1:2017/05/21(日) 00:08:07.025 ID:dbjGMcte0.net
~~ある日の休日~~

ガヴリール(朝、起きたら荷物が届いていた……)

ガヴリール(差出人は不明……普通なら送り主に突き返すだろう)

ガヴリール(しかし、ある単語が私の興味を引き立てた。それは……)

ガヴリール(好感度測定器)
3:2017/05/21(日) 00:09:49.335 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール(……好奇心に負けた私は、箱の中から腕時計型の測定器と取扱説明書をだす)

ガヴリール(とりあえず、取説を読むか)

「この機械は、知りたい相手からあなたへの好感度を測定します。

測定方法は腕に測定器を装着して、相手に向けてボタンを押すだけです。」

「測定したら画面に数値が出てきます。

数値が相手からあなたに対する好感度となっており、数値の基準は下のようになっています。」
4:2017/05/21(日) 00:11:09.546 ID:dbjGMcte0.net
0~50 嫌い ※あまり、あなたに対して良い印象を持っていないようです……

50~60 知り合い程度 ※もっと親密度をあげましょう

61~70 友達 ※良い関係を築けていますね

71~80 親友 ※深い繋がりをお持ちのようで……

81~90 好き ※LikeではなくLoveのほうです

91~100 大好き 愛している 入籍まったなし ※コメントはありません

「また、相手があなたを知らないと機械は測定できません。

家族に関してはLikeの度合いが大きいと思っていたほうがよいでしょう」
5:2017/05/21(日) 00:11:48.986 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール(数値の説明がアバウトだな)

ガヴリール(……今日はネトゲの定期メンテナンスがあるから暇だな)

ガヴリール(……これ、気になるな ……よし、誰かに使用してみよう!)
11:2017/05/21(日) 00:13:17.284 ID:dbjGMcte0.net
~~学校近くの通学路~~
ガヴリール(誰か知っている人はいないかな……)トコトコ


まち子「……あれ、天真さんじゃない?」

上野「あ、本当だ! 天真さんだ!」

田中「一人で何をしているのかな?行ってみよう!」ダッ

まち子「あ、ちょっと二人とも待ってよー!」


上野「天真さん、なにしてるのー!」

田中「どこかにお出かけかなー?」

まち子「天真さん、こんにちは」ペコ

ガウリール「ん、上野と田中と……まち子か」
14:2017/05/21(日) 00:14:18.885 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール(そうだ、ちょうどいい。この3人を測定してみよう)

ガヴリール(…………50以上あるといいな)ポチッ


まち子 64  上野 66 田中 66


ガヴリール(……ん!? 結構高いぞ!?)

上野「なになに、その腕時計どうしたの?」

田中「それ、かっこいいね!」

ガヴリール(さすがに、好感度を測れますとはいえんな……)

ガウリール「これは……某少年探偵が身に着けているようなものだよ」

上野「え、じゃあ麻酔銃がうてるの!?」

田中「すごい、それを撃ってみようよ!! まち子に!」

まち子「なんで、私!? 眠らせてどうするのよ!?」

上野・田中「「それは、もちろん……ねえ」」ぐへへ

まち子「!?」
15:2017/05/21(日) 00:15:40.820 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール(この3人は本当に仲がいいな……)

上野「あ、そうだ! 天真さん、今から一緒に買い物に行かない?」

田中「今から、晩御飯をみんなで作るんだ!」

まち子「そうね、もっと人がいたほうが楽しいしね!」

ガウリール「ありがたいが、ちょっと用事があるから行けないな……」

田中「そっか、残念…… 天真さんおいしく食べてくれるから好きだな!!」

ガウリール「……!」///
16:2017/05/21(日) 00:16:52.882 ID:dbjGMcte0.net
上野「じゃあ、今度皆でコ〇ンを見に行こうよ!」

ガウリール「……うん、行こう」///

上野「約束だよ! 天真さん!」

まち子「私たちはもう行くけど、調理部に顔を出してね。 いつでも来ていいからね!」

ガウリール「……ありがとう」

上野「またねー!」ノシ

田中「バイバイ!」ノシ

まち子「また学校でね」バイバイ


ガヴリール(あっちは友達だと思ってくれていたのか……

学校をさぼり気味で普段素っ気ないのに……なんか嬉しいな)ニマニマ
17:2017/05/21(日) 00:17:56.889 ID:dbjGMcte0.net
~~物陰~~

ゼルエル(…………)

ゼルエル(ガヴリールが真面目に生活しているか、見に来たら……)

ゼルエル(人の好感度を測っているだと?)

ゼルエル(今のガヴリールは好感度とか気にしそうにないが……人恋しいのか?)

ゼルエル(……話しかけてみるか)ヒュン
19:2017/05/21(日) 00:20:04.741 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール(誰かの家に行ってみようかな)スタスタ

ゼルエル「ガヴリール」 ヒュン

ガウリール「うわっ! なんだよゼルエル姉さん! いきなり現れないでよ!」 ビクッ

ゼルエル「……千里眼で見ていたが随分と面白いことをしているな」

ガウリール「ね、姉さんには関係ないでしょ!」

ゼルエル「ひょっとして、皆にどう思われているか気になるのか?」

ガウリール「……そんなことないよ」 フイッ

ゼルエル「お前もそうゆうのを気にするんだな」クスッ

ガヴリール(くそう、こうなったら姉さんの好感度を調べてやる!) ポチッ


ゼルエル 83


ガヴリール(……え!? すごく高い!?)
20:2017/05/21(日) 00:21:02.422 ID:dbjGMcte0.net
ゼルエル「どうだ結果は分かったか?」

ガウリール「なんでこんなに高いんだよ! いつもは私に厳しくて……下界で駄目な天使になったのに……」

ガヴリール(姉さんはダメになった私についていい印象を持っていないと思っていた。

好かれるようなことはしていないのに……)

ゼルエル「私の妹だからだ」

ガヴリール(…………え)

ゼルエル「たとえ下界の娯楽にのめり込んでダメになっても私の妹だからだ」

ガウリール「……でも、私は!!」

ゼルエル「分からないか…… ついてこい」 ガシッ

ガウリール「どこに行くんだよ!」 ワタワタ

ゼルエル「私たちの家だ。 神足通!!」 ヒュンッ
22:2017/05/21(日) 00:22:02.478 ID:dbjGMcte0.net
~~天界の天真家~~

ゼルエル「ハニエルただいま」 ヒュンッ ポイ

ガウリール「痛っ! もうちょっと優しく降ろしてよ!」 ドサッ

ハニエル「あー! ガヴお姉ちゃんだ! どうしたの?」トテトテ

ゼルエル「ガヴリールがハニエルに用事があるから連れてきた」

ハニエル「ガヴお姉ちゃん用事ってなーに?」

ガヴリール(こうなったら、ハニエルも測ろう)ピッ


ハニエル  85


ガヴリール(ハニエルも高い……)
23:2017/05/21(日) 00:23:19.610 ID:dbjGMcte0.net
ゼルエル「どうだ、結果は分かっただろう。 ガヴリールが思っているよりもお前は皆から愛されている」

ガウリール「……そうだね。 こんなに嬉しいことはないよ……」

ゼルエル「私はガヴリールに天使として一人前になってほしくて、厳しくしている」

ゼルエル「ガヴリールは私の妹で、いい方向に変わってほしいと思っている。

お前が落ちぶれたりしても見捨てたりしないさ」

ガヴリール(……)

ゼルエル「ハニエルはガヴリールのこと好きか?」

ハニエル「うん! ガヴお姉ちゃんもゼルお姉ちゃんも大好きだよ!」

ガヴ・ゼル(……///)

ゼルエル「……ということだ。 下界に戻るぞガヴリール!」

ハニエル「ええ!? もう下界に戻っちゃうの?」

ガヴリール「……今度の休暇たくさん遊ぼう。 約束する」ナデナデ

ハニエル「約束だよ!! ガヴお姉ちゃん!!」エヘヘ

ゼルエル「では戻るぞ 神足通!!」ヒュンッ

ハニエル「またねー!」フリフリ
24:2017/05/21(日) 00:24:38.219 ID:dbjGMcte0.net
~~下界の通学路~~

ゼルエル「分かっただろう? 私やハニエルもガヴリールが好きで幸せを願っている その機械で好感度を測らずとも変わりやしない」

ガヴリール「うん、そうだね…… 姉さんありがとう」

ゼルエル「分かったなら、それで人との距離をもう測ろうとするな」

ガヴリール「え!? まだ使いたいよ!」

ゼルエル「ダメだ! ガヴリール! そもそも、人と自分との好感度を測って、自分は好きだと思っている相手から好きでもない場合はどうする!

それを知った日から気まずい関係になってしまうだろう。そうならないためにも…………」くどくどくど

ガヴリール(また、姉さんの説教が始まった…… こうなったら!)

ゼルエル「聞いているのかガヴリール!」

ガヴリール「あ! 姉さんの後ろに白くて大きな犬が!!」

ゼルエル「ふぇ!? い、いにゅ!? いにゅこわい! おうちかえりゅうう!!」シュン

ガヴリール「ほっ……悪は去ったか…………」
25:2017/05/21(日) 00:26:07.245 ID:dbjGMcte0.net
~~ガヴ移動中~~

サターニャ「あれ、ガヴリールじゃない?」

ラフィエル「あら、ガヴちゃんですね」

サターニャ「ちょっと、ちょっかいかけましょう!!」

サターニャ「ガヴリールゥ!!! 奇遇じゃない! なにしてんのよ!!」タッタッタッ

ラフィエル「あ! 待ってくださいー! サターニャさん!」トテトテ
26:2017/05/21(日) 00:27:32.801 ID:dbjGMcte0.net
ガウリール「サターニャとラフィか…… こんなところで何してるんだ?」

ラフィエル「ガヴちゃんこんにちはー 今はサターニャさんとデート中ですよ♪」ニコニコ

サターニャ「ち、違うわよ/// 夕飯の買い出しに行っているのよ///」

ラフィエル「ええ!? そうだったのですか!?!?」ガーン

サターニャ「なんでショックを受けてるの!?」

ガウリール「なんだ、夫婦漫才はよそでやってくれ」

サターニャ「夫婦じゃないわよ!!!」

ラフィエル「そんなー、サターニャさんとはそのような関係ではなかったんですね……」ズーン

サターニャ「ちょっと、落ち込まないでよ!!」アタフタ

ガヴリール(そうだ、今のうちに好感度を測っておこう)ポチッ
27:2017/05/21(日) 00:28:57.232 ID:dbjGMcte0.net
サターニャ  70     ラフィエル  77


ガヴリール(ラフィは天界からの友達だから分かるけど、サターニャが意外と高い……)

ガヴリール「なあ、サターニャって私のこと好きなのか?」

サターニャ「え?」

ラフィエル「は?」

ガヴリール「あ……」

ガヴリール(しまったあああ、何を言っているんだ私は……///)カァァ

ラフィエル「………………………‥……へえ」

ラフィエル「……いくらガヴちゃんでもサターニャさんは渡しませんよ」ニコニコ

ガヴリール(ふぇぇ……ラフィが怖いよ……)ガクブル
29:2017/05/21(日) 00:31:12.347 ID:dbjGMcte0.net
サターニャ「えっと……/// 結構、友達として好きよ……///」カァァ

ラフィエル「……チッ」

ガヴリール「!?」

サターニャ「この話はここでおしまい/// ラフィエル買い物に行くわよ///」スタスタ

ラフィエル「………‥はい、分かりました。ではガヴちゃん、ま た 学 校 で」ニコニコ スタスタ


ガヴリール(去り際、測定するとラフィは75になっていたが、サターニャは73になっていた……)

ガヴリール(……うん、ラフィの前でサターニャにあのようなことをするのは止めよう!)

ガヴリール(それにしても……)

ガヴリール(サターニャはチョロいな……)
31:2017/05/21(日) 00:32:49.800 ID:dbjGMcte0.net
~~ガヴ移動中~~

ガヴリール(大体の身近な人物は測れたな…… 後はタプリスと……ウィーネか)トコトコ

タプリス(あ!? 天真先輩が歩いています! 休日に出歩くのは珍しい気がします!

お話ししましょう!)トテトテ

タプリス「天真先輩―――!!!!」ノシ

ガヴリール(ん、あれはタプリスか……ちょうどよかった。 この機会に好感度を測定しよう)

ガヴリール(天界からの付き合いで、駄天しても変わらずに慕ってくれている可愛い後輩だが……

70ぐらいあればいいな)ポチッ


タプリス  85
34:2017/05/21(日) 00:34:15.402 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール(ふぁ!? ついにラブが来ちゃったよ!!!)

タプリス「天真先輩、お会いできてうれしいです! ……どうしたんですかニコニコして……

まさか、私に会えて嬉しかったとかですか!?」

ガヴリール「そうだよ、会えて嬉しいよ!」ニコニコ

タプリス「ふぇ!?」ドキドキ

ガヴリール「タプリスありがとう!」ダキッ

タプリス「ぼ……ぼへえええええええええええええええええ!!!!」
37:2017/05/21(日) 00:36:38.811 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール「タプリス!? 大丈夫か!」

タプリス(大好きな天真先輩に抱きかかえられています…… 今すごく幸せです!……)ドサッ

ガヴリール「タ、タプリスッ!? どうした応答しろッ!

タプリス……タプリーーーーーーーーーーーーースッッッ!!!!!」アワアワ

ガヴリール(あの後、人目がないところまでタプリスを移動させて、

神足通で私の家まで運んだ……)

ガヴリール(ずっと笑顔だったので問題ないと思い、家に残してきた……)


ガヴリール(残るは……ウィーネだな)
39:2017/05/21(日) 00:38:49.559 ID:dbjGMcte0.net
~~ウィーネの家まで移動中~~

ガヴリール(この好感度測定器で一番知りたかったのはウィーネだ)

ガヴリール(なぜなら、ウィーネのことが好きだからだ)

ガヴリール(駄天使になってもウィーネは私とずっと一緒にいてくれた。 最初はずっと友達でいればいいと思っていた……

しかし、将来離れ離れになったときに友達の関係で終わらしたくなかった)

ガヴリール(私の中でウィーネはかけがえのない存在となっていた…… でも、告白する勇気はなかった……)

ガヴリール(告白して、もしも失敗したときのことを考えると……胸が痛くなった)

ガヴリール(だから、私はずっと逃げていた…… けど、今は測定器が手元にある

これは逃げている私にくれたチャンスなんだ)

ガヴリール(ウィーネが私のことを、どう思っているのかが知りたい)

ガヴリール(知って……ウィーネと付き合いたい…………)
42:2017/05/21(日) 00:40:08.560 ID:dbjGMcte0.net
~~ウィーネの家~~

ガヴリール(よし……チャイム鳴らすぞ)ドキドキ

ピンポーーン

ウィーネ「はーい、どちら様でしょうか」ガチャッ

ガウリール「よう、ウィーネ」

ウィーネ「ガヴじゃない!? 珍しいわね、何も言わずに来るなんて」

ウィーネ「とりあえず、上がりなさいよ」

ガヴリール「……お邪魔します」


ウィーネ「で、どうしたのよ そんな真剣な顔をして」

ガヴリール「ちょっと、試したいことがあるんだ」

ウィーネ「何を試すの? 変なことはしないでよね」

ガヴリール「変なことはしないさ ただ調べるだけだよ」ポチッ
45:2017/05/21(日) 00:42:33.935 ID:dbjGMcte0.net
ウィーネ  95


ガヴリール(……………‥え)

ガヴリール(嘘じゃないよね)ポチッ

ガヴリール(……ボタンを押しても95のままだった)

ウィーネ「あら、腕時計をしているの? ガヴもそういうオシャレするんだ」クスッ

ガヴリール(……………)

ウィーネ「ちょっと、どうしたの?」

ガウリール「いやっほおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

ウィーネ「!?」ビクッ

ガウリール「ガヴちゃん大勝利!!!!!!」 ピース!

ウィーネ「え、本当にどうしたのよ!?」
50:2017/05/21(日) 00:46:34.484 ID:dbjGMcte0.net
ヴィーネ「え、本当にどうしたのよ!?」

ガヴリール「なんでもないよ」

ガウリール「……本当に、何でもないんだ」 グスッ

ガウリール「ただ、嬉しくて…… あれ、涙が……」 ポロポロ

ヴィーネ「大丈夫よ…… 私がついているから……」ダキ

ガウリール「うわああああああああああああああん」 ポロポロ

ヴィーネ「よしよし、嬉し涙は全部だしちゃいなさい」ナデナデ

ヴィーネ「ずっと…… そばにいるからね」ナデナデ

ガヴリール(その後、泣き終わるまでずっとそばにいてくれた)

ガヴリール(両想いが分かったことに加えて、優しく抱擁してくれている暖かさで涙が止まらなかった)

ガヴリール(私は今、世界で…… 一番幸せだ……)
51:2017/05/21(日) 00:47:44.347 ID:dbjGMcte0.net
ヴィーネ「落ち着いた?」

ガヴリール「うん、落ち着いた」

ヴィーネ「……で、どうしたの?」

ガヴリール「実は……」

ガウリール(ヴィーネに測定器のこととかをすべて話した……)

ガウリール(卑怯だと言われるかもしれない…… でも、これは私が人の心を覗いたケジメだった……)

ガウリール(でも、ヴィーネは)

ヴィーネ「私も……ガヴと同じ立場だったらそれを使うわね。

私も臆病だから…… だから、自分を責めないで」ナデナデ

ガウリール(本当にヴィーネは暖かいな……)

ガヴリール「ヴィーネ」

ヴィーネ「なあに?」

ガヴリール「愛している」

ヴィーネ「……私もよ」ポロポロ
52:2017/05/21(日) 00:48:49.867 ID:dbjGMcte0.net
ガヴリール(今日この日を一生忘れないだろう 年老いて死んだとしてもずっと永遠に……)

ガヴリール(結局、送り主は誰かは分かっていない……)

ガヴリール(だが、これだけは言わせてもらう)

ガヴリール(幸せをありがとう)

  
                   完
53:2017/05/21(日) 00:49:15.493 ID:U4HveVKN0.net
55:2017/05/21(日) 00:49:40.622 ID:an3aF2Lu0.net

一瞬BADENDの可能性が頭をよぎった
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1495292887