1:2020/03/01(日) 18:40:35.290 ID:Nvpasobm0.net
アンパンマンは抵抗をしなかった
彼の手に冷たい手錠がかかる
アンパンマンにはそれが一生のように感じた
自分の役目が終わった絶望感と無気力さで
力が出なかった
彼の手に冷たい手錠がかかる
アンパンマンにはそれが一生のように感じた
自分の役目が終わった絶望感と無気力さで
力が出なかった
3:2020/03/01(日) 18:44:28.812 ID:Nvpasobm0.net
それからアンパンマンはぼんやりと過ごした
工場を焼かれた彼は平常でいる事すら
できなかった。睡眠もろくに取れず
みるみるうちに汚らしくなっていった
そして数ヶ月が流れた。
看守が寝静まり音が消えたある夜
鉄格子からアンパンが投げ込まれた
アンパンマンにアンパンとはバカにしている。アンパンがアンパンを食べるはずがない。怒りに震えた彼はパンを二つに割った
するとあんこのかわりに手紙が入っていた。
「大丈夫ですか。私達はアンパンマンを待っています。お願いします。脱獄してください。アンパンマンクラブより」
アンパンマンは勇気が湧いてきた
工場を焼かれた彼は平常でいる事すら
できなかった。睡眠もろくに取れず
みるみるうちに汚らしくなっていった
そして数ヶ月が流れた。
看守が寝静まり音が消えたある夜
鉄格子からアンパンが投げ込まれた
アンパンマンにアンパンとはバカにしている。アンパンがアンパンを食べるはずがない。怒りに震えた彼はパンを二つに割った
するとあんこのかわりに手紙が入っていた。
「大丈夫ですか。私達はアンパンマンを待っています。お願いします。脱獄してください。アンパンマンクラブより」
アンパンマンは勇気が湧いてきた
4:2020/03/01(日) 18:46:18.832 ID:Nvpasobm0.net
その日の早朝、看守が見回りにやってきた
「出ろ」
そうして朝食に連れ出そうとしたが
そこにアンパンマンの姿は無かった。
ただひたすらと崩れ落ちたガレキが
横たわっているだけだった。
【第二章 元気100倍】
「出ろ」
そうして朝食に連れ出そうとしたが
そこにアンパンマンの姿は無かった。
ただひたすらと崩れ落ちたガレキが
横たわっているだけだった。
【第二章 元気100倍】
6:2020/03/01(日) 18:51:35.033 ID:Nvpasobm0.net
「やれ!こんな不潔な工場、跡地も潰してゴルフ場にしろ!」
男の声とブルドーザーが森を包んでいた
パン工場は潰れ、ジャムおじさんは拘束されていた。
「たすけてください」
老人の声はブルドーザーの騒音が無くてもかき消されただろう。
そこへブルドーザーの職員が語り出した。
「ジャムおじさんをどうしましょう」
「そうだな。こいつも刑務所送りだ。不衛生なパンを作ったのだからな。俺が今から連れて行く」
ジャムおじさんは絶望した。だがその絶望はほんの数秒だった。
気がつくとジャムおじさんは温かい腕に抱かれ宙を飛んでいた。もう消えたはずの男が
確かにここにいた。
男の声とブルドーザーが森を包んでいた
パン工場は潰れ、ジャムおじさんは拘束されていた。
「たすけてください」
老人の声はブルドーザーの騒音が無くてもかき消されただろう。
そこへブルドーザーの職員が語り出した。
「ジャムおじさんをどうしましょう」
「そうだな。こいつも刑務所送りだ。不衛生なパンを作ったのだからな。俺が今から連れて行く」
ジャムおじさんは絶望した。だがその絶望はほんの数秒だった。
気がつくとジャムおじさんは温かい腕に抱かれ宙を飛んでいた。もう消えたはずの男が
確かにここにいた。
9:2020/03/01(日) 18:55:35.219 ID:Nvpasobm0.net
「ジャムおじさん、力になれなくてごめんなさい」
「いいんだよ。あの男を止めてくれ」
アンパンマンは戦場へと降り立った。
以前負けた男に再戦を挑む姿は
確かに英雄だった。
「虫ケラが、死にに来たか」
「もう許さないぞ」
アンパンマンは力を込めて飛びかかった
数秒後、ブルドーザーは大破していた。
「な、なんだと」
「もうこんな事は辞めるんだ!」
男は歯軋りをして飛びかかった
だが、正義の味方には勝てなかった。
「ぐうう。痛い、アンパンマン、やめてくれ」
「じゃあ工場を立て直してくれ!」
男はニヤッと笑った。
「いいんだよ。あの男を止めてくれ」
アンパンマンは戦場へと降り立った。
以前負けた男に再戦を挑む姿は
確かに英雄だった。
「虫ケラが、死にに来たか」
「もう許さないぞ」
アンパンマンは力を込めて飛びかかった
数秒後、ブルドーザーは大破していた。
「な、なんだと」
「もうこんな事は辞めるんだ!」
男は歯軋りをして飛びかかった
だが、正義の味方には勝てなかった。
「ぐうう。痛い、アンパンマン、やめてくれ」
「じゃあ工場を立て直してくれ!」
男はニヤッと笑った。
12:2020/03/01(日) 19:00:17.434 ID:Nvpasobm0.net
「お前は俺が憎く見えるか。俺にも子供がいる。その前では俺は、優しい父親になれる。みんなそうだ!仕事中の男と家庭の男は違う。つまり、俺は二重人格と言えるかもしれない」
「何が言いたい?」
アンパンマンは痺れを切らした
「俺にだって、人生があるという事だよ」
アンパンマンは感嘆した 敵のように扱っていた男にも、家庭があり、未来があるのだ。
工場を潰しゴルフ場にしようとしていたのも
独りよがりな発想ではなかった。
「・・・」
アンパンマンが力を緩めたその瞬間
腹部に鈍い衝撃が走った。
「ぐふっ」
「...甘かったな。お前はいつも。」
「何が言いたい?」
アンパンマンは痺れを切らした
「俺にだって、人生があるという事だよ」
アンパンマンは感嘆した 敵のように扱っていた男にも、家庭があり、未来があるのだ。
工場を潰しゴルフ場にしようとしていたのも
独りよがりな発想ではなかった。
「・・・」
アンパンマンが力を緩めたその瞬間
腹部に鈍い衝撃が走った。
「ぐふっ」
「...甘かったな。お前はいつも。」
15:2020/03/01(日) 19:09:18
崩れゆく意識の中で
アンパンマンは後悔した
しまった、くやしい、しまった、くやしい。
脳裏で言葉を繰り返していたその時
男は水鉄砲を持ってきた
「これで終わりだ。」
終わった。完全に間違っていた
甘いヒーローだった。
ーそう思った矢先
「アンパンマン!新しい顔だよ!!」
回転する頭、みなぎる筋肉
復活の鈴がなった
「元気100倍!アンパンマン!」
「な、なんだと!!」
男は水鉄砲を向ける
だが、そんなものはないに等しい。
当たらない、当たらない。
「アンパーーーーンチ」
男は衝撃に身を悶えさせるも
衝撃に足をすくわれる
「く、くそ、だが、これでは、終わらんぞ。俺の、息子が。お前を」
男はバイキンのビンを投げ捨てた後
地平線の彼方へ消えていった。
「おめでとうアンパンマン!」
「ジャムおじさん!」
抱き合う二人を夕日は淡く照らしていた。
長い日をかけて工場を戻す。そんな事は
言葉に出す必要が無かった。
完。
アンパンマンは後悔した
しまった、くやしい、しまった、くやしい。
脳裏で言葉を繰り返していたその時
男は水鉄砲を持ってきた
「これで終わりだ。」
終わった。完全に間違っていた
甘いヒーローだった。
ーそう思った矢先
「アンパンマン!新しい顔だよ!!」
回転する頭、みなぎる筋肉
復活の鈴がなった
「元気100倍!アンパンマン!」
「な、なんだと!!」
男は水鉄砲を向ける
だが、そんなものはないに等しい。
当たらない、当たらない。
「アンパーーーーンチ」
男は衝撃に身を悶えさせるも
衝撃に足をすくわれる
「く、くそ、だが、これでは、終わらんぞ。俺の、息子が。お前を」
男はバイキンのビンを投げ捨てた後
地平線の彼方へ消えていった。
「おめでとうアンパンマン!」
「ジャムおじさん!」
抱き合う二人を夕日は淡く照らしていた。
長い日をかけて工場を戻す。そんな事は
言葉に出す必要が無かった。
完。
16:2020/03/01(日) 19:11:13
乙、面白かった、最後は王道に戻ったなw
7:2020/03/01(日) 18:52:45.395 ID:kvMJYKxV0.net
刑期100倍!アンパンマン!
8:2020/03/01(日) 18:54:33.875 ID:PJoneGL30.net
>>7
う~ん…座布団没収!
う~ん…座布団没収!
11:2020/03/01(日) 18:58:58.583 ID:ox9zVILyM.net
なんとなくマリグナを思い出した
14:2020/03/01(日) 19:03:05.649 ID:PJoneGL30.net
>>11
調べたらワロタ、こんな作品あったのか
調べたらワロタ、こんな作品あったのか
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1583055635
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