232: 2012/05/03(木) 14:40:40.80 ID:VszJk8yh0


10:00

律子「あ、あんた大丈夫なの……? なんなら今日はキャンセルした方が……」

美希「大丈夫なの……」

律子「ちょっと、そんなふら付いて車道に出たら!!」

美希「え?」

キィィィィィィィ!!

律子「美希ぃ!!」

美希(美希空飛んでるんだ。あはっ、これでようやく眠れる……。誰にも邪魔されないで……)

律子「いやあああああ!!」






??「こらっ! 起きなさい!」

10:00

175: 2012/05/03(木) 11:58:46.09 ID:ckfIjnJr0
んじゃバイトまで書いてく

P「人間の三大欲求は」

小鳥「性欲!」

貴音「食欲」

美希「睡眠欲なの!」

P「時に欲を満たすために、思わぬ行動に出てしまう場合もあるようです。特に、彼女のような場合は……」


10:00

美希「Zzz…」

律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「もう……、律子がうるさくて寝れないの。あふぅ」

律子「時計見なさい。10時でしょ?」

美希「関係無いの」

律子「あるわよ!! ほらっ、支度していくわよ!」

美希「焦っても仕方ないのにね」

『眠れず姫』 星井美希

178: 2012/05/03(木) 12:04:05.72 ID:ckfIjnJr0
10:30

美希「ねえ、まだ着かないの?」

律子「弱ったわね……。渋滞に引っかかったわ」

美希「退屈なの。ラジオ聞こうと」

ラジオ『10時半のニュースです。俳優のSHIOYA SYUNさんが二股交際の末、自分が女になることで丸く収めようと、きょう未明モロッコに旅立ちました』

美希「馬鹿なの」

律子「こりゃギリギリになりそうね……」

美希「美希は寝るの、あふぅ。着いたら起こしてね~」

律子「ちょ、そこまで離れてないわ……」

美希「Zzz…」

180: 2012/05/03(木) 12:07:40.16 ID:K/dYWh740
美希「Zzz…」

律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「んん……、着いたの?」

律子「何寝ぼけてんの。早く支度しなさい」

美希「へ? ここ事務所?」

律子「そりゃそうでしょ。765プロよ」

美希「あれ? 美希は律子の車に乗って……」

律子「律子さんでしょうが。もう10時よ、そろそろ行かなきゃ」

美希「え? 今何時って言ったの?」

律子「10時よ」

美希「ど、どういうことなの……」

10:00

182: 2012/05/03(木) 12:10:22.86 ID:rZji03LA0
律子「さっ、行くわよ」

美希「ま、待って!」

美希(さっきのはなんだろう、夢?)

10:30

律子「弱ったわね……。渋滞に引っかかったわ」

美希(同じなの……。もしかしてラジオはっ!)

ラジオ『10時半のニュースです。俳優のSHIOYA SYUNさんが二股交際の末、自分が女になることで丸く収めようと、きょう未明モロッコに旅立ちました』

美希「やっぱり……」

律子「こりゃギリギリになりそうね……」

美希(もしかして美希、予知夢に目覚めたの?)

律子「どうしたの、難しい顔をして」

美希「なんでもないの」

律子「?」

185: 2012/05/03(木) 12:14:34.79 ID:ckfIjnJr0
11:00

律子「お願いします、ほらっ、美希も」

美希「お願いしますなの!」

スタッフ「うぇっへっへ、こちらこそお願い仕るでござるwww」

美希「変な人なの」

律子「思っても言っちゃだめよ」

スタッフ「そ、それじゃあ、案内をするんだな」

美希「そういえば何の撮影なの?」

律子「言ってなかったっけ。あんたの好きな物よ」

美希「美希の好きな物? おにぎりとか?」

律子「ベッドのCMよ」

美希「ベッドってことは合法的に寝れるの!」

律子「まあそういう絵が欲しいみたいね」

187: 2012/05/03(木) 12:17:34.26 ID:ckfIjnJr0
11:25

美希「フカフカのベッドなの! 律子も乗ったらいいの」

律子「律子さんって言ってるでしょうが。でもまあ寝心地は良さそうね。貯金も溜まって来たし買い換えてみようかしら」

美希「美希はもう眠くて仕方ないの……、あふぅ」

律子「こらこら。まだ早いでしょ?」

美希「Zzz…」


律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「んん……、撮影開始?」

律子「何寝ぼけてんの。早く支度しなさい」

美希「え?」

192: 2012/05/03(木) 12:23:19.78 ID:rZji03LA0

美希「じ、事務所なの……」

律子「シャキッとしなさいよ。今日はCM撮影に、なぜかレッスンは座学、それに2時間ドラマのゲスト出演、クラシックコンサートリポート……。結構忙しいのよ?」

美希「CMってベッドのCMだよね?」

律子「そうよ。言ってたかしら?」

美希「何でもないの。行こう? 渋滞に巻き込まれちゃうよ?」

律子「そうなの? まあ早めに出るに越したことはないか。行きましょ、美希」

美希(予知夢……、だよね……? さっきまでの全部夢だよね……)

195: 2012/05/03(木) 12:28:57.86 ID:rZji03LA0
10:29

律子「美希の言うとおりだったみたい。後ろの方が詰まってるんだって」

美希「やっぱり……」

律子「暇だしラジオつけようかしら」

美希「あっ、SIOYA SYUNが性転換するって話なの」

律子「なによそれ、ギャグ?」

ラジオ『10時半のニュースです。俳優のSHIOYA SYUNさんが二股交際の末、自分が女になることで丸く収めようと、きょう未明モロッコに旅立ちました』

律子「ホントだ……。あんた予知能力にでも目覚めたの?」

美希「それは秘密なの!!」

美希(もし失敗しても、寝たら全部戻るの! 楽ちんかも!)

律子「あっ、言い忘れてたわ。座学の前にグルメリポートがあるのよ」

美希「グルメリポート?」

律子「そっ、ホントは貴音に来てたんだけど、貴音はすでにラーメンロケがあってね」

美希「美希なの?」

律子「そうね。忙しいと思うけど、普段食べれないような高級食品らしいから期待していいんじゃない?」

196: 2012/05/03(木) 12:36:04.28 ID:K/dYWh740
11:00

律子「お願いします、ほらっ、美希も」

美希「お願いしますなの!」

スタッフ「うぇっへっへ、こちらこそお願い仕るでござるwww」

美希「やっぱり変な人なの」

律子「思っても言っちゃだめよ」

スタッフ「そ、それじゃあ、案内をするんだな」

11:25

美希「フカフカのベッドなの! 律子も乗ったらいいの」

律子「律子さんって言ってるでしょうが。でもまあ寝心地は良さそうね。貯金も溜まって来たし買い換えてみようかしら」

美希「眠くなっちゃったの……、降りようっと」

律子「あら、てっきり寝ちゃうかと思ったのに」

美希「むー、そこまで美希は寝坊助さんじゃないの」

律子「さいですか」

美希(別に失敗してないし、寝ても無駄なの)

197: 2012/05/03(木) 12:38:48.95 ID:K/dYWh740
監督「じゃあ撮影入りまーす。美希ちゃーん、寝ちゃってもいいからね~」

美希「はいなのー」

美希(柔らくていい匂いなの。ホント、気持ちいい)

美希「Zzz…」

律子「起きなさ……」

美希「……やってしまったの」

律子「まだ何もやってないわよ。行きましょ」

美希「油断大敵だね」

律子「なんの話よ」

10:00

199: 2012/05/03(木) 12:44:11.66 ID:rZji03LA0
11:25

律子「気持ちよさそうなベッドね」

美希「でもCMまでは入らないの」

律子「あら、珍しいことも有るのね」

美希「美希だって我慢ぐらいできるの」

律子「どうだか」

監督「じゃあ撮影入りまーす。美希ちゃーん、寝ちゃってもいいからね~」

美希「美希が寝るのはハニーだけなの!」

律子「何言ってんのよ!」

監督「はっはっは、はちみつと寝たいのかい?」

美希「ちが」

律子「そうなんですよ、このこクマのPさんが大好きで大好きで!」

美希「さすがにそれはないと思うな」

律子「だまらっしゃい!!」

201: 2012/05/03(木) 12:48:16.07 ID:rZji03LA0
11:30

美希「スゥスゥ」

監督「良いね良いね! まさに眠り姫だ! おとめ座の私には……」

律子「はい、そこまで」

美希(美希的にはハニーのキスで起きたいの)

監督「カット! 良いよ良いよ! 素晴らしい出来だよ!」

美希「ふぁーあ、これぐらい余裕なの」

律子「まっ、昼ごはん食べてからが怒涛の仕事ラッシュだからね。この仕事はあんたの得意分野だろうし」

美希「ベッドに入ってたから眠いの、あふぅ」

律子「そうね、車の中なら寝てていいわよ?」

美希「でも頑張って起きているの」

律子「変に張り切ってるわね……」

12:00

202: 2012/05/03(木) 12:54:31.09 ID:K/dYWh740
美希「リポートは何なの?」

律子「焼肉みたいね」

美希「韓流なの」

律子「まあその関係じゃない? 雪歩とやよいが出たがってたけど、2人は泊りがけで営業しているのよね」

美希「ふーん、みんな大変だね」

律子「先方を待たせるのもあれだし、入りましょうか」

12:15

美希「でもアイドルが焼肉って匂い着いちゃうよね」

律子「ファブリーズ持ってくるの忘れたわ……」

美希「最悪口臭は飴でも舐めたら何とかなるの」

204: 2012/05/03(木) 12:57:27.94 ID:K/dYWh740
12:30

美希「サンチュで巻くとすっごく美味しいの!!」

D「良いよ良いよ! 美希ちゃん素敵だよ!」

美希「美希も大人になったらお酒と一緒に食べたいな」

D「俺が大人にしてあげ」

律子「あっ、虫が飛んでる(棒)」バシッ

D「あべしっ」

美希「お腹いっぱいなの」

律子「この後にレッスン、しかも座学ってのがね……。寝ちゃだめよ?」

美希「レッスンで寝ることはないの!」

律子「なら良いんだけどね……」

13:00

206: 2012/05/03(木) 13:03:42.03 ID:K/dYWh740
トレーナー「で、あるからして音楽の三大要素は……」

美希(座学のレッスンって何のことかわからなかったけど、学校の授業と同じなの!!)

美希(しかも美希の席は日当たり良好の絶好のお休みポイント! なのに嬉しく……ない……)

美希(また焼肉食べれるからいっか……)

トレーナー「このリズムはビザンティン王国が……」

律子「勉強になるわね」

美希「Zzz…」


律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「あれ? レッスンは終わったの?」

律子「何寝ぼけてんのよ」

美希(やっぱり予知夢……、あれ?)

美希「お腹いっぱいなの……」

208: 2012/05/03(木) 13:08:33.02 ID:rZji03LA0
律子「何言ってるのよ。今日はグルメロケがあるのよね……。まあ昼からだし何とかなるわね」

美希(も、もしかして予知夢じゃなくて……)

美希「戻ってるの!?」

律子「わっ! いきなり大声出してどうしたのよ」

美希「何でもないの……」

10:00

10:30

美希(SHIOYA SYUNは性転換)

11:00

美希(スタッフは変な人)

11:30

監督「眠り姫だっ」

美希(これじゃあ眠れず姫なの!!)

210: 2012/05/03(木) 13:16:26.85 ID:ckfIjnJr0
12:30

美希「サンチュで巻くと美味しいの」

D「あれ? 美希ちゃん調子悪い?」

美希「そ、そんなことないの! 辛くて美味しいね」

美希(うっぷ……、お腹がパンパンなの……)

律子「しんどそうね……」

13:00

トレーナー「で、あるからして音楽の三大要素は……」

美希(何言ってるか分からないの……。ダメ、寝ちゃいそう……、こうなったら、えいっ!)

美希「痛いの!!」

トレーナー「星井さん、どうかしましたか?」

美希「ゴメンナサイ、シャーペンが刺さったの」

トレーナー「大切な話をしているので、寝ないで聞いてくださいね。そしてリズムが独特の奴が……」

美希(痛いけど目がさえてきたの)

211: 2012/05/03(木) 13:19:12.97 ID:ckfIjnJr0
14:00

律子「美希あんた大丈夫?」

美希「大丈夫なの……」

律子「もはや満身創痍じゃない。えっと次だけど、2時間ドラマの撮影ね」

美希(ドラマ撮影なら寝なくて済むの!)

律子「まあ大きな役じゃないわ。最初の殺人の被害者の葬式に訪れる、息子の恋人役だから」

美希「美希的にはハニーがいいの」

律子「わがまま言いなさんな。共演者は……、ONOSAKAね」

美希「誰でも興味無いの……、あふぅ」

214: 2012/05/03(木) 13:23:06.32 ID:ckfIjnJr0
15:30

美希(美希は2時間ドラマを甘く見ていたの……)

役者「うぐっ……、えぐっ……」

ONOSAKA「うぅ……、親父は何で死ななきゃなんねーんだ!?」

美希「……」

美希(美希、セリフもないし正座してお経を聞くだけ。滅茶苦茶眠いの……)

監督「うーん、ONOSAKA君、今のとこもーちっとこうしたらいいんじゃない?」

ONOSAKA「そっすか?」

監督「じゃあもっかい最初から。アクション!」

和尚「南妙法連……」

美希(ああ、もうだめなの……)

美希「Zzz…」


律子「お」

美希「もう限界なの!!」

律子「うわっ!!」

216: 2012/05/03(木) 13:30:59.88 ID:ckfIjnJr0
律子「み、美希……。目が血走ってるわよ……」

美希「律子! 早く行くの!」

律子「律子さ……」

美希「行くったら行くの!!」

律子「はいっ! 美希さん!!」

美希(こうなったら徹底的に睡魔と闘ってやるの!!)


10:30

ラジオ『ヴォオオオオオオオ!!』

律子「ちょ、ヘヴィメタうるさいわよ!」

美希「これぐらいしないと眠くなるの!!」


11:00

スタッフ「どうもww……、え?」

美希「どうしたの、何か珍しいものでもある!?」

律子「スタミナドリンクを一気飲みしながらスタジオに入るアイドルなんて初めて見たわよ……」

217: 2012/05/03(木) 13:38:20.51 ID:K/dYWh740
11:30

美希「スゥスゥ」

監督「良いね、眠り姫だ!」

律子「あっ、CM撮影はちゃんとするのね」


12:30

美希「焼肉うめーの!!」

律子「おっさんみたいなコメントになってるわよ!!」

D「おうおう! 新発見だぜ!!」

13:00

トレーナー「で、あるからして音楽の三大要素は……」

ザクッ

美希「ぎゃああああ!!」

トレーナー「なんですか星井さん、大声をだ……」

美希「大丈夫なの」ポタポタ

トレーナー「いや、額に剣山が刺さって血が垂れてるけど……」

221: 2012/05/03(木) 13:44:02.85 ID:rZji03LA0
美希「大丈夫なの」ポタポタ

トレーナー「だから血が」

美希「大丈夫なの」ポタポタ

トレー

美希「大丈夫なの」ポタポタ

美希「大丈夫なの」ポタポタ


15:30

ONOSAKA「うぅ……、親父は何で死ななきゃなんねーんだ!?」

美希「……」

監督「うーん、ONOSAKA君。もっとこうした方が……」

美希「やってられないの!!」

222: 2012/05/03(木) 13:46:24.42 ID:rZji03LA0
ONOSAKA「ひょ?」

美希「そこの人! 何回こんな簡単な所でつまずいてるの!」

ONOSAKA「え、ええ……」

美希「もういっそ美希が娘役でそこの人が無言の恋人役で良いと思うな!」

律子「あんの馬鹿……。監督、無視してください。少し今日は気が立ってるんです……」

監督「ふむ……、じゃあ君がやってみなさい」

ONOSAKA「ええ!? 俺の役どうするんですか!?」

監督「ああ、アイドルのストーカー役にチェンジね」

ONOSAKA「冗談じゃねえぜ! 俺の役がこんなゆとり娘に……」

美希「あぁ!?」

ONOSAKA「な、なんでもないでしゅ……」

223: 2012/05/03(木) 13:51:01.34
もうONOSAKAがインセクター羽賀でしかイメージできなくなった

224: 2012/05/03(木) 13:52:34.70 ID:rZji03LA0
美希「あわあああん!……親父は何で死ななきゃなんないの?」

律子「あわあああんって……。顔は迫真の演技だけど……」

監督「いいねいいね! 君こそその役にふさわしいよ!!」

ONOSAKA「な!?」

律子「今ので良いの……」

監督「あっ、ONOSAKA君まだいたの? 今日は上がっていいよ、うん」

ONOSAKA「チクショー!!」

美希「ぜぇ……、ぜぇ……」

律子「ハードスケジュール組んだこっちも悪いんだけど、いくらなんでもやり過ぎじゃない?」

美希「だ、大丈夫なの……。次はなんだっけ……」

律子「えーと、クラシックコンサートのリポートだけど」

美希(クラシックコンサート? ってことは……)

228: 2012/05/03(木) 14:21:49.93 ID:K/dYWh740
シャコンヌ

美希(ね、寝ちゃダメなの……。いくら退屈でつまらなくても……)

牧神の午後への前奏曲

美希(弾いている人たちのことを思ったら……)

モルダウ

美希(眠っちゃ失礼な……の……)

美希「Zz」

ダダダダーン!!

美希「うわっ!」

ダダダダーン!!

運命

美希(い、命拾いしたの……)

229: 2012/05/03(木) 14:28:04.37 ID:K/dYWh740
20:30

美希「お、終わったんだね……」

律子「お疲れ様、美希。なんというか今日はすごい一日だったわね……」

美希「いつも寝すぎてたってことが良く分かったの」

律子「ま、まあ今後は気を付けたらいいんじゃない?」

美希「はぁ……、全部終わったと思うと途端に力が抜けてきたの……。お休み」

律子「こらこら。道端で寝ちゃ……」

美希「Zzz」

美希「Zzz…」

律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「え?」

律子「さっさと支度していくわよ。今日は仕事が詰まってるんだから」

美希「う、ウソでしょ……。クラシックコンサートまで終わったよ?」

律子「夢の中じゃね。でもまだ始まったばっかよ? にしても顔色悪いわよ?」

美希「そ、そんなのってないの……」フラッ

233: 2012/05/03(木) 14:43:41.75 ID:VszJk8yh0
P「眠れば元に戻ってしまう。それは、永久の眠りさえも例外ではありません」

P「終わることのない毎日を過ごせることが幸か不幸か、それは誰にも分かりませんね」

P「さて、私も眠りにつきましょうか……」


P「眠れば元に戻ってしまう……」


世にも
奇妙な
アイドルマスター

235: 2012/05/03(木) 14:44:09.58
あらあら

236: 2012/05/03(木) 14:44:56.64
こえええ・・・

246: 2012/05/03(木) 15:14:45.61 ID:rZji03LA0


P「かつて世界は一つの言語でした。しかし、バベルの塔で知られるように、言語はバラバラになりました」

P「同じ国の言葉においても、訛りや独特の方言は有ります」

P「しかし、もしそれが禁止されたら? 言語統制は効果を持つのでしょうか?」


響「はいさーい!」

春香「おはよう、響ちゃん」


雪歩「うう……、失敗しちゃいましたぁ」

響「なんくるないさー!」


響「プロデューサー、かなさんどー!」

P「どう言う意味いだそれ?」

247: 2012/05/03(木) 15:20:08.51 ID:rZji03LA0
響「ふぅ、本島の人は優しい人ばかりで自分嬉しいぞ。なあ、ハム蔵」

ハム蔵「ぎゅぎゅ」

響「なんだ? テレビを見ろって言ってるのか?」

キャスター『本日政府は、円滑な人間関係形成と、全国民を一つにまとめるため、方言を全面的に禁止することを決定しました』

響「へ?」

響「うちなーヌクトゥバ禁止?」

『方言禁止令』 我那覇響

251: 2012/05/03(木) 15:24:53.42 ID:rZji03LA0
ニュース『次のニュースです。警視庁は本日、法に反して関西弁を使用していた吉本クリエイティブエージェンシーの全社員を検挙いたしました。これは戦後最大の組織検挙により……』

春香「なんかすごいことになってきましたね」

P「ああ、方言を禁止だなんて、どこの独裁国なんだか」

小鳥「私たちは問題ないんですけど……」

響「はいさ……、おおはようだぞみんな!」

真「お、おはよう響……。まだ慣れてないんだ」

響「もうどうにかしちゃいそうだぞ……」

P「響にとっては大切な故郷の言葉だからな。そんなものを統制して、ホントに価値があるんだか……」

響「じぶ……、じゃなくて私の仕事はなに?」

P「別に自分は方言じゃないぞ」

響「うぅ……、混乱しちゃいそうさー」

P「響!!」

響「え?」

252: 2012/05/03(木) 15:30:51.74 ID:VszJk8yh0
TAKAGI「はいはいはい! 今お国ことばが出ましたねー! さーって言いましたねぇ! 愛ちゃんですか? 福原愛ちゃんですか?」

SATOU「我那覇響さん、あなた何度め? まだ未成年だから口頭注意で済むけど、大人ならとっくに再教育施設行きよ!」

響「うう……」

SATOU「ったく、こんなことで警察使わないでほしいわね。行きましょ、TAKAGI君。また上田が方言を使ったわ」

TAKAGI「あっ、待ってSATOUさん!!」

響「うう……、自分もう限界だぞ」

P「響……」

響「自分知ってるんだ。自分がいるから、今765プロの仕事が減っているって」

春香「そんなことないよ!」

響「春香、気休めは結構だよ。自分がいなくなれば丸く収まるんだから」

P「響、お前……」

響「今までありがとう皆。自分はこれから個人で頑張っていくぞ」

254: 2012/05/03(木) 15:35:23.83 ID:VszJk8yh0
アパート

響「な、なんで家族がいないんだ!? ハム蔵! いぬ美! ワニ子!」

管理人「ああ、ペットたちは処分したよ」

響「ど、どうして!?」

管理人「なんだい、あんたこれを見ていないのかい? 国は動物愛護の観点からも、改革を始めたんだ」

響「ぺ、ペット禁止令……。そ、そんなの横暴だぞ!!」

管理人「あのね、うちのアパートペット禁止なの。いつも苦情来てたんだから。今頃みんな野生で過ごしているよ」

響「ペットじゃない! 自分の家族だぞ!!」

管理人「はいはい、そういうならあんたも出てってくれる?」

響「え?」

管理人「本島以外の人間がいたらこっちまで白い目で見られるんだよ。しっし」

255: 2012/05/03(木) 15:40:24.92 ID:ckfIjnJr0
響「自分にはなんも無いぞ……。なあ、ハム蔵」

響「っていないんだったな」

??「なあ、君」

響「へ?」

??「君だよ、こっち来ん……、来いよ」

響「えっと、何の用だ?」

??「君我那覇響ちゃんだろ?」

響「そうだけど……、おじさんは?」

??「僕か? 僕は城島、城島茂だ」

響「ええ!? あのT○KIOの!?」

256: 2012/05/03(木) 15:41:53.16
リーダー!!

260: 2012/05/03(木) 15:45:48.81 ID:ckfIjnJr0
リーダー「声がでかい! これでも僕追われてるんだから」

響「ど、どうして?」

リーダー「そりゃあ油断して使っちゃたんだよ、関西弁を生放送で」

響「そ、それは災難だな……」

リーダー「方言禁止にペット禁止、おかげで関ジャニやキンキ、相葉は酷い目に……」

響「ジャ○ーズも大変なんだな」

リーダー「だけどね、まだ世界は僕たちを見捨ててないみたいだよ?」

響「それってどういう……」

リーダー「ノックしてもしもーし」

??「合言葉は?」

リーダー「素敵やん」

??「ええで、入れや」

響「し、島田紳介!?」

紳介「なんやリーダー。可愛い子連れてきて。お前もすみにおけんのう」

264: 2012/05/03(木) 15:52:13.27 ID:K/dYWh740
響「なんでこんな大御所が……」

紳介「ああ、別に挨拶はええで。どっかの03みたいなことは堪忍してや」

響「って方言!?」

紳介「ああ、ここは非合法の方言クラブや。いわば地下組織やな」

響「ち、地下組織……」

リーダー「そうやで。ここはまだバレテへん。いくらでも方言使ってええねんで」

響「ほ、ほんとか!?」

紳介「大丈夫や。俺らまだ捕まってへんしな」

響「は、は、はいさーい!!」

紳介「せや。ここは思いっきり訛っていいんや、方言使ってええんや」

響「ウチナーグチ最高だぞ!」

265: 2012/05/03(木) 15:59:06.89 ID:rZji03LA0
響(それから自分は、非合法の方言バーで思う存分方言を使ったぞ)

響「クワッチーサビラ(いただきます!)」

響「あっ、765プロのみんなが出てるぞ! チバリヨー!」

響「ニフェーデービル(ありがとうございます)」

響「自分、なんだか輝いてるぞ!」

響(でもそれは長く続かなかったんだ……)

266: 2012/05/03(木) 16:03:48.88 ID:rZji03LA0
リーダー「大変や!! 警察が来よったで!!」

紳介「なっ!? 長くは続かんのかい!!」

響「ええ!? どうするんだ?」

リーダー「秘密の隠し通路がある! そっから逃げたらええ!」

響「で、でもそんなことしたらリーダーたちが!!」

リーダー「ええんや。こういうのはな、若い子が生き残って、伝えていかなあかんねん」

響「リーダー……」

紳介「はよいけ!!」

響「ニフェーデービル! チバリヨー!!」

リーダー「行きましたね」

紳介「ああ、最後までわけがわからんかったけどな」

268: 2012/05/03(木) 16:08:42.61 ID:rZji03LA0
響「ぜぇ……、ぜぇ……。ここまでくれば安心か?」

響「やっとできた居場所もなくなっちゃったぞ……。でもみんなのためにも……」

響「じゅ、銃声……? だ、大丈夫だよね? みんな捕まっただけだよね?」


響「し、心配だけど……、やっぱ心配だぞ!!」

響(元いた場所を駆け戻る。さっきまで方言が飛び交っていた店は火の海になり、客のみんなも倒れていた……)

響「う、ウソだぞ……」

野次馬「な、なああれリーダーじゃね?」

野次馬「紳介もいるぜ」

響(野次馬にまぎれて、惨状を目の当たりにする。みんな……、自分のために……)

TAKAGI「もういませんよねー」

SATOU「いたとしても自分からは出てこないわよ。大方とっくに逃げてるでしょ」

269: 2012/05/03(木) 16:15:33.28 ID:rZji03LA0
響「……」

響「自分、チレたぞ……」

響「自分チレたぞー!!」

SATOU「まだいたの!?」

響「ウチナーグチ使ってヌゥがワッサン!」

TAKAGI「それ以上う使うと撃つぞ!」

響「ウチナーグチ使ってヌゥがワッサン!」

SATOU「構わないわ! 撃って!」

響「ウチナーグチ使ってヌゥがワッサン!」

TAKAGI「静かにしろ!」

響(これでお終いか……)

TAKAGI「わあっ! い、犬!?」

響「い、イヌ美なのか!?」

イヌ美「ワン」

275: 2012/05/03(木) 16:26:55.85 ID:ckfIjnJr0
SATOU「こっちにはワニがいる!!」

響「み、みんな……。助けに来てくれたんだな!!」

TAKAGI「これだから動物は!」

SATOU「気にしないで! 標的は彼女よ!」

TAKAGI「発砲するぞ!」

響「カナサンンカイしろ!」

響(良いんだ、自分はもう――)

SATOU「待って、TAKAGI君」

TAKAGI「なんですSATOUさん」

SATOU「たった今、政権が交代したわ……」

TAKAGI「そ、それじゃあ……」

SATOU「新しい総理は、沖縄出身なの。方言禁止令、ペット禁止令は崩壊したわ……」

278: 2012/05/03(木) 16:32:24.29 ID:ckfIjnJr0
響「はは……、全部終わったんだな……」

響(闇夜の中に響く方言、元の形に戻っていくぞ……)


小鳥「というお話を妄想しました」

響「扱いが酷いぞ!」

春香「で、オチは?」

小鳥「あると思ってるの?」

春香「最悪だ……。妄想なんかしてないで、仕事してくださいよ」

小鳥「もう、私から妄想を取ったら何も残らな……」

ニュース『たった今、政府は不景気対策として、妄想禁止令を施行し……』

小鳥「え?」



P「あなたは何を禁止されたら困りますか。お酒、タバコ、ゴルフ、それとも・・・お菓子、テレビ?
誰でも禁止されたら困るものがひとつぐらいあるはずです。
しかもそれが、あなた自身の人生までも狂わせるとしたら……」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

280: 2012/05/03(木) 16:35:01.09