1:2014/05/09(金) 02:04:44.59 ID:VR4iftPM0.net
アムロ「モビルスーツのプラモデル同士で戦うというやつか。聞いたことはある」

シャア「私と君との決着、そのガンプラバトルで付けるというのはどうだ?」

アムロ「・・・決着?だがオレはガンプラはおろか、プラモデルを作った経験もほとんどないぞ」

シャア「だから私、シャア・アズナブルが教えてやろうというのだ、アムロ!」

アムロ「シャア・・・」
2:2014/05/09(金) 02:05:17.37 ID:VR4iftPM0.net
シャア「ここだ。ここが私の行きつけのイオリ模型店だ」

アムロ「なかなか良い雰囲気の店だな」

シャア「そうだろう。最近は家電量販店などでも定価より安くプラモデルが販売されている。しかしやはりこういった地域に根差した模型店こそガンプラの能力を広げることが出来るのだ」

アムロ「??・・・あぁ、そうだな・・・」

ウィーン

セイ「いらっしゃいませ。あ、シャアさん。こんにちは」

シャア「やぁ、セイ君。こんな昼間から店番か?君のような若者は学校に行ってきちんと教育を受けなくては・・・」

セイ「春休みですよ。シャアさんこそ毎日来てますけど、仕事はいいんですか?」

シャア「今日は私の友人を連れてきた」

セイ(無視された・・・)

アムロ(情けない奴・・・)
4:2014/05/09(金) 02:05:55.71 ID:VR4iftPM0.net
シャア「アムロ・レイという人を知っているかな?」

セイ「もちろんですよ!うわぁ!アムロさん!本物だぁっ!!」

アムロ「やぁ、こんにちは。セイ君だね」

セイ「はい!感激だなぁ・・・。ずっと見てました!一年戦争も、グリプス戦役での活躍も、第二次ネオ・ジオン抗争の激闘も!!!あの・・・よかったら後でサインしていただけませんか?」

アムロ「あぁ、いいとも」

セイ「やったぁ!!」

シャア「水臭いな、セイ君。サインなら私も・・・」

セイ「今日はガンプラをお探しですか?」

アムロ「そうなんだ。シャアがガンプラバトルをしたいというのでね」

シャア「・・・。私、シャア・アズナブルもサインをしてやろうというのだ、セイ君!」

セイ「じゃあ今、ガンプラのカタログを持ってきますね」

シャア「・・・」
7:2014/05/09(金) 02:06:22.27 ID:aSufXvwH0.net
どちらともプライベートてモビルスーツ位用意出来るだろうに
6:2014/05/09(金) 02:06:17.68 ID:kBGHMaKA0.net
情けないプラモデルうんぬんかんぬん
8:2014/05/09(金) 02:06:38.41 ID:VR4iftPM0.net
アムロ「すごいラインナップだな。ガルマ専用のザクまであるのか」

シャア「その通り。特にHGUCシリーズはメジャーな機体はもちろん、アニメには登場しなかったマイナーな機体まで豊富にそろっている」

アムロ「デンドロビウム!こんなものもあるのか。こいつは乗ってみたいな」

シャア「ッ!!?あ・・・アムロ・・・。そんな巨大なモビルスーツは君には似合うまい・・・」

アムロ「だがパイロットなら誰でも一度は憧れるだろう」

シャア「し・・・しかし・・・」

セイ「す・・・すみません・・・。デンドロウビムはうちには置いてなくて・・・。もし欲しければ通販サイトのJABUROで手に入ると思いますよ」

アムロ「そうか。しかし通販では今日買ってすぐにバトルというわけにはいかないな・・・」

シャア「そ・・・そうだとも。もっと君に似合ったモビルスーツを選ぶのだな」(まったく・・・冗談ではないっ!)

アムロ「じゃあ、店内の商品の中から探すことにしよう」
9:2014/05/09(金) 02:07:18.50 ID:VR4iftPM0.net
アムロ「やはり思い入れの深いRX78にするか。種類も豊富だ。こいつなんてどうだろう?大きくて作りやすそうだ」

セイ「ぱ・・・パーフェクトグレードですか?」

シャア(デンドロウビムの次はパーフェクトグレードだと!?えぇい!アムロの予算は化け物か!私なんてマスターグレードさえ許されないというのに!)

セイ「い・・・一応ガンプラバトルのレギュレーションでは使用ガンプラは1/144かSDでないと・・・」

アムロ「なるほど、サイズオーバーか・・・」

セイ「やっぱり初めてならHGUCが良いと思います。このνガンダムなんてどうでしょう?出来もすごく良くて・・・」

シャア「セイ君ちょっと・・・」

セイ「はい?」

シャア「憧れの英雄に会えてうれしいのはわかるが、アムロは私の友人だ。彼のガンプラは私に選ばせてもらう」

セイ「あ・・・す・・・すみません。出過ぎた真似をしてしまって・・・」

シャア「君が謝る必要はない。それも若ささ」
11:2014/05/09(金) 02:08:13.54 ID:VR4iftPM0.net
アムロ「シャア、決めたぞ。このνガンダムに・・・」

シャア「待てアムロ。君はガンプラ初心者だろう。初心者にそのキットは相応しくない」

アムロ「そうなのか?だがセイ君が・・・」

シャア「そんな決定権が彼にあるのか?私に任せてもらおう。私のライバルに相応しい機体を選んでやる」

アムロ「・・・わかった。あなたに任せるよ」

シャア「そうだな・・・。こいつがいいだろう。パーツ数も少なく、すぐに組みあがるだろう」
13:2014/05/09(金) 02:09:07.30 ID:VR4iftPM0.net
アムロ「では作ってこよう。セイ君、工作室を借りていいかな?」

セイ「あ、どうぞ。工具も塗料も好きなだけ使ってください」

アムロ「無償で借りるなんて申し訳ない。使った道具はすべて買い取らせてもらうよ」

セイ「え・・・?」

シャア「・・・アムロ、一つ聞いていいか?おまえは何でそんなに経済力があるのだ?」

アムロ「なに、仕事がうまくいっているだけさ。玩具を買う余裕ぐらいならある」

セイ「・・・あの・・・アムロさんのお仕事って・・・」

アムロ「アッムル社を知っているかい?」

シャア「あのザクレロソフトと双璧を成しているIT企業か!?」

セイ「すごい!あんな大企業に就職されたんですね!」

アムロ「いや、就職というか、オレの会社なんだ」

シャア、セイ「え・・・?」

アムロ「昔から機械いじりが好きだったからな。その延長がたまたま上手くいっただけさ」
15:2014/05/09(金) 02:09:56.34 ID:VR4iftPM0.net
セイ「すごいですね・・・。アムロさんって・・・」

シャア「・・・あれでこそ私のライバルだ」

セイ「そうですか?」

シャア「・・・年上をいじめないで頂きたい」

セイ「ところでシャアさんはどんなガンプラを持ってきたんですか?」

シャア「私のガンプラはこれだ」

セイ「サザビーですか。すごい完成度ですね!腰のパイプの光沢なんてすごく綺麗ですよ!どうやって塗ったんですか?」

シャア「ふふ。やはり気づいたか。流石セイ君だ。そこにはマニキュアを塗ったんだ」

セイ「マニキュア?シャアさんがマニキュア使ったんですか?」

シャア「ナナイが塗ってくれたのだ」

セイ「・・・女の子にプラモデル塗ってもらったんですか」

シャア「・・・」
17:2014/05/09(金) 02:10:32.05 ID:VR4iftPM0.net
シャア「アムロの奴遅いな・・・。ファーストグレード一つ作るのにどれほど時間がかかるのだ。いくらモビルスーツの扱いは上手くても、ガンプラづくりに関してはやはり初心者だな」

セイ「そんなの当たり前じゃ・・・って、ファーストグレード!!??シャアさん、アムロさんにファーストグレード渡したんですか???ファーストグレード相手にサザビーで戦うんですか!!??」

シャア「アムロ、私はあこぎな事をやっている・・・」

セイ「自覚あるならやめろよ・・・」

シャア「認めたくないものだな、じぶ・・・」

セイ「認めてください」

シャア「・・・年上をいじめないで頂きたい」
18:2014/05/09(金) 02:10:46.33 ID:SHlscIM30.net
ナナイが女の子・・・?
19:2014/05/09(金) 02:11:14.61 ID:VR4iftPM0.net
アムロ「待たせたな、シャア」

シャア「遅かったな、アムロ」

アムロ「すまない。こういう細かい作業はやり出すと夢中になってしまうんだ」

セイ「こ・・・これアムロさんが作ったんですか!?」

アムロ「あぁ・・・。初めてだから時間がかかってしまったよ」

セイ「初めてでこれって・・・すごすぎますよ!塗り分けも完璧だし、各部のディテールもファーストグレードとは思えないほどアップされている!」

アムロ「頭部にはLEDを仕込んで、メインカメラが発光するようにしてみた」

セイ「すごいすごい!!ファーストグレードに電飾しちゃうなんて!!」

シャア「ガンプラの出来の違いが、戦力の決定的差でないことを教えてやる!!」

セイ「ここのパネルラインはプラ板ですか!?初めてでプラ板工作まで!!」

アムロ「使ったプラ板もちゃんと購入させてもらうよ」

シャア「・・・ガンプラの出来の違いがっ!!戦力の決定的差でないことを教えてやるっっ!!!!」

セイ「そんなのいいですよ!アムロさんに使ってもらえて幸せです」

アムロ「そんなわけにはいかないさ」

シャア「・・・」
21:2014/05/09(金) 02:11:52.95 ID:VR4iftPM0.net
Please set your GP-base.

セイ「アムロさんは初めてなんですよね?操作方法わかりますか?」

アムロ「マニュアルは一通り目を通した。後はやりながら覚えるさ」

Beginning plavsky particle dispersal.

シャア「ガンプラの出来の違いが、戦力の決定的差でないことを教えてやる!!」

Field 1 : space.

セイ「ファーストグレードは関節が少なく、可動範囲にも制限があります。気を付けてください」

アムロ「あぁ、その辺もオレなりに作りながら考えてみた」

Please set your GUNPLA.

ガシャ、カシャン

シャア「見せてもらおうか!アムロの作ったガンプラの性能とやらを!!」

Battele start.

アムロ「アムロ、ガンダム出る!!」

シャア「サザビー出る!!」

セイ「す・・・すごい・・・!!夢みたいな光景だ!!!」(モビルスーツの性能差はともかく・・・)
23:2014/05/09(金) 02:13:18.40 ID:VR4iftPM0.net
シャア「懐かしいなアムロ」

アムロ「あぁ、こうして宇宙で対峙するのも第二次ネオ・ジオン抗争以来だ」

シャア「あの時のようにはいかんぞアムロ。動かないファーストグレードで宇宙戦をする羽目になるとは、君もよくよく運の無い男だな」

セイ「自分が選ばせたくせに・・・」

シャア「戦いは非常さ。悪いが早々に決めさせてもらう!」

ピシュンッ!

アムロ「当たるものかっ!」

シャア「なに!!避けただと!あの動き、関節の少ないファーストグレードの物ではない!バカな!!」

アムロ「各関節はwabeやコトブキヤの物に置き換えた!」

セイ「流石アムロさんだ!あれならほとんどHGと同じ・・・いやそれ以上に動かせる!」
25:2014/05/09(金) 02:14:39.15 ID:VR4iftPM0.net
ピシュンッピシュンッ!!

シャア「ええい!ライフルではアムロは落とせん!ならばっ!!」

ヒュンヒュンヒュン!!

アムロ「なに!?ファンネル!?そんなものまで再現できるのかっ!!」

シャア「これは避けられまい」

セイ「あぁ!やっぱりファーストガンダムでサザビーの相手をするなんて・・・」

ドゥキュンドゥキュンドゥキュン!

シャア「な・・・なに?」

セイ「ふ・・・ファンネルを・・・撃ち落としてる・・・」

アムロ「確かにファンネルには驚いたが、フィールド上に漂う粒子の流れを見れば、ファンネルもモビルスーツもその動きを読むことはたやすい」

セイ「プラフスキー粒子が視認できるんですか!?さっすがアムロさん!!」

シャア「え・・・ええいっ!!冗談ではないっ!!」
26:2014/05/09(金) 02:15:34.18 ID:VR4iftPM0.net
ドゥキュンドゥキュン!ドゥキュゥゥン!!

アムロ「どうしたシャア。ファンネルは全て落ちたぞ。これで終わりか」

シャア「くっ・・・。ララァ・・・私を導いてくれ!」

ララァ(大佐・・・)

シャア(ララァ!教えてくれ!どうしたらいいんだ!)

ララァ(いい加減、そんな玩具で遊ぶのはやめてください。大佐ももう大人でしょう?)

シャア(遊びだと?私にとっては違うな。私はお前と違って、仕事や家事だけをやってるわけにはいかん!時には息抜きだって必要なのだ!)

ララァ(そういうことは働いてから言ってください。家事だって私やナナイさんに任せきりじゃないですか)

シャア(私は軍人以外に食べる方法を知らんのだ。だから未だに嫁さんも貰えん)

ララァ(人は変わって行くわ・・・というか、変わってくれなければ私達の気持ちの方が変わって行くわ・・・・・いくわ・・・・・・いくわ・・・・・・・)

シャア「ま・・・待ってくれ!ララァ!私はどうすればっ!!ええいっ!私もニュータイプのはずだ!」
29:2014/05/09(金) 02:16:25.93 ID:VR4iftPM0.net
シャア「集中するのだ、かつてのように・・・。そうすれば私にだって・・・」

キラキラキラ・・・・・

シャア「・・・見えるぞ、私にもプラフスキー粒子が見えるっ!!」

セイ「いけぇぇぇぇ!!アムロさん!!!」

アムロ「終わりだシャア!!」

シャア「アムロッ!!」(ビームサーベルで切り付けようというのか。だが粒子の動きで丸見えだ。
右によければ切り付けられる・・・。左によければ突き殺される。上もダメ、下も間に合わん・・・。ふふ・・・。なるほど・・・)

ブゥゥゥゥン・・・

シャア(よけられん・・・)

ガキョォォオン!!

・・・・ドゴォォォォオォン!!!

Battle ended.
31:2014/05/09(金) 02:17:38.02 ID:VR4iftPM0.net
セイ「あ・・・か・・・勝った・・・。すごいですよ、アムロさん!ファーストグレードのガンダムでHGUCのサザビーを倒しちゃうなんて!やっぱりあなたはとんでもないニュータイプだ!!」

アムロ「そう・・・かな?なんだかあまり実感が湧かないが・・・」

ラル「見事だなアムロ君・・・。だが自分の力で勝ったのではないぞ!そのガンプラの性能のおかげだということを忘れるな!」

セイ「あ、ラルさん。・・・いや、ガンプラの性能ってファーストグレードなんだけど・・。作ったのアムロさんだし・・・」

アムロ(なんだこの人・・・。妙に似ている・・・)

シャア「見ていたのか、ラル大尉・・・」

ラル「キャスバル様、勝負は時の運です。今回はたまたまキャスバル様が負けてしまっただけ。次に戦えば結果はどうなるかわかりませんよ」

シャア「そ・・・そうだろうか・・・」

ラル「ところでアムロ君、それだけの実力だ。良かったらガンプラバトル選手権に出てみないかね?」

シャア、セイ「え・・・?」
32:2014/05/09(金) 02:18:19.50 ID:VR4iftPM0.net
アムロ「選手権?」

ラル「そう。世界中からファイターが集まってその頂点を決めるのだ。何を隠そう、このイオリセイ君は第7回世界大会の優勝者なのだよ」

アムロ「世界大会で優勝?すごいじゃないか、セイ君」

セイ「い・・・いや、といっても戦ったのは僕じゃなくてレイジで・・・。それにいくらレイジでもアムロさんには・・・」

アムロ「面白そうだが、今は仕事が忙しくて大会に出るような暇はないよ」

シャア、セイ「ほっ・・・」

ラル「そうか・・・。それは残念だ」

アムロ「また時間があるときにこうして遊びに来る。セイ君、今度は君とも戦ってみたいな」

セイ「は・・・はい」

アムロ「シャア、今日は久々に楽しかったよ。このところ仕事ばかりだったからな。礼を言う」

シャア「これでは道化だよ」

セイ「そうですね」

シャア「目の前に赤い彗星を置いて固くなるのはわかるが、せめて年上に対する敬意は払ってもらいたいものだな、セイ君」
34:2014/05/09(金) 02:19:33.47 ID:VR4iftPM0.net
シャア「アムロは帰ったが、我々は選手権に向けて訓練しようではないか」

セイ「ええ!?出る気なんですか!?冗談でしょっ!?」

シャア「冗談ではないっ!大会に出て力をつけ、今度こそアムロを超えてみせる。」

セイ「いろんな面で取り返しつかないくらい劣ってると思いますけど・・・。っていうか、働けよ」




終わり

『シャアのガンプラバトル選手権編』へ


つづかない
35:2014/05/09(金) 02:21:02.84 ID:OcQugG/u0.net
つづかせろよ
37:2014/05/09(金) 02:22:26.74 ID:SHlscIM30.net


ラルさんとアムロのバトルとか見たいわ
38:2014/05/09(金) 02:23:03.78 ID:VR4iftPM0.net
深夜のテンションで一気に書いてしまった
額を床に擦り付けて池田秀一さんに謝罪したい気分です

もしも続編があるのなら平和な世界での古谷さんVS池田さんが見たいものだ

あとRGズゴックとズサが楽しみ過ぎて毎日夜しか眠れない
48:2014/05/09(金) 02:54:48.49 ID:pcVI+Jpp0.net
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1399568684