1: 2009/02/01(日) 20:50:32.29 ID:PHSz28tIO
女「えっと…手紙をくれたの君だよね?」

男「そうだが、不服か?」

女「ううん…ラブレターなんて貰ったの初めてだから嬉しいなって…」

男「ラブレター?何のことだ?」

女「……え?違うの?」

男「ああ、ただな、貴様のことを考えていると、
何故かこの邪気眼が疼くのだ……
だから呼び出したまでだ」

女「…は…はぁ」

2: 2009/02/01(日) 20:51:17.42
フフフ…いいだろう、続けろ…

3: 2009/02/01(日) 20:51:44.56 ID:PHSz28tIO
女「えっと…邪気眼って?」

男「知る必要のないことだ」

女「う…うん…」

男「さて、本題にはいろう」

女「本題……」ドキドキ

男「お前は、これから俺と行動してもらう。ちなみに拒否権などない」

女「強引だなぁ……でも…うん…わかった」

4: 2009/02/01(日) 20:54:46.72 ID:PHSz28tIO
友「女!女っ!」

女「なぁに?友ちゃん、そんなに慌てて」

友「あの、男と付き合い始めたって本当なのっ!?」

女「…う…うん」

友「なんで頬染めて嬉しそうなのよ!
あの男だよ!邪気眼だよ!」

女「邪気眼ってのはよくわからないけど、
告白なんて初めてだし…嬉しかったし…」

8: 2009/02/01(日) 20:57:18.54 ID:PHSz28tIO
友「変なやつだとは思わなかったの?」

女「ユニークな人だなって思ったけど」

友「ユニークで片付くレベルじゃないよ!
あんなので本当にいいの!」

女「………」コクッ

友「……りょーかい…お幸せに…」

11: 2009/02/01(日) 21:01:59.26 ID:PHSz28tIO
男「おい」

女「あ、男くん」

友「うわっ…」

男「別々に帰るのは危険だ」

女「あ、一緒に帰ろうってことかな?…嬉しい」

友「確かに、最近不審者多いもんね。
なかなかやるじゃん」

男「ククク…不審者か…そう思うのもいいだろう」

女「え?何?」

友「……いや、こいつの話は流していいから」

13: 2009/02/01(日) 21:05:23.89 ID:PHSz28tIO
男「………」

女「………」

女(どうしよう…何か話さなきゃ…)

女「あ……」

男「今日は因子が濃いな…」

女(い…因子?天気か何かのことかな?)

女「そうだね。良い陽気だね」

男「ああ…この妖気…ただものじゃないな…」


16: 2009/02/01(日) 21:09:48.41 ID:PHSz28tIO
男「この公園か…」

女「寄り道していくの?えへへ、初デートだね」

男「…生身の人間が入るには少々危険だな。これをつけろ」

女「…ミサンガ?あ、昔流行ったんだよね。これ」

男「俺の力を注ぎこんだものだ。それを付ければ少しの間は大丈夫だろう」

女「男くんの手作り…大事にするね…」

男「ああ、命にかかわる問題だからな」

18: 2009/02/01(日) 21:13:15.35 ID:PHSz28tIO
男「ここから先は危険だ。俺から離れるなよ」

女「う…腕とか組むのかな?」

男「俺から離れることは、そく死に繋がると思え」

女「わ…わかった…腕くむね…」ムギュ

男「ちっ…もう手遅れだったか…」

女(は…はぁ…緊張しすぎて何も考えられないよぅ…)

20: 2009/02/01(日) 21:18:16.73 ID:PHSz28tIO
男「仕方ない…駆除をするか…
女、俺から絶対に離れるなよ」

女(も…もっとくっつくの…それって…)

男「仕方ない…これを解放するしか手はないか…」シュルシュル

女(だだだ…抱き着くってことかな…)

男「今、封じられし邪気眼の封印をとく…」

女(でーと初日で抱き着くってのは普通なのかな…どうなんだろ…)

22: 2009/02/01(日) 21:22:25.87 ID:PHSz28tIO
男「悪しき妖魔よ…くらえ!」

女(男くんが何か言ってるみたいだけど…頭が混乱しすぎてわからない…)

男「ちっ…逃がしたか…」シュルシュル

女「お、男くんっ!」

男「……なんだ?」

女「ば、ばっちこーい!」バッ

男「………何がだ?」

女「…あぁあああ」

男「面白い奴だな」

24: 2009/02/01(日) 21:27:14.84 ID:PHSz28tIO
女「うぅぅ……」

男「どうしたんだ、さっきから」

女(変な女だって思われた…嫌われちゃったかも…)

男「さて、機関の動きも気になるところだ。
帰ろうか」

女「あ、私の家こっちだから」

男「そうか」

女「あ…男くんも家こっちなの?」

男「いや、あっちだ」

女「え?真逆だよね?」

男「お前も俺と行動している以上、機関から狙われる可能性があるからな。
送っていこう」

女(…す…素敵すぎる)

28: 2009/02/01(日) 21:31:25.04 ID:PHSz28tIO
女「男くん、わざわざありがとう」

男「気にするな。邪気眼の導きのもとに行動したまでさ」

女「お茶とか飲んでく」

男「ククク…俺を家にあげるのは危険だ。やめておけ…」

女(それって…男くんも狼さんになっちゃうってことかな…)

男「俺は常に機関に狙われているからな」

女(でも…でも…男くんなら…)

男「じゃあな」

女「あ、うん、また明日ね」

31: 2009/02/01(日) 21:35:38.03 ID:PHSz28tIO
女「ああ…男くん…」ポワーン

弟「姉ちゃんどうしたの?ぼーっとして」

女「え?あはは、何でもないよぉ」

弟「なんか嬉しそうだね」

女「嬉しそう?そう見えるの?
うん、お姉ちゃん、今とっても幸せなの」

弟「ふーん、まぁどうでもいいけど」

33: 2009/02/01(日) 21:38:39.21 ID:PHSz28tIO
友「おはよー」

女「おはよう友ちゃん」

友「昨日の帰りはどうだったの?」

女「昨日?昨日は……うぅ……」

友「どうしたの?何かされたの?」

女「違うの…私が変なことしちゃって…」

友「…大丈夫、きっとあいつのほうが変だから」

38: 2009/02/01(日) 21:43:47.01 ID:PHSz28tIO
女「あの…あのね…男くん…」

男「なんだ?」

女「お…お弁当を作ってきたの…」

男「………」

女「あ…重かったかな?こういうの」

男「なかなか考えたな。
確かに、この学校に機関の手が既に回っている可能性は高い。
食料を持参するとは…」

女(ほ…褒められた…やった…)

女「じゃ、じゃあ毎日作ってきていいかな?」

男「ぜひ頼む」

41: 2009/02/01(日) 21:46:41.55 ID:PHSz28tIO
男「美味かった」

女(完食してくれた…嬉しい…)

男「さて、これからどうしようか」

女「あ、お喋りしてようよ」

男「そうだな、情報の交換は大切だからな」

42: 2009/02/01(日) 21:49:28.11 ID:PHSz28tIO
友「で、昼休みはずっとお喋りしてたと…」

女「うん、でも男くん難しい言葉ばっかりで、少し意味がわからなかったかな」

友「いや…難しいとかそういうことじゃないと思うけど…」

女「あ、それよりね!男くんが私のお弁当を全部食べてくれたの」

友「その話はさっきも聞いたんだけど」

44: 2009/02/01(日) 21:58:14.95 ID:PHSz28tIO
女「でね、そのときね…」

男「危ない!」

グイッ

女「えっ…え?」

ムギュ

男「この角を曲がるのは危険だ。俺の邪気眼が疼いている」

女「あ…わ…わわ…」

女(だ…抱き…抱きつい…)


友「あの曲がった先が、不良のたまり場なんだよねぇ…」

45: 2009/02/01(日) 22:02:50.69 ID:PHSz28tIO
女「ふ…ふゅう…」

友「…大丈夫?湯気ふいてるよ」

女「…えへへ…えへへへへ」

友「本当に大丈夫?頭おかしくなっちゃったんじゃないの?」

女「だって…抱きしめられちゃったんだよ…
力強くだよ力強く…えへ…」

友「…駄目だこりゃ」

48: 2009/02/01(日) 22:10:12.48 ID:PHSz28tIO
女「あ…あれ?…男くんは…」

友「さぁ?帰ったんじゃない?」

女「…そんな…私のこと嫌いになっちゃったのかな…」プルプルプル

友「だ、大丈夫だから!きっと用事があったんだよ。
とりあえず今日は帰ろ」

玄関

男「遅かったな」

女「お…男くん…待っててくれたの?」

男「まぁな」

女「ぐす…ひっく…ごめんなひゃい…男くんのこと疑って…」

男「………」

友「あんたのせいなんだから、困ってないで慰めてやりなさいよ!」

男「俺が困る…笑止…」

友「うるさい!」

ビクッ
男「………」

54: 2009/02/01(日) 22:12:59.39 ID:PHSz28tIO
男「まぁ…あれだ…」

女「ひっく…男くん…」

男「人間は間違って成長していく生き物だ…気にする必要はない…」

友「あんた、もっとちゃんと…」

女「うん、そうだね!」

友(…すっごい笑顔、アレでいいの?)

62: 2009/02/01(日) 22:40:29.29 ID:PHSz28tIO
友「さてと、じゃあ私は退散しますよっと」

女「え?なんで…」

男「そうだ、一般学生と同行したほうが奴らにばれる可能性も低くなる」

友「いやいやいや、お邪魔虫はいないほうがいいでしょ」

女「構わないよ。ねっ男くん」

男「ああ、足手まといが一人増えた程度、どうということはない」

友「ねぇ女、こいつなんかむかつくから殴っていい?」

63: 2009/02/01(日) 22:44:54.82 ID:PHSz28tIO
友「で、女はこいつのどこが良いの?」

女「…え…そんな…男くんの前で」

友「大丈夫、こいつ今何かと戦ってるから」

男「ちっ…亜空間に隠れるとは…やっかいな奴だ」

女「え…と…優しいとこかな?」

友「優しいねぇ」

男「ククク…では空間を切り裂く我が奥義をくらうがいい?」

友「……それ本当なの?」

67: 2009/02/01(日) 22:49:49.49 ID:PHSz28tIO
友「で、あんたは…」

男「セーフティ、一番から五番まで解除、続いて…」

友「続いてじゃねえよ」ゲシッ

男「な…なんだ?」

友「あんたは何で女に手紙なんて書いたの?」

男「邪気眼が反応したからだが」

友「もういい、あんたには何も聞かないから」

男「それは助かる、他人には話せないことのほうが多いからな」

68: 2009/02/01(日) 22:53:04.58 ID:PHSz28tIO
友「そういえば、そのミサンガって…」

女「うん、男くんからもらったんだよ」

友「今時ミサンガって……」

男「ただのミサンガではない。これは…」

友「はいはい、二人にとって特別なものなんだね」

71: 2009/02/01(日) 22:55:44.38 ID:PHSz28tIO
友「じゃあ私の家こっちだから」

女「じゃあね」

友「うん、また明日」

男「常に背後に気をはっていけよ」

友「うるせぇ」



友「はぁ…なんか疲れた……」

73: 2009/02/01(日) 23:04:47.22 ID:PHSz28tIO
不良「ん?あれ邪気眼じゃね?」

ヤンキー「だな、おーい邪気眼!」

ビクッ
男「ここは因子が濃すぎる、場所を移そうか」

不良「へい、何逃げようとしてんだよ」

男「俺が逃げるだと…面白いことをぬかすな」

ヤンキー「そんなのいいから、いい加減に邪気眼見せろよ」

76: 2009/02/01(日) 23:07:25.12 ID:PHSz28tIO
男「何度も言っているだろ。知らないほうが幸せだと」

ヤンキー「いいから見せろって……ん?誰だその子」

女「…お…男くん…」

男「知らんな」

不良「だろうな、こいつに女子の知り合いなんているわけないだろうしな」

77: 2009/02/01(日) 23:10:27.50 ID:PHSz28tIO
男「…ククク、貴様らは気づいていない。
追い詰められているのは、実は自分達だということを」

不良「……何いってんのこいつ」

ヤンキー「…さぁ?とにかく、さっきの子も逃げちゃったみたいだけど、どうするの?」

男「…そうか、それでいい」

82: 2009/02/01(日) 23:12:46.91 ID:PHSz28tIO
不良「…でどうする?結局」

ヤンキー「むかつくから殴る?」

友「はーい、お巡りさんこっちでーす!」

不良「や、やべぇ…逃げるぞ!」

ヤンキース「なんだよこの在り来りの展開!」

警察官「こらー!」

不良「え?ふりじゃなくて本当に呼んだの?」

85: 2009/02/01(日) 23:17:22.44 ID:PHSz28tIO
男「国家権力もたまには役にたつものだな。
手を下す手間がはぶけた」

女「えっぐ…ごめんなさい…一人じゃ何していいかわからなくて…」

男「何を謝っているのか…理解に苦しむ…」

友「何言ってんの。膝ガクガクのくせに」

男「膝?ああ、これは前の戦いで不覚にも深手をおってな」

友「あんたってば相変わらず……でも少し見直したよ」

87: 2009/02/01(日) 23:19:50.57 ID:PHSz28tIO
女「本当にごめんなさい…ひっ…えっぐ…」

友「とにかく、私は帰るから女をどうにかしときなさい」

男「…どうにか?」

友「じゃあね」

男「待っ……」

女「ひっぐ…えっぐ……」

男「………」

94: 2009/02/01(日) 23:24:36.94 ID:PHSz28tIO
男「気にする必要はない…
それとも、あの程度の奴らに遅れをとるとでも?」

女「………」

男「………大丈夫だ。あの程度の奴らなら邪気眼を使うまでもない」

女「でも…でも……」

男「友という増援を呼びにいったのだろ?
まぁ必要はなかったがな…
だが、手間ははぶけた。礼は言っておく」

171: 2009/02/02(月) 11:54:36.60 ID:9CRr6L1qO
男「最近、機関の追っての気配がする」

女(男くんとはこのままお付き合いを続けて……ゆくゆくは結婚かなぁ…)

男「気配からすると、男が一人の組と、二人組の女といったところか…」

女(だとすると…最初の子供は男の子と女の子どっちがいいかなぁ…)

男「お前はどちらを先に始末すればいいと思う?」

女「わ…私は男の子がいいなぁ…」

男「妥当だな、先に一人の男を消し、やっかいな二人を後に始末する」

女(男くんも私と同じだ…がんばろ…)

173: 2009/02/02(月) 12:00:07.36 ID:9CRr6L1qO
男「ふっ…今日の風はいやに肌にさすな…」

ガチャ
友「いたぁ!屋上なんかにいたの!?」

男「ククク…俺の居場所を突き止めるとは…おま…」

友「いいから女のところに行ってあげなさーい!」

男「…何故だ?」

友「あんたのことを探してたのよ!馬鹿っ!」ゲシッ

男「…あまり俺を怒らせないほうがいい。
仏やなんかとは…」

友「うるさーい!早くいけっていってるでしょ!」ゲシッゲシッゲシッ

男「ぐっ……いいだろう…」

175: 2009/02/02(月) 12:02:28.79 ID:9CRr6L1qO
男「………」

女「あ、男くん!やっと見つけた」

男「俺に用件があるということは、よほど重要なことのようだな」

女「あ、うん…それがね…その…」

男「大衆の前では話せないようなことなのか…わかった。場所を移そうか」

女「あ、うん」

178: 2009/02/02(月) 12:05:17.67 ID:9CRr6L1qO
男「ここなら人目を気にする必要もないだろう」

友「って…またここに来たのかいっ!」

女「あ、友ちゃん…」

友「なんだか込み入った話みたいだね。
じゃあ、教室に戻ってるから」

女「いいよ、友ちゃんなら…」

男「では用件を聞こうか」

182: 2009/02/02(月) 12:11:50.25 ID:9CRr6L1qO
女「あのね…映画のチケットを貰ったんだけどね…」

友(あれか、確か前売り券を一緒に買いに行ったやつ)

女「せっかく貰ったのに使わないのは勿体ないよね?
だから、今度の週末…その暇なら…」

女(断られたらどうしよう…怖くて男くんのこと見れない
…)


男「終末か…終焉えと向かう時期に暇なわけが…」

グイッ

ボソッ
友「今週末だボケ。どうせ暇なんだから行・け・よ……」

パッ

男「…やれやれ、拒否権はないというやつか。
面白い受けてたとう」

女「え…あ…ありがとう!」

183: 2009/02/02(月) 12:15:57.27 ID:9CRr6L1qO
女「男くん、昼休み以外どこにいるんだろう…
教室にもいないし…」

友「…………」

女「ふふっ、でもそれがあるから昼休みに会うのが、
こんなに待ち遠しくて、嬉しさも増すんだろうね」

友(ずっとトイレに篭っていることは内緒にしておこうっと…)

270: 2009/02/02(月) 21:38:38.81 ID:9CRr6L1qO
……これは……様子を見たほうが良さそうだな

277: 2009/02/02(月) 21:48:19.39 ID:9CRr6L1qO
>>273
>>274

この流れで吹いたのだが

289: 2009/02/02(月) 22:05:30.20 ID:9CRr6L1qO
週末

女「少し早くつきすぎちゃったかな」



友「まったく…まだ約束の時間まで30分もあるのに」

友(心配だからといってこっそり尾行するなんて…友達失格かもね…)

男「おい、何故俺がこのような場所に隠れないといけないのだ」

友「あんたの服装のせいでしょうが。
そんな格好で女とデートなんて許さないからね」

男「このバリアジャケットに何の問題があるというのだ。
物理、属性共に最高クラスのものだぞ」

友「そう…そのコートがね…じゃあいくら私が蹴っても痛くも痒くないってことね…」

男「…まぁそうなるな」

293: 2009/02/02(月) 22:08:23.63 ID:9CRr6L1qO
ゲシッゲシッ

男「…も…勿論だ。その程度の物理ダメージなど」

ゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッ

男「…何も…意味は……」

ゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッゲシッ

男「…こ…効果など…うっ…あるはずも…」

友「あぁああもぉおおお!こっちも疲れるんだからいい加減にしてよっ!」

294: 2009/02/02(月) 22:09:47.39 ID:9CRr6L1qO
男「………」

友「ふぅ…なんとか間に合った」

男「この軟弱そうな格好はなんだ。
障壁の一つもついてないぞ」

友「さっきの黒一色よりだいぶマシだっての」

男「…このような装備では、もし機関の奴らが来でもしたら」

友「いいからさっさと女のとこに行く!
遅刻は許さないからね」

男「やはり…」

友「ん?」

男「これは必要だっ」バッ

友「あっ!?黒コート!」

シュタタタタタタタタ

友「あ…こら待……速い…」

299: 2009/02/02(月) 22:17:07.96 ID:9CRr6L1qO
友「はぁ…はぁ…全然追いつけない…なんて逃げ足…」


女「あっ男くん」

男「待たせたな」

女「ううん、今来たところだから」

男「残念だが、俺に嘘は通用しない」

女(男くん…には全てお見通しなんだ…凄いなぁ…)

友「ぜぇ…ぜぇ…お…遅かった……って、格好はスルーなの?
私の苦労はいったい……」

303: 2009/02/02(月) 22:22:44.29 ID:9CRr6L1qO
女「この映画ね、かなり話題の作品なんだよ。
私も見るの楽しみだったんだよ」

友(…はぁ、アクションものなんて、興味ないのに無理しちゃって)

男「………」

友(あいつは何突っ立ってるのよ…)

男「……ぐっ」ヨロッ

女「男くん!?大丈夫?」

男「たいしたことはない…ただ少し不覚をとっただけだ…」

友(さっきのか……やりすぎたかも…)

316: 2009/02/02(月) 23:05:05.05 ID:9CRr6L1qO
女「面白かったね!私、本当はアクションものとかあまり見ないんだけど」

男「ククク…これがアカシックレコードの一部だとわかって見ている奴らなど皆無なのだろうな」

女「アカシックレコード?制作会社?」

318: 2009/02/02(月) 23:10:42.92 ID:9CRr6L1qO
男「ところで…」

女「え、何かな?」

男「いや、お前じゃない。
後ろの奴は何が目的なんだ?」

女「後ろ?……誰もいないけど…」

友(はぁ…はぁ…なんて勘が鋭いのよ…)

男「まぁいい、取り立てて害はなさそうだからな」

319: 2009/02/02(月) 23:16:46.88 ID:9CRr6L1qO
女「ねぇ…この後どうする?」

男「用件も終わったのだから帰るのが得策だろう」

女「あ、そうだね…」

ヒュンッ…ゴンッ

男「うがっ…なんだこれは…何か書いてあるな」

帰るなボケ

男「………」チラッ

友(帰ったら殺す)

男「殺気を感じた…もう少し一緒に行動しようか」

女「あ…うん!」

367: 2009/02/03(火) 05:39:32.81 ID:mFqRcUW/O
友(公園かぁ…まぁ変なところに行くよりはマシかな)

女「この公園…二人で初めて来た場所だよね」

男「ああ、あの妖魔を駆逐したところだな」

女「あの…あのね…」

男「なんだ?」

女「私ね…男くんのこと本当に…その…だ…大好きだから…」

男「あのとき、亜空間に逃げられて大変だったな」

友(話聞けよっ!今大事なところだろうがっ!)

372: 2009/02/03(火) 05:47:50.37 ID:mFqRcUW/O
女「あのね…最初はね…急に告白されて…その…流されちゃったようなところもあったかもしれないの…でもね」

男「今は因子も安定しているな…これなら大丈夫だ」

友(話聞けって!おい!)

女「男くんとお付き合いしてるうちに…心の底からっていうのかな?
その…本気で好きになっちゃった」

男「むっ…と思ったらあっちから超級の妖気が…」

友(石…石はないの!?石っ!)

女「だから…もう一度言うね…私、男くんのこと…だーっい好…あれ?…男くんは?」

友(え?あいつどこ行った!?)

女「…ひっく…えっぐ…」ポロポロポロ

377: 2009/02/03(火) 06:14:34.30 ID:mFqRcUW/O
友「どこ!?どこ行った!」

キョロキョロ

友「…許さない…もう殺す」

男「………」

友「いた!」

男「…待て、今は争いを」

友「うるさいっ!」ゲシッ

378: 2009/02/03(火) 06:17:30.51 ID:mFqRcUW/O
友「なんで?なんでなんで?なんで、あんな事できるの!」ゲシッ

男「…全ては邪気…」

友「黙れ!」

男「………」

友「なんで…なんであんたは、いつもそうなの…
なんで、あんな酷いことするの…」

男「………」

408: 2009/02/03(火) 11:19:30.47 ID:mFqRcUW/O
男「俺は不幸を呼び寄せる…一緒にいるべきではない」

友「あんた…ちゃんと女の話を聞いてたんだ…」

男「一字一句聞き逃したことなんてないさ…」

友「じゃあなんで!」

男「俺といると彼女まで不幸になってしまう」

女「不幸って何よ!ちょっと不良にからまれるだけでしょ。
ただ一緒にいるだけで幸せってことだってあるんだよ」

男「………」

女「だいたい、それならなんで手紙なんて出したの!」

男「………」クルッ

女「ちょっと、どこ行く気よ!話はまだ…」

男「俺は…邪気眼の意思に従うまでだ」

411: 2009/02/03(火) 11:26:31.33 ID:mFqRcUW/O
女「えっぐ…ひっく……」

男「………」

女「男くん…あ、へ…また変なところ見せちゃった…あはは…」

男「…涙は人を強くする」

女「う…うん…よくわからないけど、わかった…」

男「………」

女「………」

415: 2009/02/03(火) 11:47:28.66 ID:mFqRcUW/O
友(心配できてみたけど…耳打ちなんかして何を言うのよ…)

男「……これが俺の答えだ」

友(あ…終わった)

女「ふ………ふにゅう…」ペタンッ

友(な、何!?女が腰砕けに!)

男「ククク…」ニヤッ

友(……なんか、これはこれでムカつく)

416: 2009/02/03(火) 11:50:51.69 ID:mFqRcUW/O
友「ねぇ、女」

女「ふふふっ、なぁに?」

友(…不自然なくらいの上機嫌)

友「なんか嬉しそうだけど、あいつに何か言われたの?」

女「…………」

友(顔がみるみる赤く…)

ボンッ……パタッ…

友「えっ?女!?大丈夫?」

女「えへへへ…」

友(な…何言われたのよぉおおお!)

428: 2009/02/03(火) 12:20:35.68 ID:mFqRcUW/O
不良「なんだ、そっちから突っ掛かってくるなんて珍しいな」

男「これは俺の過去への決別でもある」

不良「相変わらず意味不明なこといいやがって」

男「ククク…所詮は群れることでしか…」

バコッ

男「へぶっ…面白い…まさか障壁を破るとはな」

不良「めんどくさ…もうちょっかい出さんから、
お前も構ってくんなよ」



男「…ククク、逃げたか」

友「ほら、ハンカチ」

男「……気配を消していたか。なかなかやるな」

429: 2009/02/03(火) 12:24:20.79 ID:mFqRcUW/O
友「まったく…そこまでする必要もないのに」

男「…これは過去との決別だ。
俺は新たな人生を生きる」

友「私ね、あんたのこと…」

男「………」

友「生理的に受け付けないけど、嫌いじゃないよ」

男「……どういうことだ?」

友「まっ、これからも女を頼むよ。もう泣かせるんじゃないよ」

430: 2009/02/03(火) 12:31:41.45 ID:mFqRcUW/O
友「はぁ…あの二人とつきあってると疲れるよ…
お、仲良く下校してんじゃん」


女「…男くん、その頬どうしたの?」

男「機関の奴らと少しやりあってな。
なに、かすり傷だ」

友「かすり傷って…あきらかに打撲じゃん…
まったく噛み合ってないのになんで、こうも上手くいったのかなぁ…」


女「ねぇ…本当に痛くないの?」サスッ

男「痛覚などすでに存在してい、痛っ…」

友「見せつけてくれちゃって………」


友「私も彼氏つくろうかな…」


終わり

438: 2009/02/03(火) 12:45:43.78
ククク…今まで張りついて良かったぞ…>>1乙。

444: 2009/02/03(火) 12:52:57.28
乙だ、>>1も次の刺客に備えておけ・・・

481: 2009/02/03(火) 16:06:39.19 ID:mFqRcUW/O
友「結局、あの時女に何て言ったの?」

男「ククク…それはお前が知る必要のないことだ」

友「いや、ただ単に言うのが恥ずかしいことでしょ」

男「違うな…やはり邪気眼をもたねものにはわからんか…」

友(なんかやっぱり腹立つ)

その後単発

483: 2009/02/03(火) 16:20:00.67 ID:mFqRcUW/O
弟「なぁ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

妹「え、なに?」

弟「俺もよく知らないんだけど。
うちの姉ちゃんとお前の兄ちゃんが付き合ってるって聞いたんだけどさ」

妹「お…お兄ちゃんが?」

弟「ああ」

妹「…いつも兄がお世話になってます」

弟「……なんで急にかしこまるんだよ」

一回出して、その後出し忘れた弟

485: 2009/02/03(火) 16:22:32.11 ID:mFqRcUW/O
弟「で、お前の兄ちゃんってどんな感じなの?」

妹「く…くろい?」

弟「暗い感じか…まぁ、うちの姉ちゃんも基本おとなしいからお似合いかもな」

妹(違う…違うの…)

486: 2009/02/03(火) 16:25:08.75 ID:mFqRcUW/O
弟「他は?」

妹「…格好付け?」

弟「さっきもそうだったけど、何で疑問系なんだ?」

妹(よくわからないからです……)

492: 2009/02/03(火) 16:31:49.71 ID:mFqRcUW/O
弟「まぁいいか、そんなに興味ないし」

妹「えっと、お姉さんはどんな感じなの?」

弟「姉ちゃん?えーっと…さっきも言ったけど基本おとなしくて…」

妹「う…うん」

弟「流されやすいタイプってのかな?」

妹「あぁああ…」ガクッ

弟「急にどうした?」

妹「すいません…うちの兄がすいません…」

弟「本当にどうしたんだよ!?」



友「右も左もカップルか…住みにくい時代になったものだね…」


弟偏終わり


キョンが邪気眼だったら

引用元: 男「ククク…よくきたな…」