1: 2011/10/30(日) 22:38:49.48 ID:jekw+0cW0
男「見てくれよ、右腕にGODって書いてあるんだぜ」

女《あなたがマジックで書いたものと推察されます》

男「だったらいいのになぁ。でも見てくれよ。例えばあそこに女子高生がいるだろ?」

女《はい》

男「ふんっ」

<キャ-ッ

男「こんな遠距離で風起こしてスカートめくりができるんだぜ?」

女《私も女子高生ですが》

男「お前はロボだろ」

3: 2011/10/30(日) 22:45:46.31 ID:bCG8xicZO
女《他にも何かできるんですか?》

男「まだ疑うか。お前も食らえ!そりゃ!」

女《!》フワッ

男「黒…か…。ロボの癖に工口い下着履きやがって」

女《…》ゴツンッ

男「痛い!」
男「…とにかく、俺はそろそろ帰るよ」

女《私もそうします》

男「じゃあな」シュンッ

女《!》
女《…瞬間移動、ですか》
………
翌日
男「おはよう」

女《おはようございます》

女B「おはよう、男死ね」

男「毎朝毎朝学校で会うなり酷くね」

4: 2011/10/30(日) 22:51:16.04 ID:bCG8xicZO
女B「女さんから聞いたよ、神になったんだってねー。消えてなくなれ」

男「そうなんだ、見てくれよこの右腕」

女B「わー、男が書いたにしてわ綺麗な字だね!消滅しろ」

男「だから俺が書いたんじゃないってば。論より証拠だ。あの時計見てろ。5秒後に逆回転させて6のところで針をとめてやる!…5、4…」

女B「わぁー!すごーい!これデートのときにやったら相手の女性はイチコロだね!のたうちまわって苦しめ」

女《いまいち科学的根拠に乏しく信用なりません》

5: 2011/10/30(日) 22:54:49.93 ID:bCG8xicZO
男「だから例えばお前のスカートを…ほりゃ!」

女B「!?」フワッ
女B「いやーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」ベチーンッ!!

男「」ドサッ

女B「死ね!死ね!本当に死んじゃえ!!地獄で蜘蛛の糸切れろ」ガスガスドカ

女《……なんとなく》ゲシゲシ

男「」

6: 2011/10/30(日) 22:59:06.67 ID:bCG8xicZO
男「…ここは…」パチッ

女《保健室です》

男「お前が運んでくれたのか?」

女《はい、死体運び用のウェポンが搭載してあったので》

男「物騒だなぁまったく」

女《その際貴方の右腕を丹念にふき取りましたが、文字は消えませんでした》

男「はははは!無駄無駄!科学で解明できることなんて世の中でほんの少しだぞ!?」

女《この私の…心も、でしょうか…》ズキン…

男「なんでシリアス調になるんだよ」

8: 2011/10/30(日) 23:05:44.76 ID:bCG8xicZO
女《女Bさん、男さんが目覚めました》

女B「うぅ…ごめんなさい…やりすぎちゃって…。消し飛べ」

男「あぁ、いいんだ大丈夫だよ。大丈夫じゃないのはむしろお前の語尾だよ」
男「そうだ、今時間は?」

女《ちょうどお昼ごろです。昼休みですので様子を見にきました》

男「そっかー、飯かぁー…ほっ」
ボンッ
女《…!フランス料理…》

女B「うわぁ~満漢全席もある~!男溶けろ」

男「いただきまーす!ほらお前らも食え!」

女B「わーい!ありがとう!爆ぜろ」

女《…わーい…》

9: 2011/10/30(日) 23:11:03.03 ID:bCG8xicZO
男「ふぅ…食った食ったぁっ」

女《ごちそうさまでした》ペコリ

女B「ご馳走様ー!悶えろ」

男「よっ」パンッ

フッ

女《皿が消えましたね…》

男「どーだ科学的にはありえないだろーが」

女《そうですね》

男「あら素直」

女《だから、おそらくどこかへ隠したのでしょう》

10: 2011/10/30(日) 23:16:03.17 ID:bCG8xicZO
男「てめぇ、あんまり素直じゃないと…こうだ」

女《……!ブラウスのボタンと下着のフロントホックが…!》プチプチプチプチ

男「さぁ!認めろ!科学の結晶ロボットも神の存在を認めましたとなぁ!」

女《…》ジャキッ

男「へ、何その兵器のバーゲンセール…」

女《こうなることは予見の範疇でした。よって武器を搭載、装填完了。フルファイア》

バララララララララララララッッ!!

男「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!逝っくぅうううううううう!!」

女B「ご愁傷様、男。虫になれ」

11: 2011/10/30(日) 23:23:07.08 ID:bCG8xicZO
男「…ここは…?」

天使「ここは天国で~っす!!」

男「へ?」

天使「へ?だってさ!きゃははははっ!え?死因はなぁに!?自殺!?自殺なの!?うっわぁ~…」

男「人の話を聞け!てか、これは、夢なのか…こんな気持ち悪い天使いるわけないしなぁ…」

天使「うっわ、気持ち悪いだってさ!?レディに普通いう!?だから自殺なんかするんだよ」

男「だから自殺じゃねぇっての!」

「自殺者なら…こちらよ…」

男「!」

悪魔「貴方は私のもの…天使なんかには、渡さない…」ユラ…

男「ひぃ…」

天使「うわっめんどくさっ」

13: 2011/10/30(日) 23:27:06.50 ID:bCG8xicZO
悪魔「自殺者は地獄逝き…これはわかるでしょ?」

男「だからそもそも俺はだなぁ…」

天使「ぶーっ!なによっ自殺にもいろいろあるのにさっ!バーカバーカ!」

悪魔「こっちに来て」グイ

天使「私の仕事とらないでよ!」グイッ

男「もう嫌だ…こんなの!そうだ!神の力を使って!」

天使「神?え!?上司さん!?」

男「ふははは!なんかよくわからんが生き返らせてもらう!」

悪魔「あ…」

男「じゃあね」



女《起きてください》

男「…ぉ…」パチッ

14: 2011/10/30(日) 23:30:19.09 ID:bCG8xicZO
女B「うわ~んよかったよかった~!!死ねばよかったのに」スリスリ

男「…あ、あぁ…」

女《すみません、少々やりすぎました》

男「少々どころの騒ぎじゃないだろ…」

女《…すみません》

男「まぁいいや。もう昼休み終わっちゃいそうだなぁ…教室に戻ろうか?」

女《はい》

15: 2011/10/30(日) 23:36:00.69 ID:bCG8xicZO

男「はぁ~、今日は散々な1日だった」

女《すみません…》

男「…なぁ、お前はまだ例の実験中なのか?」

女《?》

男「あれだよ、ロボットから人間に近づけていく実験。皮膚とか見た目は人間だけど」

女《はい…しかし、人間のココロというものは未だに解析不能です…私には、わかりません…》

男「解析なんか何億年たってもできないよ。それこそ十人十色だぜ」

女《……》

男「そう落ち込むなよ!その落ち込むってのも人間の心の一つだぜ」

女《…はぁ…》

16: 2011/10/30(日) 23:41:25.26 ID:bCG8xicZO
男「となると、疑問点は何故お前がまだ武器とか持ってんだよってこと」

女《護身用です》

男「なにが護身用だ!正当防衛ってレベルじゃねーぞ!明らかに侵略用だ!人間に近づいてない!」

女《…そう、なのですか。では、今から武装解除を行います》ヌギ

男「いや脱ぐな!なんで脱ぐの!?」

女《衣服を脱がなければ兵器を出せません》

男「じゃあ何!?暴漢に襲われたら正当防衛するために一度わざわざ服を脱いであげるの!?うわー盲点!あちらさんも喜びそうで何よりだよ!」

18: 2011/10/30(日) 23:47:28.42 ID:bCG8xicZO

男「おはよう、」

女《おはようございます》

女B「おはよー!Disappear」

男「ちゃんと武装解除したんだろうな…」

女《心配には及びません。手榴弾2、マシンガン1段数1250に留めております》

男「とどめきれてねーよ!やるからには完璧を目指せよ!」

女B「今日席替えなんだってー。男失せろ」

男「へぇ席替えか。楽しみだな」

女《はい》

19: 2011/10/30(日) 23:51:30.08 ID:bCG8xicZO


男「へぇ窓際か、いいな。よく眠れそうだ」

女N「あ、男くん…だよね?よ、よろしく」

男「あ、あぁ!よろしく!」


女《…見事対角の席、ですか》

21: 2011/10/30(日) 23:55:54.86 ID:bCG8xicZO

先生「…で、あるからして…」ウンヌン

男「…ふぁ~あ…眠たいなぁ…」ウトウト

女N「…」カリカリ

男(真面目だなぁ…羨ましいよ、本当に…)ウトウト…カクンッ…カクンッ…

女N「痛っ…!?…ぃ…」

男「ん?…どうかしたの?」

女N「う、うぅん…なんでも…」
ズキンッ
女N「くぅっ…!」

男「腕がどうしたんだ。見せてみなよ」

女N「でも…あっ…」

【ANGEL】

男「…お、おいおい…」

22: 2011/10/31(月) 00:01:57.74 ID:Ki1zz4AuO

男「えーと…痛みは?」
女N「は、はい、お、大方収まりました」
男「腕になんて書いてあるの?」
女N「あ、痣…みたいなものよね。な、なにこれ…て、天使…?」
男「これに見覚えは?」
女N「い、いえいえ!…今日、初めてみました…い、今の混乱して…すみません」
男「い、いや別にいいんだ」

ガララ
女《失礼します》

男「お、どうした」

女《男さんが早々にこの人を連れて保健室にと抜かすのでよからぬ策略があると予見しました》

男「しねぇよ!想像が歪みすぎだ!」

女《…》ジ-

男「…な、なんだよ」

女《…》ジ-

男「ま、まぁ…そりゃ、ちょっとは」

女《》ベシッ

男「痛い!」

25: 2011/10/31(月) 00:07:58.69 ID:Ki1zz4AuO
男「なぁ、これ見てくれ」

女《?》

女N「な、なんですか…?」

【ANGEL】

女《また…無関係な人を巻き込んだのですか?》フゥ…

男「違う俺が書いたんじゃない!なんで溜め息つくんだよ!」
男「そ、そうだ!なぁN!」

女N「ふ、ふぁい!?」

男「空 飛 ん で く れ」キュピ-ンッ

女《》バキッ

男「ぐふぅあ!?」

27: 2011/10/31(月) 00:12:40.32 ID:Ki1zz4AuO
男「君には…翼があるんだ…」ヨロヨロ…

女N「えっ…」ドキッ

男「大丈夫…君なら、やれる…飛べる…」ヨロヨロ

女N「でも…」

男「俺はもう長くない…なら、大空の夢を…」

女N「…!」

男「俺の…代わ…り…に…」パタリ…

女N「私…やります…!」
女N「…やっ!!」バサッ

女《!》

男「えっ!?マジで!?」

30: 2011/10/31(月) 00:17:24.95 ID:Ki1zz4AuO
女N「…飛んでる…!私!飛んでる!」

男「てことは…」

女N「飛んでるー!いやぁーっはぁああ!!いぇーい!」

女《…翼を出してから、彼女の人格が変わった気がしますが》

男「あぁ…間違いない…あの天使だ…あ~やだやだやだやだ嫌な予感的中だよこれ!うわぁああああ」

女N「きゃははははははっ」バサバサ

34: 2011/10/31(月) 00:23:38.14 ID:Ki1zz4AuO


女N「す、すみませんでした…」

男「あ、いやいや別に悪いことした訳じゃ」

女《翼が生えていた時のことは覚えていますか?》

女N「そ、それが…その…」

男「覚えてないのか。テンションがまんまあの天使だったからなぁ」

女《検証のため、私の中のカメラに撮影していました》

男「流石!頼りになるな!神の力で再現しようかとも考えたけど」

女《TVに出力します》

ポチッ…ブゥウウン…
『きゃははははっ!上司迎えに来てみれば下界爽快カリブ海ー!』

女N「ぁ…ぁぁぁぁ…これが…私…ぁあ…」カァアアアア


男「まぁ、その…なんだ?」

女《自分の心の殻を破れたようで少し羨ましいです》

35: 2011/10/31(月) 00:29:54.60 ID:Ki1zz4AuO

男「はぁ…あれは夢じゃなかったのかよ…あんまりだ」

女《夢?》

男「あぁ、変な夢見たんだ。今日のNみたいなテンションの天使がでてきた。あと悪魔……はっ」
男(いや待てよ!?この調子でいたら間違いなくあの悪魔もいるよな!?なんなんだよ!?)ダラダラダラ

女《…よくわかりませんが、応援だけします》

男「投げやりだな」

女《ふれふれ男頑張れ頑張れ男》

男「応援はもっと投げやりか」

37: 2011/10/31(月) 00:34:56.68 ID:Ki1zz4AuO

男(プールの授業かー、神の力って偉大だな…だって)


男(透明になって女子更衣室に入れちゃうんだもーん!!)

女B「♪」

男(まずはB!!俺スコープによると上から78、49、83!今後に期待か!?)

女N「プール、冷たそうだなぁ…」

男(お次はN!!上から86、52、84!!なかなか!)

39: 2011/10/31(月) 00:40:24.49 ID:Ki1zz4AuO
女《防水加工…完了》

男(次は女!!まぁこいつはやろうと思えばスリーサイズを変換できそうだがな)
男(俺スコープ!行くぜ!上から90!53!そしてヒップは)

女《…!》ピピッ
女《サーモグラフィにより不可解な熱源察知…》

男(…くっ…流石に鋭い…!!)

クラスメート達「わー!委員長胸大きい!」

女K「ちょ!ちょっと!?触らないの!!や、やめなさい!」

男(来ました大本命!!)

40: 2011/10/31(月) 00:44:27.15 ID:Ki1zz4AuO
女K「ちょっ…やめっ…あっ」

男(俺スコープ発動!上から98!56!96!なんとまぁグラマラスな!しっかり者の委員長がそんなわがままボディを持ってたら男子生徒はたちまちのうち…)

女K「ったく…たかが胸で騒がないでよ」

男(…に…)

女K「こっちだってコンプレックスなんだから」
【DEVIL】

男(あんぎゃあああああああああ)

42: 2011/10/31(月) 00:49:44.06 ID:Ki1zz4AuO
男(え、えぇ!?なに!?なんなの!?あれなに!?やだよやだよ!?委員長ぉぉぉぉ)ダラダラダラ

男(あんまりだあああああ神様の馬鹿やろーー!!!神様俺だわ)

男(…ん?)

男「あれ?女子皆出て行ったのか?仕方ない、俺も出るか…」
ピンッ
男「え?何このセンサー…」



女B「ねぇね、さっき女子更衣室の方から爆発音が聞こえたけど」

女《サーモグラフィで不穏な要素を感知しましたので、念の為に》

44: 2011/10/31(月) 00:54:52.32 ID:Ki1zz4AuO
男「うぇっ…ぐすっ…ひぐっ…」

女《どうかしました?》

男「お前だろ…あの爆弾しかけたの…」

女《はい、念の為が攻を奏したみたいで何よりです》

男「馬鹿やろー!こっちは死ぬとこだったんだぞ!」

女《命がけで女子更衣室を覗く貴方の情熱は概ね理解しかねます》

男「お前にはロマンって奴が…」

女K「今の話、聞かせてもらったわよ」ザッ

男「」

45: 2011/10/31(月) 01:02:02.14 ID:Ki1zz4AuO
女K「貴方、女子更衣室を覗いた、ですって?」

男「こんにちは、わがままボディ…あっ」

女K「!?…ぐっ…貴方という人は…!人が気にしていることを…!」

男「あ、いや、今のは口が…。すみませんね、ちゃんのこの口をお仕置きに叩いておきますから」パチン

女K「貴方の日頃の行動は目に余ります」

男「いや普段はそんなに目立っては」
バキッ
男(…そうだ…、俺、女に以前相談したんだ…)
…回想…
男「なぁ…」
女《はい?》
男「なんで俺って、よく殴られるのかなぁ…」



女《自業自得です》
………

男「ぐへぇ!!」ドサ

46: 2011/10/31(月) 01:07:32.36 ID:Ki1zz4AuO


男「はぁ…」ボロッ

女N「ど、どうしたんですか?そ、その顔」

男「理由を言ったら多分お前にも殴られるよ…ちょっと羽根生やして」

女N「え?」バサッ

女N「おっす!久しぶり~マイボスー!元気してたぁ~?」スリスリ

男「うん…うん…痛っ傷触るな。実はお前に相談したいことがあってさぁ」

女N「お!?上司からの相談!?私の株上がったり!?」

男「大暴落かもよ」

47: 2011/10/31(月) 01:12:35.65 ID:Ki1zz4AuO
男「お前、多重人格じゃん」

女N「ぶーっ人を精神異常者みたいに言わないでくださる!?」

男「お前、天使の人格とNの人格別物じゃん」

女N「あぁ~いぇっすいぇっす!」

男「俺はなんで違うの?人格変わらんけど」

女N「そりゃあ貴方が神様だからよん」

男「答えになってない」

女N「神様そのもの!私は憑依!あなたはそのものオリジナル!OK!?」

男「あぁ~なるほど、…それなら納得するわけねぇだろ!!」

女N「その文字、生まれたときからあったっしょ?」

男「馬鹿言え!これは最近見つけたもので」

48: 2011/10/31(月) 01:17:04.23 ID:Ki1zz4AuO
女N「じゃあ痛みとか異変ある筈だよ?」

男「あっ…」

女N「そんな経験ないでしょ?今まで気づかなかっただーけ」

男「ぐぬぬ…」

女N「なにがぐぬぬよ、しっかりしてよねーマイボス♪」

女B「なんか、最近Nちゃんがわからなくなってきたよ~…。男死にさらせ」

女《きっとあれが思春期なのでしょう》

49: 2011/10/31(月) 01:23:15.61 ID:Ki1zz4AuO

男「…はぁ…」

女《どうしました?》

男「なぁ…お前に相談したいことがあるんだよ…」

女《はい》

男「俺が神様だったら、どうする?」

女《まだ飽きていないのですか》

男「天使もいる!悪魔だっている!でも他の奴らは信じてくれないんだ」
男「お前も、やっぱり信じてくれないのか?…もうお前くらいしか腹を割って話せる奴がいないんだよ…」

女《…私、ですか?》

男「お前だよ…他でもなく」

女《…は、はい》
女《努力します、ご期待に添えるよう》

男「ありがとう!お前がいてくれてよかったよ」

女《私がいてよかった…?は、はい、ありがとうございます》

50: 2011/10/31(月) 01:28:25.32 ID:Ki1zz4AuO

チュンチュン…チチチ…
ピンポーン

男「はぁい…ムニャ」

女《おはようございます》

男「おわっなんでお前、まだ朝早いぞ?」

女《現在時刻6時12分、学校到着予定時刻、6時45分》

男「早いわ!」

女《そうですか。すみません》

男「まぁ…折角来たんだし、上がってけよ!登校までゆっくりしてさ」

女《お言葉に甘えます》

51: 2011/10/31(月) 01:33:58.28 ID:Ki1zz4AuO
男「はいお茶、で、最近実験の方はどうだ?」

女《はい、最近ようやく感情という概念の存在を実感するに至りました》

男「たとえばどんな感情?」

女《プール授業で女子更衣室を覗かれた際の激しい憎悪です》

男「喜びとか欲しいなぁ…なんて」

女《他にも、特定の誰かのことを考えると、顔周辺が熱を帯びます》

男「はぁ?その誰かって?」

女《…言えません。言うことが躊躇されます。おそらくこれが恥という感情なのでしょうか》

男「ん~、よくわからんが成長してるようで何よりだ!よかったよかった」

女《…》

53: 2011/10/31(月) 01:39:23.76 ID:Ki1zz4AuO


男(…はいっ!という訳で只今私は大変なことになっております)

男(どこにいるかって?そんなくだらない質問は無意味さ!どこにいるかじゃない!「どこなのか」ということだよ!)

男(何?意味がわからない?じゃあヒントに周りの音声をあげよう)

クラスメート1「でねー♪それでねー」カツ…カツ…
クラスメート2「あははは♪サイコー…キャッ」ドテ
クラスメート1「大丈夫?」

クラスメート2「いたた…ここ段差高いわよ、地味に」


男(そう、私、今…【階段】です…)

54: 2011/10/31(月) 01:43:40.09 ID:Ki1zz4AuO
男(女の子に踏まれる快感、そしてパンツが見える。これ以上の快感はないように思われるのです)

女B「あーもーっ!なんなのよアイツー!腹立つー!」ダンダンッ

男(あっ…あっ…)

女N「あ、Bちゃん。お、落ち着いてよー…」

女B「う~…だってぇー…」

女K「階段の上で何を騒いでいるの?貴女たち」カツカツ

男(うっ…ふぅ…)

56: 2011/10/31(月) 01:49:57.95 ID:Ki1zz4AuO

女《なにをしているんですか、男さん》

男「えっ!?」
男「な…何故わかった…」

女《階段を覆うように生体反応があったので》

男「でも科学的にありえないことだろ?人間が階段になるなんて」

女《私は貴方を疑う前に科学を疑うことに決めましたので》

男「そっか…。ロボットが言うと、変な気持ちだな」

女《…いけませんか…?》

男「いいや、それでいいよ。人間はオカルトを信じる生き物だから」

女《授業が始まります》

男「あぁすぐ行く」

57: 2011/10/31(月) 01:54:28.20 ID:Ki1zz4AuO


男「ふむ」

女N「ど、どうかしました?」

男「うーむ、委員長の動向が気になって」

女N「えっ!?」
女N「委員長のこと、す、好きなの?」

男「んーおっOいは好き」

女N「…あ、そうなんだ…」

男(今日あたり委員長に羽生えさせてみるか。デビルだし)

59: 2011/10/31(月) 02:02:34.97 ID:Ki1zz4AuO

男「委員長、話があるんだ」

女K「な、なによ(いつになく真面目な顔…」


女K「何よ、体育館裏に呼び出したりして(ま、まさか…」

男「委員長…俺は…」

女K「……!」ドキ

男「俺は君の羽根が見たい!」

女K「…!」
女K(羽根が見たい…!?あぁ、なんてロマンチックな響き…でも実際どういう意味?羽根ってなに?羽根と言えば天使?『君は僕の天使です』って意味なの!?)←【DEVIL】

男「はやく、飛んでみせてくれ」

女K(飛ぶってなに?羽根を出せってこと?羽根もってないし、でもあったとして羽根を出すなら服を脱ぐしか…脱げってこと!?脱げばいいの!?)グルグルグルグル

男「なかなか出さないなー…こうするしかないか、サイコキネシス!」
グンッ
女K「きゃっ!?急に上に」

男「今から君をそこ、高度100メートルから落下させる!」

女K「え!?『恋に堕ちる』ってそういう意味なの!?」

男「はぁっ!?」

61: 2011/10/31(月) 02:09:12.24 ID:Ki1zz4AuO
男「行くよ…落下!」

女K「きゃああああああああああああああ」ヒュゥウウウウ…

男「さ、これで翼を出す筈だ。我ながらいい作成だ」ニコ

女K(…ん、真下に男くんが…なにあの自信の笑顔?そうだわ!『僕が受け止めてあげるから安心して飛び込んでおいで』とか)

男「あれ、委員長の顔がやけに乙女だ…翼まだかなぁ」

女K(男くんって意外にロマンチックな人なのね、いいわ。私は飛び込むわ!これは好きとかじゃなくて委員長としてなんだから!)

男「あれ…ちょっ!?委員長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


一名 外傷ナシ
一名 意識不明の重体

62: 2011/10/31(月) 02:15:16.88 ID:Ki1zz4AuO

男「…ここは…?」

女《病院です》

女K「ごめんなさい…男くん…」

女《何か飲み物を買ってきます》

女K「…」

男「そんなに気にしなくていいよ…」

女K「私に隠れて…今の女性、誰よ」バサッ

男「え?そういえば黒羽根が…」

女N「ごっめぇ~ん♪この羽根皆に見せたらクラスに悪魔ちゃん混じってたぁ~」バサッ

男「なにそれ取り越し苦労した俺が可哀想だと思わないの?」

64: 2011/10/31(月) 02:20:09.15 ID:Ki1zz4AuO
女K「貴女もしつこいわね…神様は私を選んだの…」

女N「ぶーっだ!仏陀!神様は私の上司だよーだ」

男「なんだなんだ」

女K「その神は私に愛の告白をしたのよ」

男「してないしてない」

女K「…可哀想に、記憶喪失なのね…いいわ、私が壊れるほど愛してあげるから…」バサッ

女N「うちの上司に媚売ってんじゃねーぞコラァアアアッ!!」


女《コーンポタージュでよろしいでしょうか?》ガチャ

男「なんだこの状況は」

66: 2011/10/31(月) 02:26:03.02 ID:Ki1zz4AuO
男「…てわけだ!はい!二人とも羽根しまえ!人格交代!はい」

女N「ちぇー」バサ…シュンッ

女K「私…諦めないから…」バサ…シュンッ

女N「…はっ…あ、あ!?男くん?だ、大丈夫?」

女K「私は、今まで何を…」

女《何かあったんですか?》

男「多分一件落着だよ」

女K「お、男くん…この前の、返事、こんな所で言うのなんだけど…」モジモジ

男「…多分…」

68: 2011/10/31(月) 02:30:54.49 ID:Ki1zz4AuO
女K「ごめんなさいっ!」

男「」
女N「?」
女《??》

女K「正直、私まだ付き合うのってどういうことかわからないし。付き合ったことないし…それに学生で付き合うって破廉恥じゃない?だから、卒業まで待って欲しいって言うか…」モジモジ
女K「はっ!?違うわよ!卒業まで待っても付き合うかどうかわからないんだから!そういう意味じゃないから!調子乗らないよう気をつけなさい!」

男「」

女N「!」

女《???》

70: 2011/10/31(月) 02:36:37.95 ID:Ki1zz4AuO

男「なんだろう、告ったわけじゃないのに惨めな気分だ…」

女《退院おめでとうございます》

男「はぁ…」

女《男さん》

男「あぁ~ん?」

女《好きって、何ですか?》

男「…何ですかと言われましても…なんだろうな。例えば悪魔みたいに、壊したくなるほど相手を好きだとか」

女《壊したくなるほど、ですか。…擬似演習を開始します》ガチャ


男「んぇ?」

女《フルファイア》

バラララララララララ

男「ねーよ」ニコッ


一名 意識不明の重体

72: 2011/10/31(月) 02:43:15.93 ID:Ki1zz4AuO
男「ここは、また天国か」

天使「あったり~っていうか、ボスそろそろ消えちゃうよ?」

男「ん?なんだよ唐突に」

悪魔「本物の神様になる…概念的存在になるの」

男「はぁ?」

天使「『社会』の中枢が何か知ってる?『宗教』の信仰の源がどこかわかる?どこからがラッコでどこまでがキツネかわかる?」

男「何言ってるんだお前」

天使「よーするに、もうすぐボスは『男』じゃなくて、『社会』にも『宗教』にもキツネにもラッコにもなれるの!」

悪魔「その代わり、何にもなれないわ…形がないもの。限りなく非科学…」

男「はぁっ!?」

74: 2011/10/31(月) 02:46:44.42 ID:Ki1zz4AuO


男「…ん…」

女《おきましたか?》

男「ここは、お前の研究室か?」

女《はい、一通りの医療器具を配備してあるのでここに運び治療しました》

男「そっかー…」

女《どうかしました?》

男「…いや、別に」

75: 2011/10/31(月) 02:50:55.02 ID:Ki1zz4AuO


男「おはよー」

女B「おはよー。滅亡しろ」

女《おはようございます》

女N「おっはよー」バサッ
女N「ねぇボス~、もう少しだよ!ガンバっ」

女K「…それまで、私たちがサポートするわ。貴方が完全な神になるまで…」バサッ

女B「??」

女《……》

男「…はぁ…」

76: 2011/10/31(月) 02:55:11.27 ID:Ki1zz4AuO

女《…今日の貴方は様子が》

男「」キッ

女《!》フワッ

男「白…か」

女《》ベシベシ

男「痛い!」

女《…私は今、感情を一つ学びました》

男「なにが?」

女《これが、不安というものでしょうか…?貴方が、どこか遠くへ行ってしまいそうで…》

男「バカもん、俺は別に引っ越す予定は立ててない」

女《…しかし》

男「大丈夫だって!!ご本人様が言ってるんだぞ?」

男「…大丈夫だって…」

77: 2011/10/31(月) 03:03:09.48 ID:Ki1zz4AuO


悪魔「今日の夕方、時間にして17時35分に完成します」

天使「あ~あ、今のボス面白いのにねぇ」

悪魔「私の上司であるサタンは形がありますが」

天使「いいよね~そっちは。下界には偶像化禁止の宗教もあるから全世界の人間が同じ神像を抱くことは皆無なの!これって差別よね~」

悪魔「だからこそ、概念的な存在」

天使「万能だけど不満。葉っぱくわえた悪球打ちだよ全く。ボスが可哀想」

悪魔「仕方ないわ。人々がそれぞれ違う考えを持っているから」

天使「う~ん…」

79: 2011/10/31(月) 03:06:35.25 ID:Ki1zz4AuO

男「もう、そろそろだな」

女《何がですか?》

男「なんとなくわかる。自分が世界に溶け出しているのが」

男「そーだ、お前に感情を教えてやろう!」

女《は?》

男「好きの感情だよ」

女《…》

男「屋上に行こう」

80: 2011/10/31(月) 03:13:56.14 ID:Ki1zz4AuO

男「いいか、好きの感情っていうのはな」

女《…はい》

男「こういうことだ」ギュッ

女《…では》
女《私は、ずっと前から貴方が好きでした》ギュッ

男「…はい!講座終了!」

天使「はい!生身で下界へ来ました~」

悪魔「時間…」

男「…時間…か」

男「俺は神様続ける。でも消えない」

天使「へ?」

悪魔「はぁ?」

81: 2011/10/31(月) 03:19:36.89 ID:Ki1zz4AuO
男「どうせ覗き見してる癖に」

女B「うっ」
女N「あ、あのこれは、その…」
女K「ただの監視よっ…」

男「その3人に質問するよ、神様ってどんな格好?」

女B「そりゃ白髭ジジイの」
女N「ギ、ギリシャのムキムキの…」
女K「私は神なんて信じないわ」

男「…な?」

天使「何が…な?」

男「いやいや、人によって神の要素が違うじゃん。皆が認める神の条件なんて限定しきれないんだよ」

悪魔「そう…その先にまっているのが、概念化」

男「だから、誰にも認められなくていい。俺は俺だけの神様になる!」

天使「…はぁい?」

82: 2011/10/31(月) 03:25:19.30 ID:Ki1zz4AuO
男「俺はこんな容姿で変態で…」
男「人徳にあふれモテモテでイケメンで友達もいっぱいで」

天使「あーボス、見栄はっちゃだめ」

男「まぁ、そんなこんなで神様の要素を限定して絞りまくったらとうとう一人のただの人間になった」

男「これでいいでしょ。神とか社会とか、人の頭の中のものだ」

天使「じゃあ…私たちはどうなるってのよぉ!ボス!」
悪魔「私達は…何のために…」

男「お前らは虚像じゃない。だって形があるから」

男「多分何かの霊だ」

天使・悪魔「霊!?」

男「これで誰も消えずに済む」

83: 2011/10/31(月) 03:32:21.67 ID:Ki1zz4AuO
男「だから俺は俺だ。世界に溶けたら何もないのと一緒」

男「はい!終了!お前ら帰ってよし!」

天使・悪魔「はぁっ!?」

天使「ボス~」グスッ

男「泣くなよ、帰っていいとは言ったけど、また来いよ。そのときはBにでも憑依してくれ」

女B「なんで私!?」

男「まぁ、いつでも来い、幽霊」

天使「いやだから幽霊じゃないって」
悪魔「…わかったわ。また、来る。」グイッ

天使「あ~!引っ張るな~!」



85: 2011/10/31(月) 03:38:13.26 ID:Ki1zz4AuO
……
女《あれ以来、何かありましたか?》

男「いいや、別に?」

女《神の能力は?》

男「神の能力は俺が消したんだって。あの【GOD】の文字は古代から人へ人へ渡って、人を世界に溶かしまくったものなんだとさ」
男「それがたまたま俺が当たりクジ引いて受け継いだ。神になった俺は神と名乗るのをやめた。ほら見ろ、もう以降神は現れないのだ」

女《…説明の拙さに溜め息が出そうです》

男「うるせ。でも俺はお前にとって神様じゃないでしょ?」

女《えぇ、ただの好きな人です》

おわり

引用元: 男「俺も神様かぁ…」女《神などこの世にいません》