1:2015/12/19(土) 00:49:40.939 ID:FhtJ9H3w0.net
許嫁「アンタみたいのがねぇ…」

男「ふうん、普通にかわいいのな」

許嫁「ハァ?アンタ何当たり前なことを言ってるの?」

男「はぁ、すみませんでしたねぇ」

許嫁「まあいいわ、さっさとお父様とお母様に挨拶するわよ」スタスタ

男「…ハァ」

男父「いやぁ~まさかこんなべっぴんさんとは…」

男父「よかったな、男!」

男「まあ、そうだな」

男母「これからも末永くよろしくね」

許嫁「こちらこそ…」ペコッ

男母「あら、礼儀正しくて男にはもったいないわ」

男「失礼だな…」

男「まあ、よろしく」

許嫁「よろしく、男さん」

男「(外面は最高だな…)」
2:2015/12/19(土) 00:50:11.431 ID:q9KhUxYDa.net
ゆる…許嫁
4:2015/12/19(土) 00:53:57.550 ID:FhtJ9H3w0.net
男「そういえば、許嫁はどこで寝るんだ?」

男母「それがね、空き部屋が無くって…男の部屋で寝てもらうわ」

男「そうか、わかった」

男父「いいか、男…くれぐれも…」

男「父さん…」

許嫁「さ、男さん…部屋へ行きましょう」

男「ちょ…」

男部屋

許嫁「くれぐれも、襲ったりしないでね」

男「当たり前だ…」

男「(そういうのは、ちゃんと考えてるから…マジで)」
6:2015/12/19(土) 00:58:42.608 ID:FhtJ9H3w0.net
男「で、何か話しでもあるのか?」

許嫁「ええ、あるわ」

男「なんだよ…」

許嫁「私たちって同じクラスじゃない」

男「ああ、そうだな…いきなりの縁談だ正直びっくりした」

許嫁「まあね…本当、最悪だわ」

男「失礼ですね…最悪って」

許嫁「だってそうでしょ?」

許嫁「私みたいな完璧な美少女があなたみたいな」

許嫁「平均的な男と結婚するんだから」

許嫁「泣きながら感謝して欲しいわ」

男「(マジで泣かしてやろうか…)」
7:2015/12/19(土) 01:02:35.673 ID:FhtJ9H3w0.net
許嫁「あ、そうそう同じクラスだからって話しかけたりしないでね」

男「はいはい…」

男「(別に用事が無けりゃ話しかけたりしないって)」

男「お前って傲慢な性格だな」

許嫁「大丈夫よあなたにだけだから」

男「(なんとうれしくない特別…)」

男「まあ、いい…とりあえず今日はもう寝ろ…」

許嫁「そうするわ」
8:2015/12/19(土) 01:05:51.886 ID:FhtJ9H3w0.net
許嫁「お休み…」

男「(当然のようにベットで寝てやがる…)」

男「布団敷くか…」

翌日

男「…朝か」

男「…ん~」

許嫁「遅いわね…」

男「うお!何で俺の布団の中に入ってるんだ…」

許嫁「悪い?」

男「いや、悪くないけど…いや、悪いな」

男「そういうのはダメだまだ早い俺達は学生だしな」

許嫁「かちかちね…」

許嫁「まあ、いいわ」

男「顔洗ってくるか…」
10:2015/12/19(土) 01:08:24.956 ID:FhtJ9H3w0.net
登校

男「…」

許嫁「…」

男「なあ、なんで一緒に登校してるわけ?」

許嫁「ダメかしら?」

男「つか、話しかけて欲しくないんだろ?」

許嫁「そうね…」

男「だったらよ…」

許嫁「わかったわ…学校に着くまでね」

男「まあ、もうどうでもいいや」

学校
11:2015/12/19(土) 01:12:35.353 ID:FhtJ9H3w0.net
男「おはよう」

友「おはよう、男~」

友「なあ、聞いてくれよ」

男「なんだ?」

友「実はさ、今日な…許嫁さんに話しかけたんだよ」

男「ふーん」

友「そしたらさ、許嫁さんがおはようって笑顔で返してくれたんだ!」

男「そりゃ、良かったな…」

友「ありゃ、俺に惚れてるぜ」

男「そいつは考えすぎじゃないか」

友「そうかな~」

男「ああ、考えすぎだ…」

友「許嫁さんいいよな~おしとやかで~かわいくて~もう高嶺の花ってやつだな」

男「そうですね~」

友「なんで、こういう話に乗らないのかね君…まさかホモ?」

友「すまん、男、俺はノンケだから」

男「ホモじゃねぇし、仮にホモだとしてもお前とは付き合わん」

友「ガーン」

男「そこでショックを受けるのはおかしい」
12:2015/12/19(土) 01:16:50.328 ID:FhtJ9H3w0.net
友「さ、そろそろチャイム鳴るか~」

男「おう、席にもどれ」

友「おう!」

昼休み

男「(やっと昼休みだ…飯食うか…)」

友「男!!」

男「なんだ、貴様…」

友「飯の時間に話しかけられると若干キレるよなお前」

男「唯一の安らぎの時間だぞ」

友「そうだな~あ、許嫁さん見てみろよ」

男「また、許嫁の話か…」

友「アレ?お前呼び捨てだったけ?」

男「俺は基本的に呼び捨てだぞ?」

友「そうだっけ?」

友「まあ、いいや…ほらあの人気っぷり…やばいな」

男「ああ、ヤバイヤバイ」

男「(ん?味付け変えたか?)」
13:2015/12/19(土) 01:21:35.755 ID:FhtJ9H3w0.net
男「(こっちの方がなんか好きだな…)」

友「ああ~俺もあっちのグループに入りたいなあ~」

男「入ってくればいいだろ」

友「でもよ~お前が一人になるのは…」

男「お前はいい奴だな…でも気にしなくてもいいぞ?」

友「本当は入る勇気がないんだよ~」

男「そうか、まあ、そんなこったろうと思ったが」

男「ごちそうさま」

友「あ、もう食ったの?」

男「ああ、お前全然食ってないな…」

友「話に夢中になりすぎたわ…」

友「それにしても…あいつちょっとベタベタしすぎじゃない?」

男「誰が?」

友「ほら、あのイケメン君さぁ~」

許嫁「へぇ~」

イケメン「なあ、今日どっかに行かない?」

友「くそ…いちゃいちゃしやがって」
15:2015/12/19(土) 01:27:03.225 ID:FhtJ9H3w0.net
男「そうだな…付き合ってるのかな?」

友「まあ、お似合いだよな…」

男「そうだな…お似合いお似合い」

友「男?どうした?お前なんか若干機嫌が悪いように見えるけど?」

男「気のせいだろ…俺はいつも通りです」

友「そうか?」

友「あ、もしかしてお前…許嫁さんのこと…」

男「…お前は本当にそういう話が大好きだな…別にそういうのじゃない」

男「まあ、強いて言うなら女の方が俺の好みだぜ」

友「マジで?あの地味な?」

男「お前地味とか言うなよ…光る原石だろアレ絶対」

友「本当かよ~」
16:2015/12/19(土) 01:30:44.723 ID:FhtJ9H3w0.net
男「じゃあ、ちょっと女を改造してみよう」

友「マジ?おもしろそう…俺も俺も」

男「よ、女」

女「あ、男さん…どうも」

友「あのさ、あのさ、女さんっておしゃれに気を使ってるの?」

女「いえ、そんなに…」

男「お前さ、顔は良いんだからさ、ちょっと髪型なんとかして」

男「コンタクトにしたら絶対にモテるって」

女「そんな、私は別に」

男「いやいや、女はおしゃれしてなんぼってな」

男「死んだ姉が言ってたんだ…」

女「え…えと、すみません」

友「お前、嘘吐くなよ…信じちゃったじゃん女さん」

女「え、嘘なんですか?」

男「ああ」

女「ひ、ひどいです!」

男「ごめんごめん」
17:2015/12/19(土) 01:34:07.195 ID:FhtJ9H3w0.net
男「ま、あくまで俺のは参考程度にね…」

友「そうそう、鵜呑みにする必要はない!」

女「で、でも…ありがとうございました」

男「いえいえ」

友「お前、本当に好きなそういうの」

男「何が?」

友「ちょっかいって言うか…」

男「おもしろいじゃん」

友「まあ、それで本当に綺麗になったら俺がゲットしてやる…」

男「おう、頑張れ~」

許嫁「…」ジィー

イケメン「許嫁さん?」

許嫁「あ…どうしたの?イケメンさん…」

イケメン「いや、どうしたのかなって…」

許嫁「いえ、別にどうもしてないわ…」

イケメン「で、どうかな?今日…」

許嫁「ごめんなさい、イケメンさん誘ってもらってうれしいけど用事があるから」

イケメン「そっか…残念だな」
18:2015/12/19(土) 01:36:26.032 ID:FhtJ9H3w0.net
放課後

男「さて、帰るか」

友「そうだな~」

許嫁「男」

男「ん?」

友「え…許嫁さん!?」

許嫁「ちょっと来て…」グイッ

男「え、ちょっと?」

友「なんだ~あれ…羨ましいな…」

イケメン「…」

男「なんだよ?」

許嫁「あれはどういうつもり?」

男「あれ?」

許嫁「女さんにベタベタしてたじゃない…」

男「ベタベタってただ話してただけだろ」
20:2015/12/19(土) 01:40:04.329 ID:FhtJ9H3w0.net
許嫁「私より女さんの方がいいわけ?」

男「いいってなんだよ?」

許嫁「私より女さんと結婚したいの?付き合いたいの?」

男「別にそんなことはないって、ただあそこでお前の話題を出したら」

男「迷惑になると思ったから、あんな風に言っただけだ…」

男「お前が一番だって…」

許嫁「何それ…寒気が…」

男「どうしろって言うんだよ?」

許嫁「いえ、それでいいわ」

許嫁「じゃあね、男」スタスタ

男「おう、じゃあな」

男「さて、友の所行くか…」
21:2015/12/19(土) 01:43:45.217 ID:FhtJ9H3w0.net
友「ようよう~許嫁さんと何話してたんだよ~」

男「いや、まあ、ちょっとな」

友「なんだ?言えない内容なのかよ~」

男「…許嫁が困ったことがあったらしくて俺に相談してきただけだ」

友「へぇ~相談…お前ら仲いいの?」

男「いや、グループじゃ話しづらいだとよ」

友「よくあるわ~そういうの」

男「(ふぅ、なんとかごまかしたか…)」

男家
22:2015/12/19(土) 01:47:06.670 ID:FhtJ9H3w0.net
男「…」

許嫁「遅かったわね」

男「まあ、友とゲーセンで遊んでたから…それでどうした?」

許嫁「いえ、待ってたのよ…」

男「そうか…まあ、ただいま」

許嫁「おかえり」

男「あ、母さん」

男母「なんだい?」

男「今日の弁当いつもと味が違ったな、変えたの?」

男母「ああ、許嫁さんが作ってくれたんだよあんたの弁当」

男「マジ?」

男母「わざわざ、嘘吐く所でもないだろ」

男「(ふ~ん…あいつがわざわざ)」

男母「どうだった?」

男「いや、母さんのよりうまかった」

男母「そうかい、それはよかったね~」
23:2015/12/19(土) 01:52:18.780 ID:FhtJ9H3w0.net
男「…」モグモグ

許嫁「…」

男「ごちそうさま」ガチャガチャ

男「…」スタスタ

許嫁「…」スタスタ

男母「本当に仲良しだねぇ」

男父「ああ、まったくだ!」

男部屋

男「…」

男「…」

許嫁「…」

男「何か用でもあるのか?」

許嫁「いえ、特には」

男「だったら少し離れてくれないか…」

許嫁「いいじゃない…こんな美少女に近寄られてうれしくない男子はいないわ」

男「まあ、そうだな…」

許嫁「…」ギュッ

男「…」

許嫁「少しは反応を示してくれるとうれしいんだけど…」

男「……ッ」

許嫁「反応を示してくれた」ギュ-

男「(ポーカーフェイスは得意だと思ってたのに…)」
24:2015/12/19(土) 01:54:00.102 ID:FhtJ9H3w0.net
翌日

男「…ふわぁ~」

許嫁「おはよう…」

男「お前…また俺の布団にもぐりこんでるのか…」

許嫁「悪いのかな?」

男「だから、そういうのは…」

男「ま、言っても無駄そうだからいいや」

許嫁「さ、早く起きて男…」

男「はいはい、今起きる…」
25:2015/12/19(土) 01:56:48.648 ID:FhtJ9H3w0.net
男「いってきまーす」

許嫁「いってきます」

男「…」

許嫁「…」

男「なあ」

許嫁「何?」

男「お前ってイケメンと仲良いよな」

許嫁「そうかしら?」

男「つか、イケメンは確実にお前のこと好きだと思う」

許嫁「それは…いい迷惑ね」

男「…ひどい言い様だな」

許嫁「好きでもない人の好意はいらないわ」

男「ま、お前はそういう奴だな」

男「(ん?ということは俺のことは好き?いや違うか…)」

学校
26:2015/12/19(土) 01:58:49.294 ID:FhtJ9H3w0.net
男「おはよう…友」

友「なあ、聞いてくれ…男」

男「なんだ?」

友「女さんを見てくれ…」

男「ん?」

女「…あのちょっと」

モブ「女さん俺と付き合ってくれ~」

モブ2「貴様抜け駆けはゆるさん女さん~」

モブ3「女さん…困ってるだろ!女さん~」

モブ4「貴様も変わらないだろ!女さ~ん」
27:2015/12/19(土) 02:05:17.072 ID:FhtJ9H3w0.net
男「なんだ、アレ…」

友「ああ、女さんがイメチェンしたら超モテモテになったというわけだ」

男「俺の言った事実践したのか…」

友「どうも、そうらしいな…」

男「ふむ、モテモテになったのか…俺の目に狂いはなかったな…」

女「あ、男さん」スタスタ

モブ達「あ、女さん~」

女「お、おはようございます…男さん」

男「おう、おはよう~」

女「あの、男さんのおかげで、自信がつきました…ありがとうございます」

男「俺の目に狂いはなかったって訳だ…」

男「どうだ、友よ」

友「ああ、お前の目に狂いはなかったわけだ…」

友「女さん~俺と付き合って~」

女「みなさんに好意を持ってもらうのは嬉しいんですが…」

友「?」

女「私はその…好きな人が」チラッ

男「?」

友「(ま、まさか…男これを狙って!?)」

許嫁「…」バキッ

イケメン「え?」

許嫁「あ…シャーペンが折れちゃった…」

イケメン「あ、僕の貸してあげるよ」

許嫁「ありがとう、イケメン君」ゴゴゴ
28:2015/12/19(土) 02:12:18.110 ID:FhtJ9H3w0.net
男「誰が好きかは知らんが応援してるぜ、女」

女「あ、ありがとうございます…」

女「(なんか、好きな人に応援されると微妙だな…)」

友「(き、気付いてないだと…男…貴様はアホだ)」

男「(今日は面倒だな~)」

昼休み

男「さて~弁当弁当っと」

許嫁「…」スタスタ

許嫁「…」

男「…」

許嫁「…」

友「アレ?許嫁さん…?」

許嫁「一緒に食べてもよろしいでしょうか?」

友「ぜひ!」

イケメン「(また男の方に…)」

女「あ、あの…男さん…ご一緒してもよろしいでしょうか」

男「ん?ああ、いいよ、別に」

許嫁「…」

女「あ、許嫁さんも一緒に食べるんですか?」ニコニコ

許嫁「ええ、あなたも?」

女「はい!」

許嫁「それは、それは…」

友「(なんだろ、さっきからなにか異様な雰囲気が…)」

男「(なんで、許嫁、女のこと睨んでんだろ…)」
29:2015/12/19(土) 02:16:01.228 ID:FhtJ9H3w0.net
男「友…なんだこの変な雰囲気は…」

友「俺が一番聞きたい…何これ?ラブコメ?」

男「なんで、ラブコメなんだ…ラブコメはもっとふわふわしてるだろ」

友「そうだな、修羅場って奴だよ男」

男「修羅場?なんで?」

友「いや、まあ、いいや」

女「(もしかして…許嫁さん…)」

許嫁「(男は渡さないわ…)」

男「まあ、すぐに仲良くなるってきっと」

友「相容れない関係になりそうな予感が俺はするよ」
31:2015/12/19(土) 02:22:59.149 ID:FhtJ9H3w0.net
放課後

男「ん?」

女「行きましょうか」

許嫁「ええ」

男「なんだ…やっぱり仲良くなってんじゃん」

男「ちょっと付いて行ってみよ~」スタスタ

許嫁「単刀直入に聞くわ」

許嫁「あなた、男のことが好きなの?」

女「はい」

許嫁「別に邪魔はしないわ…ただ、もしも私から男を奪ったら」

許嫁「あなたを一生許さない程度…」

女「別に男さんはあなたのものではないはずです」

許嫁「いいえ、彼は私のよ」

許嫁「だって、彼は私の許嫁だもの…」

女「酷く傲慢的ですね」

許嫁「うるさいわ」

女「いつか、愛想つかされるかもしれませんね…」

許嫁「うるさいうるさい…」

女「私だって真剣なんです…」

女「だから、真剣勝負です!!」

許嫁「…」

許嫁「いいわ、受けてたつ」

女「…」

許嫁「…」

男「(ふむ、面倒なことになったもんだ…)」
32:2015/12/19(土) 02:30:45.841 ID:FhtJ9H3w0.net
男「(多分俺はどちらかの子を泣かせてしまうんだろうな…)」

男「(ハァ…)」

男「…」

男「(早めに決着を着けたほうがいいよな…)」

友「帰ろうぜ~」

男「おう!」

男家

男「…何してるの?」

許嫁「あなたを待ってたのよ」

男「お前はアレか?犬か?」

許嫁「そういうのがお好みなの?」

男「別にそうじゃないけど…ま、俺はもう部屋に行くわ…」スタスタ

男「(…さて、電話するか)」

男「あ、女?男なんだけどさ」

女『何?男くん』

男「明日さ、放課後教室に残ってくれないか?」

女『わかった…』

男「明日…か」

許嫁「…」

許嫁「(放課後…教室…)」

許嫁「(私…本当に愛想つかされちゃったのかな…)」

男「…」
33:2015/12/19(土) 02:33:59.217 ID:FhtJ9H3w0.net
翌日

男「…」

許嫁「おはよう」

男「おはよう」

男「…」

男母「今日は何か元気ないわね」

男父「きっと昨日頑張りすぎたんだよ」

男母「まったくあなたは」バキッ

男父「…いたいよ、母さん…」

男母「アレはきっと何か悩んでるのよ男は」

男父「そうかな…?」

許嫁「…」

男「いってきます」

許嫁「いってきます」
34:2015/12/19(土) 02:39:29.612 ID:FhtJ9H3w0.net
男「…」スタスタ

許嫁「あの、男…」

男「ん?」

許嫁「あの……」

男「どうした?らしくないな」

許嫁「いや、いいわ…あなたはあなたで答えを出して…」

男「何のことだよ?」

許嫁「別になんでもないわ」

男「そうか…」

男「(なんでもないか…)」

学校

友「おはよう!!」

男「おう、おはよう」

友「今日はいつにもまして元気ないな」

男「なんだ、お前俺はいつでも元気もりもりだぞ」

友「ふーん…ま、いいけど」

男「なんだよ…」

友「まあ、何悩んでるかはしらんが…あんまり深く考えないほうがいいぞ?」

男「サンキュ…」

男「なんか、少し楽になった…」

友「さすが、俺だ!」

男「はいはい、さすがさすが」

女「男さん…」

男「あ、女」

女「今日…その」

男「ああ、放課後な」

女「はい」

友「?」
35:2015/12/19(土) 02:42:49.363 ID:FhtJ9H3w0.net
昼休み

男「うま…これマジうまい」

友「お前…俺のおかずだぞ…」

男「気にするな…」

友「はあ、まったく」

男「まあ、あれだ…」

男「うまいからさ、良しとしてくれ」

友「なんでだよ…っ!」

男「うめぇ~」
36:2015/12/19(土) 02:46:09.174 ID:FhtJ9H3w0.net
男「気に入ったわ…でもまあ、俺の弁当の方がいいかな」

友「ふざけんな、俺にもよこせ!」

男「ダメだ!」

友「ふざけるな!!」

男「もう食っちまってるんだがな」

友「ぐああぁ!チッ…なかなかやりやがるぜ」

男「悪いが俺の勝ちだ…」

友「いや、貴様…何か一つ忘れてないか?」

男「何?」

友「貴様の玉子焼きが好きだったな…」

男「それがどうした?」

友「一つしかなかっただろ」

男「ああ」

男「…ッ!まさか」

友「ああ、そのまさかだ…俺が食った」

男「貴様ぁぁ!!」

友「ぐわはっはっは!」

男「くそぉ…」
37:2015/12/19(土) 02:52:29.768 ID:FhtJ9H3w0.net
男「はぁ…虚しい」

友「まったくだ…」

男「はあ…」

放課後

友「帰ろうぜ~」

男「あ、悪い俺用事あるから」

友「なんだよ~」

友「ま、いっか」

友「じゃあな」

男「おう、じゃあな」

15分後

男「さて、やっと誰もいなくなったか…」

女「あの、話ってなんですか?」

男「ん…ああ、それなんだが」

男「単刀直入に言う…俺許嫁と女の話聞いてたんだ」

女「…ッ」

男「で、俺は…お前に返事を」

女「ちょっと待ってください…」

男「な、なんだ?」

女「その前にちゃんと告白させてください…」

男「あ、ああ…わかった」

女「私…暗い性格だったんですよね…」

男「あ、そうなの?」

女「男くんが…私を変えてくれたんです…」

男「そんな大層なことしてないけどな」

女「私にとってはすごいことをしてくれたんです…だから」

女「私はあなたが好きです…どうか、付き合ってください」

男「…」
38:2015/12/19(土) 02:57:17.876 ID:FhtJ9H3w0.net
男「ごめん、俺はお前の告白を受けれない…」

女「…ッ」

女「やっぱり許嫁さん…ですか」

男「ああ、俺は…俺はあいつが好きなんだ…」

女「そうですか…あ~あ…振られちゃった…」

男「ごめん…」

女「謝らないでくださいよ、み、惨めじゃないですか…」

女「私は…私は…これだけ伝えれば結構です…これからも」

女「友達ではいてください…」

男「ああ、当たり前だ」

女「ありがとう…ございます…」

女「さ、次はあなたの番です…頑張ってください」

男「…ああ」

女「それでは、さようなら…」

男「じゃあな」

ガラガラ

女「…」ポロポロ

女「ふぅ、男くんの前では泣かない…」ポロポロ

女「が、我慢できた…」ポロポロ

女「う、う…」ポロポロ
39:2015/12/19(土) 02:58:47.766 ID:7dXFO+200.net
めっちゃ健気だな
許嫁に毒づいてたからイーブンだけど
40:2015/12/19(土) 03:05:23.071 ID:FhtJ9H3w0.net
男「…ッ」

男家

男「許嫁いるか?」

男母「え?許嫁ちゃんまだ帰ってきてないけど?」

男「マジか…」

男「チッ…どこだ?」

男「許嫁…」

男「!」

男「許嫁!」

許嫁「…男?」

許嫁「どうしたの?男…」

男「いや、お前こそ何してんだ?こんな所で…」

許嫁「私は…振られたんだ~縁談の話も何したいんでしょ…」

男「何の話だ?」

許嫁「私より、女の方がいいんでしょ!」

男「んな訳ないだろ」

許嫁「いいんだよ!別に嘘吐かなくて放課後の教室なんて告白以外ないでしょ」

男「俺は…お前を選んだよ…許嫁」

男「俺の傍に居て欲しいのお前なんだよ許嫁…」
41:2015/12/19(土) 03:12:09.042 ID:FhtJ9H3w0.net
許嫁「意味わからん…私より女の方がいいんじゃないの?」

許嫁「もう、いいよ」

男「お前な…何らしくないこと言ってんだよ」

男「お前は完璧な美少女なんだろ?」

男「俺より全然優れてるんだろ?」

男「俺のこと好きじゃないのか…?」

許嫁「…好き」

許嫁「本当に私でいいの?後で後悔しても知らないよ?」

男「後悔するわけないだろ…」

男「俺の中でお前が一番だよ」

許嫁「…男ぉぉ」ギュッ

男「うお!」

男「…」ヨシヨシ

許嫁「…うぅぅ」ポロポロ

男「(結局、俺…どっちも泣かせてる)」

許嫁「男…男が私のこと好きっていう証拠見せて…」

男「これが証拠じゃだめ?」

許嫁「…」コクンッ

男「…」

チュッ

許嫁「…ッ!」

男「これで、いいか」

許嫁「…」///

許嫁「うん」
42:2015/12/19(土) 03:13:17.889 ID:FhtJ9H3w0.net
終わり
43:2015/12/19(土) 03:15:00.568 ID:JBtenVBWd.net
おつ
44:2015/12/19(土) 03:21:49.556 ID:qfx2i95Ha.net
面白かった乙
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1450453780