2: 2012/05/04(金) 21:04:39.53 ID:HT1UI5+w0
古代ローマ 公衆浴場(テルマエ)内
売り子 「菓子はいらんかね――ッ!」
垢すり屋 「ダンナ! 随分出ますね!」
脱毛屋 「脱毛! ワキの下綺麗に脱毛しますよッ!」
マルクス 「ハーイ、ハイハイッ。俺脱毛頼みます!」
ルシウス (友人のマルクスに連れられて来たが……いつ来ても騒々しい浴場だ。
……風呂はリラックスする為のものである筈なのに……)
ルシウス (建国から約800年……。確かにこのローマがかつてこれだけ豊かだったことはないだろう。
……一体ローマ帝国の境界線はどこまで広がったのであろうか……)
ルシウス (世の中は景気が良くても私にとっては住みにくくなるばかり……実際先程失業したばかりだ……)
ルシウス (アテネにまで赴き最高の建築技術を習得してきた設計技師のこの私がだ……ゴポゴポッ)
ルシウス (こうして湯の中に潜らなければ静けさを感じられないなんて、とんでもない浴場ではないか……。
私ならこんな浴場は設計しない……もっと趣のある浴場を……)
QB 「その言葉は本当かい?」
売り子 「菓子はいらんかね――ッ!」
垢すり屋 「ダンナ! 随分出ますね!」
脱毛屋 「脱毛! ワキの下綺麗に脱毛しますよッ!」
マルクス 「ハーイ、ハイハイッ。俺脱毛頼みます!」
ルシウス (友人のマルクスに連れられて来たが……いつ来ても騒々しい浴場だ。
……風呂はリラックスする為のものである筈なのに……)
ルシウス (建国から約800年……。確かにこのローマがかつてこれだけ豊かだったことはないだろう。
……一体ローマ帝国の境界線はどこまで広がったのであろうか……)
ルシウス (世の中は景気が良くても私にとっては住みにくくなるばかり……実際先程失業したばかりだ……)
ルシウス (アテネにまで赴き最高の建築技術を習得してきた設計技師のこの私がだ……ゴポゴポッ)
ルシウス (こうして湯の中に潜らなければ静けさを感じられないなんて、とんでもない浴場ではないか……。
私ならこんな浴場は設計しない……もっと趣のある浴場を……)
QB 「その言葉は本当かい?」
1: 2012/05/04(金) 21:02:13.30 ID:HT1UI5+w0
元ネタの人気に便乗したって言って石投げないで
〔ジャンル〕
テルマエ・ロマエ、魔法少女まどか☆マギカのクロスオーバー
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1336132933/
〔ジャンル〕
テルマエ・ロマエ、魔法少女まどか☆マギカのクロスオーバー
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1336132933/
3: 2012/05/04(金) 21:11:13.31 ID:HT1UI5+w0
ルシウス (今の声は!? 直接頭に響いてくる感じ……。ん、あそこに居るのはなんだ? 湯の底に何かいる……?)
QB 「キミはボクが見えるのかい?」
ルシウス (湯当たりして変なものが見えるようになったのか)
QB 「変なものじゃないよ、ボクはキュウべえ」
ルシウス (この生き物、こっちの考えが分かるのか!?)
QB 「今はテレパシーで会話してるからね。キミ達人間は水中で会話をするのは不便だろ」
ルシウス 「ぷはっ! ハァ、ハァ……何なんだ……あの白い生き物……?」
QB 「そのまま水面から頭を出した状態で聞いてくれて構わない……ボクの目的は――」
QB 「キミはボクが見えるのかい?」
ルシウス (湯当たりして変なものが見えるようになったのか)
QB 「変なものじゃないよ、ボクはキュウべえ」
ルシウス (この生き物、こっちの考えが分かるのか!?)
QB 「今はテレパシーで会話してるからね。キミ達人間は水中で会話をするのは不便だろ」
ルシウス 「ぷはっ! ハァ、ハァ……何なんだ……あの白い生き物……?」
QB 「そのまま水面から頭を出した状態で聞いてくれて構わない……ボクの目的は――」
4: 2012/05/04(金) 21:19:16.14 ID:HT1UI5+w0
QB 「――というわけさ」
ルシウス 「つまり、魔法少女になればどんな願いも叶ううえに魔法が使えるようになるのか!?」
QB 「そうだよ。魔女と戦う運命を受け入れるなら、魔法少女になれる。キミにはその資格がありそうだ」
ルシウス 「キュウべえ、契約しよう。私は魔法少女になる!」
QB 「話が早くて助かるよ。さあ、聞かせてごらん、ルシウス・モデストゥス。
キミはどんな祈りでソウルジェムを輝かせるのかい?」
ルシウス 「私はテルマエ造りの斬新な発想が欲しい。人々をあっと言わせて尚且つ憩いの場となるテルマエを造りたい」
QB 「キミの祈りはエントロピーを凌駕した」
ルシウス 「つまり、魔法少女になればどんな願いも叶ううえに魔法が使えるようになるのか!?」
QB 「そうだよ。魔女と戦う運命を受け入れるなら、魔法少女になれる。キミにはその資格がありそうだ」
ルシウス 「キュウべえ、契約しよう。私は魔法少女になる!」
QB 「話が早くて助かるよ。さあ、聞かせてごらん、ルシウス・モデストゥス。
キミはどんな祈りでソウルジェムを輝かせるのかい?」
ルシウス 「私はテルマエ造りの斬新な発想が欲しい。人々をあっと言わせて尚且つ憩いの場となるテルマエを造りたい」
QB 「キミの祈りはエントロピーを凌駕した」
5: 2012/05/04(金) 21:31:20.10 ID:HT1UI5+w0
QB 「――説明は以上だ」
ルシウス 「これで私は魔法少女となったのか……。これがソウルジェム……なんて美しい宝石だ……」
QB 「さあ、ルシウス、解き放ってごらん。その新しい力を」
ルシウス 「ああ」
ルシウス (キュゥべえの説明ではこの左手の盾を操作して……)
ルシウス (私はこれまでにないテルマエを造り、私の才能を認めなかった連中を見返してやる!
……これはッ、湯の中に吸い込まれる! なんなんだ!? この吸引力は!)
ルシウス (ゴポポポポポポッ)
ルシウス (……あれは……水面!)
ルシウス 「これで私は魔法少女となったのか……。これがソウルジェム……なんて美しい宝石だ……」
QB 「さあ、ルシウス、解き放ってごらん。その新しい力を」
ルシウス 「ああ」
ルシウス (キュゥべえの説明ではこの左手の盾を操作して……)
ルシウス (私はこれまでにないテルマエを造り、私の才能を認めなかった連中を見返してやる!
……これはッ、湯の中に吸い込まれる! なんなんだ!? この吸引力は!)
ルシウス (ゴポポポポポポッ)
ルシウス (……あれは……水面!)
6: 2012/05/04(金) 21:38:26.46 ID:HT1UI5+w0
現代日本 銭湯 浴場内
ほむら 「ここの銭湯は穴場なのよ。特に早朝なら、ほら、この通り事実上貸切りだわ」
まどか 「本当だ! 私達だけだね」
ほむら 「休日に早起きさせて悪いとは思ったんだけど」
まどか 「そんなことないよ、ほむらちゃん。ほむらちゃんから一緒に銭湯にいこうって誘ってくれて嬉しかったんだ」
ほむら 「まどか……」
まどか 「早く入ろうよ、ほむらちゃん!」
ほむら 「急かさないで、まどか。まずきちんと湯浴みしてから入るのよ」
ほむら 「ここの銭湯は穴場なのよ。特に早朝なら、ほら、この通り事実上貸切りだわ」
まどか 「本当だ! 私達だけだね」
ほむら 「休日に早起きさせて悪いとは思ったんだけど」
まどか 「そんなことないよ、ほむらちゃん。ほむらちゃんから一緒に銭湯にいこうって誘ってくれて嬉しかったんだ」
ほむら 「まどか……」
まどか 「早く入ろうよ、ほむらちゃん!」
ほむら 「急かさないで、まどか。まずきちんと湯浴みしてから入るのよ」
7: 2012/05/04(金) 21:47:48.22 ID:HT1UI5+w0
まどか 「ふぅ……なんだか生き返るぅ……」
ほむら (お湯に浸かっているまどかの幸せそうな顔……。これだけでもここに一緒に来た甲斐があったわ)
まどか 「ほむらちゃん、改めて見ると肌白くて綺麗……」
ほむら 「あら、まどかだって綺麗な肌してるわよ」
まどか 「そんなことないよ……」
ほむら 「あまり自分を過小評価しないことよ、……ねえ触ってもいい?」
まどか 「恥ずかしいよ……」
ほむら 「女同士なんだから恥ずかしがることないわ、お願い」
まどか 「……うん、いいよ」
ほむら (全裸のまどかに触れる……ああ、どこから触ろうかしら……何!?)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
ルシウス 「ぷふアッ! ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
まどか 「……」
ほむら 「……」
ルシウス 「……」
まどか・ほむら 「キャアアアアアッ!」
ほむら (お湯に浸かっているまどかの幸せそうな顔……。これだけでもここに一緒に来た甲斐があったわ)
まどか 「ほむらちゃん、改めて見ると肌白くて綺麗……」
ほむら 「あら、まどかだって綺麗な肌してるわよ」
まどか 「そんなことないよ……」
ほむら 「あまり自分を過小評価しないことよ、……ねえ触ってもいい?」
まどか 「恥ずかしいよ……」
ほむら 「女同士なんだから恥ずかしがることないわ、お願い」
まどか 「……うん、いいよ」
ほむら (全裸のまどかに触れる……ああ、どこから触ろうかしら……何!?)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
ルシウス 「ぷふアッ! ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
まどか 「……」
ほむら 「……」
ルシウス 「……」
まどか・ほむら 「キャアアアアアッ!」
10: 2012/05/04(金) 21:57:52.27 ID:HT1UI5+w0
ルシウス (な、……なんなんだ、ここは一体!?)
ルシウス (こ、この壁画は! ……ポンペイのヴェスビオス火山ではないか!)
まどか (富士山の絵を見てるこの外人さん、どこから入ってきたの!?)
ほむら 「あなた!」
ルシウス (ローマ人じゃない……胸が平たい……)
まどか 「ほむらちゃん! せめて魔法少女の格好に変身して!」
ほむら 「言われなくても!」
ほむら (まどかとの甘いひとときを邪魔した挙句、私だけでなくまどかの裸まで見たこの男、生かして帰すものか!)
ルシウス (変身した!? この女、魔法少女か!? 無用の争いは避けた方が無難か)
ルシウス (この盾を操作して……時間停止!)
ルシウス (女達の動きが止まった……。時を止める魔法、これは便利だ!)
ルシウス (それにしても発育の悪い女共だ、ロクなものを食っていないな。きっと奴隷なのであろう)
ルシウス (こ、この壁画は! ……ポンペイのヴェスビオス火山ではないか!)
まどか (富士山の絵を見てるこの外人さん、どこから入ってきたの!?)
ほむら 「あなた!」
ルシウス (ローマ人じゃない……胸が平たい……)
まどか 「ほむらちゃん! せめて魔法少女の格好に変身して!」
ほむら 「言われなくても!」
ほむら (まどかとの甘いひとときを邪魔した挙句、私だけでなくまどかの裸まで見たこの男、生かして帰すものか!)
ルシウス (変身した!? この女、魔法少女か!? 無用の争いは避けた方が無難か)
ルシウス (この盾を操作して……時間停止!)
ルシウス (女達の動きが止まった……。時を止める魔法、これは便利だ!)
ルシウス (それにしても発育の悪い女共だ、ロクなものを食っていないな。きっと奴隷なのであろう)
12: 2012/05/04(金) 22:09:22.12 ID:HT1UI5+w0
ルシウス (まさか奴隷の風呂に入り込むとは……それにしても随分と文明の発達した様子の物があるではないか)
ルシウス (これは一体!? ……この手桶、見たことも無い素材で出来ている。……なんて美しい黄色だ)
ルシウス (……ん、これは引き戸か)
ガラガラガラッ
ルシウス (なっ!? ……ここは脱衣所か)
ルシウス (きょ……巨大な一枚板の鏡……!? なんという文明度の高さ……)
ルシウス (しかもこの催し物の告知の絵の完璧さ……こんな技を持った職人が存在するなんて……まったく驚くべき奴隷達だ)
ルシウス (ほほう……、このカゴの中に衣類を入れるのか……これなら我々の技術でも複製が可能か)
ルシウス (この奴隷風呂、使えるぞ!)
ルシウス (大きさや豪華さだけが重視される今の浴場からよりシンプルに、しかしより多機能に……
温浴室には美しいヴェスビオス火山とナポリ湾の壁画を用い、脱衣場には巨大な鏡と催し物の告知……
斬新さを求めている今のローマにピッタリではないか!
このアイデア、すぐマルクスに知らせたい……)
ルシウス (この平たい胸族が風呂文化を大切にしていることはよくわかる……
入り口の日よけ布か……この案も頂いたぞ! ん、こちらにも入り口が……)
ルシウス (私が出て来た入り口の日よけ布には「女」、こっちの入り口の日よけ布には「男」……とある。
平たい胸族の文字か……どういう意味だ?)
ルシウス (……もう一方にも入ってみるか……)
ルシウス (これは一体!? ……この手桶、見たことも無い素材で出来ている。……なんて美しい黄色だ)
ルシウス (……ん、これは引き戸か)
ガラガラガラッ
ルシウス (なっ!? ……ここは脱衣所か)
ルシウス (きょ……巨大な一枚板の鏡……!? なんという文明度の高さ……)
ルシウス (しかもこの催し物の告知の絵の完璧さ……こんな技を持った職人が存在するなんて……まったく驚くべき奴隷達だ)
ルシウス (ほほう……、このカゴの中に衣類を入れるのか……これなら我々の技術でも複製が可能か)
ルシウス (この奴隷風呂、使えるぞ!)
ルシウス (大きさや豪華さだけが重視される今の浴場からよりシンプルに、しかしより多機能に……
温浴室には美しいヴェスビオス火山とナポリ湾の壁画を用い、脱衣場には巨大な鏡と催し物の告知……
斬新さを求めている今のローマにピッタリではないか!
このアイデア、すぐマルクスに知らせたい……)
ルシウス (この平たい胸族が風呂文化を大切にしていることはよくわかる……
入り口の日よけ布か……この案も頂いたぞ! ん、こちらにも入り口が……)
ルシウス (私が出て来た入り口の日よけ布には「女」、こっちの入り口の日よけ布には「男」……とある。
平たい胸族の文字か……どういう意味だ?)
ルシウス (……もう一方にも入ってみるか……)
13: 2012/05/04(金) 22:17:36.74 ID:HT1UI5+w0
ルシウス (成る程、こちらは男湯か、さっき奴隷の女共が騒いでいたのは私が女湯に入り込んだからか)
ルシウス (ならばここなら騒動にはなるまい、時間停止解除!)
客の男 「カッハー、うんめえ!」
ルシウス (あれは何だろう)
客の男 「ん、外人さん、フルーツ牛乳が珍しいかい? ニッポンの銭湯に来たらこれは飲んでおかねえと!」
客の男 「おーい! 番台の姉ちゃんよ、この外人さんにフルーツ牛乳1本」
杏子 「オーケー」
杏子 「飲むかい?」
ルシウス (成る程、奴隷の女に見張りと店番をさせているのか)
ルシウス (そうだ……とりあえずはこの喉の渇きを潤さねば……んっ……これはどうやって……)
杏子 「そうか、開け方が分かんないか……貸してみな……ほらよ」
ルシウス (ゴクッゴクッ…………美味い!)
ルシウス (しかも冷たくて甘い!……牛の乳に温帯の甘い果実の汁が加わったかのような風味……雪のような冷たさ……
湯上りの火照った体内に染み込む柔らかな味……)
ルシウス (この世の物なのか!? ああ、この甘みが夢心地にさせてくれる……)
ルシウス (ならばここなら騒動にはなるまい、時間停止解除!)
客の男 「カッハー、うんめえ!」
ルシウス (あれは何だろう)
客の男 「ん、外人さん、フルーツ牛乳が珍しいかい? ニッポンの銭湯に来たらこれは飲んでおかねえと!」
客の男 「おーい! 番台の姉ちゃんよ、この外人さんにフルーツ牛乳1本」
杏子 「オーケー」
杏子 「飲むかい?」
ルシウス (成る程、奴隷の女に見張りと店番をさせているのか)
ルシウス (そうだ……とりあえずはこの喉の渇きを潤さねば……んっ……これはどうやって……)
杏子 「そうか、開け方が分かんないか……貸してみな……ほらよ」
ルシウス (ゴクッゴクッ…………美味い!)
ルシウス (しかも冷たくて甘い!……牛の乳に温帯の甘い果実の汁が加わったかのような風味……雪のような冷たさ……
湯上りの火照った体内に染み込む柔らかな味……)
ルシウス (この世の物なのか!? ああ、この甘みが夢心地にさせてくれる……)
14: 2012/05/04(金) 22:30:00.76 ID:HT1UI5+w0
ほむら 「杏子!」
杏子 「どうした、ほむら? 何を慌ててるんだ?」
ほむら 「女湯に男が入り込んでたのよ!」
ルシウス (女湯の方からさっきの奴隷の声が……。只の奴隷なら兎も角、魔法少女相手となると厄介だ)
ルシウス (ここは一旦退散するか。元の世界に戻るには左手の盾を操作して……)
杏子 「男? お前らが入ってから女湯には誰も来てないぞ。私の雇い主のおっちゃんも今日は朝から釣りに出かけたし」
ほむら 「背の高い外国人の男を見なかった?」
杏子 「いるよ、今フルーツ牛乳飲んで……あれ、いない?」
まどか 「杏子ちゃん、その人覗き魔だよ!」
杏子 「何だと!」
杏子 「くそ、逃げられたか、しかもフルーツ牛乳飲み逃げしやがった!」
杏子 「ここでのバイトも慣れてきたと思ってたら、ヘマしちまったな」
杏子 「どうした、ほむら? 何を慌ててるんだ?」
ほむら 「女湯に男が入り込んでたのよ!」
ルシウス (女湯の方からさっきの奴隷の声が……。只の奴隷なら兎も角、魔法少女相手となると厄介だ)
ルシウス (ここは一旦退散するか。元の世界に戻るには左手の盾を操作して……)
杏子 「男? お前らが入ってから女湯には誰も来てないぞ。私の雇い主のおっちゃんも今日は朝から釣りに出かけたし」
ほむら 「背の高い外国人の男を見なかった?」
杏子 「いるよ、今フルーツ牛乳飲んで……あれ、いない?」
まどか 「杏子ちゃん、その人覗き魔だよ!」
杏子 「何だと!」
杏子 「くそ、逃げられたか、しかもフルーツ牛乳飲み逃げしやがった!」
杏子 「ここでのバイトも慣れてきたと思ってたら、ヘマしちまったな」
15: 2012/05/04(金) 22:40:51.51 ID:HT1UI5+w0
古代ローマ 公衆浴場(テルマエ)内
マルクス 「ルシウスッ!」
ルシウス 「……」
マルクス 「大丈夫かッ、ルシウスッ! オマエ、ずーっと浴槽の下に沈んでたんだぞッ」
ルシウス 「……あれ? 平たい胸の奴隷は?」
マルクス 「何言ってんだ。水飲んで目を覚ませっ」
ルシウス (夢? だったのか……?)
コンッコロコロ
ルシウス (何か手に当たった……これは!? 平たい胸族の飲み物の瓶!)
ルシウス (夢だけど、夢じゃなかった!)
こうして魔法少女かつ時間遡航者となったルシウスによる、時空を超えた壮大な旅(風呂限定)が始まった。
マルクス 「ルシウスッ!」
ルシウス 「……」
マルクス 「大丈夫かッ、ルシウスッ! オマエ、ずーっと浴槽の下に沈んでたんだぞッ」
ルシウス 「……あれ? 平たい胸の奴隷は?」
マルクス 「何言ってんだ。水飲んで目を覚ませっ」
ルシウス (夢? だったのか……?)
コンッコロコロ
ルシウス (何か手に当たった……これは!? 平たい胸族の飲み物の瓶!)
ルシウス (夢だけど、夢じゃなかった!)
こうして魔法少女かつ時間遡航者となったルシウスによる、時空を超えた壮大な旅(風呂限定)が始まった。
19: 2012/05/04(金) 23:03:10.68
テルマエの原作っぽい雰囲気出ててよかった
平たい胸族とか奴隷とか好き放題言われてんなほむほむ
平たい胸族とか奴隷とか好き放題言われてんなほむほむ
32: 2012/05/12(土) 20:30:01.71 ID:l5Lt3A1Y0
古代ローマ ルシウスが新たに設計した公衆浴場(テルマエ)内
客の男1 「風流な壁画じゃのう」
客の男2 「ヴェスビオス火山にはナポリ湾……ナポリ湾にはやっぱり松の木ですよね」
QB 「キミの設計したテルマエに多くの人間が訪れて楽しんでいる。キミは今やローマで大人気の建築家だ」
ルシウス 「ありがとう、キュゥべえ。お前のおかげだ」
ルシウス (……しかし私としてはまだまだ納得のいかないことだらけなのだ……)
ルシウス (果汁入り牛の乳も再現したが、味はともかく、瓶の造型、蓋の構造、とてもオリジナルの完成度には及ばない。
そもそもどうしてあんなに飲み物を冷やせたのだ? こちらは地下水を使ってもあそこまでは冷えないのに……。
恐るべし、平たい胸族)
客の男1 「風流な壁画じゃのう」
客の男2 「ヴェスビオス火山にはナポリ湾……ナポリ湾にはやっぱり松の木ですよね」
QB 「キミの設計したテルマエに多くの人間が訪れて楽しんでいる。キミは今やローマで大人気の建築家だ」
ルシウス 「ありがとう、キュゥべえ。お前のおかげだ」
ルシウス (……しかし私としてはまだまだ納得のいかないことだらけなのだ……)
ルシウス (果汁入り牛の乳も再現したが、味はともかく、瓶の造型、蓋の構造、とてもオリジナルの完成度には及ばない。
そもそもどうしてあんなに飲み物を冷やせたのだ? こちらは地下水を使ってもあそこまでは冷えないのに……。
恐るべし、平たい胸族)
33: 2012/05/12(土) 20:43:29.32 ID:l5Lt3A1Y0
マルクス 「よう、大繁盛じゃねえか」
ルシウス 「マルクス……」
QB 「ボクはこれで失礼するよ」
ルシウス (ああ、またな。キュゥべえ)
マルクス 「どうした、ルシウス?」
ルシウス 「いや、なんでもない」
ルシウス (普通の人間にはキュゥべえは見えないんだったな)
マルクス 「ヴェスビオス火山の壁画、催し物の告知、巨大な鏡、脱衣籠、極めつけは果汁の味のする牛の乳だ
一人で次から次へとよく考え付いたもんだ」
ルシウス (……この経緯をマルクスに説明する自信がない……)
マルクス 「うちの師匠も頻繁にここに来たがってるんだがなあ」
ルシウス 「そういえば、マルクスのお師匠さん、高翌齢であまり遠出が出来ないんだったな」
マルクス 「ああ、大のテルマエ好きでよ、度々連れていけって面倒臭いったらありゃしない」
ルシウス 「そんなこと言うなよ。お前の大事なお師匠さんなんだろ」
マルクス 「そりゃ、そうなんだが……。
家にテルマエでもありゃいいけど、自宅にテルマエをかまえるなんて金持ちか貴族しか出来ないもんなあ」
ルシウス (市民が自宅に居ながらにしてテルマエに入ることが出来れば……)
ルシウス 「マルクス……」
QB 「ボクはこれで失礼するよ」
ルシウス (ああ、またな。キュゥべえ)
マルクス 「どうした、ルシウス?」
ルシウス 「いや、なんでもない」
ルシウス (普通の人間にはキュゥべえは見えないんだったな)
マルクス 「ヴェスビオス火山の壁画、催し物の告知、巨大な鏡、脱衣籠、極めつけは果汁の味のする牛の乳だ
一人で次から次へとよく考え付いたもんだ」
ルシウス (……この経緯をマルクスに説明する自信がない……)
マルクス 「うちの師匠も頻繁にここに来たがってるんだがなあ」
ルシウス 「そういえば、マルクスのお師匠さん、高翌齢であまり遠出が出来ないんだったな」
マルクス 「ああ、大のテルマエ好きでよ、度々連れていけって面倒臭いったらありゃしない」
ルシウス 「そんなこと言うなよ。お前の大事なお師匠さんなんだろ」
マルクス 「そりゃ、そうなんだが……。
家にテルマエでもありゃいいけど、自宅にテルマエをかまえるなんて金持ちか貴族しか出来ないもんなあ」
ルシウス (市民が自宅に居ながらにしてテルマエに入ることが出来れば……)
34: 2012/05/12(土) 20:48:30.71 ID:l5Lt3A1Y0
ルシウス (マルクスが帰ったか……)
ルシウス (彼とは旧知の間柄だ。何とかしてやりたい。魔法を使うぞ、変身!)
ルシウス (湯船に浸かって盾を操作して……)
ルシウス (ゴポポポポポポッ……またこれか!?)
ルシウス (彼とは旧知の間柄だ。何とかしてやりたい。魔法を使うぞ、変身!)
ルシウス (湯船に浸かって盾を操作して……)
ルシウス (ゴポポポポポポッ……またこれか!?)
35: 2012/05/12(土) 20:55:12.24 ID:l5Lt3A1Y0
まどかの自宅 庭
まどか 「タツヤ、随分汚れちゃったね」
タツヤ 「キャハハハ」
知久 「まどか、タツヤをお風呂に入れてあげて! パパはまだ土いじりしてるから」
まどか 「分かった! おいでタツヤ。お風呂入るよ」
タツヤ 「うん!」
まどか 「タツヤ、随分汚れちゃったね」
タツヤ 「キャハハハ」
知久 「まどか、タツヤをお風呂に入れてあげて! パパはまだ土いじりしてるから」
まどか 「分かった! おいでタツヤ。お風呂入るよ」
タツヤ 「うん!」
37: 2012/05/12(土) 21:10:15.07 ID:l5Lt3A1Y0
まどかの自宅 浴室
ゴポゴポゴポゴポゴポ、バスン!
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
ルシウス (何か頭に当たった……。ここはどこだ?)
ルシウス (棺桶? いや、湯が張ってある)
ルシウス (私が頭をぶつけた板だ……これは一体?)
ルシウス (……そうか! この板でここの湯が冷めないように蓋をしていたのか)
ルシウス (となると、これは巨大な鍋か何かか?)
ルシウス (……これは何だ? この牛の腸のような細長い物は? 先端が膨らんでいて、小さい穴が沢山開いている……)
タツヤ 「オフロ、ねえちゃんとオフロ」
まどか 「さあ、服脱がすからタツヤ、腕上げて」
ルシウス (人が来たか、後々面倒になると厄介だ。時間停止!)
ルシウス (あそこに窓が……。時を止めている間に外に出よう。その上で、窓からこの棺桶もどきの用途を見せて貰うとするか)
ゴポゴポゴポゴポゴポ、バスン!
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
ルシウス (何か頭に当たった……。ここはどこだ?)
ルシウス (棺桶? いや、湯が張ってある)
ルシウス (私が頭をぶつけた板だ……これは一体?)
ルシウス (……そうか! この板でここの湯が冷めないように蓋をしていたのか)
ルシウス (となると、これは巨大な鍋か何かか?)
ルシウス (……これは何だ? この牛の腸のような細長い物は? 先端が膨らんでいて、小さい穴が沢山開いている……)
タツヤ 「オフロ、ねえちゃんとオフロ」
まどか 「さあ、服脱がすからタツヤ、腕上げて」
ルシウス (人が来たか、後々面倒になると厄介だ。時間停止!)
ルシウス (あそこに窓が……。時を止めている間に外に出よう。その上で、窓からこの棺桶もどきの用途を見せて貰うとするか)
39: 2012/05/12(土) 21:22:44.52 ID:l5Lt3A1Y0
ルシウス (外に出た、これから観察開始だ。時間停止解除!)
まどか 「全部脱いだね」
ガラガラッ
ルシウス (この女!? 初めて魔法を使った時に見た、平たい胸族の女ではないか! 子持ちだったのか!?)
ルシウス (経産婦でこの胸の小ささとは、これで乳が出ていたのか?)
まどか 「シャワーかけるよ」
タツヤ 「あい!」
シャアアア
ルシウス (何! 牛の腸のようなものの先から湯が出ている!)
まどか 「頭洗うよ」
タツヤ 「あれ!」
まどか 「タツヤ、そろそろシャンプーハット無しで頭洗おう」
タツヤ 「あれないとイヤ!」
まどか 「しょうがないね、ほら」
タツヤ 「イヒヒ」
ルシウス (子供の頭に冠を被せた! この親子、平たい胸族の族長の妻子だったのか!)
まどか 「全部脱いだね」
ガラガラッ
ルシウス (この女!? 初めて魔法を使った時に見た、平たい胸族の女ではないか! 子持ちだったのか!?)
ルシウス (経産婦でこの胸の小ささとは、これで乳が出ていたのか?)
まどか 「シャワーかけるよ」
タツヤ 「あい!」
シャアアア
ルシウス (何! 牛の腸のようなものの先から湯が出ている!)
まどか 「頭洗うよ」
タツヤ 「あれ!」
まどか 「タツヤ、そろそろシャンプーハット無しで頭洗おう」
タツヤ 「あれないとイヤ!」
まどか 「しょうがないね、ほら」
タツヤ 「イヒヒ」
ルシウス (子供の頭に冠を被せた! この親子、平たい胸族の族長の妻子だったのか!)
40: 2012/05/12(土) 21:36:24.10 ID:l5Lt3A1Y0
シャカシャカシャカ
まどか 「気持ちいい?」
タツヤ 「きもちいー!」
ルシウス (冠をつけたまま、髪を洗っている……)
まどか 「流すよ」
タツヤ 「いいよ」
シャアアアア
ルシウス (冠ではない!? ……頭を洗う時に水が目に入らない為の道具か……考えたな……。
そしてここで髪を洗っているということは、さっきの棺桶もどきの使い道は……)
まどか 「お姉ちゃんも体洗ったし、入ろうか」
タツヤ 「うん!」
チャポーン
まどか 「ふう、気持ちいい……」
ルシウス (やはり、この棺桶もどきは個人用のテルマエだったのか……)
ルシウス (これは使えるぞ、しかしそろそろ退散するか。少しここから離れて……)
まどか 「気持ちいい?」
タツヤ 「きもちいー!」
ルシウス (冠をつけたまま、髪を洗っている……)
まどか 「流すよ」
タツヤ 「いいよ」
シャアアアア
ルシウス (冠ではない!? ……頭を洗う時に水が目に入らない為の道具か……考えたな……。
そしてここで髪を洗っているということは、さっきの棺桶もどきの使い道は……)
まどか 「お姉ちゃんも体洗ったし、入ろうか」
タツヤ 「うん!」
チャポーン
まどか 「ふう、気持ちいい……」
ルシウス (やはり、この棺桶もどきは個人用のテルマエだったのか……)
ルシウス (これは使えるぞ、しかしそろそろ退散するか。少しここから離れて……)
41: 2012/05/12(土) 21:41:44.40 ID:l5Lt3A1Y0
ルシウス (こっちは庭か……人がいる!?)
知久 「今回もプチトマトがうまく出来た。今日も休日出勤のママには悪いけど、
こうして庭で毎日のように土いじりが出来るのも専業主夫の楽しみだなあ」
ルシウス (庭の草木の手入れをしている。……あの男、この屋敷の奴隷か……)
ルシウス (それでは元の世界に帰るか)
知久 「今回もプチトマトがうまく出来た。今日も休日出勤のママには悪いけど、
こうして庭で毎日のように土いじりが出来るのも専業主夫の楽しみだなあ」
ルシウス (庭の草木の手入れをしている。……あの男、この屋敷の奴隷か……)
ルシウス (それでは元の世界に帰るか)
52: 2012/05/20(日) 11:36:19.07 ID:ZxCSmj1M0
古代ローマ 大通り
マルクス 「ルシウスッ、ありがとう! 自宅にテルマエが出来て師匠も大喜びだったよ。
やっぱりお前は最高のテルマエ技師だ」
ルシウス 「そうか、気に入って貰えて良かった……」
ルシウス (私がマルクスの師匠の為に造った個人用テルマエは、平たい胸族のアイデアを頂いたに過ぎない。
これでは友人を騙しているようで気が引ける)
マルクス 「それと、師匠を遠くのテルマエに連れて行く手間が省けてから仕事も以前より捗ってな。
遅れていた石像造りの仕事も納期に間に合った。全部お前のおかげだ」
ルシウス (マルクス、お前は自分の力で仕事をしている。
それに引き替え、私はお前が思っているような立派な人間ではないのだ)
マルクス 「ルシウスッ、ありがとう! 自宅にテルマエが出来て師匠も大喜びだったよ。
やっぱりお前は最高のテルマエ技師だ」
ルシウス 「そうか、気に入って貰えて良かった……」
ルシウス (私がマルクスの師匠の為に造った個人用テルマエは、平たい胸族のアイデアを頂いたに過ぎない。
これでは友人を騙しているようで気が引ける)
マルクス 「それと、師匠を遠くのテルマエに連れて行く手間が省けてから仕事も以前より捗ってな。
遅れていた石像造りの仕事も納期に間に合った。全部お前のおかげだ」
ルシウス (マルクス、お前は自分の力で仕事をしている。
それに引き替え、私はお前が思っているような立派な人間ではないのだ)
53: 2012/05/20(日) 11:50:11.17 ID:ZxCSmj1M0
古代ローマ 公衆浴場(テルマエ)内
ルシウス (しかしまだまだ、平たい胸族について学ぶことは山ほどある)
ルシウス (彼らと出会って最初に飲んだ果汁入り牛の乳の入っていた瓶の蓋、
2枚重ねのパピルスで真似たのだが、うまくいかない。
あの奴隷の女はいとも簡単にスッポンと蓋を取ったのだ)
ルシウス (せめてあのスッポンの仕組みだけでも聞いてくる!)
ルシウス (湯船に入って盾を操作して……)
ゴポポポポポポッ
ルシウス (しかしまだまだ、平たい胸族について学ぶことは山ほどある)
ルシウス (彼らと出会って最初に飲んだ果汁入り牛の乳の入っていた瓶の蓋、
2枚重ねのパピルスで真似たのだが、うまくいかない。
あの奴隷の女はいとも簡単にスッポンと蓋を取ったのだ)
ルシウス (せめてあのスッポンの仕組みだけでも聞いてくる!)
ルシウス (湯船に入って盾を操作して……)
ゴポポポポポポッ
54: 2012/05/20(日) 12:00:04.05 ID:ZxCSmj1M0
現代日本 銭湯 浴場内
杏子 (やっぱ、気持ちいいねえ。風呂掃除終わった後の息抜き……タダ風呂なんてここの銭湯でバイトする特権だねえ)
ゴポゴポゴポゴポゴポ、ザバアッ
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
杏子 「えっ! うわあっ!?」
ルシウス (この女、あの時の見張りの奴隷?)
杏子 (飲み逃げした覗き魔じゃねえか!)
ルシウス 「ちょうど良かった、以前会った時にくれた瓶のことで……」
杏子 「こっち見んじゃねえ!」
ドン
ルシウス 「うわっ!」
ルシウス (足が滑った!)
ゴチン
杏子 (やっぱ、気持ちいいねえ。風呂掃除終わった後の息抜き……タダ風呂なんてここの銭湯でバイトする特権だねえ)
ゴポゴポゴポゴポゴポ、ザバアッ
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
杏子 「えっ! うわあっ!?」
ルシウス (この女、あの時の見張りの奴隷?)
杏子 (飲み逃げした覗き魔じゃねえか!)
ルシウス 「ちょうど良かった、以前会った時にくれた瓶のことで……」
杏子 「こっち見んじゃねえ!」
ドン
ルシウス 「うわっ!」
ルシウス (足が滑った!)
ゴチン
55: 2012/05/20(日) 12:13:16.97 ID:ZxCSmj1M0
ルシウス (あれ、ここは?)
ルシウス (私は、痛たた……。思い出した。転んで頭を打ったのか)
ルシウス (ここはあの時の脱衣場か)
ルシウス (何だ、これは!? 籠の中で羽が回っている! 風だ吹いてくる、涼しい……。
風呂で火照った体でこの風に当たると気持ちよさそうだ……)
ルシウス 「あ゛~!」
ルシウス (何故私はこのようなことをしてしまうのだろうか。しかし羽に向けて声を出すと面白い声になる)
ガラガラッ
杏子 「目が覚めたか」
ルシウス (……私が気絶している間にこの平たい胸族が着替えているということは、私は結構長い間気を失っていたらしい。
それにしても私を突き飛ばすとは無礼な奴隷め……。)
杏子 「そんな顔すんなよ、こっちだって焦ったんだぜ。転倒して浴槽の縁で思いっきり後頭部打って気絶するんだから。
ほら、これ飲んだらスッキリするから」
ルシウス (あの牛の乳の瓶!)
杏子 「これで……こら!? 勝手に取るな!」
ルシウス (この道具でどうやって蓋を取っていたのだ?)
杏子 「自分でやってみたかったのか? さっきは扇風機の前で声出してるし、おっちゃんまるで子供みたいだな」
ルシウス (この奴隷、笑っている。さてはローマ人はこのような物も作れないのかと馬鹿にしているのか?)
ルシウス (私は、痛たた……。思い出した。転んで頭を打ったのか)
ルシウス (ここはあの時の脱衣場か)
ルシウス (何だ、これは!? 籠の中で羽が回っている! 風だ吹いてくる、涼しい……。
風呂で火照った体でこの風に当たると気持ちよさそうだ……)
ルシウス 「あ゛~!」
ルシウス (何故私はこのようなことをしてしまうのだろうか。しかし羽に向けて声を出すと面白い声になる)
ガラガラッ
杏子 「目が覚めたか」
ルシウス (……私が気絶している間にこの平たい胸族が着替えているということは、私は結構長い間気を失っていたらしい。
それにしても私を突き飛ばすとは無礼な奴隷め……。)
杏子 「そんな顔すんなよ、こっちだって焦ったんだぜ。転倒して浴槽の縁で思いっきり後頭部打って気絶するんだから。
ほら、これ飲んだらスッキリするから」
ルシウス (あの牛の乳の瓶!)
杏子 「これで……こら!? 勝手に取るな!」
ルシウス (この道具でどうやって蓋を取っていたのだ?)
杏子 「自分でやってみたかったのか? さっきは扇風機の前で声出してるし、おっちゃんまるで子供みたいだな」
ルシウス (この奴隷、笑っている。さてはローマ人はこのような物も作れないのかと馬鹿にしているのか?)
56: 2012/05/20(日) 13:05:48.11 ID:ZxCSmj1M0
ルシウス (ここをこうあてがう?)
杏子 「ハハハ、迷ってる迷ってる」
ルシウス (おのれ平たい胸族め。……道具の先は輪っかになっていて、中心に針……?)
杏子 「降参かい?」
ルシウス (……こうか!)
スッポン
杏子 「やるじゃん!」
ルシウス (ゴクッゴクッ、それにしても相変わらず美味い!)
杏子 「おっちゃん、正解したから覗きと飲み逃げの件は見逃してやるよ」
杏子 (私も万引き、窃盗、傷害、さんざん悪いことしてきたからな。警察呼んだらあたしまでパクられる)
杏子 「ハハハ、迷ってる迷ってる」
ルシウス (おのれ平たい胸族め。……道具の先は輪っかになっていて、中心に針……?)
杏子 「降参かい?」
ルシウス (……こうか!)
スッポン
杏子 「やるじゃん!」
ルシウス (ゴクッゴクッ、それにしても相変わらず美味い!)
杏子 「おっちゃん、正解したから覗きと飲み逃げの件は見逃してやるよ」
杏子 (私も万引き、窃盗、傷害、さんざん悪いことしてきたからな。警察呼んだらあたしまでパクられる)
57: 2012/05/20(日) 13:15:21.76 ID:ZxCSmj1M0
銭湯の主人 「おーい! 杏子!」
杏子 「やべっ! 親父っさんだ。とりあえず、浴場に隠れて!」
ルシウス (隠れろといっているのか? とりあえず浴場に移動するか)
銭湯の主人 「おーい! 何だ、居るならちゃんと返事しろ」
杏子 「ハハハ、ごめん、親父っさん」
銭湯の主人 「脱衣所の掃除はもう済んだみたいだな。風呂場の掃除は?」
杏子 「終わってるよ」
銭湯の主人 「ようし、そろそろ客入れるぞ。準備しろ」
杏子 「オーケー」
杏子 (ふう、バレすに済んだ)
杏子 「おっちゃん、今のうちにここから……」
杏子 (あれ……居ない? 覗き魔のおっちゃんは?)
杏子 (今度はスッポン持っていきやがった!)
杏子 「やべっ! 親父っさんだ。とりあえず、浴場に隠れて!」
ルシウス (隠れろといっているのか? とりあえず浴場に移動するか)
銭湯の主人 「おーい! 何だ、居るならちゃんと返事しろ」
杏子 「ハハハ、ごめん、親父っさん」
銭湯の主人 「脱衣所の掃除はもう済んだみたいだな。風呂場の掃除は?」
杏子 「終わってるよ」
銭湯の主人 「ようし、そろそろ客入れるぞ。準備しろ」
杏子 「オーケー」
杏子 (ふう、バレすに済んだ)
杏子 「おっちゃん、今のうちにここから……」
杏子 (あれ……居ない? 覗き魔のおっちゃんは?)
杏子 (今度はスッポン持っていきやがった!)
58: 2012/05/20(日) 13:24:39.49 ID:ZxCSmj1M0
古代ローマ ルシウスが新たに設計した公衆浴場(テルマエ)内
客の男1 「瓶の蓋が簡単に取れるぞ!」
客の男2 「これまでは2枚重ねのパピルスの上だけ剥けたり、力の加減が難しくて指を瓶の中に突っ込んだりしてたが、
年寄りのワシにも簡単に扱えるわい」
マルクス 「発想の転換だな。それに脱衣所のこの風車。樋に水車をつけ、湧き水が樋に流れるようにする。
すると水車が回転して水車に付いた風車も回転、風を作る。室内でも風に当たれるようになった」
ルシウス (平たい胸族の脱衣所にあった風車だが、動力源が分からなかった。
もっと勢い良く風車を回す方法があればいいのだが……。あの『あ゛~』って声出すのが出来ないではないか)
客の男1 「瓶の蓋が簡単に取れるぞ!」
客の男2 「これまでは2枚重ねのパピルスの上だけ剥けたり、力の加減が難しくて指を瓶の中に突っ込んだりしてたが、
年寄りのワシにも簡単に扱えるわい」
マルクス 「発想の転換だな。それに脱衣所のこの風車。樋に水車をつけ、湧き水が樋に流れるようにする。
すると水車が回転して水車に付いた風車も回転、風を作る。室内でも風に当たれるようになった」
ルシウス (平たい胸族の脱衣所にあった風車だが、動力源が分からなかった。
もっと勢い良く風車を回す方法があればいいのだが……。あの『あ゛~』って声出すのが出来ないではないか)
73: 2012/05/22(火) 23:01:49.59 ID:gAxgdAlq0
古代ローマ レピドゥス執政官別荘 レピドゥス寝室
レピドゥス 「おお、そなたが高名なテルマエ設計技師ルシウスか。遠いところ呼び出してすまなかったのう。ゴホッゴホッ」
ルシウス 「いえ、私に出来ることなら」
レピドゥス 「ヴェスビオス火山を眺めることが出来るこの別荘にテルマエを造って欲しいのじゃ。
数ヶ月前、ワシがまだ元気じゃった頃、そなたが造ったテルマエのヴェスビオス火山の壁画にいたく感激してのう。
ワシの命も後僅か。出来れば、あの山を眺めながら外で湯に浸かって余生を過ごしたいのじゃ、ウッ、ゴホッゴホッ」
ルシウス 「外で、でございますか?」
レピドゥス 「おお、そなたが高名なテルマエ設計技師ルシウスか。遠いところ呼び出してすまなかったのう。ゴホッゴホッ」
ルシウス 「いえ、私に出来ることなら」
レピドゥス 「ヴェスビオス火山を眺めることが出来るこの別荘にテルマエを造って欲しいのじゃ。
数ヶ月前、ワシがまだ元気じゃった頃、そなたが造ったテルマエのヴェスビオス火山の壁画にいたく感激してのう。
ワシの命も後僅か。出来れば、あの山を眺めながら外で湯に浸かって余生を過ごしたいのじゃ、ウッ、ゴホッゴホッ」
ルシウス 「外で、でございますか?」
74: 2012/05/22(火) 23:11:48.86 ID:gAxgdAlq0
古代ローマ レピドゥス執政官別荘 庭
ルシウス 「別荘の水はカンパニア州を巡るアウグスタ水道から引いているのか?」
レグルス 「はい。でもルシウス殿、水なら水道管を引かなくても湧いておりますが」
ルシウス 「何!? 湧き水があるのか」
ルシウス 「別荘の水はカンパニア州を巡るアウグスタ水道から引いているのか?」
レグルス 「はい。でもルシウス殿、水なら水道管を引かなくても湧いておりますが」
ルシウス 「何!? 湧き水があるのか」
75: 2012/05/22(火) 23:16:13.10 ID:gAxgdAlq0
ルシウス 「これは大した量の湧き水ではないか! しかも暖かい!」
レグルス 「もしこの水がテルマエに使えたら……ルシウス殿、何を!?」
レグルス (いきなり湧き水に入っていったぞ)
ルシウス 「これは使える……。この湯の沸き立つ源泉を突き止めることが出来れば……」
ルシウス (しかし、仮にここにテルマエを造るとして、屋外にテルマエを造るノウハウが私には無い。
……仕方ない、魔法を使うか。変身!)
ゴポポポポポポッ
レグルス 「もしこの水がテルマエに使えたら……ルシウス殿、何を!?」
レグルス (いきなり湧き水に入っていったぞ)
ルシウス 「これは使える……。この湯の沸き立つ源泉を突き止めることが出来れば……」
ルシウス (しかし、仮にここにテルマエを造るとして、屋外にテルマエを造るノウハウが私には無い。
……仕方ない、魔法を使うか。変身!)
ゴポポポポポポッ
76: 2012/05/22(火) 23:30:09.17 ID:gAxgdAlq0
現代日本 草津温泉街 宿の一室
さやか母 「さやか、またお風呂行くの?」
さやか 「うん」
さやか母 「そう、ママあんまり入ったら湯当たりしそうだから止めとくわ」
さやか 「えーっ!? もう、折角の旅行なのに……。じゃあ一人で行ってくる」
さやか母 「いってらっしゃい」
さやか 「そういえばパパは?」
さやか母 「煙草買いに行ったわ」
さやか母 「さやか、またお風呂行くの?」
さやか 「うん」
さやか母 「そう、ママあんまり入ったら湯当たりしそうだから止めとくわ」
さやか 「えーっ!? もう、折角の旅行なのに……。じゃあ一人で行ってくる」
さやか母 「いってらっしゃい」
さやか 「そういえばパパは?」
さやか母 「煙草買いに行ったわ」
77: 2012/05/22(火) 23:40:20.25 ID:gAxgdAlq0
現代日本 草津温泉街 露天風呂
さやか (あぁ……気持ちいい。露天風呂に入ったまま中でオシッコするの癖になりそう)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
さやか (何だろ? ……ここからお湯が湧いてるのかな)
ザバアッ
さやか 「!」
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
さやか 「キャッ!」
さやか (何、どういうこと!? まさかここって混浴!? だったらあまり嫌がると失礼かな? でも恥ずかしいよ……。
この人、めっちゃこっち見てるじゃん)
ルシウス (再び平たい胸族のテルマエって……平たくない! 決して大きくはないが、これまでの平たい胸族よりは胸がある。
平たい胸族の中でも大きな部類なのであろう)
ルシウス (ここは……屋根も壁も無い。それ故に美しい山々を眺めながらテルマエに入ることが出来る。
さらに風景を楽しめるだけでは無い。屋外のこのテルマエの解放感、これ程のものだったとは……)
さやか (何かキョロキョロしてる。……外国人には日本の露天風呂が珍しいのかな?)
ルシウス (ん、あれは?)
さやか (温泉卵が近くにあったんだ)
さやか (あぁ……気持ちいい。露天風呂に入ったまま中でオシッコするの癖になりそう)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
さやか (何だろ? ……ここからお湯が湧いてるのかな)
ザバアッ
さやか 「!」
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
さやか 「キャッ!」
さやか (何、どういうこと!? まさかここって混浴!? だったらあまり嫌がると失礼かな? でも恥ずかしいよ……。
この人、めっちゃこっち見てるじゃん)
ルシウス (再び平たい胸族のテルマエって……平たくない! 決して大きくはないが、これまでの平たい胸族よりは胸がある。
平たい胸族の中でも大きな部類なのであろう)
ルシウス (ここは……屋根も壁も無い。それ故に美しい山々を眺めながらテルマエに入ることが出来る。
さらに風景を楽しめるだけでは無い。屋外のこのテルマエの解放感、これ程のものだったとは……)
さやか (何かキョロキョロしてる。……外国人には日本の露天風呂が珍しいのかな?)
ルシウス (ん、あれは?)
さやか (温泉卵が近くにあったんだ)
78: 2012/05/22(火) 23:52:27.33 ID:gAxgdAlq0
ルシウス 「あれは何だ?」
さやか (話しかけられた! 何語だろう? 何て言っているのか分からないけど、きっと温泉卵のこと聞いてるんだよね)
ルシウス 「あれは何だ!?」
さやか 「ああ……、ディア ラー ボイルドエッグズ イン……温泉って英語で何ていうんだっけ……。
と、……とにかく食べてみなよ。 ほら!」
ルシウス (この女、卵を割って椀に入れて寄越してきた……これは? 変わった卵だ)
ルシウス (どれ……美味い! このような卵料理があったとは……ん、向こうから声が聞こえてくる?)
客の男1 「ここ混浴だったよな?」
客の男2 「ええ、可愛い子いればいいんですけどね」
客の男1 「居なかったら居なかったでこの酒だけでも楽しもうや」
客の男2 「居てもババアだけかもしれませんよ」
客の男1・2 「ハハハハハハ!」
さやか (げっ! ここやっぱり混浴だったんだ!)
ルシウス (新たな客か)
さやか (話しかけられた! 何語だろう? 何て言っているのか分からないけど、きっと温泉卵のこと聞いてるんだよね)
ルシウス 「あれは何だ!?」
さやか 「ああ……、ディア ラー ボイルドエッグズ イン……温泉って英語で何ていうんだっけ……。
と、……とにかく食べてみなよ。 ほら!」
ルシウス (この女、卵を割って椀に入れて寄越してきた……これは? 変わった卵だ)
ルシウス (どれ……美味い! このような卵料理があったとは……ん、向こうから声が聞こえてくる?)
客の男1 「ここ混浴だったよな?」
客の男2 「ええ、可愛い子いればいいんですけどね」
客の男1 「居なかったら居なかったでこの酒だけでも楽しもうや」
客の男2 「居てもババアだけかもしれませんよ」
客の男1・2 「ハハハハハハ!」
さやか (げっ! ここやっぱり混浴だったんだ!)
ルシウス (新たな客か)
79: 2012/05/23(水) 00:03:09.85 ID:x6lb6kbg0
客の男1 「お、居た居た。湯気で良く見えんが若い女っぽいぞ」
客の男2 「でも隣にデカイの居るし、あれ男連れですよ」
客の男1 「でも彼氏彼女って感じはしねえな。たまたま同席した風に見えるし、いけるだろ」
客の男2 「で、どうするんスか」
客の男1 「男の方に酒を勧める感じで話しかければ近づけるって」
客の男2 「ショウさんそういうの上手いッスよねえ、羨ましいッスよ」
ルシウス (こっちに来る)
さやか (嫌だなあ、ああいうタイプ。この外人さんの影に隠れよ)
客の男1 「外人さん、服着たまま温泉に入るのはマナー違反だよ、って分からないか。
どう、飲まない? そちらの女の子も一緒に」
さやか 「ハハハ、遠慮しときます。私未成年だし……」
ルシウス (飲み物か?)
客の男2 「ほら、遠慮せずにググッと一杯」
ルシウス (これは……酒か? ……美味い!)
ルシウス (温泉に暖めた酒とは……この組み合わせ、思いつかなかった!)
客の男2 「でも隣にデカイの居るし、あれ男連れですよ」
客の男1 「でも彼氏彼女って感じはしねえな。たまたま同席した風に見えるし、いけるだろ」
客の男2 「で、どうするんスか」
客の男1 「男の方に酒を勧める感じで話しかければ近づけるって」
客の男2 「ショウさんそういうの上手いッスよねえ、羨ましいッスよ」
ルシウス (こっちに来る)
さやか (嫌だなあ、ああいうタイプ。この外人さんの影に隠れよ)
客の男1 「外人さん、服着たまま温泉に入るのはマナー違反だよ、って分からないか。
どう、飲まない? そちらの女の子も一緒に」
さやか 「ハハハ、遠慮しときます。私未成年だし……」
ルシウス (飲み物か?)
客の男2 「ほら、遠慮せずにググッと一杯」
ルシウス (これは……酒か? ……美味い!)
ルシウス (温泉に暖めた酒とは……この組み合わせ、思いつかなかった!)
80: 2012/05/23(水) 00:17:08.23 ID:x6lb6kbg0
さやか 「あの、おじさん?」
ルシウス (ん?)
さやか 「私、恥ずかしいから上がりたいんだけど……。おじさん衝立になってくれる?
おじさんにはもう見られちゃったから」
ルシウス (言葉は分からないが……、身振り手振りと表情で何となく言いたいことは分かる。
男の前であまり肌を晒したくないらしい。私を見たときも明らかに恥ずかしがっていたしな……。
そうか! 分かったぞ!)
ルシウス (平たい胸族の間では中途半端に胸があると恥ずかしいのか!)
ルシウス (あの変わった茹で卵の礼だ、蛮族といえども力を貸そうではないか)
さやか 「え! おじさん、ちょっ……手を離して?」
ルシウス (時間停止!)
さやか 「これ、何!?」
ルシウス 「手を離すな」
さやか (他の客の動きが止まっている……? これって魔法!?)
ルシウス (日よけ布に「女」の文字……初めて平たい胸族に出会った時を思い出す。ここから先が女の脱衣所だな)
ルシウス 「ここまで来ればいいだろう。茹で卵、美味かった」
さやか 「おじさん、もしかして……!」
さやか (消えた!?)
ルシウス (ん?)
さやか 「私、恥ずかしいから上がりたいんだけど……。おじさん衝立になってくれる?
おじさんにはもう見られちゃったから」
ルシウス (言葉は分からないが……、身振り手振りと表情で何となく言いたいことは分かる。
男の前であまり肌を晒したくないらしい。私を見たときも明らかに恥ずかしがっていたしな……。
そうか! 分かったぞ!)
ルシウス (平たい胸族の間では中途半端に胸があると恥ずかしいのか!)
ルシウス (あの変わった茹で卵の礼だ、蛮族といえども力を貸そうではないか)
さやか 「え! おじさん、ちょっ……手を離して?」
ルシウス (時間停止!)
さやか 「これ、何!?」
ルシウス 「手を離すな」
さやか (他の客の動きが止まっている……? これって魔法!?)
ルシウス (日よけ布に「女」の文字……初めて平たい胸族に出会った時を思い出す。ここから先が女の脱衣所だな)
ルシウス 「ここまで来ればいいだろう。茹で卵、美味かった」
さやか 「おじさん、もしかして……!」
さやか (消えた!?)
90: 2012/05/26(土) 20:56:43.26 ID:DUasNE210
古代ローマ レピドゥス執政官別荘 ルシウスが造った露天風呂
レピドゥス 「おお、ルシウスよ」
ルシウス 「レピドゥス様」
レピドゥス 「そう畏まることはない。そなたの造ったテルマエに入り、ここで茹でた卵と熱いワインを飲んだら
すっかり元気になってな。若い妻との間に新しい命まで授かった。ハッハッハッ」
ルシウス 「おめでとうございます」
レピドゥス 「ありがとう、ルシウス」
ルシウス (今回は平たい胸族のアイデアを彼らに劣らない水準で再現出来た。
しかし彼らのテルマエのアイデアは底が知れない……)
レピドゥス 「おお、ルシウスよ」
ルシウス 「レピドゥス様」
レピドゥス 「そう畏まることはない。そなたの造ったテルマエに入り、ここで茹でた卵と熱いワインを飲んだら
すっかり元気になってな。若い妻との間に新しい命まで授かった。ハッハッハッ」
ルシウス 「おめでとうございます」
レピドゥス 「ありがとう、ルシウス」
ルシウス (今回は平たい胸族のアイデアを彼らに劣らない水準で再現出来た。
しかし彼らのテルマエのアイデアは底が知れない……)
91: 2012/05/26(土) 21:10:43.50 ID:DUasNE210
古代ローマ ハドリアヌス帝宮殿
ハドリアヌス 「レピドゥスからそなたの名を聞いたのがそなたをここに呼び出したきっかけではあったが、
そなたの噂は以前から聞いておった」
ルシウス 「はっ」
ハドリアヌス 「そなたはこれまでに誰も考え付かなかった斬新なテルマエを造ってきたな」
ルシウス 「勿体無きお言葉」
ルシウス (まさか皇帝からお声がかかるとは……)
ハドリアヌス 「謙遜せずともよい。そこでだ、ルシウス。そなたに頼みがある」
ルシウス 「……何なりとお申しつけ下さいませ」
ハドリアヌス 「……うむ。そなた、わしにテルマエを造ってはくれまいか?」
ルシウス 「私が、でございますか?」
ハドリアヌス 「他に誰がおる?」
ルシウス 「建築家としても名高き陛下を満足させるテルマエを私が造れましょうか?」
ハドリアヌス 「わしを唸らせるテルマエを造れるものがおるとすればルシウス、そなただけであろうな」
ルシウス 「しかし陛下にはアポロドロスという優れた建築家がおられるではありませぬか」
ハドリアヌス 「アポロドロスはもうおらぬ! あんな古い発想しか出来ぬ者はお払い箱だ」
ルシウス (天下のアポロドロスでも皇帝を満足させられなかったのか!)
ハドリアヌス 「レピドゥスからそなたの名を聞いたのがそなたをここに呼び出したきっかけではあったが、
そなたの噂は以前から聞いておった」
ルシウス 「はっ」
ハドリアヌス 「そなたはこれまでに誰も考え付かなかった斬新なテルマエを造ってきたな」
ルシウス 「勿体無きお言葉」
ルシウス (まさか皇帝からお声がかかるとは……)
ハドリアヌス 「謙遜せずともよい。そこでだ、ルシウス。そなたに頼みがある」
ルシウス 「……何なりとお申しつけ下さいませ」
ハドリアヌス 「……うむ。そなた、わしにテルマエを造ってはくれまいか?」
ルシウス 「私が、でございますか?」
ハドリアヌス 「他に誰がおる?」
ルシウス 「建築家としても名高き陛下を満足させるテルマエを私が造れましょうか?」
ハドリアヌス 「わしを唸らせるテルマエを造れるものがおるとすればルシウス、そなただけであろうな」
ルシウス 「しかし陛下にはアポロドロスという優れた建築家がおられるではありませぬか」
ハドリアヌス 「アポロドロスはもうおらぬ! あんな古い発想しか出来ぬ者はお払い箱だ」
ルシウス (天下のアポロドロスでも皇帝を満足させられなかったのか!)
92: 2012/05/26(土) 21:21:54.08 ID:DUasNE210
古代ローマ ルシウスが設計した公衆浴場(テルマエ)内
ルシウス (結局引き受けてしまった……。どうしよう……ええい、今更断ることなど出来ぬ!)
ルシウス (この仕事は絶対にしくじる訳にいかない! 今回は二回魔法を使おう)
ルシウス (いくぞ!)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
ルシウス (結局引き受けてしまった……。どうしよう……ええい、今更断ることなど出来ぬ!)
ルシウス (この仕事は絶対にしくじる訳にいかない! 今回は二回魔法を使おう)
ルシウス (いくぞ!)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
93: 2012/05/26(土) 21:24:15.48 ID:DUasNE210
現代日本 志筑邸 浴室
仁美 (上条君、いえ、彼とはもう恋人同士なのだから恭介と言いましょう。恭介に恥をかかせないように女を磨かないと……。
体の隅々まで綺麗にしましょう)
ゴポゴポゴポゴポゴポ、ザバアッ
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
仁美 「何!?」
ルシウス 「……」
仁美 (……男の人が見える……私のぼせたのかしら?)
ルシウス (時間停止!)
ルシウス (この木の香りは……? これは……浴槽が木で出来ている! いや、浴槽だけでない、床も壁も全て木製だ)
ルシウス (これは何の木だ……檜か!)
ルシウス (テルマエを檜で造ることで香しい木の香りを生み、木の暖かみを肌で感じる。石造りとはまた違った趣のテルマエ……)
ルシウス (しかもこれなら、我々ローマ人の技術で復元可能だ!)
ルシウス (幸先の良いスタートだ。この平たい胸族……この女、平たくない。以前茹で卵を食わせてくれた女と同じ位だ。
いずれにせよ感謝する)
ルシウス (ひと先ず戻るか)
仁美 (上条君、いえ、彼とはもう恋人同士なのだから恭介と言いましょう。恭介に恥をかかせないように女を磨かないと……。
体の隅々まで綺麗にしましょう)
ゴポゴポゴポゴポゴポ、ザバアッ
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
仁美 「何!?」
ルシウス 「……」
仁美 (……男の人が見える……私のぼせたのかしら?)
ルシウス (時間停止!)
ルシウス (この木の香りは……? これは……浴槽が木で出来ている! いや、浴槽だけでない、床も壁も全て木製だ)
ルシウス (これは何の木だ……檜か!)
ルシウス (テルマエを檜で造ることで香しい木の香りを生み、木の暖かみを肌で感じる。石造りとはまた違った趣のテルマエ……)
ルシウス (しかもこれなら、我々ローマ人の技術で復元可能だ!)
ルシウス (幸先の良いスタートだ。この平たい胸族……この女、平たくない。以前茹で卵を食わせてくれた女と同じ位だ。
いずれにせよ感謝する)
ルシウス (ひと先ず戻るか)
94: 2012/05/26(土) 21:33:39.66 ID:DUasNE210
古代ローマ ルシウスが設計した公衆浴場(テルマエ)内
ルシウス (一旦戻ってきた)
ルシウス (浴室自体は総檜で造るとして、他に浴室につける機能的なものが欲しい)
ルシウス (もう一回!)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
ルシウス (一旦戻ってきた)
ルシウス (浴室自体は総檜で造るとして、他に浴室につける機能的なものが欲しい)
ルシウス (もう一回!)
ゴポゴポゴポゴポゴポ
95: 2012/05/26(土) 21:43:38.02 ID:DUasNE210
現代日本 神戸 ホテルの客室
詢子 (出張にかこつけて会社の金で高級ホテルに宿泊。バスローブを羽織り、ゆったりと酒を楽しむ。
パパには悪いけどこれだからキャリアウーマンは止められないわ)
詢子 (顔パックもしてるし、アロマテラピーの蝋燭も点けたし、後は本でも読んで寝るか)
詢子 (途中まで読んだんだよ『仄暗い浴槽の底から』……これ怖いよな)
ゴポゴポゴポゴポゴポ、ザバアッ 「ヒィ!」
詢子 「ひっ!」
詢子 (何か浴室から声がしたわよね)
ソ口リソ口リ
詢子 (ホテルに泊まる時は火災に備えて湯船に水を張ってから寝るけど、今の声は一体……)
詢子 (まさか、ここのホテル……出ないよね?)
詢子 (出張にかこつけて会社の金で高級ホテルに宿泊。バスローブを羽織り、ゆったりと酒を楽しむ。
パパには悪いけどこれだからキャリアウーマンは止められないわ)
詢子 (顔パックもしてるし、アロマテラピーの蝋燭も点けたし、後は本でも読んで寝るか)
詢子 (途中まで読んだんだよ『仄暗い浴槽の底から』……これ怖いよな)
ゴポゴポゴポゴポゴポ、ザバアッ 「ヒィ!」
詢子 「ひっ!」
詢子 (何か浴室から声がしたわよね)
ソ口リソ口リ
詢子 (ホテルに泊まる時は火災に備えて湯船に水を張ってから寝るけど、今の声は一体……)
詢子 (まさか、ここのホテル……出ないよね?)
96: 2012/05/26(土) 21:52:55.33 ID:DUasNE210
ルシウス (冷たい! 水ではないか!)
ルシウス (水風呂に来てしまうとは……寒い)
詢子 (風呂場の電気を点けて……)
パチン
ルシウス (眩しっ!)
ルシウス 「うわあああ!」
ルシウス (何だこれは!?)
詢子 「キャアアアア!」
詢子 (幽霊!?)
クラクラ、バタリ
ルシウス (ハァ、ハァ、ビックリした。これは……女? ……気絶したのか……。魔女かと思った……)
ルシウス (この女、なぜこんな珍妙な白い仮面を着けているのだ? こんなものを着けて出てくるから驚いたではないか)
ルシウス (この香り……、香を焚いているのか。ひょっとして何かの儀式の最中だったのかもしれん。
早くここのテルマエを調べて退散しよう……。うむ、これは個人用テルマエのようだな)
ルシウス (壁に文字板が埋め込まれている。様々な記号や文字が書いてある……『ジャグジー』?)
ピッ
ゴポゴポゴポゴポ
ルシウス (水風呂に来てしまうとは……寒い)
詢子 (風呂場の電気を点けて……)
パチン
ルシウス (眩しっ!)
ルシウス 「うわあああ!」
ルシウス (何だこれは!?)
詢子 「キャアアアア!」
詢子 (幽霊!?)
クラクラ、バタリ
ルシウス (ハァ、ハァ、ビックリした。これは……女? ……気絶したのか……。魔女かと思った……)
ルシウス (この女、なぜこんな珍妙な白い仮面を着けているのだ? こんなものを着けて出てくるから驚いたではないか)
ルシウス (この香り……、香を焚いているのか。ひょっとして何かの儀式の最中だったのかもしれん。
早くここのテルマエを調べて退散しよう……。うむ、これは個人用テルマエのようだな)
ルシウス (壁に文字板が埋め込まれている。様々な記号や文字が書いてある……『ジャグジー』?)
ピッ
ゴポゴポゴポゴポ
97: 2012/05/26(土) 22:04:47.53 ID:DUasNE210
ルシウス 「うわっ!」
ルシウス (一瞬で湯が沸騰した!)
ザバァ
ルシウス (危うく大火傷するところだったではないか……あれ、皮膚がヒリヒリしてない? 足が沸き立つ湯に浸かっていたのに?)
ルシウス (落ち着け、勇気を持て、ルシウス……もう一度、湯に触れるぞ……)
ルシウス (……これは!? 不思議だ……触れても熱くない、水風呂のままだ。
これは浴槽の底から空気が出ているのか!?……何ということだ……手に触れる空気の泡が心地いい……)
ルシウス (この文字版を押すと何かが起こるらしい……魔法の一種かとも思ったが魔力は感じられない)
詢子 「ん、ん……」
ルシウス (女祈祷師が目を覚ましそうだ……。最初は珍妙な仮面に気を取られたが、改めて見ると倒れた際に服がはだけ、
艶かしい。それにこの女の胸、決して平たくはない……)
ルシウス (そろそろ元の世界に戻ろう……)
ルシウス (一瞬で湯が沸騰した!)
ザバァ
ルシウス (危うく大火傷するところだったではないか……あれ、皮膚がヒリヒリしてない? 足が沸き立つ湯に浸かっていたのに?)
ルシウス (落ち着け、勇気を持て、ルシウス……もう一度、湯に触れるぞ……)
ルシウス (……これは!? 不思議だ……触れても熱くない、水風呂のままだ。
これは浴槽の底から空気が出ているのか!?……何ということだ……手に触れる空気の泡が心地いい……)
ルシウス (この文字版を押すと何かが起こるらしい……魔法の一種かとも思ったが魔力は感じられない)
詢子 「ん、ん……」
ルシウス (女祈祷師が目を覚ましそうだ……。最初は珍妙な仮面に気を取られたが、改めて見ると倒れた際に服がはだけ、
艶かしい。それにこの女の胸、決して平たくはない……)
ルシウス (そろそろ元の世界に戻ろう……)
98: 2012/05/26(土) 22:14:06.78 ID:DUasNE210
古代ローマ ハドリアヌス帝宮殿 ルシウス設計の皇帝専用テルマエ内
ハドリアヌス 「これは考えたな、ルシウス! 湯船の底から泡が出る檜のテルマエとは! 心地いいぞ!」
ルシウス 「勿体無きお言葉」
ルシウス (奴隷達を使って踏鞴で湯船の底に空気を送り込む仕掛け、うまくいった……)
ハドリアヌス 「木の温もりと香りを楽しみながら、湯と空気の泡に身を委ねる……まさに癒し……」
ルシウス (皇帝もこのテルマエを気に入られたようだ……良かった)
ハドリアヌス 「願わくば、私が愛したアンティノーにもこのテルマエを楽しませたかった……」
ルシウス (アンティノー……ナイル川で溺死した皇帝の愛人か)
ハドリアヌス 「これは考えたな、ルシウス! 湯船の底から泡が出る檜のテルマエとは! 心地いいぞ!」
ルシウス 「勿体無きお言葉」
ルシウス (奴隷達を使って踏鞴で湯船の底に空気を送り込む仕掛け、うまくいった……)
ハドリアヌス 「木の温もりと香りを楽しみながら、湯と空気の泡に身を委ねる……まさに癒し……」
ルシウス (皇帝もこのテルマエを気に入られたようだ……良かった)
ハドリアヌス 「願わくば、私が愛したアンティノーにもこのテルマエを楽しませたかった……」
ルシウス (アンティノー……ナイル川で溺死した皇帝の愛人か)
99: 2012/05/26(土) 22:21:35.89 ID:DUasNE210
現代日本 まどか自宅 リビング
知久 「ママも怖がりだなあ、出張先のホテルで幽霊を見たなんて」
まどか 「ママ、お酒飲みすぎたんじゃない?」
タツヤ 「オバケ、オバケ」
詢子 「ホントだって! 出たんだよ! 幽霊があたし見て「うわあああ!」って叫んだんだ!」
知久 「ママも怖がりだなあ、出張先のホテルで幽霊を見たなんて」
まどか 「ママ、お酒飲みすぎたんじゃない?」
タツヤ 「オバケ、オバケ」
詢子 「ホントだって! 出たんだよ! 幽霊があたし見て「うわあああ!」って叫んだんだ!」
114: 2012/05/31(木) 23:53:09.08 ID:R/hFSH6W0
古代ローマ ハドリアヌス帝宮殿
アントニヌス 「ルシウス。陛下は公務で今は席を外せない故、代わりに私が陛下の命を伝えよう」
ルシウス 「はっ」
アントニヌス 「単刀直入に言うと新たにテルマエを造って欲しいのだ」
ルシウス 「畏まりました。ところで場所はどこに?」
アントニヌス 「これはまだ他言無用だが、陛下は近々エルサレム遠征を考えておいでだ。
そこで行軍時に持ち運び可能なテルマエを造って欲しい」
ルシウス 「持ち運べるテルマエでございますか!?」
アントニヌス 「そうだ、戦場で功を上げた者はテルマエに入れるようにする。兵士用なので簡素な物でいい。
陛下は兵の士気高揚にテルマエが有効と考えておいでだ」
ルシウス 「成る程……」
アントニヌス 「ルシウス。陛下は公務で今は席を外せない故、代わりに私が陛下の命を伝えよう」
ルシウス 「はっ」
アントニヌス 「単刀直入に言うと新たにテルマエを造って欲しいのだ」
ルシウス 「畏まりました。ところで場所はどこに?」
アントニヌス 「これはまだ他言無用だが、陛下は近々エルサレム遠征を考えておいでだ。
そこで行軍時に持ち運び可能なテルマエを造って欲しい」
ルシウス 「持ち運べるテルマエでございますか!?」
アントニヌス 「そうだ、戦場で功を上げた者はテルマエに入れるようにする。兵士用なので簡素な物でいい。
陛下は兵の士気高揚にテルマエが有効と考えておいでだ」
ルシウス 「成る程……」
115: 2012/05/31(木) 23:58:13.47 ID:R/hFSH6W0
古代ローマ ルシウスが設計した公衆浴場(テルマエ)内
ルシウス (持ち運び可能なテルマエ……。思いも寄らなかった)
ルシウス (以前マルクスの師匠に造ったテルマエを戦車に乗せて運ぶか……。
いや、幾ら個人用とはいえ住宅に増設したテルマエを丸々運ぶなんて大き過ぎるし重すぎる。
石造りから檜に変えても……それでも無理がある)
ルシウス (やはり、平たい胸族の智恵を借りるしか……)
ゴポポポポポポッ
ルシウス (持ち運び可能なテルマエ……。思いも寄らなかった)
ルシウス (以前マルクスの師匠に造ったテルマエを戦車に乗せて運ぶか……。
いや、幾ら個人用とはいえ住宅に増設したテルマエを丸々運ぶなんて大き過ぎるし重すぎる。
石造りから檜に変えても……それでも無理がある)
ルシウス (やはり、平たい胸族の智恵を借りるしか……)
ゴポポポポポポッ
116: 2012/06/01(金) 00:06:40.59 ID:CotfSXw70
現代日本 群馬県某キャンプ地
マミ 「これでよかったのかしら……」
ほむら 「自分を責め過ぎよ」
杏子 「いいんじゃねえの。1日位街を離れてハイキングしたってバチは当たらねえって」
さやか 「私達にもたまには息抜きが必要ですよ」
まどか 「ここに居るみんながマミさんの頑張りを知っています。マミさんが今、街を離れていることを責める人が居たら
私何度でも言い返せます」
マミ 「ありがとう、鹿目さん。そうね、みんな私の誕生日を祝って企画してくれたんですもの、今日は楽しみましょう」
さやか (改めて言うけど誕生日のお祝いにハイキングってのも変だよね)
ほむら (今回は巴マミに日常を忘れて楽しんで貰うのが目的よ。その為にも魔女が現れそうにない場所で
お祝いする必要があるの。説明したでしょ)
さやか (それは分かってるよ)
杏子 (マミの自宅で誕生日パーティーして、パーティー中に魔女の反応が出てみろ。
あいつはパーティー中断してでも魔女退治に行くぞ)
まどか (マミさんならやりかねないね……)
マミ 「これでよかったのかしら……」
ほむら 「自分を責め過ぎよ」
杏子 「いいんじゃねえの。1日位街を離れてハイキングしたってバチは当たらねえって」
さやか 「私達にもたまには息抜きが必要ですよ」
まどか 「ここに居るみんながマミさんの頑張りを知っています。マミさんが今、街を離れていることを責める人が居たら
私何度でも言い返せます」
マミ 「ありがとう、鹿目さん。そうね、みんな私の誕生日を祝って企画してくれたんですもの、今日は楽しみましょう」
さやか (改めて言うけど誕生日のお祝いにハイキングってのも変だよね)
ほむら (今回は巴マミに日常を忘れて楽しんで貰うのが目的よ。その為にも魔女が現れそうにない場所で
お祝いする必要があるの。説明したでしょ)
さやか (それは分かってるよ)
杏子 (マミの自宅で誕生日パーティーして、パーティー中に魔女の反応が出てみろ。
あいつはパーティー中断してでも魔女退治に行くぞ)
まどか (マミさんならやりかねないね……)
117: 2012/06/01(金) 00:13:34.23 ID:CotfSXw70
杏子 「ドラム缶拾って来たよ」
さやか 「これ、どうすんのよ?」
杏子 「これで風呂造るんだよ。みんな汗かいてるだろうし、風呂入りたいだろ?」
さやか 「ドラム缶風呂か! 面白そうじゃん」
杏子 「だったらさやかに仕事がある。こいつを私の指示通りに切れ」
杏子 「まどかとほむらは薪探しだ」
マミ 「あら、急に元気が出たわね、佐倉さん」
杏子 「さやか、ドラム缶切ったら次は土台作りと水汲みが待ってるからな」
さやか 「あんたも働きなさいよ」
さやか 「これ、どうすんのよ?」
杏子 「これで風呂造るんだよ。みんな汗かいてるだろうし、風呂入りたいだろ?」
さやか 「ドラム缶風呂か! 面白そうじゃん」
杏子 「だったらさやかに仕事がある。こいつを私の指示通りに切れ」
杏子 「まどかとほむらは薪探しだ」
マミ 「あら、急に元気が出たわね、佐倉さん」
杏子 「さやか、ドラム缶切ったら次は土台作りと水汲みが待ってるからな」
さやか 「あんたも働きなさいよ」
118: 2012/06/01(金) 00:24:17.88 ID:CotfSXw70
さやか 「ふぅ、結構大変だった」
杏子 「でもこれで風呂に入れるぞ。湯も沸いたしな」
マミ 「でもこの大きさなら入るのは一人ずつね」
まどか 「ここはやはり主賓のマミさんから」
マミ 「美樹さん、有難う。でも平等にジャンケンで決めましょう」
ほむら 「巴マミ、あなたが最初でいいわ」
杏子 「遠慮せずに早く入れよ、これもマミの誕生日祝いの一つなんだから」
マミ 「みんなありがとう、そうさせて貰うわ。……ところで私達以外に誰も居ないわよね?」
QB 「大丈夫だよマミ。この辺りにはボク達しか居ない」
ほむら 「お前もどこかに行きなさい」
さやか 「みんな、マミさんが服を脱いでいる間にジャンケンで順番を決めよう」
まどか 「2番手以降の順番を決めなくちゃね」
杏子 「でもこれで風呂に入れるぞ。湯も沸いたしな」
マミ 「でもこの大きさなら入るのは一人ずつね」
まどか 「ここはやはり主賓のマミさんから」
マミ 「美樹さん、有難う。でも平等にジャンケンで決めましょう」
ほむら 「巴マミ、あなたが最初でいいわ」
杏子 「遠慮せずに早く入れよ、これもマミの誕生日祝いの一つなんだから」
マミ 「みんなありがとう、そうさせて貰うわ。……ところで私達以外に誰も居ないわよね?」
QB 「大丈夫だよマミ。この辺りにはボク達しか居ない」
ほむら 「お前もどこかに行きなさい」
さやか 「みんな、マミさんが服を脱いでいる間にジャンケンで順番を決めよう」
まどか 「2番手以降の順番を決めなくちゃね」
121: 2012/06/01(金) 06:49:20.31 ID:CotfSXw70
さやか 「杏子、どうしてもう脱いでるの」
杏子 「さっきのジャンケンで2番手は私になったからな」
マミ 「それでは一番風呂頂くわね」
ジャバッ
杏子 「マミ! あまり勢い良く入るな! お湯が漏れて焚き木が消えるだろ!」
マミ 「あら、ごめんね……ふぅ、いい湯加減。……それに解放的でいいわあ」
ゴポン
杏子 「ハハハハ! マミが屁ぇこいた」
マミ 「違う、今のは! 私してないわ!」
さやか 「マミさん、露天風呂でしていいのはオシッコまでですよ!」
まどか 「さやかちゃん、オシッコの方がしちゃ駄目だよ……」
ほむら 「最後に入るのは私なのに、そんな話聞かせないで頂戴」
ゴポゴポゴポゴポッ
まどか 「……」
ほむら 「いくら解放的だからって気が緩みすぎね」
マミ 「だからおならじゃないわよ! え!? これって、あ、わわ!?」
杏子 「さっきのジャンケンで2番手は私になったからな」
マミ 「それでは一番風呂頂くわね」
ジャバッ
杏子 「マミ! あまり勢い良く入るな! お湯が漏れて焚き木が消えるだろ!」
マミ 「あら、ごめんね……ふぅ、いい湯加減。……それに解放的でいいわあ」
ゴポン
杏子 「ハハハハ! マミが屁ぇこいた」
マミ 「違う、今のは! 私してないわ!」
さやか 「マミさん、露天風呂でしていいのはオシッコまでですよ!」
まどか 「さやかちゃん、オシッコの方がしちゃ駄目だよ……」
ほむら 「最後に入るのは私なのに、そんな話聞かせないで頂戴」
ゴポゴポゴポゴポッ
まどか 「……」
ほむら 「いくら解放的だからって気が緩みすぎね」
マミ 「だからおならじゃないわよ! え!? これって、あ、わわ!?」
122: 2012/06/01(金) 07:12:23.98 ID:CotfSXw70
ザパァッ
マミ 「ヒャア! もう! 佐倉さん、無理に入ってこないでよ! ……えっ!?」
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
マミ 「イヤアアアアッ!」
ルシウス (この状況にも慣れてきたな。時間停止!)
ルシウス (このテルマエは……浴槽の素材は薄い金属。形は大きな筒型。これに水を入れて下から火で暖めるのか。
筒の底に木の板を置いて足の裏の火傷を防いでいる)
ルシウス (原理は非常にシンプルだ。ファラリスの雄牛の方が複雑な位だ)
ルシウス (空の状態の筒なら兵士1人で背負える。水さえ確保出来ればどこでもテルマエを楽しめる。)
マミ 「……あなた」
ルシウス (馬鹿な! この女、時間停止が効いてない!)
マミ 「ここから、出て行けええ!」
ゴツン
ルシウス 「ぐはぁ!」
マミ (変身しなきゃ! 一体何、この人!?)
ルシウス (変身しただと!? この女、魔法少女だったのか!)
マミ 「ヒャア! もう! 佐倉さん、無理に入ってこないでよ! ……えっ!?」
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
マミ 「イヤアアアアッ!」
ルシウス (この状況にも慣れてきたな。時間停止!)
ルシウス (このテルマエは……浴槽の素材は薄い金属。形は大きな筒型。これに水を入れて下から火で暖めるのか。
筒の底に木の板を置いて足の裏の火傷を防いでいる)
ルシウス (原理は非常にシンプルだ。ファラリスの雄牛の方が複雑な位だ)
ルシウス (空の状態の筒なら兵士1人で背負える。水さえ確保出来ればどこでもテルマエを楽しめる。)
マミ 「……あなた」
ルシウス (馬鹿な! この女、時間停止が効いてない!)
マミ 「ここから、出て行けええ!」
ゴツン
ルシウス 「ぐはぁ!」
マミ (変身しなきゃ! 一体何、この人!?)
ルシウス (変身しただと!? この女、魔法少女だったのか!)
128: 2012/06/03(日) 20:52:41.52 ID:3PQPfjSf0
マミ (ドラム缶の中で大男と取っ組み合いなんて……。近すぎて銃が使えない)
ルシウス (くっ、狭くて身動きが取れない……。何故この女には時間停止が効かない……)
マミ 「みんな! 覗き魔よ、捕まえて!」
マミ (どうしてみんな加勢してくれないの? 私が一番風呂に入ったのがそんなに妬ましいのかしら?
それともこれはバースデーサプライズなの?)
マミ (あれ、鹿目さん、動きが止まっている……)
マミ (美樹さんも……)
マミ (この男の左手の盾、暁美さんのに似てる……)
マミ (まさか、この人の特殊魔法は時間停止!?)
マミ (もし暁美さんの能力に似ていれば、触れた相手には時間停止が効かない)
マミ (だったら!)
シュルルルル
ほむら 「何ッ!」
さやか 「マミさん!」
杏子 「あ、あいつッ!」
まどか 「ええっ!」
マミ 「みんな! この人は魔法少女よ! 能力は暁美さんと同じ!」
ルシウス (くっ、狭くて身動きが取れない……。何故この女には時間停止が効かない……)
マミ 「みんな! 覗き魔よ、捕まえて!」
マミ (どうしてみんな加勢してくれないの? 私が一番風呂に入ったのがそんなに妬ましいのかしら?
それともこれはバースデーサプライズなの?)
マミ (あれ、鹿目さん、動きが止まっている……)
マミ (美樹さんも……)
マミ (この男の左手の盾、暁美さんのに似てる……)
マミ (まさか、この人の特殊魔法は時間停止!?)
マミ (もし暁美さんの能力に似ていれば、触れた相手には時間停止が効かない)
マミ (だったら!)
シュルルルル
ほむら 「何ッ!」
さやか 「マミさん!」
杏子 「あ、あいつッ!」
まどか 「ええっ!」
マミ 「みんな! この人は魔法少女よ! 能力は暁美さんと同じ!」
129: 2012/06/03(日) 21:00:00.65 ID:3PQPfjSf0
グラグラッ、ザパアッ、ドスン、ゴロンゴロン
マミ 「キャアッ!」
ルシウス 「うわっ、痛ッ!」
ルシウス (筒が転倒したおかげで筒から抜け出せた。時間停止!)
ルシウス (あれ、女共の動きが止まらない、どうした!? 停止! 停止!)
マミ 「以前の暁美さんと同じ能力なら触れている相手の時間は止められない」
マミ 「ならば、私のリボンで全員を繋げばあなたの時間停止は効かない!」
ルシウス (女の体から出てる紐が私の足に! いつの間に!?)
ほむら 「私達がこの男の存在に気付けるのは……」
まどか 「覗き魔とマミさんがリボンで繋がっていて、マミさんからさらに私達にリボンが繋がってるからですね!」
さやか 「流石マミさん!」
杏子 「お手柄だぜ、マミ!」
マミ 「こちらは魔法少女が四人居るのよ、諦めて降参なさい」
ルシウス (何を言っている? 連中の言葉が分からない。蛮族の言葉なぞ分かるか!)
マミ 「返事が無いようね、少し痛い目に遭わなければ分からないかしら?」
マミ (マスケット銃で少し脅かしてやりましょう)
マミ 「キャアッ!」
ルシウス 「うわっ、痛ッ!」
ルシウス (筒が転倒したおかげで筒から抜け出せた。時間停止!)
ルシウス (あれ、女共の動きが止まらない、どうした!? 停止! 停止!)
マミ 「以前の暁美さんと同じ能力なら触れている相手の時間は止められない」
マミ 「ならば、私のリボンで全員を繋げばあなたの時間停止は効かない!」
ルシウス (女の体から出てる紐が私の足に! いつの間に!?)
ほむら 「私達がこの男の存在に気付けるのは……」
まどか 「覗き魔とマミさんがリボンで繋がっていて、マミさんからさらに私達にリボンが繋がってるからですね!」
さやか 「流石マミさん!」
杏子 「お手柄だぜ、マミ!」
マミ 「こちらは魔法少女が四人居るのよ、諦めて降参なさい」
ルシウス (何を言っている? 連中の言葉が分からない。蛮族の言葉なぞ分かるか!)
マミ 「返事が無いようね、少し痛い目に遭わなければ分からないかしら?」
マミ (マスケット銃で少し脅かしてやりましょう)
130: 2012/06/03(日) 21:13:21.19 ID:3PQPfjSf0
ルシウス (棒を召還した? あの棒は何だ?)
パンッ
マミ 「今のは警告よ。次は外さない」
ルシウス (何だとッ! 棒から音が出ると私の足元の地面が爆ぜた……どんな魔法だ? こちらも応戦するしかないか)
まどか (手をかざした?)
ほむら (あくまで抵抗する気ね)
マミ 「警告はしたわよ!」
ルシウス (さっきよりも太い棒を出した!? 来る!)
マミ 「ティロ・フィナーレ!」
ルシウス 「テルマエ・ロマーエ!」
マミ 「え!?」
バシュウウウウ
マミ 「熱っ、熱いっ!」
さやか 「マミさん!」
まどか (手からお湯を出してマミさんの攻撃を撃ち返した!)
杏子 (何だよあれ!? 放水車並みの威力じゃねえか!)
パンッ
マミ 「今のは警告よ。次は外さない」
ルシウス (何だとッ! 棒から音が出ると私の足元の地面が爆ぜた……どんな魔法だ? こちらも応戦するしかないか)
まどか (手をかざした?)
ほむら (あくまで抵抗する気ね)
マミ 「警告はしたわよ!」
ルシウス (さっきよりも太い棒を出した!? 来る!)
マミ 「ティロ・フィナーレ!」
ルシウス 「テルマエ・ロマーエ!」
マミ 「え!?」
バシュウウウウ
マミ 「熱っ、熱いっ!」
さやか 「マミさん!」
まどか (手からお湯を出してマミさんの攻撃を撃ち返した!)
杏子 (何だよあれ!? 放水車並みの威力じゃねえか!)
131: 2012/06/03(日) 21:23:48.52
テルマエ・ロマーエwwwwwwwwwwwwwwwwww
132: 2012/06/03(日) 21:49:05.58
ワロタ
133: 2012/06/03(日) 21:58:15.98 ID:3PQPfjSf0
ルシウス (今のうちに、足に絡まっている紐を解いて……)
杏子 「逃がさないよ!」
ジャラジャラジャラ
ルシウス (多節棍が巻きついた!? 体の自由が……)
さやか 「あんた、少しはいい人だって思ってたのに……」
ルシウス (この女、剣奴だったのか! ローマ人に剣を突きつけるとは!)
まどか 「マミさん、大丈夫!?」
マミ 「ウウ、熱い……でも大丈夫よ鹿目さん、治癒魔法で直せるから」
ほむら 「ようやく捕まえたわ!」
ほむら (キュゥべえ!)
QB (何だい? ほむら)
ほむら (直ぐにこちらに来なさい!)
QB (さっきは風呂に入るからどこかに行けっていったよね)
ほむら (覗き魔の魔法少女を捕まえたのよ、あなたなら知っていることもあるかと思って)
QB (分かった、そっちに行くよ)
杏子 「逃がさないよ!」
ジャラジャラジャラ
ルシウス (多節棍が巻きついた!? 体の自由が……)
さやか 「あんた、少しはいい人だって思ってたのに……」
ルシウス (この女、剣奴だったのか! ローマ人に剣を突きつけるとは!)
まどか 「マミさん、大丈夫!?」
マミ 「ウウ、熱い……でも大丈夫よ鹿目さん、治癒魔法で直せるから」
ほむら 「ようやく捕まえたわ!」
ほむら (キュゥべえ!)
QB (何だい? ほむら)
ほむら (直ぐにこちらに来なさい!)
QB (さっきは風呂に入るからどこかに行けっていったよね)
ほむら (覗き魔の魔法少女を捕まえたのよ、あなたなら知っていることもあるかと思って)
QB (分かった、そっちに行くよ)
134: 2012/06/03(日) 22:10:12.06 ID:3PQPfjSf0
ルシウス 「キュゥべえ! 助けてくれ!」
QB 「……ルシウスかい、まさかキミに会えるとはね」
ほむら 「何て言っているの?」
QB 「キミ達が彼と言葉が通じないのも無理は無い。彼は古代ローマ人だ」
まどか・ほむら・マミ・さやか・杏子 「エエッ!」
QB 「みんな、テレパシーで会話して。ボクを中継器としてテレパシーで会話すれば翻訳が可能だ」
マミ (了解したわ、これでいい)
QB (ああ)
マミ (あと、キュゥべえにお願いがあるの)
QB (何だい?)
マミ (あなたから彼に、私達のことを説明して欲しいの。その上であなたから私達に、彼のことを説明して欲しい。
中立の立場のあなたの言葉なら、彼も、私達も聞き入れられると思うの)
QB (成る程、賢明な判断だ。今の状況を見るに、キミ達は互いに相手への印象が最悪みたいだね。
それを修復しようとするキミの判断力と冷静さ、誰かにも見習って欲しいものだ)
ほむら 「何か言ったかしら?」
QB (いいや、それよりもテレパシーで会話してくれってお願いした筈だよ?)
ほむら 「……」
QB 「……ルシウスかい、まさかキミに会えるとはね」
ほむら 「何て言っているの?」
QB 「キミ達が彼と言葉が通じないのも無理は無い。彼は古代ローマ人だ」
まどか・ほむら・マミ・さやか・杏子 「エエッ!」
QB 「みんな、テレパシーで会話して。ボクを中継器としてテレパシーで会話すれば翻訳が可能だ」
マミ (了解したわ、これでいい)
QB (ああ)
マミ (あと、キュゥべえにお願いがあるの)
QB (何だい?)
マミ (あなたから彼に、私達のことを説明して欲しいの。その上であなたから私達に、彼のことを説明して欲しい。
中立の立場のあなたの言葉なら、彼も、私達も聞き入れられると思うの)
QB (成る程、賢明な判断だ。今の状況を見るに、キミ達は互いに相手への印象が最悪みたいだね。
それを修復しようとするキミの判断力と冷静さ、誰かにも見習って欲しいものだ)
ほむら 「何か言ったかしら?」
QB (いいや、それよりもテレパシーで会話してくれってお願いした筈だよ?)
ほむら 「……」
135: 2012/06/03(日) 22:18:20.08 ID:3PQPfjSf0
QB (――という訳さ)
杏子 (キュゥべえの説明で話は分かったが……)
まどか (成る程、古代ローマのお風呂の設計技師さんか……)
さやか (それで現代の日本の風呂にタイムスリップしてそのノウハウを吸収していた……)
マミ (仕事熱心なのは分かるけれど……)
ほむら (だからといって女風呂の覗きが許される訳じゃないわ)
ルシウス (事情は分かっただろう。解放してくれ)
杏子 (キュゥべえの説明で話は分かったが……)
まどか (成る程、古代ローマのお風呂の設計技師さんか……)
さやか (それで現代の日本の風呂にタイムスリップしてそのノウハウを吸収していた……)
マミ (仕事熱心なのは分かるけれど……)
ほむら (だからといって女風呂の覗きが許される訳じゃないわ)
ルシウス (事情は分かっただろう。解放してくれ)
136: 2012/06/03(日) 22:30:40.07 ID:3PQPfjSf0
さやか (……返してよ)
ルシウス (?)
QB (さやか、裸は見られて減るものじゃない。それに古代ローマ人は裸体に対して今の君達程の抵抗感が無いんだ。
だから君達が裸を見られたことに対し、彼に大きな罪悪感を感じさせるのは――)
さやか (お風呂を覗かれたことだけじゃない! マミさんは今日誕生日だったんだよ!
それをみんなでお祝いしてたのをメチャクチャにして、それも悪いとは思えないの?
このお風呂だっていい思い出になると思ってみんなで造ったのに……)
ルシウス (この私が……テルマエを……壊した……)
さやか (返せよ……。これは……これは、マミさんの風呂だ!)
ルシウス (……)
さやか (返せって言ってるだろ! マミさんに!)
マミ (美樹さん、私のことだったらもう……いいから)
さやか (良くないですよ!)
マミ (私は、大丈夫……だから……ウッ……グスッ……)
まどか (マミさん……)
ルシウス (……皆、すまなかった)
ほむら (巴マミがまどかに抱きしめられて頭撫でられている……。ああ、交代したいわ……)
ルシウス (?)
QB (さやか、裸は見られて減るものじゃない。それに古代ローマ人は裸体に対して今の君達程の抵抗感が無いんだ。
だから君達が裸を見られたことに対し、彼に大きな罪悪感を感じさせるのは――)
さやか (お風呂を覗かれたことだけじゃない! マミさんは今日誕生日だったんだよ!
それをみんなでお祝いしてたのをメチャクチャにして、それも悪いとは思えないの?
このお風呂だっていい思い出になると思ってみんなで造ったのに……)
ルシウス (この私が……テルマエを……壊した……)
さやか (返せよ……。これは……これは、マミさんの風呂だ!)
ルシウス (……)
さやか (返せって言ってるだろ! マミさんに!)
マミ (美樹さん、私のことだったらもう……いいから)
さやか (良くないですよ!)
マミ (私は、大丈夫……だから……ウッ……グスッ……)
まどか (マミさん……)
ルシウス (……皆、すまなかった)
ほむら (巴マミがまどかに抱きしめられて頭撫でられている……。ああ、交代したいわ……)
143: 2012/06/08(金) 00:51:18.73 ID:Ap+t172m0
杏子 (……で、こいつの処分なんだが、どうする)
まどか (二度と覗きをしないと約束するなら許してあげても……)
ルシウス (待ってくれ! 私は君達のテルマエをもっと知りたい)
杏子 (だったら男風呂に行けよ!)
ルシウス (それが、移動先はこちらでは決められないんだ)
さやか (あやしい……)
ルシウス (本当だ! 信じてくれ!)
ほむら (だったら移動先をきちんと選べるようになるまでこちらの世界には来て欲しくないわ)
ルシウス (そんなのってないぞ! あんまりだぞ!)
マミ (移動先について何か規則性は無いのかしら)
QB (よく思い出してごらん、ルシウス)
ルシウス (そう言われても……)
一回目。ほむら、まどかと遭遇
二回目。まどか、タツヤの入浴を覗く
三回目。杏子と遭遇
四回目。さやかと遭遇
五回目。仁美と遭遇
六回目。詢子と遭遇
七回目。マミと遭遇
まどか (二度と覗きをしないと約束するなら許してあげても……)
ルシウス (待ってくれ! 私は君達のテルマエをもっと知りたい)
杏子 (だったら男風呂に行けよ!)
ルシウス (それが、移動先はこちらでは決められないんだ)
さやか (あやしい……)
ルシウス (本当だ! 信じてくれ!)
ほむら (だったら移動先をきちんと選べるようになるまでこちらの世界には来て欲しくないわ)
ルシウス (そんなのってないぞ! あんまりだぞ!)
マミ (移動先について何か規則性は無いのかしら)
QB (よく思い出してごらん、ルシウス)
ルシウス (そう言われても……)
一回目。ほむら、まどかと遭遇
二回目。まどか、タツヤの入浴を覗く
三回目。杏子と遭遇
四回目。さやかと遭遇
五回目。仁美と遭遇
六回目。詢子と遭遇
七回目。マミと遭遇
145: 2012/06/08(金) 00:58:59.63 ID:Ap+t172m0
ルシウス (そうだ!)
ほむら (何か気付いたの!?)
ルシウス (ああ! 一つの法則があることに気付いた。
そしてこの法則に則れば、今後私と君が突然浴槽で出会う可能性は無い)
ほむら (その法則って?)
ルシウス (前回出会った相手よりも胸の小さな女性には遭遇してない)
ほむら (やっぱりあなたはここで始末した方が良さそうね)
ほむら (何か気付いたの!?)
ルシウス (ああ! 一つの法則があることに気付いた。
そしてこの法則に則れば、今後私と君が突然浴槽で出会う可能性は無い)
ほむら (その法則って?)
ルシウス (前回出会った相手よりも胸の小さな女性には遭遇してない)
ほむら (やっぱりあなたはここで始末した方が良さそうね)
146: 2012/06/08(金) 01:16:06.26 ID:Ap+t172m0
さやか (キュゥべえ)
QB (何だい?)
さやか (こいつの能力を消すとか制限かけるとかは出来ないの?)
QB (ボクの力の及ぶところではないね。ただ一つだけ方法がある)
さやか (何?)
QB (まどかがボクと契約して魔法少女に――)
ほむら (それ以上話を続けるか、ここで頭を撃ち抜かれるか選ぶといいわ)
QB (……)
マミ (佐倉さん、幻影魔法使えたわよね)
杏子 (ああ)
マミ (その応用で暗示をかけられないかしら)
杏子 (うーん……やってみないとわかんない)
マミ (出来るかもしれないってことね、だったらこんな条件で暗示を……)
QB (何だい?)
さやか (こいつの能力を消すとか制限かけるとかは出来ないの?)
QB (ボクの力の及ぶところではないね。ただ一つだけ方法がある)
さやか (何?)
QB (まどかがボクと契約して魔法少女に――)
ほむら (それ以上話を続けるか、ここで頭を撃ち抜かれるか選ぶといいわ)
QB (……)
マミ (佐倉さん、幻影魔法使えたわよね)
杏子 (ああ)
マミ (その応用で暗示をかけられないかしら)
杏子 (うーん……やってみないとわかんない)
マミ (出来るかもしれないってことね、だったらこんな条件で暗示を……)
147: 2012/06/08(金) 01:27:06.14 ID:Ap+t172m0
杏子 (ふう、うまくいったかな……)
さやか (どう?)
杏子 (こいつに暗示をかけた。私達の顔を見たら時間停止も元の時代に帰ることも出来なくなる。
但し、出て来た場所と別の水場に飛び込んだら暗示が解ける)
ほむら (暗示がきちんとかかったか検証しましょう。ルシウス、時間停止をかけて)
ルシウス (……)
杏子 (さっさとしろよ)
ルシウス (……)
ほむら (盾に手が伸ばせない……)
マミ (キュゥべえ)
QB (何だい、マミ)
ほむら (ルシウスとリボンで繋がれていないキュゥべえが動いているということは魔法が発動してないってことだわ)
マミ (暗示成功ね。お疲れ様、佐倉さん)
杏子 (まあ、暗示だからな。いつ解けるか分からんが)
さやか (単に私達の顔を見たら魔法が使えなくなるんじゃ駄目なの?)
マミ (ある条件で暗示が解けるようにしないと彼、これから元の世界に帰れなくなるでしょ)
さやか (そうだね……わたしってホント馬鹿)
さやか (どう?)
杏子 (こいつに暗示をかけた。私達の顔を見たら時間停止も元の時代に帰ることも出来なくなる。
但し、出て来た場所と別の水場に飛び込んだら暗示が解ける)
ほむら (暗示がきちんとかかったか検証しましょう。ルシウス、時間停止をかけて)
ルシウス (……)
杏子 (さっさとしろよ)
ルシウス (……)
ほむら (盾に手が伸ばせない……)
マミ (キュゥべえ)
QB (何だい、マミ)
ほむら (ルシウスとリボンで繋がれていないキュゥべえが動いているということは魔法が発動してないってことだわ)
マミ (暗示成功ね。お疲れ様、佐倉さん)
杏子 (まあ、暗示だからな。いつ解けるか分からんが)
さやか (単に私達の顔を見たら魔法が使えなくなるんじゃ駄目なの?)
マミ (ある条件で暗示が解けるようにしないと彼、これから元の世界に帰れなくなるでしょ)
さやか (そうだね……わたしってホント馬鹿)
148: 2012/06/08(金) 01:38:02.87 ID:Ap+t172m0
ほむら (万が一次に会えばまた暗示がかかる。これで一件落着、といけばいいけど……)
ルシウス (恐ろしい……平たい胸族……)
ほむら (反省の色が見えないわね)
ルシウス (そんなことはない! おまえ達には悪いことをしたと思っている)
杏子 (おっちゃん、この後どっかの川にでも飛び込んで元の世界に帰るんだな)
ルシウス (……これでお別れだ。もう、お前達と会うのは真っ平だ)
マミ (なら、二度と会う事の無いよう努力して)
まどか (ルシウスさん)
ルシウス (何だ?)
まどか (元の世界に戻って、いいお風呂造って下さい)
ルシウス (ありがとう)
さやか (まどかは相変わらず優しいなあ)
まどか (ウェヒヒ、抱きつかないでよさやかちゃん……。
色々あったけどルシウスさんも悪気はなかった訳だし、最後は笑顔でお別れしたいから)
ルシウス (恐ろしい……平たい胸族……)
ほむら (反省の色が見えないわね)
ルシウス (そんなことはない! おまえ達には悪いことをしたと思っている)
杏子 (おっちゃん、この後どっかの川にでも飛び込んで元の世界に帰るんだな)
ルシウス (……これでお別れだ。もう、お前達と会うのは真っ平だ)
マミ (なら、二度と会う事の無いよう努力して)
まどか (ルシウスさん)
ルシウス (何だ?)
まどか (元の世界に戻って、いいお風呂造って下さい)
ルシウス (ありがとう)
さやか (まどかは相変わらず優しいなあ)
まどか (ウェヒヒ、抱きつかないでよさやかちゃん……。
色々あったけどルシウスさんも悪気はなかった訳だし、最後は笑顔でお別れしたいから)
149: 2012/06/08(金) 02:40:02.61 ID:Ap+t172m0
現代日本 マミ宅マンションのリビング
まどか 「マミさんの家にお泊りなんて嬉しいなあ」
さやか 「今夜はどんなガールズトークが花開くやら」
杏子 「あの覗き魔はもう出て来ないよねえ」
ほむら 「嫌なこと思い出させないで頂戴」
まどか 「今入浴中のマミさんが風呂から上がったら――」
「キャア!」
杏子 「今の悲鳴、風呂場からだ!」
ほむら 「まさか!」
まどか 「マミさんの家にお泊りなんて嬉しいなあ」
さやか 「今夜はどんなガールズトークが花開くやら」
杏子 「あの覗き魔はもう出て来ないよねえ」
ほむら 「嫌なこと思い出させないで頂戴」
まどか 「今入浴中のマミさんが風呂から上がったら――」
「キャア!」
杏子 「今の悲鳴、風呂場からだ!」
ほむら 「まさか!」
150: 2012/06/08(金) 02:59:26.99 ID:Ap+t172m0
現代日本 マミ宅マンション近郊
マミ 「言った筈よね、二度と会いたくないって!」
さやか 「マミさんの誕生日じゃなけりゃ現れていいって話じゃないわよ!」
ルシウス (またあの金髪の魔法少女のテルマエに来てしまうとは……)
ルシウス (しかし、追っ手の中で何故あの金髪の女は胸が大きいのだ? ……我らローマ人の女性にひけを取らない)
ルシウス (とはいえ私がこれまで出会ってきた平たい胸族と別の民族にも見えない……とにかく逃げるぞ)
ルシウス (水場、水場はどこだ?)
QB 「マミ、どうして僕を抱えながら追跡してるんだい?」
マミ 「通訳がいないと困るでしょ」
まどか (マミさん、結構冷静だ……)
杏子 「あいつ、また出てきやがった」
ほむら 「あなたが余計なこと言うからよ」
杏子 「あたしのせいかよ!」
まどか 「仲間割れは良くないよ、ほむらちゃん」
ほむら (まどかをお姫様抱っこしながら月夜の夜を跳躍する、なんてロマンチックなのかしら……)
マミ 「言った筈よね、二度と会いたくないって!」
さやか 「マミさんの誕生日じゃなけりゃ現れていいって話じゃないわよ!」
ルシウス (またあの金髪の魔法少女のテルマエに来てしまうとは……)
ルシウス (しかし、追っ手の中で何故あの金髪の女は胸が大きいのだ? ……我らローマ人の女性にひけを取らない)
ルシウス (とはいえ私がこれまで出会ってきた平たい胸族と別の民族にも見えない……とにかく逃げるぞ)
ルシウス (水場、水場はどこだ?)
QB 「マミ、どうして僕を抱えながら追跡してるんだい?」
マミ 「通訳がいないと困るでしょ」
まどか (マミさん、結構冷静だ……)
杏子 「あいつ、また出てきやがった」
ほむら 「あなたが余計なこと言うからよ」
杏子 「あたしのせいかよ!」
まどか 「仲間割れは良くないよ、ほむらちゃん」
ほむら (まどかをお姫様抱っこしながら月夜の夜を跳躍する、なんてロマンチックなのかしら……)
163: 2012/06/12(火) 01:45:16.77 ID:tpi3Y5xS0
現代日本 見滝原市営温水プール
ゴチン! ザパァ
?? 「痛っ……」
恭介 (今の人、プールの壁に頭ぶつけた。背泳ぎって難しいんだ)
恭介 (それでも泳げるだけマシだ。今の僕はプールの水の中を歩くことしか出来ない……。
落ち込んでる場合じゃない……今はここで足のリハビリを頑張って早く怪我を治そう。
腕だって治ったじゃないか。そして僕は……)
恭介 (足腰もまともに動くようになったら……仁美とエッチするんだ!)
パリーン
恭介 (屋内プールの窓が割れた!)
ゴチン! ザパァ
?? 「痛っ……」
恭介 (今の人、プールの壁に頭ぶつけた。背泳ぎって難しいんだ)
恭介 (それでも泳げるだけマシだ。今の僕はプールの水の中を歩くことしか出来ない……。
落ち込んでる場合じゃない……今はここで足のリハビリを頑張って早く怪我を治そう。
腕だって治ったじゃないか。そして僕は……)
恭介 (足腰もまともに動くようになったら……仁美とエッチするんだ!)
パリーン
恭介 (屋内プールの窓が割れた!)
164: 2012/06/12(火) 01:57:55.23 ID:tpi3Y5xS0
ルシウス (テルマエだ! これで元の世界に逃げ切れる!)
ザパアッ
恭介 「うわっ」
マミ 「とっちめてやるわ!」
杏子 「待ちやがれ!」
さやか 「逃がすもんか!」
ほむら 「まどか、飛び込むわよ」
まどか 「ええっ!? ほむらちゃん!」
ザパァ、ザパァン、ザパァ、ザッパァン、ゴポゴポゴポゴポッ
恭介 「さやか!? う、渦が!?」
さやか 「恭介!」
?? 「吸い込まれる!?」
ゴポポポポポポッ
ザパアッ
恭介 「うわっ」
マミ 「とっちめてやるわ!」
杏子 「待ちやがれ!」
さやか 「逃がすもんか!」
ほむら 「まどか、飛び込むわよ」
まどか 「ええっ!? ほむらちゃん!」
ザパァ、ザパァン、ザパァ、ザッパァン、ゴポゴポゴポゴポッ
恭介 「さやか!? う、渦が!?」
さやか 「恭介!」
?? 「吸い込まれる!?」
ゴポポポポポポッ
165: 2012/06/12(火) 02:04:46.01 ID:tpi3Y5xS0
古代ローマ ヨルダン川周辺
ルシウス 「ハァッハァッハァッハァッ、まだ追って来る」
ルシウス (元の世界に戻ってきたのに何故追って来る? 私の魔法は他の人間も巻き込むものだったのか?)
杏子 「待ちやがれ!」
マミ (私の家にいる間に捕まえられば良かったけど……あの手から出る熱湯は厄介ね。
私がリボンを出して来たら、すかさず熱湯をばら撒いてくる。
思わずひるんだ隙に距離を空けられる……)
ほむら 「今度こそ、決着をつけてやる!」
まどか (決着をつけるって捕まえた後どうする気なんだろう?)
ルシウス 「ハァッハァッハァッハァッ、まだ追って来る」
ルシウス (元の世界に戻ってきたのに何故追って来る? 私の魔法は他の人間も巻き込むものだったのか?)
杏子 「待ちやがれ!」
マミ (私の家にいる間に捕まえられば良かったけど……あの手から出る熱湯は厄介ね。
私がリボンを出して来たら、すかさず熱湯をばら撒いてくる。
思わずひるんだ隙に距離を空けられる……)
ほむら 「今度こそ、決着をつけてやる!」
まどか (決着をつけるって捕まえた後どうする気なんだろう?)
166: 2012/06/12(火) 02:11:42.23 ID:tpi3Y5xS0
杏子 「マミ!」
マミ 「何!」
杏子 「私が壁を作る! その間にリボンを出せ!」
マミ 「分かったわ!」
シュルルル
ルシウス (またあの紐か、対処法は分かっている)
バシュウウ
杏子 (甘い!)
ルシウス (赤い壁! 湯が止められた!)
マミ (佐倉さんの魔法の防壁。これで湯をあまりかぶらずにリボンを操作出来る)
シュルルル、ギュッ
ルシウス (捕まった!)
マミ (がんじがらめにするわよ)
ルシウス (紐が次から次へと……)
ほむら 「もう逃げられないわね、ようやく捕まえたわ。手強い相手だったわね」
杏子 「お前何もしてないだろ」
マミ 「何!」
杏子 「私が壁を作る! その間にリボンを出せ!」
マミ 「分かったわ!」
シュルルル
ルシウス (またあの紐か、対処法は分かっている)
バシュウウ
杏子 (甘い!)
ルシウス (赤い壁! 湯が止められた!)
マミ (佐倉さんの魔法の防壁。これで湯をあまりかぶらずにリボンを操作出来る)
シュルルル、ギュッ
ルシウス (捕まった!)
マミ (がんじがらめにするわよ)
ルシウス (紐が次から次へと……)
ほむら 「もう逃げられないわね、ようやく捕まえたわ。手強い相手だったわね」
杏子 「お前何もしてないだろ」
167: 2012/06/12(火) 06:29:14.39 ID:tpi3Y5xS0
ルシウス (本当にすまなかった。悪気は無いんだ)
マミ (悪気が無ければレディの入浴を覗いてもいいって言うの?)
ルシウス (私は覗きが目的で君達のテルマエに現れるのではない)
杏子 (そんなの関係ねぇ!)
まどか (待って、みんな!)
ほむら (あなたは人が良すぎるわ、まどか。あなただってこの男に裸を見られたのよ)
まどか (そのことじゃなくて、さやかちゃんはどこに行ったの?)
一同 (あっ!)
QB (キミ達は気付かなかったのかい? さやかと逸れたことに)
杏子 (どうして教えねえんだよ!)
QB (聞かれなかったからね)
マミ (悪気が無ければレディの入浴を覗いてもいいって言うの?)
ルシウス (私は覗きが目的で君達のテルマエに現れるのではない)
杏子 (そんなの関係ねぇ!)
まどか (待って、みんな!)
ほむら (あなたは人が良すぎるわ、まどか。あなただってこの男に裸を見られたのよ)
まどか (そのことじゃなくて、さやかちゃんはどこに行ったの?)
一同 (あっ!)
QB (キミ達は気付かなかったのかい? さやかと逸れたことに)
杏子 (どうして教えねえんだよ!)
QB (聞かれなかったからね)
168: 2012/06/12(火) 06:39:26.83 ID:tpi3Y5xS0
さやか (ヒィ、ヒィ、川の中から恭介を助けることが出来たのは良かったとして……)
さやか (一緒に助けたこの女の人、誰?)
恭介 「ありがとう、さやか」
さやか 「いいっていいって、ハハハハ」
恭介 「……そっちの女の人は!」
さやか 「……息してない!」
恭介 「大変だ! 直ぐに蘇生させないと!」
さやか 「蘇生って……人工呼吸とか?」
恭介 「うん。まずは水を吐かせないと……」
さやか (怪我の治癒なら私の魔法で出来るけど、蘇生となると……怪我で死にかけてる訳じゃないし……)
さやか (一緒に助けたこの女の人、誰?)
恭介 「ありがとう、さやか」
さやか 「いいっていいって、ハハハハ」
恭介 「……そっちの女の人は!」
さやか 「……息してない!」
恭介 「大変だ! 直ぐに蘇生させないと!」
さやか 「蘇生って……人工呼吸とか?」
恭介 「うん。まずは水を吐かせないと……」
さやか (怪我の治癒なら私の魔法で出来るけど、蘇生となると……怪我で死にかけてる訳じゃないし……)
169: 2012/06/12(火) 06:50:05.27 ID:tpi3Y5xS0
恭介 「フーッ、フーッ、フーッ」
さやか (結局私が心臓マッサージして、恭介が人工呼吸担当か……)
さやか (人工呼吸始めるとき、恭介あまり躊躇しなかったよね)
さやか (気にならなかったのかな。……そうだよね、仁美とキスくらい普通にしてるだろうし……)
さやか (……)
さやか (目の前で人が死にかけてるのに、私何考えてるんだろ……最低だ、私って)
恭介 「さやかっ!」
さやか ビクン
恭介 「今は泣いてる場合じゃない! 諦めないで、手を止めちゃ駄目だ!」
さやか 「分かった! ゴメン! 続ける!」
さやか (そうだ、私は正義の味方になるって決めたんだ! 恭介の言う通り、泣いてる場合じゃない!)
さやか (結局私が心臓マッサージして、恭介が人工呼吸担当か……)
さやか (人工呼吸始めるとき、恭介あまり躊躇しなかったよね)
さやか (気にならなかったのかな。……そうだよね、仁美とキスくらい普通にしてるだろうし……)
さやか (……)
さやか (目の前で人が死にかけてるのに、私何考えてるんだろ……最低だ、私って)
恭介 「さやかっ!」
さやか ビクン
恭介 「今は泣いてる場合じゃない! 諦めないで、手を止めちゃ駄目だ!」
さやか 「分かった! ゴメン! 続ける!」
さやか (そうだ、私は正義の味方になるって決めたんだ! 恭介の言う通り、泣いてる場合じゃない!)
173: 2012/06/15(金) 00:17:08.68 ID:T7HPIqXi0
?? 「ゲホッ、ゲホッ」
恭介 「気が付いた!」
?? 「コホッ、ハァハァハァ、あれ、私……」
恭介 「無理に起きないで。そのままの姿勢で楽にして下さい」
?? 「あなたは……いったい」
恭介 「たまたまプールで近くに居た者です。もう大丈夫ですよ」
?? 「プールの中で……渦に巻き込まれて……思い出してきた。……あなたが助けてくれたの?」
恭介 「いいえ、助けたのは彼女です」
さやか 「え! 蘇生させたのは恭介じゃん」
恭介 「溺れてたこの人を岸まで運んだのはさやかだろ」
さやか 「そりゃそうだけど……」
?? (この二人、お互いを『恭介』『さやか』って……)
?? 「まさか……上条君と美樹さん?」
恭介 「どうして僕達のことを?」
恭介 「気が付いた!」
?? 「コホッ、ハァハァハァ、あれ、私……」
恭介 「無理に起きないで。そのままの姿勢で楽にして下さい」
?? 「あなたは……いったい」
恭介 「たまたまプールで近くに居た者です。もう大丈夫ですよ」
?? 「プールの中で……渦に巻き込まれて……思い出してきた。……あなたが助けてくれたの?」
恭介 「いいえ、助けたのは彼女です」
さやか 「え! 蘇生させたのは恭介じゃん」
恭介 「溺れてたこの人を岸まで運んだのはさやかだろ」
さやか 「そりゃそうだけど……」
?? (この二人、お互いを『恭介』『さやか』って……)
?? 「まさか……上条君と美樹さん?」
恭介 「どうして僕達のことを?」
174: 2012/06/15(金) 00:25:29.61 ID:T7HPIqXi0
恭介・さやか (確かにどこかで見たような気はするんだけど……)
?? 「わからない? そうか、今水泳帽被ってるし、普段は眼鏡だからね。」
和子 「二人とも助けてくれてありがとう。でも自分達の担任に気付かないなんて先生悲しいわ。」
恭介・さやか 「先生!」
和子 「先生近眼だから眼鏡無しじゃ最初貴方達だと分からなくて……」
恭介 「先生、具合は……」
和子 「大分良くなってきたわ、ありがとう。二人とも命の恩人ね。だけど、ここ何処かしら?」
恭介 「僕も気になってたんですが、見覚えの無い場所に……」
さやか (きっとルシウスの奴を追って古代ローマに着いたんだ、私。
恭介と先生を巻き込んじゃった……。それにまどか達はどこにいるんだろう……)
さやか (でも、恭介と早乙女先生がキ、キス、いや、あれは人工呼吸だからノーカンよ!)
さやか (もし溺れてたのが私でも恭介はあんなふうに必死に助けてくれたのかな……)
?? 「わからない? そうか、今水泳帽被ってるし、普段は眼鏡だからね。」
和子 「二人とも助けてくれてありがとう。でも自分達の担任に気付かないなんて先生悲しいわ。」
恭介・さやか 「先生!」
和子 「先生近眼だから眼鏡無しじゃ最初貴方達だと分からなくて……」
恭介 「先生、具合は……」
和子 「大分良くなってきたわ、ありがとう。二人とも命の恩人ね。だけど、ここ何処かしら?」
恭介 「僕も気になってたんですが、見覚えの無い場所に……」
さやか (きっとルシウスの奴を追って古代ローマに着いたんだ、私。
恭介と先生を巻き込んじゃった……。それにまどか達はどこにいるんだろう……)
さやか (でも、恭介と早乙女先生がキ、キス、いや、あれは人工呼吸だからノーカンよ!)
さやか (もし溺れてたのが私でも恭介はあんなふうに必死に助けてくれたのかな……)
175: 2012/06/15(金) 00:34:57.16 ID:T7HPIqXi0
マミ 「駄目ね。テレパシーの範囲外まで来ちゃったみたい。美樹さんと連絡取れないわ」
ほむら 「最初に私達が水の中から出て来た場所、あの川まで戻りましょう」
杏子 「といってもなあ、……ここまでどうやって来たか覚えてねえぞ」
マミ 「キュゥべえ、元来た道を戻ることは出来る?」
QB 「それは出来るよ。どこを通ったかはボクが覚えている」
マミ 「決まりね。まずは古代ローマにおける私達の始まりの地に戻りましょう。美樹さんが待っているかもしれない」
QB (みんな、前にも言った通りルシウスに話しかける時はテレパシーで頼むよ。ボクが中継器になって翻訳出来るから)
ほむら (分かってるわ。ルシウス、私達を元の世界に帰して貰うわよ)
ルシウス (さっきまで何を話していたか知らんが、そんな態度を取っていいのか)
ほむら (自分の立場が分かってないようね)
ルシウス (私が拒否すればお前達は元の世界に戻れなくなる)
杏子 (痛い目に遭いたいみたいだな)
ルシウス (私達魔法少女は痛覚を遮断すれば痛みを消せる)
ほむら (あなただって命は惜しいでしょう)
ルシウス (見くびるな、平たい胸族め! 私の態度が気に入らなければここで私を殺せ!
その後は望郷の念にかられながらこの世界を彷徨い続ければいい)
ほむら 「最初に私達が水の中から出て来た場所、あの川まで戻りましょう」
杏子 「といってもなあ、……ここまでどうやって来たか覚えてねえぞ」
マミ 「キュゥべえ、元来た道を戻ることは出来る?」
QB 「それは出来るよ。どこを通ったかはボクが覚えている」
マミ 「決まりね。まずは古代ローマにおける私達の始まりの地に戻りましょう。美樹さんが待っているかもしれない」
QB (みんな、前にも言った通りルシウスに話しかける時はテレパシーで頼むよ。ボクが中継器になって翻訳出来るから)
ほむら (分かってるわ。ルシウス、私達を元の世界に帰して貰うわよ)
ルシウス (さっきまで何を話していたか知らんが、そんな態度を取っていいのか)
ほむら (自分の立場が分かってないようね)
ルシウス (私が拒否すればお前達は元の世界に戻れなくなる)
杏子 (痛い目に遭いたいみたいだな)
ルシウス (私達魔法少女は痛覚を遮断すれば痛みを消せる)
ほむら (あなただって命は惜しいでしょう)
ルシウス (見くびるな、平たい胸族め! 私の態度が気に入らなければここで私を殺せ!
その後は望郷の念にかられながらこの世界を彷徨い続ければいい)
176: 2012/06/15(金) 00:46:10.95 ID:T7HPIqXi0
QB (その交渉はキミに不利だよ、ルシウス。彼女達にはまどかという切り札がある。
キミの力を借りなくてもまどかがボクと契約すれば――)
ほむら (黙りなさい! インキュベーター)
ルシウス (キュゥべえ、彼女達は切り札を使えない。理由は分からんがな。切れない切り札は持って無いのと同じだ)
マミ (あなたの要求は?)
ルシウス (ようやく私の話を聞く気になったか、まずは私にかけた呪いを解いて貰おう)
杏子 (呪いって何だ?)
マミ (あなたが彼にかけた暗示のことよ、佐倉さん)
杏子 (悪りぃ、解けねえ)
ルシウス (何だと!)
杏子 (あれは付け焼刃で幻影魔法をアレンジしたんだ。人にかけたのは初めてだから解き方も分かんないよ)
ルシウス (とぼけるな! 私はずっとこのままなのか!)
まどか (みんな、ケンカしちゃ駄目だよ)
まどか (ルシウスさん。ルシウスさんへの暗示は私達の顔を見れば発動するのだから、私達をこの時代から追い出すのが
ルシウスさんにとっても何というか……都合のいいことだと思うの)
まどか (それにほむらちゃんも杏子ちゃんもケンカ腰じゃ駄目だよ。怒るのは分かるけど)
まどか (お互い今後会わずに済みたいと思っている、この点でみんなもルシウスさんも考えていることは同じ)
キミの力を借りなくてもまどかがボクと契約すれば――)
ほむら (黙りなさい! インキュベーター)
ルシウス (キュゥべえ、彼女達は切り札を使えない。理由は分からんがな。切れない切り札は持って無いのと同じだ)
マミ (あなたの要求は?)
ルシウス (ようやく私の話を聞く気になったか、まずは私にかけた呪いを解いて貰おう)
杏子 (呪いって何だ?)
マミ (あなたが彼にかけた暗示のことよ、佐倉さん)
杏子 (悪りぃ、解けねえ)
ルシウス (何だと!)
杏子 (あれは付け焼刃で幻影魔法をアレンジしたんだ。人にかけたのは初めてだから解き方も分かんないよ)
ルシウス (とぼけるな! 私はずっとこのままなのか!)
まどか (みんな、ケンカしちゃ駄目だよ)
まどか (ルシウスさん。ルシウスさんへの暗示は私達の顔を見れば発動するのだから、私達をこの時代から追い出すのが
ルシウスさんにとっても何というか……都合のいいことだと思うの)
まどか (それにほむらちゃんも杏子ちゃんもケンカ腰じゃ駄目だよ。怒るのは分かるけど)
まどか (お互い今後会わずに済みたいと思っている、この点でみんなもルシウスさんも考えていることは同じ)
177: 2012/06/15(金) 00:59:58.24 ID:T7HPIqXi0
まどか (ルシウスさん、私達の世界にまた来たってことはお風呂造りで困ってることあるんでしょ?
私達ルシウスさんのお手伝いするから、それが終わったら私達を未来に戻してくれないかな? みんなもそれでいい?)
ほむら (まどかの考えに異存ないわ)
マミ (そうね、お互い歩み寄りも必要ね)
杏子 (仕方ねえな、その話乗ったよ)
ルシウス (……いいだろう)
QB (契約成立だね)
ほむら (あなたの口からその言葉は聞きたくないわ)
QB (勿論、ボクとの契約ではない。まどかとルシウスの契約だ)
マミ (キュゥべえ、因みにこの辺りの地名って分かる?)
QB (キミ達の時代で言うパレスチナ地方だね)
ルシウス (ここはユダヤ属州だ)
ほむら (パレスチナ? ユダヤ属州? あなたローマ人じゃないの?)
ルシウス (皇帝陛下がこの属州での反乱鎮圧の為にこの地に来られた。私は陛下に随行したのだ)
ほむら (そうだったの、宮仕えも大変ね)
まどか (後はさやかちゃんを探さなきゃ)
杏子 (それにしてもさやかの奴、どこにいったんだ? まったく)
私達ルシウスさんのお手伝いするから、それが終わったら私達を未来に戻してくれないかな? みんなもそれでいい?)
ほむら (まどかの考えに異存ないわ)
マミ (そうね、お互い歩み寄りも必要ね)
杏子 (仕方ねえな、その話乗ったよ)
ルシウス (……いいだろう)
QB (契約成立だね)
ほむら (あなたの口からその言葉は聞きたくないわ)
QB (勿論、ボクとの契約ではない。まどかとルシウスの契約だ)
マミ (キュゥべえ、因みにこの辺りの地名って分かる?)
QB (キミ達の時代で言うパレスチナ地方だね)
ルシウス (ここはユダヤ属州だ)
ほむら (パレスチナ? ユダヤ属州? あなたローマ人じゃないの?)
ルシウス (皇帝陛下がこの属州での反乱鎮圧の為にこの地に来られた。私は陛下に随行したのだ)
ほむら (そうだったの、宮仕えも大変ね)
まどか (後はさやかちゃんを探さなきゃ)
杏子 (それにしてもさやかの奴、どこにいったんだ? まったく)
178: 2012/06/15(金) 01:10:15.19 ID:T7HPIqXi0
和子 「この風景、まるで日本じゃないみたいね……。上条君、美樹さん、教えて欲しいの。
先生が気を失っていた間、何があったの? 先生、プールで溺れたところまで覚えてるんだけど」
恭介 「僕も何故自分がここにいるか分からないんです。……プールの窓が割れて、人が飛び込んで来て……その後渦に巻き込まれて。
さやか、何か覚えてない?」
さやか 「私も、よく分かんないや」
さやか (話したところで信じて貰えないだろうし、魔法少女のことも恭介には知られたくない)
恭介 「人を探そう」
さやか 「待って!」
恭介 「どうしたんだい、さやか?」
さやか 「ここがどこか分からないし、さっき先生も言ってたけどここ日本じゃないかもしれないんだよ。
むやみに人に話しかけるのは危険だよ」
恭介 「見直したよ、さやか。こんなときも冷静だね。」
さやか 「エヘヘ……。私が様子見てくるから。先生、恭介をお願いします」
和子 「待って、美樹さん! 行っちゃった……」
先生が気を失っていた間、何があったの? 先生、プールで溺れたところまで覚えてるんだけど」
恭介 「僕も何故自分がここにいるか分からないんです。……プールの窓が割れて、人が飛び込んで来て……その後渦に巻き込まれて。
さやか、何か覚えてない?」
さやか 「私も、よく分かんないや」
さやか (話したところで信じて貰えないだろうし、魔法少女のことも恭介には知られたくない)
恭介 「人を探そう」
さやか 「待って!」
恭介 「どうしたんだい、さやか?」
さやか 「ここがどこか分からないし、さっき先生も言ってたけどここ日本じゃないかもしれないんだよ。
むやみに人に話しかけるのは危険だよ」
恭介 「見直したよ、さやか。こんなときも冷静だね。」
さやか 「エヘヘ……。私が様子見てくるから。先生、恭介をお願いします」
和子 「待って、美樹さん! 行っちゃった……」
179: 2012/06/15(金) 01:24:06.27 ID:T7HPIqXi0
恭介 「先生、人が来ます。大勢」
和子 「どんな様子?」
恭介 「なんか、槍とか持ってます! 鎧をつけた兵隊が沢山います」
和子 「なんてこと……今は隠れましょう」
和子 (美樹さん、捕まってなければいいけど)
和子 「どんな様子?」
恭介 「なんか、槍とか持ってます! 鎧をつけた兵隊が沢山います」
和子 「なんてこと……今は隠れましょう」
和子 (美樹さん、捕まってなければいいけど)
180: 2012/06/15(金) 01:30:04.71 ID:T7HPIqXi0
さやか (テレパシーも応答無し。この辺りを暫く捜索したけどまどか達は見つからない。みんなが戻って来てればいいけど)
さやか (!)
さやか (恭介、先生どこに行ったの!? 居ない!)
さやか (これは……足跡が沢山ある……)
さやか (地面に引き摺られた跡がある。これはきっと足の悪い恭介が両脇を抱えられて引き摺られたんだ……
これを辿れば……)
さやか (お願い、恭介! 無事で居て!)
さやか (!)
さやか (恭介、先生どこに行ったの!? 居ない!)
さやか (これは……足跡が沢山ある……)
さやか (地面に引き摺られた跡がある。これはきっと足の悪い恭介が両脇を抱えられて引き摺られたんだ……
これを辿れば……)
さやか (お願い、恭介! 無事で居て!)
183: 2012/06/16(土) 06:26:49.03 ID:nmbg1pjA0
古代ローマ ローマ軍野営地
ローマ兵1 「まさか野営地で風呂に入れるとは思わなかったぜ」
ローマ兵2 「街に着くまでは埃まみれで我慢か、よくて川で水浴びってところだと思ってたもんな」
ローマ兵3 「手柄を立てれば風呂に入れると思うと頑張れるもんだ。ハッハッハッ」
さやか (足跡辿ってここまで来たけど、あれってドラム缶風呂じゃん! あいつがこの世界で造ったんだ……。
言葉は分からなくてもみんな気持ちよさそうな顔してる)
さやか (恭介の腕を治して恩人になりたかった私と、沢山の人間を癒したいと思ったあいつ……。
確かに私らは迷惑したけど、あいつは、ルシウスは悪い奴じゃないんだ)
さやか (それなのに、私あいつを傷つけるようなこと言って、剣を取って追い掛け回して……)
さやか (こんな女だから、恭介も私じゃなくて仁美を選んだのかな……)
ローマ兵1 「まさか野営地で風呂に入れるとは思わなかったぜ」
ローマ兵2 「街に着くまでは埃まみれで我慢か、よくて川で水浴びってところだと思ってたもんな」
ローマ兵3 「手柄を立てれば風呂に入れると思うと頑張れるもんだ。ハッハッハッ」
さやか (足跡辿ってここまで来たけど、あれってドラム缶風呂じゃん! あいつがこの世界で造ったんだ……。
言葉は分からなくてもみんな気持ちよさそうな顔してる)
さやか (恭介の腕を治して恩人になりたかった私と、沢山の人間を癒したいと思ったあいつ……。
確かに私らは迷惑したけど、あいつは、ルシウスは悪い奴じゃないんだ)
さやか (それなのに、私あいつを傷つけるようなこと言って、剣を取って追い掛け回して……)
さやか (こんな女だから、恭介も私じゃなくて仁美を選んだのかな……)
184: 2012/06/16(土) 06:35:30.42 ID:nmbg1pjA0
古代ローマ ローマ軍野営地 本営
衛兵 「申し上げます」
ハドリアヌス 「よい、申せ」
衛兵 「はっ、怪しい男女を見つけました」
ハドリアヌス 「敵の密偵か、なにか吐いたか」
衛兵 「いえ、それが言葉が分かるのは女の方だけで、男の方が、その……」
ハドリアヌス 「どうした、はっきり報告しろ」
衛兵 「それが、男の方がアンティノウス様に似ていて……」
ハドリアヌス 「何ッ!」
衛兵 「申し上げます」
ハドリアヌス 「よい、申せ」
衛兵 「はっ、怪しい男女を見つけました」
ハドリアヌス 「敵の密偵か、なにか吐いたか」
衛兵 「いえ、それが言葉が分かるのは女の方だけで、男の方が、その……」
ハドリアヌス 「どうした、はっきり報告しろ」
衛兵 「それが、男の方がアンティノウス様に似ていて……」
ハドリアヌス 「何ッ!」
185: 2012/06/16(土) 06:47:15.88 ID:nmbg1pjA0
恭介 「急に待遇が変わりましたね。なんでだろう」
和子 「さあ、私達に好意的なのは助かるけど……。あとで美樹さんの捜索もお願いしましょう」
恭介 「そうですね。僕達はここで着替えも食事も出来たけど、さやかは今頃おなか空いてるでしょうし」
和子 「そうね、美樹さん、無事だといいけど」
恭介 「さっきは驚きましたよ先生。ここの人達と言葉が通じるんですから」
和子 「大学院で学んだラテン語と古代ローマ史がこんなところで役に立つなんてね。先生も驚いたわ。
ただ、これで分かった。ここは恐らく古代ローマ帝国よ」
恭介 「そんな……」
和子 「先生だって半信半疑よ。今でも夢を見ているんじゃないかって思う位」
衛兵 「お前達、皇帝陛下がお呼びだ」
和子 「分かりました。上条君、皇帝がお呼びだそうよ。助けてくれた御礼を言いに行きましょう」
恭介 「皇帝が!?」
衛兵 「待て」
和子 「どうしたのですか?」
衛兵 「用があるのは男の方だけだ」
和子 「ちょっと待って下さい、彼はここの言葉が――」
衛兵 「陛下の御命令だ!」
和子 「さあ、私達に好意的なのは助かるけど……。あとで美樹さんの捜索もお願いしましょう」
恭介 「そうですね。僕達はここで着替えも食事も出来たけど、さやかは今頃おなか空いてるでしょうし」
和子 「そうね、美樹さん、無事だといいけど」
恭介 「さっきは驚きましたよ先生。ここの人達と言葉が通じるんですから」
和子 「大学院で学んだラテン語と古代ローマ史がこんなところで役に立つなんてね。先生も驚いたわ。
ただ、これで分かった。ここは恐らく古代ローマ帝国よ」
恭介 「そんな……」
和子 「先生だって半信半疑よ。今でも夢を見ているんじゃないかって思う位」
衛兵 「お前達、皇帝陛下がお呼びだ」
和子 「分かりました。上条君、皇帝がお呼びだそうよ。助けてくれた御礼を言いに行きましょう」
恭介 「皇帝が!?」
衛兵 「待て」
和子 「どうしたのですか?」
衛兵 「用があるのは男の方だけだ」
和子 「ちょっと待って下さい、彼はここの言葉が――」
衛兵 「陛下の御命令だ!」
189: 2012/06/16(土) 22:45:13.25 ID:nmbg1pjA0
古代ローマ ローマ軍野営地 ハドリアヌス帝寝所
恭介 (何故僕だけ……)
ハドリアヌス 「おお! 確かに似ている! 生前のアンティノーを思い出す……」
恭介 (この人が……皇帝……失礼があったらどうしよう)
ハドリアヌス 「アンティノーッ!」
恭介 (どうして抱きつく!? これが古代ローマの挨拶なのかな? ハグし返しておこう)
ハドリアヌス 「おお、そなたも余に親愛の情を持ってくれるのか。まるで私の愛したアンティノーが甦ったようだ」
ハドリアヌス 「どうだ。こうして我らが巡り合えたのも神のお導きであろう。早速だが今宵、私と閨を共にせぬか」
恭介 (なんて言っているのか分からないけど、適当に頷いていればいいか)
ハドリアヌス 「そうかそうか。そなたも余と同じ気持ちか」
恭介 「うわっ! ちょっ、ちょっとタンマ」
恭介 (何で僕を脱がせようとする!?)
ハドリアヌス 「アンティノー、恥ずかしがることは無い……では私から先に脱ごう。そなたも脱ぐがよい」
恭介 (この髭親父脱ぎ始めた!)
ハドリアヌス 「さあ、私は用意出来たぞ。どうした、まだ脱いでおらぬのか、アンティノー?」
恭介 (まさか、この髭親父……)
恭介 (何故僕だけ……)
ハドリアヌス 「おお! 確かに似ている! 生前のアンティノーを思い出す……」
恭介 (この人が……皇帝……失礼があったらどうしよう)
ハドリアヌス 「アンティノーッ!」
恭介 (どうして抱きつく!? これが古代ローマの挨拶なのかな? ハグし返しておこう)
ハドリアヌス 「おお、そなたも余に親愛の情を持ってくれるのか。まるで私の愛したアンティノーが甦ったようだ」
ハドリアヌス 「どうだ。こうして我らが巡り合えたのも神のお導きであろう。早速だが今宵、私と閨を共にせぬか」
恭介 (なんて言っているのか分からないけど、適当に頷いていればいいか)
ハドリアヌス 「そうかそうか。そなたも余と同じ気持ちか」
恭介 「うわっ! ちょっ、ちょっとタンマ」
恭介 (何で僕を脱がせようとする!?)
ハドリアヌス 「アンティノー、恥ずかしがることは無い……では私から先に脱ごう。そなたも脱ぐがよい」
恭介 (この髭親父脱ぎ始めた!)
ハドリアヌス 「さあ、私は用意出来たぞ。どうした、まだ脱いでおらぬのか、アンティノー?」
恭介 (まさか、この髭親父……)
190: 2012/06/16(土) 23:11:47.79 ID:nmbg1pjA0
さやか 「どりゃあー!」
ドゴッ
ハドリアヌス 「ぐほえっ!」
ドガッガラガラガシャン
恭介 「さやか!?」
恭介 (髭親父が吹っ飛んだ)
さやか 「恭介! 大丈夫?」
衛兵 「陛下ッ、今の物音は! おのれ狼藉者め!」
さやか 「逃げるよ! 恭介」
恭介 「う、うん……」
さやか 「どうしたの?」
恭介 「先生もここに居るんだ」
さやか 「分かった。案内して!」
ドゴッ
ハドリアヌス 「ぐほえっ!」
ドガッガラガラガシャン
恭介 「さやか!?」
恭介 (髭親父が吹っ飛んだ)
さやか 「恭介! 大丈夫?」
衛兵 「陛下ッ、今の物音は! おのれ狼藉者め!」
さやか 「逃げるよ! 恭介」
恭介 「う、うん……」
さやか 「どうしたの?」
恭介 「先生もここに居るんだ」
さやか 「分かった。案内して!」
191: 2012/06/16(土) 23:24:57.87 ID:nmbg1pjA0
古代ローマ ローマ帝国ユダヤ属州
さやか 「ハァハァハァ、とりあえず何とか逃げ切った……」
恭介 「さやか……」
さやか 「恭介、無事で良かった……」
恭介 「さやか……さやかのその力、一体……」
さやか 「ああ、これね、この世界に来てからなぜか身についた能力でね。おかげでさっきも恭介と先生を抱えて
大ジャンプなんか出来たりして、アハハ」
さやか (本当のことなんて言えない……)
恭介 「さやか……その、助けてくれて有難う……」
和子 「一体、何があったの? それに美樹さんその力……」
さやか 「え、アハハハ。さやかちゃん照れちゃうなあ」
恭介 「先生!」
和子 「何!? 急に?」
恭介 「この時代のローマ皇帝ってどんな人なんですか?」
さやか 「ハァハァハァ、とりあえず何とか逃げ切った……」
恭介 「さやか……」
さやか 「恭介、無事で良かった……」
恭介 「さやか……さやかのその力、一体……」
さやか 「ああ、これね、この世界に来てからなぜか身についた能力でね。おかげでさっきも恭介と先生を抱えて
大ジャンプなんか出来たりして、アハハ」
さやか (本当のことなんて言えない……)
恭介 「さやか……その、助けてくれて有難う……」
和子 「一体、何があったの? それに美樹さんその力……」
さやか 「え、アハハハ。さやかちゃん照れちゃうなあ」
恭介 「先生!」
和子 「何!? 急に?」
恭介 「この時代のローマ皇帝ってどんな人なんですか?」
192: 2012/06/16(土) 23:32:29.67 ID:nmbg1pjA0
和子 「上条君の話から察するにこの時代のローマ皇帝はハドリアヌスね」
さやか 「どうしてそれが分かるんですか?」
和子 「上条君が度々聞いたっていう『アンティノー』って言葉だけど、これはハドリアヌス帝の愛人の名前なの。
そして思い出したんだけど、上条君の顔って発掘されたアンティノウスの石像に似てるのよ。
石像の写真を見たことがあるわ」
さやか 「ハハッ、皇帝は恭介みたいな顔をした女性が好みだったんですか?」
和子 「いいえ、ハドリアヌス帝は男色家よ」
さやか 「……」
和子 「問題はこの後よ。ローマ軍の追っ手をどうやって振り切るか」
恭介 「この時代なら通信網も発達してないですし、辺境で生活すれば見つかることなく――」
和子 「そうもいかないわ」
さやか 「どうしてですか、先生?」
和子 「ハドリアヌス帝はアンティノーの死を嘆き悲しみ、帝国中にアンティノーの石像を造らせたの。
恐らく皇帝は石像に顔の似た若者を探すように帝国中にお布令を出すでしょうね。
上条君は顔写真付きで全国指名手配のポスターに載ったようなものよ」
さやか 「まるで恭介のせいでみんな捕まりそうだって言いたげですね」
和子 「美樹さん、そういうつもりで言ったんじゃ……」
恭介 「さやか、止めるんだ。先生だって悪気はないよ」
さやか 「どうしてそれが分かるんですか?」
和子 「上条君が度々聞いたっていう『アンティノー』って言葉だけど、これはハドリアヌス帝の愛人の名前なの。
そして思い出したんだけど、上条君の顔って発掘されたアンティノウスの石像に似てるのよ。
石像の写真を見たことがあるわ」
さやか 「ハハッ、皇帝は恭介みたいな顔をした女性が好みだったんですか?」
和子 「いいえ、ハドリアヌス帝は男色家よ」
さやか 「……」
和子 「問題はこの後よ。ローマ軍の追っ手をどうやって振り切るか」
恭介 「この時代なら通信網も発達してないですし、辺境で生活すれば見つかることなく――」
和子 「そうもいかないわ」
さやか 「どうしてですか、先生?」
和子 「ハドリアヌス帝はアンティノーの死を嘆き悲しみ、帝国中にアンティノーの石像を造らせたの。
恐らく皇帝は石像に顔の似た若者を探すように帝国中にお布令を出すでしょうね。
上条君は顔写真付きで全国指名手配のポスターに載ったようなものよ」
さやか 「まるで恭介のせいでみんな捕まりそうだって言いたげですね」
和子 「美樹さん、そういうつもりで言ったんじゃ……」
恭介 「さやか、止めるんだ。先生だって悪気はないよ」
193: 2012/06/16(土) 23:41:58.85 ID:nmbg1pjA0
さやか 「どうして先生の味方をするの?」
恭介 「味方って……」
さやか 「二人がご飯食べて服も新しいのに着替えてる間に、わたし二人のこと必死で探して……。
軍の野営地にまで侵入して助けに来たのに」
恭介 「さやか、僕だって君に感謝しているんだ。君が助けてくれなかったら今頃どうなっていたかと思うと……」
さやか 「もう、寝る」
恭介 「さやか……」
和子 「そっとしておきましょう。美樹さん、疲れてイライラしているのよ。私達も休みましょう」
恭介 「味方って……」
さやか 「二人がご飯食べて服も新しいのに着替えてる間に、わたし二人のこと必死で探して……。
軍の野営地にまで侵入して助けに来たのに」
恭介 「さやか、僕だって君に感謝しているんだ。君が助けてくれなかったら今頃どうなっていたかと思うと……」
さやか 「もう、寝る」
恭介 「さやか……」
和子 「そっとしておきましょう。美樹さん、疲れてイライラしているのよ。私達も休みましょう」
194: 2012/06/16(土) 23:45:56.42 ID:nmbg1pjA0
恭介 「先生、先生」
和子 「んー……上条……君?」
恭介 「起こしてすみません、先生」
和子 「起きるけど、頭がスッキリするまで3分、いや1分待って……」
5分後
和子 「で、美樹さんが起きる前に、先生にだけ話したいことって何?」
恭介 「実は先生にお願いが――」
恭介 (先生、朝弱いんだ……)
和子 「んー……上条……君?」
恭介 「起こしてすみません、先生」
和子 「起きるけど、頭がスッキリするまで3分、いや1分待って……」
5分後
和子 「で、美樹さんが起きる前に、先生にだけ話したいことって何?」
恭介 「実は先生にお願いが――」
恭介 (先生、朝弱いんだ……)
195: 2012/06/16(土) 23:50:10.48 ID:nmbg1pjA0
和子 「そう、でも危険な賭けよ」
恭介 「こんな危険なこと、先生にお願いするのは申し訳ないと思ってます」
和子 「先生のことはいいわ。……それで上条君に後悔は無いのね」
恭介 「はい」
和子 「私達だけで話進めて……。美樹さん、目を覚ましたら怒るでしょうね」
恭介 「そうですね……。でも、さやかが聞いたら絶対反対すると思うんで」
和子 (生き延びられそうに無いので死ぬ前に先生で童貞を捨てたいとか言われたらどうしようかと思ったわ。
残ね……私の取り越し苦労だったようね)
恭介 (彼女が出来たのにこんなところで死ぬもんか! 絶対に仁美のところに戻ってエッチするんだ)
恭介 「こんな危険なこと、先生にお願いするのは申し訳ないと思ってます」
和子 「先生のことはいいわ。……それで上条君に後悔は無いのね」
恭介 「はい」
和子 「私達だけで話進めて……。美樹さん、目を覚ましたら怒るでしょうね」
恭介 「そうですね……。でも、さやかが聞いたら絶対反対すると思うんで」
和子 (生き延びられそうに無いので死ぬ前に先生で童貞を捨てたいとか言われたらどうしようかと思ったわ。
残ね……私の取り越し苦労だったようね)
恭介 (彼女が出来たのにこんなところで死ぬもんか! 絶対に仁美のところに戻ってエッチするんだ)
196: 2012/06/16(土) 23:54:57.19 ID:nmbg1pjA0
さやか 「う……ん」
さやか (目が覚めた……あれ、恭介は? トイレかしら……。ん、先生も居ない……)
さやか (……まさか、逢引き!?)
さやか (恭介の貞操が先生に!)
ガバッ
さやか (一気に目が覚めた!)
さやか (目が覚めた……あれ、恭介は? トイレかしら……。ん、先生も居ない……)
さやか (……まさか、逢引き!?)
さやか (恭介の貞操が先生に!)
ガバッ
さやか (一気に目が覚めた!)
198: 2012/06/16(土) 23:58:33.13 ID:nmbg1pjA0
さやか (ハァハァ、どこにもいない……)
さやか (二人してどこにいったのよ……あれ、石で重しした布が……慌てて飛び出したから気付かなかった)
さやか (なんか書いてある……樹液か何かで書いたのかな)
さやかへ
■はこれから皇帝の所に行く
■は皇帝のお気に入りらしいから
うまくいけばみんな助かるかもしれない
相だんせずに出かけてごめん
必ずかえって来るから
恭介
先生より
上条君の担任として、またつう訳として皇帝の下に赴きます
おいていってごめんなさい
死にに行くつもりはありません
交渉の成功を祈っていて下さい
さやか (あのバカ! 先生も何で止めなかったのよ!)
さやか (■は滲んで字が潰れてるけど、『僕』って書いたんだろうな、あいつ。
その後の恭介や先生の文章に画数の多い漢字が無いのは、
きっと字が滲んで潰れるから簡単な漢字しか書けなかったんだ。
二人はどんな気持ちでこの手紙書いたんだろう……)
さやか (二人してどこにいったのよ……あれ、石で重しした布が……慌てて飛び出したから気付かなかった)
さやか (なんか書いてある……樹液か何かで書いたのかな)
さやかへ
■はこれから皇帝の所に行く
■は皇帝のお気に入りらしいから
うまくいけばみんな助かるかもしれない
相だんせずに出かけてごめん
必ずかえって来るから
恭介
先生より
上条君の担任として、またつう訳として皇帝の下に赴きます
おいていってごめんなさい
死にに行くつもりはありません
交渉の成功を祈っていて下さい
さやか (あのバカ! 先生も何で止めなかったのよ!)
さやか (■は滲んで字が潰れてるけど、『僕』って書いたんだろうな、あいつ。
その後の恭介や先生の文章に画数の多い漢字が無いのは、
きっと字が滲んで潰れるから簡単な漢字しか書けなかったんだ。
二人はどんな気持ちでこの手紙書いたんだろう……)
201: 2012/06/21(木) 00:28:58.32 ID:ENnseljq0
古代ローマ ローマ軍野営地 本営
(以降のやりとりは和子の通訳が間に入っているが、一部を除き通訳の過程は省略する)
ハドリアヌス 「おお、よくぞ戻ってきた」
恭介 「昨日の陛下への無礼、申し訳ありませんでした。どうか寛大なご処置を」
ハドリアヌス 「よい、よい。ところで、どうして戻ってきた? 一度逃げ出して再び余の元に戻るとは何か訳があろう」
恭介 「はっ、陛下の私へのお気持ちを謹んでお受けしご寵愛を賜りたく、また陛下にお願いを致したく戻って参りました」
ハドリアヌス 「ほう、何なりと申してみよ」
恭介 「この通訳の女性の生活の保障と、昨晩陛下に乱暴を働いた娘の助命を」
ハドリアヌス 「この通訳の女がおらねば、そなたも不便であろう。この女はここで雇うとしよう」
恭介・和子 「有り難き幸せ」
ハドリアヌス 「しかし、余に手を上げし狼藉者を許すのは他の者に示しがつかん。たとえそなたの頼みであってもだ」
恭介 「そこを何とか!」
ハドリアヌス 「皇帝を足蹴にしたものの助命を願うなぞ、聞き入れると思うたか。
そのような進言をするだけの覚悟がそなたにあるのか?」
恭介 「あります」
ハドリアヌス 「何故そこまでしてあの娘を庇う? 下らぬ理由ではあるまいな?」
恭介 「彼女は……さやかは、僕の恋人です!」
(以降のやりとりは和子の通訳が間に入っているが、一部を除き通訳の過程は省略する)
ハドリアヌス 「おお、よくぞ戻ってきた」
恭介 「昨日の陛下への無礼、申し訳ありませんでした。どうか寛大なご処置を」
ハドリアヌス 「よい、よい。ところで、どうして戻ってきた? 一度逃げ出して再び余の元に戻るとは何か訳があろう」
恭介 「はっ、陛下の私へのお気持ちを謹んでお受けしご寵愛を賜りたく、また陛下にお願いを致したく戻って参りました」
ハドリアヌス 「ほう、何なりと申してみよ」
恭介 「この通訳の女性の生活の保障と、昨晩陛下に乱暴を働いた娘の助命を」
ハドリアヌス 「この通訳の女がおらねば、そなたも不便であろう。この女はここで雇うとしよう」
恭介・和子 「有り難き幸せ」
ハドリアヌス 「しかし、余に手を上げし狼藉者を許すのは他の者に示しがつかん。たとえそなたの頼みであってもだ」
恭介 「そこを何とか!」
ハドリアヌス 「皇帝を足蹴にしたものの助命を願うなぞ、聞き入れると思うたか。
そのような進言をするだけの覚悟がそなたにあるのか?」
恭介 「あります」
ハドリアヌス 「何故そこまでしてあの娘を庇う? 下らぬ理由ではあるまいな?」
恭介 「彼女は……さやかは、僕の恋人です!」
202: 2012/06/21(木) 00:42:22.52 ID:ENnseljq0
和子 「え、そうだったの!? そのまま訳すけど……」
恭介 (仁美、ごめん。僕は嘘をついた。でもこうでも言わないと皇帝は納得――)
ハドリアヌス 「ふざけるな!」
恭介 「!」
ハドリアヌス 「このままそなたを側においても、そなたは余に抱かれながらその娘のことを思い浮かべるのであろう?
閨にてこの余が小娘の影を重ねられながら事に及ぶなど、何たる屈辱!」
恭介 (駄目だったか……ごめん、父さん、母さん、仁美……)
和子 (諦めてはいけない!)
ハドリアヌス 「だが、そなたの覚悟の程は理解した。余が亡きアンティノーを想うようにそなたもあの娘が大事なのであろう」
恭介 「!」
ハドリアヌス 「そしてそなたがアンティノーに面影が似ていることに免じてその方達の余に対する無礼は全て許そう。
但し、二度と余の前に姿を現すな! その通訳とそなたの想い人を連れてどこへなりと行くがいい!」
恭介・和子 「ははっ!」
恭介・和子 (助かった……)
恭介 (仁美、ごめん。僕は嘘をついた。でもこうでも言わないと皇帝は納得――)
ハドリアヌス 「ふざけるな!」
恭介 「!」
ハドリアヌス 「このままそなたを側においても、そなたは余に抱かれながらその娘のことを思い浮かべるのであろう?
閨にてこの余が小娘の影を重ねられながら事に及ぶなど、何たる屈辱!」
恭介 (駄目だったか……ごめん、父さん、母さん、仁美……)
和子 (諦めてはいけない!)
ハドリアヌス 「だが、そなたの覚悟の程は理解した。余が亡きアンティノーを想うようにそなたもあの娘が大事なのであろう」
恭介 「!」
ハドリアヌス 「そしてそなたがアンティノーに面影が似ていることに免じてその方達の余に対する無礼は全て許そう。
但し、二度と余の前に姿を現すな! その通訳とそなたの想い人を連れてどこへなりと行くがいい!」
恭介・和子 「ははっ!」
恭介・和子 (助かった……)
203: 2012/06/21(木) 00:52:02.28 ID:ENnseljq0
古代ローマ ローマ帝国ユダヤ属州
さやか 「恭介! 先生!」
恭介 「さやか、ごめん」
さやか 「もう! バカ、バカ……。グスッ」
恭介 「……皇帝が僕たちを許してくれた。というより呆れて追い出されたのかな。いずれにしても僕達は自由だ」
さやか 「良かった……」
和子 「美樹さん、ごめんなさい」
さやか 「もう! 先生もどうして恭介を止めてくれなかったんですか?」
和子 「そうね、大怪我すら克服した上条君の可能性に賭けたのよ」
さやか 「……」
和子 「それより貴方達付き合ってたのね。先生知らなかった」
さやか 「え?」
恭介 「あ、いや、そういう訳じゃ」
和子 「否定する? その割にはさっきからずっと抱き合ってるけど」
さやか・恭介 「あ!」
和子 「慌てて離れなくてもいいのに、フフッ」
さやか 「恭介! 先生!」
恭介 「さやか、ごめん」
さやか 「もう! バカ、バカ……。グスッ」
恭介 「……皇帝が僕たちを許してくれた。というより呆れて追い出されたのかな。いずれにしても僕達は自由だ」
さやか 「良かった……」
和子 「美樹さん、ごめんなさい」
さやか 「もう! 先生もどうして恭介を止めてくれなかったんですか?」
和子 「そうね、大怪我すら克服した上条君の可能性に賭けたのよ」
さやか 「……」
和子 「それより貴方達付き合ってたのね。先生知らなかった」
さやか 「え?」
恭介 「あ、いや、そういう訳じゃ」
和子 「否定する? その割にはさっきからずっと抱き合ってるけど」
さやか・恭介 「あ!」
和子 「慌てて離れなくてもいいのに、フフッ」
205: 2012/06/21(木) 01:02:23.91 ID:ENnseljq0
ほむら 「米が恋しいわね」
杏子 「昨日は鹿を捕まえて食ったけど、肉ばっかりになったな」
マミ 「鹿目さんショック受けてたわね」
杏子 「動物の解体なんて初めて見たんだろうけどさ」
ほむら 「昨日のあなたは怒り過ぎだわ。食べようとしないまどかに向かって『食べ物は粗末にするな』って」
杏子 「またその話か? 殺した以上、ちゃんと食ってやるのがせめてもの救いだろ」
マミ 「もうその話は終わりにしましょう」
ルシウス (まどか、と言ったな。大丈夫か?)
まどか (はい……)
ルシウス (そんなに辛いのか?)
まどか (えっ!?)
ルシウス (私は、我々ローマ人が世界で最も優れた文明を持っていると思っていた。しかしお前は野宿することも
動物を解体して食べることも辛そうにしていた。正直どんな文明社会で過ごしてきたのかと思った……)
まどか (……)
ルシウス (私は最初、君達を辺境の蛮族だと思っていた。しかしお前達の文化に触れるにつれ、
我々ローマ人の方が野蛮人ではないかと考えるようになっていった)
まどか (そんなことはないです……)
杏子 「昨日は鹿を捕まえて食ったけど、肉ばっかりになったな」
マミ 「鹿目さんショック受けてたわね」
杏子 「動物の解体なんて初めて見たんだろうけどさ」
ほむら 「昨日のあなたは怒り過ぎだわ。食べようとしないまどかに向かって『食べ物は粗末にするな』って」
杏子 「またその話か? 殺した以上、ちゃんと食ってやるのがせめてもの救いだろ」
マミ 「もうその話は終わりにしましょう」
ルシウス (まどか、と言ったな。大丈夫か?)
まどか (はい……)
ルシウス (そんなに辛いのか?)
まどか (えっ!?)
ルシウス (私は、我々ローマ人が世界で最も優れた文明を持っていると思っていた。しかしお前は野宿することも
動物を解体して食べることも辛そうにしていた。正直どんな文明社会で過ごしてきたのかと思った……)
まどか (……)
ルシウス (私は最初、君達を辺境の蛮族だと思っていた。しかしお前達の文化に触れるにつれ、
我々ローマ人の方が野蛮人ではないかと考えるようになっていった)
まどか (そんなことはないです……)
206: 2012/06/21(木) 01:06:38.83 ID:ENnseljq0
QB (みんな!)
マミ (どうしたのキュゥべえ?)
QB (さやかが近くに居る。反応があった)
まどか 「さやかちゃんが!」
マミ (美樹さん! 聞こえる!)
マミ (どうしたのキュゥべえ?)
QB (さやかが近くに居る。反応があった)
まどか 「さやかちゃんが!」
マミ (美樹さん! 聞こえる!)
207: 2012/06/21(木) 01:24:09.56 ID:ENnseljq0
さやか 「!」
さやか (テレパシー! マミさんの声!)
さやか (マミさん!)
マミ (美樹さん! 無事だったのね……良かった)
さやか (みんなは?)
杏子 (バカヤロウ! 心配したんだぞ!)
さやか (ごめん)
まどか (さやかちゃん!)
さやか (まどか!)
まどか (さやかちゃん、大丈夫? お腹空いてない?)
さやか (メチャクチャ空いてる……)
恭介 「どうしたの、さやか? 急に泣き出して?」
ほむら (ルシウスも居るから、合流して元の世界に帰りましょう)
さやか (うん、うん……)
和子 「美樹さん、大丈夫? どこか具合でも悪いの?」
さやか 「みんな、帰れるんです……」
さやか (テレパシー! マミさんの声!)
さやか (マミさん!)
マミ (美樹さん! 無事だったのね……良かった)
さやか (みんなは?)
杏子 (バカヤロウ! 心配したんだぞ!)
さやか (ごめん)
まどか (さやかちゃん!)
さやか (まどか!)
まどか (さやかちゃん、大丈夫? お腹空いてない?)
さやか (メチャクチャ空いてる……)
恭介 「どうしたの、さやか? 急に泣き出して?」
ほむら (ルシウスも居るから、合流して元の世界に帰りましょう)
さやか (うん、うん……)
和子 「美樹さん、大丈夫? どこか具合でも悪いの?」
さやか 「みんな、帰れるんです……」
208: 2012/06/21(木) 06:23:17.09 ID:ENnseljq0
まどか 「さやかちゃん!」
さやか 「まどか!」
まどか 「ウ、ウウ……」
さやか 「エ……、グスッ、ウウッ」
マミ 「よかった……顔を見てようやく安心出来たわ」
さやか 「マミさあん!」
マミ 「もう、みんな心配したのよ」
杏子 「食うかい?」
さやか 「何それ?」
杏子 「鹿肉の燻製」
さやか 「食べる」
杏子 「ホラ」
さやか 「……うん、美味しい……」
ほむら (美樹さやか、このグリーフシード使いなさい。ソウルジェムが濁ってるじゃない)
さやか (ありがとう)
さやか 「まどか!」
まどか 「ウ、ウウ……」
さやか 「エ……、グスッ、ウウッ」
マミ 「よかった……顔を見てようやく安心出来たわ」
さやか 「マミさあん!」
マミ 「もう、みんな心配したのよ」
杏子 「食うかい?」
さやか 「何それ?」
杏子 「鹿肉の燻製」
さやか 「食べる」
杏子 「ホラ」
さやか 「……うん、美味しい……」
ほむら (美樹さやか、このグリーフシード使いなさい。ソウルジェムが濁ってるじゃない)
さやか (ありがとう)
209: 2012/06/21(木) 06:40:51.60 ID:ENnseljq0
和子 「驚いたわ。鹿目さんに暁美さん、巴さんもこの時代に来ていたのね……あなたは?」
さやか 「ああ、この子は佐倉杏子って言って私達の友達です」
和子 「初めまして、佐倉さん。この子達の先生の早乙女和子よ、よろしくね」
杏子 「どうも」
ルシウス (この女は何者だ?)
和子 「初めまして。私、早乙女和子と言います」
ルシウス 「ラテン語が分かるのか!?」
和子 「ある程度は」
恭介 「僕は――」
杏子 「知ってるよ、上条恭介だろ」
恭介 「どうして僕の名前を?」
杏子 「さやかから色々話を聞かされたからな」
恭介 (さやかはどんな話をしたんだ?)
さやか 「ああ、この子は佐倉杏子って言って私達の友達です」
和子 「初めまして、佐倉さん。この子達の先生の早乙女和子よ、よろしくね」
杏子 「どうも」
ルシウス (この女は何者だ?)
和子 「初めまして。私、早乙女和子と言います」
ルシウス 「ラテン語が分かるのか!?」
和子 「ある程度は」
恭介 「僕は――」
杏子 「知ってるよ、上条恭介だろ」
恭介 「どうして僕の名前を?」
杏子 「さやかから色々話を聞かされたからな」
恭介 (さやかはどんな話をしたんだ?)
210: 2012/06/21(木) 06:50:41.83 ID:ENnseljq0
さやか 「ええっ! ルシウスと約束した?」
まどか 「うん、元の世界に戻して貰う代わりにこの世界の温泉造りを手伝うって」
マミ 「これも仲直りの為だと思って協力しましょう、美樹さん」
さやか 「みんな、私のいない間にこのローマ人と仲良くなってない?」
杏子 「まあな、そっちもそのボーヤと仲良くなったんじゃないのか」
さやか 「もう!」
ほむら (ところでルシウス、あなた、どんな温泉を造りたいの?)
ルシウス (今回私は戦地にテルマエを造ることを考えている)
ほむら (戦地に?)
ルシウス (そうだ。戦争の長期化により兵が疲弊している。傷病兵を治療し兵の厭戦気分を解消する施設を造る。
それが今回の私の使命だ)
和子 (この戦争、ローマ軍は主力をドナウ川周辺から呼び寄せたから、慣れない土地で戦う兵は帰還したがるでしょうね)
ルシウス (何故それを知っている?)
和子 (あなたから見たら私達は未来人なの。この戦いの経緯は歴史として学んだわ)
ルシウス (教えてくれ! この戦争はローマが勝つのか!?)
和子 (……勝つわ。でも何が原因で歴史が変わるかなんて誰にも分からない。だから楽観は出来ないと思って頂戴)
ルシウス (……)
まどか 「うん、元の世界に戻して貰う代わりにこの世界の温泉造りを手伝うって」
マミ 「これも仲直りの為だと思って協力しましょう、美樹さん」
さやか 「みんな、私のいない間にこのローマ人と仲良くなってない?」
杏子 「まあな、そっちもそのボーヤと仲良くなったんじゃないのか」
さやか 「もう!」
ほむら (ところでルシウス、あなた、どんな温泉を造りたいの?)
ルシウス (今回私は戦地にテルマエを造ることを考えている)
ほむら (戦地に?)
ルシウス (そうだ。戦争の長期化により兵が疲弊している。傷病兵を治療し兵の厭戦気分を解消する施設を造る。
それが今回の私の使命だ)
和子 (この戦争、ローマ軍は主力をドナウ川周辺から呼び寄せたから、慣れない土地で戦う兵は帰還したがるでしょうね)
ルシウス (何故それを知っている?)
和子 (あなたから見たら私達は未来人なの。この戦いの経緯は歴史として学んだわ)
ルシウス (教えてくれ! この戦争はローマが勝つのか!?)
和子 (……勝つわ。でも何が原因で歴史が変わるかなんて誰にも分からない。だから楽観は出来ないと思って頂戴)
ルシウス (……)
215: 2012/06/23(土) 21:34:16.33 ID:rCcPIAcK0
和子 (最初は驚いたわ。頭に直接響くこの声、これで会話が出来るのだから)
さやか (先生はラテン語が話せるから翻訳を兼ねたテレパシーは必要ないですよね)
和子 (先生だってラテン語を完璧にはマスターしてないわ。だからテレパシーでラテン語が翻訳されるのは助かるのよ。
それに携帯が通じないこの世界で離れた相手と会話するにはテレパシーが一番よ。
まさか、この世界に来てから先生にもこんな能力が開花するなんて……)
恭介 (僕も驚きました。この力、最初は気味が悪かったですが)
さやか (……)
まどか 「結局、先生にも上条君にもキュゥべえは見えなかったね」
QB 「そうだね。彼らにはボクが見えてないけど、ボクの方でテレパシーは使えるように中継してるよ」
マミ 「助かるわ、キュゥべえ」
さやか (先生はラテン語が話せるから翻訳を兼ねたテレパシーは必要ないですよね)
和子 (先生だってラテン語を完璧にはマスターしてないわ。だからテレパシーでラテン語が翻訳されるのは助かるのよ。
それに携帯が通じないこの世界で離れた相手と会話するにはテレパシーが一番よ。
まさか、この世界に来てから先生にもこんな能力が開花するなんて……)
恭介 (僕も驚きました。この力、最初は気味が悪かったですが)
さやか (……)
まどか 「結局、先生にも上条君にもキュゥべえは見えなかったね」
QB 「そうだね。彼らにはボクが見えてないけど、ボクの方でテレパシーは使えるように中継してるよ」
マミ 「助かるわ、キュゥべえ」
216: 2012/06/23(土) 21:45:09.79 ID:rCcPIAcK0
古代ローマ ローマ帝国ユダヤ属州 バル・コクバ反乱対策司令本部
衛兵 「陛下、ルシウス技師を連れて参りました」
ハドリアヌス 「通せ」
衛兵 「ハッ。ルシウス殿、こちらへ」
ルシウス 「失礼致します」
ハドリアヌス 「ルシウス、どうした」
ルシウス 「陛下、この地にテルマエを造る案がまとまりました」
ハドリアヌス 「ほう、流石はルシウスだな」
ルシウス 「つきましては私の雇った技師達がこの地を自由に行き来出来る許可を頂きたく――」
ハドリアヌス 「うむ、許可しよう。ルシウスとその弟子達に手形を作ってやれ」
衛兵 「ハッ」
衛兵 「陛下、ルシウス技師を連れて参りました」
ハドリアヌス 「通せ」
衛兵 「ハッ。ルシウス殿、こちらへ」
ルシウス 「失礼致します」
ハドリアヌス 「ルシウス、どうした」
ルシウス 「陛下、この地にテルマエを造る案がまとまりました」
ハドリアヌス 「ほう、流石はルシウスだな」
ルシウス 「つきましては私の雇った技師達がこの地を自由に行き来出来る許可を頂きたく――」
ハドリアヌス 「うむ、許可しよう。ルシウスとその弟子達に手形を作ってやれ」
衛兵 「ハッ」
217: 2012/06/23(土) 21:55:41.73 ID:rCcPIAcK0
ルシウス (この手形は無くさないように)
マミ (これで私達はこの辺り一帯出入り自由ね)
和子 (みんな、上条君と美樹さんだけは現代に戻した方がいいと思うの)
杏子 (何でだ?)
和子 (この二人は一度皇帝に目を付けられたわ。許して貰ったとはいえ、ここで働くのはトラブルになりかねない)
さやか (私は残りますよ)
和子 (美樹さん……)
さやか (みんなこれから働くんでしょ。私だけ先に帰るなんて)
恭介 (僕も残ります)
和子 (……)
恭介 (先生?)
和子 (……上条君、あなたは帰りなさい)
恭介 「僕にだけ帰れって言うんですか!」
さやか 「いい加減気付きなよ、恭介」
恭介 「さやか……」
さやか 「私はここで力仕事も出来るし、いざという時に戦える。あんたはどうなのよ」
マミ (これで私達はこの辺り一帯出入り自由ね)
和子 (みんな、上条君と美樹さんだけは現代に戻した方がいいと思うの)
杏子 (何でだ?)
和子 (この二人は一度皇帝に目を付けられたわ。許して貰ったとはいえ、ここで働くのはトラブルになりかねない)
さやか (私は残りますよ)
和子 (美樹さん……)
さやか (みんなこれから働くんでしょ。私だけ先に帰るなんて)
恭介 (僕も残ります)
和子 (……)
恭介 (先生?)
和子 (……上条君、あなたは帰りなさい)
恭介 「僕にだけ帰れって言うんですか!」
さやか 「いい加減気付きなよ、恭介」
恭介 「さやか……」
さやか 「私はここで力仕事も出来るし、いざという時に戦える。あんたはどうなのよ」
218: 2012/06/23(土) 22:06:27.76 ID:rCcPIAcK0
恭介 「それは……」
さやか 「……はっきり言ってさ、今の恭介は足手まといなんだよ」
恭介 「!」
ルシウス (少年が部屋を出て行った。途中からテレパシーを使わなくなったので何を話していたか分からないが)
まどか 「上条君! ……さやかちゃん、追いかけないの!?」
杏子 「やめな、まどか」
まどか 「でも……」
杏子 「あいつはボーヤに元の世界に戻って欲しいんだよ」
さやか 「……はっきり言ってさ、今の恭介は足手まといなんだよ」
恭介 「!」
ルシウス (少年が部屋を出て行った。途中からテレパシーを使わなくなったので何を話していたか分からないが)
まどか 「上条君! ……さやかちゃん、追いかけないの!?」
杏子 「やめな、まどか」
まどか 「でも……」
杏子 「あいつはボーヤに元の世界に戻って欲しいんだよ」
219: 2012/06/23(土) 22:17:43.41 ID:rCcPIAcK0
和子 「ここに居たんだ。隣、いいかしら?」
恭介 「……」
和子 「上条君、美樹さんはね――」
恭介 「分かってます。さやかの言う通りなんです。僕が足手まといだってこと。戦地じゃ杖無しで歩けない僕なんて……。
でも僕だって男なんです。女の子を戦地に残して僕だけ帰るなんて……」
和子 「分かってないわよ、上条君」
恭介 「えっ?」
和子 「美樹さんはね、あなたのことが心配で堪らないの。女ってのは、好きな男の為ならどんなことでも出来るものよ。
さっきの美樹さんの場合、あなたの安全を第一に考えて敢えて厳しいことを言った。
帰ってあげなさい。美樹さんの為にも」
恭介 「先生だって皇帝から『二度と目の前に現れるな』って言われてるんですよ。
それに、足の悪い僕が帰るべきなら目の悪い先生だって帰るべきです」
和子 「先生は帰るわけにはいかないわ。」
恭介 「教師として教え子を置いていけないっていうんですか? それじゃ男のメンツを気にする僕と変わらないじゃないですか」
和子 「先生には、ルシウスさんにオンドル造りのノウハウを教えるという仕事があるの。
帰らないんじゃなくて帰るわけにいかないのよ」
恭介 「……」
和子 「上条君。あなたが溺れた先生を蘇生させてくれなかったら、
先生はルシウスさんにオンドルの知識を教えることは出来なかった。
ここに温泉が出来るのはあなたのおかげなのよ。胸を張って帰りなさい」
恭介 「……」
和子 「上条君、美樹さんはね――」
恭介 「分かってます。さやかの言う通りなんです。僕が足手まといだってこと。戦地じゃ杖無しで歩けない僕なんて……。
でも僕だって男なんです。女の子を戦地に残して僕だけ帰るなんて……」
和子 「分かってないわよ、上条君」
恭介 「えっ?」
和子 「美樹さんはね、あなたのことが心配で堪らないの。女ってのは、好きな男の為ならどんなことでも出来るものよ。
さっきの美樹さんの場合、あなたの安全を第一に考えて敢えて厳しいことを言った。
帰ってあげなさい。美樹さんの為にも」
恭介 「先生だって皇帝から『二度と目の前に現れるな』って言われてるんですよ。
それに、足の悪い僕が帰るべきなら目の悪い先生だって帰るべきです」
和子 「先生は帰るわけにはいかないわ。」
恭介 「教師として教え子を置いていけないっていうんですか? それじゃ男のメンツを気にする僕と変わらないじゃないですか」
和子 「先生には、ルシウスさんにオンドル造りのノウハウを教えるという仕事があるの。
帰らないんじゃなくて帰るわけにいかないのよ」
恭介 「……」
和子 「上条君。あなたが溺れた先生を蘇生させてくれなかったら、
先生はルシウスさんにオンドルの知識を教えることは出来なかった。
ここに温泉が出来るのはあなたのおかげなのよ。胸を張って帰りなさい」
222: 2012/06/23(土) 22:40:31.43 ID:rCcPIAcK0
恭介 「みんな、頑張って。先生、お世話になりました」
マミ 「ここは私達に任せて。それから、ここでのことは絶対に秘密にして欲しいの。いい?」
恭介 「分かりました」
まどか 「上条君、また学校で会おうね」
杏子 「じゃあな、ボーヤ」
ほむら 「さよなら、美樹さやかのことは任せなさい」
和子 「上条君、気をつけて。ルシウスさん、お願いします」
ルシウス 「行って来る。彼を送り届けたら私はすぐ戻ってくる。それからここのテルマエ造りを始めよう」
さやか 「……」
恭介 「さやか」
さやか 「……」
恭介 「未来で、待ってる」
さやか 「!」
さやか 「すぐ行く、走って行く!」
マミ 「ここは私達に任せて。それから、ここでのことは絶対に秘密にして欲しいの。いい?」
恭介 「分かりました」
まどか 「上条君、また学校で会おうね」
杏子 「じゃあな、ボーヤ」
ほむら 「さよなら、美樹さやかのことは任せなさい」
和子 「上条君、気をつけて。ルシウスさん、お願いします」
ルシウス 「行って来る。彼を送り届けたら私はすぐ戻ってくる。それからここのテルマエ造りを始めよう」
さやか 「……」
恭介 「さやか」
さやか 「……」
恭介 「未来で、待ってる」
さやか 「!」
さやか 「すぐ行く、走って行く!」
224: 2012/06/23(土) 22:48:04.75 ID:rCcPIAcK0
古代ローマ ルシウスが戦地に造ったテルマエ
ローマ兵1 「地面が暖かい。こうして寝そべっていると体がポカポカする。気持ちいいなあ」
ローマ兵2 「この変わった茹で卵、美味い!」
ローマ兵3 「ここの温泉の湯を飲むと元気になるらしいぞ」
ローマ兵4 「この前看病に来てくれた娘、可愛かった……また来ないかな」
ルシウス 「この地に湧く温泉だけでは湯量が足りないので困っていた。
あなたが『オンドル』と呼ぶ、地熱がある場所に傷病兵を寝かせるアイデアを教えてくれなかったら
ここのテルマエは造れなかった。それに飲泉の知識も私には無かった」
和子 「私、温泉好きで県内のあちこちの温泉に行ってて、それで詳しくなったんです」
さやか 「温泉卵出来たよ!」
杏子 「よっしゃ! 配りに行って来る」
マミ 「佐倉さん、配って来るのはいいけどつまみ食いは程々にね」
まどか 「ほむらちゃん、汲んだお湯そこに置いたから」
ほむら 「ありがとう、まどか。兵達に飲ませに行って来るわ」
杏子 「キュゥべえも配達出来ればいいのにさ」
QB 「ボクの姿は普通の人間には見えないからね。それにボクは十分キミ達の役に立ってるよ。
ボクが翻訳機能を強化させたことで、テレパシーが届くのと同じ圏内で通常の会話も翻訳可能になった。
キミ達とローマ兵の会話が成り立つのはボクのおかげだよ」
ローマ兵1 「地面が暖かい。こうして寝そべっていると体がポカポカする。気持ちいいなあ」
ローマ兵2 「この変わった茹で卵、美味い!」
ローマ兵3 「ここの温泉の湯を飲むと元気になるらしいぞ」
ローマ兵4 「この前看病に来てくれた娘、可愛かった……また来ないかな」
ルシウス 「この地に湧く温泉だけでは湯量が足りないので困っていた。
あなたが『オンドル』と呼ぶ、地熱がある場所に傷病兵を寝かせるアイデアを教えてくれなかったら
ここのテルマエは造れなかった。それに飲泉の知識も私には無かった」
和子 「私、温泉好きで県内のあちこちの温泉に行ってて、それで詳しくなったんです」
さやか 「温泉卵出来たよ!」
杏子 「よっしゃ! 配りに行って来る」
マミ 「佐倉さん、配って来るのはいいけどつまみ食いは程々にね」
まどか 「ほむらちゃん、汲んだお湯そこに置いたから」
ほむら 「ありがとう、まどか。兵達に飲ませに行って来るわ」
杏子 「キュゥべえも配達出来ればいいのにさ」
QB 「ボクの姿は普通の人間には見えないからね。それにボクは十分キミ達の役に立ってるよ。
ボクが翻訳機能を強化させたことで、テレパシーが届くのと同じ圏内で通常の会話も翻訳可能になった。
キミ達とローマ兵の会話が成り立つのはボクのおかげだよ」
225: 2012/06/23(土) 22:58:43.36 ID:rCcPIAcK0
古代ローマ ローマ帝国ユダヤ属州 ローマ軍本隊
マーカス 「陛下、テルマエで傷の癒えた兵達が次々に戦線に復帰しております」
ハドリアヌス 「ルシウスめ、やりおる」
伝令 「申し上げます!」
ハドリアヌス 「よい、申せ」
伝令 「敵別働隊、我が軍のテルマエに向けて侵攻中!」
ハドリアヌス 「何ッ!」
ハドリアヌス (いかん! あそこは傷病兵ばかりでろくな戦力はおらぬぞ。
将軍セウェルスに兵を多く持たせた為にここが手薄となったのが仇になったか……)
ハドリアヌス 「敵の数は?」
伝令 「300に御座います!」
ハドリアヌス (少数故にこちらの警戒網を突破したか。敵の指揮官め、やりおる。
本隊の総力を挙げれば撃退は容易い。しかし軍令を発して全軍で行軍を開始していたら
到着までにテルマエを破壊され、傷病兵は皆殺しとなるやもしれん。それでは全軍の士気に影響する)
マーカス 「主戦場では我が軍が押しておりますが、いかがなされますか?」
ハドリアヌス (押しているからこそ、この本隊を下げたくないのだ……)
マーカス 「陛下、テルマエで傷の癒えた兵達が次々に戦線に復帰しております」
ハドリアヌス 「ルシウスめ、やりおる」
伝令 「申し上げます!」
ハドリアヌス 「よい、申せ」
伝令 「敵別働隊、我が軍のテルマエに向けて侵攻中!」
ハドリアヌス 「何ッ!」
ハドリアヌス (いかん! あそこは傷病兵ばかりでろくな戦力はおらぬぞ。
将軍セウェルスに兵を多く持たせた為にここが手薄となったのが仇になったか……)
ハドリアヌス 「敵の数は?」
伝令 「300に御座います!」
ハドリアヌス (少数故にこちらの警戒網を突破したか。敵の指揮官め、やりおる。
本隊の総力を挙げれば撃退は容易い。しかし軍令を発して全軍で行軍を開始していたら
到着までにテルマエを破壊され、傷病兵は皆殺しとなるやもしれん。それでは全軍の士気に影響する)
マーカス 「主戦場では我が軍が押しておりますが、いかがなされますか?」
ハドリアヌス (押しているからこそ、この本隊を下げたくないのだ……)
230: 2012/06/29(金) 01:03:46.07 ID:QNC0EUvl0
古代ローマ ルシウスが戦地に造ったテルマエ
和子 「何ですって!」
ルシウス 「言った通りだ。間もなくここに敵が攻めて来る、皆は逃げろ」
さやか 「逃げろって……。ここにいる怪我した兵隊さんはどうするの? 動けない人だって大勢いるんだよ!」
ルシウス 「……」
さやか 「置いてけっていうの!」
まどか 「そんなのってないよ! あんまりだよ!」
ルシウス 「私が敵を食い止める」
ほむら 「幾らあなたが魔法少女でも一人で戦うのは無理があるわ。敵の数は?」
ルシウス 「報告では300人程らしい」
ほむら 「なら私達魔法少女が全員で戦えば撃退出来るでしょうね」
マミ 「暁美さん、相手は人間なのよ」
ほむら 「私達は既にこの戦争に足を突っ込んだ。私達がここで治療した兵が戦線に復帰して敵を殺している。
私達は既に間接的に人を殺しているわ」
マミ 「そんな言い方……少なくとも私はそんなつもりでここで働いてはいなかったわ」
和子 「何ですって!」
ルシウス 「言った通りだ。間もなくここに敵が攻めて来る、皆は逃げろ」
さやか 「逃げろって……。ここにいる怪我した兵隊さんはどうするの? 動けない人だって大勢いるんだよ!」
ルシウス 「……」
さやか 「置いてけっていうの!」
まどか 「そんなのってないよ! あんまりだよ!」
ルシウス 「私が敵を食い止める」
ほむら 「幾らあなたが魔法少女でも一人で戦うのは無理があるわ。敵の数は?」
ルシウス 「報告では300人程らしい」
ほむら 「なら私達魔法少女が全員で戦えば撃退出来るでしょうね」
マミ 「暁美さん、相手は人間なのよ」
ほむら 「私達は既にこの戦争に足を突っ込んだ。私達がここで治療した兵が戦線に復帰して敵を殺している。
私達は既に間接的に人を殺しているわ」
マミ 「そんな言い方……少なくとも私はそんなつもりでここで働いてはいなかったわ」
231: 2012/06/29(金) 01:11:39.56 ID:QNC0EUvl0
古代ローマ ルシウスが戦地に造ったテルマエ付近
さやか 「敵が見える……」
杏子 「マミ、肝括ろうぜ」
マミ 「分かってるわ。だけど、敵の武器を破壊するか奪うだけ、人は殺さないわよ私」
杏子 「ああ、それでいい。何も殺さなくても追っ払えればいいからな」
ほむら (まどかを守る為にもここは通さない!)
和子 「さあ、行きましょう鹿目さん。私達がここに残ってたらみんなが戦いづらいわ」
まどか 「はい……。約束だよ。みんな、みんな帰って来てね!」
和子 (教え子達を戦場に行かせて自分は何も出来ずに避難する。大人として教職者として我ながら情けないわ)
さやか 「敵が見える……」
杏子 「マミ、肝括ろうぜ」
マミ 「分かってるわ。だけど、敵の武器を破壊するか奪うだけ、人は殺さないわよ私」
杏子 「ああ、それでいい。何も殺さなくても追っ払えればいいからな」
ほむら (まどかを守る為にもここは通さない!)
和子 「さあ、行きましょう鹿目さん。私達がここに残ってたらみんなが戦いづらいわ」
まどか 「はい……。約束だよ。みんな、みんな帰って来てね!」
和子 (教え子達を戦場に行かせて自分は何も出来ずに避難する。大人として教職者として我ながら情けないわ)
232: 2012/06/29(金) 01:19:17.15 ID:QNC0EUvl0
反乱軍傭兵部隊長 「……意外と手こずるな。ここの敵は怪我人や病人ばかりの筈だが」
反乱軍傭兵部隊兵士 「それが……敵に腕利きの女闘士が数名おり、思うように攻められません」
反乱軍傭兵部隊長 「弓を射掛けよ。また、数名で同時に一人を囲め」
反乱軍傭兵部隊兵士 「それが女闘士共は奇妙な術を使い、我が軍の損害は増すばかりです」
反乱軍傭兵部隊長 「我が軍の損害は?」
反乱軍傭兵部隊兵士 「怪我人は出ておりますが、戦死者はありません。丸腰にされて帰って来る者多数です」
反乱軍傭兵部隊長 「舐めた真似を……」
反乱軍傭兵部隊兵士 「それが……敵に腕利きの女闘士が数名おり、思うように攻められません」
反乱軍傭兵部隊長 「弓を射掛けよ。また、数名で同時に一人を囲め」
反乱軍傭兵部隊兵士 「それが女闘士共は奇妙な術を使い、我が軍の損害は増すばかりです」
反乱軍傭兵部隊長 「我が軍の損害は?」
反乱軍傭兵部隊兵士 「怪我人は出ておりますが、戦死者はありません。丸腰にされて帰って来る者多数です」
反乱軍傭兵部隊長 「舐めた真似を……」
234: 2012/06/29(金) 01:41:39.15 ID:QNC0EUvl0
マミ 「行くわよ!」
シュルルル
反乱軍傭兵部隊兵士1 「何だぁこの紐は! 武器が取り上げられた!」
反乱軍傭兵部隊兵士2 「俺もだぁ!」
さやか 「どりゃあ!」
反乱軍傭兵部隊兵士3 「ヒィ! こっちの剣が寸断された!?」
反乱軍傭兵部隊兵士4 「弓隊、前へ。……放て!」
杏子 「しまった! なんてね」
反乱軍傭兵部隊兵士5 「赤い壁が出てきたぞ!」
反乱軍傭兵部隊兵士6 「弓も防がれるとは……」
シュルルル
反乱軍傭兵部隊兵士1 「何だぁこの紐は! 武器が取り上げられた!」
反乱軍傭兵部隊兵士2 「俺もだぁ!」
さやか 「どりゃあ!」
反乱軍傭兵部隊兵士3 「ヒィ! こっちの剣が寸断された!?」
反乱軍傭兵部隊兵士4 「弓隊、前へ。……放て!」
杏子 「しまった! なんてね」
反乱軍傭兵部隊兵士5 「赤い壁が出てきたぞ!」
反乱軍傭兵部隊兵士6 「弓も防がれるとは……」
236: 2012/06/29(金) 01:52:39.75 ID:QNC0EUvl0
プシュッ
反乱軍傭兵部隊兵士7 「ゴホッ、ゲホッ、目が……」
バチバチッ
反乱軍傭兵部隊兵士8 「ギャッ」
ほむら 「催涙スプレーやスタンガンなんてこの時代には無いでしょう」
ルシウス 「テルマエ・ロマーエ!」
シャアアアア
反乱軍傭兵部隊兵士9 「熱ッ! 熱湯だぁ! 逃げろぉ!」
反乱軍傭兵部隊兵士10 「これでは近づけん……」
ルシウス (大火傷させないように加減が難しいな)
反乱軍傭兵部隊長 「ほう、あれが敵か。……全軍を後退させよ。わらわが出る!」
反乱軍兵士 「ハッ!」
反乱軍傭兵部隊長 「魔法少女か……面白い」
反乱軍傭兵部隊兵士7 「ゴホッ、ゲホッ、目が……」
バチバチッ
反乱軍傭兵部隊兵士8 「ギャッ」
ほむら 「催涙スプレーやスタンガンなんてこの時代には無いでしょう」
ルシウス 「テルマエ・ロマーエ!」
シャアアアア
反乱軍傭兵部隊兵士9 「熱ッ! 熱湯だぁ! 逃げろぉ!」
反乱軍傭兵部隊兵士10 「これでは近づけん……」
ルシウス (大火傷させないように加減が難しいな)
反乱軍傭兵部隊長 「ほう、あれが敵か。……全軍を後退させよ。わらわが出る!」
反乱軍兵士 「ハッ!」
反乱軍傭兵部隊長 「魔法少女か……面白い」
242: 2012/07/08(日) 20:38:06.99 ID:Yoju5RBH0
和子 「……」
まどか 「……先生?」
和子 「つらいとは思うけど、私達に出来ることは無いわ」
まどか 「……はい」
和子 「……」
まどか 「あの……」
和子 「何? 鹿目さん」
まどか 「先生、なんだか皆を心配してるだけじゃなくて自分を責めてるんじゃないかって気がして」
和子 「そんな顔してた?」
まどか 「……はい。さやかちゃんから聞いたんです。先生がこの時代に来てからお金作ろうとした話……」
和子 「知っていたの、鹿目さん……」
まどか 「……先生?」
和子 「つらいとは思うけど、私達に出来ることは無いわ」
まどか 「……はい」
和子 「……」
まどか 「あの……」
和子 「何? 鹿目さん」
まどか 「先生、なんだか皆を心配してるだけじゃなくて自分を責めてるんじゃないかって気がして」
和子 「そんな顔してた?」
まどか 「……はい。さやかちゃんから聞いたんです。先生がこの時代に来てからお金作ろうとした話……」
和子 「知っていたの、鹿目さん……」
243: 2012/07/08(日) 20:52:52.95 ID:Yoju5RBH0
和子回想 和子達がルシウス達と合流する前の晩 ローマ帝国ユダヤ属州
和子 (ここ、街道よね? 石畳だし)
和子 (夜鷹なんてやったことないけど、こうして夜に街道に立って男に声をかければいいのかしら?)
和子 (こんなところ教え子達には見せられない……グスッ。でも、あの二人を守れるのは私しかいない。
特に美樹さんは今晩、何も食べてない訳だし)
和子 (これから幾許かのお金と引き換えに、屈強な古代人達が華奢な私の身体を好きにするのね)
和子 (……)
和子 (……出来ればイケメンがいいわ。ローマ人なら俳優の阿○寛みたいな二枚目がいるかもしれない。
そう考えれば悪くないかも)
さやか 「先生?」
和子 「!?」
さやか 「先生、こんなところで何やってるんですか?
みんな寝た後で先生が夜中に抜け出すのに気付いて、最初落ち着きがなかったからオシッコかなって思ったけど
それにしては帰りが遅いから探しに来たら……」
和子 「驚かさないでよ、美樹さん。……その……物乞いよ、物乞い。恥ずかしいけど、先生達は先立つものが必要でしょ?」
さやか 「こんな夜中にですか? 物乞いだったら人通りが多い日中にやりますよね」
和子 「……」
さやか 「まさか、先生……売春!?」
和子 (ここ、街道よね? 石畳だし)
和子 (夜鷹なんてやったことないけど、こうして夜に街道に立って男に声をかければいいのかしら?)
和子 (こんなところ教え子達には見せられない……グスッ。でも、あの二人を守れるのは私しかいない。
特に美樹さんは今晩、何も食べてない訳だし)
和子 (これから幾許かのお金と引き換えに、屈強な古代人達が華奢な私の身体を好きにするのね)
和子 (……)
和子 (……出来ればイケメンがいいわ。ローマ人なら俳優の阿○寛みたいな二枚目がいるかもしれない。
そう考えれば悪くないかも)
さやか 「先生?」
和子 「!?」
さやか 「先生、こんなところで何やってるんですか?
みんな寝た後で先生が夜中に抜け出すのに気付いて、最初落ち着きがなかったからオシッコかなって思ったけど
それにしては帰りが遅いから探しに来たら……」
和子 「驚かさないでよ、美樹さん。……その……物乞いよ、物乞い。恥ずかしいけど、先生達は先立つものが必要でしょ?」
さやか 「こんな夜中にですか? 物乞いだったら人通りが多い日中にやりますよね」
和子 「……」
さやか 「まさか、先生……売春!?」
244: 2012/07/08(日) 21:01:55.59 ID:Yoju5RBH0
和子 「先生のこと軽蔑した?」
さやか 「……」
和子 「それでも私達は生きなきゃいけないの」
さやか 「……止めて下さい」
和子 「美樹さん……」
さやか 「止めて下さい! 先生がそんなこと……おかしいですよ!」
和子 「先生だって好きでこんなことしようとした訳じゃないわ。でも生きていく為には、今の先生に出来ることはこれ位しかないの」
さやか 「私が何とかします」
和子 「何とかするって……」
さやか 「先生も知ってるでしょ? 私、ここの世界に来てから妙な力がついたって。それで力仕事でも用心棒でもするから。
だから、二度とそんなことしようなんて思わないで下さい!」
さやか 「……」
和子 「それでも私達は生きなきゃいけないの」
さやか 「……止めて下さい」
和子 「美樹さん……」
さやか 「止めて下さい! 先生がそんなこと……おかしいですよ!」
和子 「先生だって好きでこんなことしようとした訳じゃないわ。でも生きていく為には、今の先生に出来ることはこれ位しかないの」
さやか 「私が何とかします」
和子 「何とかするって……」
さやか 「先生も知ってるでしょ? 私、ここの世界に来てから妙な力がついたって。それで力仕事でも用心棒でもするから。
だから、二度とそんなことしようなんて思わないで下さい!」
245: 2012/07/08(日) 21:11:43.45 ID:Yoju5RBH0
まどか 「さやかちゃん、この話は私にしかしてないって言ってました」
和子 「そう……。翌日ルシウスさん達と合流してここで働き始めたから生活には困らなくなったけど。
あの時はああでもしないと、美樹さんや上条君にひもじい思いをさせちゃいけないって思って。
でも、現実は今も先生の方が守って貰ってばかり」
まどか 「先生は自分を責めているのかもしれないけど、先生の想いは受け止めています。
さやかちゃんだって先生がしようとしたことに悲しんだけど、反面嬉しかった筈です。
そこまでして生徒の為になろうとする先生が担任だったってことに」
和子 「先生を慰めようなんて生意気だぞ」
まどか 「ごめんなさい」
和子 「でも、有難う鹿目さん。今は皆の無事を信じて待ちましょう」
まどか 「はい!」
和子 (まどかちゃんしっかりしてるわ。この年頃の子供はある日いきなり大人になっちゃう。信じてあげるしか無いわね……)
和子 (詢子、あなたの娘は立派に成長してるわよ。あなたも私も気付かない間に……)
和子 「そう……。翌日ルシウスさん達と合流してここで働き始めたから生活には困らなくなったけど。
あの時はああでもしないと、美樹さんや上条君にひもじい思いをさせちゃいけないって思って。
でも、現実は今も先生の方が守って貰ってばかり」
まどか 「先生は自分を責めているのかもしれないけど、先生の想いは受け止めています。
さやかちゃんだって先生がしようとしたことに悲しんだけど、反面嬉しかった筈です。
そこまでして生徒の為になろうとする先生が担任だったってことに」
和子 「先生を慰めようなんて生意気だぞ」
まどか 「ごめんなさい」
和子 「でも、有難う鹿目さん。今は皆の無事を信じて待ちましょう」
まどか 「はい!」
和子 (まどかちゃんしっかりしてるわ。この年頃の子供はある日いきなり大人になっちゃう。信じてあげるしか無いわね……)
和子 (詢子、あなたの娘は立派に成長してるわよ。あなたも私も気付かない間に……)
246: 2012/07/08(日) 21:21:15.41 ID:Yoju5RBH0
古代ローマ ルシウスが戦地に造ったテルマエ付近
さやか 「ハァ、ハァ、敵が逃げていった……」
さやか (まどかも、先生も、ここの温泉も、怪我した兵隊さんもみんな守るんだ!)
マミ 「良かったわ、こちらも少し休みましょう。第二波が来るかもしれない」
ルシウス 「我が軍の本隊から援軍が到着するまでの辛抱だ、頑張ろう」
バシュ
ドゴオォォォ
杏子 「痛てて……」
さやか 「……何なのよ、今の火の玉は……」
反乱軍傭兵部隊長 「ローマ人ではないのか……。ここを通して貰う! 命が惜しければ退くがよい」
さやか 「すんげえ美人……」
杏子 「感心してる場合か!」
さやか 「そうだね、行くよ! やあああッ!」
ガキンッ
さやか 「えっ!」
ほむら (美樹さやかの剣を杓で止めた!)
さやか 「ハァ、ハァ、敵が逃げていった……」
さやか (まどかも、先生も、ここの温泉も、怪我した兵隊さんもみんな守るんだ!)
マミ 「良かったわ、こちらも少し休みましょう。第二波が来るかもしれない」
ルシウス 「我が軍の本隊から援軍が到着するまでの辛抱だ、頑張ろう」
バシュ
ドゴオォォォ
杏子 「痛てて……」
さやか 「……何なのよ、今の火の玉は……」
反乱軍傭兵部隊長 「ローマ人ではないのか……。ここを通して貰う! 命が惜しければ退くがよい」
さやか 「すんげえ美人……」
杏子 「感心してる場合か!」
さやか 「そうだね、行くよ! やあああッ!」
ガキンッ
さやか 「えっ!」
ほむら (美樹さやかの剣を杓で止めた!)
247: 2012/07/08(日) 21:30:45.87 ID:Yoju5RBH0
反乱軍傭兵部隊長 「その程度か」
ドゴッ
さやか 「ぐあッ」
ズサアァー
杏子 「さやかぁー!」
マミ (美樹さんを一撃であんなに蹴り飛ばした!)
杏子 (間違いない、こいつは……)
ほむら (魔法少女!)
さやか 「ウ……グッ……あんたにも……理由が……あるんだろうけど、こっちにもここを守る理由があるのよ」
反乱軍傭兵部隊長 「我が一撃を受けてなお立ち上がる力が残っているか」
さやか 「あいつに偉そうなこと言った手前……この温泉を守らないと……
未来に帰った時に恭介に合わせる顔が無いのよ!」
杏子 「さやか!」
マミ (回復力に長ける美樹さんだから立ち上がれたようなもの。あの魔法少女の魔翌力、桁違いだわ)
ドゴッ
さやか 「ぐあッ」
ズサアァー
杏子 「さやかぁー!」
マミ (美樹さんを一撃であんなに蹴り飛ばした!)
杏子 (間違いない、こいつは……)
ほむら (魔法少女!)
さやか 「ウ……グッ……あんたにも……理由が……あるんだろうけど、こっちにもここを守る理由があるのよ」
反乱軍傭兵部隊長 「我が一撃を受けてなお立ち上がる力が残っているか」
さやか 「あいつに偉そうなこと言った手前……この温泉を守らないと……
未来に帰った時に恭介に合わせる顔が無いのよ!」
杏子 「さやか!」
マミ (回復力に長ける美樹さんだから立ち上がれたようなもの。あの魔法少女の魔翌力、桁違いだわ)
249: 2012/07/08(日) 21:36:46.46 ID:Yoju5RBH0
QB 「そうだ、この場でキミに見せてあげよう、みんなの戦いを。キミが契約を決意しやすいようにね」
まどか 「みんな! ……そんな……魔法少女同士で戦ってるなんて……。キュゥべえ、なんとかならないの?」
和子 「鹿目さん、誰と話してるの?」
まどか 「いえ、何でもありません」
まどか (先生にはキュゥべえが見えないんだった)
QB (この戦いを終わらせる方法はある。君が――)
まどか (私がキュゥべえと契約する以外で無いの?)
QB (ボクが思いつく限りでは無いね)
まどか 「みんな! ……そんな……魔法少女同士で戦ってるなんて……。キュゥべえ、なんとかならないの?」
和子 「鹿目さん、誰と話してるの?」
まどか 「いえ、何でもありません」
まどか (先生にはキュゥべえが見えないんだった)
QB (この戦いを終わらせる方法はある。君が――)
まどか (私がキュゥべえと契約する以外で無いの?)
QB (ボクが思いつく限りでは無いね)
250: 2012/07/08(日) 21:47:13.80 ID:Yoju5RBH0
杏子 「こいつ、強い……」
さやか 「当たらない。かすり傷一つ負わせられない……」
マミ 「何か突破口は無いの……」
ほむら 「ワルブルギスを乗り越えたのに、こんなところで……」
ほむら (ワルブルギスの夜との戦いを乗り越えた後、時間停止能力が失われた私ではどうすることも……。
さらに私達がルシウスに暗示をかけたのが仇になった)
ルシウス (この私が時間停止さえ使えるようになれば、何とかなりそうなものを……。この魔法少女に対抗する術は?)
ハドリアヌス 「不甲斐無いぞ、ルシウス!」
ルシウス 「へ、陛下!?」
ハドリアヌス 「ここへ向かう援軍と一緒に行軍しておったら間に合わんと思ってな、先にわし一人で来た」
ルシウス 「陛下が単騎で? しかし馬でもこんなに早く来ることは……」
ハドリアヌス 「我が足で走って来た」
ルシウス 「陛下!? 今何と……?」
ハドリアヌス 「いくら余が魔法少女でも流石に疲れたわい、ほれ、足がパンパンじゃ」
ルシウス 「!?」
マミ (まさかハドリアヌス帝が……)
ほむら (魔法少女!?)
さやか 「当たらない。かすり傷一つ負わせられない……」
マミ 「何か突破口は無いの……」
ほむら 「ワルブルギスを乗り越えたのに、こんなところで……」
ほむら (ワルブルギスの夜との戦いを乗り越えた後、時間停止能力が失われた私ではどうすることも……。
さらに私達がルシウスに暗示をかけたのが仇になった)
ルシウス (この私が時間停止さえ使えるようになれば、何とかなりそうなものを……。この魔法少女に対抗する術は?)
ハドリアヌス 「不甲斐無いぞ、ルシウス!」
ルシウス 「へ、陛下!?」
ハドリアヌス 「ここへ向かう援軍と一緒に行軍しておったら間に合わんと思ってな、先にわし一人で来た」
ルシウス 「陛下が単騎で? しかし馬でもこんなに早く来ることは……」
ハドリアヌス 「我が足で走って来た」
ルシウス 「陛下!? 今何と……?」
ハドリアヌス 「いくら余が魔法少女でも流石に疲れたわい、ほれ、足がパンパンじゃ」
ルシウス 「!?」
マミ (まさかハドリアヌス帝が……)
ほむら (魔法少女!?)
251: 2012/07/08(日) 21:59:49.08 ID:Yoju5RBH0
まどか (ハドリアヌス帝が魔法少女って、キュゥべえはどうして教えてくれなかったの?)
QB (聞かれなかったからね)
まどか (……この時代って男の魔法少女が多いの?)
QB (そういう訳じゃない、ハドリアヌスやルシウスは例外だよ)
QB (第二次性長期の少女が魔法少女としての資質が最も高いが、もう一つ、因果の量も魔法少女の資質になる。
一つの大帝国の皇帝ともなるとその因果の量は平凡な一般人を遥かに凌ぐ。
性別や年齢を凌駕する魔法少女の資質がハドリアヌスにはあった)
まどか (じゃあルシウスさんは?)
QB (こればかりはボクも分からないんだ。彼に因果が集まる原因を作った魔法少女が居たのかもね)
QB (聞かれなかったからね)
まどか (……この時代って男の魔法少女が多いの?)
QB (そういう訳じゃない、ハドリアヌスやルシウスは例外だよ)
QB (第二次性長期の少女が魔法少女としての資質が最も高いが、もう一つ、因果の量も魔法少女の資質になる。
一つの大帝国の皇帝ともなるとその因果の量は平凡な一般人を遥かに凌ぐ。
性別や年齢を凌駕する魔法少女の資質がハドリアヌスにはあった)
まどか (じゃあルシウスさんは?)
QB (こればかりはボクも分からないんだ。彼に因果が集まる原因を作った魔法少女が居たのかもね)
263: 2012/07/15(日) 20:26:41.03 ID:kCv25/Jc0
ハドリアヌス 「貴様が敵の部隊長か」
反乱軍傭兵部隊長 「フフフフフ、ハハハハハ!」
ハドリアヌス 「何が可笑しい?」
反乱軍傭兵部隊長 「ハドリアヌス、わざわざそちらから出向いて来るとは」
ルシウス 「陛下、お気をつけ下さい。あの者は帝国に仇なす魔法少女です。しかも強い……」
ハドリアヌス 「ほう、面白い。ここで退くなら魔法少女同士の誼で見逃してやってもいいぞ」
反乱軍傭兵部隊長 「フフフフフ、そなたの口からそんな言葉が出るとは……アンティノウスは浮かばれないわ」
ハドリアヌス 「何故アンティノーの名前が出る? ……まさか!」
反乱軍傭兵部隊長 「察しがいいのうハドリアヌス。仮にも皇帝が務まる訳じゃ。
そう、かつてそなたの愛人アンティノウスをナイル川で溺死させたのはわらわじゃ」
ハドリアヌス 「きっさまああああ!」
反乱軍傭兵部隊長 「フフフフフ、ハハハハハ!」
ハドリアヌス 「何が可笑しい?」
反乱軍傭兵部隊長 「ハドリアヌス、わざわざそちらから出向いて来るとは」
ルシウス 「陛下、お気をつけ下さい。あの者は帝国に仇なす魔法少女です。しかも強い……」
ハドリアヌス 「ほう、面白い。ここで退くなら魔法少女同士の誼で見逃してやってもいいぞ」
反乱軍傭兵部隊長 「フフフフフ、そなたの口からそんな言葉が出るとは……アンティノウスは浮かばれないわ」
ハドリアヌス 「何故アンティノーの名前が出る? ……まさか!」
反乱軍傭兵部隊長 「察しがいいのうハドリアヌス。仮にも皇帝が務まる訳じゃ。
そう、かつてそなたの愛人アンティノウスをナイル川で溺死させたのはわらわじゃ」
ハドリアヌス 「きっさまああああ!」
264: 2012/07/15(日) 20:39:30.94 ID:kCv25/Jc0
ハドリアヌス 「おのれ、許さぬ、許さぬぞおお!」
反乱軍傭兵部隊長 「ハハハハハハ、変わり果てたアンティノウスの亡骸に泣きすがっていたそなたの顔、
今でも思い出せる!」
マミ 「酷い……」
杏子 「貴様、それでも人間か!」
ハドリアヌス 「……あのとき、アンティノーの死に嘆き悲しんだわしのソウルジェムは魔女化寸前まで濁った。
辛うじてグリーフシードで穢れを吸わせてもアンティノーの事を思い出す度にわしのソウルジェムは濁った。
わしは自らが魔女になることをよしとせず、何度も自らの命を絶とうとした」
ルシウス (陛下が何度も自殺を試みたという噂は本当だったのか!)
ハドリアヌス 「許せ、アンティノー。わしがそなたを見初めなければ、そなたは死ぬことはなかった……」
反乱軍傭兵部隊長 「そうよ、そなたがアンティノウスを殺したのよ」
反乱軍傭兵部隊長 「愛人アンティノウスの死に絶望したハドリアヌスは魔女になり、帝国は混乱する。
これがわらわの筋書きだったがハドリアヌスは持ちこたえた。残念だわ」
さやか 「その為にカップルの片方を殺すなんて……。絶対に……絶対にお前だけは許さない……」
ルシウス 「貴様、何者だ! 何故それほどにまでローマを憎む!?」
反乱軍傭兵部隊長 「死に行くそなたらには教えてやろう、わらわは――」
反乱軍傭兵部隊長 「ハハハハハハ、変わり果てたアンティノウスの亡骸に泣きすがっていたそなたの顔、
今でも思い出せる!」
マミ 「酷い……」
杏子 「貴様、それでも人間か!」
ハドリアヌス 「……あのとき、アンティノーの死に嘆き悲しんだわしのソウルジェムは魔女化寸前まで濁った。
辛うじてグリーフシードで穢れを吸わせてもアンティノーの事を思い出す度にわしのソウルジェムは濁った。
わしは自らが魔女になることをよしとせず、何度も自らの命を絶とうとした」
ルシウス (陛下が何度も自殺を試みたという噂は本当だったのか!)
ハドリアヌス 「許せ、アンティノー。わしがそなたを見初めなければ、そなたは死ぬことはなかった……」
反乱軍傭兵部隊長 「そうよ、そなたがアンティノウスを殺したのよ」
反乱軍傭兵部隊長 「愛人アンティノウスの死に絶望したハドリアヌスは魔女になり、帝国は混乱する。
これがわらわの筋書きだったがハドリアヌスは持ちこたえた。残念だわ」
さやか 「その為にカップルの片方を殺すなんて……。絶対に……絶対にお前だけは許さない……」
ルシウス 「貴様、何者だ! 何故それほどにまでローマを憎む!?」
反乱軍傭兵部隊長 「死に行くそなたらには教えてやろう、わらわは――」
265: 2012/07/15(日) 20:48:21.85 ID:kCv25/Jc0
まどか 「クレオパトラ?」
QB (そう、正確にはクレオパトラ7世。古代エジプトの女王だ。それが今、君の仲間が戦っている相手の正体さ)
まどか (どうしてエジプトの女王が攻めて来たの? 先生の話ではこの戦争はローマ帝国とユダヤ人との戦いだって……)
QB (クレオパトラは自分の王国を滅ぼしたローマ帝国を深く恨んでいる。そしてこれだけは言える。クレオパトラは強い。
古代エジプトの女王というだけでなく、シーザーやアントニウスといったローマの英雄達とも関係を持った
彼女の因果の量がどれ程のものか)
まどか (そんな……)
QB (そう、正確にはクレオパトラ7世。古代エジプトの女王だ。それが今、君の仲間が戦っている相手の正体さ)
まどか (どうしてエジプトの女王が攻めて来たの? 先生の話ではこの戦争はローマ帝国とユダヤ人との戦いだって……)
QB (クレオパトラは自分の王国を滅ぼしたローマ帝国を深く恨んでいる。そしてこれだけは言える。クレオパトラは強い。
古代エジプトの女王というだけでなく、シーザーやアントニウスといったローマの英雄達とも関係を持った
彼女の因果の量がどれ程のものか)
まどか (そんな……)
266: 2012/07/15(日) 20:59:18.28 ID:kCv25/Jc0
ルシウス 「馬鹿なッ! クレオパトラは150年以上前に自ら命を絶ち、プトレマイオス朝は滅びた筈だ」
クレオパトラ 「そなたも魔法少女なら知っておろう。魔法少女は全ての条理を覆す存在。
そもそもわらわが自ら命を絶ったというのはローマ人が流布した俗説に過ぎぬ。
我が夫と子供を殺し祖国を皇帝の私領にした憎きローマ帝国! その滅亡をこの目で見るまではわらわは死なぬ」
クレオパトラ 「肉親と国を奪われ一人生き残ったわらわは身分を隠し、帝国への復讐と祖国再興の機会を窺っていた。
バル・コクバの反乱にローマが手を焼いているのを知った私は、傭兵部隊を編成して戦場を駆け、
復讐の機会を窺ってきた」
ハドリアヌス 「クレオパトラ、あのアエギュプトゥスの女王クレオパトラなのか? なんということだ……」
クレオパトラ 「おしゃべりはここまでよハドリアヌス、我が魅了を受けよ!」
クレオパトラ 「そなたも魔法少女なら知っておろう。魔法少女は全ての条理を覆す存在。
そもそもわらわが自ら命を絶ったというのはローマ人が流布した俗説に過ぎぬ。
我が夫と子供を殺し祖国を皇帝の私領にした憎きローマ帝国! その滅亡をこの目で見るまではわらわは死なぬ」
クレオパトラ 「肉親と国を奪われ一人生き残ったわらわは身分を隠し、帝国への復讐と祖国再興の機会を窺っていた。
バル・コクバの反乱にローマが手を焼いているのを知った私は、傭兵部隊を編成して戦場を駆け、
復讐の機会を窺ってきた」
ハドリアヌス 「クレオパトラ、あのアエギュプトゥスの女王クレオパトラなのか? なんということだ……」
クレオパトラ 「おしゃべりはここまでよハドリアヌス、我が魅了を受けよ!」
267: 2012/07/15(日) 21:15:33.86 ID:kCv25/Jc0
ほむら 「魅了?」
クレオパトラ 「そう、わらわの特殊魔法、男の心を虜にする魔法。これでハドリアヌスはわらわの言いなりじゃ」
ルシウス (これが、魅了の力……足が……勝手に)
クレオパトラ 「もう一人男が釣れそうじゃな」
ルシウス 「駄目だッ!」
クレオパトラ 「わらわの魅了を堪えた! 何故!」
ハドリアヌス 「堪えるどころか効いておらぬわ。アンティノーに比べれば貴様の魅力なぞ……」
クレオパトラ 「おのれ、ハドリアヌス。何たる屈辱……」
杏子 「平気そうだね。これが皇帝の力か……」
さやか 「ひょっとしてクレオパトラの魅了って、女性に興味がないと効かないんじゃ?」
マミ 「それで男色家の皇帝には効かなかった……でもルシウスさんにあまり効かなかったのは……」
ルシウス 「私は君達に苛められて女性が怖くなった」
杏子 「何だよそれ」
ルシウス 「それに妻が家を出ていってね。その前から夫婦間のすれ違いはあったのだが……」
マミ 「それで女性不信に……なんだか辛いこと話させたみたいで、ごめんなさいね」
クレオパトラ 「そう、わらわの特殊魔法、男の心を虜にする魔法。これでハドリアヌスはわらわの言いなりじゃ」
ルシウス (これが、魅了の力……足が……勝手に)
クレオパトラ 「もう一人男が釣れそうじゃな」
ルシウス 「駄目だッ!」
クレオパトラ 「わらわの魅了を堪えた! 何故!」
ハドリアヌス 「堪えるどころか効いておらぬわ。アンティノーに比べれば貴様の魅力なぞ……」
クレオパトラ 「おのれ、ハドリアヌス。何たる屈辱……」
杏子 「平気そうだね。これが皇帝の力か……」
さやか 「ひょっとしてクレオパトラの魅了って、女性に興味がないと効かないんじゃ?」
マミ 「それで男色家の皇帝には効かなかった……でもルシウスさんにあまり効かなかったのは……」
ルシウス 「私は君達に苛められて女性が怖くなった」
杏子 「何だよそれ」
ルシウス 「それに妻が家を出ていってね。その前から夫婦間のすれ違いはあったのだが……」
マミ 「それで女性不信に……なんだか辛いこと話させたみたいで、ごめんなさいね」
268: 2012/07/15(日) 21:31:31.32 ID:kCv25/Jc0
ほむら スタスタスタ
クレオパトラ 「?」
ほむら 「ファラオ、何なりとご命令を」
杏子 (ほむらに効いていたー)
さやか (何であんたが虜になるのよ!)
マミ (まさか暁美さんって……)
さやか 「何やってんの、ほむら! 目を覚ませえ!」
マミ 「しっかりして、暁美さん!」
杏子 「二人とも落ち着け」
さやか 「これが落ち着いてられる!?」
マミ 「暁美さんを元に戻す方法があるって言うの!?」
杏子 「決まってるじゃん。要するにぶっ潰しちゃえばいいんでしょ? あの女王様を」
さやか (そう言われれば……)
マミ (暁美さんが相手方についたけど、こちらはハドリアヌス帝が駆けつけた。戦力的にはこれまでよりも有利な筈)
マミ 「クレオパトラさえ倒せば暁美さんは元に戻る筈、それに賭けましょう」
さやか 「結局ほむらとは戦うことになるけど、それしか無いか……」
クレオパトラ 「?」
ほむら 「ファラオ、何なりとご命令を」
杏子 (ほむらに効いていたー)
さやか (何であんたが虜になるのよ!)
マミ (まさか暁美さんって……)
さやか 「何やってんの、ほむら! 目を覚ませえ!」
マミ 「しっかりして、暁美さん!」
杏子 「二人とも落ち着け」
さやか 「これが落ち着いてられる!?」
マミ 「暁美さんを元に戻す方法があるって言うの!?」
杏子 「決まってるじゃん。要するにぶっ潰しちゃえばいいんでしょ? あの女王様を」
さやか (そう言われれば……)
マミ (暁美さんが相手方についたけど、こちらはハドリアヌス帝が駆けつけた。戦力的にはこれまでよりも有利な筈)
マミ 「クレオパトラさえ倒せば暁美さんは元に戻る筈、それに賭けましょう」
さやか 「結局ほむらとは戦うことになるけど、それしか無いか……」
269: 2012/07/15(日) 21:46:05.42 ID:kCv25/Jc0
ハドリアヌス 「ここで決着をつけるぞ、クレオパトラよ」
クレオパトラ 「望むところよ。この戦が終わったらオベリスクを建てさせるわ。
碑文には『ローマ帝国最後の皇帝、ここに眠る』と記してあげる」
ハドリアヌス 「減らず口を叩きおって……余をこの姿にさせることを後悔させてくれよう。変身!」
キュルルルルル……キン、キン、キン、キン、キン
ルシウス (陛下の御衣が魔法少女の衣装に変わっていく……)
マミ (服が切り替わる時、見てはいけないものが見えた気が……)
杏子 (あたしは銭湯の番台のバイトで見慣れてたからいいけど)
さやか (この人が恭介の前で裸になってたの思い出したわ)
ポワワワワ……シャキーン
ハドリアヌス 「魔法少女ハドリアヌス見参! 元老院の皆には内緒じゃぞ」
ほむら (突っこむ気にもならないわ……)
ハドリアヌス 「ルシウス、肩車せよ」
ルシウス 「ハッ、畏まりました。……流石に陛下を歩兵で戦わせるのは私も心苦しいです。私が馬代わりになります」
ハドリアヌス 「それはどうでもいいが、ここまで走って来るのに疲れた」
ルシウス 「は、はあ……」
クレオパトラ 「望むところよ。この戦が終わったらオベリスクを建てさせるわ。
碑文には『ローマ帝国最後の皇帝、ここに眠る』と記してあげる」
ハドリアヌス 「減らず口を叩きおって……余をこの姿にさせることを後悔させてくれよう。変身!」
キュルルルルル……キン、キン、キン、キン、キン
ルシウス (陛下の御衣が魔法少女の衣装に変わっていく……)
マミ (服が切り替わる時、見てはいけないものが見えた気が……)
杏子 (あたしは銭湯の番台のバイトで見慣れてたからいいけど)
さやか (この人が恭介の前で裸になってたの思い出したわ)
ポワワワワ……シャキーン
ハドリアヌス 「魔法少女ハドリアヌス見参! 元老院の皆には内緒じゃぞ」
ほむら (突っこむ気にもならないわ……)
ハドリアヌス 「ルシウス、肩車せよ」
ルシウス 「ハッ、畏まりました。……流石に陛下を歩兵で戦わせるのは私も心苦しいです。私が馬代わりになります」
ハドリアヌス 「それはどうでもいいが、ここまで走って来るのに疲れた」
ルシウス 「は、はあ……」
279: 2012/07/21(土) 09:28:42.69 ID:WYnvG5M30
ハドリアヌス 「そなたは大きいからな。肩車させると見晴らしがいいのう」
ルシウス (陛下の一物が私の後頭部に……)
クレオパトラ 「紫衣の娘。その方、先程は飛び道具を使っておったな」
ほむら 「はっ、使えます。強力な物が」
クレオパトラ 「よろしい、では行くぞ! カエサリオン、この母に力を貸して! ローマめ、積年の恨み思い知れ!」
バシュ
ハドリアヌス 「全軍散れ、やられるぞ!」
ドゴオォォ
クレオパトラ 「後退しながら飛び道具を使え! 数ではこちらが不利、敵に追いつかれるな!」
ハドリアヌス 「追え、こちらも飛び道具を使いながら接近せよ!」
さやか 「飛び道具っていっても私、剣を投げるくらいしか……」
杏子 「あたしも槍が伸びるくらいだし……」
マミ 「私が使えます。皆の援護射撃をします」
ハドリアヌス 「よし、金髪の娘よ、援護せよ! 他の者は我に続け!」
ルシウス (私の熱湯もあまりに離れた敵には届かんしな。遠距離戦ではこちらが不利か)
ハドリアヌス 「止まるな! 止まれば狙い撃ちされるぞ!」
ルシウス (陛下の一物が私の後頭部に……)
クレオパトラ 「紫衣の娘。その方、先程は飛び道具を使っておったな」
ほむら 「はっ、使えます。強力な物が」
クレオパトラ 「よろしい、では行くぞ! カエサリオン、この母に力を貸して! ローマめ、積年の恨み思い知れ!」
バシュ
ハドリアヌス 「全軍散れ、やられるぞ!」
ドゴオォォ
クレオパトラ 「後退しながら飛び道具を使え! 数ではこちらが不利、敵に追いつかれるな!」
ハドリアヌス 「追え、こちらも飛び道具を使いながら接近せよ!」
さやか 「飛び道具っていっても私、剣を投げるくらいしか……」
杏子 「あたしも槍が伸びるくらいだし……」
マミ 「私が使えます。皆の援護射撃をします」
ハドリアヌス 「よし、金髪の娘よ、援護せよ! 他の者は我に続け!」
ルシウス (私の熱湯もあまりに離れた敵には届かんしな。遠距離戦ではこちらが不利か)
ハドリアヌス 「止まるな! 止まれば狙い撃ちされるぞ!」
280: 2012/07/21(土) 09:43:05.03 ID:WYnvG5M30
ハドリアヌス 「槍兵よ、回り込んで敵の側面を突け!」
杏子 「いくらあんたが皇帝でも、私はあんたの家来じゃない」
ルシウス 「貴様! 陛下になんて口の聞き方を!」
ハドリアヌス 「槍兵よ、ならばその方クレオパトラに加担するか」
杏子 「くっ……」
マミ 「佐倉さん、今の皇帝の指示は理に適っているわ」
杏子 「しょうがねえな! 敵を引き付けてくれよ!」
杏子 「いくらあんたが皇帝でも、私はあんたの家来じゃない」
ルシウス 「貴様! 陛下になんて口の聞き方を!」
ハドリアヌス 「槍兵よ、ならばその方クレオパトラに加担するか」
杏子 「くっ……」
マミ 「佐倉さん、今の皇帝の指示は理に適っているわ」
杏子 「しょうがねえな! 敵を引き付けてくれよ!」
281: 2012/07/21(土) 09:53:31.68 ID:WYnvG5M30
QB 「どうだい、まどか。遂にキミの仲間が敵味方に分かれて戦い始めたよ。この状況を打開するにはキミが契約……」
QB 「まどか……」
QB 「一人で彼女達を止めに行ったか。生身の人間が行っても巻き添えを食らいかねないのに」
QB 「死なないでね、まどか。キミの魔法少女の資質は逸材と言っても足りない位なんだから」
QB 「まどか……」
QB 「一人で彼女達を止めに行ったか。生身の人間が行っても巻き添えを食らいかねないのに」
QB 「死なないでね、まどか。キミの魔法少女の資質は逸材と言っても足りない位なんだから」
282: 2012/07/21(土) 10:17:50.89 ID:WYnvG5M30
ジャラララララ
ほむら 「!」
杏子 「捕まえた!」
ルシウス (接近して多節棍状の槍を相手の身体に巻きつける、私を捕縛した時と同じ使い方だ)
マミ 「そのまま暁美さんを捕まえてて! もう少しでそこにリボンを出せるから!」
クレオパトラ (紅衣の娘、こちらの弾幕の外から一気に駆け抜けてきたか)
ほむら 「離して」
杏子 (こいつ、手榴弾のピンを抜いた!)
マミ (爆発に巻き込まれる!)
さやか 「逃げて、杏子!」
杏子 「さやか、受け取れえ!」
マミ (佐倉さん、何を投げたの?)
さやか (あれはほむらと杏子とのソウルジェム!)
杏子 「手癖が悪くてすまねえほむら、せめて一緒にいてやるよ」
ほむら (いつの間に私のソウルジェムを!? それに何で離れないのよ!? 私が本当に操られてると思ってるの?
クレオパトラの魅了に囚われた振りをして隙を窺っていた私の作戦台無し――)
ボカン
ほむら 「!」
杏子 「捕まえた!」
ルシウス (接近して多節棍状の槍を相手の身体に巻きつける、私を捕縛した時と同じ使い方だ)
マミ 「そのまま暁美さんを捕まえてて! もう少しでそこにリボンを出せるから!」
クレオパトラ (紅衣の娘、こちらの弾幕の外から一気に駆け抜けてきたか)
ほむら 「離して」
杏子 (こいつ、手榴弾のピンを抜いた!)
マミ (爆発に巻き込まれる!)
さやか 「逃げて、杏子!」
杏子 「さやか、受け取れえ!」
マミ (佐倉さん、何を投げたの?)
さやか (あれはほむらと杏子とのソウルジェム!)
杏子 「手癖が悪くてすまねえほむら、せめて一緒にいてやるよ」
ほむら (いつの間に私のソウルジェムを!? それに何で離れないのよ!? 私が本当に操られてると思ってるの?
クレオパトラの魅了に囚われた振りをして隙を窺っていた私の作戦台無し――)
ボカン
283: 2012/07/21(土) 10:33:01.07 ID:WYnvG5M30
クレオパトラ (肉体が完全に破壊される前に、自分のソウルジェムを味方に放り投げる。
ソウルジェムさえ無事なら身体を再生できる魔法少女だからこそ出来る手。
とはいえ裏目に出たわ。そのソウルジェムを拾う味方が、わらわに狙い撃ちされるのよ!)
さやか (杏子、ほむら、あんた達を拾ってあげる)
さやか 「はああっ!」
ハドリアヌス 「不用意に跳ぶな! 着地時を狙われるぞ!」
クレオパトラ 「貰った!」
バシュ
さやか 「!」
さやか 「その位!」
クレオパトラ 「回避した!」
ハドリアヌス (仲間のソウルジェムを掴んだ後、空中で形成した魔方陣を足場に方向転換したか。やりおる)
ソウルジェムさえ無事なら身体を再生できる魔法少女だからこそ出来る手。
とはいえ裏目に出たわ。そのソウルジェムを拾う味方が、わらわに狙い撃ちされるのよ!)
さやか (杏子、ほむら、あんた達を拾ってあげる)
さやか 「はああっ!」
ハドリアヌス 「不用意に跳ぶな! 着地時を狙われるぞ!」
クレオパトラ 「貰った!」
バシュ
さやか 「!」
さやか 「その位!」
クレオパトラ 「回避した!」
ハドリアヌス (仲間のソウルジェムを掴んだ後、空中で形成した魔方陣を足場に方向転換したか。やりおる)
284: 2012/07/21(土) 10:52:48.31 ID:WYnvG5M30
マミ (ここまで近づけばリボンが出せる!)
シュルルルル
クレオパトラ (捕まったか……)
マミ 「これで終わりよ! ティロ・フィナーレ!」
クレオパトラ 「ヴァジェドの眼!」
バシュ
ドゴオオォ
マミ (私のティロ・フィナーレを火球で相殺した!)
ギュルルル
マミ 「え?」
ガブッ
ハドリアヌス (クレオパトラの王冠の蛇が巨大化して……)
さやか (マミさんの頭に喰らいついた!)
シュルルルル
クレオパトラ (捕まったか……)
マミ 「これで終わりよ! ティロ・フィナーレ!」
クレオパトラ 「ヴァジェドの眼!」
バシュ
ドゴオオォ
マミ (私のティロ・フィナーレを火球で相殺した!)
ギュルルル
マミ 「え?」
ガブッ
ハドリアヌス (クレオパトラの王冠の蛇が巨大化して……)
さやか (マミさんの頭に喰らいついた!)
285: 2012/07/21(土) 11:10:48.34 ID:WYnvG5M30
ハドリアヌス 「いかん! 長城展開!」
ドドドドゴッ
ルシウス (地面から生えた城壁が大蛇の首を打ち上げた! これが陛下の魔法……)
さやか (大蛇がマミさんの首を吐き出した!)
さやか 「マミさん!」
さやか (よかった、マミさん首が千切れたけどソウルジェムは無事だ)
さやか (マミさん、杏子、ほむら、みんな後で治してあげる)
ハドリアヌス 「剣士よ、余所見するな!」
さやか 「!」
ゴツッ
クレオパトラ 「あんな柔な紐にいつまでも縛られているわらわではないわ」
さやか 「……」
バタリ
クレオパトラ (いくら回復力があっても気絶させれば無力化出来る。わらわがハドリアヌスを倒すまでそこで寝てなさい)
ハドリアヌス (後頭部への杓での一撃で気絶とは、ええい、迂闊な剣士め)
ドドドドゴッ
ルシウス (地面から生えた城壁が大蛇の首を打ち上げた! これが陛下の魔法……)
さやか (大蛇がマミさんの首を吐き出した!)
さやか 「マミさん!」
さやか (よかった、マミさん首が千切れたけどソウルジェムは無事だ)
さやか (マミさん、杏子、ほむら、みんな後で治してあげる)
ハドリアヌス 「剣士よ、余所見するな!」
さやか 「!」
ゴツッ
クレオパトラ 「あんな柔な紐にいつまでも縛られているわらわではないわ」
さやか 「……」
バタリ
クレオパトラ (いくら回復力があっても気絶させれば無力化出来る。わらわがハドリアヌスを倒すまでそこで寝てなさい)
ハドリアヌス (後頭部への杓での一撃で気絶とは、ええい、迂闊な剣士め)
286: 2012/07/21(土) 11:33:34.86 ID:WYnvG5M30
ハドリアヌス 「帝国の平和と繁栄は維持されねばならぬ。後世我れらの優れた統治は讃えられるであろう。
その為にもクレオパトラ、貴様にはここで死んでもらう」
クレオパトラ 「帝国が他民族を支配し、その犠牲の上に成り立つ平和と繁栄などローマ人以外望んでおらぬ。
今起きているバル・コクバの乱がその何よりの証拠。それにそなたも気付いている筈よ、ハドリアヌス」
ハドリアヌス 「何がだ?」
クレオパトラ 「嘗て女王として国を統治していた魔法少女のわらわには分かる。
魔女退治の為にお忍びで市井に出れば、市民や奴隷の目線で世の中を見ることが出来る。
玉座に座っているだけでは決して見えぬものも見えてくるものよ」
ハドリアヌス 「……」
クレオパトラ 「そなたが度々行った巡幸は魔女退治とグリーフシード確保の為であろう。
そして帝国各地を自らの足で見て廻ったそなたは気付いた。ローマ帝国はもはや現状維持が精一杯」
ハドリアヌス 「……黙らんか」
クレオパトラ 「いや、既にゆるやかな衰退を始めている」
ハドリアヌス 「黙れ!」
クレオパトラ (もうこれで終わりにしましょう、ハドリアヌス。
わらわの『魅了』、ハドリアヌスにはともかくあの男には多少効いた)
ルシウス 「くっ! 再び足が……引き寄せられる」
ハドリアヌス 「ルシウス、何をしている! やられるぞ!」
クレオパトラ 「今よ! ハドリアヌス、覚悟!」
バシュ
ドゴオオオォ
その為にもクレオパトラ、貴様にはここで死んでもらう」
クレオパトラ 「帝国が他民族を支配し、その犠牲の上に成り立つ平和と繁栄などローマ人以外望んでおらぬ。
今起きているバル・コクバの乱がその何よりの証拠。それにそなたも気付いている筈よ、ハドリアヌス」
ハドリアヌス 「何がだ?」
クレオパトラ 「嘗て女王として国を統治していた魔法少女のわらわには分かる。
魔女退治の為にお忍びで市井に出れば、市民や奴隷の目線で世の中を見ることが出来る。
玉座に座っているだけでは決して見えぬものも見えてくるものよ」
ハドリアヌス 「……」
クレオパトラ 「そなたが度々行った巡幸は魔女退治とグリーフシード確保の為であろう。
そして帝国各地を自らの足で見て廻ったそなたは気付いた。ローマ帝国はもはや現状維持が精一杯」
ハドリアヌス 「……黙らんか」
クレオパトラ 「いや、既にゆるやかな衰退を始めている」
ハドリアヌス 「黙れ!」
クレオパトラ (もうこれで終わりにしましょう、ハドリアヌス。
わらわの『魅了』、ハドリアヌスにはともかくあの男には多少効いた)
ルシウス 「くっ! 再び足が……引き寄せられる」
ハドリアヌス 「ルシウス、何をしている! やられるぞ!」
クレオパトラ 「今よ! ハドリアヌス、覚悟!」
バシュ
ドゴオオオォ
287: 2012/07/21(土) 12:19:47.38 ID:WYnvG5M30
クレオパトラ 「ハハハハハ、わらわの勝ちじゃ!」
クレオパトラ 「バラバラに飛び散った手足が転がって居る。無様な最期よのう。ハドリアヌス」
クレオパトラ 「ハドリアヌスの横死によりローマがバル・コクバの乱の制圧に失敗すれば、
他の属州も反乱の狼煙を上げるであろう。」
クレオパトラ 「わらわはその混乱の陰で暗躍し、帝国の滅亡を早めてやろうぞ、ハハハハハ!」
グサッ
クレオパトラ 「ア……、グフッ、そんなッ……?」
ハドリアヌス 「残念だったのう、クレオパトラ」
クレオパトラ 「しかし……、バラバラになった遺体がここに……」
ハドリアヌス 「その遺体はルシウスのものじゃ。ちなみにルシウスのソウルジェムはほれ、わしが持っておる」
クレオパトラ 「おのれ、ローマめ……」
ハドリアヌス 「さらばじゃ、クレオパトラよ。あの世でアンティノーに詫びて参れ!」
クレオパトラ 「バラバラに飛び散った手足が転がって居る。無様な最期よのう。ハドリアヌス」
クレオパトラ 「ハドリアヌスの横死によりローマがバル・コクバの乱の制圧に失敗すれば、
他の属州も反乱の狼煙を上げるであろう。」
クレオパトラ 「わらわはその混乱の陰で暗躍し、帝国の滅亡を早めてやろうぞ、ハハハハハ!」
グサッ
クレオパトラ 「ア……、グフッ、そんなッ……?」
ハドリアヌス 「残念だったのう、クレオパトラ」
クレオパトラ 「しかし……、バラバラになった遺体がここに……」
ハドリアヌス 「その遺体はルシウスのものじゃ。ちなみにルシウスのソウルジェムはほれ、わしが持っておる」
クレオパトラ 「おのれ、ローマめ……」
ハドリアヌス 「さらばじゃ、クレオパトラよ。あの世でアンティノーに詫びて参れ!」
306: 2012/08/05(日) 15:02:45.09 ID:pFAF+/1d0
まどか 「ダメェッ!」
ハドリアヌス・クレオパトラ 「!」
まどか 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、みんなは……?」
ハドリアヌス 「安心せい。ソウルジェムを破壊された者はおらぬわ。但しこれから一人死ぬがな」
まどか 「待って!」
ハドリアヌス 「何故止める……? 余はこれから、アンティノーの無念を晴らす。
アンティノーを失ったことで余がどれほど長く苦しんできたことか……」
まどか 「この人も同じだったんだよ。大切な家族を殺されて居場所も無くなって長い間苦しんでたんだよ。
その上ここで殺されるなんてあんまりだよ!」
クレオパトラ 「小娘……わらわに情けをかけるつもりか!」
まどか 「女王様もいけなかったんだよ」
クレオパトラ 「何を申すか! 下賤が!」
まどか 「どんなにローマが憎くても、その恨みを今のローマの人達にぶつけるのは間違ってるよ!
ハドリアヌス様だってエジプトが滅びた時には生まれてもいなかったんだよ。
なのに大好きな人を殺されたハドリアヌス様の気持ちをどうして考えられなかったの?」
クレオパトラ 「しかしそれでも、わらわはローマの滅亡と祖国の再興を見届けるまでは……」
ハドリアヌス 「帝国の禍根となる者を生かしておくわけには参らぬ。これはこの国を任された者の務めだ」
まどか 「だったらクレオパトラ様、私と一緒においでよ」
ハドリアヌス・クレオパトラ 「!」
まどか 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、みんなは……?」
ハドリアヌス 「安心せい。ソウルジェムを破壊された者はおらぬわ。但しこれから一人死ぬがな」
まどか 「待って!」
ハドリアヌス 「何故止める……? 余はこれから、アンティノーの無念を晴らす。
アンティノーを失ったことで余がどれほど長く苦しんできたことか……」
まどか 「この人も同じだったんだよ。大切な家族を殺されて居場所も無くなって長い間苦しんでたんだよ。
その上ここで殺されるなんてあんまりだよ!」
クレオパトラ 「小娘……わらわに情けをかけるつもりか!」
まどか 「女王様もいけなかったんだよ」
クレオパトラ 「何を申すか! 下賤が!」
まどか 「どんなにローマが憎くても、その恨みを今のローマの人達にぶつけるのは間違ってるよ!
ハドリアヌス様だってエジプトが滅びた時には生まれてもいなかったんだよ。
なのに大好きな人を殺されたハドリアヌス様の気持ちをどうして考えられなかったの?」
クレオパトラ 「しかしそれでも、わらわはローマの滅亡と祖国の再興を見届けるまでは……」
ハドリアヌス 「帝国の禍根となる者を生かしておくわけには参らぬ。これはこの国を任された者の務めだ」
まどか 「だったらクレオパトラ様、私と一緒においでよ」
307: 2012/08/05(日) 15:21:26.98 ID:pFAF+/1d0
クレオパトラ 「ふざけたことを……」
まどか 「私、実は未来人なんだ。私達の世界ではローマ帝国は無くなっててね、エジプトはエジプト人の国になってるの」
クレオパトラ 「誠か!?」
ハドリアヌス 「帝国が滅亡しているだと!? 馬鹿なッ!」
QB 「今のまどかの話は本当だ。どんな強大な帝国もいつかは滅びる、ローマ帝国も例外じゃない。
ふぅ、まったく無茶をするね、まどか」
まどか 「クレオパトラ様、私達の世界でもう一度人生をやり直してみない?」
クレオパトラ 「く、来るな! 命が惜しくないのか!?」
まどか 「もういいの。もう、いいんだよ。もう誰も恨まなくていいの、もう誰も呪わなくていいんだよ」
クレオパトラ 「……そなたはわらわを受け入れるのか? 呪いに染まったこのわらわを導いてくれるのか?」
まどか 「あなたは、私が受け止めてあげるから」
クレオパトラ 「ウ、ウ、ウウウッ……」
ハドリアヌス (少女が、泣いているエジプトの女王を優しく抱いている……。
この娘、何て慈愛に満ちた表情。さながら平和と秩序の女神パークスといったところか。
魔法少女ですらない一介の娘が……150年もの長きにわたり怨念に囚われたクレオパトラの心を開いた……)
まどか 「私、実は未来人なんだ。私達の世界ではローマ帝国は無くなっててね、エジプトはエジプト人の国になってるの」
クレオパトラ 「誠か!?」
ハドリアヌス 「帝国が滅亡しているだと!? 馬鹿なッ!」
QB 「今のまどかの話は本当だ。どんな強大な帝国もいつかは滅びる、ローマ帝国も例外じゃない。
ふぅ、まったく無茶をするね、まどか」
まどか 「クレオパトラ様、私達の世界でもう一度人生をやり直してみない?」
クレオパトラ 「く、来るな! 命が惜しくないのか!?」
まどか 「もういいの。もう、いいんだよ。もう誰も恨まなくていいの、もう誰も呪わなくていいんだよ」
クレオパトラ 「……そなたはわらわを受け入れるのか? 呪いに染まったこのわらわを導いてくれるのか?」
まどか 「あなたは、私が受け止めてあげるから」
クレオパトラ 「ウ、ウ、ウウウッ……」
ハドリアヌス (少女が、泣いているエジプトの女王を優しく抱いている……。
この娘、何て慈愛に満ちた表情。さながら平和と秩序の女神パークスといったところか。
魔法少女ですらない一介の娘が……150年もの長きにわたり怨念に囚われたクレオパトラの心を開いた……)
308: 2012/08/05(日) 15:36:34.66 ID:pFAF+/1d0
古代ローマ ルシウスが戦地に造ったテルマエ
ほむら 「治癒魔法で回復したばかりの身体に、温泉の温もりが心地いいわ。
男の目があるから服着たままってのが残念だけど」
杏子 「今思えば、戦闘が始まってからルシウスがここの温泉に飛び込めばよかったんだ。
そしたらルシウスが時間停止使えるようになって楽勝だったのにさ」
さやか 「いくら温泉に飛び込んでも、その後で私達の顔を見たらまた暗示がかかるじゃん」
杏子 「温泉に飛び込んだ後のルシウスに目隠しすればいいのさ」
さやか 「そうか! ……でもそれでうまくいったのかなあ?」
マミ 「もう仲直りしたんだからその話はいいわ。折角のお湯なのに服が身体にまとわりつくのは残念ね……」
ルシウス 「それでは陛下、行って参ります」
ハドリアヌス 「うむ。ルシウス、そなたにはまた助けられたな、礼を言う」
ルシウス 「いえ、私は何も……。それに戦いの最中に足を止め、陛下の身を危険に晒しました」
ハドリアヌス 「そなたの死体があったからこそクレオパトラの目を欺くことが出来た」
ルシウス 「は、はあ……勿体無きお言葉」
ハドリアヌス 「未来にこの者達を送り届けたら直ぐ戻って参れ。そなたにはこれからも働いて貰うぞ。
安心せい、戦わせるつもりは無い。テルマエ技師としてだ」
ルシウス 「はっ!」
ほむら 「治癒魔法で回復したばかりの身体に、温泉の温もりが心地いいわ。
男の目があるから服着たままってのが残念だけど」
杏子 「今思えば、戦闘が始まってからルシウスがここの温泉に飛び込めばよかったんだ。
そしたらルシウスが時間停止使えるようになって楽勝だったのにさ」
さやか 「いくら温泉に飛び込んでも、その後で私達の顔を見たらまた暗示がかかるじゃん」
杏子 「温泉に飛び込んだ後のルシウスに目隠しすればいいのさ」
さやか 「そうか! ……でもそれでうまくいったのかなあ?」
マミ 「もう仲直りしたんだからその話はいいわ。折角のお湯なのに服が身体にまとわりつくのは残念ね……」
ルシウス 「それでは陛下、行って参ります」
ハドリアヌス 「うむ。ルシウス、そなたにはまた助けられたな、礼を言う」
ルシウス 「いえ、私は何も……。それに戦いの最中に足を止め、陛下の身を危険に晒しました」
ハドリアヌス 「そなたの死体があったからこそクレオパトラの目を欺くことが出来た」
ルシウス 「は、はあ……勿体無きお言葉」
ハドリアヌス 「未来にこの者達を送り届けたら直ぐ戻って参れ。そなたにはこれからも働いて貰うぞ。
安心せい、戦わせるつもりは無い。テルマエ技師としてだ」
ルシウス 「はっ!」
310: 2012/08/05(日) 15:47:08.59 ID:pFAF+/1d0
ハドリアヌス 「そして未来から来た娘達よ、そなた達にも礼を言おう。達者でな」
マミ 「ありがたきお言葉。失礼致します、陛下」
ほむら 「失礼致します」
杏子 「しつれいっ! ……舌噛んじまった」
まどか 「失礼します、ハドリアヌス様もお元気で」
さやか 「し、失礼します!」
ハドリアヌス 「……思い出した。お主、わしを足蹴にした娘じゃな」
さやか 「いや、あれは……その……恭介を守る為に……」
ハドリアヌス 「そなたの想い人、大切にせよ。
私の愛したアンティノーは既に星となったが、アンティノーに似たそなたの想い人は地上に居る。
愛する者が傍らに居ることは幸せなことと心得よ」
さやか 「は、はい!」
さやか (きっと恭介のことを言ってるんだよね……恭介、皇帝に私のこと何て紹介したのよ!?)
マミ 「ありがたきお言葉。失礼致します、陛下」
ほむら 「失礼致します」
杏子 「しつれいっ! ……舌噛んじまった」
まどか 「失礼します、ハドリアヌス様もお元気で」
さやか 「し、失礼します!」
ハドリアヌス 「……思い出した。お主、わしを足蹴にした娘じゃな」
さやか 「いや、あれは……その……恭介を守る為に……」
ハドリアヌス 「そなたの想い人、大切にせよ。
私の愛したアンティノーは既に星となったが、アンティノーに似たそなたの想い人は地上に居る。
愛する者が傍らに居ることは幸せなことと心得よ」
さやか 「は、はい!」
さやか (きっと恭介のことを言ってるんだよね……恭介、皇帝に私のこと何て紹介したのよ!?)
311: 2012/08/05(日) 15:57:57.37 ID:pFAF+/1d0
ハドリアヌス 「そなたにも以前会ったな」
和子 「陛下……」
ハドリアヌス 「問おう、そなたらの世界では既に帝国は滅びているのであろう。なのに何故そなたはラテン語が話せる?」
和子 「国は滅びても優れた文化は形を変えて残ります。ローマの文化は後世に多大な影響を与えており、
『全ての道はローマに通ず』とも言われております」
ハドリアヌス 「そうか……。我々ローマ人が生きた証は永遠に残りそうじゃな。そなたと話せてよかった」
和子 「私も、陛下への謁見が叶ったこと生涯忘れません」
ハドリアヌス 「クレオパトラよ、命拾いしたな」
クレオパトラ 「それはわらわの台詞よ、ハドリアヌス。そなたに深手を負わされた時、
わらわは魔女化してでもそなたと刺し違えるつもりだった」
ハドリアヌス 「フッ、よく言う」
クレオパトラ 「わらわは遥か未来から、そなたの働き振りを歴史として見させてもらう。
後世、賢帝扱いされていたら褒めてあげるわ」
ルシウス 「それでは行くぞ! みんな潜る前に息を吸って!」
QB 「キミ達人間は呼吸するからこういう時不便だね」
ゴポポポポポポッ
和子 「陛下……」
ハドリアヌス 「問おう、そなたらの世界では既に帝国は滅びているのであろう。なのに何故そなたはラテン語が話せる?」
和子 「国は滅びても優れた文化は形を変えて残ります。ローマの文化は後世に多大な影響を与えており、
『全ての道はローマに通ず』とも言われております」
ハドリアヌス 「そうか……。我々ローマ人が生きた証は永遠に残りそうじゃな。そなたと話せてよかった」
和子 「私も、陛下への謁見が叶ったこと生涯忘れません」
ハドリアヌス 「クレオパトラよ、命拾いしたな」
クレオパトラ 「それはわらわの台詞よ、ハドリアヌス。そなたに深手を負わされた時、
わらわは魔女化してでもそなたと刺し違えるつもりだった」
ハドリアヌス 「フッ、よく言う」
クレオパトラ 「わらわは遥か未来から、そなたの働き振りを歴史として見させてもらう。
後世、賢帝扱いされていたら褒めてあげるわ」
ルシウス 「それでは行くぞ! みんな潜る前に息を吸って!」
QB 「キミ達人間は呼吸するからこういう時不便だね」
ゴポポポポポポッ
312: 2012/08/05(日) 16:09:13.03 ID:pFAF+/1d0
数年後 草津温泉街 宿屋の一室
TVレポーター 「今回クレオ博士が発見した遺跡の発掘調査もまた、新たな古代史の解明に繋がるのではないかと期待されています。
昨年エジプトでクレオ博士と共同で発掘調査にあたったエジプト考古学の権威、吉○博士は以下のコメントを――」
まどか 「クレオパトラさん、すっかり有名人だね」
マミ 「クレオ博士の正体がクレオパトラと知ったら世間の人はびっくりするでしょうね。
彼女頭の回転も早いし、この世界に来てからの言語の修得もとても早かったわ」
ほむら 「ネイティブで古代文字が読めるし昔の自分の記憶を辿ってそこを掘れば遺跡が見つかるんだから、
考古学者というのは天職だったのでしょうね」
さやか 「おまけに美人だからアマチュア研究家だった頃から世間の注目を集めるのも早かったもんなあ」
杏子 「『美しすぎる考古学者』か……。そろそろ温泉行かない? テレビ消そうか」
まどか 「うん」
パチッ
マミ 「元々この旅行はあなた達の高校卒業旅行の予定だったのよね。誘ってくれて嬉しかったわ」
ほむら 「一足先に大学生活を送っている巴マミを引率に海外旅行でもいいんじゃないかって話にもなったけど、
誰かがパスポートとお金の都合がつかないから県内旅行になったわ」
杏子 「ああ、そうさ、あたしのせいさ! そもそも高校行ってないあたしにとってこれは卒業旅行じゃないしな」
さやか 「まあまあ。最初はロンドン行くなんて話も出たけど、いいんじゃない。あたし温泉好きだし」
まどか 「さやかちゃんが好きなのは温泉じゃなくて露天風呂でオシッコすることだよね、今日はダメだよ」
TVレポーター 「今回クレオ博士が発見した遺跡の発掘調査もまた、新たな古代史の解明に繋がるのではないかと期待されています。
昨年エジプトでクレオ博士と共同で発掘調査にあたったエジプト考古学の権威、吉○博士は以下のコメントを――」
まどか 「クレオパトラさん、すっかり有名人だね」
マミ 「クレオ博士の正体がクレオパトラと知ったら世間の人はびっくりするでしょうね。
彼女頭の回転も早いし、この世界に来てからの言語の修得もとても早かったわ」
ほむら 「ネイティブで古代文字が読めるし昔の自分の記憶を辿ってそこを掘れば遺跡が見つかるんだから、
考古学者というのは天職だったのでしょうね」
さやか 「おまけに美人だからアマチュア研究家だった頃から世間の注目を集めるのも早かったもんなあ」
杏子 「『美しすぎる考古学者』か……。そろそろ温泉行かない? テレビ消そうか」
まどか 「うん」
パチッ
マミ 「元々この旅行はあなた達の高校卒業旅行の予定だったのよね。誘ってくれて嬉しかったわ」
ほむら 「一足先に大学生活を送っている巴マミを引率に海外旅行でもいいんじゃないかって話にもなったけど、
誰かがパスポートとお金の都合がつかないから県内旅行になったわ」
杏子 「ああ、そうさ、あたしのせいさ! そもそも高校行ってないあたしにとってこれは卒業旅行じゃないしな」
さやか 「まあまあ。最初はロンドン行くなんて話も出たけど、いいんじゃない。あたし温泉好きだし」
まどか 「さやかちゃんが好きなのは温泉じゃなくて露天風呂でオシッコすることだよね、今日はダメだよ」
314: 2012/08/05(日) 16:19:37.33 ID:pFAF+/1d0
現代日本 草津温泉 露天風呂
さやか 「……」
まどか 「……さやかちゃん、今オシッコしたでしょ?」
さやか 「……ゴメン」
まどか 「もう、言ったでしょ? お風呂の中でオシッコしちゃ。そんなお風呂の入り方、さやかちゃんの為にならないよ」
さやか 「私の為って何?」
まどか 「え?」
さやか 「私だって普段は、家のお風呂ではしないんだよ。……ただ、その、普通オシッコする時少し寒気するでしょ」
さやか 「ましてや裸ですれば寒くてかなわないところを温泉に浸かったまますると、その寒気が打ち消されるのよ。
それにマッパで外に居る解放感、それも自然の風景を眺めながら広い露天風呂で手足を伸ばして、
お湯の中で重力から解放されてリラックス出来る環境。
それでもって周りに人が居ないのに、居たってまず見つかる筈ないのに、バレるんじゃないかっていう
ドキドキは頭から完全に拭い去れない。スイカに少し塩をまぶすとより甘く感じるのとのと同じで、
この僅かな緊張感が解放感をより強く感じさせるの。一度やったらヤミツキになるよ」
ほむら 「変態だわ」
さやか 「私は変態じゃないよ。ちょ、携帯閉まって!
私は只、露天風呂に入ったままオシッコをすると気持ちいいことに気付いただけなんだ。
変態じゃないわよ。仮に変態だとしても変態という名の淑女だよ! 通報は止めてよ。お願い止めてよ!」
さやか 「こんなことで一々通報されたら私もうトイレでしかオシッコ出来なくなるじゃん!」
さやか 「……」
まどか 「……さやかちゃん、今オシッコしたでしょ?」
さやか 「……ゴメン」
まどか 「もう、言ったでしょ? お風呂の中でオシッコしちゃ。そんなお風呂の入り方、さやかちゃんの為にならないよ」
さやか 「私の為って何?」
まどか 「え?」
さやか 「私だって普段は、家のお風呂ではしないんだよ。……ただ、その、普通オシッコする時少し寒気するでしょ」
さやか 「ましてや裸ですれば寒くてかなわないところを温泉に浸かったまますると、その寒気が打ち消されるのよ。
それにマッパで外に居る解放感、それも自然の風景を眺めながら広い露天風呂で手足を伸ばして、
お湯の中で重力から解放されてリラックス出来る環境。
それでもって周りに人が居ないのに、居たってまず見つかる筈ないのに、バレるんじゃないかっていう
ドキドキは頭から完全に拭い去れない。スイカに少し塩をまぶすとより甘く感じるのとのと同じで、
この僅かな緊張感が解放感をより強く感じさせるの。一度やったらヤミツキになるよ」
ほむら 「変態だわ」
さやか 「私は変態じゃないよ。ちょ、携帯閉まって!
私は只、露天風呂に入ったままオシッコをすると気持ちいいことに気付いただけなんだ。
変態じゃないわよ。仮に変態だとしても変態という名の淑女だよ! 通報は止めてよ。お願い止めてよ!」
さやか 「こんなことで一々通報されたら私もうトイレでしかオシッコ出来なくなるじゃん!」
315: 2012/08/05(日) 16:30:46.03 ID:pFAF+/1d0
杏子 「……いいぜ、付き合ってやるよ」
ほむら 「まさかあなた……」
杏子 「あたしら女だからトイレは個室だろ。男の場合小便器の前で顔を見合わせて会話しながらションベン出来るらしいけど、
あたしらはそうはいかない。でもここならそれが出来るんだ。一人ぼっちは寂しいもんな」
ほむら 「言ってることが分からないわ」
杏子 「……」
まどか 「……もう、したの」
杏子 「……さやか、今、あんたの気持ちがわかったよ」
マミ 「そんなにいいものなの?」
杏子 「ああ……いい夢見させて貰った」
マミ 「だったら、みんなするしかないじゃない! あなたも、わたしも」
まどか 「やだ、もうやだよぅ……こんなの……」
ほむら 「まさかあなた……」
杏子 「あたしら女だからトイレは個室だろ。男の場合小便器の前で顔を見合わせて会話しながらションベン出来るらしいけど、
あたしらはそうはいかない。でもここならそれが出来るんだ。一人ぼっちは寂しいもんな」
ほむら 「言ってることが分からないわ」
杏子 「……」
まどか 「……もう、したの」
杏子 「……さやか、今、あんたの気持ちがわかったよ」
マミ 「そんなにいいものなの?」
杏子 「ああ……いい夢見させて貰った」
マミ 「だったら、みんなするしかないじゃない! あなたも、わたしも」
まどか 「やだ、もうやだよぅ……こんなの……」
316: 2012/08/05(日) 16:36:08.40 ID:pFAF+/1d0
ほむら 「私達だけでもしないようにしましょう」
まどか 「……うん」
ほむら 「でも、二人きりで入ったときは遠慮なくしなさい、まどか」
まどか 「私、ほむらちゃんのこと信じたいのに、ほむらちゃんの言ってることが本当だって思えない」
ゴポゴポゴポゴポッ、ザバァ
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
まどか一同 「キャアアアア!」
まどか 「……うん」
ほむら 「でも、二人きりで入ったときは遠慮なくしなさい、まどか」
まどか 「私、ほむらちゃんのこと信じたいのに、ほむらちゃんの言ってることが本当だって思えない」
ゴポゴポゴポゴポッ、ザバァ
ルシウス 「ぷはァッ! ハァハァハァハァ」
まどか一同 「キャアアアア!」
317: 2012/08/05(日) 16:46:25.13 ID:pFAF+/1d0
古代ローマ ルシウス最新作の皇帝専用テルマエ内
ハドリアヌス 「これが今回のテルマエか」
ルシウス 「はっ。源泉掛け流し掛け捨ての露天テルマエでゆるやかな傾斜に寝そべり、穏やかな湯の流れに身を任せるものです。
首をおく部分は高く作り、波除けもつけたので溺れることはございません」
ハドリアヌス 「ほう、大自然に囲まれて天を仰ぎながらテルマエを楽しむのか。
……これは……まるで青空に吸い込まれそうだ」
ルシウス 「夜になれば満天の星空を眺めながらこのテルマエを楽しむことが出来ます」
ハドリアヌス 「ハハハハハ素晴らしい! テルマエに入りながら、星になったアンティノーを見つめることが出来る……」
ルシウス (星になったアンティノー……。陛下が定めたアンティノウス座のことか……)
ルシウス 「しかし、このテルマエにはもう一つ売りがあります」
ハドリアヌス 「ほう、それは興味深い。何だ?」
ルシウス 「掛け流し掛け捨ての湯が常に頭から足に向けて流れている為に、テルマエに入ったままオシッコが出来ます」
おわり
ハドリアヌス 「これが今回のテルマエか」
ルシウス 「はっ。源泉掛け流し掛け捨ての露天テルマエでゆるやかな傾斜に寝そべり、穏やかな湯の流れに身を任せるものです。
首をおく部分は高く作り、波除けもつけたので溺れることはございません」
ハドリアヌス 「ほう、大自然に囲まれて天を仰ぎながらテルマエを楽しむのか。
……これは……まるで青空に吸い込まれそうだ」
ルシウス 「夜になれば満天の星空を眺めながらこのテルマエを楽しむことが出来ます」
ハドリアヌス 「ハハハハハ素晴らしい! テルマエに入りながら、星になったアンティノーを見つめることが出来る……」
ルシウス (星になったアンティノー……。陛下が定めたアンティノウス座のことか……)
ルシウス 「しかし、このテルマエにはもう一つ売りがあります」
ハドリアヌス 「ほう、それは興味深い。何だ?」
ルシウス 「掛け流し掛け捨ての湯が常に頭から足に向けて流れている為に、テルマエに入ったままオシッコが出来ます」
おわり
318: 2012/08/05(日) 16:47:40.24 ID:pFAF+/1d0
これで終わり。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
温泉、ホテルの風呂、プール、海水浴場等を利用しながらの放尿はやめましょう。正しいマナーで気持ちいい入浴を。
なお、このスレの1に風呂でオシッコをする癖はありません。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
温泉、ホテルの風呂、プール、海水浴場等を利用しながらの放尿はやめましょう。正しいマナーで気持ちいい入浴を。
なお、このスレの1に風呂でオシッコをする癖はありません。
319: 2012/08/05(日) 18:04:55.04
乙でsどういう…ことだ…
320: 2012/08/05(日) 18:20:06.43
イイハナシダッタノニナー?
何はともあれ、お疲れ様でした。
何はともあれ、お疲れ様でした。
326: 2012/08/06(月) 01:55:38.36
乙!
状況の変化が凄いな
状況の変化が凄いな
引用元: 魔法少女テルマエ☆ロマエ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります