1: 2011/04/12(火) 10:04:05.81 ID:vg6BDJLN0
弟「え?」
姉「何をしているのですかと聞いているのですよ」
弟「あ、あのどちら様…」
姉「私の質問に答えなさい」
弟(玄関の鍵閉めてたよな確か……)
姉「聞いているのですか」
弟「エアギター……ですけど」
姉「……なんです?それ」
弟「質問には答えましたから、こっちも質問していいですか?」
姉「いや、だからなんですかその、エアギターというのは。踊りの種類ですか?」
弟「まぁ、ええ。そんな感じです」
姉「いいでしょう、質問を許可しましょう」
弟「貴方は誰?」
5: 2011/04/12(火) 10:11:03.80 ID:vg6BDJLN0
姉「私?」
弟「はい」
姉「……あなた、まさか何も聞いていない?」
弟「?」
姉「ちょっと待ってくださいね」 ピッ prrr prrr
姉「私です。今家につきました。しかしここにいる彼は事情を存じていない様子なのですが?どうなっていますか?
……いやあの、説明はしたと仰ってましたよねあなた。!? その事も言っていないとはどういう事ですかっ!!
ドッキリ?ドッキリとは何ですか?……………ええ。……まぁ、そうですわね。はい。…………そんなサプライズは用意しなくて結構です!
あなたには説明責任があります!さっさと説明してください!!あなたの息子さんでしょう!……ええ。そうです
はぁ……ではかわりますよ?ちゃんとあなた本人の口から言ってください」
スッ
弟「え?」
姉「とりなさい。ここにあなたの質問の答えがあります」
弟「はぁ。……えー、もしもし?」
『よう父ちゃんだぜ』
6: 2011/04/12(火) 10:19:44.58 ID:vg6BDJLN0
弟「親父?」
『久しぶりぃ、2年ぶりぐらいかね』
弟「いや正月会っただろ」
『あーそうだった』
弟「で、この状況何。なんで知らない女の人がここに来たのか教えてくれよ」
『うん、その人ね。お前のお姉ちゃんね!』
弟「そういうのいいから」
『父ちゃん実は再婚しましたー、祝え祝え』
弟「マジで!?」
『大マジなんだなこれが。母ちゃん死んじゃってもう15年だろ?そろそろ許してくれるかと思って♪』
弟「いやまぁそれは別にあんたの勝手なんだが……え?相手は?」
『38歳でおっOいが大きいんだ!いいだろ!』
弟「そういう事は聞いてねぇよ」
『んとな。父ちゃんが今仕事してる職場の上司の人でな。偉い人なんだ、お金持ちだぜ!やったね!』
弟「……もういいや、で、この人はその人の娘さんって事かよ」
8: 2011/04/12(火) 10:26:37.44 ID:vg6BDJLN0
『そう』
弟「分かった。まぁ本人ここに来てるし信じる、でもなんでここに?」
『あ、そろそろ休憩時間終わりだ!しっかり頑張れよ学校!あばよ!』
弟「おい待てコラ」
ツー ツー ツー
弟「……」
姉「……」
弟「はい」
姉「状況は理解していただけたかしら」
弟「5割ぐらいは」
姉「自分の父親が自分に報告もせずに再婚していたというのにえらく落ち着いているわねあなた」
弟「まぁ、ああいう父親ですし」
姉「……分かる気がするわ」
弟「えー、それでですね。なんでうちに来たんですか?」
姉「それは勿論ここで暮らす為よ。当然でしょう?あなた頭悪いのね」
弟「分かった。まぁ本人ここに来てるし信じる、でもなんでここに?」
『あ、そろそろ休憩時間終わりだ!しっかり頑張れよ学校!あばよ!』
弟「おい待てコラ」
ツー ツー ツー
弟「……」
姉「……」
弟「はい」
姉「状況は理解していただけたかしら」
弟「5割ぐらいは」
姉「自分の父親が自分に報告もせずに再婚していたというのにえらく落ち着いているわねあなた」
弟「まぁ、ああいう父親ですし」
姉「……分かる気がするわ」
弟「えー、それでですね。なんでうちに来たんですか?」
姉「それは勿論ここで暮らす為よ。当然でしょう?あなた頭悪いのね」
10: 2011/04/12(火) 10:34:59.23 ID:vg6BDJLN0
弟「あなたが暮らしていた所は?」
姉「今は私の母親とあなたのお父さんの愛の巣となっているわ」
弟「ああ…」
姉「私は正直お邪魔虫だったの。彼らからすればね、だから空気を読んだ。そういう事よ」
弟「分かりました。でも」
姉「でも?」
弟「あの、ここ二人で住める広さだと思います?」
姉「……」
弟「……」
姉「頑張りましょう」
弟「いやいや」
姉「あなたは私にKYの汚名を着せたいのかしら?」
弟「……」
姉「もう一度言うわね。頑張りましょう」
12: 2011/04/12(火) 10:40:30.17 ID:vg6BDJLN0
弟「もう決定事項ですか?」
姉「そうね。あなたは何歳?」
弟「15ですけど」
姉「私は17。2歳上ね」
弟「……」
姉「お姉さんね、私、あなたの」
弟「……まぁ。はい」
姉「いい?世の中にはこういう真理があるの、心して聞きなさい」
弟「何ですか?」
姉「お姉さんの言うことを弟は聞かなければならないそう絶対に!」 ビシッ
弟(何このなぜか様になってる指差しポーズは)
姉「……決まった」
弟「あ、そういう事は自分で言っちゃうんですね」
姉「とにかくそういう事なのよ。分かったわね?」
弟「うーん」
13: 2011/04/12(火) 10:46:07.49 ID:vg6BDJLN0
弟「じゃあ、えーと」
姉「なぁに?悩み事ならお姉さんに言ってみなさい」
弟「何か楽しそうですね」
姉「そんな事あるわよ?」
弟「あるんだ」
姉「それで、何か言いたいことがあるのでしょう?言ってみなさい」
弟「じゃあ、料理とか洗濯とか色々分担しましょうね?」
姉「私は料理が出来ないわ!」 ビシッ
弟「え」
姉「ついでにお洗濯もお掃除もした事ないわ!」 ビシッ
弟「……」
姉「ふふん」
弟「ぇーと……じゃあ帰った方が」 ピンポーン
姉「あ、来たわね」
14: 2011/04/12(火) 10:49:43.05 ID:vg6BDJLN0
アリガトウゴザイマシター
弟「これは?」
姉「私の衣服です」
弟「ああ、なるほど」
姉「これ、どこに置きましょうか」
弟「えー、じゃああそこの棚の横で」
姉「そうね。スペースも丁度いいし……じゃぁお願いしますね」
弟「え?」
姉「運んでください。こんなに重いものは持てません」
弟「……よいしょ」
姉「ありがとう」
弟「あの、聞いていいですか?」
姉「何でしょう?」
弟「お嬢様育ちですか?」
姉「あら……何で分かったんですか?」
15: 2011/04/12(火) 10:55:03.58 ID:vg6BDJLN0
5分後
弟「えーとですね」
姉「何ですか?」
弟「正直な話帰って欲しいです」
姉「あなたは私にKYn( 弟「あなたが俺にとってKYになりつつあります」
姉「!……なんと…」
弟「あ、お気に障ったのならばごめんなさい」
姉「……」
弟「正直、家事が一切出来ない人と共同生活をする気が起きません。ごめんなさい、帰ってください」
姉「……家事が出来ないと……ダメですか?」
弟「ダメですね。あと多少重いものでも自分のものは自分で運んでもらわないとこっちの体がいくつあっても足りません」
姉「……肩たたきぐらいならしますよ?」
弟「自分でやります」
姉(困ったわ……どうしよう……だって出来ないんですもの……) prrr prrr
弟「えーとですね」
姉「何ですか?」
弟「正直な話帰って欲しいです」
姉「あなたは私にKYn( 弟「あなたが俺にとってKYになりつつあります」
姉「!……なんと…」
弟「あ、お気に障ったのならばごめんなさい」
姉「……」
弟「正直、家事が一切出来ない人と共同生活をする気が起きません。ごめんなさい、帰ってください」
姉「……家事が出来ないと……ダメですか?」
弟「ダメですね。あと多少重いものでも自分のものは自分で運んでもらわないとこっちの体がいくつあっても足りません」
姉「……肩たたきぐらいならしますよ?」
弟「自分でやります」
姉(困ったわ……どうしよう……だって出来ないんですもの……) prrr prrr
21: 2011/04/12(火) 11:40:43.53 ID:vg6BDJLN0
姉「ちょ、ちょっと失礼します」
弟「どぞ」
姉「……もしもし? ああ母様。ええ、今私の弟となる人に出て行けと言われている所よ」
弟「言い方ひどいですね」
姉「事実でしょう、ええ……はい、家事をした事がない私の事がお気に召さないらしく……ええ。分かりました……はい」
弟「え?」
姉「母様、私の母親があなたをお話がしたいと」
弟「もしもし」
『もしもし、弟君かしら』
弟「そうです」
『私、あなたの新しい母親になった者だけど』
弟「らしいですね、さっき親父から聞きました。よろしくお願いします」
『はい、こちらこそよろしくね。まぁ仲良くやっていきましょう』
弟「はい、ところでですね。あなたの娘さんの事なんですが」
『姉ね。名前。覚えてあげてね。えっとねぇ……家事が出来ない事をお嘆きの模様……という事よね?』
22: 2011/04/12(火) 11:49:12.75 ID:vg6BDJLN0
弟「まぁそういう事です、理解が早くて助かります」
『うーん……じゃあ要は家事ができるようになれば、弟君の生活に支障を与えない、むしろ助けになる様になれば大丈夫。という事でいいのかしら?』
弟「え?……まぁ、そう、なりますか、ね」
『じゃあ、そういう事でいいわ。弟君』
弟「はい」
『あなた、姉にいろいろ家事を仕込んで頂戴』
弟「ええ!?」
『私ね、あなたのお父さんが働いている会社のグループの社長をしてるんだけどね』
弟「!?(上司ってレベルじゃねぇじゃん)」
『いやぁ、忙しくて子育てを家のメイド達に任せっきりにしがちでね。あの子が育ったんだけど』
弟「ああ、なるほど」
『見ての通りのお嬢さんになっちゃったでしょう?本当はここまでお嬢お嬢させるつもりはなかったんだけどねぇ……
だからそろそろ世間一般に溶け込むためにも家事を覚えてもらった方がいいと思うのよ。弟君もそう思うでしょう?』
弟「……まぁ」
『だから、ね?お願い。姉とこれから姉弟になるんですもの。仲良くもしておいたほうがいいでしょう?』
23: 2011/04/12(火) 11:57:33.67 ID:vg6BDJLN0
弟「うーん……」
『お願い。生活費はこれまでの30倍ぐらい送る予定だから』
弟「は!?」
『お父さんに聞いたの、あなたの生活費の事。私怒っちゃったわ!そんなに少ない費用でどうやって1か月暮らすのって話よねぇ?』
弟(十分なんすけど)
『だから、姉も加わる事だし、ね?あなたが今まで使っている口座に毎月私からも振り込むからね。それで姉とあなたで生活しなさい』
弟「……はぁ」
『住んでいる場所を変えることも提案したい所なんだけど、あなたのお父さんが反対しちゃってね。あなたはそこが気に入ってるらしいから変えるのはよくないって』
弟「ああ、まぁそうですね。学校近いんで」
『ま、とにかくそういう事だから。何かあったらお父さんか私に連絡しなさい?もう私とあなたは家族。遠慮はいらないわ、分かった?』
弟「はぁ」
『じゃ!姉の事よろしくね!世間知らずで変な子だけどいい子よ!私に似て美人だしね。じゃあね!』
弟「……はい」
姉「肩たたきには本当に自信があるんですよ私」
24: 2011/04/12(火) 12:08:52.10 ID:vg6BDJLN0
弟「あのですね」
姉「……はい」
弟「KYになりたくないんですよね?」
姉「ええ、私の母親はあなたのお父さんと熱い夜を過ごす予定らしいですから」
弟「家事、覚える気あります?」
姉「……私にも出来るモノなんでしょうか」
弟「人間だったら大丈夫だと思います」
姉「私は人間ですよ」
弟「知ってますから……えー、結論から言うと、あなたはこれから俺とここで生活する事に決定しました」
姉「!」
弟「決定しました」
姉「それは……それはっ……!」
弟「はい?」
姉「どこ情報ですか?」
弟「俺情報です」
25: 2011/04/12(火) 12:12:21.38 ID:vg6BDJLN0
弟「あなた、色々人とズレてるって言われません?」
姉「人と違う事は私の誇るべき美点の一つだと自覚していますわ」
弟「ポジティブですね」
姉「え?」
弟「いや、いいです。 えー、一緒に暮らすんですから家事をしてもらいます」
姉「でもその……私、やり方が分からないんですの」
弟「教えます」
姉「……頑張りますわね」
弟「じゃ、これからよろしくお願いします」
姉「こちらこそ」
弟「しかし美人ですね」
姉「当然ですわね」
弟「でも変人ですね」
姉「どういう意味ですか!」
26: 2011/04/12(火) 12:19:20.89 ID:vg6BDJLN0
弟「いや、気にしないでください」
姉「気になりますわよ!」
弟「気になると言えばですね」
姉「なんですか、もう」
弟「口調の事なんですけど」
姉「私の?」
弟「お嬢様っぽい口調の時と只の丁寧語の時がありますよね?」
姉「ええ、まぁそうですわね」
弟「それは使い分けしてるんですか?」
姉「えーと……いいえ、していませんわ」
弟「嘘ですね?」
姉「そうですわ」
弟「本当の事を言ってください」
姉「その……母様から一般社会に溶け込むためにはまず口調を丁寧語か普通のフランク?な言葉遣いに直した方がいいと言われまして、訓練しているのです」
弟「……あんまり順調じゃないみたいですね訓練」
29: 2011/04/12(火) 12:24:58.00 ID:vg6BDJLN0
姉「こ、これでも努力していますのよ!?」
弟「今の場合「これでも努力してるんですよ?」でいいと思いますよ」
姉「ぅ……そうです、わね」
弟「「そうですね」です」
姉「ぁ……わ、私をいじめて楽しいのですか!?」
弟「「楽しいんですか?」の方がいいと思います」
姉「……」
弟「面白いですね」
姉「不愉快です!」
弟「今のはOKです」
姉「あ……そ、そうですの?」
弟「今のはダメですね」
弟「イジけないでこっち向いてください」
32: 2011/04/12(火) 12:30:40.21 ID:vg6BDJLN0
弟「というか俺と初対面してしばらくは普通の丁寧口調&上からのフランクな口調でしたよね」
姉「あ、あれは……その」
弟「あれでいいんですよ?」
姉「……あれは、あなたと会ってからの流れを色々頭の中でシミュレーションしてたので……出来たものであって」 もじもじ
弟「もしかして意外と頑張ってます?」
姉「当然ですわ!あと緊張もしてましたので、その、自分の弟になる方との初対面なんですのよ?」
弟「まぁ緊張しますよね」
姉「その割にはあなたは全然緊張してない様に見えましたけど」
弟「不審者だと思って別の意味で緊張してましたよ」
姉「失礼な方ですわね」
弟「はぁ……えーとですね」
姉「何ですか」
弟「家ではあなたの話しやすい言葉遣いでいいです」
姉「え?」
弟「基本お嬢様言葉で徐々に丁寧語やフランクな口調に移行していきましょう。俺はそれでいいと思います、ね?」
35: 2011/04/12(火) 12:42:53.67 ID:vg6BDJLN0
姉「それで、大丈夫だと思いますか?」
弟「思います」
姉「……じゃ、じゃあそうさせて戴きますわ。で、出来るだけフランクな口調も頑張りますわよ!」
弟「じゃあ、次に呼び名の事ですけど」
姉「私の事はお姉ちゃんとお呼びなさい!」
弟「嫌です」
姉「な、何故?」
弟「何となく」
姉「で、ではどうすれば…」
弟「うーん……姉さん(ねーさん)でどうです?」
姉「うむむ」
弟「言っときますけど俺だって違和感バリバリなんですよ?」
姉「バリバリとは?」
弟「ずごいって事です。姉さん」
姉「じゃあ……えっと、許可しましょう。ええ、許可しますわ」
37: 2011/04/12(火) 12:52:10.40 ID:vg6BDJLN0
弟「じゃあ次に姉さんの俺の呼び方ですけど」
姉「なんて呼んで欲しいんですの?」
弟「別に呼び捨てでいいですよ?弟だし」
姉「じゃあ……弟よ!」
弟「はい」
姉「……あなたでもよろしくって?」
弟「まぁそっちの方が良さげですね」
姉「じゃあ、あなた!」
弟「はい」
姉「しっくり来ると言いますか、弟と呼び捨てにするのも私は結構好きになれそうですわ」
弟「ま、適当にしてくださいそこらへんは。どうせ二人暮らしだし「おい」とか「ねぇ」とかでも俺は反応しますから」
姉「呼び鈴を鳴らすのはいいんですの?」
弟「こんな狭い部屋でわざわざチリンチリンさせないで欲しいですね出来れば。声かけてくれれば反応しますって話ですよ」
姉「そうですか……そうですわね。確かにここでは必要ありませんわね」
弟(今絶対もといた場所と比べやがった)
38: 2011/04/12(火) 13:03:05.44 ID:vg6BDJLN0
姉「じゃあ声をかける事にしますわ、いいですわね?」
弟「いいです」
prrr prrr
弟「あ、電話」
姉「早くとってあげなさい」
弟「分かってますって。はいもしもしー?」
弟「おー!おっすおっす、どした?ああ?あーそういや宿題あったな。あはは、忘れてたわ。明日やる予定ー
はぁ?お前こないだも教えてやっただろうが、今度はてめぇでやれてめぇで、いつまでも俺頼ってんじゃねぇよ。
……はぁ…じゃあまぁ明後日学校でノート見せてやっから。いやお前喜びすぎだろ何そのテンションの変わり様…
へいへい。分かった分かった、ただし努力した後がお前のノートに垣間見られなかったら見せねぇからな!じゃあな!」
姉「……」
弟「友達からでした、宿題教えてって。自分でやれって言ってやりましたよあはは」
姉「あ、あの……」
弟「はい?」
姉「もしかして、さっきのがあなたの素の口調というものだったのかしら?」
40: 2011/04/12(火) 13:08:29.73 ID:vg6BDJLN0
弟「素……ああまぁ、同年代の友達と話す時はだいたいこんな感じです。というか俺の親父と話してる時もこんな感じでしたよ?」
姉(そういえば…そうでしたわね……)
弟「それがどうかしたんですか?」
姉「……」 じぃぃ
弟「……?」
姉「弟!」
弟「なんですか大きい声出して」
姉「私とあなたは家族になったんですわよね!?」
弟「みたいですね」
姉「なら、あなたは私に対して普段の口調を使うべきだと思いますわ!」
弟「……ふむ」
姉「私はこの口調が今もっとも話しやすい口調、いわゆる素ですわ!訓練中なので時々変な事になりますけれど今のところこれが私の素の口調と言ってもいいでしょう。
私は素の口調で弟と会話していますわ!ですから弟!あなたも私に対しては普段話している口調、友達や家族に対する口調でいいんですのよ?」
弟「うーん……姉さん」
姉「な、なんですの…」
42: 2011/04/12(火) 13:16:07.71 ID:vg6BDJLN0
弟「ホントにいいの?」
姉「! も、勿論ですわ!ええっ!いいですとも!」
弟「じゃあ……そうすっかな。いやぁ……実は確かにちょっと疲れてたとこだったんだよな」
姉「そうでしょうね、自分の普段の口調からずっと丁寧語で喋っていたのですから。すぐに気付いて差し上げられず、申し訳ありませんでしたわ」
弟「まぁずっと丁寧語とかさ、外で目上の人と話す時は普通にやってっからいいんだけどな。家でずっと丁寧語ってのが違和感バリバリで」
姉「バリバリって表現が好きですわねあなた」
弟「そうか?」
姉「そうですわよ」
弟「で……」
姉「なんですの?」
弟「こんな感じなんだけど、いい?姉さん」
姉「問題ないですわ」
弟「じゃ、こんな感じで行こうか」
姉「そうですわね。さてと、それではそろそろお風呂の用意をして戴けると嬉しいのですけれど」
44: 2011/04/12(火) 13:27:01.53 ID:vg6BDJLN0
弟「は?風呂?」
姉「そろそろ夕方の6時になります。私はいつもこの時間にお風呂を頂くんですが」
弟「先にメシ食ってからだろ風呂は」
姉「メシ?夕食の後にお風呂ですか、あなたはいつもそうしているのですか?」
弟「だな。メシ食って風呂入って寝る」
姉「ふむ……」
弟「どうしても入りたいなら先に湯入れようか?」
姉「いえ!いいですわ。郷に入らば郷に従えと言いますし、私があなたの生活バターンに合わせるという方が筋だと思います」
弟「じゃ、メシだけど、とりあえず今日は俺が作るから、ちょっとずつ覚えていってね色々」
姉「任せておきなさい!こう見えて結構覚えは早い方ですのよ?」
弟「こう見えてってかまぁ普通に賢そうだと思うよ」
姉「え?……あ、ありがとう」
弟「なんでお礼言ってんの」
姉「賢そうとか言われた事、今までなかったものですから……ふふっ」
弟「あっそう。(変な奴だな) ま、そこに座ってテレビでも見てて。ぱぱっとやるから」
46: 2011/04/12(火) 13:37:01.91 ID:vg6BDJLN0
弟「ふぁぁ…」 ジュゥー
姉「……手際がいいですわね」
弟「毎日やってからな」
姉「今日の献立はなんですの?」
弟「レバニラ炒め、ごはん、味噌汁」
姉「今作っているのが」
弟「レバニラ炒め。そっちで水沸騰させてるのが味噌汁になる予定」
姉「あなた本当に料理出来るんですのね」
弟「信じてなかったんかい」
姉「ち、違いますわ!信じてましたけれど実際目にしてやはり…という意味ですわ!」
弟「ああ、そういうことね」
姉「弟を信じない姉がどこにいるんですの!」
弟「何それ、嬉しいこと言ってくれるね。まだ弟の実感ないけど」
姉「ふふふっ……姉として!当然の事を!言ったまで!ですわ!」 エッヘン
弟「いや褒められたからって胸張らなくていいから」
49: 2011/04/12(火) 13:46:04.00 ID:vg6BDJLN0
姉「出来ましたの?」
弟「おまたせー」
姉「いい匂い……あなたすごいですわね」
弟「さて食べよう。頂きます」
姉「い、頂きます」
弟「どう?」
姉「これは……」
弟「なんだよ」
姉「とっても美味しいですわ」
弟「あんたかわいいな」
姉「ブッ……何を突然変なことを言い出すんですの!」
弟「ご飯粒飛ばすなよお嬢様」
姉「しょ、食事中にかわいいとか言ったりするのは世間一般の常識とでも言うつもりなのですかあなたは!」
弟「いや、それはないと思うぞ」
姉「じゃあ可愛いとか言わないで下さい!」
50: 2011/04/12(火) 13:50:19.35 ID:vg6BDJLN0
弟「別に怒らんでもいいと思うけど」
姉「う…ぅーとにかく!私は別にかわいいと言われたいが為に料理の感想を言ったんじゃないと言うことですわ!」
弟「別に料理の感想言ったからじゃなくて美味しそうにしてくれてる姉さんの顔が可愛かったから言っただけなんだが」
姉「……あ、あなた…」
弟「なんだよ」 パクパク
姉「あのですね弟!」
弟「!?」
姉「私はこの世に生を受けて今日まで!あまり男の方とお話した事がないんですのよ!?」
弟「え?学校とかは?」
姉「全部女子高ですわ!」
弟「すげぇなそれは」
姉「で、ですから……耐性が!免疫がないのです!男の方に対しての」
弟「だから?」
姉「かわいいとか言わないでください!ビックリしますわ!ホントに!」
弟「かわいいなおい」
52: 2011/04/12(火) 13:53:32.99 ID:vg6BDJLN0
姉「やめなさい!!」
弟「かわいいなおい」
姉「怒りますよ弟!」
弟「怒った顔がまたキュートだなおい」
姉「やめなさい!」 ポカッ
弟「痛くないパンチかわいいなおい」
姉「……」
弟「ごめんイジると面白くてつい」
姉「あなたは本当にひどい方ですわね」
弟「……」
姉「……な、なんですの…」
弟「……レバニラ炒めまだあるけどいる?」
姉「いりますわ!!」
弟「太るぞ」
姉「な……!」
53: 2011/04/12(火) 13:57:40.11 ID:vg6BDJLN0
姉「……あなた、それは女性に一番言ってはいけないワードベスト5に入る言葉ですわよ」
弟「残りの4つは?」
姉「あなたに教えると嬉々として言いそうなので教えませんわ」
弟「どうせ知らないんだろ?」
姉「……」
弟「とりあえず今のところ自分の中でベスト1の言葉言われたけどなんとなく幅を持たせたくてベスト5に入るって言ったんだろ?」
姉「あなた……エスパーですの?」
弟「図星かよ」
姉「違いますわよ!」
弟「で、レバニラ炒めいる?」
姉「……い、いりませんわ」
弟「ほんとうに?」
姉「ええ、本当に」
弟「そうか。じゃあ俺が食べるわ」
姉「!」
54: 2011/04/12(火) 14:02:10.36 ID:vg6BDJLN0
弟「……皿に移してっと…」
姉「……」
弟「……」 パク
姉「……ぅー」
弟「なに?姉さん」
姉「何でもありませんわ!」
弟「そう」 パクパク
姉「……」
弟「……欲しいの?」
姉「いりませんわ!」
弟「そう」 パクパクパク
姉「……くぅぅ」
弟「姉さんって面白いな」
姉「あなたってイジワルですわね」
58: 2011/04/12(火) 14:11:47.38 ID:vg6BDJLN0
弟「御馳走さま」
姉「御馳走様でしたわ」
弟「姉さん」
姉「……何ですの」
弟「レバニラ炒め、実はまだあるんだよね。パックに移した奴が」
姉「!」
弟「でも、明日の朝飯にしようと思うんだわ、いい?」
姉「勿論ですわ!」
弟「また元気でたな」
姉「冷静に考えてみると、まぁ確かに腹八分目という言葉通り、食べ過ぎは良くないですものね。
あなたの作った料理は本当に美味しかったので、ついつい食べ過ぎる所でした、ええ。これで良かったのです。
そして明日の朝も同じものが頂けるんですから。もう文句はないですわ!」
弟「姉さん」
姉「何ですの?」
弟「俺、自分の作った料理をおやじ以外の人に初めて食べてもらったんだ。その反応はとっても嬉しい、なんか、ありがとう」
59: 2011/04/12(火) 14:17:31.24 ID:vg6BDJLN0
姉「……」
弟「ん?何?」
姉「い、いえ……別にその」
弟「……ありがとう、姉さん」
姉「い、いいんですのよ別に。私は感想を述べたまでですから……えっと、えっとですね……」
弟「姉さん」
姉「は、はい!何ですの!」
弟「かわいいね」
姉「やめなさいと言っているでしょう!!」
弟(この人マジおもしれー)
姉(な、何なんですの……男の人と食事をするのって……疲れますわ……何なんですの…)
弟「じゃ、風呂の湯入れてくるわ」
65: 2011/04/12(火) 14:33:40.07 ID:vg6BDJLN0
20分後
弟「お湯入ったぞ」
姉「何と無く申し上げにくいんですが」
弟「なに?」
姉「狭いんですのね」
弟「一人暮らし用のアパートの風呂なんてどこもこんなもんだろ」
姉「そうなんですの……」
弟「えっと、もといた場所のお風呂のサイズは?」
姉「……ここの6倍はありますわね」
弟「でかっ」
姉「こ、ここが狭いんだと思うんですけれど……ごめんなさい。別に嫌というわけではありませんの。私狭いところが結構好きだったりしますのよ…本当ですのよ?」
弟「別に気使わなくてもお風呂の広さはどうにもならないし、ここで暮らすなら慣れてくれ」
姉「も、もう慣れてますわ!」
弟「そりゃよかった。じゃ、どっちが先に入る?やっぱ姉さん?」
67: 2011/04/12(火) 14:44:00.67 ID:vg6BDJLN0
姉「どっちが?」
弟「うん、風呂に入る順番。先か後かどっちがいい?」
姉「弟」
弟「なんだ?」
姉「私たちは姉弟になったのですよ?家族となったのですよ!」
弟「?」
姉「……だ、だから!裸の付き合いをしなければならないのでしょう!?」
弟「はぁ!?」
姉「わ、わわ私だってとってもとっても恥ずかしいですが!お互いタオルを付ければ問題はありません!オールクリアーです!」
弟「ちょっとテンパりすぎだろ姉さん」
姉「テンパるとはどういう意味かよく分かりませんが何か馬鹿にされた様な印象を受けましたわ!失礼ですよ!」
弟「マジで言ってるの?」
姉「大マジです!」
弟「(どうしたもんか……あ、そうだ) で、でも風呂場狭いしさ。一度に二人は無理だろ」
姉「!……う、うーん……そうですわね……」
80: 2011/04/12(火) 16:02:16.31 ID:vg6BDJLN0
弟「だろ?(よし、何とかなった)」
姉「……いいえ!大丈夫ですわ!」
弟「え」
姉「私が頭や体を洗っている時にあなたが湯船に浸かり、あなたが頭や体を洗っている時に私が湯船に浸かります!……これなら完璧ですわ!そうでしょう!?」
弟(ど……どや顔……だと……)
姉「弟!何とか言ったらどうなのですか!あなたのお姉ちゃんが今名案を思い付いた所なのですよ!」
弟「お姉ちゃんは、馬鹿だなぁ」
姉「!?お、お姉ちゃんと言ってくれたのは嬉しいのですが馬鹿とはどういう事ですの!?」
弟「……腹くくるか」 ぼそっ
姉「文句があるなら何か他の譲歩案を提示するべきですわ!私が納得するものを!」
弟「いいよ」
姉「何がいいですか!……え?」
弟「……一緒に、入ろうか。姉さん。姉弟だもんな(普通の姉弟でももうこの年齢だとしないと思うけど)。」
姉「!……それでこそ我が弟ですわ!さぁ入りましょう!!」
弟(どうすっべマジで…)
81: 2011/04/12(火) 16:09:36.71 ID:vg6BDJLN0
脱衣所
姉「こ、ここも狭いですわね」
弟「そりゃ一人が着脱するスペースしかないだろ」
姉「ど、どっちが先に……脱ぎますの?」
弟「……じゃあ俺先でいい?」
姉「しょ、しょうがないですわね……許可しますわ」
弟「あ」
姉「なんですの?」
弟「これさ、俺が先に頭と体洗うとするだろ。そしたら姉さんもう脱いだらすぐに湯船に浸かる事になるんだよな?」
姉「? まぁ、そうなりますわね」
弟「……姉さん、体ばっちくない?先に前だけでも流しておいた方が……」
姉「……」
弟「……」
姉「……」
弟「……顔、りんごみたいになってるけd(姉「黙りなさい」
82: 2011/04/12(火) 16:23:38.13 ID:vg6BDJLN0
姉「ま、まだ開けてはだめです!いいですね!」
弟「はいはい」
姉「……(よく考えたら……これはものすごく恥ずかしい事では……で、でも家族となった者に対して恥じるのは間違ってますわ!絶対間違ってます!)」 シュル
姉(そうですわ……これは家族との交流!母様とも一緒に入った事だってありますし!全然大丈夫ですわ) シュルシュル
姉「(それに……そう!タオル!このタオルを巻けば余裕ですわ。大丈夫……私の体を覆い隠すこのタオルなら!)
弟「姉さん、まだ?」
姉「ちょちょ、ちょっと待ってください、出来ましたわ!い、今から先に入り!……あ、洗って湯船に入りますから!」 バタンッ
弟「……いろいろ大丈夫か?」
姉「大丈夫ですわ!」
弟「じゃあ俺、脱衣所入るからな?」
姉「ええ!構いません!」
弟「……」
姉「……」 バシャァ
弟「……」 シュルッ
姉「……あ、洗いましたから…湯船に入りますわね」
83: 2011/04/12(火) 16:28:31.72 ID:vg6BDJLN0
弟「……じゃ、じゃあ……入るぞ?」
姉「ど、どんと来いですわ……」
弟「あの、姉さん?」
姉「何ですの?」
弟「……俺に背向けて湯船に入っててね?」
姉「わ、分かってますわ!」
弟「本当に?」
姉「ええ!今指摘されたから背を向けるんではなく!もともとそのつもりでしたもの!お姉ちゃんを疑うんですか!?」 バシャァ
弟「いや別に」
ガチャッ
バタン
姉「………………」
弟「………………」
85: 2011/04/12(火) 16:35:29.41 ID:vg6BDJLN0
弟「………あー」
姉「……………」
弟「じゃ、頭と体、洗うから……」
姉「……」
バシャァ
姉「!?ちょ、ちょっと!?」
弟「あ……ごめん。いつも湯船からお湯掬って洗うから……シャワー使うわ」
姉「い、いえ!そういう事なら……いつもと同じ様にすればいいと思います……わ」
弟「……」
バシャァ
姉「ひゃぁ!!」
弟「あ、すまん!当たった?今シャンプーで目閉じてるから」
姉「ふ、ふふん……大丈夫ですわ……湯を掬う道具が触れただけで……直接ではないので大丈夫ですわ!そうですとも!」
弟(見えないけど多分テンパりまくってんだろうな……しかしこの人アホの子なのかね……うーむ……問題は次だ……) バシャァ
86: 2011/04/12(火) 16:42:48.98 ID:vg6BDJLN0
弟「……洗ったけど」
姉「で、では次は私ですわね」
弟「……えーと」
姉「私がまず出ます!そしてあなたはそれと入れ違いに湯船へ。い、いいですね?」
弟「了解だけど……」
姉「……何ですか」
弟「……目、開けてもいい?」
姉「え」
弟「今ずっと目閉じてるんだけど、開けてもいいかって聞いてるんだけど」
姉「そ、それは……当然いいに決まってるでしょう…」
弟「声が小さくなりましたね」
姉「……か、家族なのですから!体を見られる事ぐらいどうって事ないですわ!!」
弟「……」
パチッ
87: 2011/04/12(火) 16:53:39.81 ID:vg6BDJLN0
姉「…………な、なんですの!」
弟「………」
姉「だ、黙って凝視するのは失礼だと思います!!」
弟「心からありーがとー♪」
姉「はい?」
弟「welcome! よ・う・こ・そ日本へ~♪」
姉「私は日本人ですわ!」
弟「君が今ここに、いること~♪とびき~りの、運命に~♪ 心、から~あり~がとう~♪」
姉「……そ、それ知ってますわ!そのシャンプーのCMは私も好きです……な、なんでその曲を今歌うんですか!」
弟「いや、……眼福感謝の意を込めまして」
姉「意味が分かりません!早く入れ替わりなさい!」 バシャ
弟「ごめんごめん」 バシャッ
ピトッ
姉「ひっ!」
弟「あ……」
89: 2011/04/12(火) 16:59:13.20 ID:vg6BDJLN0
姉「……」
弟「……ごめん」 バシャッ
姉「な、何で謝るんですの?……別に何も悪い事はしてませんわ」
弟「いや、テンパって変な歌歌ってごめん」
姉「そっちですか!?」
弟「え?どっちだと思ったの?」
姉「え……で、ですからそれは……」
弟「姉さんって、柔らかいね」
姉「んなっ……!?」
弟「というかタオル巻いたまま体洗えないでしょ。どうするの?」
姉「………」
弟「姉さん?」
姉「………ええ!そうですわね!もういいですわ!弟!私のタオルを頼みますわね」
弟「へ?」
姉「……えい」
91: 2011/04/12(火) 17:16:33.08 ID:vg6BDJLN0
弟「えい?……お……は!?」
姉「い、今から私は体を洗いますが……あなたは私の弟です!姉の姿を見るな!なんて命令をする姉なんでいないでしょう!
つまりはそういう事です!」
弟(どういう事だよ!?……さ、誘ってんのか……いや違うわ……多分思考回路ショートしてんだこれ……)
姉「……」 ゴシゴシ
弟(……アニメとかだと湯気が出てるもんだけど……ないな、湯気)
姉「……」 ゴシ ゴシ
弟(……肌白すぎだろ……なんだよこれ……)
姉「…………」
弟「…………リンゴみたいですね」
姉「黙りなさい」
弟「おっOい大きいですね」
姉「………今……何か変な言葉が聞こえた気がしましたわ。まぁ空耳ですわよね……きっと……きっとそうですわ……そうですとも」
弟「………殺気を感じるので、後ろを向いていますね (いかん……勃ってしまった……)」
姉「い、今から私は体を洗いますが……あなたは私の弟です!姉の姿を見るな!なんて命令をする姉なんでいないでしょう!
つまりはそういう事です!」
弟(どういう事だよ!?……さ、誘ってんのか……いや違うわ……多分思考回路ショートしてんだこれ……)
姉「……」 ゴシゴシ
弟(……アニメとかだと湯気が出てるもんだけど……ないな、湯気)
姉「……」 ゴシ ゴシ
弟(……肌白すぎだろ……なんだよこれ……)
姉「…………」
弟「…………リンゴみたいですね」
姉「黙りなさい」
弟「おっOい大きいですね」
姉「………今……何か変な言葉が聞こえた気がしましたわ。まぁ空耳ですわよね……きっと……きっとそうですわ……そうですとも」
弟「………殺気を感じるので、後ろを向いていますね (いかん……勃ってしまった……)」
93: 2011/04/12(火) 17:27:21.27 ID:vg6BDJLN0
姉「あ、洗い終わりましたわ」
弟「そいつぁよかった」
姉「……ど、どうしますか?」
弟「俺、出るんで。姉さんは湯船にもう少し浸かってあったまって下さい」
姉「何で丁寧語になってるんですの」
弟「色々多感なお年頃の男に女性の裸を生で見せるとこうなるという例です」
姉「え?」
弟「出ますね」 バタン
姉「……」
姉「……よく分からないけれど……怒らせてしまったのかしら……?」 チャプ
弟「……」 prrr prrr pi
『はいもしもしー?弟君?どうしたの?』
弟「お母さん、って呼んだ方がいいですか?」
『うーん……好きにして♪それで、なぁに?』
96: 2011/04/12(火) 17:36:04.57 ID:vg6BDJLN0
弟「はい、単刀直入に言います、時間ないんで」
『はいはい』
弟「姉さんに性の知識はありますか?」
『コウノトリが子供を運んでくると思ってるレベルかもしれないわね。そこらへんは脱したとの噂もありよ!』
弟「…………」
『なんてね、嘘嘘』
弟「え?」
『多分必要最低限の知識は持ってるはずよ。メイドに教えといてって伝えたし』
弟「彼女に、男性に自分の裸を見せるとどうなるかとか、というシミュレーションが出来ると思いますか?」
『あーそれは無理かもね。どうやったら赤ちゃんが出来るのかを口頭で説明できるだろうけどどうなったら【そう】なるのかは知らないと思うわ』
弟「……天然記念物ですね」
『ごめんねぇ?まぁそこらへんは私の方から近いうちに教えるから。流石にね、あはは』
弟「マジでお願いします」
『用事はそれだけ?じゃあ切るわね。……がんばってね? 初y(弟「おやすみなさい」 pi
弟(…………なるほど、ね)
99: 2011/04/12(火) 17:52:27.53 ID:vg6BDJLN0
ガチャッ
弟「あ。出た?」
姉「ええ……いいお湯でしたわ」
弟「あ、そう」
姉「……あ、あの」
弟「寝床だけどさ。お客様用の布団出したから、ここに寝てくれ」
姉「……」
弟「どうした?」
姉「い、いえ……」
弟「……えーと。あ、うん……そのパジャマ」
姉「え?」
弟「似合ってるな」
姉「……あ、ありがとう」
弟(なんだ?逆上せたのか?…)
姉「……」
100: 2011/04/12(火) 17:55:39.79 ID:vg6BDJLN0
弟「じゃあ、電気消すわ」
姉「はい」
パチッ
弟「えーと、おやすみ」
姉「ええ」
弟「…………」
姉「…………」
10分後
姉「………弟、起きてますか?」
弟「寝てます」
姉「そ、そうですか……」
弟「………」
姉「………って、起きてますわよね?あなた」
弟「起きてますね」
101: 2011/04/12(火) 18:01:16.86 ID:vg6BDJLN0
姉「何ですのよ一体……」
弟「それで、どうしたの?床が堅くて寝れないとか?」
姉「いえ、そうではありませんわ。このお布団はふかふかでとても気持ちがいいです」
弟「そいつぁよかった」
姉「ええ。よかったですわ」
弟「……」
姉「……」
弟「……で、なに?」
姉「あ…えっと……」
弟「?」
姉「あの……あなた、さっき怒ってらした様にお見受けしたんですけれど、違ったかしら?」
弟「さっき?」
姉「だ、だから!その……お風呂であなたが出て行く時……」
弟「……ん?」
姉「お、怒ってらしたのでしょう?」
106: 2011/04/12(火) 18:10:46.06 ID:vg6BDJLN0
弟「別に怒ってないよ?」
姉「で、でも」
弟「なんで怒ってるって思ったの?」
姉「……」
弟「?」
姉「私は……その、男の方の気持ちが、よく分からなくて」
弟「でしょうね」
姉「ぐ……そ、それで……あの、私の体を見て……あなたが気分を害したといいますか
……私のお風呂場での行動で、あなたの気に障る何かを行ってしまったのかと……その……」
弟「……」
姉「で、ですから……その、一緒にこれから生活するのですし。こういう事は早めに原因究明を行い対処していくべきだと……あの、つまり……」
弟「……」
姉「あ、謝りたいのです。あなたに、何か不手際をしてしまった様で……そ、その……実は私あの、この歳でまだ今までいた家では、メイドにお風呂の世話をしてもらっていて」
弟「!?」
姉「だ。だから……あの、体も頭も自分であまり洗ったことがなくて……あの……」
107: 2011/04/12(火) 18:16:50.83 ID:vg6BDJLN0
弟「……」
姉「……一般の方が自分で頭や体を洗うやり方と、先ほどの私の洗い方が同じかどうか……分からないのです……」
弟「それで?」
姉「そ、それで……あなたは、私のその、洗っている所をよく見てらしたでしょう?」
弟(バレてたああああああ!!!!……ってまぁりんごやらおっOいやら言ったなそういえば)
姉「だから、その……」
弟「!……俺が姉さんの洗い方とかしぐさがなってないとか思って機嫌が悪くなり、姉さんに冷たい態度になってしまったのではないか、と……」
姉「そ、そうなのでしょう?」
弟「はぁ~~……」
姉「……あ、あの……」
弟「恥ずかしかっただけだよ」
姉「え?」
弟「姉さんがあまりにも肌が白くてスタイルが良くて、それを見ちゃって恥ずかしくなっちゃったから。さっさと退散したくなっただけだよ」
姉「……え?」
110: 2011/04/12(火) 18:26:26.42 ID:vg6BDJLN0
弟「姉さん」
姉「……はい」
弟「俺は怒ってない」
姉「本当なのですね?」
弟「というかね、頭や体の洗い方なんて手とかタオルにシャンプーやボディソープつけてワシャワシャゴシゴシやりゃいいだけでしょうが」
姉「で、ですわよね。だから私、一体どこを間違えたのかと……」
弟「だから間違えてないって」
姉「……私」
弟「……」
姉「もしかして、勘違いをてしまった……?」
弟「すごい奴をね。なんでそんな勘違いに至る発想が出来るのか中々興味深いよ俺は」
姉「弟……今馬鹿にしましたね?」
弟「そうだね」
姉「怒りますよ?」
弟「怒っていいよ」
113: 2011/04/12(火) 18:30:08.52 ID:vg6BDJLN0
姉「え?」
弟「……」
姉「その……ばか!」
弟「ははははっ」
姉「何で笑うんですの!?」
弟「いや、可愛いなと思って」
姉「そ、その4文字は禁句とします!私に向けて発する事を禁止します!これはお姉ちゃん命令第1号ですわ!いいですわね!?」
弟「禁止されちゃったよ」
姉「……もぅ…」
弟「姉さん」
姉「え?あ、はい」
弟「はっきり言っていい?
姉「何ですの、改まって」
弟「あのな。姉さんは、世間知らずだと思う」
姉「!」
115: 2011/04/12(火) 18:37:58.03 ID:vg6BDJLN0
弟「家事とか何にもできない。お風呂もメイドさんに手伝ってもらってた程の温室育ちのお嬢様なんだろ?」
姉「だ、だから……なんですの!」
弟「怒るなよ。最後まで聞いてくれ」
姉「……(この人は……この人も……やはり結局は……私の事をそうやって……)」
弟「でさ」
姉「なんですの」
弟「俺達は姉弟って関係になったわけだろ」
姉「だからなんなんですの!要点を簡潔に述べなさい!」
弟「これから、俺は姉さんにいろいろ一般常識を教えようと思う」
姉「やっぱりあなたもそうなのですね!それで私を世間知らずと笑って終わると…………え?」
弟「だから、教えようと思う」
姉「……」
弟「最後まで聞く気になった?」
姉「え、ええ」
118: 2011/04/12(火) 18:43:00.02 ID:vg6BDJLN0
弟「もう一度要点だけを言うと、姉さんはあまりにも世間知らず過ぎると思う」
姉「そ、それはさっきも聞きましたわ」
弟「だから、俺が姉さんに一般常識を教えようと思う」
姉「そ、それはいまさっき聞きましたわ」
弟「正直、さっきの口ぶりからして、姉さんはコンプレックス持ってるでしょ」
姉「……否定はしませんわ。確かに私は一般の人の仰る「世間知らず」グループというものにカテゴライズされる人間なのだろうという事への自覚は……ありますわ」
弟「うん、で。俺は姉さんをずっとそのカテゴリーに入れておきたくはないんだ」
姉「私だって……好きでここにいるわけではありませんわ」
弟「そういう環境で育ってきたんだろうしな、でも。もう違う」
姉「……ええ」
弟「だから、姉さんも適応しなくちゃいけない」
姉「そうです」
弟「俺は、その手助けをする」
姉「あなた……」
弟「姉さんは……そうだな、なんて言ったらいいか、性格いいよね」
119: 2011/04/12(火) 18:48:24.07 ID:vg6BDJLN0
姉「いきなりの話の飛躍についていけません……」
弟「自分に非があると思ったらさっきみたいにすぐに謝ろうとしてきたでしょ? 性格いい人っていうか……素直な人。そうだな、性格が素直な人だな。姉さんは」
姉「……」
弟「言っとくけど褒めてるんだからな」
姉「わ、分かってますわよ」
弟「で、そんな性格が素直な姉さんは。俺が教える事をすぐに吸収できると俺は思ってる」
姉「……」
弟「だから、これから一緒に生活しながら姉さんに一般常識ってのを教えようと思う」
姉「……」
弟「最初会った時は、変なお嬢様キャラの変人が乱入してきたって思ったんだけどさ」
姉「な!?」
弟「でも、今は違う。素敵な性格の人が俺の姉になってくれたらしいって事が、嬉しい」
姉「!」
弟「言ってて恥ずかしくなるけどまぁ何と言うか……俺は、姉さんのその素直で奇麗な性格、好きだし」
姉「………」
121: 2011/04/12(火) 18:54:11.33 ID:vg6BDJLN0
弟「だから、まぁなんて言うか。これから先、分からない事はどんなに些細な事でも、俺に素直に聞いてくれると。俺は嬉しい」
姉「……」
弟「あ、えーと。馬鹿にされるんじゃないかとか思わなくていいから、まぁ馬鹿にする事もあるかもしれないけどちゃんと姉さんが理解できるまで教える」
姉「……」
弟「ま、まぁあれだ。一般常識ってもんは一回やればすく覚えるもんだからね、あんま気負う事はないと思う……姉さん」
ヒッゥ……ヒック……エ……ヒック
弟「え!?ちょ、ちょっと姉さん」
姉「……わ、私……は……」
弟「姉さん?」
姉「い、今まで……学校で……他の人から……世間知らずって……陰口……を……」
弟「……」
姉「で、でも……調べてみても……分からない事とか……実際にやってみないと…分からない事とか……する機会がなくて分からないまま……だったり……して……」
弟「……」
姉「く、悔しいから……分かった気になって……虚勢を張ってたりも……した事……が…あって」
124: 2011/04/12(火) 18:58:20.52 ID:vg6BDJLN0
弟「……」
姉「それで……空回りして……また、分かった気になって実行した事が……間違ってたり、してたみたいで……笑われ……て……」
弟「……」
姉「わ、私……もう……笑われたくない……」
弟「……」
姉「笑われたく……ないぃ……から……」
弟「大丈夫」
姉「!」
弟「これからは、大丈夫。 学校でそういう事があっても、俺に言ってくれれば教えるし。俺が分からなかったら俺も情報収集手伝う」
姉「……」
弟「……だから、もう大丈夫」
ヒック……
弟「手出してくれ姉さん」
姉「……え」
128: 2011/04/12(火) 19:02:12.67 ID:vg6BDJLN0
弟「指きり」
姉「あ……」
弟「これから俺はずっと弟として、姉さんの補佐してやるよ。約束な」
姉「……ぅぅー」
弟「はい指きった」
姉「……」
ギュゥゥ
弟「え!あ!?ちょ、ちょっと待った!タンマ!」
姉「ウェェ……」
弟「……ね、寝ようぜ?」
姉「ヒック………弟……」
弟「な、なに?」
姉「……ありがと」
弟「お、それかわいいね。フランクで」
ポカポカポカポカ
130: 2011/04/12(火) 19:06:01.61 ID:vg6BDJLN0
朝
弟(猫にかわいいって言ったら爪でひっかかれる夢ってどういう事だよ……)
弟 ムクッ
姉「おはようございます弟」
弟「うぉぉ!?」 ビクッ
姉「? どうしました? 朝の挨拶ですわよ」
弟「いや顔近っ!え?てか俺のベッド!」
姉「……やはり、床がちょっと。硬かったのです」
弟「あ……そう……」
姉「そうですわ」
弟「……なんで顔りんごになってんの?」
姉「黙りなさい」
弟「はい……あれ?そういえば俺昨日……(どうやって寝たっけ……)」
姉「あ、あの!弟!」
131: 2011/04/12(火) 19:10:16.22 ID:vg6BDJLN0
弟「な、なに」
姉「こ、これからその……色々至らない点があるかとは思いますが……その」
弟「どうした」
姉「よ、よろしくお願いしますわ!」 ビシィ
弟「……よろしく」
姉「ふふっ」
弟「とりあえず、朝飯作るか」
姉「レバニラ炒めですわね!」
弟「そうだな、とりあえず姉さん。チンしてくれ……」
姉「チンとは何ですか?」
弟「電子レンジで温めてくれって事」
姉「……どうやって?」
弟「……ほんと、世間知らずな事で」
姉「で、でも!あなたが教えてくれるから……大丈夫です!……そうでしょう?」 ギュッ
弟「(!?) ま……まぁそういう事だな。………よーし…………とにかく、朝飯作ろう!」
132: 2011/04/12(火) 19:10:46.83 ID:vg6BDJLN0
おわりです。 乙でした。
137: 2011/04/12(火) 19:12:17.60
乙!超乙!
引用元: 姉「何をしているのですかあなたは」
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