃーん。これ、腕の関節を繋げばいいのぉ?」
右腕の無いお人形を掴み取る
律「そだよー」
唯「ふふん。簡単だね」
パキッ
唯「……」
律「ふー。出来たぞ」
二人分のシチューを持ちながらりっちゃんが居間までやってきた
律「唯、その人形が入ったダンボールどかして」
唯「…」
律「唯?」
唯「はっ!あ、アイアイサー!」
25: 2010/09/25(土) 01:26:02.83 ID:tq6sLSPWO
律「あらら、壊しちゃったのか」
隠し事はよくないよね…
律「ま、仕方ねーよ。次から気、つけてな」
唯「あぐあぐ…ぁい」
律「食べながらしゃべらない。ほら、ほっぺにシチューついてる」
どこから取り出したか、ハンカチで私のほっぺをスリスリするりっちゃん
唯「…ぁう」
律「ははは、全く、唯はいつまでたっても子供みたいだよな」
りっちゃんは日に日にイケメンになってくね
唯「むー」
律「むくれるな、むくれるな。そこが唯のイイところでもあるんだし」
唯「…えっ」
律「可愛いって事だよ」
唯「あ…あ…ぅ」
はい来ましたいただきました!!天然!天然ジゴロ!
隠し事はよくないよね…
律「ま、仕方ねーよ。次から気、つけてな」
唯「あぐあぐ…ぁい」
律「食べながらしゃべらない。ほら、ほっぺにシチューついてる」
どこから取り出したか、ハンカチで私のほっぺをスリスリするりっちゃん
唯「…ぁう」
律「ははは、全く、唯はいつまでたっても子供みたいだよな」
りっちゃんは日に日にイケメンになってくね
唯「むー」
律「むくれるな、むくれるな。そこが唯のイイところでもあるんだし」
唯「…えっ」
律「可愛いって事だよ」
唯「あ…あ…ぅ」
はい来ましたいただきました!!天然!天然ジゴロ!
26: 2010/09/25(土) 01:32:17.69 ID:tq6sLSPWO
唯「私が洗うよ」
食べ終わった食器に腕を伸ばそうとした時、りっちゃんが同じように腕を伸ばして、割に入った
律「いいよ、唯はバイトで疲れてるんだし」
唯「駄目だよ。りっちゃんは炊事洗濯、内職までやってるじゃんか。それだって疲れるでしょ」
律「むむぅ。あ……じゃあ、さ」
唯「はい」
律「一緒にやろうぜ」
唯「むー。少しは楽、してほしいんだけどなぁ…」
律「そこは譲れない。楽しい事も、辛い事も、その他全部、半分こだ」
唯「……」
顔が火照ってくのが自分でもわかる。あぁだめだ。りっちゃん最高やで
律「唯?」
唯「はいぃ!?」
律「どうしたんだよ…まぁいいや。皿洗い終わったら、一緒に風呂はいろーぜ!」
唯「イエス」
食べ終わった食器に腕を伸ばそうとした時、りっちゃんが同じように腕を伸ばして、割に入った
律「いいよ、唯はバイトで疲れてるんだし」
唯「駄目だよ。りっちゃんは炊事洗濯、内職までやってるじゃんか。それだって疲れるでしょ」
律「むむぅ。あ……じゃあ、さ」
唯「はい」
律「一緒にやろうぜ」
唯「むー。少しは楽、してほしいんだけどなぁ…」
律「そこは譲れない。楽しい事も、辛い事も、その他全部、半分こだ」
唯「……」
顔が火照ってくのが自分でもわかる。あぁだめだ。りっちゃん最高やで
律「唯?」
唯「はいぃ!?」
律「どうしたんだよ…まぁいいや。皿洗い終わったら、一緒に風呂はいろーぜ!」
唯「イエス」
28: 2010/09/25(土) 01:38:11.64 ID:tq6sLSPWO
唯「りっちゃん肌綺麗だね…ハァハァ」
視界いっぱいに広がるりっちゃんの背中。これはたまりませんね
律「唯には負けるよ~。てなんか鼻息荒くないか」
唯「ハァハはっ!き、気のせい気のせい」
律「そか」
唯「あーん手が滑った~」
私の手がりっちゃんのわき腹を通り胸へと動く。ふっ、貰った…
律「あっ」
唯「!!」
たまりません。お母さんお父さんごめんなさい。唯は変態でした
律「やったなぁ~」
そして計算通り。こうすればりっちゃんは仕返しとばからに私の胸を揉んでくる。これで合法的(?)にちちくりあうことが出来るのだ
唯(エヘヘ…)
視界いっぱいに広がるりっちゃんの背中。これはたまりませんね
律「唯には負けるよ~。てなんか鼻息荒くないか」
唯「ハァハはっ!き、気のせい気のせい」
律「そか」
唯「あーん手が滑った~」
私の手がりっちゃんのわき腹を通り胸へと動く。ふっ、貰った…
律「あっ」
唯「!!」
たまりません。お母さんお父さんごめんなさい。唯は変態でした
律「やったなぁ~」
そして計算通り。こうすればりっちゃんは仕返しとばからに私の胸を揉んでくる。これで合法的(?)にちちくりあうことが出来るのだ
唯(エヘヘ…)
30: 2010/09/25(土) 01:47:11.68 ID:tq6sLSPWO
唯「りっちゃん寝た~?」
背中越しに伝わる大好きな人の温もり
りっちゃんは布団をもう一人分買おうと言ったのだが、私が頑なに断ったのだ
「私は別に一緒で平気だよ。それに置き場所にも困るし、ね」と言った具合。
まぁ本音としては「りっちゃんと…毎日添い寝!!」なのだが。そんな事言えるはずもなく
律「ん~おきてるー」
眠そうに返事をするりっちゃん
唯「…ねぇりっちゃん」
律「んぁ」
唯「て、てて…て、手を、手を繋いでも…い、いいかな?」
律「なんだー、怖い夢でも見たか…」
唯「う、うん」
返事と同時に布団の中がもぞもぞと動く
身体ごと振り向くとりっちゃんがこっちを向いた状態だった
唯「あ…」
そして、手に暖かい感触
律「おやすみ…んが」
唯「うん…おやすみ」
背中越しに伝わる大好きな人の温もり
りっちゃんは布団をもう一人分買おうと言ったのだが、私が頑なに断ったのだ
「私は別に一緒で平気だよ。それに置き場所にも困るし、ね」と言った具合。
まぁ本音としては「りっちゃんと…毎日添い寝!!」なのだが。そんな事言えるはずもなく
律「ん~おきてるー」
眠そうに返事をするりっちゃん
唯「…ねぇりっちゃん」
律「んぁ」
唯「て、てて…て、手を、手を繋いでも…い、いいかな?」
律「なんだー、怖い夢でも見たか…」
唯「う、うん」
返事と同時に布団の中がもぞもぞと動く
身体ごと振り向くとりっちゃんがこっちを向いた状態だった
唯「あ…」
そして、手に暖かい感触
律「おやすみ…んが」
唯「うん…おやすみ」
32: 2010/09/25(土) 01:56:36.27 ID:tq6sLSPWO
唯「んが」
目を開けるとまぶしい光が私を襲った
唯「朝……む」
同時にいい匂い。そしてリズミカルなトントントンという音
律「起きたか。おはよう」
唯「りっちゃん。えへへ、おはよう」
律「そろそろ朝ご飯出来るからな」
唯「ぁい」
上体を起こし背を伸ばす
唯「んーっ。今日は何時からバイトだったかなぁ」
律「10時。あと二時間はあるな」
トレイを2つ持ったりっちゃんが視界に映った
唯(エプロン可愛い…)
唯「ライブは今週末だよね」
律「そだよ。許可貰ったのはその日。はい、唯の分」
味噌汁に焼き魚に漬け物にご飯にお茶…りっちゃん、完璧やで!
唯「ありがとう。よーし、がんばるぞぉ!」
律「その意気だ、唯!!」
目を開けるとまぶしい光が私を襲った
唯「朝……む」
同時にいい匂い。そしてリズミカルなトントントンという音
律「起きたか。おはよう」
唯「りっちゃん。えへへ、おはよう」
律「そろそろ朝ご飯出来るからな」
唯「ぁい」
上体を起こし背を伸ばす
唯「んーっ。今日は何時からバイトだったかなぁ」
律「10時。あと二時間はあるな」
トレイを2つ持ったりっちゃんが視界に映った
唯(エプロン可愛い…)
唯「ライブは今週末だよね」
律「そだよ。許可貰ったのはその日。はい、唯の分」
味噌汁に焼き魚に漬け物にご飯にお茶…りっちゃん、完璧やで!
唯「ありがとう。よーし、がんばるぞぉ!」
律「その意気だ、唯!!」
33: 2010/09/25(土) 01:59:39.74 ID:tq6sLSPWO
唯「ごちそうさまでした」
律「お粗末さま。まだバイトまで時間あるな。どうする?」
唯「えーと…あっ」
律「?」
唯「ブラブラしようよ!りっちゃん!」
律「あはは、唯らしいな」
唯「そうと決まればさっさとお片付けだよ!」
トレイを勢いよく持ち上げる
律「元気だなぁ」
唯(デートっデートっ、りっちゃんとデート~)
律「お粗末さま。まだバイトまで時間あるな。どうする?」
唯「えーと…あっ」
律「?」
唯「ブラブラしようよ!りっちゃん!」
律「あはは、唯らしいな」
唯「そうと決まればさっさとお片付けだよ!」
トレイを勢いよく持ち上げる
律「元気だなぁ」
唯(デートっデートっ、りっちゃんとデート~)
34: 2010/09/25(土) 02:05:24.57 ID:tq6sLSPWO
律「何だか視線を感じるな。それも複数」
唯「りっちゃんがイケメンだからじゃない?」
律「あんまり嬉しくねぇな…」
今りっちゃんの頭にあれ…(名称なんだっけ忘れた)がついていない。髪を全部おろした状態になっている
律「唯が可愛いからじゃないか?なーんてな」
唯「て、照れるぜ…」
律「あはは」
りっちゃん、そんな何気ない言葉でも私には大ダメージだからね。気をつけてね。いやまぁ嬉しいんですけどね!!!
唯「りっちゃんがイケメンだからじゃない?」
律「あんまり嬉しくねぇな…」
今りっちゃんの頭にあれ…(名称なんだっけ忘れた)がついていない。髪を全部おろした状態になっている
律「唯が可愛いからじゃないか?なーんてな」
唯「て、照れるぜ…」
律「あはは」
りっちゃん、そんな何気ない言葉でも私には大ダメージだからね。気をつけてね。いやまぁ嬉しいんですけどね!!!
36: 2010/09/25(土) 02:08:52.11 ID:tq6sLSPWO
律「あ…唯、時間だ」
携帯を開いていたりっちゃんが言う。そう…もう0時の金が鳴るのね…なーんてね
唯「ハニー、行ってくるよ」
律「ダーリン!気をつけて!」
唯「…ぷっ」
律「…ぷっ」
あはははと二人して笑う
唯「じゃあ行ってくるね、りっちゃん」
律「おう。行ってら」
携帯を開いていたりっちゃんが言う。そう…もう0時の金が鳴るのね…なーんてね
唯「ハニー、行ってくるよ」
律「ダーリン!気をつけて!」
唯「…ぷっ」
律「…ぷっ」
あはははと二人して笑う
唯「じゃあ行ってくるね、りっちゃん」
律「おう。行ってら」
37: 2010/09/25(土) 02:11:49.95 ID:tq6sLSPWO
律「さて」
家に帰るか。と、そう思った時だった
「律先輩!」
懐かしい声が私を引き止めた。振り向く。そこにはかつての部活仲間がいた
梓「お久しぶりです、律先輩!」
梓だ――――――
家に帰るか。と、そう思った時だった
「律先輩!」
懐かしい声が私を引き止めた。振り向く。そこにはかつての部活仲間がいた
梓「お久しぶりです、律先輩!」
梓だ――――――
38: 2010/09/25(土) 02:18:31.28 ID:tq6sLSPWO
梓「お邪魔します」
律「おう」
立ち話もなんだし、家も近かったので、招き入れる事に。何よりも梓が行きたいですオーラを醸し出していた
梓「生活してるって感じですね」
律「そらな。それより…いつ以来だ。卒業して以来かな?」
梓「はい。澪先輩やムギ先輩には結構会ったりしているんですが…お二人は忙しそうだったので声、かけづらかったです」
律「んな寂しい事言うなよなぁ~。可愛い後輩が会いたがってたら会うよ、ちゃんと」
梓「…何だか律先輩、変わりましたね」
律「ん、そう?」
梓「はい。なんだか大人っぽく」
律「そりゃどうも」
そう言ったと同時に、梓のお腹が悲鳴をあげる
梓「そう言えばお昼まだでした」
照れながら、そう言った
律「おう」
立ち話もなんだし、家も近かったので、招き入れる事に。何よりも梓が行きたいですオーラを醸し出していた
梓「生活してるって感じですね」
律「そらな。それより…いつ以来だ。卒業して以来かな?」
梓「はい。澪先輩やムギ先輩には結構会ったりしているんですが…お二人は忙しそうだったので声、かけづらかったです」
律「んな寂しい事言うなよなぁ~。可愛い後輩が会いたがってたら会うよ、ちゃんと」
梓「…何だか律先輩、変わりましたね」
律「ん、そう?」
梓「はい。なんだか大人っぽく」
律「そりゃどうも」
そう言ったと同時に、梓のお腹が悲鳴をあげる
梓「そう言えばお昼まだでした」
照れながら、そう言った
39: 2010/09/25(土) 02:22:59.54 ID:tq6sLSPWO
梓「先輩、凄いですね」
律「へ?」
面食らったような顔で梓が言う
梓「とっても美味しいです」
律「そりゃどうも」
梓「唯先輩毎日こんなの食べれるなんて…しかも律先輩の手料理ブツブツ」
律「?」
小声でブツブツ呟く梓。よく聞き取れなかった
唯「どーん!!」
律「わっ」
梓「きゃっ」
突然勢いよく開かれる玄関
律「ゆ、唯?!あれ?バイトは?」
唯「クビになりました!」
律「へ?」
面食らったような顔で梓が言う
梓「とっても美味しいです」
律「そりゃどうも」
梓「唯先輩毎日こんなの食べれるなんて…しかも律先輩の手料理ブツブツ」
律「?」
小声でブツブツ呟く梓。よく聞き取れなかった
唯「どーん!!」
律「わっ」
梓「きゃっ」
突然勢いよく開かれる玄関
律「ゆ、唯?!あれ?バイトは?」
唯「クビになりました!」
90: 2010/09/25(土) 18:03:23.23 ID:tq6sLSPWO
梓「く、クビ!?」
唯「あれ?あずにゃん?」
律「また落ちたのか~?」
梓「ま、また!?二度目なんですか!?」
唯「ごめんね、りっちゃん。また、すぐ新しいバイト先探すから…」
律「んー。とりあえず落ち着こう。唯、こっち来て座れよ」
唯「う、うん」
唯「あれ?あずにゃん?」
律「また落ちたのか~?」
梓「ま、また!?二度目なんですか!?」
唯「ごめんね、りっちゃん。また、すぐ新しいバイト先探すから…」
律「んー。とりあえず落ち着こう。唯、こっち来て座れよ」
唯「う、うん」
91: 2010/09/25(土) 18:09:14.01 ID:tq6sLSPWO
唯「最近失敗続きで…『平沢!お前もう来なくていいよ!』って言われちゃった…」
律「そ、か…」
梓「…」
律「まぁ、あれだ。多分、唯、疲れてるんだよ。慣れない生活だし。そろそろ一年経つだろ?溜まっていた疲れが今になって出てきたんだよ」
唯「そう…なのかなぁ……よくわかんないや。あはは…」
梓「…す」
律「え?」
梓「…じゃだめです」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「こんなんじゃダメですーっ!!」
律・唯「わっ」
律「そ、か…」
梓「…」
律「まぁ、あれだ。多分、唯、疲れてるんだよ。慣れない生活だし。そろそろ一年経つだろ?溜まっていた疲れが今になって出てきたんだよ」
唯「そう…なのかなぁ……よくわかんないや。あはは…」
梓「…す」
律「え?」
梓「…じゃだめです」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「こんなんじゃダメですーっ!!」
律・唯「わっ」
92: 2010/09/25(土) 18:11:13.45 ID:tq6sLSPWO
梓「私から見れば律先輩も疲れているように見えます!」
律「え…そうか?」
梓「何でそんなに2人だけで頑張っていたんですか!?何で…何で少しくらい頼ったりしてくれなかったんですか!?」
梓「私は…私はそんなに頼りない後輩でしたかっ…!」
突然立ち上がった梓は身体を震わせながら泣きそうな…いや、泣きながら私たちに訴えかけていた
唯「あずにゃん…」
律「悪い…でもな、梓。これは2人で決めた事なんだ」
梓「え……」
律「ムギや澪、2人には勉強を沢山見てもらって…澪なんか推薦蹴ってまで同じ大学を選んでくれたのに…」
律「そんな2人に、これ以上迷惑はかけられない…」
梓「そんな!迷惑だなんて…思うわけがーーー
唯「ダメなんだよ。あずにゃん。私たちが耐えれないんだ。その優しさに、ね」
唯「だから、2人で決めたんだ。当分は…誰の手も借りずに頑張ろうって…」
梓「…先輩…」
律「え…そうか?」
梓「何でそんなに2人だけで頑張っていたんですか!?何で…何で少しくらい頼ったりしてくれなかったんですか!?」
梓「私は…私はそんなに頼りない後輩でしたかっ…!」
突然立ち上がった梓は身体を震わせながら泣きそうな…いや、泣きながら私たちに訴えかけていた
唯「あずにゃん…」
律「悪い…でもな、梓。これは2人で決めた事なんだ」
梓「え……」
律「ムギや澪、2人には勉強を沢山見てもらって…澪なんか推薦蹴ってまで同じ大学を選んでくれたのに…」
律「そんな2人に、これ以上迷惑はかけられない…」
梓「そんな!迷惑だなんて…思うわけがーーー
唯「ダメなんだよ。あずにゃん。私たちが耐えれないんだ。その優しさに、ね」
唯「だから、2人で決めたんだ。当分は…誰の手も借りずに頑張ろうって…」
梓「…先輩…」
93: 2010/09/25(土) 18:21:01.43 ID:tq6sLSPWO
梓「……わかりました」
梓「今日はもう…帰ります」
律「あ、送ってくよ」
梓「いえ。大丈夫です。…それより」
律「…ああ…。…本当に困ったら頼るよ。梓にも。澪やムギにも、な」
梓「ふふ。ならイイんです」
梓「今日はもう…帰ります」
律「あ、送ってくよ」
梓「いえ。大丈夫です。…それより」
律「…ああ…。…本当に困ったら頼るよ。梓にも。澪やムギにも、な」
梓「ふふ。ならイイんです」
94: 2010/09/25(土) 18:22:14.18 ID:tq6sLSPWO
唯「あ、あずにゃん!」
梓「はい?」
唯「今度ね、私たち路上ライブするんだ!!良かったら見に来てよ!」
梓「路上…ライブ!?そんな事してたんですか!?」
律「まぁ、ちょいちょいな。場所は×××の××でやるんだ。今週末」
梓「えっっ」
律「ん?」
場所と時間を伝えると梓が驚きを見せた。と思いきや直後に不適な笑みを浮かべる梓
律「?…梓?」
梓「ふふふ。路上ライブ。楽しみにしていますね。でわっ!」
律「あ、おい!ムギや澪には言うなよ!?まだあいつらには会いづらいんだ」
梓「は~い!」
梓「はい?」
唯「今度ね、私たち路上ライブするんだ!!良かったら見に来てよ!」
梓「路上…ライブ!?そんな事してたんですか!?」
律「まぁ、ちょいちょいな。場所は×××の××でやるんだ。今週末」
梓「えっっ」
律「ん?」
場所と時間を伝えると梓が驚きを見せた。と思いきや直後に不適な笑みを浮かべる梓
律「?…梓?」
梓「ふふふ。路上ライブ。楽しみにしていますね。でわっ!」
律「あ、おい!ムギや澪には言うなよ!?まだあいつらには会いづらいんだ」
梓「は~い!」
95: 2010/09/25(土) 18:29:39.75 ID:tq6sLSPWO
律「ふぅ…ふぅ…」
唯「はぁ…はぁ……。…あー~~~っ!…ふぅ」
律「だー~~っっ!…ふぅ」
・・・少しの沈黙の後
唯「前より人、増えてたね!りっちゃん!!」
唯が破顔しながらこちらに振り向いた。そりゃそうだろう私だって嬉し。前の倍くらいは居たんじゃないだろうか
律「あぁ!口コミで広がったんだろうな。とりあえず、すげぇ嬉しい!としか言いようがないぜ」
唯「見て見てりっちゃん!おひねりの中に野口さんがいっぱい!」
マジか!と飛びつこうとしたが、一応周りの目もある
律「ごほん。…唯、そういうのは後にしなさい」
唯「は~い」
唯「はぁ…はぁ……。…あー~~~っ!…ふぅ」
律「だー~~っっ!…ふぅ」
・・・少しの沈黙の後
唯「前より人、増えてたね!りっちゃん!!」
唯が破顔しながらこちらに振り向いた。そりゃそうだろう私だって嬉し。前の倍くらいは居たんじゃないだろうか
律「あぁ!口コミで広がったんだろうな。とりあえず、すげぇ嬉しい!としか言いようがないぜ」
唯「見て見てりっちゃん!おひねりの中に野口さんがいっぱい!」
マジか!と飛びつこうとしたが、一応周りの目もある
律「ごほん。…唯、そういうのは後にしなさい」
唯「は~い」
96: 2010/09/25(土) 18:36:00.07 ID:tq6sLSPWO
律「とりあえず急いで片付けるぞ」
唯「え?なにかあるの?」
律「次にここ使う奴が来るんだよ。そろそろ」
唯「あ、そうなんだ~。じゃあ急がないとね!」
律「だからそう言ってるジャナイカ・・・」
「先輩!」
律「ん」
唯「お」
梓「こんにちは、唯先輩、律先輩」
声がするほうに振り向くと梓が立っていた。さらにその後ろには誰か2人。なんだ?どこかで見た事あるような…
律「おお。よう、あず……
ムギ「…」
澪「…」
律「さ……」
ムギと澪だった
唯「え?なにかあるの?」
律「次にここ使う奴が来るんだよ。そろそろ」
唯「あ、そうなんだ~。じゃあ急がないとね!」
律「だからそう言ってるジャナイカ・・・」
「先輩!」
律「ん」
唯「お」
梓「こんにちは、唯先輩、律先輩」
声がするほうに振り向くと梓が立っていた。さらにその後ろには誰か2人。なんだ?どこかで見た事あるような…
律「おお。よう、あず……
ムギ「…」
澪「…」
律「さ……」
ムギと澪だった
98: 2010/09/25(土) 18:41:29.49 ID:tq6sLSPWO
ツカツカツカツカと幼なじみが迫ってくる
律「あ、あの…みおしゃはぶっっ!!」
額に広がる痛み。懐かしの澪チョップ
澪「これで許してやる」
ぷいっと明後日の方向に顔を背けながら言った。顔が赤かったのは気のせいか…
唯「澪ちゃん…ムギちゃん…」
ムギ「2人とも…久し…ぶり…ね…うっ」
律「む、むぎぃっ?」
唐突に涙を浮かべるムギ。よせやい。つられて泣きそうなになるだろーが
澪「…全く、朝から梓の機嫌が異常に良かったらのはこれか」
梓「えへへ」
律「あ、あの…みおしゃはぶっっ!!」
額に広がる痛み。懐かしの澪チョップ
澪「これで許してやる」
ぷいっと明後日の方向に顔を背けながら言った。顔が赤かったのは気のせいか…
唯「澪ちゃん…ムギちゃん…」
ムギ「2人とも…久し…ぶり…ね…うっ」
律「む、むぎぃっ?」
唐突に涙を浮かべるムギ。よせやい。つられて泣きそうなになるだろーが
澪「…全く、朝から梓の機嫌が異常に良かったらのはこれか」
梓「えへへ」
100: 2010/09/25(土) 18:51:15.25 ID:tq6sLSPWO
それから色々話した…私たちの事。澪やムギ、梓は同じ大学で、共に軽音楽を続けていた事…。
そしてお互いにあったわだかまり
律「そういえば、三人しかいないのか?他の大学仲間とかは?」
澪「バカ。…ずっと空けてあるんだよ」
唯「空けてあるって…」
ムギ「大学でね。私たち三人と一緒にバンドしたいって人達は沢山いたわ」
ムギ「でもね」
ムギ「放課後ティータイムのメンバーは…もう決まっているから…」
律・唯「あ…」
その時、まだ始まらないのか!とか、早くしろ!などのヤジが飛んだ
澪「久しぶりの5人だけど……いけるよな?」
不適に澪が笑う。お前、そんなキャラだったっけ
律「……」
唯「りっちゃん…」
不安そうに唯が私の名を呼ぶ。それに応えるようにして唯の手を強く握った
唯「あ…」澪「む」梓「ぬ」ムギ「あら…」
律「大丈夫。…へへ、よし!始めよう!!放課後ティータイム、再結成最初のバンドだ!!」
そしてお互いにあったわだかまり
律「そういえば、三人しかいないのか?他の大学仲間とかは?」
澪「バカ。…ずっと空けてあるんだよ」
唯「空けてあるって…」
ムギ「大学でね。私たち三人と一緒にバンドしたいって人達は沢山いたわ」
ムギ「でもね」
ムギ「放課後ティータイムのメンバーは…もう決まっているから…」
律・唯「あ…」
その時、まだ始まらないのか!とか、早くしろ!などのヤジが飛んだ
澪「久しぶりの5人だけど……いけるよな?」
不適に澪が笑う。お前、そんなキャラだったっけ
律「……」
唯「りっちゃん…」
不安そうに唯が私の名を呼ぶ。それに応えるようにして唯の手を強く握った
唯「あ…」澪「む」梓「ぬ」ムギ「あら…」
律「大丈夫。…へへ、よし!始めよう!!放課後ティータイム、再結成最初のバンドだ!!」
106: 2010/09/25(土) 19:00:28.02 ID:tq6sLSPWO
律「だはぁ~っ!イイ汗かいたぜ!やっぱり5人揃うと何か違うな!」
路上ライブを終えた私たちは全員揃ってファミレスへ来ていた
唯「だねー。なんというかテンションの上がり具合がもう、こう、イイ感じなんだよね!」
澪「お前たちがそれを言うのか!今まで私たちを避けていたお前たちがっ!」
律・唯「あぅ」
澪「まったく…」
ムギ「まぁまぁ。澪ちゃん落ち着いて。そんなに照れ隠ししなくても」
澪「照れっ!?照れ隠しなんてしていないぞ!」
梓「でも嬉しいんですよね?大学で、いつも言ってますもんね。律先輩どうの唯先輩どうのって」
澪「あずさぁああああっ!少し黙っててくれ!」
律「みおしゃん…」
唯「えへへ。そんなに私たちの事思ってくれてたなんて」
澪「や、やめっ!もうこの話題終わりっ!」
律・唯・ムギ・梓「え~」
澪「お!わ!り!なの!」
路上ライブを終えた私たちは全員揃ってファミレスへ来ていた
唯「だねー。なんというかテンションの上がり具合がもう、こう、イイ感じなんだよね!」
澪「お前たちがそれを言うのか!今まで私たちを避けていたお前たちがっ!」
律・唯「あぅ」
澪「まったく…」
ムギ「まぁまぁ。澪ちゃん落ち着いて。そんなに照れ隠ししなくても」
澪「照れっ!?照れ隠しなんてしていないぞ!」
梓「でも嬉しいんですよね?大学で、いつも言ってますもんね。律先輩どうの唯先輩どうのって」
澪「あずさぁああああっ!少し黙っててくれ!」
律「みおしゃん…」
唯「えへへ。そんなに私たちの事思ってくれてたなんて」
澪「や、やめっ!もうこの話題終わりっ!」
律・唯・ムギ・梓「え~」
澪「お!わ!り!なの!」
110: 2010/09/25(土) 19:13:49.53 ID:tq6sLSPWO
梓「ところで」
律「ん」
梓「これからは5人でしていくんですよね?路上ライブ」
律「まぁ、こうなった以上はな」
唯「えへへ。楽しみだね~」
澪「全く最初からこうしていればよかったんだ」
ムギ「まぁまぁ」
律「…だな。本当にその通りだ」
唯「…りっちゃん?」
律「みんな、ごめん」
ムギ「そ、そんなっ、頭をあげて、りっちゃん」
唯「…。…私もごめん」
澪「…唯……。いや私
ガタッ
梓「私たちの方こそごめんなさい。です。先輩」
澪(梓それ私の台詞)
律「ん」
梓「これからは5人でしていくんですよね?路上ライブ」
律「まぁ、こうなった以上はな」
唯「えへへ。楽しみだね~」
澪「全く最初からこうしていればよかったんだ」
ムギ「まぁまぁ」
律「…だな。本当にその通りだ」
唯「…りっちゃん?」
律「みんな、ごめん」
ムギ「そ、そんなっ、頭をあげて、りっちゃん」
唯「…。…私もごめん」
澪「…唯……。いや私
ガタッ
梓「私たちの方こそごめんなさい。です。先輩」
澪(梓それ私の台詞)
112: 2010/09/25(土) 19:17:49.80 ID:tq6sLSPWO
その日から5人で路上ライブを行う日々が始まった。
そして、たまにみんなが家に遊びにきたり…
とにかく、お互いにあったわだかまりが消えたのが大きかった
私と唯は今まで以上に笑う事が多くなった。その事をムギに話すと
「私たちもよ」
何て言うので、ちょっと照れ臭かった
そして…
そして、たまにみんなが家に遊びにきたり…
とにかく、お互いにあったわだかまりが消えたのが大きかった
私と唯は今まで以上に笑う事が多くなった。その事をムギに話すと
「私たちもよ」
何て言うので、ちょっと照れ臭かった
そして…
114: 2010/09/25(土) 19:21:39.02 ID:tq6sLSPWO
律「ふぅ」
澪「今日もイイ調子だったな」
唯「ん~っ。ふぅ」
ムギ「唯ちゃん、肩、揉んであげようか?」
唯「わ、ホント?お願いお願いっ」
梓「また人が増えてましたね」
律「だな」
さわ子「そんなあなた達に朗報よ」
律「え?朗報?…って、うわっ!!!さわちゃん!??」
さわ子「なによ。化け物でも見たみたいに驚いて」
律「いや、化け物よりこe
澪「今日もイイ調子だったな」
唯「ん~っ。ふぅ」
ムギ「唯ちゃん、肩、揉んであげようか?」
唯「わ、ホント?お願いお願いっ」
梓「また人が増えてましたね」
律「だな」
さわ子「そんなあなた達に朗報よ」
律「え?朗報?…って、うわっ!!!さわちゃん!??」
さわ子「なによ。化け物でも見たみたいに驚いて」
律「いや、化け物よりこe
115: 2010/09/25(土) 19:27:01.84 ID:tq6sLSPWO
唯「りっちゃん…大丈夫?」
律「み、みぞおち…」
澪「それにしても久しぶりですね。先生」
さわ子「ほんとに、ね~。みんな会いに来ないから死んだのかと思ってたわ」
一同「・・・」
さわ子「冗談よ☆」
梓「…そ、それよりも先生、朗報って?」
律「ああ、そういえばそんな事言ってたな」
さわ子「ああ、それはね」
律「み、みぞおち…」
澪「それにしても久しぶりですね。先生」
さわ子「ほんとに、ね~。みんな会いに来ないから死んだのかと思ってたわ」
一同「・・・」
さわ子「冗談よ☆」
梓「…そ、それよりも先生、朗報って?」
律「ああ、そういえばそんな事言ってたな」
さわ子「ああ、それはね」
116: 2010/09/25(土) 19:31:36.62 ID:tq6sLSPWO
さわ子「うちの生徒がね。あなた達を目撃したって言うから来てみれば」
さわ子「とんでもなく上手くなってるじゃない。って驚いたのよ」
さわ子「そ!こ!で!よ」
さわ子「ここからが朗報なんだけど」
さわ子「私の知人に…まぁ、小さなコンサートを開いている人がいてね」
さわ子「そこにあなた達を出そうかなあと」
律「そんな権限あるの?」
さわ子「まぁ、私の昔馴染みだし…」
律「ああ、あの黒歴s
さわ子「とんでもなく上手くなってるじゃない。って驚いたのよ」
さわ子「そ!こ!で!よ」
さわ子「ここからが朗報なんだけど」
さわ子「私の知人に…まぁ、小さなコンサートを開いている人がいてね」
さわ子「そこにあなた達を出そうかなあと」
律「そんな権限あるの?」
さわ子「まぁ、私の昔馴染みだし…」
律「ああ、あの黒歴s
118: 2010/09/25(土) 19:36:34.06 ID:tq6sLSPWO
唯「…りっちゃん、大丈夫?」
律「…ウン。タブン」
さわ子「お偉いさんも来るから」
さわ子「もしかしたら…があるかもしれないわよ」
梓「それって…デビューって事ですか!?」
ムギ「わぁ、凄い凄い」
澪「デビュー…かぁ…」
さわ子「ちなみに一週間後だからね」
律「ぶふっ!すぐじゃん!」
唯「れ、練習する間もないね」
さわ子「まぁ、今のあなた達なら大丈夫なんじゃない?詳しい時間や場所は後で連絡するわ。りっちゃんでいいかしら」
律「うん」
律「…ウン。タブン」
さわ子「お偉いさんも来るから」
さわ子「もしかしたら…があるかもしれないわよ」
梓「それって…デビューって事ですか!?」
ムギ「わぁ、凄い凄い」
澪「デビュー…かぁ…」
さわ子「ちなみに一週間後だからね」
律「ぶふっ!すぐじゃん!」
唯「れ、練習する間もないね」
さわ子「まぁ、今のあなた達なら大丈夫なんじゃない?詳しい時間や場所は後で連絡するわ。りっちゃんでいいかしら」
律「うん」
122: 2010/09/25(土) 19:43:58.98 ID:tq6sLSPWO
律「いやぁ~、それにしても腕がなるなぁオイ」
澪「何だか、夢みたいだよ」
梓「澪先輩、まだ早いですよその感想は」
澪「そ、そうだった」
ムギ「うふふ」
唯「………私…」
律「…唯?」
唯「軽音部に入って良かったよ!」
律「……へへ。そっか」
ムギ「唯ちゃん……うん。そうだね。…私も、軽音部に…みんなに会えて良かったわ…」
梓「私もですよ」
澪「ふふ。だな。みんなに会えて良かったよ」
そう、澪がそう言い終えた時だった。唯が陽気に、鼻歌を歌いながら一歩ステップを踏んで信号を渡る
まさにその時だった。気づけば私は身を乗り出していた
澪「何だか、夢みたいだよ」
梓「澪先輩、まだ早いですよその感想は」
澪「そ、そうだった」
ムギ「うふふ」
唯「………私…」
律「…唯?」
唯「軽音部に入って良かったよ!」
律「……へへ。そっか」
ムギ「唯ちゃん……うん。そうだね。…私も、軽音部に…みんなに会えて良かったわ…」
梓「私もですよ」
澪「ふふ。だな。みんなに会えて良かったよ」
そう、澪がそう言い終えた時だった。唯が陽気に、鼻歌を歌いながら一歩ステップを踏んで信号を渡る
まさにその時だった。気づけば私は身を乗り出していた
126: 2010/09/25(土) 19:48:03.41 ID:tq6sLSPWO
一瞬何が起こったのかわからなかった
気づけば私の視界には……私の…私の一番大切な人が……
ぐったりと横たわっていた――――――――
気づけば私の視界には……私の…私の一番大切な人が……
ぐったりと横たわっていた――――――――
129: 2010/09/25(土) 19:56:38.98 ID:tq6sLSPWO
澪「…」
ムギ「…」
梓「…」
唯「…」
律「お、おいおい、皆元気出せよ。何で事故にあった私よりへこんでんだよ!あはは」
唯「…りっちゃん……ごめん…ごめんなさい…ごめんなさい!!!私がぁっ…わ、わたっわたしわ、ああ、あ…あぁあっ!」
律「唯、落ち着けって!誰もお前を責めてねーんだ!居眠り運転。向こうが悪い。なっ!」
唯「りっ、りつ…りっちゃ…ううっひっく、うぐっ、あっあっあうっあ…ひっ」
律「お~よしよし。…あでで。腕動かすといてぇなこれ」
澪「りつ…」
律「おーまえらまでンな顔すんなって!私は生きてる!死んでないんだ。ならイイじゃんか」
澪「ばっ!縁起でも無いこと…っ」
医者「すみません。少し、重要な話しがあるので、席を外してもらえませんか?」
ムギ「あ……はい。いこ?唯ちゃん」
唯「…ぅん…」
ムギ「…」
梓「…」
唯「…」
律「お、おいおい、皆元気出せよ。何で事故にあった私よりへこんでんだよ!あはは」
唯「…りっちゃん……ごめん…ごめんなさい…ごめんなさい!!!私がぁっ…わ、わたっわたしわ、ああ、あ…あぁあっ!」
律「唯、落ち着けって!誰もお前を責めてねーんだ!居眠り運転。向こうが悪い。なっ!」
唯「りっ、りつ…りっちゃ…ううっひっく、うぐっ、あっあっあうっあ…ひっ」
律「お~よしよし。…あでで。腕動かすといてぇなこれ」
澪「りつ…」
律「おーまえらまでンな顔すんなって!私は生きてる!死んでないんだ。ならイイじゃんか」
澪「ばっ!縁起でも無いこと…っ」
医者「すみません。少し、重要な話しがあるので、席を外してもらえませんか?」
ムギ「あ……はい。いこ?唯ちゃん」
唯「…ぅん…」
132: 2010/09/25(土) 20:00:58.27 ID:tq6sLSPWO
後日
律「えーと。だな。皆に集まって貰ったのは他でもない、コンサートの事なんだけど…」
さわ子「…間に合いそうに無いのね?」
律「……うん」
唯「…りっちゃ
律「ストーーップ!唯は喋らなくてイイ!お前絶対泣くだろ?」
唯「う、うぅ…」
澪「仕方ないさ。また次の機会を狙おう」
律「いや、そこで…提案なんだが」
ムギ「?」
梓「何かあるんですか?」
律「え~っとな、さわちゃんと話し合った結果…な」
律「えーと。だな。皆に集まって貰ったのは他でもない、コンサートの事なんだけど…」
さわ子「…間に合いそうに無いのね?」
律「……うん」
唯「…りっちゃ
律「ストーーップ!唯は喋らなくてイイ!お前絶対泣くだろ?」
唯「う、うぅ…」
澪「仕方ないさ。また次の機会を狙おう」
律「いや、そこで…提案なんだが」
ムギ「?」
梓「何かあるんですか?」
律「え~っとな、さわちゃんと話し合った結果…な」
134: 2010/09/25(土) 20:07:09.02 ID:tq6sLSPWO
梓「先生がドラム!?」
さわ子「頼まれちゃったし…一応人並みには出来るから…ね」
唯「…」
澪「……律は……律は、それでいいのか?」
律「………ぁあ」
ムギ「…りっちゃん…」
「…めだよ…」
律「?」
唯「ダメだよ!!」
律「唯?」
唯「放課後ティータイムのドラムは…りっちゃんじゃなきゃ…田井中律じゃなきゃダメだよっっ!!」
律「唯…」
梓「唯先輩…」
澪「………同感だ。先生を入れるくらいなら…先生には悪いけど、ドラム無しで演奏した方がイイ」
律「澪…」
さわ子「頼まれちゃったし…一応人並みには出来るから…ね」
唯「…」
澪「……律は……律は、それでいいのか?」
律「………ぁあ」
ムギ「…りっちゃん…」
「…めだよ…」
律「?」
唯「ダメだよ!!」
律「唯?」
唯「放課後ティータイムのドラムは…りっちゃんじゃなきゃ…田井中律じゃなきゃダメだよっっ!!」
律「唯…」
梓「唯先輩…」
澪「………同感だ。先生を入れるくらいなら…先生には悪いけど、ドラム無しで演奏した方がイイ」
律「澪…」
136: 2010/09/25(土) 20:12:42.35 ID:tq6sLSPWO
さわ子「…あ~もうハイハイ」
唯「っ?…さわちゃん?」
さわ子「お熱いのはそれくらいにさない。イイじゃない、それで。ドラム無しで」
さわ子「一応向こうにはそれで話しをつけておくわ」
澪「先生…。…ありがとうございます」
さわ子「うん。それと、一応私もドラムの練習しておくから。必要だと思ったら、声をかけなさい。ま、必要ないと思うけどね」
律「さわちゃん…ありがと」
さわ子「いいのいいの。まったく…あんた達見てたら私の若い頃を思い出すわホント…」
さわ子「じゃあ、とりあえずまた今度ね」
一同「はいっ」
唯「っ?…さわちゃん?」
さわ子「お熱いのはそれくらいにさない。イイじゃない、それで。ドラム無しで」
さわ子「一応向こうにはそれで話しをつけておくわ」
澪「先生…。…ありがとうございます」
さわ子「うん。それと、一応私もドラムの練習しておくから。必要だと思ったら、声をかけなさい。ま、必要ないと思うけどね」
律「さわちゃん…ありがと」
さわ子「いいのいいの。まったく…あんた達見てたら私の若い頃を思い出すわホント…」
さわ子「じゃあ、とりあえずまた今度ね」
一同「はいっ」
137: 2010/09/25(土) 20:15:39.83 ID:tq6sLSPWO
その日から…ドラム無しの練習が始まった。
さわちゃんは、「練習くらい入れてくれてもイイじゃない…」
とか言っていたような気がする。ごめんねさわちゃん。譲れないんだ。そのドラムの席だけは…
そして…
さわちゃんは、「練習くらい入れてくれてもイイじゃない…」
とか言っていたような気がする。ごめんねさわちゃん。譲れないんだ。そのドラムの席だけは…
そして…
138: 2010/09/25(土) 20:23:04.01 ID:tq6sLSPWO
澪「レベル、高いな…」
唯「うん…」
自分達の番が来るまでまだ時間があったので、客席からコンサートを眺めていた。
でもそれは間違いだったのかも知れない。みんな、自信を失っていく…
こんな時、ムードメーカーが居れば、全然違ったのだろうか
唯「りっちゃん…」
誰にも聞こえないように呟く。大好きな人の名前を声に出すと不思議と勇気を得られる。
このおまじないを、私は毎回、ライブ前に行っていた
でも
唯「…」
今回ばかりはダメだった。呟いて得られるのは悲しみだけ。勇気の欠片もない
梓「だ、大丈夫ですよ皆さん!私たちの方が上です!そうに決まってます!」
ムギ「梓ちゃん…」
さわ子「みんな、そろそろよ。支度するからこっち来て」
澪「あ、はい」
梓「やってやるです!」
唯「…」
唯「うん…」
自分達の番が来るまでまだ時間があったので、客席からコンサートを眺めていた。
でもそれは間違いだったのかも知れない。みんな、自信を失っていく…
こんな時、ムードメーカーが居れば、全然違ったのだろうか
唯「りっちゃん…」
誰にも聞こえないように呟く。大好きな人の名前を声に出すと不思議と勇気を得られる。
このおまじないを、私は毎回、ライブ前に行っていた
でも
唯「…」
今回ばかりはダメだった。呟いて得られるのは悲しみだけ。勇気の欠片もない
梓「だ、大丈夫ですよ皆さん!私たちの方が上です!そうに決まってます!」
ムギ「梓ちゃん…」
さわ子「みんな、そろそろよ。支度するからこっち来て」
澪「あ、はい」
梓「やってやるです!」
唯「…」
139: 2010/09/25(土) 20:27:26.21 ID:tq6sLSPWO
唯「…」
澪「う、う…何だか気分が…」
ムギ「澪ちゃん大丈夫??」
梓「ふぅー。ふぅー。深呼吸深呼吸」
さわ子「みんな、着替えたわね?」
澪「は、はいっ!!」
さわ子「……ふふ」
梓「?…どうかしたんですか?」
さわ子「ここで、スペシャルゲストの登場です」
唯「え」
澪「な」
梓「ま、まさか…」
ムギ「うそ…」
さわ子「嘘よ」
澪「う、う…何だか気分が…」
ムギ「澪ちゃん大丈夫??」
梓「ふぅー。ふぅー。深呼吸深呼吸」
さわ子「みんな、着替えたわね?」
澪「は、はいっ!!」
さわ子「……ふふ」
梓「?…どうかしたんですか?」
さわ子「ここで、スペシャルゲストの登場です」
唯「え」
澪「な」
梓「ま、まさか…」
ムギ「うそ…」
さわ子「嘘よ」
140: 2010/09/25(土) 20:32:59.80 ID:tq6sLSPWO
ムギ「なっ」
唯「っ!」
澪「せ、先生!こんな時にそんな嘘つかないで下さい!」
さわ子「…」
梓「せ、先生?」
さわ子「今のみんなの表情で、今抱えてる不安や気持ちがわかったわ」
さわ子「みんな、りっちゃんの事が大好きなのね。……でもね、みんな」
さわ子「りっちゃん抜きでライブをする。そう言いだしたのは、あなた達よ」
澪「っ…!」
さわ子「このライブが失敗して一番悲しむのは誰…?」
さわ子「……これ以上は…野暮ね。…みんな、頑張ってね」
唯「……先生!」
さわ子「…なぁに?」
唯「ありがとう…ございます」
さわ子「…私は何もしていないわ。…客席から、見てるからね。じゃあ」
唯「っ!」
澪「せ、先生!こんな時にそんな嘘つかないで下さい!」
さわ子「…」
梓「せ、先生?」
さわ子「今のみんなの表情で、今抱えてる不安や気持ちがわかったわ」
さわ子「みんな、りっちゃんの事が大好きなのね。……でもね、みんな」
さわ子「りっちゃん抜きでライブをする。そう言いだしたのは、あなた達よ」
澪「っ…!」
さわ子「このライブが失敗して一番悲しむのは誰…?」
さわ子「……これ以上は…野暮ね。…みんな、頑張ってね」
唯「……先生!」
さわ子「…なぁに?」
唯「ありがとう…ございます」
さわ子「…私は何もしていないわ。…客席から、見てるからね。じゃあ」
143: 2010/09/25(土) 20:40:48.52 ID:tq6sLSPWO
唯「行こう。みんな」
澪「ああ」
ムギ「ええ」
梓「はい!!」
ありがとう、さわちゃん。本調子とはいかないけれど、何とか頑張れそうだよ。
りっちゃん……見守っていてね
唯「…」
舞台袖へと続く扉。そのドアノブに手を伸ばした
扉は古いのか、独特な音をたてながら開いていく
唯「……」
梓「先輩?早く進んで下さい」
唯「りっ………りっちゃ…ん?」
そこには紛れもない、見間違うハズのない、あの見慣れた後ろ姿があった
扉が開く音に気付いたのか、その姿がこちらに振り向く
律「…よう。遅かったな、お前ら」
澪「ああ」
ムギ「ええ」
梓「はい!!」
ありがとう、さわちゃん。本調子とはいかないけれど、何とか頑張れそうだよ。
りっちゃん……見守っていてね
唯「…」
舞台袖へと続く扉。そのドアノブに手を伸ばした
扉は古いのか、独特な音をたてながら開いていく
唯「……」
梓「先輩?早く進んで下さい」
唯「りっ………りっちゃ…ん?」
そこには紛れもない、見間違うハズのない、あの見慣れた後ろ姿があった
扉が開く音に気付いたのか、その姿がこちらに振り向く
律「…よう。遅かったな、お前ら」
146: 2010/09/25(土) 20:49:50.60 ID:tq6sLSPWO
澪「律!」
梓「先輩!」
ムギ「りっちゃん…!」
唯「…」
みんなが駆け寄る中、一人呆然と立ち尽くす私
律「…」
りっちゃんと、目が合う
律「遅くなったな。田井中律、ただいま帰還しました!!」
唯「りっちゃ……りっちゃああああっん!!」
駆け寄り、抱きつく。ああ、これだ…私が欲しかった安らぎが、今、目の前にある
唯「りっちゃんりっちゃん!りっちゃぁああん!!」
律「こらこら、泣くな泣くな。そろそろ幕開くぞ」
澪「と、いうか、律。大丈夫なのか?その、色々と」
律「はは、無理言って抜け出してきたんだよ。少しくらいなら大丈夫なんだってさ」
澪「そうか、ならいいんだ」
梓「先輩!」
ムギ「りっちゃん…!」
唯「…」
みんなが駆け寄る中、一人呆然と立ち尽くす私
律「…」
りっちゃんと、目が合う
律「遅くなったな。田井中律、ただいま帰還しました!!」
唯「りっちゃ……りっちゃああああっん!!」
駆け寄り、抱きつく。ああ、これだ…私が欲しかった安らぎが、今、目の前にある
唯「りっちゃんりっちゃん!りっちゃぁああん!!」
律「こらこら、泣くな泣くな。そろそろ幕開くぞ」
澪「と、いうか、律。大丈夫なのか?その、色々と」
律「はは、無理言って抜け出してきたんだよ。少しくらいなら大丈夫なんだってさ」
澪「そうか、ならいいんだ」
147: 2010/09/25(土) 20:53:50.96 ID:tq6sLSPWO
司会「次は、放課後ティータイムによる」
ムギ「あっ、みんな!始まるわよ!」
律「よし!…唯、やれるか?」
唯「ぐすっ…ずびっ…。モチロンだよ!!」
律「…よし!梓!」
梓「やってやるです!!」
律「澪!」
澪「大丈夫!」
律「ムギ!」
ムギ「いつでもオッケ~よ~」
律「よし!聴かせてやろうぜ!見せてやろうぜ!私たち、放課後ティータイムをさ!!」
唯「うん!」 澪「ああ!」 ムギ「ええ!」 梓「はいです!」
ムギ「あっ、みんな!始まるわよ!」
律「よし!…唯、やれるか?」
唯「ぐすっ…ずびっ…。モチロンだよ!!」
律「…よし!梓!」
梓「やってやるです!!」
律「澪!」
澪「大丈夫!」
律「ムギ!」
ムギ「いつでもオッケ~よ~」
律「よし!聴かせてやろうぜ!見せてやろうぜ!私たち、放課後ティータイムをさ!!」
唯「うん!」 澪「ああ!」 ムギ「ええ!」 梓「はいです!」
149: 2010/09/25(土) 21:04:33.89 ID:tq6sLSPWO
幕が…開く
観客の視線が、私たちに集中する
さっきまでの私なら、この状況でもう参っていただろう。けれど、今はもう違う
後ろに…居てくれている
安心を…くれる人がいる。だから…もう大丈夫
唯「…あー…コホン」
唯「ここに来るまで、とても長い道のりでした」
唯「楽しい事や嬉しい事。もちろん、辛い事や苦しい事もありました。もうダメだと、何度か諦めかける時もありました」
唯「けど、私はこうして、ここに、立っています」
唯「それは…みんなが……仲間が支えてくれたおかげです」
唯「こんな…こんな喜びを皆さんにも知ってほしい…そんな気持ちを込めて、歌います」
澪ちゃんを見る。ニコッと、頷いてくれた
あずにゃんとムギちゃんの方を見る。ニコッと、頷いてくれた
最後に、後ろに振り向く。ニコッと、頷いてくれた
唯「…」
唯「聴いてください。放課後ティータイム、曲は―――――――
観客の視線が、私たちに集中する
さっきまでの私なら、この状況でもう参っていただろう。けれど、今はもう違う
後ろに…居てくれている
安心を…くれる人がいる。だから…もう大丈夫
唯「…あー…コホン」
唯「ここに来るまで、とても長い道のりでした」
唯「楽しい事や嬉しい事。もちろん、辛い事や苦しい事もありました。もうダメだと、何度か諦めかける時もありました」
唯「けど、私はこうして、ここに、立っています」
唯「それは…みんなが……仲間が支えてくれたおかげです」
唯「こんな…こんな喜びを皆さんにも知ってほしい…そんな気持ちを込めて、歌います」
澪ちゃんを見る。ニコッと、頷いてくれた
あずにゃんとムギちゃんの方を見る。ニコッと、頷いてくれた
最後に、後ろに振り向く。ニコッと、頷いてくれた
唯「…」
唯「聴いてください。放課後ティータイム、曲は―――――――
151: 2010/09/25(土) 21:08:41.55 ID:tq6sLSPWO
さわ子「…」
「凄い子たちだねぇ。アレ、みんな君の教え子?」
さわ子「あらアナタ…。…ふふん、凄いでしょ」
「伝わってくるものが違うよ。他とはね」
さわ子「…決めた?」
「あぁ。決まりだ」
さわ子「そう…。あの子たちも喜ぶわ」
「だといいね」
「凄い子たちだねぇ。アレ、みんな君の教え子?」
さわ子「あらアナタ…。…ふふん、凄いでしょ」
「伝わってくるものが違うよ。他とはね」
さわ子「…決めた?」
「あぁ。決まりだ」
さわ子「そう…。あの子たちも喜ぶわ」
「だといいね」
152: 2010/09/25(土) 21:14:32.90 ID:tq6sLSPWO
唯「ふぅ…ふぅ…」
歌い終わると同時に大きな歓声。鳴り止む気配がない。それがとても心地よく感じられた
梓「…い、今までで、一番…イイ演奏が出来た気がします…」
澪「はは、梓、泣いてるぞ」
梓「えっええっ!?そ、そういう澪先輩だって泣いてます!」
澪「な、なにぃっ!本当か!?」
ムギ「はいはいそういうのは幕がおりてからね」
唯「あはは」
相変わらずだなぁ、みんな
幕がおりる。その時だった
りっちゃんが一言も喋っていない事に気付く
唯「りっちゃん?」
歌い終わると同時に大きな歓声。鳴り止む気配がない。それがとても心地よく感じられた
梓「…い、今までで、一番…イイ演奏が出来た気がします…」
澪「はは、梓、泣いてるぞ」
梓「えっええっ!?そ、そういう澪先輩だって泣いてます!」
澪「な、なにぃっ!本当か!?」
ムギ「はいはいそういうのは幕がおりてからね」
唯「あはは」
相変わらずだなぁ、みんな
幕がおりる。その時だった
りっちゃんが一言も喋っていない事に気付く
唯「りっちゃん?」
153: 2010/09/25(土) 21:17:51.18 ID:tq6sLSPWO
私の声に反応する事はなく、視界には、横たわったりっちゃんが、そこにいた
唯「ーーっ!りっちゃん!!!!」
さわ子「みんな!」
唯「さわちゃん!りっちゃんがっっ!!」
さわ子「とにかく落ち着いて!今医者が来てるから!みんなは後片付けを!」
梓「は、はいっ」
唯「ーーっ!りっちゃん!!!!」
さわ子「みんな!」
唯「さわちゃん!りっちゃんがっっ!!」
さわ子「とにかく落ち着いて!今医者が来てるから!みんなは後片付けを!」
梓「は、はいっ」
154: 2010/09/25(土) 21:21:48.23 ID:tq6sLSPWO
病院にて
律「…」
りっちゃんはすぐに意識を取り戻し、面会可能という事になったので、病室にみんなが集まる事になった
医者「…私はダメだと言ったんですがね」
澪「あの…どういう事ですか?」
医者「…田井中さん」
律「いいです、先生。私から言います」
唯「…」
律「…」
りっちゃんはすぐに意識を取り戻し、面会可能という事になったので、病室にみんなが集まる事になった
医者「…私はダメだと言ったんですがね」
澪「あの…どういう事ですか?」
医者「…田井中さん」
律「いいです、先生。私から言います」
唯「…」
155: 2010/09/25(土) 21:31:25.94 ID:tq6sLSPWO
医者「それじゃあ私は退室するよ。何かあったら呼んでくれたまえ」
さわ子「ありがとうございます」
律「・・・・・腕…」
唯「え?」
律「腕が…弱ってるらしいんだ」
梓「ど、どういう事ですか?」
律「腕に負担をかけると…事故の時の痛みが再発して…まともに動かせなるんだ。私生活では問題ないけど」
律「…負担っていうのはまぁ…ドラム…くらいのレベルな訳で…」
律「それに、もしかしたら将来的には、もっと弱まるかもしれないって」
唯「…りっちゃん…まさか……」
律「うん。だから、この腕がまともに動かなくなる前に、放課後ティータイムの…最後のドラムを…やりたかったんだ」
律「だから、無理に病院を抜け出したんだ。たはは」
さわ子「ありがとうございます」
律「・・・・・腕…」
唯「え?」
律「腕が…弱ってるらしいんだ」
梓「ど、どういう事ですか?」
律「腕に負担をかけると…事故の時の痛みが再発して…まともに動かせなるんだ。私生活では問題ないけど」
律「…負担っていうのはまぁ…ドラム…くらいのレベルな訳で…」
律「それに、もしかしたら将来的には、もっと弱まるかもしれないって」
唯「…りっちゃん…まさか……」
律「うん。だから、この腕がまともに動かなくなる前に、放課後ティータイムの…最後のドラムを…やりたかったんだ」
律「だから、無理に病院を抜け出したんだ。たはは」
157: 2010/09/25(土) 21:38:41.92 ID:u8FdbXWrO
うわぁぁあああああああ
158: 2010/09/25(土) 21:39:13.05 ID:tq6sLSPWO
唯「わたしの――
律「唯」
律「唯のせいじゃない。気にするなよ」
澪「待て。待ってくれ。じゃあ放課後ティータイムのドラムはどうなるんだ!?」
ムギ「澪ちゃん!落ち着いて!」
澪「これが落ち着いていられるか!なぁ律、冗談なんだろ?冗談って…冗談っていってくれよ!なぁ!!」
梓「先輩!!」
澪「っ!あ…ごめ…わたし…さ、最低だ…なにやって…」
ムギ「澪ちゃん…」
律「唯」
律「唯のせいじゃない。気にするなよ」
澪「待て。待ってくれ。じゃあ放課後ティータイムのドラムはどうなるんだ!?」
ムギ「澪ちゃん!落ち着いて!」
澪「これが落ち着いていられるか!なぁ律、冗談なんだろ?冗談って…冗談っていってくれよ!なぁ!!」
梓「先輩!!」
澪「っ!あ…ごめ…わたし…さ、最低だ…なにやって…」
ムギ「澪ちゃん…」
159: 2010/09/25(土) 21:41:08.21 ID:tq6sLSPWO
律「澪」
澪「なん…だよ…」
律「あ、いや。やっぱ後で」
澪「…お前、今、私放課後ティータイムを抜けるよ。とか言おうとしてただろ」
律「え、いや、あの…えと…」
澪「そんなの絶対に許さないからなっ!!」
ムギ「澪ちゃん、ここ病院だからっ」
澪「あ、ごめん…」
ムギ「…ちょっと外に出よ?ここじゃ冷静で居られないでしょう?」
澪「うん、そうする…ごめん、律、ムギ…」
律「あ、ああ」
澪「なん…だよ…」
律「あ、いや。やっぱ後で」
澪「…お前、今、私放課後ティータイムを抜けるよ。とか言おうとしてただろ」
律「え、いや、あの…えと…」
澪「そんなの絶対に許さないからなっ!!」
ムギ「澪ちゃん、ここ病院だからっ」
澪「あ、ごめん…」
ムギ「…ちょっと外に出よ?ここじゃ冷静で居られないでしょう?」
澪「うん、そうする…ごめん、律、ムギ…」
律「あ、ああ」
160: 2010/09/25(土) 21:43:58.94 ID:tq6sLSPWO
ムギ「りっちゃん」
律「ん」
ムギ「私も、りっちゃんが抜けるなんて、絶対に認めないからね」
律「ムギ…」
梓「…律先輩、私もですよ」
律「梓…」
ムギ「さ、澪ちゃん」
澪「ん…」
梓「何か、冷たいもの買ってきますね、私」
律「あ、ああ。ありがとう」
律「ん」
ムギ「私も、りっちゃんが抜けるなんて、絶対に認めないからね」
律「ムギ…」
梓「…律先輩、私もですよ」
律「梓…」
ムギ「さ、澪ちゃん」
澪「ん…」
梓「何か、冷たいもの買ってきますね、私」
律「あ、ああ。ありがとう」
161: 2010/09/25(土) 21:51:56.10 ID:tq6sLSPWO
さわ子「私はお邪魔みたいだし…じゃあね☆」バタン
こうして、室内に取り残された私と唯
重たい雰囲気の中、先に口を開いたのは
律「いやぁそれにしてもあれだな」
私だった
律「腹へったなぁ…」
唯「………ねぇ、りっちゃん」
律「唯…どうした?」
唯「ドラムはダメなんだよね…?」
律「あ、ああ?」
唯「ギターは、どうなの?」
律「ぎ、ギター?ああ、ギターなら多分大丈夫だよ。先生が言ってたんだよ」
律「誠に残念です。まさかドラムとは…ギターやベース、キーならまだ何とかなったのに…ってな」
唯「じゃありっちゃん!!」
私が言い終える前に、笑みを浮かべた唯が顔を近づけてきた
律「お、おう。どうした」
唯「ギターやろうよ!!」律「は?」
こうして、室内に取り残された私と唯
重たい雰囲気の中、先に口を開いたのは
律「いやぁそれにしてもあれだな」
私だった
律「腹へったなぁ…」
唯「………ねぇ、りっちゃん」
律「唯…どうした?」
唯「ドラムはダメなんだよね…?」
律「あ、ああ?」
唯「ギターは、どうなの?」
律「ぎ、ギター?ああ、ギターなら多分大丈夫だよ。先生が言ってたんだよ」
律「誠に残念です。まさかドラムとは…ギターやベース、キーならまだ何とかなったのに…ってな」
唯「じゃありっちゃん!!」
私が言い終える前に、笑みを浮かべた唯が顔を近づけてきた
律「お、おう。どうした」
唯「ギターやろうよ!!」律「は?」
162: 2010/09/25(土) 22:01:13.14 ID:tq6sLSPWO
律「なに言って…」
唯「それでね!私がドラムをするの!!そうすれば全部解決だよ!」
律「…あのな、唯。お前がどれだけ練習したか私は知ってる。ボーカルもギターも。それを全部壊す事何て私には出来ないよ…」
唯「りっちゃんが壊すんじゃないよ。私が壊すんだ」
律「へ、屁理屈を…」
唯「それに、私は」
律「?」
唯「ギターやボーカルがしたいんじゃない」
律「…唯?」
唯「りっちゃんと…みんなとバンドがしたいの!!」
律「……唯…」
唯「待ってて!」
律「あ、おい」
唯「それでね!私がドラムをするの!!そうすれば全部解決だよ!」
律「…あのな、唯。お前がどれだけ練習したか私は知ってる。ボーカルもギターも。それを全部壊す事何て私には出来ないよ…」
唯「りっちゃんが壊すんじゃないよ。私が壊すんだ」
律「へ、屁理屈を…」
唯「それに、私は」
律「?」
唯「ギターやボーカルがしたいんじゃない」
律「…唯?」
唯「りっちゃんと…みんなとバンドがしたいの!!」
律「……唯…」
唯「待ってて!」
律「あ、おい」
163: 2010/09/25(土) 22:04:11.83 ID:tq6sLSPWO
律「これ…」
唯「ギー太だよ!」
律「…ダメだ、受け取れないよ…」
唯「むー……」
律「第一、そんな大切なもの、他人に簡単に譲渡しちゃいけません」
唯「りっちゃんだからだよ」
律「えっ」
唯「他の誰でもない…りっちゃんだから」
唯「だから、渡せるんだ」
律「唯……」
唯「だから受け取って、りっちゃん」
唯「ギー太だよ!」
律「…ダメだ、受け取れないよ…」
唯「むー……」
律「第一、そんな大切なもの、他人に簡単に譲渡しちゃいけません」
唯「りっちゃんだからだよ」
律「えっ」
唯「他の誰でもない…りっちゃんだから」
唯「だから、渡せるんだ」
律「唯……」
唯「だから受け取って、りっちゃん」
164: 2010/09/25(土) 22:12:44.46 ID:tq6sLSPWO
これを受け取れば私は…
ダメだ…受け取れない…
唯の頑張りを知っているからこそ…受け取る事なんてできない…
唯「りっちゃん」
律「なん…だよ…」
唯「本当ならそこには…私が座っていたハズなんだよ」
律「!」
唯「これはその…ほんの少しの恩返しで…」
唯「それに…りっちゃんは言ってくれたよね…」
唯「楽しい事も、辛い事も…半分こ…ぜん…ぶ…半分こっ…て…」
律「っ…!」
唯は泣いていた。多分、私も泣いてる
唯「全部背負わないで……私、りっちゃんの事…大好き…だから…。少しでも力になりたくて…うぐっ」
私は…馬鹿だ。こんなにも近くで、すぐ傍で、私を思っていてくれてたのに
律「唯…ごめんな。そしてありがとう」
ベッドからおりて、唯と向き合う。もう逃げないよ
ダメだ…受け取れない…
唯の頑張りを知っているからこそ…受け取る事なんてできない…
唯「りっちゃん」
律「なん…だよ…」
唯「本当ならそこには…私が座っていたハズなんだよ」
律「!」
唯「これはその…ほんの少しの恩返しで…」
唯「それに…りっちゃんは言ってくれたよね…」
唯「楽しい事も、辛い事も…半分こ…ぜん…ぶ…半分こっ…て…」
律「っ…!」
唯は泣いていた。多分、私も泣いてる
唯「全部背負わないで……私、りっちゃんの事…大好き…だから…。少しでも力になりたくて…うぐっ」
私は…馬鹿だ。こんなにも近くで、すぐ傍で、私を思っていてくれてたのに
律「唯…ごめんな。そしてありがとう」
ベッドからおりて、唯と向き合う。もう逃げないよ
165: 2010/09/25(土) 22:17:04.40 ID:tq6sLSPWO
唯「りっちゃん…」
律「唯の気持ち…全部、貰う事にするよ」
唯「りっちゃん…!」
律「唯…」
唯「うん。ギー太をよろしくね」
律「うん」
ギー太を受け取る。重いなぁ。きっと色んなモノが詰まってるんだろう
唯「私がい~っぱい、色んな事教えてあげるからね!」
律「うん。私も…ドラム、教えるよ」
唯「うん!」
律「……」
唯「りっちゃん?」
律「えーっと…だな」
律「唯の気持ち…全部、貰う事にするよ」
唯「りっちゃん…!」
律「唯…」
唯「うん。ギー太をよろしくね」
律「うん」
ギー太を受け取る。重いなぁ。きっと色んなモノが詰まってるんだろう
唯「私がい~っぱい、色んな事教えてあげるからね!」
律「うん。私も…ドラム、教えるよ」
唯「うん!」
律「……」
唯「りっちゃん?」
律「えーっと…だな」
167: 2010/09/25(土) 22:18:37.49 ID:tq6sLSPWO
律「あ、唯。顔にゴミついてるぞ」
唯「へっ?どこどこ?」
律「あぁ待って、ちょっと顔近づけて」
唯「う、うん」
唯「へっ?どこどこ?」
律「あぁ待って、ちょっと顔近づけて」
唯「う、うん」
170: 2010/09/25(土) 22:24:44.82 ID:tq6sLSPWO
言われるがままにりっちゃんに顔を近づける
その時だった。唇にやわらかな感触
唯「…へ?」
律「へへ。ついていたのは可愛い唇でした!なーんてな。びっくりした?」
唯「……・・・・・ーー~~っ!!!?~~○×△□!?!」
律「お、おいおい唯、落ち着けって」
唯「りりりりり、りっちゃん!これはそのあのあ、あ、あれ、えと、そういう意味で捉えてもイイのでしょうか!!」
律「……ふふ。うんっ」
唯「り、り、りっちゃぁああああああん」ガバッ
律「お、おわっ!唯っ!?」
その時だった。唇にやわらかな感触
唯「…へ?」
律「へへ。ついていたのは可愛い唇でした!なーんてな。びっくりした?」
唯「……・・・・・ーー~~っ!!!?~~○×△□!?!」
律「お、おいおい唯、落ち着けって」
唯「りりりりり、りっちゃん!これはそのあのあ、あ、あれ、えと、そういう意味で捉えてもイイのでしょうか!!」
律「……ふふ。うんっ」
唯「り、り、りっちゃぁああああああん」ガバッ
律「お、おわっ!唯っ!?」
173: 2010/09/25(土) 22:31:23.73 ID:tq6sLSPWO
廊下にて
「りっちゃあああああんっ!」
梓「…入りづらいです」
澪「…私なんてあんな事言っちゃったんだぞ。もっと入りづらいんだぞ」
ムギ「まぁまぁ」
さわ子「あ、そうだ皆、デビューが決まったわよ」
梓「へ~…ってえええ!?」
ムギ「あらあら」
澪「ホントですか!?」
さわ子「うん」
梓「軽っ!って、そうなると大学にもあまり行ってられませんね」
ムギ「私、一度大学を中退するのが夢だったの~」
澪「どうしてそうなる!というか何だその夢は!」
「院内ではお静かに!」
澪「はひっ、す、すみません!」
さわ子「…(デビューを推したのは私だけど…何だか不安になってきたわ…)」
おしまい
「りっちゃあああああんっ!」
梓「…入りづらいです」
澪「…私なんてあんな事言っちゃったんだぞ。もっと入りづらいんだぞ」
ムギ「まぁまぁ」
さわ子「あ、そうだ皆、デビューが決まったわよ」
梓「へ~…ってえええ!?」
ムギ「あらあら」
澪「ホントですか!?」
さわ子「うん」
梓「軽っ!って、そうなると大学にもあまり行ってられませんね」
ムギ「私、一度大学を中退するのが夢だったの~」
澪「どうしてそうなる!というか何だその夢は!」
「院内ではお静かに!」
澪「はひっ、す、すみません!」
さわ子「…(デビューを推したのは私だけど…何だか不安になってきたわ…)」
おしまい
175: 2010/09/25(土) 22:33:12.81 ID:tq6sLSPWO
みんな、こんな独りよがりなSSに付き合ってくれてありがとう
176: 2010/09/25(土) 22:33:53.73 ID:HGPL4okQ0
おつ
179: 2010/09/25(土) 23:30:48.69 ID:tycHj5vU0
乙です
引用元: 唯・律「大学落ちた…」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります