1:2019/11/12(火) 20:00:13.731 ID:KsKqiYNg0.net
大統領「……ん?」

ボディガード「む!」

テ口リストA「……いたぞ」

テ口リストB「大統領だ!」

ボディガード「やばい敵襲だ!」ババッ

大統領「おおっ! なんと頼もしい!」

ボディガード「大統領を盾にしなきゃ!」サッ

大統領「ちょっ!?」
3:2019/11/12(火) 20:03:23.787 ID:KsKqiYNg0.net
テ口リストA「死ねーっ!」パァンッ パァンッ

テ口リストB「覚悟ーっ!」パァンッ パァンッ

大統領「うわーっ!!! うわあああああああっ!!!」

ボディガード「大統領、私を守って下さい!」

大統領「ふざけんなぁぁぁぁぁっ!!!」
4:2019/11/12(火) 20:06:39.176 ID:KsKqiYNg0.net
大統領「……当たらなかったからよかったようなものの!」

長官「ご無事でなによりです」

大統領「なんなんだよアイツは! あんなボディガード、クビにしろよ!」

長官「しかし、なにぶん我が国は深刻な人材不足で……」

大統領「あんなのでも雇っておかねばならんということか……」

長官「そうなのです……」

大統領「仕方ない……今回は水に流そう」
5:2019/11/12(火) 20:08:55.712 ID:/Zxoyb6jr.net
流すんかい
6:2019/11/12(火) 20:09:21.252 ID:KsKqiYNg0.net
ブロロロロ… キキッ

ガチャッ

ボディガード「大統領、到着いたしました」

大統領「うむ」

過激派「これでも喰らえーッ!」ブンッ

大統領「火炎瓶!?」

ボディガード「大統領を盾に!」サッ

大統領「またかよ!」
9:2019/11/12(火) 20:12:15.134 ID:KsKqiYNg0.net
ガチャンッ ボワァァァァァッ

大統領「熱ッ! 熱いッ! 火がッ! 近いッ!」

ボディガード「ふぅ……危なかった」

大統領「なにやってんだよお前! ボディガードだろ!?」

ボディガード「自分のボディをガードしました」

大統領「バカかお前!」

ボディガード「すいません、うまいこといってしまって」

大統領「うまくねえよ!」
11:2019/11/12(火) 20:16:05.334 ID:KsKqiYNg0.net
……

ボディガード「本日はこちらでお食事です」

大統領「なかなかよさそうな店だ」

コロコロ…

大統領「ゲ、爆弾!」

ボディガード「大統領の後ろに隠れねば!」ササッ

大統領「バカ、私が下がれない!」

ドォォォォォォォンッ!!!
12:2019/11/12(火) 20:19:20.992 ID:KsKqiYNg0.net
大統領「間一髪だった……。あいつ、クビにしろって!」

長官「しかし、深刻な人材不足で……」

大統領「人材不足とかそれ以前の問題だろ!」

長官「本人に悪気はありませんし……」

大統領「悪気しかないだろ! あいつがテ口リストどもの親玉だってオチでも驚かねーよ!」

長官「ですが……」

大統領「もういい! 下がれ!」

大統領(こうなったら……!)
14:2019/11/12(火) 20:22:22.964 ID:KsKqiYNg0.net
大統領「腕立て伏せ……」グッグッ…

大統領「腹筋……」グッグッ…

大統領「スクワット……」グッグッ…

副大統領「大統領、何をしてらっしゃるので?」

大統領「鍛えているのだ」グッグッ…

副大統領「な、なぜ?」

大統領「自分の身は自分で守らねばならないのでな」グッグッ…
16:2019/11/12(火) 20:25:27.696 ID:KsKqiYNg0.net
大統領「それでは、会議を執り行う」

大統領「まずは、近年増加の一途をたどるテロ対策について――」

ワイワイ… ガヤガヤ…

官僚「我が省庁と致しましては……」

官僚(ん?)

大統領「……」グッグッ

官僚(話を聞きながら右手でダンベルを上下させてる……!)
17:2019/11/12(火) 20:28:25.652 ID:KsKqiYNg0.net
演説――

大統領「誰もが笑って安心して暮らせる、強い国を造ろうではありませんか!」

大統領「我が国こそナンバーワーン!!!」

ウオオオオオオオ……!!!



観客A「おい、見ろよ……」

観客B「え?」

観客A「大統領……座ったまま演説してるのかと思ったら空気イスしてるぜ!」

観客B「ホントだ!」
18:2019/11/12(火) 20:31:38.545 ID:KsKqiYNg0.net
ジム――

トレーナー「これはこれは大統領! 今日は見学に?」

大統領「いや……スパーリングをさせてもらいたい」

トレーナー「では練習生と……」

大統領「一番強い選手を頼む」

トレーナー「し、しかし……!」

大統領「大統領命令だぞ!」

トレーナー「かしこまりました!」
19:2019/11/12(火) 20:35:02.772 ID:KsKqiYNg0.net
ある日――

覆面A「大統領だ!」

覆面B「やっちまえ!」

護衛A「テロだ!」バッ

護衛B「させるか!」バッ

大統領「せっかくだが、お前たちは下がっていろ」

護衛AB「え!?」
20:2019/11/12(火) 20:38:16.518 ID:KsKqiYNg0.net
覆面A「撃て撃てぇ!」パンパンッ

大統領「無駄だ」キンキンッ

覆面A「は!?」

大統領「つああっ!」

ドゴッ!

覆面A「ぐげっ!」

大統領「ハァッ!」

ドカッ!

覆面B「がはっ!」



ボディガード「……」
21:2019/11/12(火) 20:41:35.874 ID:KsKqiYNg0.net
その夜――

ボディガード「大統領、今日はお見事でした」

大統領「ボディガードよ……私はようやくお前の真意を悟ったよ」

大統領「お前が私を“死なないよう”盾にしたのは、私をトレーニングに駆り立てるためだな?」

大統領「なぜなら、お前は……私の潜在能力を見抜いていた」

大統領「今や我が国No.1の格闘家をも倒し、銃も効かない体を手に入れた私の力を……」

ボディガード「お気づきになられましたか、大統領」
22:2019/11/12(火) 20:45:37.559 ID:KsKqiYNg0.net
ボディガード「我が国はまだまだ小さくか弱い」

ボディガード「あらゆる分野で人手が足りず、一人でも多くの強靭な人材が必要なのです」

ボディガード「そんな時、私は大統領の内に眠れる力に気づきました」

ボディガード「いかに大統領とはいえ、これを眠らせたままではあまりにも勿体ないと考えたのです」

ボディガード「申し訳ありませんでした……」

大統領「いや、お前がいなければ、私は守られるだけの大統領で終わったに違いない」

大統領「こちらこそ礼を言いたい。ありがとう」

ボディガード「勿体ないお言葉……」
23:2019/11/12(火) 20:48:08.313 ID:KsKqiYNg0.net
大統領「しかし、まだ足りない。私はまだまだ強くなれる」

ボディガード「その通りです」

大統領「お前には我が力をもっと引き出してもらわねばならない」バッ

ボディガード「お相手しましょう」ババッ

大統領「顔が笑っているぞ。お前もしかして、ただ自分のスパーリング相手が欲しかっただけなのでは?」

ボディガード「フフ、バレましたか」

大統領「では……ゆくぞッ!!!」

ギャウッ!!!
24:2019/11/12(火) 20:48:53.325 ID:bQPmQNjGr.net
!?
25:2019/11/12(火) 20:51:15.928 ID:KsKqiYNg0.net
轟音が響く。

大統領の右拳が、ボディガードの顔面を打ち抜いた。

ボディガード「やはりまだまだこんなものですか」ニィッ

大統領「ぬ……!」

ドゴォッ!

大統領「ぐぼっ……!」

右中段蹴りが炸裂。胃液を吐き散らす大統領。

ボディガード「内臓を破裂させるつもりで蹴ったのですが、嘔吐で済むとはさすがです」
26:2019/11/12(火) 20:54:05.702 ID:KsKqiYNg0.net
大統領は再び距離を取り、呼吸を整えてから、果敢に攻める。

一撃で駄目ならば、とラッシュを仕掛ける。

ドドドドドドドドドドッ!

しかし、ボディガードの強固な肉砦は到底崩れそうにない。

だが――

ドゴォッ!

ボディガード「むう……ッ!?」ミシミシ…

ボディガード(少しずつ拳の威力が増している……これは!)
27:2019/11/12(火) 20:57:48.143 ID:KsKqiYNg0.net
ボディガード「さては大統領、あなた戦闘中にどんどん強くなるタイプですか」

大統領「どうやら、そのようだ」

ボゴォッ!

ボディブローがボディガードの脇腹をえぐる。

大統領「今のは効いただろう?」

ボディガード「ええ……肝臓(レバー)に少々響きました」

ボディガード「しかし――」

大統領「?」

ボディガード「私も大統領と同じタイプだったようです」

今ダメージを受けたことを恥じるように、ボディガードの筋肉がみるみる輝きを取り戻す。

損傷が肉を強化しているのだ。
28:2019/11/12(火) 21:00:53.615 ID:KsKqiYNg0.net
大統領「君とやり合っていると、それだけで私は飛躍的に強くなれそうだ」

ボディガード「私もです」

大統領「では、続けようか。だが最後に立っているのは私だ!」

ボディガード「いいえ、私です!」

ドゴォンッ!!!





無数の閃光が飛び交い、火花が散る。

戦えば戦うほど強くなる二人は、生涯最高の好敵手を得て、いつまでも戦い続けた。

いつまでも、いつまでも……。
29:2019/11/12(火) 21:03:56.926 ID:KsKqiYNg0.net
兵士「申し上げます!」

兵士「敵国から大型ミサイルが十基、発射されました!」

大統領「よし行くか」

ボディガード「はい」

大統領「私が8、君が2でいいかな?」

ボディガード「いえいえ、私が8、大統領が2でよろしいかと」

大統領「おっと、ここで揉めても仕方ない。5:5でいこう」

ボディガード「分かりました」

大統領「ではゆくぞッ!」バッ

ボディガード「はいッ!」バッ

大統領「この国は私が守るッ!!!」
30:2019/11/12(火) 21:05:39.419 ID:KsKqiYNg0.net
二人「どりゃあああああ――――――ッッッ!!!!!」



兵士「……全ミサイルの撃墜を確認!」







― 完 ―
31:2019/11/12(火) 21:08:43.595 ID:6qX6wp8q0.net
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32:2019/11/12(火) 21:13:41.052 ID:bQPmQNjGr.net

また一人最強の大統領が誕生したか
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1573556413