1:2017/04/07(金) 22:40:14.185 ID:r9l6qUGY0.net
サターニャ「ガヴリール~!サタニキア様が遊びに来てやったわよ~!!分かったらとっとと開けなさい!!」ピンポンピンポーン

ガヴ「チッ…なんだよ人が気持ち良く寝てるってのに騒がしいな……」

サタ「いるのは分かってるのよガヴリール!それとも大悪魔である私の前にビビって手も足も出ないのかしら!?な~はっはっは!!」

ガヴ「……」イラッ

ガヴ「(布団から手も足も出ないのは事実だが…まぁいいや、無視安定だな)」

サタ「ちょっと!!開けなさいよガヴリール聞いてんのっ!?」ドンドン

ガヴ「……」

サタ「……寝てるのかしらね」

サタ「寝起きで勝負してもフェアじゃないし、今日の決着はおあずけね」ポロッ スタスタ
2:2017/04/07(金) 22:41:46.956 ID:r9l6qUGY0.net
ガヴ「……帰ったか」

ガヴ「ふぁ~あ……なんだか目も覚めちゃったし、仕方ないから起きるか~」

―――

ガヴ「げ。食べるものが何にもない」

ガヴ「しばらく買い物にも行ってなかったからなぁ…う~ん参った」

ガヴ「…仕方ない、そこのコンビニまで買いに行こう」

ガチャ

ガヴ「ん?」
5:2017/04/07(金) 22:43:58.361 ID:r9l6qUGY0.net
ガヴ「なんだよ…サターニャのやつ、今度は手帳落としていきやがった」

ガヴ「本当に手のかかるアホだな全く……返しに行くのは面倒だしとりあえず預かっておくか」

ガヴ「そのうち気がついて取りに戻ってくるだろ」

ガヴ「……」

ガヴ「(そういやこの前、途中までしか読めなかったんだっけな…)」

ガヴ「(……続きが気になる)」
7:2017/04/07(金) 22:45:07.691 ID:r9l6qUGY0.net
ガヴ「……」ペラ


○月×日
来週はクラスで調理実習があるらしい。
三人一組で班を作るみたいだけど、私に仲間はいない。
孤高の大悪魔になることの難しさを知る。


ガヴ「……」


○月×日
明日は調理実習。
ヴィネットとガヴリールが班に入れてくれた。
天使と同じ班になるとは思ってなかったけど、これはチャンスかもしれない。
今度こそちゃんと悪魔らしいところを見せつけなければ。


ガヴ「それで朝から変な魚捕りに行ってたのか…」
12:2017/04/07(金) 22:47:23.764 ID:2KOV5NjC0.net
サターニャかわいい
13:2017/04/07(金) 22:47:27.028 ID:r9l6qUGY0.net
○月×日
今日は調理実習だった。
魔界通販で買った調理服を着て新鮮な魔界の魚も持って行ったけど、完成した料理には二人とも渋い顔をしていた。
私はおいしいと思ったけど、せっかく作ったのに残念。
ヴィネットがガヴリールを一殴りで倒していた。
私もヴィネットに逆らうのはやめておこう。

【メモ】
・包丁を持つときは猫の手
・玉ねぎを切ると涙が出る
・ヴィネットは怒ると怖い


ガヴ「ヴィーネ怒らせるとヤバいからなマジで…」
14:2017/04/07(金) 22:49:22.606 ID:BG9bvKrh0.net
メモが真面目っぽくて心が痛くなる
15:2017/04/07(金) 22:50:04.473 ID:r9l6qUGY0.net
◯月×日
今日はガヴリールの家に遊びに行ったが、ガヴリールは留守だった。
仕方なく一人喫茶店デビューに予定変更。まさかのガヴリールが店員さん!でも目が合った瞬間に殴り飛ばされてしまった。
ちょっと痛かったけど、身体は丈夫なほうだから問題なし。


ガヴ「……」
16:2017/04/07(金) 22:51:02.487 ID:AhsjgR+z0.net
かなしい
17:2017/04/07(金) 22:51:06.797 ID:r9l6qUGY0.net
◯月×日
今日もガヴリールの家に遊びに行ったが、ガヴリールは機嫌が悪かったらしくドアごと吹き飛ばされてしまった。
目が覚めたら夜になっていた。
怒らせちゃったみたいだし、明日は行くのやめようと思う。


ガヴ「なんだよ……これじゃまるで私が悪者みたいじゃないか」

ガヴ「……。」

ガヴ「…あの頃の私は、そうだったのかもな」
18:2017/04/07(金) 22:52:52.417 ID:r9l6qUGY0.net
◯月×日
久しぶりにガヴリールの家に遊びに行く。今度は入れてくれた。
将棋というゲームで勝負をしたが、こてんぱんに負けてしまう。
今日は徹夜でルールを覚える。


ガヴ「変な部分で努力家なんだよなぁ……」


◯月×日
ルールを覚えてもガヴリールには勝てなかった。
ラフィエルの審判には全然納得いかなかったけど、一人で家にいるよりはずっと楽しかった。
もっと練習して、必ずリベンジする。


ガヴ「……」
20:2017/04/07(金) 22:55:37.001 ID:r9l6qUGY0.net
○月×日
今日から将棋の特訓を始めた。
いざ練習してみると、なかなか奥が深くて面白い。人間界の遊びもあなどれない。
今はまだコンピューターにも勝てないけど、ガヴリールに勝つことを目標に頑張る。
ガヴリールがゲームに熱中してしまうのも、少し分かった気がする。


ガヴ「……」ペラ


○月×日
将棋の特訓を始めて一週間が経った。
コンピューターには勝てるようになったけど、ガヴリールは何回やっても同じだって相手にしてくれない。
一人で過ごす放課後はつまらないし、もう将棋はやめることにした。


ガヴ「……」パタン
22:2017/04/07(金) 22:57:56.177 ID:r9l6qUGY0.net
ガヴ「……そうだ、いいことを思い付いた」

ガヴ「どうせ手帳も返さなきゃいけないし、サターニャを呼び戻して買い物にも行ってもらおう」

ガヴ「我ながらなんて無駄のない素晴らしいアイデアなんだ。私は天才か」

ガヴ「そのついでに――」

ガヴ「……」

ガヴ「そう、ついでにな。これはついでだから。他意はない」

ガヴ「…本当、世話の焼けるアホだよ」


rrr・・・

ガヴ「もしもし、サターニャ?」
25:2017/04/07(金) 23:00:38.182 ID:r9l6qUGY0.net
―――


サタ「ちょっとガヴリール!どういうことよ!珍しくあんたから呼び出すから何かと思えば、こんなに買い物させて…!」ドッサリ

ガヴ「そんなの決まってるじゃないか、私の腹が減ったからだよ」

サタ「ちょっ…すぐそこのコンビニくらい自分で行きなさいよ!私はあんたの使い魔になった覚えはないんだけど!」

ガヴ「悪かったって。おかげで助かったよ、ありがとなサターニャ」

サタ「絶対思ってないわよね……」

ガヴ「あ、そうだ」

ガヴ「お礼と言っちゃなんだけど…サターニャには特別に私の暇つぶしに付き合う権利を与えよう」

サタ「それ全然お礼じゃない!!」
27:2017/04/07(金) 23:02:58.649 ID:r9l6qUGY0.net
サタ「それで?何をしようっていうのよ」

ガヴ「そうだなぁ~、今日は久しぶりに将棋が打ちたい気分だ」

サタ「!」

ガヴ「サターニャをボコボコにしてストレス解消がしたい」

サタ「クックック…言ってくれるわねガヴリール……このサタニキア様に勝負を挑んだことを後悔させてあげる」

サタ「なぜなら私は血の滲むような特訓を積んで生まれ変わったのよ…そう、すべてはこの日のために!」

ガヴ「(この日のために、ね……)」

サタ「今までの私とは違うってことを思い知らせてあげるわ!!なぁ~はっはっは!!」

ガヴ「ほう……それは楽しみだ」

サタ「さあ、どこからでもかかってきなさい!勝負よガヴリール!!」
30:2017/04/07(金) 23:05:41.603 ID:r9l6qUGY0.net
~サターニャ邸~


サタ「またガヴリールに負けた……」ガクッ

サタ「やっぱり特訓をやめちゃったのがいけなかったのかしら……」

サタ「いい暇つぶしになったご褒美に、ってガヴリールがお菓子をくれたけど…こんなのちっとも嬉しくないわよ!」

サタ「…まぁお菓子に罪はないわよね。悔しいけど有り難く食べてあげようじゃない」ガサゴソ

サタ「…あら?袋の下のほうに私の手帳が……」

サタ「おかしいわね、こんなところに入れた覚えはないんだけど……」

サタ「まぁいいわ。せっかくだからお菓子でも食べながら今日の手帳を――」ペラ
31:2017/04/07(金) 23:07:56.781 ID:r9l6qUGY0.net
○月×日
今日は久しぶりにサターニャと将棋で勝負をした。
確かに前よりは強くなってたけど、私に勝つには百年早いな。
でも楽しかったよ、また今度相手してやってもいいぞ。
ま、これからもよろしくな。

ガヴリール
33:2017/04/07(金) 23:08:29.380 ID:r9l6qUGY0.net
おわり
32:2017/04/07(金) 23:08:23.743 ID:QdVdDnwD0.net
ああああああああああっ!!
素晴らしい!!
35:2017/04/07(金) 23:10:58.418 ID:AhsjgR+z0.net
おつおつ
感動した
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1491572414