1:2017/04/09(日) 17:30:53.271 ID:Ukz6JGb20.net
サターニャ「旅行!皆でお泊まりするの!?」

ラフィエル「あらあら、楽しそうですねー」ニコニコ

ヴィーネ「でしょでしょ!皆で行ったらきっと楽しいわ!」

ヴィーネ「ガヴも行くでしょ?」

ガヴリール「ダルいし行かない、てか旅行に行く金なんてない」

ヴィーネ「お金の事は気にしなくてもいいわ!じつは私、魔界から長期休暇用で数ヵ月分の仕送りが送られてきたの!」

サターニャ「あー、そういえば私にも振り込まれてたわね…」

ガヴリール「まじかよ、魔界すげーな」

ヴィーネ「だからお金の事は全部私にまかせなさい!それに、とびきり安い旅館を見つけてあるの!」

ガヴリール「……まぁ、全部奢りって事なら付き合ってやってもいいか…」

ヴィーネ「決まりね!」
3:2017/04/09(日) 17:35:21.525 ID:Ukz6JGb20.net
……


ザッザッザッ…


ガヴリール「……おい」

ヴィーネ「……」

ガヴリール「本当にこんな山奥に旅館なんてあるのか…?」

ヴィーネ「お、おかしいわね…地図によればこの辺で間違いないはずなんだけど…」

ガヴリール「ここまできて間違いでしたー、なんて事は許さないからな…」

ラフィエル「それにしても、少し暗くなってきましたね…」

サターニャ「何よラフィエル、もしかして怖いの?」ニヤッ

ラフィエル「まさか」ニコッ


ガヴリール「おい、もしかしてあの建物じゃないか?」
5:2017/04/09(日) 17:41:49.322 ID:Ukz6JGb20.net


ボロッ……


ガヴリール「……このボロボロの建物が旅館……なわけないよな?」

ヴィーネ「いや、地図を見る限りじゃ間違いなくここね……」

サターニャ「ちょ、ちょっと!本当にこんなところに泊まるの!?私が想像してたやつと違うんだけど!」

ラフィエル「確かにこれは……旅館というより廃墟ですね……」

ガヴリール「おいヴィーネ、撤収だ、帰るぞ」

ヴィーネ「そんなこと言っても……もう外真っ暗だし……」

ガヴリール「……」

ラフィエル「今日はもう遅いですし、ひとまずここで一泊しましょう、今から山を降りるのはあまりにも危険です」

サターニャ「まぁ、ちょっぴり不気味だけど、よく見ると中々悪魔的でいい感じの旅館じゃない!」

ガヴリール「悪魔的だと困るんだが……」
16:2017/04/09(日) 17:50:11.353 ID:Ukz6JGb20.net
ガラッ…


ヴィーネ「すみません、予約してた月乃瀬です」

「お待ちしておりました月乃瀬様、その他3名様ですね?」

ガヴリール「…なんだ、案外普通じゃん」ホッ

ラフィエル「これで一晩はなんとかなりますね」ホッ

「ごめんなさい、ウチの旅館狭くって、一つの部屋に3人までしか入れないんですけど…」

ヴィーネ「えっ」

ガヴリール「よしサターニャ、決まりだな」

サターニャ「何がよ!!」

「もしよろしければ、2名様ずつ、別々のお部屋にご案内しましょうか?」

ヴィーネ「うーん、一人だけ省くってのもかわいそうだし、ここは二組に別れたほうがよさそうね」

ラフィエル「ですね」

ガヴリール「問題は誰と誰で別れるかだな」
17:2017/04/09(日) 17:57:04.634 ID:Ukz6JGb20.net
ラフィエル「私はサターニャさんと同室がいいです」

ガヴリール「私はサターニャ以外なら誰でもいいや」

ヴィーネ「私はガヴと一緒の部屋がいいかなー」

サターニャ「私はラフィエル以外がいいわ、一緒にいたら何されるかわからないし」



ガヴリール「じゃんけんだな」

ヴィーネ「……そうね」

ラフィエル「サターニャさん、酷いです……」グスッ





ラフィエル「と、いうわけでガヴちゃん、今日はよろしくお願いしますね」ニコッ

ガヴリール「ん、よろしく」



サターニャ「ヴィネット!私と同室になったからには今夜は寝かさないわよ!」

ヴィーネ「そ、それはどういう意味なのかしら…」
19:2017/04/09(日) 18:03:00.439 ID:Ukz6JGb20.net


ガヴリール「和室か、聞いてた通り狭いな…」

ラフィエル「ふふふ、今日はここで私と一夜を共にするんですね、ガヴちゃん!」ニコッ

ガヴリール「妙な言い方をするな」

ラフィエル「だって、ガヴちゃんがじゃんけんに勝って私を選んでくれたんじゃないですか、それってやっぱり……」

ガヴリール「変な勘違いすんな、たまにはお前と一緒ってのも悪くないかなーって思っただけだよ」

ラフィエル「あらー、それって愛の告白ですか?」

ガヴリール「だーかーら!なんですぐそういう方向に持っていくんだよ!」

ラフィエル「うふふ、冗談ですよー」ニコッ

ガヴリール「……」


ガヴリール(やっぱりヴィーネにしとけばよかった……)
20:2017/04/09(日) 18:06:08.444 ID:Ukz6JGb20.net
……

サターニャ「ふっふっふ、ようこそサタニキア城へ!!」

ヴィーネ「いつからあんたの城になったのよ……」

サターニャ「まぁまぁ、細かいことはいいのよヴィネット」

サターニャ「それよりも夕飯までまだ時間があるわよ!何する!?」

ヴィーネ「うーん、ここは無難にお風呂とか?」

サターニャ「お風呂!いいじゃない!早速いきましょう!」ウキウキ

ヴィーネ「あーちょっと!危ないから走るのやめなさい!」
22:2017/04/09(日) 18:11:33.971 ID:Ukz6JGb20.net
…【風呂場】


サターニャ「はぁ~、思ったより良い感じのお風呂じゃない……」

ヴィーネ「露天風呂になってたのね、空気が美味しくて気持ちいいわー……」

サターニャ「ねぇねぇヴィネット、こっち向いて!」

ヴィーネ「ん?」クルッ


ピュッピュッ‼


ヴィーネ「ひゃんっ!」

サターニャ「手のひらをこうやって包むとお湯を鉄砲みたいに飛ばせるのよ!ほら!」ピュッ

ヴィーネ「……っ!ちょっと!鬱陶しいからやめなさい!」

サターニャ「ふん、悔しかったら反撃してみなさいよ!」ピュッピュッ

ヴィーネ「……」イラッ
23:2017/04/09(日) 18:14:08.761 ID:0Bsn8rfI0.net
ピュッピュッで反応した俺は心が腐ってる
24:2017/04/09(日) 18:14:36.403 ID:tvO3NdkS0.net
>>23
おまおれ
25:2017/04/09(日) 18:16:50.949 ID:Ukz6JGb20.net


ガラガラ…


ラフィエル「ほらほら、こっちですよガヴちゃん!」グイッ

ガヴリール「あーもう、私はお風呂とかいいって……」

ラフィエル「せっかくの露天風呂ですよ?ひさしぶりに私と洗いっこしましょうよー」

ガヴリール「やだよ、私達もう高校生なんだし………ん?」

ラフィエル「……あら?」




サターニャ「ひぐっ……ぐすっ……」

ヴィーネ「ごめんなさいサターニャ、私もやってみたら楽しくってつい……」

ガヴリール「……ヴィーネの奴、サターニャに何したんだ?」

ラフィエル「あらあら……」
28:2017/04/09(日) 18:25:19.798 ID:Ukz6JGb20.net
……

ガヴリール「ふぅ、飯も食ったし寝るか……」

ラフィエル「えー?もう寝ちゃうんですかー?」

ガヴリール「山登りで疲れたんだよ、休ませてくれ」

ラフィエル「……あ!良いことを思いつきました!」

ガヴリール「ん?良いこと?」


ムギュッ


ガヴリール「んっ……!?」

ラフィエル「私が全身を使って、ガヴちゃんの疲れを癒してあげますね」ニコニコ

ガヴリール「い、いや、いらないって、てかなんか柔らかいの当たってるんだけど……」

ラフィエル「当ててるんですよ」ニコッ

ガヴリール「当ててるってお前……ちょ、ちょっとラフィエルこれ以上はやばいって……」

ラフィエル「あらぁ?もしかしてガヴちゃん、照れてるんですかぁ?」ニコニコ

ガヴリール「いや、そうじゃなくて……」


ガヴリール「重いから離れてくれ」

ラフィエル「」
29:2017/04/09(日) 18:32:02.637 ID:Ukz6JGb20.net


ヴィーネ「…………」ドキドキ

ヴィーネ(サターニャ、今夜を寝かさないとか言ってた気がするけど、一体どういう意味なのかしら……?)

ヴィーネ(いや、もちろんそういう意味じゃないのはわかってるけど……!わかってるんだけど……)


サターニャ「…………」スヤスヤ


ヴィーネ(なんであんなこと言っておいてぐっすり眠ってるのよ!私だけ意識してバカみたいじゃない……!)


サターニャ「………」スヤスヤ

ヴィーネ「……起きなさいよサターニャ」ユサユサ

サターニャ「……むにゃむにゃ…」

ヴィーネ「……うぅ、そっちがその気なら私にも考えがあるわ……」


ヴィーネ(私だって悪魔なんだから、ちょっとくらい悪い事しても……平気よね?)
30:2017/04/09(日) 18:37:10.823 ID:Ukz6JGb20.net
……

ガヴリール「……んっ…」モジッ

ガヴリール「おしっこ……」ムクッ


ガヴリール「…………」

ガヴリール(よく考えるとこのボロボロの旅館のトイレ、夕方の時点で薄気味悪かったのに深夜に行くとなると……)


ガヴリール「……おい、ラフィエル」

ラフィエル「…………」スヤスヤ

ガヴリール「ラフィエル、起きて」ユサユサ

ラフィエル「んっ……ガヴちゃん……?」

ガヴリール「おしっこ行きたい」

ラフィエル「……?行ってきたらいいじゃないですか……」

ガヴリール「……」ソワソワ

ラフィエル「あー……」

ガヴリール「察してくれると助かる」

ラフィエル「ふふ、ガヴちゃんの意外な一面ですね」

ガヴリール「誰にも言うなよ、特にサターニャは駄目」
33:2017/04/09(日) 18:43:46.344 ID:Ukz6JGb20.net
……


ガヴリール「ラフィエル、ちゃんといるよな?」

「はーい、ドアの前にいますよ」

ガヴリール「本当だな?本当に待ってるんだな?」

「本当ですよ、安心してください」

ガヴリール「わかった」


ガヴリール「んっ……」


チョロロロロロ……


「可愛い音がしますね」


ガヴリール「やめろ」


……


ラフィエル(……さて、このままガヴちゃんがおしっこをしている間に先に部屋に戻った場合、ガヴちゃんはどんな反応をするのでしょうか?)

ラフィエル「……」ゾクゾクッ


ラフィエル(さっきは失礼な事言われちゃいましたし、これくらいの事なら許されますよね……?)
35:2017/04/09(日) 18:49:18.070 ID:8Nc918Iu0.net
このトイレ俺な
36:2017/04/09(日) 18:50:19.782 ID:Ukz6JGb20.net
ガチャッ


ガヴリール「ふぅ、スッキリした、ありがとうな、ラフィエ……」


シーン……


ガヴリール「ル……?」


ガヴリール「…………えっ」

ガヴリール(あいつ、確かにドアの前で待ってるって言ったよな?ドア越しに会話してたもんな……?)

ガヴリール(だから本来ならここで待っているはずなんだけど……待てよ)

ガヴリール(もし、もしも、私がドア越しに会話をしていた人物がラフィエルじゃなかったとしたら……?)

ガヴリール(……ホラー映画の演出とかにありがちだよな、声だけは友人や家族を装って普段通り会話し、その正体は実は……)


ガヴリール「…………」ビクビク
37:2017/04/09(日) 18:54:24.639 ID:Ukz6JGb20.net
……

サターニャ「おしっこ……」ムクッ


サターニャ「……ん?」スッ

ヴィーネ「……」スヤスヤ

サターニャ(……ヴィネットの奴、マジックペンを持ったまま眠ってるわ)

サターニャ「一体何をしてたのかしら……」


モジッ

サターニャ「んっ……」ブルッ

サターニャ「早くトイレ行って寝なきゃ……」
40:2017/04/09(日) 19:02:46.701 ID:Ukz6JGb20.net



ガヴリール「おいラフィエル、どっかにいるんだろ?」

ガヴリール「隠れてないで出てこいって、どうせお前の事だから私の反応を見て楽しんで……」


ギシッ


ガヴリール「ひゃぁぁあっ!?」ビクッ

ガヴリール「お、おいラフィエル!悪ふざけはやめろ!いい加減にしないと私だって怒るぞ!」グスッ


ギシッギシッギシッギシッギシッ‼


ガヴリール「べ、別に怖くないからな!同じ事何度もやって通用すると思うなよ!」


ギシッギシッギシッギシッギシッ‼


ガヴリール「あれ?何か近づいてきて……」


ギッギッギッギッギッギッ‼

ガヴリール「……あ、ああ…っ」ビクビク



ガヴリール「いやあああああ!!!誰かああああああ!!!!」
42:2017/04/09(日) 19:09:17.139 ID:Ukz6JGb20.net


ガヴリール「ううっ……絶対に許さないからな……っ」グスッ

ラフィエル「ご、ごめんなさいガヴちゃん、まさかこんなことになるなんて……」

ラフィエル「大体、サターニャさんが悪いんですよ?」

サターニャ「何よ!私はただトイレにトイレに行ってただけでしょうが!元はと言えば私の顔に恐ろしい落書きをしたヴィネットが……」

ヴィーネ「だ、だって!それはサターニャが……」

サターニャ「何よ、私があんたに何をしたっていうの?」

ヴィーネ「そ、それは……えっと」カァァァ


ヴィーネ「……何でもないわよ、サターニャのばかっ」ムスッ

ガヴリール「そうだよ、サターニャばーか」

サターニャ「納得いかないわよ!」
44:2017/04/09(日) 19:22:21.015 ID:Ukz6JGb20.net




ガヴリール「それにしてもラフィエル、トイレの前で待ってるって言ったのに」

ガヴリール「いきなりいなくなるっていうのは流石に酷すぎないか?」

サターニャ「何?あんた一人でトイレいけなかったの?」

ガヴリール「あっ、しまった……」

サターニャ「へぇー、あのガヴリールがねぇ……」ニヤニヤ

ヴィーネ「ガヴも案外可愛いところあるじゃない」

ガヴリール「う、うっさい!今のは忘れろ!」

ラフィエル「……?なんの話ですか?」

ガヴリール「だから、お前がトイレの前から消えた時の話だよ」

ラフィエル「私はガヴちゃんがトイレに入るのを確認した時点で部屋に戻ったので、ガヴちゃんと会話をした記憶は無いんですが……」

ガヴリール「……えっ?」



45:2017/04/09(日) 19:29:23.936 ID:/oX/8Lea0.net
思わず読み直した乙
47:2017/04/09(日) 19:49:54.211 ID:V98rNJC+0.net
すごく楽しめたよ
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1491726653